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平成27年度 第8号

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平成27年度 第8号
図書館だより
平成27年度 第8号
伊丹西高等学校 図書館
平成28年3月22日(火)
「ねえ、あたし、変わったかな。すこしおとなになったかしら」
「背がのびたよ」
「それだけ?」
「まあね」
ジジはいらいらとひげをふるわせました。
「ひとり立ちできたと思う?」
キキはまたききました。
「なにいってるのさ。今ごろ」
ジジはあきれて、キキを見、ふと首をかしげてなぐさめのことばにかえました。
「まあまあ、上等じゃないの」
「ありがとう」
といったものの、キキはまたむっと口をつぐみました。
おかあさんのあとつぎという、どの女の子も考えそうな道を、キキはえらんだのでしたが、そのあ
とは自分の判断でこのコリコの町をえらび、考えたあげく、魔女の宅急便という仕事をはじめたので
す。思いかえすと、たいへんなこともたくさんありました。でも一年間、せいいっぱいやってきたと
自分でも思えるのです。それなのに、今ごろになって、「わたし、ほんとにできたのかしら」という、
予想もしなかった不安にキキはおそわれていたのでした。ひとり立ちの前のキキだったら、「あたし、
やったわ、えらいでしょ」とすすんでいいふらすことぐらいしたかもしれません。ところが今は、ジ
ジが「上等だよ」といってくれても、もう一つ自信がもてないのです。ほんとうはどうなのか、だれ
かにきいてみたいという気がしきりにするのでした。
角野栄子『魔女の宅急便』
魔女と普通の人間の間に生まれた少女・キキは、十歳を過ぎた頃に魔女になる決心をし、
十三歳の年の満月の夜にひとり立ちをしました。自分の家を離れ、魔女のいない町や村を探
してたったひとりで暮らしはじめるのです。一年間は里帰りも許されません。自分のできる
魔法で生きていかなければならないのですが、キキにできるのはホウキで空を飛ぶことだけ。
最初に見つけたコリコの町の人々も、魔女に対して冷ややかでした。落ち込んだり励まされ
たりしながら(ジブリのアニメ版のようにドラマチックではないですが、ほんわりとしたエ
ピソードがたくさんあります)一年が過ぎて、上記の引用は里帰りができるようになる日の
二日前のこと。明日は皆さんも学年末の終業式です。この一年を、自信を持って振り返るこ
とができる人。お疲れ様でした。なんだか不安な人。少し大人になった証拠です。どちらの
人も、四月からの次の一年を有意義に過ごせるよう、一度立ち止まってみましょう。
情報教育部長 M.S.
『春休み前特別貸出』について
3月3日から実施してきた春休み前特別貸出も、明日まで。一人10冊まで借りることが
できます。返却期限は4月8日金曜日(始業式の日)この機会に一冊でも多くの本にふれて
下さい。また、延滞中の本があれば、できるだけ早く返却して下さい。
本のリクエストについて
年度末に蔵書点検・書架整理を実施しました。その際に、発行年が古くて内容が今の時代
に合わないものや傷みの激しい本を廃棄処分しました。その代わりに、皆さんに読んでもら
いたい本を精選して購入していく予定ですが、これを入れて欲しいという希望があればリク
エストしてください。リクエスト用紙は図書館カウンター付近に置いてあります。(ただし、
こちらで内容を検討した上で購入の可否を決定します。リクエストすれば必ず入るとは限り
ません)
ことば蔵・ヤングアダルトコーナーについて
伊丹市立図書館『ことば蔵』については以前にも紹介しました。2階にヤングアダルトコ
ーナーが常設されています。居場所となるような、勉強も読書も進路調べもできる中高生に
よる中高生のためのコーナー。県立伊丹高校と市立伊丹高校、伊丹西高校の3校の図書委員
や有志が企画・運営をしています。高校生たちのオススメ本や季節に合わせた本を取りそろ
えていますので『ことば蔵』に行った時には是非のぞいてみてください。
現在、YA新聞『YAたいむず』の第2号の発行の準備中です。YAスタッフとして企画・
運営に参加している西高生たちのイラストや本の紹介記事が掲載されます。新学期には西高
図書館にも置いておきますので、楽しみにお待ちください。
企画・運営に参加したい人は、図書館スタッフまで。
月1回(木曜日)の放課後、活動しています。
図書委員以外の人もOKです。
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