Comments
Transcript
(Microsoft PowerPoint - 01\222r\223c\220\346\220\266
専門医制度の意義 北海道厚生局主催 「新専門医制度説明会」 (2015年6月13日) 一般社団法人「日本専門医機構」理事長 早稲田大学特命教授 池田康夫 • 研修プログラムを充実させる事により医師の質の 向上が期待出来る • 医師が自ら修得した知識・技術・態度について公 の認定を受け、社会に開示出来る • 患者さんは診療を受けるに当たり、医師の専門性 の判断が出来る • 医師の役割分担の確立により我が国の医療体制 の在り方に資する • 専門医の公示により、診療科の自由標榜制の問 題が解決できる 我が国の専門医制度の現状 専門医制度の国際比較(1) 新専門医制度が目指すもの 専門医の法的位置づけと財源 各学会が独自で制度設計をして専門医を認定する (旧)日本専門医制評価・認定機構には85 日本専門医制評価・認定機構には85学会が加盟し、 85学会が加盟し、 機構は各学会の専門医制度を評価・認定する 一定の外形基準を持つ学会が認定する専門医の広告 が可能となり (平成14 平成14年厚労省公示 14年厚労省公示) 年厚労省公示)、 学会専門医制度 が乱立し、標準化されていない 専門医の取得が医師の特別なインセンティブに繋がらない 患者さんに ”専門医” 専門医” が必ずしも理解されていない 位置づけ 財源 アメリカ 民間の第三者組織(学会と独立) 専門医認定料、 研修プログラム認定料 イギリス 民間の第三者組織 GMA (General Medical Association) 各Royal College、医師登録料 ドイツ 州医師会(16、制度の運営・管理) 連邦医師会も関与 医師会、認定料、更新の為の講演 フランス 国の法律(保健省・高等研究教育 省) 国家事業 韓国 国家認定(保健福祉家族省) 学会、受験料など 1 専門医制度の国際比較(2) 専門医制度の国際比較(3) 認定の仕組み 専門医の種類と配置調整 アメリカ ABMS ACGME イギリス NHS (National Health Service) ー医療施設、診療科、医療の質の管理 PMETB(Postgraduate Medical Educational and Training Board) ー研修プログラムの遂行 ドイツ 州医師会:研修病院、指導医、教育カリキュラムに関する認定、 受験資格、試験、資格更新認定の権限を持つ フランス 全国選抜試験(ECN)合格者の上位から専門を選ぶ(外科系・内 科系)、研修終了後、国家試験に合格し、国家免許と医師会登 録をする。試験・認定は保健省が行う 韓国 大韓医師会(KMA)が専門医試験、大韓病院協会(KHA)が専門医 配置、病院評価・認定 米国の専門医制度の特徴 • 政府が制度にほとんど関与していない • 教育プログラムの認定(Accreditation)と専門 医の認定(Certification)が明瞭に区別されて いる ACGME (Accreditation Council for Graduate Accreditation: Medical Education) Certification: ABMS (American Board of Medical Specialties) アメリカ 基本領域 24 サブスペシャルティ 120 配置調整なし イギリス 基本領域 内科29 外科9 サブスペシャルティ 4 GPの配置は国の基準で決められ ている、全国に分布 保険医組合が僻地への医師誘導 の為にインセンティブを設けてい る。都市部での制限も ドイツ 基本領域 32 サブスペシャルティ 23 フランス 基本領域 27 サブスペシャルティ 11 配置調整なし 韓国 基本領域 26 サブスペシャルティ 20 配置調整なし Accreditation Council for Graduate Medical Education (ACGME) • 米国の臨床研修プログラムの管理 • 条件を満たす臨床チームのみが研修プログ ラムを実施する事を許可され、採用出来るレ ジデント数も決められている(専門医数の自 主的コントロール) • Residency Review Committee (RRC)が現地で の調査を担当する • 卒後研修期間は最低3年 2 新しい専門医制度を設計するにあたっての 基本理念 専門医の質を担保できる制度 患者に信頼され、受診の良い指針になる制度 専門医が「公の資格」として、国民に広く認知されて 評価される制度 「プロフェッショナル集団としての医師」が誇りと責任 を持ち、患者の視点に立ち自律的に運営する制度 新たな専門医制度の枠組み Subspecialty専門医 消化器・呼吸器・内分泌代謝・腎臓・アレルギー・ 老年病・循環器・血液・糖尿病・肝臓・感染症・ リウマチ・神経内科・消化器外科・呼吸器外科・ 心臓血管外科・小児外科 等 新しい専門医制度の骨格 専門医制度は二段階制とする (基本領域と サブスペシャルティ領域) 専門医の認定は各学会ではなく、中立的第三者 機関で行う 専門医育成は研修プログラムに従って行う。中立 的第三者機関では研修プログラムの評価・認定、 研修施設のサイトビジットを行う 総合診療専門医を基本領域に位置づける (一般社団法人)日本専門医機構 設立時: 平成26年5月設立 日本医学会連合、 日本医師会、 全国医学部長病院長会議、 設立後: 四病院団体協議会、 がん治療認定医機構、 18基本診療領域学会の代表 理事 監事 22名 3名 総合診療科 臨床検査 病理 形成外科 リハビリテーション 科 救急科 放射線科 泌尿器科 眼科 整 形外科 精神科 小児科 麻酔 科 脳神経外科 耳鼻 咽喉科 産婦 人科 外科 皮膚科 内科 社員 3 (一般社団法人)日本専門医機構組織図 社員総会 「日本専門医機構」の役割 専門医制度検討委員会 評価・認定部門 基本領域連携委員会 専門医認定・ 更新部門 認定 専攻医 未曾有の少子高齢化を迎え、地域医療の格差 是正も必須である事から、総合診療専門医制度 確立の議論は避けて通れない 論点: 医療の質とアクセス、更に経済性の確保 家庭医療・総合診療の提供体制の現状認識 家庭医・総合医の地域医療における役割と その位置づけ 他の領域専門医との協調・連携の上に立った 新しい専門医制度設計 申請 総合診療専 門医に関する委員会 29領域 がん診療 の専 門医に関する委 員会 19領域 29領域 Adhoc 委員会 医療倫 理 ・ 臨床 研究に関する委 員会 サブスペシャルティ 領域研修委員会 財務委員会 基本領域 研修委員会 常置 委員会 データベー ス委員会 19領域 サブスペシャルティ 領域専門医委員会 専門研修プログラム 研修施設評価・認定部門 総務 ・ 規約委員会 基本領域 専門医委員会 申請 総合診療専門医が必要 運営委員会 事務局 広報委員会 • 専門医研修プログラムを審査し、その認定 を行う • 専門医制度の枠組みを検討し決定する • 専攻医、専門医のデータベースを構築する 専 門 医 に 関 す る 委 員 会 理事会 未承認診療領域連絡協議会 • 専門医の認定・更新を行う 監事 日 本 医 学 会 連 合 外 部 評 価 委 員 会 認定 研修施設 米国・英国における家庭医・総合医 米国 英国 • プライマリーケアの担い手とし て4割が家庭医(6万人)、その 他は総合内科医・小児科医 • 家庭医療専門医育成プログラ ム American Academy of Family Medicineが作成・3年間のプ ログラム(内科・小児科・産 科・救急・外科その他)、 Common disease が中心、予 防、健診も担当 • ABMSのPrimary Boardに位置 し、 ACGME, RRCの評価・監査 を受けている • NHS ( National Health Service)の提供する医療 サービスの中でPrimary care はGeneral Practitioner (GP)が担当(予算9兆円) • GPへの患者登録、GPの診 療範囲、24時間サービス • GP育成プログラム 5年間卒後研修(2年基盤 研修、3年専門家研修) 4 総合診療専門医のコアコンピテンシー ープログラム整備基準ー 新専門医制度開始迄のタイムスケジュール 1. 人間中心の医療・ 人間中心の医療・ケア 平成26年5月(2014) 日本専門医機構創設 2. 包 括 的 統 合 ア プ ロ ー チ 、 (comprehensive/integrated) 平成26年〜27年(2014〜 2015) 専門医制度整備指針 に基づき各基幹研修施設で 基本診療領域研修プログラムを策定, 指導医資格 暫定を含む) の基準策定。新しい更新基準に従い 、学会認定専門医の更新作業の準備。 平成28年(2016) 初期臨床研修医 (2年目) への基本診療 領域研修プログラムの提⽰,専攻医登録 開始 5. 公益に資する職業規範 平成29年(2017) 新制度による後期研修開始 6. 診療の場の多様性 平成32年〜33年(2020〜 2021) 新制度の専門医認定 3. 連携重視のマネージメント 4. 地域志向アプローチ、 地域志向アプローチ、 (community-oriented) 5