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第 2 章

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第 2 章
1 章 岩出市の概要
第第
2章
2.1 市の概要
岩出市は、和歌山県の北部、和歌山市の中心部から約 15 ㎞、大阪都心部から約 50 ㎞、
関西国際空港からは約 30 ㎞の距離に位置し、北は大阪府泉南市および阪南市、西南は
和歌山市、東南は紀の川市に接しています。和歌山市や泉南地域、大阪都市圏への交通
アクセスに恵まれており、大阪から和歌山に至る玄関都市として位置づけられています。
市域は、東西に約 5.7 ㎞、南北に約 8.8 ㎞、面積は 38.5 ㎞ 2 で、戦後の岩出町合併
当時の人口は、約 1 万 3 千人でしたが、その後、ニュータウン開発などが進み、平成 6
年に開港した関西国際空港に近いこともあり、人口は増加を続け、平成 15 年には 5 万
人に達しました。現在の人口は 53,848 人(平成 27 年 11 月末現在)、人口密度は 1km2
当たり 1,399 人(平成 27 年 11 月末現在)になります。
図 2.1.1
岩出市位置図
2-1
2.2 市の歴史的沿革
岩出市の歴史は古く、各所に縄文や弥生時代の遺跡
が点在しています。奈良時代には、本市と紀の川市に
またがる国分荘に国分寺が建立されるなど繁栄を続け
てきました。
中世以降は、新義真言宗総本山「根来寺」が寺領 72
万石を有し、高野山、粉河寺、太田党、雑賀党ととも
に大きな勢力を誇っていました。戦国時代の根来寺の
勢力範囲は、大阪の岸和田付近まで及んだと言われて
います。
江戸時代は、紀州藩領となり、徳川御三家の領地と
して着実な繁栄を築いてきました。
写真 2.2.1 船戸山古墳一号墳石室
明治 22 年には町村施行により岩出村が成立し、明
治 41 年には、岩出村が岩出町となりました。
戦後においては、昭和 31 年に岩出町、山崎村、根
来村、上岩出村および小倉村の一部(船戸、山崎)が
合併して新制「岩出町」となりました。
平成 18 年 4 月 1 日に、平成の大合併が進む中、岩
出町単独で市制を施行し、「岩出市」として、新たなス
タートを切りました。
平成 27 年 9 月には京奈和自動車道紀北西道路(岩
出根来 IC)が供用開始され、さらなる発展へつなが
写真 2.2.2 根来寺大塔(多宝塔)
るものと期待されています。
図 2.2.1 京奈和自動車道計画路線図
2-2
2.3 自然的環境
(1)気候
和歌山県の年間降水量は、全国平均値(約 1,700mm)に比べ 2 割程度少なく、年間平
均気温では約 1℃程度高い状況です。また、日平均気温、日最高気温、日最低気温は上
昇傾向にあります。
年間降水量
過去100年間平均降水量
過去20年間平均降水量
2,500
1,500
1,000
500
T4
T6
T8
T10
T12
T14
S2
S4
S6
S8
S10
S12
S14
S16
S18
S20
S22
S24
S26
S28
S30
S32
S34
S36
S38
S40
S42
S44
S46
S48
S50
S52
S54
S56
S58
S60
S62
H1
H3
H5
H7
H9
H11
H13
H15
H17
H19
H21
H23
H25
0
年次
出典:気象庁過去の気象データ「和歌山」
図 2.3.1 年間降水量と日最大降水量の推移(和歌山観測所)
日平均気温
日最高
日最低気温
25
23
21
19
17
15
13
11
9
7
5
T4
T6
T8
T10
T12
T14
S2
S4
S6
S8
S10
S12
S14
S16
S18
S20
S22
S24
S26
S28
S30
S32
S34
S36
S38
S40
S42
S44
S46
S48
S50
S52
S54
S56
S58
S60
S62
H1
H3
H5
H7
H9
H11
H13
H15
H17
H19
H21
H23
H25
気温(℃)
年間降水量(mm)
2,000
年次
出典:気象庁過去の気象データ「和歌山」
図 2.3.2 年間日平均・最大・最低気温の推移(和歌山観測所)
2-3
(2)地形地質
市の南部には大台ヶ原を水源とする大河「紀の川」が東西に流れ、市域の南半分の沖
積平野には、市街地や田園地帯が広がっています。北部には和泉山脈が東西に連なり、
緑豊かな山並みを形成しています。
大阪府
奈良県
紀の川
図 2.3.3
岩出市周辺の地形図(標高)
西南日本を外帯と内帯に分ける中央構造線が本市を貫き、和泉山脈と紀の川の間
を東西に走っています。中央構造線の北側(内帯)には、上部白亜系の和泉層群が
分布し、中央構造線の南側(外帯)と紀の川の間には沖積層が分布しています。
出典:和歌山県地域防災計画基本計画編
図 2.3.4
岩出市周辺の地質図
2-4
本市の行政区域面積は 38.50km2(東西 約 5.7km 南北 約 8.8km)で、山林が約 32%、
田畑が約 19%、宅地が約 17%を占めています。
出典:和歌山県地域防災計画基本計画編
図 2.3.5
岩出市とその周辺の土地利用図
その他 32.0%
山林 32.4%
畑 1.9%
田 17.0%
宅地 16.7%
図 2.3.6 岩出市の土地利用内訳(平成 26 年度)
2-5
2.4 社会的環境
(1)人口・世帯数の推移
本市の人口や世帯数は、昭和 40 年から増加を続け、人口は平成 2 年から平成 12 年の
10 年間には 1.5 倍に増加しました。和歌山県全体では、平成 7 年から減少に転じてい
ますが、本市では増加傾向は依然として続いています。
また、本市でも高齢化は進んでいますが、平成 22 年時点で 65 歳以上の高齢者の割合
は 16.3%で、全国(24.1%)や和歌山県全体(28.4%)に比べて低くなっています。
岩出市世帯数
和歌山県人口
和歌山県世帯数
60,000
1,200,000
50,000
1,000,000
40,000
800,000
30,000
600,000
20,000
400,000
10,000
200,000
0
0
S40
S45
S50
S55
S60
H2
H7
和歌山県人口(人)・世帯数(世帯)
岩出市人口(人)・世帯数(世帯)
岩出市人口
H12 H17 H22
年次
図 2.4.1 人口・世帯数の推移
0~14歳
100%
90%
15~64歳
65歳以上
18.7 16.2 12.5 13.0
26.0 23.1 24.0 26.8 26.8 25.4 21.8 20.4 19.7
年齢別人口割合
80%
70%
60%
50%
40%
63.4
69.3 68.9 67.8
66.3 68.2 67.2 64.6 64.7 65.6 68.1
59.0 62.9
30%
20%
10%
0%
7.8
8.7
8.9
8.5
8.5
9.1
16.3
9.7 10.3 11.5 13.5
年次
図 2.4.2
年齢別人口割合の推移
2-6
28.4 24.1
(2)産業の推移
岩出市の工業関係の事業所数は、平成 11 年以降減少傾向が続いていますが、製造品
出荷額と従業者数は、平成 21 年以降は増加傾向に転じています。また、商業関係では、
年間販売額、従業者数ともに昭和 60 年以降、増加傾向が続いています。
従業者数(人)
製造品出荷額(億円)
1,200
180
975
1,000
800
137
942 921 919 923
129
964 947 940
931
861
860 860
969
120
120 121
120
106
600
100
99
98
93
106 109
94
90
98
400
200
150
815
60
51
50
47
製造品出荷額(億円)
事業所数(事業所)・従業者数(人)
事業所数
30
41
43
41
43
42
43
42
40
37
42
40
0
0
H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24
年次
図 2.4.3 工業における事業所数・従業者数・製造出荷額の推移
事業所数
従業者数(人)
年間販売額(億円)
1,200
3,252
3,500
2,985 2,999
3,000
1,877
2,000
0
1,861
2,118 2,198 614
1,063
836
86
249
311
665
608
621
632
509
1,506
1,500
500
900
2,620
2,500
1,000
3,297 1,050
750
600
450
309
239
300
140
150
233
379
498
318
S51
S54
S57
S60
374
S63
422
395
369
394
329
351
370
H3
H6
H9
H11
H14
H16
H19
0
年次
図 2.4.4 商業における事業所数・従業者数・年間販売額の推移
2-7
年間販売額(億円)
事業所数(事業所)・従業者数(人)
4,000
一方、農家数は減少傾向が続き、昭和 50 年から平成 22 年の 35 年間に約 4 割減少
しています。また、産業別の就業者数は、第 1 次、第 2 次産業が年々減少しているの
に対して第 3 次産業が増加し、平成 22 年には第 3 次産業が約 69.3%を占めており、
全国や和歌山県全体の割合を上回っています。
1,600
1,451
1,402
1,400
1,272
1,181
農家数(戸)
1,200
1,091
1,035
1,000
963
912
800
600
400
200
0
S50
S55
S60
H2
H7
H12
H17
H22
年次
図 2.4.5 農家数の推移
産業別就業人口構成比
第1次産業
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
40.0
31.6
第3次産業
10.3 7.8
20.0 13.2
32.7
20.8
第2次産業
34.1
5.7
4.2
分類不能
3.5
3.2
9.3
4.0
25.4 23.0
23.7
21.7
31.5 29.5
31.4
32.1
27.1
68.7 69.3 66.0 66.5
60.6 62.5 66.3
57.0
46.9 52.3
39.2 41.2
0.1
0.2
0.5
0.4
0.6
0.2
0.2
0.1
2.4
年次
図 2.4.6 産業 3 区分別人口の推移
2-8
4.4
2.5 自然災害
(1)南海トラフ巨大地震による被害
和歌山県で想定される大規模地震の主なものに、東海・東南海・南海 3 連動地震と
南海トラフ巨大地震があります。特に南海トラフ巨大地震は、和歌山県に大きな被害
をもたらす可能性があるとされています。
南海トラフ巨大地震による被害想定(平成 26 年度)では、県内においては、最大
震度は 7 で、建物の全壊は約 8 万 5 千棟、死者は約 9 万人とされています。
この想定の中で、岩出市では、最大震度は 6 強、全壊は約 600 棟、死者は約 40 人
となっています。
震度5弱
震度5強
震度6弱
震度6強
震度7
基本単元を 250m
メッシュとする。
出典:平成 26 年公表 地震被害想定(防災わかやま 防災企画課ホームページ)
図 2.5.1 南海トラフ巨大地震による岩出市周辺の最大震度分布
表 2.5.1 南海トラフ巨大地震による建物被害
総棟数
最大震度
岩出市
和歌山県
(棟)
揺れなどによる全壊 津波による全壊
(棟)
火災による焼失
(棟)
(棟)
6強
19,000
600
0
89
7
497,800
84,700
56,100
17,900
全壊・焼失棟数
0
0
0
0~
~ 11
1
1~
~ 10
10
10
~
10 ~100
100
>100
>100
基本単元を 250m
メッシュとする。
出典:平成 26 年公表 地震被害想定(防災わかやま 防災企画課ホームページ)
図 2.5.2 南海トラフ巨大地震による岩出市周辺の建物被害分布
2-9
表 2.5.2 南海トラフ巨大地震による人的被害
人口(人)
死者数(人) 重傷者数(人)軽傷者数(人)
岩出市
49,800
37
62
560
全県
996,700
90,400
9,800
29,800
死者数
0
0 ~ 1
1 ~ 5
5 ~ 10
>10
基本単元を 250m
メッシュとする。
出典:平成 26 年公表 地震被害想定(防災わかやま 防災企画課ホームページ)
図 2.5.3 南海トラフ巨大地震による岩出市周辺の死者数分布
上水道に関する被害想定では、県内では、被災直後は約 97 万人(99%)の断水被
害が生じ、1 日後より復旧がなされた場合、1 週間後には 45 万人(46%)になるとさ
れています。この内、岩出市では、被災直後に約 5.1 万人(96%)
、1 週間後には約
2.1 万人(39%)とされています。
管路の被害率は、県全体では 1km あたり 4.9 カ所ですが、岩出市では約 1 カ所とさ
れています。
表 2.5.3 南海トラフ巨大地震による水道被害
管路延長 管路被害
(km)
岩出市
和歌山県
箇所数
被害率
給水人口
(箇所/km)
(人)
断水人口(人)
発災直後
1 日後
1 週間後
300.7
310
1.03
53,200
50,900
41,000
20,500
7,286.2
30,500
4.93
976,900
965,400
892,700
446,400
上水道被害箇所数
(箇所/km)
0 ~ 1
1 ~ 5
5 ~ 10
10 ~ 20
20 ~
出典:平成 26 年公表 地震被害想定(防災わかやま 防災企画課ホームページ)
図 2.5.4
南海トラフ巨大地震による岩出市周辺の水道管路の被害分布
2-10
(3)洪水などによる被害
今後想定される洪水などによる被害は、紀の川の氾濫によるものであり、市のハザ
ードマップでは、貴志川が合流する紀の川右岸の地区で 5m以上の浸水が生じるとさ
れています。ここには本市の浄水場など複数の水道施設があります。
図 2.5.5 岩出市ハザードマップ
2-11
2.6 上位計画
本市のさらなる飛躍のために、第 1 次岩出市長期総合計画を引き継ぐ第 2 次岩出市長
期総合計画を策定し、住んでよかったと思えるまちづくりに取組んでいます。将来の都
市像を実現するために、分野別に 4 つのまちづくりの基本方針を示しており、この中の
「住んでよかったと思えるまちづくり」の分野で上水道の課題および基本方針などを整
理しています。
基本計画
住んでよかったと思えるまちづくり
1)市の風格あるまちをつくる
2)生活基盤の安定したまちをつくる
3)ゆとりとやすらぎのあるまちをつくる
4)環境を守るまちをつくる
5)輝きのあるまちをつくる
現状課題
本市における上水道については、安全で安定した飲料水の供給と水道水の水質等の品質管
理に取り組んでいます。しかし、多様化するライフスタイルやいまだ増加傾向にある給水人
口に対応した上水道施設の整備や水圧の低下・上昇が生じている地域の配水管網の見直し、
老朽管の更新など、多くの課題を抱えています。
基本方針
上水道については、安全で豊かな水源の確保および安定した飲用水を供給するにあたり、
増加傾向にある給水人口に対応した原水の確保および配水管網の見直しや老朽管の更新など
に取り組みます。
施策
上水道の安定供給
○安定した上水道の供給のために、第 3 次拡張事業認可の変更に基づき、塩化ビニル管等の
老朽管の更新、水源地・配水池等の水道施設の整備を進めます。
○上下水道の維持管理体制の整備や経営の効率化を図るとともに、上下水道料金の収入確保
に取り組みます。
2-12
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