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6 モバイルコンテンツ審査・運用監視機構配布資料(PDF形式

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6 モバイルコンテンツ審査・運用監視機構配布資料(PDF形式
資料6
http://www.ema.or.jp/
平成26年5月22日
内閣府 青少年インターネット環境の整備等に関する検討会(第23回)
青少年インターネット利用環境
における現状の課題
一般社団法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構
http://www.ema.or.jp/
青少年のインターネット利用における原則の確認
リアルの世界では、⻘少年の⾏動範囲は、その発達段階に応じて広がっていくが、インター
ネットの世界では、最初から全世界における⾏動が可能であり、発達段階と⾏動範囲の広さがリ
ンクしていない。発達段階と⾏動範囲の齟齬を埋めるため、即ち、リアルの世界と同程度に、発
達段階に応じた適切な⾏動範囲を確保するための仕組みとしてフィルタリングが必要である。
⻘少年インターネット環境整備法が、⻘少年による⻘少年有害情報の閲覧機会を最⼩化する旨を
規定しているのは、このような環境の確保を必要とする趣旨と考えられる。
なお、⻘少年の発達段階と活動範囲の齟齬は、福祉犯罪等の犯罪の被害者のみならず、最近の
⻘少年の不適切投稿による炎上事件等の動きにもつながる問題である。まず、インターネットの
特性と未成熟である⻘少年の保護をどのようにすべきかの原則を確認すべきである。
インターネット環境における青少年保護とはどうあるべきかを改めて関係事業者間で確認し、現状ある
制度がそのような観点から有効な施策となっているか、まず原点に立ち返って考えるべき。
その際、インターネットの利用における自己責任という考え方は、判断能力が未成熟な青少年には当て
はまらないこと、及び、保護者のリテラシー能力の不足による不利益を、保護者を自ら選択できない青少
年が負担すべきではないことを、改めて確認すべきである。
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フィルタリング利用率の低下
上記のとおり、インターネット環境における⻘少年の⾏動範囲を、リアルの世界と同様、その
発達段階に応じた適正なものにするためにもフィルタリングが必要である。
にもかかわらず、以下のような事情により、フィルタリングの利⽤率が低下している。
① フィルタリングの仕組みそのものが複雑になり、保護者による対応が難しくなったこと
② ⾃主的取組みに積極的ではない事業者(法的根拠のない規制に応じない事業者を含む)
の数多い参⼊
フィルタリング利⽤率の低下が①②の理由によるものであれば、それに対する対策、それ以外
に理由があるのであれば、その理由を確認の上、それに応じた対策をすべきである。
フィルタリングの原則適用の徹底化は、実効性のある方策である。
リアルの環境に近い環境を確保するためには、フィルタリングの適用が必須である。現状、フィルタリン
グの利用の有無について「分からない」と回答する保護者が増加していることから、フィルタリングの利用
率を上げるためには普及啓発により保護者のリテラシー向上を、という意見があるが、「分からない」から
こそ、適用すべきであり、リテラシーの高い保護者のみがフィルタリングを適用する、という考え方は本末
転倒である。保護者のリテラシーが向上すれば、自らの判断で、青少年の利用状況を監督でき、青少年
にもっと発展されたインターネットの利用をさせることができる。
自主的枠組みに入るか否かは、青少年向けにサービスを提供するか否かを決める事業者のビジネス
判断の問題であるが、青少年保護を積極的に取り組んでいない事業者のサービスを積極的に青少年に
利用させる理由はなく、フィルタリングが原則適用された状態から、保護者の判断にて、青少年への利用
を可能とするのが適切なのではないか。
なお、ユーザー視点からすれば、接続機器の種類とインターネットの利用状況に差はないので、接続機
器の種類にかかわらず、同様の環境が提示されるべきである。
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適切な保護者啓発
⻘少年の発達段階に応じて、ネットの利⽤状況も変わっていくべきである。成熟年齢になれば
⾃ら⾏動の責任を負わなければならない。
保護者啓発の⽬的は、いずれは⻘少年が賢くインターネットを利⽤できるよう、⻘少年の発達に
伴うインターネット利⽤環境を監督できるようにすることである。
保護者がフィルタリングやインターネット上のリスクを適切に判断できないのであれば、原則、
適⽤とした上で、発達した⻘少年に更なるインターネットの利⽤を許すための判断をするための
普及啓発が必要である。
これまでのインターネット上の⻘少年保護は、「フィルタリング」「事業者の⾃主的取組み」
「保護者の監督」という3つの要素がそれぞれバランスをもって機能している。フィルタリング
の利⽤率が下がり、⾃主的取組に積極的でない事業者によるサービスにより、これらのバランス
が崩れることで、保護者への負担は著しく増⼤している。
保護者の監督義務とは、⻘少年のインターネット利⽤による責任を全て保護者が負うべき、と
いう議論ではなく、「分からない」が故にフィルタリングを利⽤させなかったことによる責任を
保護者に負わせることが普及啓発の⽬的ではないことを確認すべきである。
青少年のインターネット利用は、発達段階にそぐわない広すぎる利用をさせないことと同時に、発達段
階から見て狭すぎる利用をさせない(アクセス制限は、必要最小限度とする)ことが必要である。
フィルタリングの原則適用において、保護者が判断した場合には、青少年に不要なアクセス制限を強い
ることにさせないためにも、フィルタリングの仕組みを理解しやすいものとし、柔軟な利用方法を可能とす
ることが必要である。例えば、現在、複雑となっているWi-Fiやアプリの制限、他種類デバイスにおける
フィルタリングの仕組みを整理し、その改善に対し、恒常的に取組む必要がある。
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情報公開及び情報提供制度の確立
スマートフォンをはじめとして、多様な機器が⻘少年に利⽤される状況になり、⻘少年のイン
ターネット利⽤環境整備において、関係者が相互に協⼒しながら、それに努めるため必要がある。
また利⽤者や保護者にとっても、安⼼して安全にインターネットを利⽤するための情報は不可⽋
である。
⻘少年がインターネットを利⽤する上で、関係者が共有するリスクの度合いを図る⽔準やそれ
らに該当するサイトやサービスの情報などは提供されておらず、利⽤者や保護者は⾃⾝の判断⼒
のみに従って対応しなければならない。インターネット利⽤の⼿段が多様化した現在においては、
さらに⾼い能⼒や知識を要求されている。
利用者にとっては複雑化するインターネット環境において、適切な情報提供及び意見表明を
行う機関が必要である(これは保護者のリテラシーが不足している現状からも明らかである)。
利用者を代表して、必要な行動ができるより公益的な機能が必要ではないか。
またインターネットは既に通信インフラとして社会に定着していることから、その公益的な機
能は、純粋な市場環境とはなじまないため、その機能の実効性を担保するための根拠が必
要ではないか。
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ご清聴ありがとうございました。
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