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第5章 地域まちづくり構想

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第5章 地域まちづくり構想
第5章 地域まちづくり構想
第1節 「地域まちづくり構想」とは
1 「地域まちづくり構想」の狙い
2 「地域まちづくり構想」の構成
3 「地域まちづくり構想」を策定する地域
4 「地域まちづくり構想」策定の流れ
京都市都市計画マスタープラン 115
第1節 「地域まちづくり構想」とは
個性豊かで魅力的な地域※1でのまちづくりを円滑に進めていく ■ 地域でのまちづくりの様子
ために,住民・事業者・行政をはじめとした地域の多様な主体の共
汗
(パートナーシップ)により,地域が本マスタープランの都市計
画の方針に沿って検討した,地域の「将来像」と「まちづくりの方
針」について,行政が都市計画審議会に報告したうえで,都市計画
マスタープランの
「地域まちづくり構想」
として策定します。
工場の新設や建替え等による都市の活力を生み出すまちづく
り,身近な住環境を保全するまちづくり,都市のにぎわいを生み
出すまちづくり,「大学のまち・京都」を支えるまちづくりなど,その地域の将来像の実現に向け,地区計
画※2等の都市計画手法を活用し,都市計画※3として積極的に支援することで,「地域まちづくり構想」の早
期実現に向けたまちづくりを推進していきます。
「地域まちづくり構想」の留意点
1: 前マスタープランの地域別構想の「地域」は,行政区の範囲としていましたが,本マスタープランの地域
まちづくり構想の「地域」とは,多様な主体の参加で創られた将来像を持ち,都市計画の支援などによっ
てまちづくりを推進していく地域をいい,町内や小学校区から行政区をまたぐものまで考えられます。
2:「地域まちづくり構想」は,第4章の都市計画の方針に即すとともに,単一敷地・単一用途など特定の土地
利用を想定するものは,原則として「地域まちづくり構想」に位置付けないこととします。
1 「地域まちづくり構想」の狙い
① 多様な主体による円滑なまちづくりを推進する
地域のまちづくりを円滑に進めていくためには,住民・事業者・行政などの多様な主体が,それぞれの責
務と役割を果たしていくことが必要です。
「地域まちづくり構想」として,地域の将来像とその実現に向けたまちづくりの方針をはじめとする様々
な取組を明示することにより,住民・事業者・行政が共に考え,その内容を共有し,より適切な役割分担と
連携による円滑なまちづくりを推進することができます。
② 様々な変化に対応するまちづくりを推進する
大規模な工場跡地などの土地利用転換や地域での新たな課題など様々な変化に対しても,都市全体の活力
の維持・向上を図るため,都市計画として柔軟かつ迅速に対応していくことが必要です。
地域のまちづくりの熟度に応じた「地域まちづくり構想」を地域ごとに順次策定し,都市計画マスタープ
第
章
5
第
節 ﹁地域まちづくり構想﹂とは
地域まちづくり構想
1
ランに追加することで,様々な変化に対応しながら,地域でのまちづくりを進めていくことができます。
③ より多くの市民が関心を持つことによりまちづくりを推進する
市内各地における個性豊かで魅力的なまちづくりを推進していくためには,より多くの市民や事業者がま
ちづくりに対して関心を持つことが重要です。
「地域まちづくり構想」を策定し,都市計画マスタープランに追加し,充実させることで,より多くの市
民が都市計画マスタープランを身近に感じるとともに,まちづくりへの関心が高まり,魅力的なまちづくり
が広がることが期待されます。
※1
※2
地域:町内や元学区,小学校区など,適切なまとまりのある空間の範囲。複数の行政区にわたるものまで考えられる。
地区計画:住民の生活に身近な地区を単位として,道路,公園等の施設配置や建築物等に関する事項について,地区特
性に応じてきめ細かなルールを定めるもの。(都市計画法第12条の4)
116 京都市都市計画マスタープラン
2 「地域まちづくり構想」の構成
「地域まちづくり構想」
は,
都市計画マスタープランの一部として,以下のとおり構成されます。策定した「地
域まちづくり構想」は,必要に応じて追加・見直しを行います。
■ 「地域まちづくり構想」
の構成
京都市域
京都市都市計画マスタープラン
●●地域
全体構想 ∼都市の将来像∼
都市計画の方針
◦ 土地利用
◦ 歩くまち
◦ 景観
:
○○地域
地域まちづくり構想
××地域
●●地域まちづくり構想
△△地域
○○地域まちづくり構想
××地域まちづくり構想
必要に応じて
見直します。
△△地域まちづくり構想
◦ 地域の将来像
◦ 地域のまちづくりの方針
都市計画マスタープランの
一部として追加します。
3 「地域まちづくり構想」を策定する地域
「地域まちづくり構想」における「地域」とは,個性豊かで魅力的な地域でのまちづくりを円滑に進めて
いくために,
住民をはじめとした多様な主体の共汗(パートナーシップ)によりつくられた地域の「将来像」
を持ち,都市計画の支援などによって,まちづくりを推進していく地域(範囲)のことを言います。
地域の将来像と地域のまちづくりの方針は,全体構想に即すことが必要です。地域でのまちづくりにおい
て都市計画手法を活用するに当たっては,都市構造や周辺に与える影響等も考慮したうえで,それぞれの地
域にふさわしい将来像と地域のまちづくりの方針を住民や事業者等が地域の合意形成を図ったうえで,定め
る必要があります。地域の大きさは,
「将来像」や「まちづくりの方針」を共有する範囲であり,様々なも
のが考えられます。
【参考:構想の策定が望まれる地域の一例】
① 緊急に対応すべき課題のある地域
◦ 予期せぬ工場の廃止に伴い出現した跡地など,大規模な低未利用地※4による都市の空洞化や無秩序な
③ 各区基本計画に基づき,まちづくりを進めようとする地域
◦ 各区基本計画に基づき,まちづくりを進めようとする地域
※3
都市計画:都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用,都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画
であり,農林漁業との健全な調和を図りつつ,健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと並びにそ
のためには適正な制限の元に土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念としている。(都市計画法第2条, 4条)
※4 低未利用地:適正な利用が図られるべき土地であるにもかかわらず,長期間にわたり利用されていない「未利用地」と,
周辺地域の利用状況に比べて利用の程度(利用頻度,整備水準,管理状況など)が低い「低利用地」の総称。
京都市都市計画マスタープラン 117
1
節 ﹁地域まちづくり構想﹂とは
まちづくりが行われようとしている地域 等
第
◦ 利便性の向上,安全性の向上やブランド価値の向上などにより,その地域の価値や魅力をより高める
地域まちづくり構想
② より地域の魅力を高めるための活発なまちづくりが行われようとする地域
5
章
◦ 周辺への影響の大きい大型施設の立地に際して,周辺も含めたまちづくりが必要な地域 等
第
開発,周囲との調和が図られていないまちの形成などの可能性があり,都市に大きな影響を与える地域
4 「地域まちづくり構想」策定の流れ
【まちづくりの発意】
住民
行政は,住民自らが
まちづくりを進める
際に,行政情報の提
供やまちづくりの進
め方のアドバイスな
ど,必要な支援を行
います。
多様な主体
事業者等
行政
【地域※1の将来像の検討】
【地域のまちづくりの方針の検討】
【
「地域まちづくり構想」の策定】
都市計画審議会に報告したうえで,
行政が都市計画マスタープランの一
部である「地域まちづくり構想」と
して策定します。
必要に応じて
見直します。
「地域まちづくり構想」
◦ 地域の将来像
◦ 地域のまちづくりの方針
「 地 域 ま ちづ く り 構想 」
とは・・
○ 都市計画マスタープ
ランをはじめとする京
都市の計画や関連する
施策との整合が図られ
た構想。
○ 都市計画※2としての
支援が想定される構
想。
○ 住民や事業者等が発
意の場合は,地域住民
等の合意形成が図られ
ている構想。
○ 行 政 が 発 意 の 場 合
は,行政が市民等の御
意見をしっかり聞いた
うえで作成する構想。
【地域でのまちづくりの展開】
画変更,決定等)
◦ 法的制度での支援(地域ルール
等の法的担保等)
◦ 基盤整備による支援
◦ 情報発信による支援 等
住民・事業者
の役割
行政の役割
◦ 都市計画としての支援(都市計
◦ まちづくりの持続的な取組
(計画づくり,地域でのルール
づくり,基盤整備 等)
第
章
5
第 節 ﹁地域まちづくり構想﹂とは
地域まちづくり構想
1
地域の将来像の早期実現(魅力的なまちの実現)
※1
※2
地域:町内や元学区,小学校区など,適切なまとまりのある空間の範囲。複数の行政区にわたるものまで考えられる。
都市計画:都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用,都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画
であり,農林漁業との健全な調和を図りつつ,健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと並びにそ
のためには適正な制限の元に土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念としている。(都市計画法第2条, 4条)
118 京都市都市計画マスタープラン
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