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地域住民主体の コミュニティ・ビジネスの実践

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地域住民主体の コミュニティ・ビジネスの実践
神戸市地域活動推進委員会報告(7月25日)
地域住民主体の
コミュニティ・ビジネスの実践
~22年度神戸市パートナーシップ活動助成事業~
竹の台地域委員会
(旧ふれあいのまちづくり協議会)
活動のねらい
(1)地域課題の解決に一人でも多くの力
を結集したい。
(2)地域の公的な活動の継続性を担保し
たい。
(3)「地域活動は、無償で」という従来の
考えに一石を投じたい。
活動ステップ
(1)研究会の立 地域委員会役員、一般住民、NPO
ち上げ
会員、学生ら12名で構成。
(2)関係団体ヒ 老人クラブ等10団体を対象にニー
アリング
ズ発掘のためのヒアリング実施
(3)アンケート
調査
ヒアリングで出てきた35項目を対
象に住民ニーズ調査。あわせて希
望単価も聞いた。
(4)シーズ、ニー ニーズ調査と併せて、シーズ(提供
ズのマッチング 者、活動場所等)を確認した。
CB研究会と 各層へのヒアリング
・さまざまな考え・アイ
デアを反映するため、地
域委員会役員以外にCBに
興味を持つ住民、NPOメン
バー、大学生、高校生ら
がメンバーに加わってく
れた。
・この研究会が中心とな
って、ヒアリング、アン
ケート実施、地域資源等
の調査を行った。
・23年度以降のCB展開の
核となる。
ヒアリング結果とCBのシーズ
老人
クラブ
老人
クラブ
自治
会
自治
会
高齢者が集える場所を作って欲 高齢者の居
しい。高齢者は皆、孤独だ。
場所づくり
壊れた門扉の修繕や、壁や塀
の清掃を廉価でして欲しい。
小修繕の実
施
空き巣や痴漢は相変わらず発
生している。自治会の防犯能力
は低下している
家族帯同で転勤した留守宅が
火事や犯罪の温床になる。
地域防犯
パトロール
子育て 家族で楽しめる地域レストラン
NPO のようなものがあればうれしい
留守宅の
保全
コミュニティ
喫茶
ヒアリングとアンケート調査
(表1)コミュニティビジネスへのニーズ(上位から順番に並べたもの)
77.6
高齢者の居場所づくり
68.8
高齢者の病院等への送迎
68.5
2
29.6
15.5
20.6
無農薬野菜の販売
63.9
25.8
10.3
パソコン・各種文化教室
62.1
28.4
9.5
幼児等の一時預かり
60.6
29.8
9.6
放課後の子供の預かり
60.1
32.1
7.8
健康作り講習会
59.8
33
樹木の剪定・手入れ
59.8
51.6
27.8
行政窓口等の紹介
49
34.4
48.4
会合場所の確保
16.6
9.5
29.1
22.9
47.9
料理教室
20.6
42.1
48
10.6
41.5
45.7
ペットの一時預かり
3.1
42.7
電気器具の小修繕
引っ越し手伝い・運搬
14.4
30.9
54.2
子育てアドバイザー配置
11.1
30.3
54.7
庭の雑草除去
7.2
14.4
25.8
58.6
リサイクルショップ運営
事
業
9.3
12.6
18.9
63.9
天井電球の取り替え
44.3
25.8
29.9
旅行等での防犯サービス
43.3
27.8
28.9
長期留守宅の保全
43.3
32
24.7
側溝清掃
41.3
ごみの所定場所への運搬
41.2
22.7
36.1
クリーンステーション清掃
40.2
24.7
35.1
門扉等の改修
40.2
ペットの散歩代行
39.4
24.3
19.6
旅行の企画・運営
0%
23.7
37.1
19.4
27.1
46.9
46.3
29.4
30.9
49.5
20%
31.9
46.9
26
家具等の預かり・保管
19.6
40.2
33.7
チラシ等の作成代行
27.8
30.9
39.2
塀・壁の清掃
貸し農園の紹介・運営
40%
60%
%
あったら良い
どちらでも良い
必要ない
・左表は「コミュニティ
・ビジネスとしてあった
ら良い(黒線)」と回答し
た割合。
26.6
27.7
28.7
・ヒアリングで抽出され
た35項目について、アン
ケート調査を実施。
10.4
18.8
21.9
68.4
地域の防犯パトロール
家具などの重量物運搬
8.3
19.8
70.8
高齢者向けの給食会
高齢者宅の清掃・食事づくり
3
19.4
71.9
高齢者宅への配食サービス
80%
100%
・この中から、事前設定
した標準価格との乖離の
少ないものから、順次、
スタートすることにした
CBニーズは高齢者関係が多い
CBマッチングの検討
CB案
アンケート
希望価格
CB研の設 マッチン
定価格
グの可否
高齢者の居場所づくり
100円
100円
実現可能
地域防犯パトロール
(1H当たりの提供者謝礼)
830円
750円
実現可能
高齢者宅配食サービス
480円
600円
高齢者の病院等への送迎
640円
800円
1,200円
2,000円
マッチン
グ可能
マッチン
グ可能
マッチン
グ不可
家具等の重量物運搬
コミュニティ・ビジネスへの参加意欲
(表4)コミュニティ・ビジネスへの参加意欲(%)
28.3
32.1
19.8
11.7
6.9
1.2
分 から な い
全 く参 加 す る つ
も り はな い
意欲
あ ま り参 加 す る
つも り は な い
分 から な い
一 部 の事 業 に つ
いて参 加 し て も
良 い
ぜ ひ参 加 し た い
35
30
25
20
% 15
10
5
0
・参加したい(一部も
含めて)と回答したの
は全体の約3割。
・参加しない(あまり
も含めて)もほぼ同数
であった。
・顧客のマーケティ
ングとともに、参加
者(提供者)のマーケ
ティングも重要であ
ることが分かった。
コミュニティ・ビジネスの住民評価
(表5)コミュニティ・ビジネスに対する考え(複数回答)
44.5
43.7
31.6
31.6
32.8
低い評価
29.9
マネジメントの指摘
高い評価
21.1
分 から な い
地 域 の こ と や他 人 の お
世 話 は本 来 無 償 で や る
べき
お 金 の話 を 持 ち 込 む の
は地 域 に ふ さ わ し く な
い
ニー ズ は あ って も サ ー
ビ ス提 供 者 は いな い と
思う
ニー ズ は そ ん な に な い
と思 う
お 金 が介 在 す る の で
ち ゃん と し た 組 織 が必
要
利 用 単 価 の設 定 が難 し
いと思 う
一 定 水 準 の サー ビ スの
維 持 が必 要 にな る
地 域 が活 性 化 す る と思
う
企 業 で は でき な いこと
が で き る よ う にな る
住 民 の ニー ズ に低 額 で
応 えら れ る
地 域 の活 動 を 打 破 す る
も の と し て評 価 で き る
考え
4.5
4.9
4.1
6.9
10.5
50
45
40
35
30
% 25
20
15
10
5
0
コミュニティ・ビジネスの展開1
(コミュニティ喫茶)
・住民の会合、軽食
のためにコミュニテ
ィ喫茶を運営。(設備
は兵庫県「県民交流
広場事業助成」を活用)
・年間の売り上げは、
約650万円。
・コスト(人件費500円
/1H/1人、材料費)を引
いた純益は、27万円。
・ここで、住民の手作
りケーキ、小間物等も
販売している。
コミュニティ・ビジネスの展開2
(高齢者の居場所づくり)
・高齢者給食会、
ふれあいサロン等
を開催。
・写真の敬老行事
(週間で開催)では、
福祉用具販売の企
業とタイアップ。
・売り上げは約40
万円だが、行政の
補填で+-ゼロ。
コミュニティ・ビジネスの展開3
(防犯パトロール)
・青色回転灯による地域防犯
パトロールを試行。
・22年度の街頭犯罪発生率は
神戸市平均の約1/7。
・23年度からは、自治会等に
拠出を依頼し、資金的な裏づ
けを確保したい。
・パトロール従事者には500円
/1Hを支払う。22年度の運営費
は、約20万円。23年度は800円
/1Hの予定。
コミュニティ・ビジネスの展開4
(無(減)農薬野菜の販売)
・竹の台朝市を通じ
た無(減)農薬野菜の
販売。
・ニュータウン近郊
農家の協力があり、
地産地消の効果大。
・野菜販売と共に、
住民の手作り品販売
、企業の出店もある。
・売り上げは、会場
使用料のみだが出店
者の利益に貢献。
コミュニティ・ビジネスの展開5
(各種教室の開催)
・左の写真はヨガ教室。下の写真は
編み物教室。これ以外にも、そろぱ
ん教室など各種講座・教室を開催。
・事前想定以上の参加者があり、
年間で約35万円の売り上げ。
コミュニティ・ビジネスの展開6
(門扉等の補修、家具の小修繕)
・高齢者宅の門扉の補修や
家具の修繕には大きな需要
があったが、サプライヤー
の発掘には困難な点があっ
た。
・今後は、住民の勤務する
企業とのタイアップも検討
したい。
23年度の展開に向けて
(1)NPO法人
の設立
・4月24日の「竹の台地域委員会」総
会の議決を経てCBの運営を担うNPO
法人を10月目途に設立する。
(2)再マーケテ ・マーケティング調査を実施し、妥当な
ィングの実施 価格設定を行う。
(3)設備・備
品の調達
・設備、備品などのインフラの整備が
不十分で、再度助成申請を行う。
(4)住民PR
・竹の台総合新聞等を通じ、CBのアピ
ール、参加者(提供者)の募集を行う。
団体に蓄積されたもの
(1)地域活動の
幅の広がり
・CBを導入したことにより、有償のボランティ
アを中心に、地域活動の質・量が圧倒的に
強化された。
(2)マネジメント・
会計の重要性の
認識
・勤務シフト、スケジュール確認、支払い・請
求、帳簿付け等のマネジメントの重要性が認
識できた。
(3)縦割りの打破 ・効率的なCBの追求が、地域活動の縦割り
を打破した。(福祉+喫茶+世代間交流+
環境等の融合)
(4)地域委員会
の存在意義
・地域課題全般に対処する「竹の台地域委
員会」だからこそCB展開を可能にした。
地域力を復元するコミュニティ・ビジネス
現在の竹の台
のポジション
地
域
課
題
コミュニティ・
ビジネスによる
地域力の復元
従来型の地域活動
(人材不足、資金不足)
経
過
地
域
力
残された課題(1)
・左表のように、一般的
にCBは、テーマを絞っ
た活動が多い。
CBの活動分野(兵庫県CB認定件数より)
6
3
3
1
そ の他
分野
2
文 化 、芸 術 、
教育
子 育 て支 援 、
家事支援
障 害 者 、高 齢
者福祉
ま ち づく り 、
村 お こし
7
6
5
件4
数3
2
1
0
・地域団体が行う場合
住民ニーズに対応しよ
うと思えば「五目飯」
のような数多い事業を
行わねばならず、マネ
ジメント上不安が残る。
・「広く浅く」のCBを「広
く深く」する場合に、専
門のNPOや行政の支
援が必要になる。
残された課題(2)
・一連のCB活動を通じて、
公的なものである地域活動
が企業のようなビジネスを
展開できるのかという、根
源的な疑問が残った。
企業活動
事業性に注目
(大)
営
利
領
域
社会性に注目
コミュニティ・ビジネス
行政活動
公的(非営利)領域(大)
・竹の台のCBは、企業活動
と行政活動のまん中を狙っ
たが、いずれ、どちらかに
振らざるを得ないのではな
いか。
・顧客=地域住民をCB思考
のベースに置き、竹の台か
ら新しいCBを発信していき
たい。
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