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メキシコ、躍進の背景(DIAMアセットマネジメント)
情報提供資料 DIAMコラム(2013/10/21) 『メキシコ、躍進の背景』 メキシコといえば・・・皆様は何を思い浮かべますか? 今回は、ここ数年経済成長の期待から世界的に注目を集め るメキシコについて見ていきます。 メキシコといえば・・・ チワワ? 【人口が多く、構成が若い!】 経済成長が期待できる国の要件の一つに「人口が多い こと」がありますが、メキシコの人口は「多い上に若い」とこ ろがポイントです。人口は、約1億1,230万人(2010年、 INEGI発表)。そのうち、生産年齢(15~64歳)人口は 63.6%、平均年齢は27.7歳(2013年CIA予想)と人口構成 が非常に若い国なのです。 特に、メキシコは、2020年代に人口ボーナス期(生産年 齢人口(働く世代の人口)の増加が経済成長を後押しする 状態)のピークを迎えるといわれています。人口ボーナス 期では、労働人口が多いことから、消費が活発になり税収 が増加する一方で医療など社会保障などの負担が減少 するので、高度経済成長がしやすくなるといわれています が、まさにメキシコはその真っ只中にいると言えるでしょう。 【大富豪も平均的サラリーマンも税率が同じ?!】 メキシコは、所得格差が大きく、なかなか改善が進んで いません。今でも約7割の世帯で世帯平均所得が1,000ド ル(9.7万円)に満たないと言われています。(2010年 INEGI) ちなみに、メキシコの平均賃金は、メキシコシティの中堅 技術者で月額8.8万円~20.0万円、中間管理職で月額 28.0万円~49.5万円です。(2013年3月ジェトロ)一方、メキ シコには、中南米最大級の通信会社のオーナーであり世 界一の大富豪(フォーブス誌発表)のカルロス・スリム氏が いますが、同氏の総資産は約7兆円と言われています。 メキシコでは、月間所得が3万2,736.84ペソ(約25万円) 以上になると最高税率である28%が課され、平均的なサラ リーマンでも、世界一の大富豪でも同じ税率が課されるこ とになります。税率に開きがあり、最高税率が40%になる 日本とはずいぶん違います。また、輸入ガソリンに対する 補助金に至っては、その恩恵を受けるのが全世帯のうち 自動車が保有できるような比較的豊かである約4割にすぎ ず、「富めるものはますます富む」仕組みとなっており、消 費の中心となる中間所得層の拡大のための環境づくりが 急務と言えます。実際、パソコンやインターネットの普及率 はまだ低く、中間所得層の所得拡大の余地が十分あると みることができます。 ※チワワの原産地はメキシコです 【メキシコの年齢別・性別人口構成】 (2010年) 85歳以上 男性 女性 60-64歳 15~64歳 生産年齢人口 15-19歳 0-4歳 600 500 -40 400 -30 200 -10 100 300 -20 -60 -50 (万人) 0 0 0 0 0 0 ※年齢不詳の人口は除く。 00 100 200 200 300 400 500 500 600 600 100 300 400 (万人) (出所:INGEIデータよりDIAM作成) 【主要耐久消費財の普及率】 (%) 普及率 テレビ 92.6 冷蔵庫 82.1 携帯電話 65.1 パソコン 29.4 インターネット 21.3 自動車 ちなみに・・・。 まだ普及率は低いけれど、 メキシコではインターネット でのショッピングが盛んな んだよ。航空券の購入が 多いらしいよ。 44.2 ※2010年時点 (出所:INGEIデータよりDIAM作成) ※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。※当資料は、DIAMが信頼できると判断した情報に基づき作成していますが、情報の 完全性、正確性を保証するものではありません。※当資料の内容は作成時点のものであり、今後予告なく変更される場合があります。※巻末のご注意事項等 を必ずご確認ください。 商 号 等 / DIAMアセットマネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 1/4 131018情報コラムメキシコ-1 DIAMコラム メキシコの経済成長のためには、中間所得層の増加 が必要です。そのカギを握るのが、「自動車」と「シェー ル」です。 【品目別輸出額シェア】 (2012年) 【世界中から続々と進出】 畜産・水産 自動車・同 品 鉱産品 部品 農産・林産 0.4% 15.6% 23.8% 品 2.5% 工業製品(そ 産業用機械 電気・電子 の他) 機器 機器 27.2% 18.6% 11.8% メキシコは、輸出額がGDP(国内総生産)の約3割の規 模に達する貿易先進国です。その中でも最大のシェア を占める自動車産業は現在好調で、独自動車メーカー アウディの進出やGMを筆頭とした米大手自動車メー カーも拡張投資を発表しています。日本では、日産自 動車などの企業を追い、40社以上もの自動車部品企業 が相次いで進出を発表しています。 自動車部品企業は、これまで設備や機械に多額の費 用がかかることもあり、メキシコの人件費の安さを生かす には大量生産が条件でしたが、各自動車メーカーが大 幅増産を計画する中、自動車産業の裾野が広がる形 で海外からの進出が相次いでいます。 【メキシコでの主要企業別自動車生産台数】 (単位:台) 2011年 日産 フォルクスワーゲン GM クライスラー/フィアット フォード ホンダ トヨタ 2011年と2012年を比較すると、メキシコの自動車生産 台数は順調に伸びており、今後も生産台数と輸出台数 の伸びが期待できます。 また、メキシコのビジネス環境は世界第48位とBRICs 諸国と比較して上位にあり、自動車などを中心に生産 の中心を海外に求める企業にとっては、進出先として非 常に有望な国であることがうかがえます。今後も自動車 産業を中心とした海外企業の進出などで外資をうまく 活用しながら、新たな雇用を生み出し所得の増加に結 びつけていくことと思われます。 2012年 561,461 477,028 509,911 312,207 427,202 43,055 46,523 643,209 571,698 530,380 426,882 420,266 59,632 52,205 伸び率 +14.6% +19.8% +4.0% +36.7% -1.6% +38.5% +12.2% ※2012年は、1~10月。※系列ブランドを含む。 ※伸び率について2011年通年と2012年(1~10月)を比較。 (出所:メキシコ自動車工業会よりDIAM作成) 【ビジネス活動の容易度ランキング】 (2013年) 順位 国名 1 シンガポール ちょっとブレイク! メキシコ人の休日の過ごし方 メキシコでは、「外食」と「服飾」の支出がどの所得層 でも増加傾向にあるそうです。高所得者層で人気があ るのは「ZARA」などのファストファッション。最新のファッ ションに身を包み、レストランに繰り出す姿が見られま す。 休日は、サイクリングをゆっくり楽しむ姿が多く見られ ます。公園などでサッカーを楽しむことも多く、ゴルフな どのお金がかかるスポーツはまだまだこれから。 また、日本食も人気。高級日本料理の草分け的存在 のサントリー直営レストラン「燦鳥」から、寿司バーまで 様々な日本食が楽しめます。特に「Sushi」はタコスと並 ぶ人気のある大衆料理だそうです。 2 香港 3 ニュージーランド 4 アメリカ 5 デンマーク 24 日本 48 メキシコ 91 中国 112 ロシア 130 ブラジル 132 インド ※各国のランキングは、2012 年6月を基準として記載。10の 規制分野におけるその国のラ ンキングの平均。 (出所:世界銀行よりDIAM作成) ※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。※当資料は、DIAMが信頼できると判断した情報に基づき作成していますが、情報の 完全性、正確性を保証するものではありません。※当資料の内容は作成時点のものであり、今後予告なく変更される場合があります。※巻末のご注意事項等 を必ずご確認ください。 2/4 DIAMコラム 【やっとシェール革命】 最近話題のシェールオイル・ガスの開発については、 世界第6位(2013年6月時点、JOGMEC)のシェールガ ス埋蔵量(技術的回収可能量)を誇るメキシコにとって 経済成長のカギを握っているといえます。 【メキシコの陸上部のシェールガス堆積盆地】 メキシコはこれまで油田開発を優先させてきたため、 米国と比べて開発が遅れていたシェールオイル・ガスの 開発ですが、ようやく本腰を入れて取り組みつつありま す。 特にシェールガスについては、2012年秋から国営企 業であるメキシコ石油公社(PEMEX)がシェールガスの 調査に3年間で2億ドルを投資しています。2016年まで には合計175本の試掘井を掘削する計画ですが、 シェールガスの開発には5~8年かかると言われており、 量産までには少し時間がかかるとみられます。 また、シェールオイル・ガスの開発には課題もあります。 現在PEMEXが独占している探査から開発までの効率 化が必要と言われています。現在は、憲法で資源開発 の利益の一切をPEMEXが独占する形になっています が、ペニャニエト政権は憲法改正など進めつつ、国内 の民間企業や外資を活用した効率的な開発が期待さ れます。 Sainas Basin Burgos Basin Tampico Basin Tuxpan Basin Veracruz Basin メキシコならではの「多くて若い人口」、「有望な産業」、 「豊富な資源」をどのように活用させて、飛躍的な経済 成長を遂げるのでしょうか。米国の景気回復とペニャニ エト大統領の構造改革の恩恵も併せて、今後要注目で す。 (出所:EIA資料等よりDIAM作成) ◇◆ポイント◆◇ 1. メキシコは若くて豊富な労働力がある一方、中間所得層拡大のためには 所得格差の解消が今後の課題です。 2. 「自動車」と「シェール」が経済成長のカギを握っています。 関連レポートはこちら 『改革期待ふくらむメキシコの市場環境』(2012/12/7) ※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。※当資料は、DIAMが信頼できると判断した情報に基づき作成していますが、情報の 完全性、正確性を保証するものではありません。※当資料の内容は作成時点のものであり、今後予告なく変更される場合があります。※巻末のご注意事項等 を必ずご確認ください。 3/4 DIAMコラム 【投資信託に係るリスクと費用】 投資信託に係るリスクについて 投資信託は、株式や債券等の値動きのある有価証券(外貨建資産には為替リスクもあります)に投資をしま すので、市場環境、組入有価証券の発行者に係る信用状況等の変化により基準価額は変動します。このた め、購入金額について元本保証及び利回り保証のいずれもありません。 投資信託に係る費用について [ご投資頂くお客様には以下の費用をご負担いただきます。] ■お客様が直接的に負担する費用……購入時手数料:上限3.675%(税込) 信託財産留保額:上限0.5% ■お客様が信託財産で間接的に負担する費用……運用管理費用(信託報酬):上限1.995%(税込) ■その他費用・手数料……上記以外に保有期間等に応じてご負担頂く費用があります。 投資信託説明書(交付目論見書)等でご確認下さい。 ※上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。 費用の料率につきましては、DIAMアセットマネジメント(株)が運用するすべての投資信託の うち、徴収する夫々の費用における最高の料率を記載しております。 【ご注意事項】 ・当資料は、DIAMアセットマネジメント株式会社が作成したものです。 ・当資料は情報提供を目的とするものであり、投資家に対する投資勧誘を目的とするものではありません。 ・当資料は、DIAMアセットマネジメント株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しておりますが、 その内容の完全性、正確性について、同社が保証するものではありません。また掲載データは過去の実績 であり、将来の運用成果を保証するものではありません。 ・当資料における内容は作成時点(2013年10月18日)のものであり、今後予告なく変更される場合があります。 投資信託は 1.預金等や保険契約ではありません。また、預金保険機構及び保険契約者保護機構の保護の対象では ありません。加えて証券会社を通して購入していない場合には投資者保護基金の対象にもなりません。 2.購入金額については元本保証及び利回り保証のいずれもありません。 3.投資した資産の価値が減少して購入金額を下回る場合がありますが、これによる損失は購入者が負担 することとなります。 4/4