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交通事故を減らしたい
BigMap の活動事例 交通事故を減らしたい 「重ねて安心!マップ」の活動を泉区から全国へ 泉交通安全協会(横浜市泉区)では、交通事故を減らすために地域の小中学校な どで交通安全教育に取り組んできました。NPO 法人 BigMap(横浜市西区)の協力の もと、2008 年から交通弱者である子ども達の母親を主な対象した、交通事故地点のメ ール配信事業への取り組みを開始しました。さらに 2009 年からは、BigMap が運営す るデジタル地図活用ツールを活用した交通安全への気づき活動「重ねて安心!マッ プ」を町内会や子ども会を対象にはじめています。 泉交通安全協会の事務長である櫻井元美氏に、BigMap 事務局の小山浩子と真野 栄一がお話を伺いました。 小山(以下、小): 小学校の PTA の校外委員の活動で安全 マップづくりをしたときに、子どもにも 親しめるようにと借りに行ったんです。 櫻井(以下、櫻) 交通安全協会は、皆さんの免許更新手 続きのときにいただいた会費を主な収 入として、小中学校などでの交通安全教 室、チャイルドシート貸出、街頭での立 哨活動、免許更新手続きの際の書類作成 サポートなどの地域での活動を行って います。連合町内会などの地域の交通部 の方々を含め、およそ 180 人ものボラン ティアのみなさんと協力して、これらの 事業を行っています。 泉交通安全協会は神奈川県警の外郭 団体です。横浜市内に 21 カ所、神奈川 県内に 54 カ所の交通安全協会がありま す。 櫻: その後、小山さんが BigMap の活 動を始めまして、Web 上でデジタル地図 を使ったツールの紹介を受けました。 真: でも、すぐには活用しなかった。 櫻: 当時の泉交通安全協会の課題は、 自分たちの取り組みをいかに発信して、 多くの区民にその取り組みを知っても らうかでした。地域の人に知ってもらえ れば、免許更新の際に会員に加わってい ただく方が増え、より多くの交通安全へ の取り組みができると考えていました。 真: チラシを配るとか、ホームページ を開設するとか、イベントに出るとか? 櫻: そう。広く知らせるということが 大事でした。交通事故の発生場所を地図 で示して、住民の注意を喚起したい!と いうニーズはずっとあったんです。 小山さんが紹介してくれた「マップ de コミュニケーション(MDC)」は、地図が 活用できるというメリットがありまし たが、一方で会員制ということもあって 広く発信するツールとしては疑問が残 り、熟慮していました。 櫻井事務長 真野(以下、真) : 2008 年から BigMap との接点を持った 活動を続けてきたわけですが、そのきっ かけは何だったんですか? 聞き手の小山とインタビューする真野 小: それで、交通事故情報のメール配 信から始めましょうということになっ たんですね。 櫻: もとはといえば、小山さんがウサ ギの着ぐるみを交通安全協会に借りに 来たのが知り合うきっかけでした。 櫻: 「ココ事故情報配信」です。携帯 電話のメールは交通弱者である子ども -6- く、お母さん方や町内会などの地元の 方々に知ってもらい、注意喚起をはから なければいけないと思っています。 達の母親層に普及してましたので。年に 1 回の小学校での交通安全教室より、毎 日母親にうるさく言われてた方が子ど もの事故を減らす効果は高いかな、と。 真: で、その発展形として「重ねて安 心!マップ」が登場したわけですね。 櫻: 子どもたちが街を歩いて「ここ、 危なそう」と思う場所を調べて歩いて、 地図上にプロットする。これが「ひやり ハット」です。交通事故情報は 2009 年 の夏に MDC を拡張開発してデータベース 化できるようになっていました。 これらを重ねてみたら、何か見えてく るんじゃないか。これが「重ねて安心! マップ」です。 「重ねて安心!マップ」の論理構造 真: これはとてもわかりやすいですね。 地図を比べれば専門家でなくても視覚 的に理解しやすいです。 今後の展開の計画はありますよね? 櫻: 2011 年 2 月に泉区内の別の地区で、 同様の取り組みを計画中です。 真: じゃあ、泉区制覇して、横浜から 神奈川県。いずれは全国ですね。 櫻: いやいや、地域活動は活動するみ なさんのペースにあわせてやるのが大 切です。仕事じゃないんで、無理なペー スはかえって活動をダメにしちゃう。 「重ねて安心!マップ」作業の流れ 真: で、何か見えましたか? 小: フィールドワークを重ねると、そ のイベント運営で疲れちゃうっていう こともあるので、注意が必要です。 櫻: 結構、大切なことがわかったんで すね。 それは、「危ない」と認識されている 場所で事故が多いとは限らないという ことです。きっと、歩行者はそこを通る ときは結構気をつけているので、事故に なる可能性が想像よりも低くなるのだ と思います。 櫻: あと、PTA の校外委員の活動の一 環のスクールゾーン対策委員会で、毎年 提出される資料は、ひやりハットが本当 にたくさん含まれてる。これを「重ねて 安心!マップ」に使わない手はない! 真: 今後の取り組みは? 櫻: この事業を普及させるための人材 育成事業は行いたいです。それから、 「重 ねて安心!マップ」をホームページに公 開すること。そういう意味で MDC 公開版 に期待してます。 真: 一緒に頑張っていきましょう。 今日はお話ありがとうございました。 ひやりハットと歩行者事故現場を重ねました 小: その逆が危ないんですよね。 ■泉交通安全協会 http://www.h2.dion.ne.jp/~izumi-an/ 櫻: ひやりハットが少ないにもかかわ らず、事故が結構起こっているという場 所は、重大な事故になる可能性が高い場 所だということです。 こういう場所は子どもたちだけでな -7-