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ソマトロピン(遺伝子組換え) - Pmda 独立行政法人 医薬品医療機器総合

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ソマトロピン(遺伝子組換え) - Pmda 独立行政法人 医薬品医療機器総合
ソマトロピン(遺伝子組換え)製剤の安全性の評価について
2012 年 1 月 6 日
医薬品医療機器総合機構
本件に関連する医薬品は、以下のとおりです。現在、これらの医薬品で治療中の患者さんは、
この情報をもとにご自身の判断のみで、治療を中止したり、減量したりしないでください。
ご不明な点は主治医にご相談ください。
関連する医薬品:グロウジェクト、サイゼン、ジェノトロピン、セロスティム、
ソマトロピン BS「サンド」
、ノルディトロピン、ヒューマトロープ
欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)は、2010 年 12 月 10 日、成長ホ
ルモンであるソマトロピン(遺伝子組換え)製剤(以下、
「ソマトロピン製剤」
)の安
全性について検討を始めました。この検討は、フランス医薬品庁より小児期にソマト
ロピン製剤による治療を受けた患者(対象疾患:特発性成長ホルモン分泌不全性低身
長症、特発性低身長症、SGA 性低身長症)の長期疫学研究(SAGhE study)に基づ
く中間解析結果を得て開始したものです。この結果によると、フランスの一般集団に
比べソマトロピン製剤の治療を受けた対象疾患患者では死亡のリスクが上昇すること、
特に高用量(50μg/kg/日を超えた投与量)を用いるとリスクが上昇することが示唆さ
れるとしています。
CHMP は差し迫った懸念がないことを確認し、処方医は適応と承認用量を厳守する
こと、また、ソマトロピン製剤の最大推奨投与量の 50μg/kg/日を超えるべきではない
ことを勧告 1)して検討を進めてきました。
その結果、2011 年 12 月 15 日、ソマトロピン製剤の安全性に関する入手可能な全
ての情報を検討した結果、ベネフィットがリスクを上回ることを確認したことを発表
しました。同時に処方医に対して、ソマトロピン製剤の適応と承認用量を厳守し、使
用上の注意について慎重に検討するように引き続き注意を促しています。さらに
CHMP は、EU 全体におけるソマトロピン製剤の添付文書の禁忌、使用上の注意を統
一し、以下の点を強調すると発表しました 2)。
・悪性腫瘍のある患者には使用してはならない
・推奨された一日最大投与量を超えるべきではない
一方、米国食品医薬品庁(FDA)は 2010 年 12 月 22 日に、米国における対象疾患
に対するソマトロピン製剤の最大推奨用量は 69μg/kg/日ですが、ベネフィットがリス
クを上回るとしており、適応と承認用量の遵守を促すとともに、評価を継続している
旨を発表しました 3)。
また、2011 年 8 月 4 日には、文献や有害事象自発報告データを評価した結果、ソマ
トロピン製剤と死亡リスクの上昇の関連性は明らかではなく、引き続き評価を行う旨
を発表しました 4)。
本邦では、2010 年 12 月 10 日の EMA の勧告に伴い厚生労働省並びに医薬品医療
機器総合機構において安全性評価を開始しました。本邦において、骨端閉鎖を伴わな
い SGA 性低身長症の効能では 67μg/kg/日まで投与することが認められていますが、
現時点において、ソマトロピン製剤の用量等を制限する必要はないと考えています。
すなわち、これまでに得られている SAGhE study の結果からはソマトロピンと死亡
リスク上昇との関連性が明確ではなく、また、今回の結果は中間報告であり、フラン
スを含めた欧州 8 ヶ国で SAGhE study が継続されているため、それらを含めた最終
結果も評価する必要があります。今後、新たな評価結果が得られましたら、速やかに
情報提供する予定です。
なお、当該情報に関連して、日本小児内分泌学会より以下のお知らせが出ておりま
すので、ご参照ください。日本小児内分泌学会の最新のお知らせには、
「今までと同様
に GH 治療を受けられている皆様には、国内で承認された適応および用量を厳密に守
りながら治療を継続されることを推奨致します。
」との見解が示されています。
2011 年 3 月 10 日付
「成長ホルモン治療を受けられた(受けられている)皆様へ
~欧州医薬品審査庁からの成長ホルモン治療の安全性に関する報道について」
2011 年 12 月 28 日付
「成長ホルモン治療を受けられた(受けられている)皆様へ
~欧州医薬品審査庁からの成長ホルモン治療の安全性に関する新しい報道(2011 年
12 月 15 日付)について」
1)
http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/Press_release/2010/12/WC500
099936.pdf
2)
http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/Press_release/2011/12/WC500
119189.pdf
3)
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm237773.htm
4)
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm265865.htm
注:下線部が追加内容である
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