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駐在員だより - 日本産業機械工業会
今年の冬は昨年ほどの凍て付くような日が少なく、2 月でも最高気温が 10℃を超えたり晴れ の日も多く、さらには小鳥も鳴き出しているなど、いわゆる「薄暗く気分が晴れない欧州の冬」 はいったいどこへ行ったのやら?と思いながら過ごしています。 さて、ウィーンでは毎年恒例のニューイヤーコンサートが開催され、その入場券の抽選が約 1 年前の 1 月中にインターネットで実施されるのですが、その抽選に参加するのを忘れてしま ったという大失態を犯してしまいました。 抽選に参加しようと思ったのが 1 月 26 日頃だったの ですが、実際の抽選は 1 月 2 日から 23 日までで、私も家内も 1 月いっぱいは大丈夫だろうと思 い込んでいたのですが、気付いたときにはすでに時遅し・・・でした。もっとも参加したとこ ろで、抽選に当たる確率は非常に低いことは分かってはいるのですが、せっかくウィーンに住 んでいる時に、少なくとも当たるかどうかの楽しみはあったと思うと、ほとんど一生の不覚と 言わざるを得ないと思っています。当然、ツアーなどに申し込むことで観覧する方法はあると は思いますが、せっかくの機会を逃したかと思うと非常に残念です。 さて、この寒い時期のお楽しみの 1 つと言えば、温泉巡りが挙げられると思います。温かい というよりもむしろ熱い!くらいのお湯がお好きな方も多いと思うのですが、こちら欧州の温 泉は大半が冷泉で、 熱いお湯に巡り会えるところというのが、 かなり限られてしまっています。 温泉自体は、オーストリアにも当然あるのですが、周辺国のハンガリー、スロヴェニアなども 温泉大国として知られています。この温泉のお湯の温度は、最大でも 36℃のところが多く、ぬ るいために長時間入っていられることはいいのかも知れませんが、反対に体が冷えてしまい、 最後のシャワーでお湯を浴びて、体を温め直すような、いったい何をやっているのやら?みた いな感じになってしまいます。 一例として、オーストリアの温泉地の様子をお伝えしてみると、まずは入口で 2 時間券や 1 日券などのチケットを購入して、男女共通の更衣室で水着に着替えます。もちろん個室の更衣 ボックスも用意されていますが、ロッカーに荷物を入れて、いざ温泉というよりも温水プール に近いのですが、入浴開始となります。基本的には療養施設ですので、あまり騒がしくしない 方がよさそうです。もちろんサウナも利用できます。ただし別料金が発生して、帰りに追加料 金を支払うことになりますが、サウナ室へは男女共通で入ることになります。さらにはサウナ 内では水着着用禁止、 体の下には乾いたタオルを敷くようになっているなどの規則があります。 そうです!男女が同じサウナ室で一緒に裸で入ることになってしまうのですが、どうもこれが 欧州流のようで、日本では到底考えられないような光景となってしまいます。 他にも日本で考えられない光景と言えば、温泉に浸かった後には座って読書をされる方も多 いことも挙げられます。あとは体を洗う人はもちろんいません。シャワー室で洗髪される方く らいはいらっしゃいますが、日本のお風呂感覚とはまるで異なる欧州の温泉も、貴重な体験と して観光に組み込まれてはいかがでしょうか? ― 104 ― 最後に、欧州の温泉へ行かれる際に持参すべきものを挙げておきます。水着、バスタオル、 サンダル、あとバスローブがあると寒い思いをせずに済むので、ぜひお持ち下さい。 写真は世界遺産ザルツカンマーグート地方の温泉地、バード・イシュル(Bad Ischl)のク アハウス(Kurhaus)です。 ジェトロ・ウィーン・センター 産業機械部 杉山 雄彦 ― 105 ―