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健康増進や病気の予防に役立つ、 日本の風土・日本人に合った薬膳
資料1 健康増進や病気の予防に役立つ、 日本の風土・日本人に合った薬膳 ~地産地消・旬の食材使用がポイント~ 鈴鹿医療科学大学 保健衛生学部鍼灸学科 教授 髙木久代 薬膳講座 国際糖尿病連合の調査,および中日新聞〔2014,12,1〕より 計 2014年 2035年 1億3780万人 2億180万人 △△がいい! 〇〇がいい! ××がいい! ●●がいい! ▲▲がいい! (前11~前8世紀) 中国古代の礼書。 西周王朝の行政組織を 記述したものとされ,役人 たちの職務が規定されて いる。これらは60の官職 から成り,合計360という 職務からなる。 『医師は医の政令を掌り、毒薬を聚めて以て医事に供す』 四 種 の 専 門 医 1. 2. 3. 4. 食医(食事療法医) 疾医(内科医) 瘍医(外科医) 獣医(軍馬、牛などを治療) Alexandria ヘレニズム世界 (前4~1世紀) 専 1. Diaitetike食医(食事療法医) 門 2. Pharmakeutike 疾医(内科医) 医 3. Cheirougia 瘍医(外科医) 医者 分類 上工 中工 下工 上工 中工 下工 治未病 治未乱 治已乱 技能の程度(望診・脈診・切診) 3つともに熟練した医者をいう 十人中九人を治せる 2つを熟練した医者をいう 十人中八人を治せる 1つを熟練した医者をいう 十人中七人を治せる 食物 (生薬) 上品 中品 下品 予防 保健 治療 分類 目的別概要 上品 生命を養う目的のもの、毒性がない。 ヨクイニン、人参、甘 長期にわたり服用しても問題がないもので、 草、胡麻など120種 食品とほぼ同じ扱い 中品 体力を養う目的のもの、使い方次第で無毒 葛根、麻黄、芍薬な にも有毒にもなる。長期にわたって服用する ど120種 場合は要注意。風邪薬など一時的な症状に 対して使用される 下品 作用が最も強く、治療に使われる。長期の 服用はしない。 桔梗根、半夏、大黄 など125種 日本食形成の基礎となる か やく やく み 加 薬 薬 味 これぞまさに薬膳! 麺のみのうどんは、加薬と薬味を加えると栄養バラン スの良い美味しいうどんとなり、健康にも良くなる 薬味 加薬 中医学の考え方 薬食同源(医食同源) 冬に体を温める食材として 風邪の引きはじめに 生姜 葛根(カッコン) 麻黄(マオウ) 桂皮(ケイヒ) 芍薬(シャクヤク) 甘草(カンゾウ) 大棗(タイソウ) 生姜(ショウキョウ) ・源は同じ ・毎日の「食」が健康を保つ「薬」となる 中医学の考え方 薬食同源(医食同源) 冬に体を温める食材として 風邪の引きはじめに 葛根 葛根(カッコン) 麻黄(マオウ) 桂皮(ケイヒ) 芍薬(シャクヤク) 甘草(カンゾウ) 大棗(タイソウ) 生姜(ショウキョウ) ・源は同じ ・毎日の「食」が健康を保つ「薬」となる 漢方薬:桂枝湯 桂枝 (細枝) 芍薬(根) 大棗 (実) 生姜(根) 甘草(根) 薬膳の役割 薬食同源 「薬食同源」とは命は食にあり、食誤れば病いたり、 食正しければ病自ずと癒える”というもので、薬を飲む ことと食べることは同じというものです。 薬膳のポイント 1. 因時制宜(いんじせいぎ) 2. 因地制宜(いんちせいぎ) 3. 因人制宜(いんじんせいぎ) 因地制宜(いんちせいぎ) 因地制宜とは、地理的特徴の違いによって 適切な治療を行う事である。地域が異なれば、 気候条件や生活習慣も異なる。従って、治療に関して も地理的特徴を考慮する必要がある。 因時制宜(いんじせいぎ) 因時制宜とは、季節ごとに適切な治療を行 う事である。四季の気候の変化は、人体や病理変化に 大きな影響を及ぼしている。従って、治療に関しても 気候の特徴を考慮して、治療方針を決定する必要があ る。 因人制宜(いんじんせいぎ) 因人制宜とは、患者の年齢、性別、体質、疾 患の違いに基づいて適切な治療を行う事 である。 「9つ」の体質とは 平和体質 疲れにくく、精力旺盛、寒熱に耐 え得る。睡眠は良好で、食欲旺 盛で、大小便は正常である。性 格は穏やかで明朗(朗らか)。比 較的病気に掛かりにくい。 気虚体質 風邪にかかりやすく、常に疲労を 感じる。内向的な性格で、冒険を 好まない。 乾燥肌が比較的多く 見られる。目・顔・身体にむくみと 黄色いシミ(肝斑)などが出る。 陽虚体質 いつも手足が冷たく、寒がりで、他 の人に比べて衣服を多く着る。中 性肌(混合肌)であることが多く、 皮膚がたるみ、肌は白い。 陰虚体質 顔がほてり、夏の暑さに耐えらず、皮 膚は乾燥し、常に手のひらと足裏が 熱っぽい。外向的でよく動き、活発 である。皮膚は渇きがちで、シワが 出やすく、目の周りにクマが出る。 瘀血体質 皮膚の色は比較的暗く、顔にはそ ばかすがある。黄褐色のシミや眼 の周りにクマが出やすい。面倒に なりやすく、焦りやすく、物忘れしや すい(健忘)。 痰湿体質 肥満体形で、腹部はふんわりや わらかい粘り気のある脂汗をよくか く。手のひらと足裏は湿り多汗。常 に体がだるくすっきりしない感じ。常 に顔が油っぽく、涙袋が出やすい。 湿熱体質 いつも油光して明るい。ニキビが 出やすく、できもの、常に口内に 苦さを感じ、口臭または口内に異 臭があり、よく便が粘り滞りさっぱり せず、小便に発熱感がある。 気鬱体質 内向的で憂鬱で脆弱、敏感で疑 いやすい。皮膚は乾燥肌が多くみ られ、毛髪に光沢はなく、不眠症、 うつ病を患いやすい。常に悶々と して不愉快で、情緒は低く沈む。 特稟体質 過敏性体質の場合、風邪でない にしても、鼻詰まり、くしゃみ、鼻水、 息切れしやすく、薬物、食べ物、 におい、粉薬、季節過敏、皮膚 は蕁麻疹が出やすい。 体質の四大分類 気虚・陽虚 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 疲れやすい □ やる気がでない 身体がだるい、動く気力が出ない 風邪を引きやすい □ 冷えやすい 動くとすぐに息切れをする 汗をかきやすい 胃腸が弱く、食欲がない 鼻水がよく出る 話すのがおっくうである 血虚・瘀血 □ □ □ □ □ □ □ □ 眠りが浅く、夢をよく見る 目がかすんだり、疲れ目がある 髪がパサついて抜けやすい 爪が割れやすい よくこむら返りを起こす 生理痛が強く、レバーのような血塊がでる しみ・そばかすが多い 眼の下によく、くまができる 気鬱 痰湿・湿熱 よくため息をつく □ 緊張しやすい 気分が落ち込みやすい イライラしやすく、怒りっぽい ゲップやおならがよく出る のどまたは胸のつかえ感、不快感がある お腹や胸、脇腹がよくつっぱる のどに異物感がある ストレスがたまりやすい □ 身体や関節が重だるく感じるまたこわばる □ 食欲があまりない □ 痰がよく出る □ 足などがむくみやすい □ 食後に胸焼けしやすい □ 肥満傾向である □ 口の中がネバネバする □ 口臭がある □ 中性脂肪、コレステロールが高い □ 気候が悪い時、湿度が高い時に体調が悪く なる 気虚質・陽虚質の方 補気(元気を補う)作用の食事が大切 血虚・瘀血の方 補血作用+駆瘀作用(血の流れをさ らさらにする)の食事が大切 気鬱の方 補気作用+理気作用(気の流れをス ムーズにする)の食事が大切 気鬱の方 痰湿・湿熱の方 補気作用+利水作用(水の流れを整 える)の食事が大切 痰湿、湿熱の方 薬膳の役割 薬食同源 「薬食同源」とは命は食にあり、食誤れば病いたり、 食正しければ病自ずと癒える”というもので、薬を飲む ことと食べることは同じというものです。 薬膳のポイント 1. 因時制宜(いんじせいぎ) 2. 因地制宜(いんちせいぎ) 3. 因人制宜(いんじんせいぎ)