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圏央道以北地域の産業地誘導に関する基本的考え方

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圏央道以北地域の産業地誘導に関する基本的考え方
圏央道以北地域の産業地誘導に関する基本的考え方
平成23年9月
埼
玉
県
(平成23年12月 一部改正)
■ 基本的な考え方
<背景・目的>
○ 圏央道の整備に伴い県内高速道路網が充実し、関越自動車道、東北自動車道の
利便性が飛躍的に向上します。東日本全域、西日本全域への企業の行動も容易と
なり、埼玉県は東日本における工業、流通系の施設立地に最適な位置となります。
圏央道以北地域においては、企業誘致施策の展開により大手自動車メーカーや
食品メーカーをはじめ多くの企業立地が進んでいます。
今後も圏央道以北地域は、圏央道整備に伴う波及効果が期待されるとともに、
大手企業の関連企業の進出など、新たな企業立地が見込まれます。
○ 埼玉県は、このチャンスを活かした産業地誘導を推進し、市町村の活性化に向
けた取組を支援します。
○ また、東北地方太平洋沖地震により、甚大な被害を受けた地方における復興の
ための製造拠点や物流拠点を担えるものと考えます。
<目 標>
目標1 圏央道以北地域での高速道路等を活かした工業・流通系の産業地誘導
小・中規模の単体開発を中心に、企業の進出見込みを前提に産業地誘導を推
進します。
※「企業の進出見込み」とは、企業の立地意向などが市町村に表明されて
おり、市町村が確認している状況を指します。
目標2
土地利用調整のスピードアップ
県は、チャンスメーカー埼玉戦略Ⅱの総合窓口(以下、
「総合窓口」という。
企業立地課所管)の元に、市町村が行う土地利用にかかる法令調整を支援す
る産業地調整窓口(田園都市づくり課所管)と主要関係課で構成される連絡
会議(土地水政策課所管)を効果的に活用し、工業・流通系の土地利用調整
のスピードアップを図ります。
1
目標3
県北の豊かな自然、田園環境との調和、乱開発の抑止
圏央道以北地域の豊かな自然や田園環境と産業地誘導との調和を図るとと
もに、沿線の市町村による乱開発抑止に関する基本方針の策定等を支援します。
■ 「基本的考え方」の適用範囲
<適用地域>
この「基本的考え方」では、次の①から③に含まれる地域(圏央道以北に限る。)
について積極的に産業地誘導を図るものとします。
ただし、「田園都市産業ゾーン基本方針」の適用地域は除きます。
① 関越自動車道、東北自動車道の各インターチェンジから概ね5kmの範囲
② 国道17号(4車線及びバイパス)から概ね3kmの範囲
※併走区間はバイパスのみ対象
③ 秩父地域における国道140号及び国道299号から概ね3kmの範囲
④ 県道飯能寄居線(毛呂山町内から小川町内)から概ね3kmの範囲
<適用業種>
この「基本的考え方」で立地を誘導する業種については、工業、流通系の業種に
限定します。
<適用期間>
平成28年度までとします。
■
1
具体的取組み
土地利用調整のスピードアップを図るための推進体制の確立
企業進出の見込みを前提とした産業地誘導を円滑に進めるためには、企業活動の
スピードに合わせた行政のスピーディな土地利用調整が必要となります。
このため県では、課題や方向性のとりまとめについて一定の期限を定めて推進し
ます。
2
(1)産業地調整窓口の新たな設置
県は市町村からの開発相談にワンストップで対応するため、総合窓口と連
携した土地利用にかかる法令調整を支援する窓口を産業地調整窓口として新
たに設置し、市町村の産業地誘導を支援します。
産業地調整窓口は、市町村に対し、土地利用上の課題について助言・支援を行う
とともに、市町村と連携して県関係課と調整を行います。
土地利用にかかる法令調整とは、都市計画法だけでなく、農地法、森林法、農業
投資の状況などを指します。
また、産業地調整窓口は、土地利用動向にかかる情報を収集し、新たな産業地創
出の実現に努めます。
(2)土地利用調整を進める連絡会議の活用
県主要関係課で構成される連絡会議で土地利用調整を進めます。
市町村から寄せられる企業立地にかかる土地利用上の相談に対し、連絡会議での
調整を経て、短期間に立地上の課題や方向性を出します。
連絡会議は、土地利用調整に関連する主要な県関係課で構成し、市町村からの相
談に機動的に対応できる会議運営を行います。
(3)スピーディな土地利用調整
県は市町村からの事前相談を経た開発計画書の提出を受けた後、連絡会議
に諮り開発相談の課題を整理し、2週間以内に市町村に連絡します。
また、県は市町村の課題の検討に対し助言・支援するとともに、検討結果
の提出を受けた後、連絡会議に諮り開発の可能性や手法などの方向性を2か
月以内に市町村に連絡します。
以下のフローに従ってスピーディな土地利用調整を進めます。
※詳細については別途作成する産業地調整窓口設置運営要綱で定めるものとし
ます。
3
土地利用調整フロー
企業の立地意向
県総合窓口(企業立地課)
立地相談
市
連携
町 村
産業地調整窓口(田園都市づくり課)
事前相談
開催依頼
開発計画書の提出
連絡会議
課題取りまとめ
産業地調整窓口(田園都市づくり課)
2
週
間
課題の伝達/助言・支援
市
町 村
課題の検討/検討結果の提出
産業地調整窓口(田園都市づくり課)
開催依頼
連絡会議
課題調整/方向性の取りまとめ
産業地調整窓口(田園都市づくり課)
2
か
月
方向性の伝達/市町村の手続き支援
市
町 村
個別手続き
2
具体的な誘導方策
圏央道以北地域の各市町村においては、企業誘致による雇用の創出や地域の活性
化に取り組んでいます。
これまでは、圏央道沿線地域において、産業団地の整備とともに大手企業の立地
が進んできました。一方、圏央道以北地域においては、圏央道整備に伴う波及効果
や大手企業の関連企業の進出が見込まれますが、圏央道沿線地域に比べると必ずし
も企業立地ニーズは高いとはいえないことから、中小規模の単体立地のニーズを見
据えた対応が必要です。
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このため、区域区分による工業団地整備のほか、企業進出の見込みを前提とした
地区計画や開発許可などの手法を効果的に活用した、適切な土地利用を誘導します。
なお、圏央道以北地域は農業振興を図るべき優良農地や保全すべき自然環境が多
い状況にあり、法令等に基づき農振農用地区域などは開発区域には含まないものと
します。(農振農用地区域については、農振法第12条の2に基づく基礎調査の結
果等により、市町村農業振興地域整備計画の変更(当該区域の農振除外)が見込ま
れる場合は除く。)
(1)都市計画法第34条第12号を適用する場合、中小規模の産業地誘導を前
提として調整を進めます。
法第34条第12号の適用に先立ち、開発許可権限を持つ市町村の案件を含め、
農地などとの調整や周辺地域の道路・排水等の整備状況について検討を行います。
同条同号の適用に当たっては、企業立地の見込みを前提とします。
※「中小規模」とは20ヘクタールに満たない規模を指します。
※「企業立地の見込み」とは、企業が明確に特定の区域に立地する意志を市町村
に表明している状況を指します。
(2)都市計画法第12条の5(地区計画)を適用する場合、5ヘクタール以上の
産業地誘導を前提として調整を進めます。
地区計画制度を活用し、良好な基盤が整った産業施設の誘導を図ります。
地区計画についても企業立地の見込みを前提とします。
なお、市街化調整区域での20ヘクタールを超えるような開発については、法令
によるとともに、都市計画運用指針の考え方に準拠し、市街化区域編入などの調整
を進めます。
3
県企業局の参画・支援
県企業局は、企業立地の見込みが確実な場合には、市町村からの要請に基づき、
役割分担を行った上で事業を進めていきます。また、地元市町村とも協議の上、企
業ニーズ等に応じた新たな産業団地についても参画・支援します。
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4
県北の豊かな自然、田園環境との調和、乱開発の抑止
圏央道以北地域は、豊かな森林や農業投資された優良農地が広がっていること
から、地域の環境と産業地誘導との調和を図る必要があります。
本考え方の適用を受ける地元市町村は、企業立地を契機に適用地域内の乱開発
が進むことのないよう、対策を取る必要があります。
(1)沿線の市町村による乱開発抑止に関する基本方針の策定等の支援
適用地域において、資材置場等の乱開発を抑止するため、沿線の市町村に
よる乱開発抑止に関する基本方針の策定等を支援します。
企業立地に当たっては、適用地域内の環境に配慮し、新たに資材置場や残土置場
などの乱立を招くことがないようにする必要があります。
そこで、適用地域内での乱開発を抑止するため、市町村による都市計画法、農地
法等の関係法令による総合的な対応をとりまとめた、乱開発抑止に関する基本方針
の策定等を支援してまいります。
(2)景観法の活用
地域の環境と産業地誘導との調和を図るため、景観法を活用します。
圏央道以北地域は、豊かな自然、田園環境が残る緑豊かな地域であり、この景観
を維持保全し、次世代に引き継ぐ必要があります。
そこで、県の景観計画(特定課題対応区域)又は市町村による景観計画、景観地
区等を活用し、地域の環境と産業地誘導との調和を図ります。
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