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第1回蚊媒介性感染症に関する小委員会

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第1回蚊媒介性感染症に関する小委員会
第1回蚊媒介性感染症に関する小委員会
平成26年12月17日(水)
1 4:0 0~1 6:00
航 空 会 館 5 階
501+502 会 議 室
議
1
開会
2
議題
事
次
第
(1) 蚊媒介性感染症について
(2) 蚊媒介性感染症に関する特定感染症予防指針の策定について
(3) その他
3
閉会
配付資料
資 料 1
資 料 2
参考資料1
参考資料2
参考資料3
参考資料4
参考資料5
参考資料6
参考資料7
蚊媒介性感染症について
蚊媒介性感染症に関する特定感染症予防指針(仮称)の
策定について
蚊媒介性感染症に関する小委員会の設置について
第6回感染症部会資料(デング熱関連のみ抜粋)
デング熱国内感染事例発生時の対応・対策の手引き地方
公共団体向け(第 1 版)
デング熱診療ガイドライン(第 1 版)
東京都蚊媒介感染症対策会議検討経過概要
西宮市の感染症媒介蚊対策の現状
デング熱(蚊媒介性感染症)に対する熱海市の状況
蚊媒介性感染症に関する小委員会 委員名簿
◎ 大石 和徳
国立感染症研究所感染症疫学センター長
大石 浩二
西宮市産業環境局産業環境総括室環境衛生課長
大曲 貴夫
(独)国立国際医療研究センター病院国際感染症センター長
角田 徹
(公社)東京都医師会理事
小森 貴
(公社)日本医師会常任理事
澤邉 京子
国立感染症研究所昆虫医科学部長
椎野 正昭
熱海市市民生活部協働環境課長
調 恒明
山口県環境保健センター長
髙崎 智彦
国立感染症研究所ウイルス第一部第二室長
前田 秀雄
東京都福祉保健局技監
松井 珠乃
国立感染症研究所感染症疫学センター第一室長
◎ 委員長
媒介蚊対策は、ヒトスジシマカから!
ヒトスジシマカは
デング熱、チクングニア熱
の媒介蚊
2014年12月17日
高崎智彦 (国立感染症研究所ウイルス第一部)
1
アルボウイルス発熱性疾患
• チクングニア熱
拡大傾向が持続
• デング熱(2010, 2012年)
東南アジア、中南米で大流
行
2
デングウイルスの感染環
蚊
吸血中のヒトスジシマカ
ウイルス
ネッタイシマカ
•デングウイルス;フラビウイルス科
•チクングニアウイルス;トガウイルス科
自然
宿主
3
2010年の我が国におけるデング熱輸入症例
243名
18
18
1/1
3/1
5/10
7/12
9/20
ヒトスジシマカの活動期
11/29
4
Yoyogi story
代々木公園のヒトスジシマカの数は半端な数ではない!
ウイルス遺伝子配列は一致する!
移
動
移
動
5
我が国におけるヒトスジシマカ幼虫の発生源
樹洞
墓石の花立て
雨水マス
ビニールテント
発泡スチロールの箱
植木鉢の皿
手水鉢
古タイ
ヤ
6
高雄市(台湾)の雨水マス
水が流れていないがきれいである(上段)
水が流れている雨水マス(下段)ではネッタ
イシマカは発生しない。
7
** デ ン グ 熱 **
日本人の誤解を解くコーナー
1. ×デング熱は森や林、ジャングル、田舎で感染する?
正解⇒デングウイルスの媒介蚊はヒトの住環境が発
生母地で都市部で流行します。
2. ×日本国内ではデング熱が流行したことがない?
正解⇒1942から1945年にかけて、神戸・大阪・広島・
呉・佐世保・長崎などで約20万人に上る温帯地域最大
のデング熱流行が発生した。
3. ×デングウイルスを媒介する蚊は日本国内にはいな
い?
正解⇒デング熱を媒介する蚊は、ネッタイシマカとヒト
スジシマカで、ヒトスジシマカは東北地方以南に生息し
夏季には活発に活動している。
8
Dengue and Malaria reported cases
in JAPAN
350
325
300
249
244
250
220
200
154
150
112
104
109
100
83
50
50
78
52
75
89
74
93
74
67
49
113
58 62
57
52
78
73
56
48
56
32
9
18
1999
2000
0
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
黄色:デング熱報告数(2014年は国内発生数を含む)
青色:マラリア報告数
※2014年は第47週現在 9
国内侵入リスク
デング熱、チクングニア熱>マラリア
マラリア国内流行リスクの低い理由
備
考
熱帯熱マラリア患者が東南アジア
で減少している!
働くために多く人が、マラリア
流行地から都市部にでてく
る。
抗マラリア薬が存在し、さらに新
薬が登場している。
デング熱には、ワクチンも抗
ウイルス剤もまだない。
マラリア媒介蚊(ハマダラカ)の発生場所が自
然の豊かなところ(湿原、沼や水田)であり、輸 ヒトスジシマカは、公園や住
入マラリア患者が帰国後、そういうところで活動 環境で発生する。
することが少ない。
10
我が国におけるマラリア患者数が急激に減少した理由と将来の流行可能性
北海道留辺蘂町(北見市)での戦後マラリア
1947 1948 1949 1950 1951 1952 1953 1954 1955 1956 1957
北海道
942
286 111
47
18
21
7
1,736
東京
769 314 129
60
19
6
福井
104
73
25
32
21
9
7
2,036 1,881 2,258 2,223 291
滋賀
86
31
1,006
愛知
264
49
68
53
44
34
高知
411
111
21
16
6
1
10
1,094
鹿児島
286 160
30
19
3
4
28,210 11,825 4,953 3,716 1,016 480 262
全国
5
5
2
4
27
0
3
168
12
202
1
2
11
0
1
337
9
4
0
2
2
0
0
66
17
2
1
0
1
0
0
47
4
1
2
0
1
0
0
33
2
0
症例数
1946
2
5
マラリアの国内感染症例が激減した理由と将来予測
1
5
1
0
5
0
戦後10年で国内感染症例数は28,210名から100名以下となった
熱帯熱マラリア
三日熱マラリア
1948
1949
1950
1951
1952
1953
1954
1955
1956
1957
1958
1959
戦後の我が国のマラリア患者発生状況
ハマダラカ類幼虫が発生する水域
1)水田等で発生するハマダラカ成虫の数が1950年代以降著しく減少した。
2)1960年代に一般家屋に網戸が普及し、室内にハマダラカが侵入できなく
なった。その結果、夜間ハマダラカに刺されることがほとんどなくなった。
3)輸入マラリア症例は2007年以降60-80症例であり、患者の多くが都市
部に居住している。 現在、人口密集地でハマダラカ類に刺されることは
ほとんどなく、国内感染の可能性は相当低いと考えられる。
4)温暖化でマラリアが流行する可能性が指摘されているが、積極的な蚊の対策
が何も行われなかった状況における戦後のマラリア患者数の急激な減少、住
宅構造の変化、幼虫発生源(水田、湿地)の環境変化などから、大正〜昭和
初期に琵琶湖周辺地域で見られた大きな流行が起こる可能性は低い。
水田
用水路
シナハマダラカ
三日熱マラリアを媒介するシナハマダラカ、
オオツルハマダラカの幼虫発生源 11
ヒトスジシマカの日本における分布
八峰
八戸(2010,2011)
大槌(2011)
12
世界におけるヒトスジシマカの分布
ヒトスジシマカの
侵入・定着が確認
された国(1979~)
Albania
1979
Trinidad
1983
USA
1985
Brazil
1986
Mexico
1988
Italy
1990
Nigeria
1991
South Africa 1991
Cuba
1995
Guatemala 1995
Honduras
1995
Bolivia
1997
Argentina
1998
Colombia
1998
Paraguay
1998
France
1999
Cameroon
2000
Panama
2002
Nicaragua
2003
Swiss
2003
Greek
2003
Belgium
2004
Spain
2004
本来の分布地域
新たに侵入定着した地域
防除によって駆除された地域
13
ヨーロッパにおけるヒトスジシマカの分布
赤:定着、黄:検出、緑:調査済(検出せず)、灰:調査無
14
2005-’06 西インド洋諸国でのチクングニア熱の流行
15
カリブ海諸国におけるチクングニア熱の流行
• 2013年12月6日にカリブ海のサン・マルタン
(セント・マーチン)島のフランス領で報告され
た。西半球で初確認された症例であった。
• 2014年6月22日に、成田空港検疫所にてドミ
ニカ国からのチクングニア熱症例(53歳、女
性)を確認した。
• 米国では、夏休みシーズンに入り、カリブ海
諸国への旅行者が増加している。輸入症例
を介したチクングニア熱国内侵入に対して強
い警戒!⇒7月にフロリダに侵入!
16
17
2007年、チクングニア熱がイタリアで流行
イタリア北東部(右地図赤*; Castiglione
di CerviaとCastiglione di Revenna )で
は2007年7—9月の間に205人(死者1
人)の患者が報告され、フランス南東部
のリヴィエラ地方では2010年9月に相次
いで2例の国内発生例が報告された.イ
タリアの流行ではヒトスジシマカからもチ
クングニアウイルス遺伝子が検出された
ため,イタリアおよびフランスにおけるチ
クングニア熱の流行はヒトスジシマカに
よって媒介されていると考えられている.
イタリア国内には、インドからの輸入感
染症患者により持ち込まれた可能性が
考えられる。
18
世界の航空機ルート
19
資料2
蚊媒介性感染症に関する特定感染症予防指針(仮称)
の策定について
平成26年12月
結核感染症課
1
感染症法に基づく蚊媒介性感染症への対応
•
1999年:感染症法制定
– デング熱、マラリア、日本脳炎を「(旧)四類感染症」として指定。患者の全数報告を
義務付け。
•
2002年:感染症法政令改正
– ウエストナイル熱の米国での流行拡大を受け、同疾病を(旧)四類感染症に指定
•
2003年:感染症法改正
– 新たな感染症の類型「(新)四類感染症」を創設し、蚊媒介性感染症について、積極
疫学調査の実施(第15条)、蚊の駆除(第28条)等の措置を適用できることとした。
– 動物の輸入届出制度を創設(鳥類はウエストナイル熱の臨床症状を示していないこ
とも輸入の要件)
•
2011年:感染症法政令改正
– チクングニア熱を(新)四類感染症に指定
•
2014年8月末~10月:デング熱の国内感染事例発生
– 自治体向け「デング熱国内感染事例発生時の対応・対策の手引き」、臨床医向け
「診療ガイドライン」を作成・改訂
– 全国の地方衛生研究所に迅速診断キットを配布
– 「デング熱対策に関する関係機関緊急対策会議」の開催 など
•
その他
– 「ウエストナイル熱等に係る関係省庁連絡会議」の開催(2002年~、毎年開催)
2
蚊媒介性感染症に関する現状と主な課題
蚊媒介性感染症であるデング熱について、平成26年8月末に約70年ぶりに国内感染が
確認され、以後160名の国内感染症例が確認された。
蚊媒介性感染症のまん延防止のためには、
①平時からの蚊対策
②患者の的確な診断と適切な医療の提供
③迅速な発生動向の把握
④発生時の的確な蚊対策を含む迅速な対応 等
が重要であるが、近年は感染症対策の一環として蚊対策を行うことが稀となっている
現状がある。
そのため、各自治体においても蚊対策の知見が乏しくなっており、蚊媒介性感染症対
策の充実が喫緊の課題となっている。
蚊媒介性感染症について、感染症法第11条に基づく感染症に位置付けることにより、
当該感染症に応じた予防の総合的な推進を図るための指針を策定する。
3
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
[平成10年法律第114号]
[最終改正:平成26年法律第115号]
特
定
感
染
症
予
防
指
針
の
位
置
づ
け
【基本指針※1】
感染症の予防の総合的な推進を図るための基本的な指針
[平成11年厚生省告示第115号]
[最終改正:平成26年厚生労働省告示第439号]
【技術上の指針※2】
レジオネラ症を予防するために必要な措置に関する技術上の指針
[平成15年厚生労働省告示第264号]
【予防計画※3】
感染症の予防のための施策の実施に関する計画
【特定感染症予防指針※4】
インフルエンザに関する特定感染症予防指針
[平成11年厚生省告示第247号]
[最終改正:平成26年厚生労働省告示第439号]
性感染症に関する特定感染症予防指針
[平成12年厚生省告示第15号]
[最終改正:平成24年厚生労働省告示第19号]
後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針
[平成18年厚生労働省告示第89号]
[最終改正:平成26年厚生労働省告示第439号]
結核に関する特定感染症予防指針
[平成19年厚生労働省告示第72号]
[最終改正:平成23年厚生労働省告示第161号]
麻しんに関する特定感染症予防指針
[平成19年厚生労働省告示第442号]
[最終改正:平成25年厚生労働省告示第126号]
※1 感染症法第9条の規定に基づき
厚生労働大臣が策定
※2 基本指針に基づき厚生労働大臣が
策定
※3 感染症法第10条の規定に基づき
基本指針に即して都道府県が策定
※4 感染症法第11条の規定に基づき
厚生労働大臣が策定
風しんに関する特定感染症予防指針
[平成26年厚生労働省告示第122号]
蚊媒介性感染症に関する特定感染症予防指針(仮称)
4
蚊媒介性感染症に関する特定感染症予防指針(仮称)の
策定に向けた今後の予定について(案)
日程
予定
平成26年12月17日
第1回蚊媒介性感染症に関する小委員会
平成27年1月14日
第2回蚊媒介性感染症に関する小委員会
2月下旬
第3回蚊媒介性感染症に関する小委員会
3月上旬
第8回感染症部会(意見の聴取)
4月中
指針の告示/適用
5
蚊媒介性感染症の対策の柱(案)
指針策定に当たり、以下の柱を中心に、総合的な蚊媒介性感染症対策を実施する方針としてはどうか。
○ 国内感染例未発生時の予防対策
・都道府県等は、管内で感染が発生した場合の対策を予め定める。
・都道府県等は、平時の蚊対策(幼虫蚊・成虫蚊の生息調査、密度調査や駆除等)を実施する。
○ 発生動向の調査の強化
・国によるガイドライン作成、研修の場の確保及び検査体制の充実などを通じ、医師が診断しやすい環境を整備する。
・都道府県等は輸入例も含め患者全例に積極的疫学調査を実施する。
・国及び都道府県等は病原体の遺伝子解析を行い、感染経路の解明に取り組む。
○ 国内感染の流行拡大防止対策
・国内感染例が発生した自治体及び国立感染症研究所において迅速に情報提供を行うとともに、必要に応じ、住民へ
の注意喚起を実施する。
・感染地が推定又は特定できた場合、リスク評価を実施した上で、必要に応じ、蚊の駆除等の措置を実施する。
・積極的疫学調査の結果、他の自治体への情報提供を要すると判断した場合には、迅速に情報提供を行い、必要に応
じ、自治体間で連携を取りつつ対策を講じる。
○ 医療の提供
・国は診療の手引きを作成するとともに、専門家に相談できる体制を整備する。
○ 人材の養成
・国及び都道府県等は、積極的疫学調査(ヒト、蚊)、蚊の調査(捕集・同定)・駆除、ウイルス検査などの研修を通じて、
蚊媒介性感染症に関する人材を養成する。
○ 推進体制及び普及啓発の充実
・都道府県は関係者からなる協議会を設置し、対策の検討・評価を行うため蚊の発生時期の前後に開催する。
・国は海外渡航者向けの情報提供を行う。
6
6
・都道府県等は住民セミナー等を開催し、住民の協力を得て平時から蚊の対策を講じることができる体制を構築する。
指針の各章ごとの記載内容案
各章案
前文
主な記載事項案
蚊媒介性感染症の現状、平成26年のデング熱の国内感染事
例の原因分析、対策の方向性など
第一
国内感染例未発生時の予防対策
基本的考え方、平時の蚊対策、一般的な予防方法の普及啓
発
第二
発生動向の調査の強化
基本的考え方、蚊媒介性感染症の発生動向の調査の強化、
蚊媒介性感染症の届出基準、国際的な発生動向の把握、日
本医師会との協力、病原体の遺伝子検査等の実施
第三
国内感染の流行拡大防止対策
基本的考え方、有事の蚊対策、積極的疫学調査の実施、情
報提供の在り方
第四
医療の提供
基本的考え方、医療関係者に対する普及啓発
第五
研究開発の推進
基本的考え方、ワクチン等の研究開発の推進、疫学研究の
推進、研究機関の連携体制の整備、研究評価の充実
第六
推進体制と普及啓発の充実
基本的考え方、都道府県における蚊媒介性感染症対策の会
議、普及啓発の充実
第七
人材の養成
基本的考え方、国における人材の要請、都道府県等における
蚊媒介性感染症に関する人材の養成
第八
国際的な連携
基本的考え方、諸外国との情報交換の推進、国際機関への
協力
7
各章ごとの論点
8
論点整理(前文)
記載項目案
○対象となる蚊媒介性感染症
主な論点
○主な対象疾患は、国内に常在しているヒトスジシマカが媒介
する感染症として、本年国内感染事例を認めたデング熱及び
今後国内発生が懸念されるチクングニア熱の二つとしてはど
うか。なお、媒介蚊はことなるが、デング熱と同様、輸入例が
見られるマラリアについても、必要に応じて言及することとし
てはどうか。
○蚊媒介性感染症の対策の重要性 ○感染する経路が人-人ではなく、人-蚊-人であるため、感染
症対策部局にとどまらず、生活衛生部局、公園等施設管理
者、蚊駆除者、施設利用者、住民等が連携しつつ、近年国内
では重要視されてこなかった蚊対策を含む人-人感染とは
違った視点からの感染症対策が重要との視点はどうか。
○蚊媒介性感染症の現状と問題点
○平成26年のデング熱国内感染事例の原因分析と、それを踏
まえた記述としてはどうか。
○対策の方向性
○今後も、渡航者等を通じ海外の流行地域からデング熱ウイ
ルス等が流入する可能性があるため、国及び都道府県等は、
関係機関及び住民と協力しつつ、平時及び患者発生時にリ
スク評価を適切に行い、必要な範囲において適切な対策を
講じることを目指すこととしてはどうか。
○指針の位置づけと見直しの規定
9
論点整理(第一 国内感染例未発生時の予防対策)
記載項目案
主な論点
一 基本的考え方
○関係機関等及び個人が予防に取り組むことが基本であり、その予防の積み重ねにより、
社会全体のまん延の防止に結び付けることが重要としてはどうか。
二 一般的な予防方法
の普及
○一般的な予防方法について、科学的根拠に基づき、周知徹底を図っていくこととしては
どうか。
三 国内未発生時の対 ○感染症の発生に関する人・蚊についての総合的なリスク評価を行い、幼虫及び成虫蚊
対策、公園等で長時間滞在する者への対応等に関して記載してはどうか。
応
○国が、人及び蚊についての疫学調査等に関する手引きを作成し、それを踏まえ、都道
府県等は発生時対応マニュアル等を整備することとしてはどうか。
○輸入例については、周辺の蚊の発生状況に留意しつつ、患者の国内での蚊刺歴等の
確認を行う疫学調査と蚊の発生時期における衛生教育を行うこととしてはどうか。
10
論点整理(第二 発生動向の調査の強化)
記載項目案
主な論点
一 基本的考え方 ○蚊媒介性感染症についての情報の収集及び分析を進めていくとと
もに、発生時には原因の特定のため、正確かつ迅速な発生動向の
調査を行っていくことが重要としてはどうか。
二 蚊媒介性感染 ○感染症の発生動向の調査に当たっては、医師の届出による患者情
症の発生動向
報のみならず病原体及び媒介蚊の情報も含めて、総合的に行うこと
の調査の強化
としてはどうか。
三 蚊媒介性感染 ○国が一連の手順等を示した手引きの作成等を行うこととしてはどう
症の届出
か。
○病原体の遺伝子検査のため、診断後にも検体の提出を依頼しては
どうか。
四 日本医師会と
の協力
○患者発生時には検体提出についての協力を依頼してはどうか。
○患者への衛生教育(ウイルス血症時の防蚊及び献血を避けること
の重要性)を依頼してはどうか。
五 病原体遺伝子 ○国及び都道府県等は、提出された検体について、できるだけ全例で
検査等の実施
病原体の遺伝子検査等を実施し、可能な限り、遺伝子配列の解析
を実施することとしてはどうか。
六 国際的な発生 ○蚊媒介性感染症は、我が国のみならず世界中で発生する感染症で
動向の把握
あることから、国際的な蚊媒介性感染症の発生及び流行の状況を
把握してはどうか。
11
論点整理(第三 国内感染の流行拡大防止対策)
記載項目案
一 基本的考え方
主な論点
○関係機関等及び個人が予防に取り組むことが基本であり、その予防の積み重ねにより、
国内感染例の流行拡大の防止に結び付けることが重要としてはどうか。
二 国内発生時の対応 ○国内症例発生時には、発生した保健所管内及び国立感染症研究所において迅速に情
報提供を行うとともに、必要に応じ注意喚起を実施してはどうか。
○国内感染事例については個別症例ごとに疫学調査(人・蚊)を実施してはどうか。
○積極的疫学調査の結果、他の自治体への情報提供を要すると判断した場合には、迅速
に情報提供を行い、必要に応じ、自治体間で連携を取りつつ対策を講じてはどうか。
○国内の同一地点で複数例が発生する等、必要な場合は、リスク評価を行った上で、蚊
の密度調査を含む媒介蚊対策を実施することとしてはどうか。
○患者に対する適切な衛生教育を都道府県等がすることとしてはどうか。
○調査を実施する者に対する感染防止対策を行うこととしてはどうか。
12
論点整理(第四 医療の提供)
記載項目案
主な論点
一 基本的考え方
○的確な診断を行いやすい環境(診断体制の充実や専
門家への相談体制の整備)と適切な治療の提供を記載
してはどうか。
○患者等が施設敷地内での蚊刺咬に留意が必要である
との視点は必要か。
二 医療関係者に対する普及
啓発
○蚊に関する情報、治療に関する情報及び院内での蚊
対策の実施方法の情報提供をしてはどうか。
13
論点整理(第五 研究開発の推進)
項目案
主な論点
一 基本的考え方
○蚊媒介性感染症の特性に応じた発生の予防及びまん延の防止のため
の対策を実施し、良質かつ適切な医療を提供するためには、感染のま
ん延の防止、また、良質な医療の提供につながるような研究を行って
いくこととしてよいか。
二 ワクチン等の研究開発
の推進
○ワクチンに関する研究開発を推進することとしてはどうか。
○以下の研究についてはどうか。
・有効かつ適切な蚊の駆除の仕方の研究
・新たな駆除の方法の開発(物理的、化学的、生物学的)
・蚊の分布調査・モニタリングシステムの構築(土地利用図やGISの活用
等)
三 疫学研究の推進
○早期把握の手法に関する研究、人及び環境における詳細なリスク因子
の解明に関する研究、蚊媒介性感染症に罹患した場合の重症化要因
の究明に関する研究等を推進してはどうか。
四 研究機関の連携体制の
整備
○国立感染症研究所、地方衛生研究所、大学、国立国際医療研究セン
ター等からなる研究機関の連携体制を整備してはどうか。
五 研究評価の充実
○ 研究の成果を的確に評価するとともに、研究の成果を広く一般に提供
していくこととしてはどうか。
14
論点整理(第六 推進体制と普及啓発の充実)
記載項目案
一 基本的考え方
主な論点
○蚊媒介性感染症の対策を推進するために、施策の検討・
評価を行う体制を整備してはどうか。
二 都道府県における蚊媒介 ○各都道府県に感染症の専門家、医療関係者、市町村の
性感染症対策の会議
担当者、蚊防除関係者等からなる会議を設置し、地域の
実情に応じた蚊媒介性感染症対策の検討や、実施した
対策の有効性等について評価を行うこととしてはどうか。
三 普及啓発の充実
○蚊及び蚊媒介性感染症に関する正しい知識、積極的疫
学調査への協力の必要性等を周知してはどうか。
○国は海外渡航者向けの情報提供を一層行ってはどうか。
○都道府県等及び市町村は住民セミナー等を開催し、住
民の協力を得て平時から蚊の対策を講じることができる
体制を構築してはどうか。
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論点整理(第七 人材の養成)
記載項目案
主な論点
一 基本的考え方
○蚊媒介性感染症に関する幅広い知識や研究成果
について社会や医療現場への普及等の役割を担う
人材の養成をしてはどうか。
○人材の養成に当たっては、国及び都道府県等の
ほか、大学、国立病院機構、関連諸学会等の関係
機関が連携し、研修を実施してはどうか。
二 国による人材の育成
○都道府県等の職員、医師等の医療関係者等に対
する研修に関して必要な支援をしてはどうか。
三 都道府県等における蚊媒介
性感染症に関する人材の養成
○以下の研修を通じ、職員の人材を養成してはどう
か。
・積極的疫学調査(ヒト、蚊)の研修
・蚊の調査(捕集・密度・同定)・駆除に関する研修
・医療関係者への研修
・ウイルス検査の研修
等
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論点整理(第八 国際的な連携)
記載項目案
主な論点
一 基本的考え方
○世界保健機関等との国際的な連携を強化し、情報
交換等を積極的に行うことにより、世界的な蚊媒介性
感染症の発生動向の把握、蚊媒介性感染症の国の
施策の研究等に努め、我が国の蚊媒介性感染症対
策の充実を図っていくこととしてはどうか。
二 諸外国との情報交換の推進
○政府や研究者間等において、蚊媒介性感染症に
関する研究の成果等についての国際的な情報交換
を推進してはどうか。
三 国際機関への協力
○国際機関と協力し、蚊媒介性感染症の流行国の対
策を推進することで、海外で感染し、国内で発症する
患者の発生を予防することにも寄与することから、国
際的な対策の取組に積極的に関与してはどうか。
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