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在香港総領事館における地方連携の取組 ~地元テレビ番組を通じた地方
在香港総領事館における地方連携の取組 ~地元テレビ番組を通じた地方特産の食材の紹介~ 平成21年8月 在香港総領事館は、館の最重要業務の一つとし て地方連携に積極的に取り組んできています。日 本の文化が広く受け入れられている香港では、日 本産食品や日本旅行への需要や関心が極めて高く、 香港の人々の各県市町村の特産品や観光地に関す る知識は、時に、我々日本人を遙かに凌駕するほ どです。香港は今や日本の農水産品の最大の輸出 先となっており、また、日本を訪れる観光客数も 多数に上る(人口比では最大)ため、多数の自治 体首長が特産品や観光誘致のPRに香港を訪れています。昨年だけでも、9都道府県の知 事が観光誘致や地方特産品のトップセールスのために来港し、当館との協力・連携の下、 公邸レセプションやセミナー、日系スーパーでの特産品フェア等様々な形の活動を行いま した。 このような取組の中でも、本年5月22日、日本総領事公邸で行われた当地NGO慈善 団体「コミュニティ・チェスト」主催のチャリティー夕食会は、慈善夕食会という趣向の 若干異なる機会を地方連携にも活用して地方特産品のPRを行った珍しいアプローチであ ったのでご紹介します。 「コミュニティ・チェスト」は、香港最 大の慈善NGOで、種々の企画に要人の参 加を求めるなどして寄付を募り、集めた寄 付金を更に様々な当地の慈善団体に配分 しています。今回、企画の一つとして、香 港各界の著名人やVIPを日本総領事公 邸に招き、公邸料理人が日本から取り寄せ た材料などを使って調理した和食を味わ ってもらい、寄付金を募るというチャリテ ィー夕食会のアイデアが持ち上がりまし た。この夕食会の模様は、地元テレビ局が 放映するテレビ番組でも取り上げられることになりました。 当館としても、本件への協力は、慈善目的にも適うとともに、テレビ放映を通じて日本 食や地方特産の食材を広範な香港の人々に紹介する好機であると考えました。そこで、地 方自治体に食材などの提供を呼びかけたところ、当地に駐在事務所を置く沖縄県、鹿児島 県、福岡県、その他に昨年、香港で知事によるトップ・セールス・プロモーションを行っ た岐阜県より協力が得られました。 岐阜県からは飛騨牛、ハツシモ(米)、高賀の森水、美濃いび茶、酒、栗菓子、沖縄県か らは梅酒、鹿児島県からはカンパチ、鰹、ぶり、福岡県からは八女茶を提供頂き、安東公 邸料理人がこれらの食材を活用して腕を振るい、夕食会参加者の香港各界の要人たちは、 各地の特産品の特色を生かした美味しい和食に舌鼓を打ちました。特に、公邸料理人がゲ ストの目の前で飛騨牛のステーキとしゃぶしゃぶを調理するシーンでは、和牛に関心の高 いゲストは興味津々でその様子を見守っていました。 夕食会では、佐藤重和在香港総領事が、 挨拶の中で各地方自治体の食材の紹介を 行ったほか、ディナーテーブルに各自治体 のPRパンフレットを置き、広報に努めま した。更に、料理に使われた飛騨牛ブロッ ク、野菜等を会場の一角に展示しましたが、 ゲストからは日本の食材は安心で美味し い等の評価の声が聞かれました。後日、こ の夕食会の様子は、産地の自治体の名前も 含め、香港のテレビを通じて、香港の人々 に広く紹介されました。 今回の夕食会は、各地方自治体としてその特産品を香港の人々に紹介するよい機会とな り、当館としても慈善事業を通じ地域社会に貢献するとともに、日本の食文化の普及、宣 伝という役割を果たすことができ、双方にとって意義のある活動となりました。 今後とも、既存の枠にとらわれずあらゆる機会を捉えて、地方自治体との連携を強化し、 日本の地方文化の深さをより広範な人々に紹介していくお手伝いをしていきたいと考えて います。