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防災環境マップ-2(火災の危険性)

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防災環境マップ-2(火災の危険性)
防災環境マップ-2(火災の危険性)
火災危険の検討
ここでいう火災危険とは、個々の建物の火災危険ではなく、大地震の際
に、その区域が延焼火災に巻き込まれる可能性を検討したものです。
耐火造建物が多い地域では延焼火災の危険度が低く、木造・防火造建物
が密集する地域では延焼火災の危険度が高くなる傾向にあります。
延焼の危険は発生後の時刻での風向、風速、その他の気象条件のほか消
防力等の前提条件によって異なることは容易に想像がつきます。阪神・淡
路大震災の火災による被害も条件によっては全く異なった様相を示したか
も知れません。いろいろなシュミレーションを試みることが必要になりま
す。
マップ2は、「地域の延焼危険度」から火災の危険性を評価し、防災まち
づくりの課題を見い出すことを目的としています。
■不燃領域について
市街地のなかで空地と耐火建築の建つ敷地等の不燃領域の占める割合が70%以上にな
ると市街地延焼火災になりにくいことが国土交通省(旧建設省)の実験結果等からわかっ
てきました。
ここでは世田谷区の土地利用の状況から不燃領域を下記のように定義しました。
不燃敷地 ① 耐火建築物敷地
② 非耐火建築物敷地で建ぺい率が10%以下かつ敷地面積1000㎡以上の敷地
公共空地 ① 幅員6m以上の道路及び 河川、すべての鉄道及び高速道路
② 500㎡以上の公園、運動場、その他の空地(駐車場を除く)
防災環境マップ−2(火災の危険性)
延焼危険度
マップ 2
町丁目別延焼危険度
平成14年3月 東京消防庁データ
ランク
危険度
8,9 高 6,7
4,5
2,3
0,1
低 500m 0m 1000m
このマップは、出火から60分後にど
の程度火災が拡大するかを危険度とし
て評価したものです。
ここでは、「東京都の地震における
地域別延焼危険度測定(第6回)」をも
とに、延焼危険度をみてみました。
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木造・防火造建物が多い地域では危
険度が高くなる傾向があります
世田谷区では、延焼危険度は0∼8
の範囲で予測されており、北東部の地
域で危険度の高い傾向にあります。
火災危険度
マップ 2-1
このマップは、「地震に関する地域危険
度測定調査(第6回)」をもとに火災危険
度を表しています。
火災危険度は、地震の揺れで発生した火
災の延焼によって受ける被害の危険性の度
合いです。
木造、防火造建物が多い地域では危険度
が高くなる傾向があります。
世田谷区では、火災危険度ランクは1か
ら4の範囲にあり、経堂2丁目や太子堂4
丁目では、危険度が高い傾向にあります。
不燃領域率
マップ 2-3
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不燃領域
耐火建物がある敷地
敷地1000㎡以上で建ペイ率10%以下
屋外利用地
公園
運動場
その他墓地等
未建築住宅、未利用地、改変途中の土地
道路
鉄道・港湾等
供給処理施設
農業施設(温室)
田
畑 水面・河川・水路
樹林地 森林
草地 原野
大規模公園、公共建築物、大規模
団地、幹線道路等の不燃領域が連続
して分布すると市街地火災に対する
延焼遮断帯として機能します。しか
し、小規模の公園や農地では延焼火
災を止められません。
一方、細かく市街地に入り込んだ
不燃領域は延焼速度を弱めます。そ
の間に消防活動が十分に行われれば
市街地火災になることを阻止するこ
とができます。
世田谷区ではまとまった不燃領域は
西部、南部に分布しています。環状
7号線の内側、南東部では延焼火災
になる恐れがある区域が大きく広が
っています。
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マップ 2-5
木防建ぺい率
耐火率
マップ 2-6
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マップ-2
火災の危険性
防災まちづくりの課題
不燃領域の拡大
●密集市街地において公園、緑地、公共施
設の整備による不燃領域の拡大を進める
必要があります。
不燃領域率の拡大
●市街地の延焼速度を減少させ区民の消火
活動、避難活動を円滑にする必要がありま
す。
延焼火災になりやすい区域の分割
●現状では延焼遮断帯が十分でなく、延焼
火災になりやすい区域が大きく広がって
います。
□この広がりを幅の狭い箇所の不燃化等に
よって分断し、出火危険の高い区域と切り
離すことにより延焼の危険性を下げる必要
があります。
延焼遮断帯の整備
●幹線道路の整備、沿道の不燃化を併せて
促進する必要があります。
建物の防災性能を高める
●燃えにくく、燃え広がりにくい建物を増やし、
延焼火災を防止する必要があります。
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