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平成25年度 第7号

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平成25年度 第7号
図書館だより
平成25年度 第7号
伊丹西高等学校 図書館
平成26年3月19日(水)
「ねえ、あたし、変わったかな。すこしおとなになったかしら」
「背がのびたよ」
「それだけ?」
「まあね」
ジジはいらいらとひげをふるわせました。
「ひとり立ちできたと思う?」
キキはまたききました。
「なにいってるのさ。今ごろ」
ジジはあきれて、キキを見、ふと首をかしげてなぐさめのことばにかえました。
「まあまあ、上等じゃないの」
「ありがとう」
といったものの、キキはまたむっと口をつぐみました。
おかあさんのあとつぎという、どの女の子も考えそうな道を、キキはえらんだのでしたが、そのあ
とは自分の判断でこのコリコの町をえらび、考えたあげく、魔女の宅急便という仕事をはじめたので
す。思いかえすと、たいへんなこともたくさんありました。でも一年間、せいいっぱいやってきたと
自分でも思えるのです。それなのに、今ごろになって、「わたし、ほんとにできたのかしら」という、
予想もしなかった不安にキキはおそわれていたのでした。ひとり立ちの前のキキだったら、「あたし、
やったわ、えらいでしょ」とすすんでいいふらすことぐらいしたかもしれません。ところが今は、ジ
ジが「上等だよ」といってくれても、もう一つ自信がもてないのです。ほんとうはどうなのか、だれ
かにきいてみたいという気がしきりにするのでした。
角野栄子『魔女の宅急便』
魔女と普通の人間の間に生まれた少女・キキは、十歳を過ぎた頃に魔女になる決心をし、
十三歳の年の満月の夜にひとり立ちをしました。自分の家を離れ、魔女のいない町や村を探
してたったひとりで暮らしはじめるのです。一年間は里帰りも許されません。自分のできる
魔法で生きていかなければならないのですが、キキにできるのはホウキで空を飛ぶことだけ。
最初に見つけたコリコの町の人々も、魔女に対して冷ややかでした。落ち込んだり励まされ
たりしながら(ジブリのアニメ版のようにドラマチックではないですが、ほんわりとしたエ
ピソードがたくさんあります)一年が過ぎて、上記の引用は里帰りができるようになる日の
二日前のこと。明日は皆さんも学年末の終業式です。この一年を、自信を持って振り返るこ
とができる人。お疲れ様でした。なんだか不安な人。少し大人になった証拠です。どちらの
人も、四月からの次の一年を有意義に過ごせるよう、一度立ち止まってみましょう。
情報教育部長 M.S.
春季休業前特別貸出のお知らせ
春季休業前特別貸出では、一人10冊まで借りることが出来ます。この機会に早めに借り
て、たくさん本を読みましょう。返却期限は4月8日(火)始業式の日です。
「チャリティー古本市」ご協力ありがとうございました。
2月2日(日)伊丹市立図書館“ことば蔵”で伊丹市内5校合同主催の東北支援「チャリ
ティー古本市」を開催しました。
昨年10月から、生徒や卒業生、先生方、PTA、地域の方々に呼びかけ、昨年を上回る
917冊の本が集まりました。
仮設校舎からの引っ越しの中、図書委員を中心に、古本を拭いて入力した値段シールを貼
り、販売ブース毎にダンボールに詰めていきました。
古本市の前日には、5校の生徒約40人がことば蔵
に運び込まれた約34
00冊の本を仕分けし
ていき、見やすく買い
やすくなるよう配置や
展示の工夫をし、当日
の古本市に備えました。
当日は、ことば蔵や阪急
伊丹駅周辺にちらしを配り
に行き、積極的な呼び込み
をして、300人余りの
方々に来ていただきました。
売上金127,461円は、各校からの応援メッセージカードとともに、宮城県気仙沼市
の大島図書館運営協議会に送りました。
チャリティー古本市のポスターを描いてくれた美術
部の桜井さん、お礼のカレンダーを作ってくれた写真
部の皆さん、古本市の準備・販売をしてくれた図書委
員・ボランティア部・有志の皆さん、そして、たくさ
んの本を提供してくださった方々、本当にありがとう
ございました。
情報教育部 Y.Y.
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