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詳しくはリンク先PDF(授業実践例)をご覧ください。
授業実践例(高等学校 英語Ⅰ①) 1 単元名 「Lesson7 ONE STEP BEYOND」教科書 p92~93(UNICORN ENGLISH COURSEⅠ 文英堂) 2 単元の目標 ・ 地雷撤去作業中に重傷を負い,右手と右足の一部を失ったクリス・ムーン氏が絶望の中から立ち 上がり,長野オリンピックで聖火ランナーを務めるまでの物語を読み取ることができる。 ・ 言語の使用場面を設定し,本文中の表現を使って相手に情報を伝えることができる。 3 学習内容 (単元7/8時間) 4パート構成のレッスンの4パート目である。各パートを2時間で行い,本時はパートの1時間目 にあたる。パートの1時間目は本文の内容把握を行う。クリス・ムーン氏が義足をつけて初めてロン ドンマラソンを走った時の様子や長野オリンピックで聖火ランナーを務めた際の心情を読み取る。 4 ICT活用のねらい ① 動画や画像による予備知識の形成 ② スライドを利用した新出語句の定着 ③ 動画を使用した内容確認 5 使用したICT機器及びソフトウェア 6 機器の配置図 ・ パソコン ・ 黒 プロジェクター ・ スクリーン ・ スピーカー ・ ipod touch スクリーン パソコン スピーカー ・ PowerPoint 7 板 プロジェクター ICTを活用した授業場面 ・ 導入 画像,文字情報,動画を提示しながらオーラルイント ロダクションを行った。すぐに動画を見せるのではなく, 始めに画像や文字情報を提示し,生徒と英語でインタラ クションを行いながら,興味・関心の喚起を図った(写真 1)。生徒が教師とのやりとりの中で予備知識をもった後 に英語音声のみの動画を視聴することで,その内容を理 解しやすくなる。さらに,本動画の視聴を通して,教科 書の音声以外の生きた英語を聞き取ることができたとい う成功体験をさせて,英語学習への動機付けを図った。 写真1 画像と文字情報の提示 ・ 展開 新出語句を提示するフラッシュカードの代わりに PowerPoint のスライドを利用した(写真2) 。アニメー ション効果で英語から日本語,次に日本語から英語と提 示して意味の定着を図った。単語のみではなく,反意語 や語のつながり(コロケーション)も意識させた。その 後,3分間で語句を記憶するように指示した。3分後, BGM(ロッキーのテーマ)を流しながら,一人ずつ指 名して教師が新出語句の一つを日本語で言い,生徒がす ぐに英語で答える活動を行った。すぐに答えられない場 写真2 新出語句の提示 合は次の生徒に進み,もう一度教師が回ってくるまで語句を暗記する。BGMが流れ終わるまでに 全員が答え終わることを目標にした。 ・ まとめ 本文で取り扱われている長野オリンピックでクリス・ムーン氏が聖火ランナーを務めるシーンを 動画で提示した。リスニングやQ&Aで内容把握をした後で動画を視聴することによって,本文の 内容理解の確認を行うとともに,クリス・ムーン氏の表情や会場の雰囲気に触れることで,本文中 の心理描写をさらに深く理解することを図った。 8 授業の展開 学習活動 段階 1 画像と文字情報をもと 教師の支援 ○ クリス・ムーン氏の画像と 導 にして教師のオーラルイ 文字情報をスクリーンに提示 入 ントロダクションを理解 しながら,オーラルイントロ する。 ダクションを行う。 2 動画でクリス・ムーン ○ ICT活用場面 ねらい① 生徒の興味・関心をひくよ 氏が義足をつけて走る様 うな問いかけをして,動画を 子を見る。 再生する。 動画はこちら 3 展 開 教師の後につけて新出 ○ 語句を発音する。 新出語句をスクリーンに提 4 示しながら発音をする。アニ 3分間で語句を暗記す メーション機能を使って活動 る。 5 ねらい② が単調にならないようにす ペアで日本語を英語に る。 直すクイズを行う。 6 起立して,教師が発問 ○ 英語が苦手な生徒であって する日本語を英語に直し も楽しんで活動ができるよう たら着席する。 に,BGMを流して,ゲーム の要素をもって行う。 7 プリントを見て文法の ポイントを確認する。 ○ 質問がないか生徒に確認す る。 動画はこちら 8 リスニングで本文の概 ○ 音声を流す。 ○ 数名を指名してつかむこと 要を把握する。 9 ペアで自分が把握でき た情報を交換する。 10 全体で把握できた情報 を確認する。 のできた情報を発表させる。 11 もう一度本文を聞く。 12 さらに把握することの できた情報を全体で確認 する。 13 情報を基にワークシー ○ トを完成させる。 机間指導を行い,個別に生 14 ワークシートの答えを 徒への支援を行う。 ○ 確認する。 必要に応じて解説を加えな 15 ま 本文に出てくるシーン がら,答え合わせをする。 ○ を動画で視聴する。 動画を再生し,生徒が読ん でイメージした内容と一致し と め ねらい③ ていたかをたずねる。 16 正しい発音で音読をす ○ る。 適切な長さで区切りなが ら,本文を読み,リピートさ せる。 ○ 9 課題を指示する。 ICTを活用したことによる成果 ・ 動画や画像による予備知識の形成 初見の文を読む際には,理解の度合いが,語彙や文法を理解する能力に加えて,内容に関する予 備知識の有無によっても左右される。今回の授業では導入時に本文に関連する動画を視聴すること により,生徒に共通の背景知識を形成して,英語が苦手な生徒であってもスムーズに読解をするこ とができた。 ・ 英語で行う授業を視覚的に補助 新学習指導要領では「授業は英語で行うことを基本とする」ということが改訂のポイントとなっ ている。教師は,生徒の理解できる英語を使うことに加えて,スライドで活動内容を文字やイラス トを使って提示することで,英語が苦手な生徒であっても安心して,スムーズに各活動に取り組む ことができるような配慮をすることができた。 10 授業実践を終えて 今回使用した教室には機材が常設されていないため,10 分間の休み時間に機材の搬入と設置を行っ た。日常的にICTを活用した授業を行うためには,機材が常設された環境が望ましいが,それがな い場合には,英語係や日直の生徒に協力をしてもらうことも考えられる。機材の数が限られているこ とから,準備の大変さがICT活用のハードルの一つであるので,各学校の実情に応じてそれを軽減 していく工夫が必要である。