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和歌山県県土整備の概要 - 和歌山県ホームページ

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和歌山県県土整備の概要 - 和歌山県ホームページ
和歌山県県土整備の概要
平成28年度
紀勢自動車道
(南紀田辺IC∼すさみ南IC)
京奈和自動車道 紀北西道路
(紀の川IC∼岩出根来IC)
平成27年開催の
「紀の国わかやま国体」「紀の国
わかやま大会」は大成功!
高速道路などの整備も進んだよ!
和歌山県土砂災害啓発センター
(那智勝浦町)
■ 目 次
はじめに 部長挨拶 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
Ⅰ 県土整備の基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
Ⅱ 和歌山県の概況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
1 地勢・気象・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
2 経済活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
3 市町村別人口増減数及び高齢人口比率・・・・・・・・・・・・・ 5
Ⅲ 組織と予算・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
1 組織・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
2 予算・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
Ⅳ 主要事業の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
1 道路・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
2 河川・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
3 砂防・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
4 下水道・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
5 都市政策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
6 建築・住宅・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31
7 港湾・海岸・漁港・空港・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37
8 防災・災害復旧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
Ⅴ 事業推進のための取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51
1 新公共調達制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51
2 技術・品質管理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58
3 県土整備の迅速かつ着実な推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・61
付録 県土整備部の主なできごと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62
はじめに
昨年は、「紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会」が行われ、本県が脚光を浴びる
とともに、開催にむけて社会資本整備が大きく進展するなど節目の年になりました。また、
平成23年紀伊半島大水害からの復興についても、被災した道路や砂防施設などの復旧が
ほぼ完了しました。
本年度は、こうした歩みを次のステージへとつなげていくため、昨年6月に策定した
「和歌山県まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、「安全・安心な暮らしを実現す
る」、「時代に合った地域をつくる」「安定した雇用を創出する」、「和歌山県への新し
い「人の流れ」を創造する」、「少子化をくい止める」の5つの基本目標を柱に、安全・
安心な活力ある県土の実現に向けた政策を推進してまいります。
「安全・安心な暮らしを実現する」の政策では、これまでの防災・減災対策を総点検し、
取り組むべき施策を盛り込んだ「和歌山県国土強靱化計画」に基づき、ソフト・ハードの
両面から、地震津波や台風、局地的豪雨などあらゆる自然災害から県民の命を守るための
対策を進めていきます。特に、「南海トラフ巨大地震」などの大規模災害への備えとして、
「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」に基づき、河川・海岸堤防、港湾・漁港
施設の整備を行うとともに、高速道路や県内主要幹線道路、緊急輸送道路など災害に備え
た道路の強靱化、建築物の耐震化の促進などに取り組んでいきます。また、風水害・土砂
災害への備えとして、県内主要河川の整備、土砂災害警戒区域等の早期指定や、平成23
年の台風12号による甚大な土砂災害を契機に設置した「和歌山県土砂災害啓発セン
ター」での研究などを推進していきます。
「時代に合った地域をつくる」の政策では、「命の道」、「チャンスの道」である「紀
伊半島一周高速道路」の実現や、京奈和自動車道の平成28年度の県内全線供用、南紀白
浜空港の活性化など公共インフラの整備に力を入れていきます。また、トンネル・橋梁・
公営住宅・港湾の計画的な維持管理・更新や、河川・砂防施設の長寿命化、空家対策計画
の支援に取り組んでいきます。さらに、「道の駅」に観光・防災等の機能を追加するなど、
地域資源を活かした取り組みを推進していきます。
「安定した雇用を創出する」の政策では、公共工事の県内企業への受注機会を確保する
とともに、技術開発を支援し、建設産業の振興を図ります。また、「グリーンツーリズ
ム」や「ブルーツーリズム」等の各観光拠点をつなぐサイクリングロードの整備など新た
な観光資源の創出にも取り組んでいきます。
「和歌山県への新しい「人の流れ」を創造する」の政策では、日常生活の利便性を向上
させる道路整備を行うなど、安全で快適な交通環境の整備に取り組んでいきます。
今後とも、厳しい財政状況の下、県民の皆様が「元気な和歌山」を実感できるよう、計
画的、効率的に社会インフラ整備を推進していきます。
平成28年5月 和歌山県県土整備部長
森戸 義貴
1
Ⅰ
県土整備の基本方針
県土整備部では、「和歌山県まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、地震津波等に
よる大規模災害への備えや産業活動、地域交流を支える高速道路ネットワークなどの社会基
盤を整備し、安全・安心で活力ある県土づくりに取り組んでいます。
和歌山県まち・ひと・しごと創生総合戦略
人口減少の克服と持続可能な和歌山の実現のため、
『和歌山県まち・ひと・しごと創生総合戦略』で定めた5つの基本目標を柱に推進
安全・安心な暮らしを実現する
5つの基本目標
時代に合った地域をつくる
安定した雇用を創出する
和歌山県への新しい「人の流れ」を創造する
少子化をくい止める
「和歌山県まち・ひと・しごと創生総合戦略」は、「2060年の県人口を70万人程度」
とする目標達成に向けて最初の5か年(平成27年度∼平成31年度)における具体的な取組
をまとめたものです。5つの基本目標を設定し、取組を戦略的に推進することで、「しご
と」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環を確立し、その好循環を支
える「まち」を元気にすることを目指しています。
和歌山県長期人口ビジョン
人口の展望とめざす将来の方向
●このまま何も対策を講じなければ・・・
・2040年に約70万人程度、2060年には50万人程度まで激減
・2060年には65歳以上の人口が42%まで増加
・高齢者1人を概ね現役世代1人で支える人口形態になる
●和歌山県のあるべき将来人口
「高齢者1人を現役世代2人で支える人口形態」を達成するため、2060年に人口70万
人を確保する
2
Ⅰ 県土整備の基本方針
安全・安心な暮らしを実現する
◇大規模災害に備えた安全の推進
●南海トラフ地震への備え
・津波から“逃げ切る”ための堤防等の整備
・災害に備えた道路の強靱化
・住宅や橋梁の耐震化
・水門、樋門の自動化・遠隔操作化
・放置艇“0”大作戦
●台風や集中豪雨への備え
・水害・土砂災害対策の着実な推進
◇良好な生活空間の実現、交通安全の確保
海岸堤防の整備状況
●快適な生活環境の維持
・下水道等の整備による生活環境の向上
●安全かつ快適な交通の確保
・交通安全施設の整備
時代に合った地域をつくる
◇地域を支える公共インフラの整備
●道路ネットワークの整備
・紀伊半島一周高速道路・京奈和自動車道
・高速道路を補完する幹線ネットワーク道路
・府県間道路、ICアクセス道路、都市計画道路
●公共インフラの適切な維持管理
・トンネル・橋梁・公営住宅・港湾の維持管理・更新
・河川・砂防施設の長寿命化
◇まちの再生
道路整備方針
●計画的なまちづくりの推進
・都市空間の再構築戦略の推進
●賑わいの創出
・空き家対策の推進
◇地域の再興
●地域資源を活かした“元気”を生み出す取組の推進
・「道の駅」の観光・防災等の機能の向上
安定した雇用を創出する
◇観光の振興
●新たな観光資源の創出
・サイクリングロードの活用促進
(仮称)和歌山JCT周辺工事状況(京奈和自動車道)
◇県内企業の成長力強化
●地域経済の持続的発展
・県内企業の受注機会の確保
和歌山県への新しい「人の流れ」を創造する
◇和歌山で暮らす
●日常生活を安全で快適にするまちづくり
・安全で快適な交通環境の整備
紀の川サイクリングロード
3
Ⅱ
和歌山県の概況
1 地勢・気象
●面積
和歌山県は本州紀伊半島の南西部にあって、北は、大阪府、東
は奈良県と三重県、南は熊野灘に接し、西は紀伊水道をはさん
で徳島県と向かい合っています。東西約94㎞、南北約106㎞
急な山が多く、河川においても急勾配で洪水や土砂災害が起こ
りやすい地形です。
●海岸線
海岸線は総延長約652㎞に及ぶリアス式海岸で、とりわけ潮
に及び、総面積は4,726㎢で、国土の1.25%を占めています。
本県は古くから「紀(木)の国」と云われ、面積の大部分は紀
伊山系を中心とする1,000m前後の山岳地帯で、高野山、那
智山など古代から親しまれた山々が多くあります。
●河川
河川のほとんどは、これらの諸山脈に源を発し、流域をうるお
して紀伊水道及び太平洋に注いでいます。また、比較的傾斜の
岬を中心とした県南部の海岸は、黒潮に洗われ景勝に富んでい
ます。
●気候
気候は、北部は日照時間が長く降水量が少ない瀬戸内気候区
で、南部は黒潮の影響をうけて温暖な南海気候区に属し、日本
有数の多雨地帯です。
主な地域の気象(平成27年)
年 平 均
気
温
気温(平年値:1981年∼2010年平均)
1月
2月
3月
(℃) 4月
5月
6月
7月
8月
9月
和歌山市
6.0
6.4
9.5
14.9
19.3
23.0
27.0
28.1
24.7
10 月
18.8
11 月
13.5
12 月
8.5
潮
岬
8.0
8.5
11.3
15.7
19.1
22.0
25.5
26.7
24.4
19.8
15.3
10.5
東
京
6.1
6.5
9.4
14.6
18.9
22.1
25.8
27.4
23.8
18.5
13.3
8.7
和 歌 山 市
高 野 山
龍
神
潮
新
岬
宮
17.2
11.5
13.7
17.6
17.7
℃
年
間
降 水 量
1,538
2,223
3,824
3,242
4,128
年
間
日照時間
mm
注)和歌山市は和歌山地方気象台、潮岬は潮岬測候所の観測値
時間
1,965
1,453
1,411
2,178
2,019
和歌山地方気象台
2 経済活動
(1)日本経済の概要
平成25年度の日本経済は、株価の上昇に伴う資産効果や消費マインドの改善に伴い、個人消費が回復し、輸出も日銀の「量
的・質的金融緩和」による急速な円安とアメリカの景気回復、中国向け輸出の持ち直しなどを背景に増加した。また年後半には企
業収益の改善や好調な内需を背景に設備投資の増加がみられ、また平成26年4月に控えた消費税の税率引き上げを控えた駆け込
み需要の動きもみられた。平成25年度の国内総生産(支出側)は、名目が483兆1,103億円の1.8%増、実質で530兆5,915
億円の2.1%増となった。また、1人当たり国民取得は284万5千円で前年度より8万4千円増加した。
(2)和歌山県経済の概要
平成25年度の本県経済は、高規格道路の建設など公共事業が増加した一方で、急速な円安による原材料費の上昇の影響を受けた。
まず生産面からみると、第一次産業の総生産額は農業が減少したこと等により減少し、第二次産業の総生産額は建設業が増加し
たこと等により増加、第三次産業の総生産額は電気・ガス・水道業、情報通信業等が増加したのに対し運輸業、政府サービス生産
者等が減少したこと等により減少した。
次に取得面は、雇主の社会負担の減少等により雇用者報酬が減少したが、家計の受取配当の増加等により財産所得が、また民間
非金融法人企業の営業余剰等の増加により企業所得が増加した。
また支出面は移輸入額の増加等により財貨・サービスの移出入(純)等が減少したが、家計最終消費支出の増加等により民間最
終消費支出等が増加した。
その結果、平成25年度の和歌山県県内総生産は、名目で3兆5,833億円の0.6%増、実質で3兆7,966億円の1.7%増となり、
名目・実質ともに4年連続で増加した。また、1人当たり県民所得は281万6千円で前年度より7万3千円増加した。
○経済成長率の推移
%
7.0
6.0
6.1
和歌山
(実質)
5.0
国
(実質)
4.0
3.1
3.0
2.0
2.3
1.1
1.9
1.0
0.0
2.1
1.5
1.7
1.0
0.4
-2.0
-2.0
-2.6
-2.1
-3.0
-4.0
-3.7
-5.0
4
1.5
1.8
-0.3
-1.0
-6.0
2.3
-0.3
-0.9
2.1
3.4
1.8
-4.9
平成14年度
平成15年度
平成16年度
平成17年度
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
Ⅱ 和歌山県の概況
3 市町村別人口増減数及び高齢人口比率
○市町村別人口増減数及び世帯数
総人口
時 期
県
計
和 歌 山 市
海
南
市
橋
本
市
有
田
市
御
坊
市
田
辺
市
新
宮
市
紀 の 川 市
岩
出
市
紀 美 野 町
かつらぎ町
九 度 山 町
高
野
町
湯
浅
町
広
川
町
H28.4.1
人
958,018
363,125
51,437
63,199
28,205
24,572
74,105
28,986
62,208
53,392
9,087
16,850
4,346
3,302
12,102
7,134
人口増減数
H22∼H28
人
-46,222
-7,057
-3,578
-3,352
-2,508
-1,558
-5233
-2,600
-3,876
732
-1,396
-1,499
-657
-699
-1,247
-598
世帯数
総人口
H28.4.1
戸
391,760
153,058
20,629
23,632
10,579
9,918
32,084
13,514
23,458
20,781
3,724
6,314
1,625
1,453
4,763
2,503
時 期
有 田 川 町
美
浜
町
日
高
町
由
良
町
印
南
町
み な べ 町
日 高 川 町
白
浜
町
上 富 田 町
す さ み 町
那智勝浦町
太
地
町
古 座 川 町
北
山
村
串
本
町
H28.4.1
人
26,286
7,445
7,644
5,766
8,001
12,616
9,712
21,260
15,046
4,067
15,503
3,051
2,778
434
16,359
人口増減数
H22∼H28
人
-1,066
-664
201
-818
-652
-909
-873
-1,504
234
-712
-1,678
-228
-367
-54
-2010
世帯数
H28.4.1
戸
9,453
2,982
2,789
2,208
2,915
4,406
3,659
9,411
6,098
1,915
7,253
1,380
1,359
236
7,661
直近の国勢調査による人口及び世帯数を基礎に、住民基本台帳法及び外国人登録法の規定に基づき、
各市町村から報告された住民票及び外国人登録原票の当該期間の登録増減数を加算して算出した
毎年4月1日の人口等。
○市町村別高齢人口比率/65歳以上(平成27年1月1日現在)
■■
■■
■■
■■
40%以上
30%∼40%
20%∼30%
20%未満
和歌山県では、高齢者1人を現役
世代2人で支えるため、
「 2060
年の人口概ね70万人」を目標に
しているよ!
和歌山県 29.5%
5
Ⅲ
組織と予算
1 組織
○県土整備部の組織図
(平成28年4月1日現在)
県土整備総務課
県土整備政策局
技術調査課
県土整備に関する適正な公共調達の実現及び建設業の健全な発展に係る業務
検査・技術支援課
河川・下水道局
都 市 住 宅 局
港 湾 空 港 局
工事検査及び技術力向上並びに市町村への技術支援に係る業務
用地対策課
県土整備事業における用地取得の促進に係る業務
道路政策課
道路整備を促進するため企画・調整に係る業務
県土整備政策局
道 路 局
県土整備部
県土整備行政推進のための総合的企画・調整及び総括的業務
高速道路推進室 高速道路の整備推進・進行管理に係る業務
道路保全課
道路の維持管理、市町村道整備の指導に係る業務
道路建設課
国道、県道、農林道等の道路整備に係る業務
河 川 課
河川やダムの整備・管理や部の防災対策に係る業務
砂 防 課
土砂災害防止のための情報発信と施設整備・管理に係る業務 ―― 土砂災害啓発センター
下水道課
流域下水道の整備・管理及び公共下水道・農業集落排水・合併処理浄化槽の整備促進に係る業務
都市政策課
都市計画の立案、まちづくり事業、県営都市公園の整備・管理及び開発許可制度の運用に係る業務
建築住宅課
県営住宅の整備・管理及び住環境の整備促進、建築物の耐震化促進、建築指導等に係る業務
公共建築課
県有建築物の建設・整備・保有支援、宅地建物取引業・不動産鑑定業に係る業務
道 路 局
港湾空港振興課
港湾・漁港・空港の管理に係る業務 ―― 南紀白浜空港管理事務所
港湾漁港整備課
港湾・漁港の整備に係る業務 ―― 和歌山下津港湾事務所
津波堤防整備室
○振興局建設部所在図及び所管区域図
那賀振興局
建設部
伊都振興局
建設部
○振興局建設部の組織図
振興局(7)(海草、那賀、伊都、有田、日高、西牟婁、東牟婁)
建 設 部
(※東牟婁は串本
建設部と新宮
建設部)
海草振興局
建設部
有田振興局
建設部
日高振興局
建設部
西牟婁振興局
建設部
海岸の整備及び港湾・海岸・漁港の津波対策に係る業務
東牟婁振興局
新宮建設部
総務調整課
(※串本は総務管理課)
用地・管理課
(※海草は管理課と用地課。串本は無し)
建 築 課
(※西牟婁のみ)
道路整備課
(※海草、西牟婁のみ)
道 路 課
(※有田、日高、西牟婁、新宮のみ)
工 務 課
(※海草、那賀、伊都、串本のみ)
農林道課
(※伊都のみ)
河 港 課
(※有田、日高、西牟婁、新宮のみ)
街路公園課
(※海草のみ)
海南工事事務所
(海草)
ダム管理事務所(二川(有田)、椿山(日高)、七川(東牟婁))
紀の川流域下水道事務所(那賀)、京奈和高速事務所(那賀)、
国道橋本建設事務所(伊都)、広川出張所(有田)、湯浅御坊高速事務所(有田)、
近畿自動車道紀南高速事務所(西牟婁)
(平成28年4月1日現在)
6
東牟婁振興局
串本建設部
Ⅲ 組織と予算
2 予算
■平成28年度当初予算(一般会計)
和歌山県の平成28年度当初における県土整備部予算は89,378百万円で、これは県全体歳出予算575,204百万円の約15.5%を
占めています。
県土整備部予算のシェア
予算科目別構成比
(一般会計)
4.8%
15.5%
1.9%
7.7%
2.8% 0.0% 2.8%
0.4%
6.9 %
46.5%
6.7%
19.5%
84.5%
県土整備部予算
環境対策費
道路橋りょう費
住宅費
その他
■予算の推移
農地費
河川海岸費
災害復旧費
水産業費
港湾費
土木管理費
都市計画費
(単位:千円)
・総予算額
予算科目
年 度
一 般 会 計
環 境 対 策 費
農
地
費
林
業
費
水
産
業
費
土 木 管 理 費
道路橋りょう費
河 川 海 岸 費
港
湾
費
都 市 計 画 費
住
宅
費
災 害 復 旧 費
特 別 会 計
港湾施設管理事業
流域下水道事業
用 地 取 得 事 業
合 計
・投資事業予算(一般会計)
年 度
項 目
補 助 事 業
道 路 政 策 課
道 路 保 全 課
道 路 建 設 課
河
川
課
砂
防
課
下
水
道
課
都 市 政 策 課
建 築 住 宅 課
港湾空港振興課
港湾漁港整備課
単 独 事 業
県土整備総務課
技 術 調 査 課
検 査・技 術 支 援 課
用 地 対 策 課
道 路 政 策 課
道 路 保 全 課
道 路 建 設 課
河
川
課
砂
防
課
下
水
道
課
都 市 政 策 課
建 築 住 宅 課
港湾空港振興課
港湾漁港整備課
災害復旧事業
国直轄事業負担金
合 計
H24年度当初
H25年度当初
103,622,660
368,493
1,950,075
400
2,121,974
3,655,319
42,057,259
19,386,323
6,417,453
17,643,777
1,308,021
8,713,566
7,618,465
675,682
3,551,304
3,391,479
111,241,125
95,580,495
347,534
1,843,280
36,000
2,053,583
3,871,837
42,825,978
21,161,335
6,386,902
3,700,119
1,977,440
11,376,487
5,488,391
714,239
3,095,698
1,678,454
101,068,886
H26年度当初
95,961,289
347,016
2,614,527
1,200
2,087,318
5,489,912
46,002,036
18,078,734
6,541,242
4,268,210
2,157,919
8,373,175
3,625,878
673,115
2,639,258
313,505
99,587,167
H27年度当初
103,655,002
363,204
2,565,170
400
2,110,766
12,952,493
49,418,996
17,252,290
5,985,418
4,274,399
2,097,250
6,634,616
3,583,816
621,426
2,814,956
147,434
107,238,818
H28年度当初
89,378,152
361,637
2,546,119
2,476,636
6,183,252
41,593,582
17,425,221
5,978,145
4,312,916
1,662,138
6,838,506
4,157,192
593,535
2,424,573
1,139,084
93,535,344
(単位:千円)
H24年度当初
H25年度当初
58,266,519
38,129
4,338,748
21,952,218
8,746,960
4,853,690
11,275
12,652,305
530,088
147,860
4,995,246
16,605,225
11,521
196,422
46,156,575
11,148
4,021,970
20,492,114
10,969,859
4,575,563
26,980
299,721
769,322
194,598
4,795,300
16,758,996
−
271,656
143,618
242,510
4,220,289
5,930,297
2,343,916
446,700
403,014
1,100,900
267,981
252,877
1,045,180
8,641,316
12,925,366
127,529
326,000
4,248,705
6,034,017
2,766,438
442,700
406,861
340,973
406,253
323,964
1,063,900
11,376,487
13,609,844
96,438,426
87,901,902
H26年度当初
48,518,936
5,778
4,889,214
23,481,132
7,483,706
4,749,520
102,970
69,610
2,723,154
6,060
5,007,792
16,573,688
272,861
191,911
12,000
119,790
247,000
4,270,279
5,808,167
2,647,938
558,000
377,465
341,356
327,576
134,947
1,264,398
8,236,968
15,161,887
88,491,479
H27年度当初
56,202,156
32,810
4,895,936
24,838,565
6,530,104
4,297,447
144,220
67,431
10,394,751
−
5,000,892
14,715,125
214,468
187,929
41,250
113,489
206,000
3,627,885
4,583,129
2,817,971
624,707
393,563
337,059
331,958
39,435
1,196,282
6,634,616
18,863,238
96,415,135
※投資事業予算は、一般会計の総予算額から職員費等消費的経費を控除し、事業所管課毎に整理した予算。
H28年度当初
47,513,137
9,744
4,875,617
23,219,439
5,686,678
4,648,039
85,030
458,893
3,059,049
5,470,648
14,946,420
446,842
187,058
57,500
119,195
185,000
3,986,348
4,263,130
2,733,552
544,550
398,832
348,715
282,646
88,941
1,304,111
6,836,280
12,821,391
82,117,228
7
Ⅳ
主要事業の概要
主要事業の概要
1 道路・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
(1)現況と課題
(2)整備方針
(3)平成28年度主要事業の概要
2 河川・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
(1)現況と課題
(2)整備方針
(3)平成28年度主要事業の概要
3 砂防・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
(1)現況と課題
(2)整備方針
(3)平成28年度主要事業の概要
4 下水道・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
(1)現況と課題
(2)整備方針
(3)平成28年度主要事業の概要
5 都市政策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
(1)現況と課題
(2)整備方針
(3)平成28年度主要事業の概要
6 建築・住宅・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31
(1)現況と課題
(2)整備方針
(3)平成28年度主要事業の概要
7 港湾・海岸・漁港・空港・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37
(1)現況と課題
(2)整備方針
(3)平成28年度主要事業の概要
8 防災・災害復旧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
8
Ⅳ 主要事業の概要
1 道路
(1)現況と課題
和歌山県の道路は、大阪府県境から海岸線に沿って南下する近畿自動車道紀勢線や奈良・京都をつなぐ京奈和自動車道を軸とし、一般
国道11路線、県道189路線、市町村道29,922路線があります。平成27年紀の国わかやま国体の開催に合わせ、高速道路整備は大き
く進展したものの、県土の約8割が山地部であることなどから、全国や近畿と比較すると未だ道路整備は遅れています。
○和歌山県内の道路改良率
○道路改良率の状況
(国道・県道)
路線数 実延長(km)改良率(%)
3
335 100.0
国土交通省管理
8
703
一般国道
県 管 理
65.4
11
1,038
計
76.5
47
927
主要地方道
55.5
142
955
県 道
一般県道
35.5
189
1,881
計
45.3
200
2,919
一般国道+県道
56.4
29,922 10,624
市町村道
42.8
197
2,584
県管理道路(県管理国道+県道)
50.8
※改良率:改良済延長(国道・県道は車道幅員5.5m以上)を実延長で割ったもの
資料:道路統計年報2015
(平成26年4月1日現在)
全 国
76.5%
近 畿
70.1%
和歌山
56.4%
福 井
72.2%
72.2
滋 賀
73.1%
72.9%
京 都
66.5%
大 阪
86.1%
兵 庫
75.3%
奈 良
56.0%
0
20
40
60
80
100(%)
資料 : 道路統計年報2015
○高速道路供用率の推移
(高規格幹線道路延長ベース)
○和歌山県の高規格幹線道路の供用率
全 国
和歌山県
計画延長
14,000㎞
217.7㎞
資料 :全国高速道路建設協議会資料
供用延長
11,266㎞
167.2㎞
供用率
80%
77%
(平成27年4月1日現在)
(2)整備方針
道路は、農林水産業・商工業・観光・防災・医療など、あらゆる活動の基礎となるインフラであり、ナショナルミニマムを保障する根
本です。よって、県勢を活性化するため、グローバルな交流を支える高速道路(近畿自動車道紀勢線、京奈和自動車道)ネットワークや、
大阪府との連携を強化する府県間道路、各生活圏の「背骨」にあたる川筋ネットワーク道路など道路網の整備を推進します。
◇高速道路ネットワークの整備 ◇自転車利用環境の整備
◇府県間道路の整備 ◇橋梁の耐震化
◇川筋ネットワーク道路の整備 ◇交通安全対策
◇ICアクセス道路の整備 ◇老朽化対策
◇都市内道路の整備 ◇道路の法面強化
◇無電柱化 等
9
Ⅳ 主要事業の概要
■高速道路ネットワークの整備
高速道路ネットワークの形成は、
企業立地や観光振興、
農林水産業の発展といった「経済活動の基本的な機会の平等」、
さらには「南海ト
ラフ巨大地震などの大規模災害への備え」、
「高次医療施設への救急搬送」など安全・安心で自立した地域づくりに不可欠です。
こうした中、平成27年度には、紀勢自動車道(南紀田辺IC∼すさみ南IC)、那智勝浦新宮道路(那智勝浦IC∼市屋)、京奈和自動車道紀
北西道路(紀の川IC∼岩出根来IC)
が相次いで開通し、
さらに、平成28年度には、京奈和自動車道紀北西道路(岩出根来IC∼(仮称)和歌
山JCT間)が開通する予定であるなど、
着実に整備が進んでいます。
●高規格幹線道路の整備状況
◆近畿自動車道紀勢線
○本県の豊かな歴史・自然資源を活かし、観光や農林水産業
の振興など地域経済を活性化するためには、紀伊半島を一
周する高速道路の整備が不可欠です。
○近い将来発生が予測される南海トラフ地震などの大規模災
害に備え、国道42号の代替路、緊急輸送道路としても整
備が不可欠です。
○平成25年5月には、一般国道42号新宮紀宝道路が、平成
26年4月には、一般国道42号すさみ串本道路がそれぞれ
国土交通省により事業化されました。
○平成25年6月には、慢性的な渋滞が課題となっていた一
般国道42号湯浅御坊道路の4車線化事業や、県内初の
ETC搭載車専用ICとなる(仮称)和歌山南スマートIC整備に
ついて西日本高速道路株式会社により事業着手されました。
○紀伊半島一周高速道路の早期実現に向け、事業中区間の早
期完成や未事業化区間の早期事業化に向け、今後も関係機
関に対して働きかけていきます。
●近畿自動車道紀勢線の渋滞状況
●近畿自動車道紀勢線 4 車線化前後の渋滞回数比較
有田 IC 付近 ( 下り ) (H28.5.3)
●有田∼南紀田辺間の死傷事故件数(H21年∼H25年)
○死傷事故率 (件/億台キロ)
有田∼南紀田辺間
18.4
全国平均
7.7
全国平均の 2.4 倍
※死傷事故件数:過去5年間H21年∼H25年データ、
※全国死傷事故率:高速道路便覧
10
Ⅳ 主要事業の概要
●南海トラフの巨大地震などの大規模災害に備えた高速道路整備
大規模災害に備え、強靭な高速道路は命の道
大規模災害に備え、強靭な高速道路は命の
道
○高速道の延伸を見据え、高台移転を促進
・串本町消防防災センターや町立病院は移転済み
・海上保安所、県串本建設部が平成27年度から工事着手
・さらに、小学校、幼稚園、役場など公共施設も高台移転
を計画
●台風第12号(H23.9月)による越波や冠水等により各所で寸断された国道42号
熊野川
熊野川氾濫により冠水する国道42号 新宮市(県境部)
◆京奈和自動車道
●京奈和自動車道の整備による企業立地の促進
○関西大環状道路を形成する京奈和自動車道と放射状道路を形成
する府県間道路の整備により、関西都市圏が拡大し、関西経済
の活性化が形成されます。
○京奈和自動車道の整備により、観光地を相互に連絡し、広域的
な観光ネットワークが形成されます。
○整備状況については、橋本道路、紀北東道路がすでに開通して
おり、残る紀北西道路についても、平成27年9月に紀の川IC∼
岩出根来IC間が開通し、続く岩出根来IC∼(仮称)和歌山JCT間
が平成28年度に開通する予定です。
●関西都市圏の拡大
●世界遺産を活かした新たな観光ルートの形成
※国道24号の現道を利用した場合
11
Ⅳ 主要事業の概要
●高速道路の整備効果
高速道路が整備された区間では、観光や工業、農林水産業の振興など、様々な波及効果が発現しています。
12
Ⅳ 主要事業の概要
■高速道路と合わせて県内の一体的発展に寄与する幹線道路の整備
高速道路は、それ自体で大きな整備効果がありますが、その効果を県下全域、さらには近畿全域へ波及させるため、
高速道路とあわせて戦略的に幹線道路を整備しネットワーク化を図る必要があります。
◆府県間道路
○ 関西国際空港へのアクセス向上、大阪府との交流・連
携、観光振興などを図るため、和歌山県北部地域と大
阪府南部地域を放射状に結び京奈和自動車道と一体的
に優先整備を進めています。
◆X軸・川筋ネットワーク道路
○経済発展、観光振興、災害時の緊急輸送の強化を図る
ため、高速道路と合わせて県内の一体的発展に寄与す
る内陸部骨格道路を整備しています。特に、
「X軸ネッ
トワーク道路」に引き続き、内陸部骨格道路として、
各生活圏の「背骨」にあたる県内の主要河川沿いの道
路を「川筋ネットワーク道路」として重点的に整備を
進めています。
◆ICアクセス道路
○高速道路の整備に合わせ、高速道路ICから主要道路
までのアクセス道路の整備を行い、円滑な交通の確保
を進めています。
■都市内道路の整備
和歌山市などの各都市内の幹線道路網整備については、交通渋滞の緩和、交通の円滑化、中心部へのアクセス機能の向上、まち
づくりに重点を置いて、都市計画道路の整備に取り組んでいます。
また、(仮称)和歌山南スマートICについては、事業主体である西日本
高速道路株式会社と協力し整備を進めるとともに、周辺道路整備と合わせ
て幹線道路ネットワークの形成を図ることとしています。
○整備事例
整備前
整備後
都市計画道路
西脇山口線(和歌山市) 都市計画道路 松島本渡線 (和歌山市)
和歌山市内幹線道路
■基本的生活に不可欠な道路の整備
県内には道路の未整備区間が多く残っており、限られた財源の中、 県民にとって真に必要な道路を選択して集中投資し、道路の
整備効果をいち早く発現させることが必要です。 そのため、次の4つに該当する道路について重点的に整備します。
①生活圏30分圏域の拡大に資する道路のうち整備効果の高い道路
②高速道路ICから60分圏域の拡大に資する道路のうち整備効果の高い道路
③あと少しの整備で効果の出る道路
④防災上・交通安全上必要不可欠な道路
※上記については地元協力が前提になる
時間圏域と道路整備のイメージ
13
Ⅳ 主要事業の概要
(3)平成28年度主要事業の概要
安全・安心な暮らしを実現する
○高速道路ネットワークの整備
国土軸、国際軸と直結する近畿の南北軸を形成する近畿自動
車道紀勢線、および関西大環状道路を形成する京奈和自動車道
の整備を促進します。
路 線 名
近畿自動車道紀勢線
京奈和自動車道
事業中・整備計画区間
湯浅御坊道路(4車線化)
湯浅御坊道路(4車線化)
御坊∼南紀田辺(逐次4車線化)
すさみ串本道路(直轄事業)
新宮紀宝道路(直轄事業)
紀北西道路
紀北西道
路
京奈和自動車道(和歌山JCT(仮称)周辺の工事状況)
○直轄国道事業及び府県間道路の整備
道路ネットワークの強化に向け、直轄道路事業の整備を促進
するとともに、府県間道路の整備を推進します。
■直轄道路事業(抜粋)
路 線 名
国道42号
国道42号
国道42号
国道169号
国道371号(新紀見トンネル)
事 業 中 区 間
有田海南道路
冷水拡幅
田辺西バイパス
奥瀞道路(Ⅲ期)
■府県間道路事業(直轄道路事業含む)
路 線 名
国道26号
国道371号
国道480号
県道 那賀かつらぎ線
事 業 中 区 間
和歌山岬道路
新紀見トンネル
鍋谷峠道路
笠田中工区
府県間道路網図
○川筋ネットワーク道路の整備
各生活圏の背骨にあたる県内主要河川沿いの道路の整備を推進します。
国道370号 阪井バイパス(海南市) L=2.6km
国道370号 美里3バイパス(紀美野町) L=1.1km
14
県道泉佐野岩出線外1線 岩出橋(岩出市) L=1.1km
都市計画道路北島湊線(和歌山市) L= 1.4km 等
国道370 号 阪井バイパス(海南市)
県道 泉佐野岩出線外1線 岩出橋(岩出市)
国道370号 美里3バイパス(紀美野町)
都市計画道路北島湊線(和歌山市)
Ⅳ 主要事業の概要
○耐震化と災害に強いまちづくりの推進
■緊急輸送道路の橋梁耐震化、地震・風水害に対する法面強化
近い将来高い確率で発生が予想される東海・東南海・南海地震などに備えるため、橋梁の耐震工事や法面の強化を図ります。
〈橋梁耐震化〉
国道311号(上富田町∼田辺市)
国道424号(日高川町∼田辺市)
等
県道 すさみ古座線鶴川橋(古座川町)
県道 高瀬古座停車場線古座橋(串本町)
〈法面耐震化〉
▼
国道168号(新宮市)
国道371号(高野町∼田辺市)
等
整備前
県道 御坊中津線(日高川町)
整備前
県道 和歌山野上線(和歌山市)
整備後
■無電柱化
▼
安全で快適な通行空間、都市景観の向上や都市災害
の 防 止、情報ネットワークの信頼性の向上を図るた
め、無電柱化を行います。
県道 和歌山野上線 (和歌山市)
県道 新和歌浦梅原線 (和歌山市)
等
整備後(イメージ)
■車道路面への対空標示の設置
大規模災害時における緊急輸送路の被災状況を迅速
かつ的確に把握することを目的として、ヘリコプター
から視認可能な距離標を車道路面に標示しています。
国道168号 設置状況
○安全かつ快適な交通の確保
■アドプト制度活用による住民との協働
「わかやま道路パートナー」
快適な交通環境を実現すべく、県が管理する道路を地域
住民と県が共に担う維持管理を目指すため、参加者が実施
する清掃・美化活動を、県が支援します。また、維持管理
費の一部を提供してくれるスポンサー企業を募集します。 地域住民による活動
スポンサー企業のサインボード設置例
15
Ⅳ 主要事業の概要
時代に合った地域をつくる
○高速道路ネットワークの整備(再掲)
○直轄国道事業及び府県間道路の整備(再掲)
○都市計画道路の整備
都市部の渋滞緩和を図るための幹線となる都市計画道路を整備します。
都市計画道路 日方大野中藤白線(海南市) 都市計画道路 元町新庄線 (田辺市) 等
都市計画道路 日方大野中藤白線(海南市)
都市計画道路 元町新庄線(田辺市)
○川筋ネットワーク道路の整備(再掲)
○直轄道路調査の推進
(仮称)京奈和関空連絡道路については、県としても、近畿自動車道紀勢線や京奈和自動車道に続く「次のプロジェクト」とし
て、本構想の具体化を目指していくこととし、平成28年度から予算措置を行い、国が実施している道路網調査との連携を図りなが
ら、紀の川市や泉佐野市、大阪府等と
協力し、調査に取り組んでいきます。
また、京奈和自動車道の第二阪和国
道への延伸についても、平成28年度よ
り、国において直轄道路調査が開始さ
れます。
高野山
○ICアクセス道路の整備
高速ICから主要道路までのアクセス道路の整備を行い、円滑な交通
を確保します。
県道 和歌山橋本線(和歌山市)
16
県道 和歌山橋本線(和歌山市) L=0.9km
県道 白浜温泉線(白浜町)
L=4.4km 等
県道 白浜温泉線(白浜町)
Ⅳ 主要事業の概要
○道路インフラの適切な維持管理
今後、急速に老朽化する道路ストックの定期点検を行い、損傷が顕著化する前に補修・塗装等の予防的な対策を実施することにより、
ライフサイクルコストの縮減や、通行の安全を確保します。
■構造物点検
■橋梁補修
■トンネル補修
県道 大崎加茂郷停車場線 朝日橋(海南市)
国道 424号 愛宕トンネル(田辺市)
橋梁点検状況
路面調査状況
トンネル点検状況
シール材注入状況(応急対応)
○道の駅の整備・充実
既存施設を活用した道の駅の登録や新規建設、既登録施設の活性化を図り、観光情報の発信や交流施設の充実による地域振興を進めます。
和歌山県の道の駅マップ
道の駅
重点道の駅「すさみ」
基本コンセプト
休憩機能
地域とともにつくる
個性豊かなにぎわいの場
情報発信機能
重点道の駅「たいじ」
地域連携機能
防災機能
○重点「道の駅」
(国土交通省選定)
地域活性化の拠点となる優れた企画があり、今後の重点支援で効果的な取組が期待できる『重点「道の駅」』に、すさみ町
の「すさみ」と太地町の「たいじ」が選ばれました。
○
「道の駅」防災利用に関する基本協定書
今後発生が予想される南海トラフの巨大地震・津波又は紀伊半島大水害に代表される豪雨・出水による大規模災害をはじめ
とする災害発生時において、迅速かつ的確な応急対策等を実施するため、関係機関が協働し、効率的でかつ迅速な防災活動と
啓発に努めることを目的に協定書の締結を進めています。
17
Ⅳ 主要事業の概要
安定した雇用を創出する
○農林道整備による輸送強化
■県営農道
農業生産の近代化及び流通の合理化を図り、併せて農村環境の改善に資する基幹農道の
整備を進めています。
県営農道 紀の川左岸地区 (橋本市、かつらぎ町、九度山町)
紀の里地区 (紀の川市)
鳥屋城地区 (有田川町) 山畑地区 (紀美野町)
■県営林道
林業の生産性の向上と山村地域の生活環境の改善を図るため、林道の整備を行います。
広域農道 紀の川左岸地区
○サイクリングロードの整備
地域の魅力を楽しみながらの観光や健康づくりを促進するため、利便性や安全性を備えた自転車利用環境を整備します。
■サイクリングロードの整備
○川、山、海のサイクリングロードの整備
・サイクリングルートを明示するライン(青色)
・案内看板、総合案内板、休憩施設 等
・京都府、奈良県と連携した広域サイクリングルートの整備
■都市部の自転車走行空間の整備
○自転車利用の多い施設を結ぶ自転車ネットワークの整備
・自転車通行帯
・案内看板、駐輪施設 等
京奈和自転車道
サイクリングロード(川、山、海のルートイメージ図)
和歌山県への新しい「人の流れ」を創造する
○都市計画道路の整備(再掲)
○交通環境の整備
■交通安全対策
整備前
18
整備後(完成区間)
県道 岩出海南線(歩道整備の実施)
県道
県道
県道
粉河加太線(和歌山市 )
岩出海南線(海南市)
那智山勝浦線(那智勝浦町)
等
▼
▼
通学路交通安全プログラムや通学路緊急合同点検の結果に基づく対策
や、死傷事故が多い箇所において、歩道整備やバリアフリー化、交差点
改良、歩行スペースの確保等を行い、安全な交通環境の整備に努めます。
整備前
整備後(完成区間)
県道 桃山下井阪線(歩行スペースの確保)
Ⅳ 主要事業の概要
2 河川
(1)現況と課題
本県には、大台ヶ原(奈良県吉野郡川上村)を水源として県北部を西流し、紀伊水道に注ぐ紀の川水系と、日本最多雨地帯の大
峰山脈に源を発して、県東部を流下し熊野灘に至る新宮川水系の2つの一級水系があります。その中に、134の一級河川(本・支
川)が流れています。一方、二級水系は85水系あり、その中に317の二級河川と92の準用河川があります。一級河川は、国と県
が分担して管理しており、二級河川は県が、準用河川は市町村がそれぞれ管理しています。
また年間降水量は、北部及び紀伊水道、紀州灘沿岸部では、1,500∼2,000mm程度、南部は2,000mm以上で山間部の南東斜
面では3,500mmを超え全国でも降水量の極めて多い地域となっています。
県土整備部所管ダム
紀の川大堰
資料:1969年∼2005年(37年間)の気象台及び和歌山県の
気象観測所データをもとに和歌山県が作成
県の主要河川
年間降水量
■ダム諸元
■和歌山県の指定河川
※1:国管理河川と県管理河川の水系が重複しているため
※2:国管理4河川のうち3河川が県管理河川と重複しているため
(重複河川:貴志川、熊野川、市田川)
F:洪水調節 P:発電 N:不特定用水 W:上水道用水
←日本一短い川 ぶつぶつ川(平成20年10月21日 二級河川指定)
那智勝浦町の粉白地区を流れるぶつぶつ川は、飲めるほど良質な清水が沸々と湧き出る泉が、さらさら
と流れる小川で、その長さはわずか13.5mしかありません。川底からぶつぶつと湧き出てくる様子から
ぶつぶつ川と呼ばれています。
19
Ⅳ 主要事業の概要
(2)整備方針
「安全・安心な暮らしを実現する」を基本目標として、県管理河川の整備、避難行動の支援などハード・ソフトが一体となった水
害対策や津波から“逃げ切る”ための堤防の整備、水門の自動化・遠隔操作化による地震津波対策など大規模災害から命を守る対策
を推進するとともに、底泥の除去による河川環境の改善など良好な生活空間の実現を目指します。また、「時代に合った地域をつく
る」を基本目標として、ダム、排水機場等の長寿命化計画に基づく予防保全など地域を支える公共インフラの整備を推進します。
「安全・安心な暮らしを実現する」
○大規模災害から命を守る対策
「時代に合った地域をつくる」
○地域を支える公共インフラの整備
・水害対策の着実な推進
∼ハード・ソフトが一体となった対策の推進
ハード対策
ソフト対策
県管理河川の整備推進
避難行動の支援
・水害の防災情報の充実
・地震津波対策の推進
・公共インフラの適切な維持管理
ダム、排水機場等の長寿命化計画に基づく予防保全を推進
○良好な生活空間の実現
津波から“逃げ切る”ための堤防の整備、水門の自動化・
遠隔操作化
・快適な生活環境の維持
底泥の除去による河川環境の改善
(3)平成28年度主要事業の概要
「安全・安心な暮らしを実現する」
○水害対策の着実な推進
①県管理河川整備の推進(ハード対策)
近年、繰り返し浸水被害を受けている地域を重点に七瀬川、
住吉川、和田川等の42河川において河川整備による水害対策
を進めています。
一級河川住吉川整備状況
②避難行動の支援(ソフト対策)
○洪水情報(雨量、水位等)や河川監視カメラの画像を、データ放送や
県ホームページで提供しています。
・データ放送(テレビ和歌山、NHK)
・県ホームページ(和歌山県河川雨量情報)
※背表紙にQRコードを掲載しています。
http://kasensabo02.pref.wakayama.lg.jp/
http://kasensabo02.pref.wakayama.lg.jp/keitai/(携帯用)
○浸水した場合に想定される水深等を示した洪水浸水想定区域図(国、県)
や洪水ハザードマップ(市町)を作成、公表しています。
データ放送(テレビ和歌山)
・洪水浸水想定区域図公表サイト(県ホームページ)
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/080400/soutei/soutei.html
・国土交通省ハザードマップポータルサイト(一部)
http://disaportal.gsi.go.jp/
県ホームページ(和歌山県河川雨量情報)
20
Ⅳ 主要事業の概要
○地震津波対策の推進
①津波から“逃げ切る”ための堤防の整備
○事業箇所:太田川(那智勝浦町下里)
○事業内容:3連動地震津波の第1波を防ぎ、避難時間を
確保するため堤防を整備する。
②水門・樋門の自動化・遠隔操作化
○事業箇所:箕川水門外7箇所
○事業内容:津波来襲時における水門・樋門の閉鎖時間の
短縮及び操作員の安全確保のため、水門・樋
門を自動化・遠隔操作化する。
箕川水門の自動化
○快適な生活環境の維持
○河川環境の改善
和歌山市内を流れる和歌川では、昭和30年代の高度成長期
ではBOD※が500mg/lを超えるなど水質が非常に悪化し
ている状態でした。
そこで、昭和44年から和歌山市内河川の水質を浄化するた
め、国・県・市が協力し浄化導水事業、底泥の除去および下
水道の整備を行っています。
なお、水軒川については、平成23年度までに底泥除去が完
了しています。平成26年度測定された大門川(伊勢橋地点)
でのBOD75%値は、7mg/l(環境保全データ集)となっ
ています。引き続き地域の皆様方のご協力のもとなお一層の
環境改善が望まれます。
水軒川
※BOD・・・生物化学的酸素要求量。水中の有機物を水中に溶解した酸素の存在のもとで微生物の働きによって分解し、酸化して安定な状態にする
のに必要な酸素量
「未来への投資」の政策
○公共インフラの適切な維持管理
○長寿命計画に基づく予防保全の推進
県営4ダム、排水機場12箇所及び水
門・樋門等の河川管理施設について、長寿
命化計画に基づく予防保全を推進します。
排水機場の長寿命化(和歌川排水機場)
21
Ⅳ 主要事業の概要
3 砂防
(1)現況と課題
本県は県土の約80%が山地であり、脆弱な地質に加えて、全国有数の多雨地帯であり、又近年の集中豪雨により、土石流、地
すべり、がけ崩れなどの土砂災害が毎年のように発生しています。
和歌山県土砂災害発生状況(道路、河川災害等除く)
H23
H24
H25
H26
H27
土石流
28
0
3
2
1
地すべり
がけ崩れ
6
1
0
3
0
10
1
7
22
36
合 計
44
2
10
27
37
平成23年台風12号被災状況(田辺市門谷)
平成23年台風12号被災状況(那智勝浦町那智川)
土砂災害を未然に防止するため、県では砂防えん堤やがけ崩れ対策のための擁壁工といった土砂災害防止施設の整備(ハード整
備)を実施してきました。しかし、土砂災害危険箇所が多く、整備状況は未だに低い状態にあるため、全ての危険箇所にこのよう
なハード整備を実施するには、莫大な費用と長い年月が必要です。
このため、ハード整備に加え土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等の指定や警戒避難体制の整備などのソフト対策につい
ても推進しています。
和歌山県のハード整備状況(H27年度末)
和歌山県の土砂災害危険箇所
土石流危険渓流
(人家5戸以上、H14公表)
2,
526渓流
地すべり危険箇所
495箇所
(国土交通省所管、H10公表)
急傾斜地崩壊危険箇所
3,
144箇所
合 計
6,
165箇所
(人家5戸以上、H14公表)
(2)整備方針
○ソフト・ハード一体となった減災対策の推進
土砂災害から人命を守るため、土砂災害のおそれのある区域を住民に周知するとともに、雨量や土砂災害警戒情報等の防災情報
をリアルタイムに提供することで住民の警戒避難を支援します。
また、人命や財産の保全を第一に考え、近年災害を受けた箇所や危険度が切迫している箇所及び防災拠点や要配慮者利用施設を
守る土砂災害防止施設の整備を進めていきます。
避難場所
警戒避難体制の整備イメージ
22
加門谷川(日高川町皆瀬)
Ⅳ 主要事業の概要
(3)平成28年度主要事業の概要
安全・安心な暮らしを実現する
○避難行動の支援(ソフト対策)
○土砂災害警戒区域等の指定推進
土砂災害から住民の生命を守るため、土砂災害のおそれ
のある区域についての危険の周知、警戒避難体制の整備、
住宅等の新規立地の抑制などを目的として、土砂災害防止
法に基づく土砂災害警戒区域等の指定を行います。
このための調査(地形、地質、土地の利用状況等)のス
ピードを加速し、平成31年度までに調査を完了させるとと
もに結果を公表し、すみやかに指定します。
○「和歌山県土砂災害啓発センター」における研究・啓発の推進
平成23年9月の台風12号による紀伊半島大水害で、甚大な土砂災害が発生
し、多くの方々が被災されました。被害を繰り返さないために、土砂災害の記
憶を後世に伝えるとともに、土砂災害に関する研究の拠点として、「和歌山県
土砂災害啓発センター」を設置しました。(平成28年4月オープン)
土砂災害の記録パネルや映像を使った啓発を行うとともに、災害の記録や研
究成果も最新の知見として紹介します。また、国土交通省近畿地方整備局に設
置された「大規模土砂災害対策技術センター」と、国・県・町・大学・研究機
関からなる「大規模土砂災害対策研究機構」が相互に連携を図りながら土砂災
害の研究活動を進めています。
和歌山県土砂災害啓発センター
○土砂災害関連情報の提供
雨量観測情報(県内182箇所に雨量局を整備)、和歌山地方気象台と県が
共同で発表を行う「土砂災害警戒情報」や、土砂災害危険箇所、法指定区域な
ど、土砂災害に関連する情報をインターネット等で提供しています。
また、パソコンや携帯電話を所有していない方々にも土砂災害に関連する情
報を取得していただけるようにテレビのデータ放送を利用し、防災情報を提供
しています。
研究状況
啓発施設
◆雨量・土砂災害警戒情報 ※背表紙にQRコードを掲載しています。
HP:http://kasensabo01.pref.wakayama.lg.jp/new/
携帯:http://kasensabo02.pref.wakayama.lg.jp/keitai/
◆土砂災害危険箇所等の情報 ※背表紙にQRコードを掲載しています。
HP:http://sabomap.pref.wakayama.lg.jp/
テレビ和歌山
23
Ⅳ 主要事業の概要
○増大する災害リスクへの対応(ハード整備)
○防災拠点及び要配慮者利用施設の保全
防災拠点をはじめ、幼稚園や老人ホームなどの要配慮者利用施設に関連する
施設を守る土砂災害対策を重点的に実施します。
〈代表的な事業実施箇所〉
対策事業名
渓流・箇所名
事業概要
事業期間
砂防
天女谷川
(那智勝浦町)
砂防えん堤工
H25∼H30
砂防
湯ノ谷
(北山村)
砂防えん堤工
H27∼H32
急傾斜地崩壊対策
琴ノ浦西地区
(海南市)
擁壁工
H26∼H28
天女谷川(那智勝浦町市野々)
○東南海・南海地震対策(特定利用斜面保全事業)
がけ崩れ対策と併せて、近年発生が予想されている東南海・南海地震に備える避難場所の創出を支援します。
「特定利用斜面保全事業」による整備状況
箇所名
事業期間
①毛原宮地区(紀美野町)
H7
②椎の浦地区(那智勝浦町)
H8∼H10
③小長井地区(太地町)
H7∼H13
④志原地区(白浜町)
H16∼H20
⑤串本地区(串本町)
H17∼H24
⑥阿尾2地区(日高町)
H25∼H27
阿尾2地区(日高町阿尾)
○直轄緊急土砂災害対策
平成23年台風12号により大規模な土砂災害が発生した箇所
において、直轄砂防事業を実施しています。
復旧前
復旧中
〈代表的な事業実施箇所〉
24
事業概要
事業期間
対策事業名
渓流・箇所名
災害関連緊急砂防
特定緊急砂防
熊野地区
(田辺市)
砂防えん堤工、床固工群
H23∼H28
災害関連緊急砂防
特定緊急砂防
三越地区
(田辺市)
床固工、護岸工
H23∼H28
災害関連緊急砂防
特定緊急砂防
那智川
(那智勝浦町)
砂防えん堤工、渓流保全工
H23∼H28
H23.9
H27.9
熊野地区(田辺市熊野)
Ⅳ 主要事業の概要
4 下水道
(1)現況と課題
本県の生活排水対策の現状は、汚水処理人口普及率が平成26年度末で59.0%と全国平均の89.5%に比べて著しく遅れており、
汚水処理人口普及率の早期向上が喫緊の課題となっています。
下水道、合併処理浄化槽、農業集落排水等の処理人口
市町村別汚水処理人口普及率【平成26年度末】 汚水処理人口普及率(%)=
住民基本台帳人口
%
94.0 93.6 93.6
89.5 89.4
86.3
82.5 82.5 82.1
75.1 72.1 71.1
63.2 62.2
59.8 59.0
57.1 56.0 55.5 55.4
53.1
44.8 44.3 44.2
42.4
39.8 39.6 39.3
34.2
橋
本
市
日
高
町
美
浜
町
全
国
平
均
み
な
べ
町
高
野
町
由
良
町
上
富
田
町
日
高
川
町
太
地
町
北
山
村
九
度
山
町
和
歌
山
市
白
浜
町
有
田
川
町
県
平
均
古
座
川
町
岩
出
市
紀
の
川
市
(2)整備方針
田
辺
市
か
つ
ら
ぎ
町
新
宮
市
印
南
町
紀
美
野
町
す
さ
み
町
御
坊
市
那
智
勝
浦
町
広
川
町
串
本
町
29.5 27.7
海
南
市
湯
浅
町
24.0
有
田
市
「和歌山県長期総合計画」の目標である平成29年度末における汚水処理人口普及率70%をめざし、「和歌山県全県域汚水適正処
理構想」に基づき、地域の実情にあわせた効率的・効果的な汚水処理施設整備事業を促進します。
(3)平成28年度主要事業の概要
「安全・安心な暮らしを実現する」
○公共下水道
○公共下水道、流域関連公共下水道等の整備促進
下水道事業実施市町村に対し、県が国庫補助事業の対象となる管渠事業費の2%(上限等あり)を翌年度に交付しています。
各年度末時点の状況
下水道
(処理人口は住民基本台帳による)
H22
H23
H24
H25
H26
供用面積(ha)
4,306 4,598.9 4,738.3 4,913.3 5,106.3 処理人口(人)
209,985 222,453 231,194 237,084 245,501 20.5 21.8 22.7 23.5 24.6 普及率(%)
○流域下水道
本県では紀の川流域において2つの流域下水道事業を実施しています。流域下水道の処理場と幹線管渠は県が整備します。
○紀の川流域下水道の整備(平成13年4月1日 一部供用開始)
橋本市、かつらぎ町、九度山町が対象で、流域幹線管渠約18kmが完成しています。平成28年度は、処理場施設の長寿命化
工事、耐震化工事及び長寿命化計画の策定等を行います。
【事業内容】
伊都浄化センター
長寿命化工事(監視システム更新等)
耐震化工事(水処理施設1,2池等)
長寿命化計画の策定等
伊都浄化センター
25
Ⅳ 主要事業の概要
○紀の川中流流域下水道の整備(平成20年12月10日 一部供用開始)
紀の川市、岩出市が対象で、流域幹線管渠は全体約33kmのうち平成27年度末現在で約31kmが完成しています。
平成28年度は処理場施設の整備と長寿命化計画の策定等を行います。
【事業内容】
那賀浄化センター
水処理施設 2池 汚泥掻き寄せ機設置工事
3池 機械・電気設備工事
長寿命化計画の策定
場内整備工事等
那賀浄化センター
シールド管渠
○浄化槽
○個人設置型の整備促進
合併処理浄化槽設置者に対する市町村の補助額に対し、国・県がそれぞれ1/3を補助しています。
(平成28年度から、飲食店や民宿の転換[11∼50人槽]も補助メニューに追加しています。)
○市町村設置型の整備促進
市町村が合併処理浄化槽を設置し維持管理を行う事業を実施する場合、県が地方負担額から交付税措置を除いた1/2を
翌年度に交付しています。
各年度末時点の状況
合併処理浄化槽
H22
設置基数
処理人口(人)
(処理人口は住民基本台帳による)
H23
H24
H25
H26
77,874 79,480 82,902 86,760 89,757 271,737 274,169 279,850 292,783 295,987 26.5 26.9 27.5 29.0 29.6 普及率(%)
○農業集落排水設備等
○農業集落排水施設等の整備促進
農林漁業集落排水事業実施市町村に対し、県が国庫補助対象経費の10%を翌年度に交付しています。
各年度末時点の状況
農業集落
排水施設等※
整備箇所数
処理人口(人)
普及率(%)
26
(処理人口は住民基本台帳による)
H22
H23
H24
75 75 75 50,556 50,050 49,596 4.9 4.9 4.9 H25
75 49,273
4.9 H26
75 49,588
※漁業集落排水施設、
4.9 林業集落排水施設含む
Ⅳ 主要事業の概要
5 都市政策
■都市計画
(1)現況と課題
人口減少社会を迎え、少子高齢化、高度情報化が進展し、社会環境は大きく変化しています。都市機能についても拡散する傾向
が見られると共に、人々の価値観やライフスタイルの変化が生じています。
和歌山県においても、モータリゼーションの進展や公共施設の郊外移転、大規模集客施設の郊外立地等の影響により、都市機能
の拡散や中心市街地の減衰が進行しています。この課題に対して、「きのくにらしい持続可能なまちづくり」のため、都市の再構
築を図ることが求められています。
(2)整備方針
現在、県内23の市町において、25の都市計画区域と1の準都市計画区域を指定しています。平成27年にすべての都市計画区
域において、都市計画区域マスタープランの見直しを実施し、県として広域的な視点に立ち、複数の都市計画区域を一体のもの
(圏域)として策定しました。今後は、各圏域別都市計画区域マスタープランに即して、それぞれの都市計画が定められることと
なります。
○圏域別都市計画区域マスタープラン
【和歌山県と市町村の役割】 和歌山県:市町村と連携し、「広域的な視点でのまちづくり」を実施
市町村:基礎自治体として「地域の実情にあったまちづくり」を実施
【和歌山県の都市計画の基本理念と実現のための5つの条件】
基本理念:『きのくにらしい持続可能なまちづくり』
1.集約拠点ネットワーク型のまちづくり
・広がり続けてきた都市の拡散を抑制
・都市機能を集約し、活気や賑わいを生むコンパクトな都市の核を形成
・それぞれの都市は連携し、都市機能を補完し合ったまちづくりを実施
2.交流による活力あるまちづくり
3.安全・安心な(南海トラフ地震等を見据えた)まちづくり
・建築物の耐震化、高台移転などの事前防災を推進
・高台移転に伴う土地利用など災害前から被災後の復興について検討
4.環境共生のまちづくり
5.ひと・コミュニティを育むまちづくり
(3)平成28年度主要事業の概要
時代に合った地域をつくる
○計画的なまちづくりの推進
・市町と連携し、都市計画の適切な運用により都市の無秩序な拡散を防止します。
・市町における都市計画の見直しの契機となるよう土地利用案の一例を提案します。
○都市計画道路の見直し
都市活動や財政規模に見合った都市施設の整備及び計画の見直しを進めます。特に、長期未着手の都市計画道路については、市
町とともに必要性を検討します。
安全・安心な暮らしを実現する
○開発許可事務
開発許可は、都市計画法により良好かつ安全な市街地の形成と無秩序な市街化の防止を目的とし、一定の土地の造成に対し許可
の基準を定め、新たに開発される市街地の環境の保全、災害の防止、利便の増進を図ります。
○被災宅地危険度判定制度
大地震又は豪雨などにより宅地が大規模かつ広範囲に被災した場合、被災した宅地の危険度を判定できる判定士(被災宅地危険
度判定士)を活用して被害の発生状況を迅速・的確に把握することにより、二次災害を軽減・防止し住民の安全を確保すること、
並びに被災宅地の円滑な復旧に資することを目的とした制度です。現在、判定士確保に向けた養成講習会の開催や県内市町村職員
を対象とした判定士要請模擬訓練などの取組を行っています。 【登録宅地判定士数 524人(平成28年4月1日現在)】
27
Ⅳ 主要事業の概要
■まちづくり
(1)現況と課題
現在、市街地においては、人口の急激な減少と高齢化を背景として、中心市街地の空洞化、防災上の問題、地域基盤施設整備の遅
れなど多様な問題を抱えています。その中で、安全・安心、魅力と活力あふれる市街地の形成を図り、21世紀における豊かで快適
なまちづくりの実現が課題となっています。
(2)整備方針
文化・歴史・自然環境等の地域固有の特性を活かすとともに、
安全・安心、魅力と活力あふれるまちづくりや、居住や都市の
生活を支える機能の誘導による、いつまでも暮らしやすいコン
パクトなまちづくりを推進します。
・いつまでも暮らしやすいコンパクトなまちづくり
・中心市街地のにぎわいを創出するまちづくり
・地域の防災安全性を高めるまちづくり
・地域の歴史・文化を保全継承していくまちづくり
(3)平成28年度主要事業の概要
時代に合った地域をつくる
JR紀伊田辺駅前広場 (田辺市街地地区:田辺市)
[都市再生整備計画事業〔旧まちづくり交付金〕]
○都市再生の推進
ターミナル駅や県庁周辺地域の再開発などエリアの活性化に
向けた企画・提案を実施するとともに、都市再生に向けた市町
の計画づくりを支援します。
○都市再生整備計画事業(都市再構築戦略事業)
まちの拠点となるエリアへ医療・福祉等の都市機能施設を誘
導し、まちの活力の維持・増進、持続可能な都市構造への再構
築の実現を図ります。現在、和歌山市、海南市、有田市、新宮
市の4市4地区において事業が実施されています。
○都市再生整備計画事業(旧まちづくり交付金)
市町村の自主性・裁量性を活かせる交付金制度を活用し、地
域の歴史・文化・自然環境等の特性を活かした地域主導の個性
けやき大通り第一種市街地再開発事業
[市街地再開発事業]
あふれるまちづくりをすすめています。現在、和歌山市及び橋
本市の2市3地区において事業が実施されています。
○市街地再開発事業
まちなかでの遊休不動産を活用した市街地再開発事業、暮ら
し・にぎわい再生事業、優良建築物等整備事業等の積極的な展
開を促進することで、都市再生の推進を図ります。
■事業中の市街地再開発事業
市町村
和歌山市
施行面積 都市計画決定の告示 事業施行期間(予定)
地区名
北汀丁
0.3ha
H27.12.22
H27∼H30
和歌山市駅前
1.9ha
H28.3.25
H28∼H32
友田町四丁目
0.4ha
H28.3.25
H28∼H31
○街なみ環境整備事業
街なみの良好な景観形成を図るべき地区において、地方公団体と住民が協力して、住宅、地区施設等の整備改善を行うことにより、
ゆとりと潤いのある住宅地区を形成します。
高野町 レストスペース整備
28
修景前
高野町 修景事業
修景後
Ⅳ 主要事業の概要
整理前
○土地区画整理事業
Aさんの整理前の宅地
Eさん
Bさん
土地区画整理事業は、健全な市街地として整備すべき区域について、土地所有者の
方が土地の一部を出しあい、宅地と公共施設の一体的な整備を行うことにより、道
路、公園などの公共施設の整備改善と宅地の利用増進を図ることを目的としていま
す。現在、和歌山市、海南市及び橋本市の3市13地区において実施されています。
Aさん
Cさん
Dさん
換 地
(Aさんの整理後の宅地)
減 歩
整
形
化
整理後
保
留
地
Cさん
安全・安心な暮らしを実現する
E
さ
ん
Bさん
Dさん
公共減歩
(道路や公園等の用地となる)
公
園
保留地減歩
(売却して事業費の一部に充てる)
○都市防災総合推進事業
平成26年3月に、和歌山県全域が「南海トラフ地震防災対策推進地域」に、
また県内の19市町が「南海トラフ地震防災対策特別強化地域」に指定されまし
た。
県内の防災上危険な地域の総合的な防災性の向上を図ることを目的に、地域
の防災構造化や住民の防災に対する意識向上を推進する事業を実施しています。
現在、防災まちづくりのための公共施設整備等の事業が、美浜町等9市町に
おいて実施されています。
○住宅市街地総合整備事業(密集住宅市街地整備)
老朽住宅が多く存在し、敷地・道路とも狭く、自立的な都市機能の更新が進
まない密集市街地において、賃貸住宅の供給、公共施設の整備、老朽住宅の除
去等を実施し、居住環境の改善、防災性の向上をすすめています。現在、橋本
市において事業が実施されています。
美浜町の津波避難場所(築山)のイメージ
[都市防災推進事業]
■都市公園
(1)現況と課題
都市公園は、人々のレクリエーションの空間となるほか、都市の防災性の向上など様々な機能を持ち、快適で安全な生活を実現
する上で必要不可欠なものです。都市の緑とオープンスペースの保全、創出からも、総合的かつ計画的に整備する必要があります。
○都市公園の機能
・都市環境維持・改善の機能(気温の緩和、大気汚染の浄化) ・防災機能(避難場所、延焼防止等)
・景観形成機能(都市景観の形成等) ・健康、レクリエーション機能(運動、休養、環境学習等の場)
(2)整備方針
既設の県営公園について、計画的に修繕をすることで公園施設の適正化及び長命化を図ります。
○都市公園の維持・管理
・県営公園及び公園施設
県土整備部では7箇所の都市公園と3箇所の公園施設を維
持、管理しています。
県営都市公園施設一覧
公園施設名
所在地
供用面積
供用開始
秋葉山公園県民水泳場
和歌山市
2.65ha
H25.9.1
県営相撲競技場
和歌山市
0.33ha
H25.4.1
県立橋本体育館
橋本市
1.72ha H11.9.13
県営都市公園一覧
公園名
所在地
供用面積
公園種別
供用開始
紀三井寺公園
和歌山市
17.66ha
運動公園
S39.4.1
主要公園施設
陸上競技場、野球場、球技場、テニス場、登はん場
和歌公園
和歌山市
43.71ha
風致公園
河西緩衝緑地河西公園
和歌山市
31.49ha
緩衝緑地
S49.7.1
プール、多目的グラウンド、テニス場
河西緩衝緑地湊緑地
和歌山市
2.95ha
緩衝緑地
S62.6.1
テニス場、ソフトボール場
河西緩衝緑地松江緑地
和歌山市
6.20ha
緩衝緑地
S62.6.1
テニス場
河西緩衝緑地西松江緑地
和歌山市
6.17ha
緩衝緑地
H5.4.1
河西緩衝緑地東松江緑地
和歌山市
5.62ha
緩衝緑地
H17.4.1
M28.12.28 健康館、万葉館、野外ステージ、万葉の小路、観海閣
体育館、野球場、サッカー場
中央広場、みんなの原っぱ
29
Ⅳ 主要事業の概要
■景観保全と形成
(1)現況と課題
戦後の高度成長期以降、都市化の進展やそれに伴う人々の生活スタイルの変化、価値観の多様化などにより先人から継承された
和歌山県らしい良好な景観が損なわれつつあります。このような中、平成20年4月に景観条例を、平成21年1月に良好な景観形
成を図るための基本的な計画である景観計画を策定し、実施しています。また、平成23年10月に改正屋外広告物条例を施行し、
良好な景観の形成を推進しています。
また、こういった取り組みを進めていく一方で、更なる取組の拡大、県内各地において増加する適切な維持保全がなされていな
い廃墟による景観の悪化などの新たな課題への対応、地域住民が積極的に参画した景観づくりを促進していくことなどが求められ
ています。
(2)整備方針
各種制度の適切な運用を行うとともに取組を拡大し、住民参画
の景観づくりを推進することにより、個性豊かな和歌山の景観形
成を図っていきます。
(3)平成28年度主要事業の概要
時代に合った地域をつくる
○新たな特定景観形成地域の指定
地域の特性を活かした良好な景観形成を図るため、新たな特定
景観形成地域の検討を行います。
○住民参画の景観づくりの推進
わかやま景観づくり協定や和歌山県景観資源の登録制度の積極
的な活用が図られるよう普及啓発を行い、住民参画の景観づくり
を推進します。
わかやま景観づくり協定 知事認定第一号
「黒江の町並みを活かした景観づくり協定」 伝統ある紀州漆器のまち海南市黒江の歴史と
風情ある独特の町並みを守り、育て、次世代に
引き継いでいくために自主ルールを定め、町並
みを活かした景観づくりに取り組んでいます。
和歌山県景観資源 登録第一号
「かめや(日本画家 野長瀬晩花の生家)
」
田辺市中辺路町近露にある「かめや」は、
宿場町の旅籠を営んでいた歴史や野長瀬晩花
の生家として、長く地域に親しまれてきまし
た。周辺の里山景観と調和した建築物で、近
露の良好な景観に寄与していることから景観
資源に登録され、地域による活用が進んでい
ます。
和歌山県景観資源 登録第二号 「宮原の熊野古道とみかん畑」
有田市宮原町は、信仰の道である熊野古道と、先人が作り営んできた地
域の基幹産業である柑橘栽培により地域の特徴ある景観が形成されており、
一望できる眺望点を景観資源に登録し、この景観の保全、形成に向けた取
り組みを始めています。
「わかやま景観づくり協定」
住民の皆さんが景観づくりのルー
ルを地域の合意によってつくり、知
事が認定します。
「住民提案型景観形成地域」
住民の皆さんからの提案によって
良 好な景 観を形成 する地 域を指定
し、景観の保全と誘導を行います。
「和歌山県景観資源」
良好な景観形成に寄与している建
造物などを県民の推薦によって和歌
山県景観資源に登録し、保全や活用
を図ります。
○和歌山県建築物等の外観の維持保全及び景観支障状態の制限に関する条例(通称:景観支障防止条例)
平成24年1月から施行している景観支障防止条例を適切に運用し、住民要請に基づいた廃墟対策を実施します。
30
Ⅳ 主要事業の概要
6 建築・住宅
■建築基準法・建築士法・福祉のまちづくり
(1)現況と課題
耐震偽装事件の再発を防止し、建築物の安全性に対する信頼を回復させるべく、建築確認・検査の厳格化や建築士の業務の適正
化のための建築基準法・建築士法が改正されました。また、近年増加する火災やエレベーター事故等による被害を防止するため、
ストックの適正な維持管理や違反建築物の対策が急務となっています。
また、高齢者や障害者など、あらゆる人が建築物を円滑に使用できるようにするため、バリアフリー化を推進する必要がありま
す。
(2)整備方針
建築基準法改正や建築士法改正については、関係者と緊密な連携の下、建築確認手続きの円滑化のための取組を強化・継続させ
る必要があります。また、建築物の基準適合性の確認のためには、中間検査や完成検査の受検が不可欠であるため、検査率を向上
させるために啓発を行います。
また、集客施設や地震等の災害時に避難場所となる建築物について、建築物及び建築設備を常時適正に維持管理することによっ
て、人命及び財産の損失を未然に防止することを目的とした定期報告制度(建築基準法第12条で規定)の推進を図っています。
(3)平成28年度主要事業の概要
安全・安心な暮らしを実現する
○建築基準法施行事務
建築基準法に基づき、建築確認、中間検査、完了検査、建築許可などの事務を本庁建築住宅課、各振興局(海草を除く)で行っ
ています。
(和歌山市内は和歌山市が施行)
○和歌山県福祉のまちづくり条例施行事務
和歌山県福祉のまちづくり条例に基づき、新築建築物などのバリアフリー化を推進しています。
○わかやま・福祉のまちづくりマップ
「わかやま・福祉のまちづくりマップ」では、障害者や高齢者の方々が自由に行動できるよう、整備された必要な施設の情報を
提供しています。累計閲覧者数:160,270人(平成27年度末現在)
○福祉のまちづくり施設アドバイザー派遣事業
既存の公共的施設(民間)のバリアフリー化を促進するため、(一社)和歌山県建築士会と協力し、施設改善のアドバイザーを
無料で派遣しています。
■建築物の耐震対策
(1)現況と課題
和歌山県内の住宅の耐震化率は、74%(平成25年度)であり、全国平均82%を下回っています。
南海トラフ地震等による被害を低減させるために、過去の地震で特に被害の多い昭和56年以前の木造住宅について耐震化を促
進する必要があります。
また、多数の人が利用する建築物、危険物を貯蔵する建築物や倒壊により緊急輸送道路を閉塞するおそれのある建築物について
も、所有者等に耐震診断や耐震改修を促す必要があります。
(2)整備方針
「和歌山県耐震改修促進計画」では、平成32年度末の耐震化率95%を目標とし、耐震性の低い住宅の耐震改修を支援するため
の施策を実施します。
また、多数の人が利用する建築物等については、要緊急安全確認大規模建築物のうち、緊急に安全性を高める必要のある施設に
ついて支援するとともに、耐震化の必要性について啓発や指導・助言を行います。
31
Ⅳ 主要事業の概要
(3)平成28年度主要事業の概要
安全・安心な暮らしを実現する
○住宅耐震化促進事業
昭和56年5月以前に建築された住宅のうち、倒壊の危険性がある住宅に対して、市町村と連携し、耐震改修の促進を図ります。
平成28年度からは、「わかやま空き家バンク」、(一社)移住・住みかえ支援機構の「マイホーム借り上げ制度」を活用する空
き家も対象となります。
積極的な啓発
・イベント開催
積極的な啓発
・ラジオ、広報誌による啓発
・パンフレットの配布
・地域での説明会開催
耐震ベッド、
耐震診断
耐震シェルター補助
耐震診断
(H16∼)
【木造】
耐震診断士を派遣し、無料で
診断を実施
⃝個人負担無し
【非木造】
耐震診断費用の一部を補助
耐震診断費の一部を補助
⃝補助率:2/3
⃝限度額:8万9千円
補強設計
(H21∼)
【木造・非木造】
耐震補強設計費の一部を補助
補助率
2
:/3
○補助率
:2/3
限度額
:13万2千円
○限度額
:13万2千円
※建替えを対象に加える
※建替えを含む
(H16∼)
(H27∼)
【木造】
【非木造】
設置工事費の一部を補助
耐震診断費用の一部を補助
⃝補助率:2/3
8万9千円
⃝限度額:26万6千円
耐震改修サポート事業(H21∼)
耐震改修サポート事業(木造住宅のみ)
市町村の耐震診断を実施済みの高齢者等が居住する住宅に対して、耐震改修の
市町村の耐震判断を実施済みの高齢者等が居住する住宅に対して、
専門家「耐震マネージャー」を無料で派遣し、各種相談や改修計画の提案を行う
耐震改修
(H16∼)
【木造・非木造】
耐震改修費の一部を補助
⃝補助率:2/3+国費上乗せ
(11.5%+α)
⃝限度額:60万円+56万5千円
60万円+41万1千円
※建替えを
※建替えを含む
【木造】
避難重視型補強(H18∼)
避難重視型補強(H18∼)
改修前評点0.7未満を0.7以上
改修前評点0.7未満を0.7以上
に改修する住宅への補助
に改修する住宅への補助
○大規模建築物耐震化促進事業
耐震改修促進法の改正により、不特定多数の者が利用する建築物等のうち大規模なものについて、耐震診断が義務化されました。
それらの建築物のうち、緊急に安全性を高めていく必要がある以下の施設について補助制度を創設し、耐震化を促進します。
◆緊急に安全性を高めていく必要がある施設(国費+県費で支援)
耐震診断義務化の対象となる施設のうち、次のいずれかに該当する施設
①被災後の避難生活者を一定期間受け入れることができる避難所としての機能を有する施設
「ホテル・旅館」などを想定(市町村と協定を結ぶことを要件とする)
②災害時に自力での避難が困難な避難弱者が存在する施設
「病院、幼稚園、老人ホーム等」
◆順次安全性を高めていく施設(国費のみで支援)
③上記に該当しない施設
「物販店舗、遊技場等、集会場、銀行・郵便局、危険物の貯蔵場・処理場」
耐震対策の補助制度
32
Ⅳ 主要事業の概要
○被災建築物応急危険度判定制度
大規模な地震が発生した場合に、余震などによる建築物の倒壊や落下
物の危険度などを判定し、恒久的復旧までの間における被災建築物の使
用についての危険性を情報提供することによって、人命に係わる二次的
災害を防止することを目的としています。
応急危険度判定士登録者数:1,127人(平成28年4月1日現在)
○「津波からの円滑な避難に係る避難路沿いの建築物等の制限に関する条例」
地震により倒壊した建築物が、避難路をふさぐことにより、津波から
の避難の支障となることを防止するため、関係市町と連携して本条例を
運用し、避難路の安全確保に取り組みます。
■住宅
(1)現況と課題
熊本地震での活動風景
本県の住宅を取り巻く主な現況としては、急激な人口減少や少子高齢化の進行、空き家・老朽ストックの増加が挙げられます。
このため、子育て世代の住宅事情の向上を図るとともに高齢者が安心して暮らせるための生活支援や地域づくり、また老朽住宅の
建替・改善や空き家の有効活用などが課題となっています。
(2)整備方針
県では、住生活基本法に基づいた「和歌山県住生活基本計画」を策定し、住生活の安定の確保と向上の促進を基本に次の5つの
目標で住宅施策の実施を計画しています。
① 人口対策に貢献する住まい・まちづくり ④ 安全で安心できる住まい・まちづくり
② すべての県民の居住安定の確保 ⑤ きのくにの自然・文化を活かした住まい・まちづくり
③ 良質な住宅ストックの形成と有効活用
(3)平成28年度主要事業の概要
安全・安心な暮らしを実現する
①人口対策に貢献する住まい・まちづくり
○地域優良賃貸住宅供給促進事業
民間事業者等による良質な賃貸住宅の供給を促進します。
子育て・高齢者等世帯向けに一定の整備基準を満たす賃貸住宅を整備
する事業者に対して、整備費の一部を県が助成します。
平成27年度までに7団地101戸を供給しています。
②すべての県民の居住安定の確保
○サービス付き高齢者向け住宅事業の登録制度
高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)の改正によ
り、平成23年10月より規模・設備・提供するサービスなど一定の基
準を満たした賃貸住宅や有料老人ホームを「サービス付き高齢者向け住
宅」として登録いただき、その情報をインターネットや窓口で広く提供
しています。
室内風景
○シルバーハウジング・プロジェクト
高齢者が安全かつ安心して生活することができるよう、緊急通報システムの設置や福祉施設などとの連携による生活援助員の派
遣など、適切な福祉サービスを受けることのできるシルバーハウジング住宅の供給を行っています。
これまでに7団地(県及び市町村営)で実施しています。
33
Ⅳ 主要事業の概要
○公営住宅整備事業
公営住宅を整備し、住宅に困窮する低額所得者に供給することで、県民生活の安定と社会福祉の増進を図っています。
県営住宅川永団地
③良質な住宅ストックの形成と有効活用
○公営住宅ストック総合改善事業
既設公営住宅について、居住水準・生活環境・耐震性などを目的とした改善を実施することにより、良質な住宅ストックの形成
を図っています。
○特定優良(公共)賃貸住宅供給促進事業
中堅勤労者等の住生活の安定を図るため、ファミリータイプの優良な賃貸住宅の供給を促進しています。
○公営住宅の管理
公営住宅の新築や空家の状況に合わせた計画的な募集を行うことで、入居を希望する方々に対し的確に供給し、ストックの有効
活用を図っています。 ④安全で安心できる住まい・まちづくり
○住宅地区改良事業(市町村指導)
不良住宅が密集し住環境が劣っている地域において、不良住宅の除却、賃貸住宅の建設及び公共施設等の整備を行うことにより
住環境の改善を図るため、これまでに16地区で実施しました。
○改良住宅等改善事業(市町村指導)
既存の改良住宅等で、狭小・老朽化などにより居住水準の改善・向上
を図る必要がある団地において、改善事業や建替事業を実施し、既存住
宅の居住水準の向上を図ります。
○住宅新築資金等貸付助成事業
住宅新築資金等貸付事業において実施した貸付金の市町村における償
還事務費等に対し助成を行うことにより、償還率の向上を図るとともに、
市町村の財政負担を軽減します。平成27年度は、和歌山県住宅新築資
金等貸付金回収管理組合及び9市町に対して助成を実施しました。
34
串本町(前地団地)
Ⅳ 主要事業の概要
■空家対策
(1)現況と課題
適切な管理が行われていない空き家等が、防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしており、地域住民の
生命・身体・財産の保護、生活環境の保全、空き家等の活用等のため対応が必要になっています。
(2)整備方針
再利用が見込めない空き家については、除却を促進し、利用可能な中古住宅(空き家)については流通を促進させます。
(3)平成28年度主要事業の概要
時代に合った地域をつくる
①再利用が見込めない空家の除却促進
○空家等対策推進協議会(仮称)の設立
空き家対策に取り組む協議会を県が主体となって設立し、廃墟となった空き家の除却を促進します。
②活用可能な中古住宅(空家)流通の促進
○信頼できる流通制度の活用促進 「わかやま空き家バンク(定住支援住宅管理機構)」、「マイホーム借上げ制度((一社)移住・住みかえ支援機構)」を通じて、
空き家を流通する際、耐震化費用の一部を補助します。
○住宅診断制度の普及・啓発
中古住宅の流通促進を図るため、住宅の検査制度の普及・啓発を行います。
■県有建築物の整備
(1)整備方針
県民共有の財産である県有建築物の整備にあたっては、以下について重点的に取り組みます。
①災害に強い安全で安心な施設整備の推進
②利用者満足度の高い施設整備とコスト縮減の取組
③障害者・高齢者等に配慮したバリアフリー、ユニバーサルデザインの推進
④地球環境保全に係る省エネルギー、リサイクルの推進
⑤県有建築物における木材の利用促進及び紀州材などの県産品の積極的な利用の推進
(2)平成28年度主要事業の概要
安全・安心な暮らしを実現する
○川永団地建替工事
【工期】平成28年度∼平成29年度
【構造】鉄筋コンクリート造
【規模】地上6階建 延べ面積5,342㎡
川永団地建替(2期)完成予想図
○和歌山競輪場投票場新築工事
【工期】平成27年度∼平成28年度
【構造】木造
【規模】地上2階建 延べ面積1,660㎡
和歌山競輪場投票場 完成予想図
35
Ⅳ 主要事業の概要
○新宮警察署新築工事
【工期】平成27年度∼平成29年度
庁舎
【構造】鉄筋コンクリート造
【規模】地上3階地下1階建 延べ面積3,352㎡
宿舎
【構造】鉄筋コンクリート造
【規模】地上4階建 延べ面積1,140㎡
新宮警察署 完成予想図
○和歌山県消防学校新築工事
【工期】平成26年度∼平成28年度
③水難救助訓練施設
【構造】鉄筋コンクリート造
【規模】地上1階地下1階建
延べ面積576㎡
④高層訓練棟
【構造】鉄筋コンクリート造
【規模】地上6階地下1階建
延べ面積1,206㎡
⑤屋内訓練場
【構造】鉄筋コンクリート造
一部鉄骨造
【規模】地上2階建
延べ面積2,175㎡
⑦教育管理棟
【構造】鉄骨造
【規模】地上2階建
延べ面積1,942㎡
⑧宿泊棟
【構造】鉄骨造
【規模】地上2階建
延べ面積1,577㎡
○北河岸職員宿舎東棟新築工事
【工期】平成27年度∼平成28年度
【構造】鉄筋コンクリート造
【規模】地上4階建 延べ面積2,994㎡
北河岸職員宿舎東棟 完成予想図
36
※①救助訓練棟、②排水処理施設、⑥車庫棟は既に完成
消防学校 完成予想図
○串本建設部庁舎新築工事
【工期】平成27年度∼平成28年度
【構造】鉄筋コンクリート造
【規模】地上2階建 延べ面積870㎡
串本建設部庁舎 完成予想図
Ⅳ 主要事業の概要
7 港湾・海岸・漁港・空港
(1)現況と課題
■港湾
本県には、国際拠点港湾の和歌山下津港、重要港湾の日高港
○港湾の種類と数 (平成28年4月現在)
と、新宮港など13の地方港湾があります。地方港湾のなかで
全国
由良港と勝浦港については、避難港にも指定されています。
港
①国際拠点港湾:国際海上貨物輸送網の拠点となる港湾で、
政令で指定されています。
②重 要 港 湾:国際拠点港湾以外の港湾で海上輸送網の拠
点となる港湾その他の国の利害に重大な関係を有する港湾
で、政令で指定されています。
湾
和歌山県
数
933
15
国際戦略港湾
国際拠点港湾
重 要 港 湾
5
18
102
0
1
1
808
地 方 港 湾
(うち特定地域振興重要港湾) (13)
(う ち 避 難 港) (35)
13
(1)
(2)
備 考
和歌山下津港
日高港
文里港、湯浅広港他
新宮港
由良港、勝浦港
③地 方 港 湾:国際拠点港湾及び重要港湾以外の港湾で、
地方の利害に関わる港です。
④避
難
港:地方港湾のうち、荒天時、小型の船舶が避
難のために停泊することを主目的とした港湾で、政令で指
定されています。
和歌山県全体の年別貨物量の推移
観光クルーズ船の寄港実績
和歌山県の港湾
37
Ⅳ 主要事業の概要
◆和歌山下津港
和歌山下津港は、和歌山市、海南市、有田市の広範囲にまたがる港湾で、鉄鋼業、石油精製業など多数の有力企業が臨海部に立
地し、これらの企業の原材料や製品の物流拠点となっています。
また、韓国釜山港と結ぶ外貿定期コンテナ航路や、四国・徳島と連絡する定期フェリーの就航など本県最大の港湾として、地域
経済を支える重要な役割を担っています。
さらに現在では、神戸港との間で内航フィーダーによるコンテナ輸送が実施されており、取扱量は堅調に推移しています。
港湾施設の現況
港 区
主な公共係留施設
和歌山北港区
−10m岸壁 1バース
和歌山本港区
−13m岸壁
−12m岸壁
−10m岸壁
−7.5m岸壁
−5.5m岸壁
−4.5m岸壁
−4.5m桟橋
和歌浦・海南港区
−5.5m岸壁 2バース
下津港区
−4.5m桟橋 4バース
有田港区
−5.5m岸壁 2バース
1バース(−12m暫定)
1バース(耐震強化岸壁)
4バース
3バース(1バース事業中)
8バース
10バース
4バース
和歌山本港区
和歌山下津港全体図
外貿定期コンテナ航路スケジュール(平成28年4月現在)
運航日
航 路
運航日
航 路
週 1 便 毎週木曜日
大連→群山→光陽→蔚山→釜山→横浜・東京→名古屋→和歌山
(木)
→ 蔚山 → 釜山 → 光陽 → 群山 → 仁川 → 大連
週 1 便 毎週木曜日
(A)仁川 → 木浦 → 釜山 → 和歌山 → 東京・横浜 → 千葉→ 釜山 → 釜山新港 → 仁川
(木)
(B)仁川 → 釜山新港 → 釜山 → 清水 → 東京・横浜 → 名古屋 → 和歌山 → 釜山 → 仁川
(木)
和歌山下津港国際コンテナターミナル
38
Ⅳ 主要事業の概要
◆日高港
日高港は、日高川の河口に位置する港湾で、御坊市周辺の
地場産業である木材の取り扱いを中心に利用されてきました。
県下で2番目に指定された重要港湾として、平成10年5月よ
り塩屋地区のふ頭整備に着手し、平成16年4月に供用を開始
しました。また、平成20年11月には植物防疫法上の指定港
となり、今後更なる利用促進が期待されます。
港湾施設の現況
地 区
塩屋地区
主な公共係留施設
−12m岸壁 1バース(−10m暫定)
−7.5m岸壁 1バース(耐震強化岸壁)
−5.5m岸壁 1バース
日高港
◆新宮港
新宮港は、紀南地方唯一の外貿港湾であり、特定地域振興
重要港湾として、新宮地域のみならず、三重県や奈良県をも
含めた地域の拠点港として、重要な役割を果たしています。
船舶の大型化、大規模地震対策等のため、平成18年5月には、
−7.5m岸壁を2バース、11月には、−11m岸壁を1バー
ス供用開始しました。その後、平成19年8月には、航路及び
−11m岸壁前面の泊地を増深し、−12.5m岸壁としました。
大型船の安定入港のため、防波堤を整備し、港内静穏度の向
上を図っています。
港湾施設の現況
地 区
三輪崎地区
佐野地区
主な公共係留施設
−10m岸壁 1バース
−5.5m岸壁 1バース
−4.5m岸壁 2バース
新宮港
−12.5m岸壁 1バース
−7.5m岸壁 1バース(耐震強化岸壁)
−7.5m岸壁 1バース
◆プレジャーボート対策(放置艇“0”大作戦)
本県の公共水域等には、平成28年3月末で、約4500隻のプレジャーボートがあり、約半数が放置されています。これらの放
置艇は、騒音、違法駐車、景観の悪化などの問題だけで無く、地震時の津波襲来に伴う二次被害の原因となることへの懸念が高ま
っています。
県では、係留施設を整備し、放置艇の受入れ体制が確立した地域においては、地元自治会・船舶事業者などの協力を得て、放置
艇を無くす取組み(放置艇“0”大作戦)を行っています。平成27年度は、有田川(本川)において、放置艇“0”を達成しまし
た。
今後も、係留施設を整備した地域(和歌山下津港海南地区・日高港西川地区・文里港等)において、放置艇“0”大作戦を実施
していきます。
養翠園
雑賀崎小学校
放置艇
許可艇(係留施設)
放置艇“0”大作戦実施前
放置艇“0”大作戦実施後
和歌山市西浜(水軒川)地域
39
Ⅳ 主要事業の概要
■海岸
本県の海岸線は約652㎞あり、和歌山市から串本町までの
紀州灘と、串本町から新宮市までの熊野灘の2つの沿岸から
なっています。その美しい景観から大部分が国立公園や県立自
然公園に指定されており、海洋性レクリエーションの活動など
利用の場となっています。
本県は台風の常襲地帯であり、夏から秋にかけては台風によ
る異常な高波が沿岸に来襲することがあります。昭和20∼
30年代においては、"伊勢湾台風"、"第二室戸台風"などの超大
型台風が本県を襲い大きな被害が発生しました。現在の海岸保
全施設の多くが、このころに復旧・整備されたものであること
から、老朽化や防護機能の不足などの課題が顕在化してきてお
り、より安全性の高い海岸保全施設の整備や改良などによる防
災機能の向上が必要です。
さらに津波対策として、避難困難地域の解消に向けて、海岸
保全施設の補強・嵩上げや水門・樋門の自動化等の対策を実施
していきます。
和歌山県の海岸線
高潮対策(文里港海岸)
美しい海岸風景(白浜海岸)
整備された海岸護岸(和歌山下津港海岸女の浦地区)
40
Ⅳ 主要事業の概要
■漁港
本県においては、94の漁港があります。その
うち流通拠点漁港(箕島、塩屋、田辺、串本、
勝浦)が5漁港、生産拠点漁港(雑賀崎、阿
尾、堺、周参見 外40漁港)が44漁港あり、
これらの拠点漁港は、平成25年度では県内の漁
港で水揚げする漁獲物の75.3%を占めていま
す。本県の水産業は、周辺水域の豊かな資源に
恵まれて発展してきましたが、近年の資源水準
の悪化、魚価の低迷、生産コストの増加等によ
り漁業経営に悪影響が生じています。このよう
ななか、食品の安全性に対する消費者の関心や
衛生状態に対する意識がこれまでになく高ま
り、安全で良質な水産物の消費者への提供は、
産地が果たすべき基本的な役割として求められ
るようになりました。このようなことから、産
地の販売力を強化するソフト施策と併せて、安
全で良質な水産物が安定的に供給されるよう、
拠点的な漁港の整備が必要とされています。
和歌山県の流通拠点漁港
陳列状況
陸揚げ状況
また、今後、新たな設備投資が難しい時代背景の下で、地域資源の有効活用の観点から、海洋レクリエーションなどにこれらの
既存ストックを利用して、都市漁村交流を促進することが求められています。
漁業体験
和歌浦漁港おっとっと広場
41
Ⅳ 主要事業の概要
■南紀白浜空港
南紀白浜空港は、本県の空の玄関口として、昭和43年に開
港して以来、多くの皆様にご利用いただき、紀南地方の産業・
文化振興に大きな役割を果たしています。
また、紀南地方は観光・リゾート資源が豊富にあり、加えて
南紀白浜空港は県内の一大観光地である白浜町に位置している
ことから、利用者に占める観光客の割合が多い空港です。これ
らの資源を活かして地域の活性化を図るため、新たなネット
ワークの形成や国際チャーター便の増加に努めています。
●沿革
昭和43年4月 開 港(滑走路長1,200m)
平成 8年3月 新空港開港(滑走路長1,800m)
平成12年9月 滑走路延長(滑走路長2,000m)
南紀白浜空港
定期便到着状況(エンブラエル170)
無料パーキングエリアを完備(229台)
◆年度別搭乗者数・搭乗率
南紀白浜空港位置図
42
Ⅳ 主要事業の概要
(2)整備方針
東海・東南海・南海3連動地震による津波への対策として、津波避難困難地域の解消のための堤防整備や早期の復旧復興につな
げるための港湾・漁港の施設強化を推進するとともに、港湾・漁港の機能拡充、南紀白浜空港の活性化、施設の適切な維持管理等
に取り組んでいます。
「 ○地震津波対策
・3連動地震の津波避難困難地域
解消のための対策
・経済被害を抑え、早期の復旧・
復興につなげるための対策
・水門・樋門の自動化等
・橋梁の耐震化対策
「 」
○放置艇対策
・係留施設の整備推進
」
○港湾・漁港の機能拡充と利便性
向上
・防波堤整備による静穏度不足
の解消
係留施設整備
○高潮・波浪対策
・海岸護岸等の整備推進
海岸護岸の補強
新宮港
○南紀白浜空港の活性化
・施設拡充や運営のあり方の検討
○港湾・海岸・漁港施設の機能保持
・施設の適切な維持管理
(3)平成28年度主要事業の概要
安全・安心な暮らしを実現する
○地震津波対策
◆東海・東南海・南海3連動地震の津波避難困難地域解消のための対策
●事業箇所
・那智勝浦海岸(那智勝浦町)
・新宮港海岸(那智勝浦町)
・串本海岸(串本町)
・太地海岸(太地町)
・串本漁港(串本町)
・太地漁港(太地町)
●事業内容
・堤防等の整備
3連動地震津波の第1波を防ぎ、避難時間を確保するため堤防等
を整備します。
津波避難困難地域解消のための対策
(那智勝浦海岸)
◆経済被害を抑え、早期の復旧・復興につなげるための津波対策
●事業箇所
・由良港(由良町、日高町) 他 1港湾 4漁港
●事業内容
港湾・漁港の既存施設の嵩上げ、拡幅等による強化を優先的に進め、
地域経済被害を低減します。
由良港
43
Ⅳ 主要事業の概要
◆水門・樋門の自動化
津波来襲時の水門等閉鎖時間の短縮及び操作員の安全確保のため、
水門等の自動化を平成24年度より概ね5箇年で実施します。
自動化する樋門(浦神港海岸)
○高潮・波浪対策
海岸保全基本計画のうち、近年の越波等被災履歴のある箇所から対策を進めます。
◆高潮対策事業
●事業箇所
・日置海岸(白浜町)
◆海岸環境整備事業
●事業箇所 ・田辺漁港海岸(田辺市)
●事業内容
・海水浴場の整備
防災対策を備えた海水浴場の整備により、海浜
での憩いの空間を創出します。
田辺漁港海岸
○放置艇対策
県下におけるプレジャーボート係留保管施設の整備と適正な係留を呼び掛けるとともに、放置等禁止箇所を制定し、不適切な係
留をする所有者に対して、行政代執行などの強制的な措置を行い、プレジャーボートの適切な係留保管に取り組みます。
◆港湾施設整備事業
●事業箇所
港湾施設整備事業
小型船舶係留施設
・和歌山下津港(海南市) ほか3港
港湾施設整備事業
●事業内容
小型船舶係留施設
・プレジャーボート係留保管施設の整備
和歌山下津港(海南市)ほか3港に
おいて、係留保管施設を整備し、プレ
ジャーボートの係留保管の適正化を図
ります。
和歌山下津港
行政代執行風景
44
Ⅳ 主要事業の概要
時代に合った地域をつくる
○港湾・漁港の機能拡充と利便性向上
◆港湾施設整備事業
●事業箇所
・和歌山下津港(和歌山市)
●事業内容
・泊地の整備
物流コストの縮減、効率的輸送のため、船舶の安全な航
行、係留を確保するため泊地を整備し海上輸送の利便性
向上を図ります。
青岸地区泊地(-7.5m) A=3.1ha
●事業箇所
・新宮港(新宮市)
●事業内容
・防波堤の整備
物流コストの縮減、効率的な輸送のため、船舶の安全な
航行、係留を確保する防波堤を整備し、紀南地域唯一の
外国貿易港の利便性向上を図ります。
防波堤(1) L=300m
防波堤(2) L=150m
◆水産流通基盤整備事業
●事業箇所
・雑賀崎漁港(和歌山市)
●事業内容
・沖防波堤の整備
沖防波堤を整備し、港内静穏度を向上させることにより、
他港への避難回数の減少や漁船の耐用年数の延長等、労
働環境の改善を図ります。
●事業箇所
・周参見漁港(すさみ町)
●事業内容
・防波堤の整備
防波堤を整備し、港内静穏度を向上させることにより、
他港への避難回数の減少や漁船の耐用年数の延長等、労
働環境の改善を図ります。
那智勝浦町
新宮市
防波堤(1)L=300m(H22年度完成)
防波堤(2) L=150m 工事中
新宮港
雑賀崎漁港
周参見漁港西防波堤
45
Ⅳ 主要事業の概要
○南紀白浜空港の活性化
国際線誘致に向け国際ターミナルビルの基本設計・実施設
計に着手するとともに,コンセッションや民間委託等運営の
あり方について検討を行います。
また、引き続き南紀白浜空港へのチャーター便の誘致・定
着・拡大を進めるとともに、南紀と首都圏が直結する立地条
件を活かし利用しやすい環境づくりを進め、観光客・ビジネ
ス利用者増を目指します。
南紀白浜空港
○港湾・海岸・漁港施設の機能保持
◆港湾施設整備事業
●事業箇所
・和歌山下津港(和歌山市) 他
●事業内容
・老朽化した施設の改修
港湾施設の機能保持のため、老朽化した施設の改修を
実施します。
老朽化した物揚場
◆海岸堤防等老朽化対策緊急事業
●事業箇所
・和歌山下津港海岸(和歌山市、有田市)
・湯浅広港海岸(湯浅町)
●事業内容
・老朽化した施設の改修
海岸保全施設の機能保持のため、老朽化した施設の改
修を実施します。
老朽化の著しい海岸施設(和歌山下津港海岸)
◆水産物供給基盤機能保全事業
●事業箇所
・勝浦漁港(那智勝浦町) 他
●事業内容
・老朽化した施設の改修
漁港施設の機能保持のため、老朽化した施設の改修を
実施します。
老朽化した岸壁
46
Ⅳ 主要事業の概要
8 防災・災害復旧
○災害復旧事業
大雨や洪水等の異常な天然現象により被災した公共土木施設の速やかな復旧を行い、より安全で機能的な社会基盤を確保し、県
民の安全・安心を図ります。
災害復旧事業の推移
被災箇所の復旧事例
■河川災害
■道路災害
平成25年発生災害 二級河川 有田川
かつらぎ町花園新子地内
平成23年発生災害 一般国道 311号
田辺市中辺路町真砂∼
栗栖川地内
復旧前
復旧前
復旧後
復旧後
47
Ⅳ 主要事業の概要
■急傾斜地崩壊防止施設災害
平成26年発生災害 池崎地区
海南市日方地内
復旧前
復旧後
○改良復旧事業(河川等災害関連事業)
被災箇所の災害復旧事業のみでは、事業効果が限定的な場合等に、被災していない箇所を含む一連の区間において、川幅や道路幅
の拡幅、被災箇所を回避するトンネルや橋梁の整備等、施設機能の強化を行うとともに、再度災害を防止します。
現在、平成27年の台風11号によって甚大な被害が発生した江川(日高川町)において、改良復旧事業を実施し、再度災害の防止
を図ることとしています。
被災
災害復旧事業
改良復旧事業
出水状況
江川(日高川町) 平成27年7月17日
午前8時頃
48
Ⅳ 主要事業の概要
○県土整備部の地震・津波対策
今後、30年以内に南海トラフにおいて、マグニチュード8∼9クラスの大地震が
70%程度(平成27年1月14日地震調査研究推進本部公表)の確率で発生すると見
込まれています。大地震が発生した場合、県内に重大な被害をもたらし、社会生活
にも大きな影響を及ぼすと想定されています。
県では、津波から住民の命を救い、死者をゼロとするため、「津波から『逃げ切
る!』支援対策プログラム」を策定しました。
りっこう
また、水門・樋門の自動化・遠隔操作化や陸閘の廃止、避難路沿いの老朽建築物
対策、県営住宅の避難ビル化などにも取り組んでいます。
津波から「逃げ切る!」支援対策プログラム(平成26年10月公表)
南海トラフ沿いの領域で約90年から150年周期で発生し、大きな被害が想定されている「東海・東南海・南海3連動地震」
(マグニチュード8.7)と、発生頻度は極めて低いものの、仮に発生すれば極めて甚大な被害が予想される「南海トラフ巨大地
震」(マグニチュード9.1)において、津波避難困難地域の抽出を行い、その解消に向けた対策を定めることにより、津波から住
民の命を救い、死者をゼロとします。
⑴3連動地震による津波への対策
①津波避難困難地域の解消のための堤防整備
避難ビルの指定等、ソフト対策だけでは津波避難困難地域の解消が困難な地域において、津波の第1波を防ぎ、避難時間を
確保するための堤防等の整備を行います。
②早期の復旧・復興につなげるための港湾・漁港の施設強化
経済被害を抑え、早期の復旧復興につなげるため、市町が実施する避難路・避難施設の整備や公共施設の高台移転等ととも
に、地域を守る堤防等の整備を行います。
49
Ⅳ 主要事業の概要
⑵南海トラフ巨大地震による津波への対策
まずは3連動地震の津波対策を実施します。その対策だけでは津波避難困難地域の解消が困難な地域について、住宅の高台移
転や避難に活用できる複合避難ビル整備などの構造物の整備などによる地域改造も含めた対策の検討を行っていきます。
また、津波防災対策を着実に進めるため、「津波防災地域づくりに関する法律」に基づき、市町による「津波防災地域づくり
を総合的に推進するための計画」(推進計画)の作成に支援を行うとともに、浸水想定区域を津波災害警戒区域(イエローゾー
ン)として指定(平成28年4月19日、一部を除き指定済)し、避難体制の強化を図ります。
50
Ⅴ
事業推進のための取組
1 新公共調達制度
本県では、公共調達制度の改革を行い、平成20年6月より新制度による入札を実施し、「予算の効率的な執行」はもちろんのこ
と、「公共工事の品質の確保」、
「建設業界の健全な発展」に資するよう取り組んでいます。
【建設工事】
■条件付き一般競争入札の全面導入
発注者の恣意性を徹底的に排除し、WTO対象案件を除き条件付き一般競争入札を全面導入し、より一層の透明性、公平性、競
争性の確保に努めています。
■新業者評価制度の導入
条件付き一般競争入札の全面実施にあたり、「3つの観点」から新たな企業評価を実現するため、和歌山県の建設企業の実情に
合った評価項目を数多く採用した新「業者評価制度」を導入し、成長する企業を応援するとともに、建設業界の健全な発展を目指
した支援に取り組んでいます。
◆3つの観点◆
1.不良不適格業者の排除
2.工事における品質の確保
3.地域社会の要請に応えうる県内優良業者の育成
主な手段
入札参加資格審査の厳格化と施工体制のチェック強化!
技術力、施工実績等を重視!
災害時等の貢献等を評価!
◆評価事項(総合点数)◆
51
Ⅴ 事業推進のための取組
◆ランク付け(発注基準額)◆
工事を適正に施工し、品質を確保するためには、施工能力等に応じた発注が必要であるため、新業者評価制度に基づき、工種
ごとに県内統一のランク付けを行い、ランクごとに発注基準額を定めています。
◆審査等の厳格化◆
新業者評価制度における、資格審査や加点評価にあたっては、書面審査に加えて実地調査を行い、さらに、ランク認定後も営
業所調査を随時行っており、審査の厳格化を図っています。
■和歌山県の実情をふまえた総合評価落札方式の導入
標準的な技術・工法を前提とし、価格のみの競争だったこれまでの落札方式とは異なり、新しい技術やノウハウといった価格以
外の要素を含め総合的に評価する総合評価落札方式を予定価格(税抜き)が3,000万円以上の全ての建設工事に導入し、工事の品
質確保に取り組んでいます。なお、新業者評価制度において、品質向上に関する情報をデータベース化して、これらの情報を有効
に活用し、効率的な総合評価落札方式を実施しています。
◆評価値の算出方法(除算式)◆
総合評価落札方式では、次式により算出された「評価値」の高い応札者が落札者となります。
※評価値
=
技術評価点
入札価格(千円)
×105 =
標準点(※基礎点:100 点)
+加算点
入札価格(千円)
×105
※評価値は小数点第4位止めとし、小数点第5位を四捨五入します。 ※基礎点は、応札した全ての業者に与えられます。
◆総合評価落札方式の型式◆ (土木一式工事の例)
※入札手続き期間の短縮と早期発注による緊急の経済対策のため、平成21年2月から予定価格(税抜き)5千万円以上1億円未
満の工事における総合評価落札方式について、簡易型ではなく特別簡易型を適用しています。
52
Ⅴ 事業推進のための取組
◆学識経験者の意見聴取(透明性の確保)◆
総合評価落札方式の実施にあたっては、地方自治法および同法施行令に基づき、「和歌山県建設工事等総合評価審査委員会」
を設置し、学識経験者の意見を聞くこととしており、評価が困難な具体の技術提案等については、審査の透明性を確保するため、
学識経験者による評価を行っています。
■ダンピング対策の強化
最低制限価格制度及び低入札価格調査制度を導入し、いわゆるダンピング(不当廉売)受注による公正な取引秩序の阻害、下請
け業者へのしわ寄せ、目的物の品質低下、労働条件の悪化等を未然に防止し、契約内容に適合した履行確保に取り組んでいます。
◆最低制限価格の設定◆
予定価格(税抜き)1億円未満の建設工事において、あらかじめ設定した最低制限価格を下回る価格をもって入札した者が
あった場合、不当に安価な入札と判断し、当該入札者を失格とします。
最低制限価格の算定式
(直接工事費×100%+共通仮設費×90%+現場管理費×80%+一般管理費×55%)
×1.08×ランダム係数
(*)
※ダンピング対策の強化のため、平成28年6月1日以降に入札公告を行う工事から最低制限価格を引き上げます。
(最低制限価格の算定式:現場管理費×80%→現場管理費×90%)
◆低入札価格調査の実施◆
予定価格(税抜き)1億円以上の建設工事において、あらかじめ設定した調査基準価格を下回る価格をもって入札した者が あった場合、当該契約の内容に適合した履行がなされるかどうか調査した上で、落札者としての是非を決定しています。
調査基準価格の算定式
(直接工事費×95%+共通仮設費×90%+現場管理費×80%+一般管理費×55%)
×1.08×ランダム係数
(*)
※ダンピング対策の強化のため、平成28年6月1日以降に入札公告を行う工事から低入札価格調査の対象額を引き上げます。
(調査基準価格の算定式:現場管理費×80%→現場管理費×90%)
また、見積書の内訳が、予定価格の各費用に率を乗じて得た額のいずれかに満たない場合は、「特別重点調査」の対象とし、
通常の低入札価格調査で求める資料に加えて添付資料を求め、積算根拠が過去の実績に基づく妥当なものかどうか等、特に重点
的に調査を実施します。
特別重点調査基準額の設定率
【直接工事費の95%、共通仮設費の70%、現場管理費の70%、一般管理費の30%】
※営繕工事では、直接工事費及び現場管理費を個別に判定せず、合計額で判定を行います。
*算定にあたっては、ランダム係数(一定の範囲で無作為に発生させる係数)を乗じることにより価格を変動させます。
◆予定価格等事後公表◆
予定価格(税抜き1億円以上の工事)や最低制限価格・調査基準価格を事後公表とすることにより、適正な見積もりによる入
札を阻害するような過度の低入札を招く要因の排除に取り組んでいます。
■技術者不足対策
技術者不足対策として、主任技術者の専任要件、フレックス工期の導入による配置技術者要件及び現場代理人の常駐義務の緩
和措置を行っています。
■社会保険等未加入対策
従来より建設業許可申請及び経営事項審査での未加入業者への加入指導や保険担当部局への通報、入札参加資格審査でのラン
クダウン等の措置を行っているところですが、さらなる対策として、平成27年4月1日以降に入札公告を行う工事において下
記の取組を実施しています。
また、平成28・29年度から、社会保険等に加入義務があるにもかかわらず未加入の場合、入札参加資格の認定を行わないも
のとし、認定を受けている者が未加入となった場合、取消事由に該当するものとします。
◆未加入業者は入札参加不可
県が発注するすべての建設工事において、入札公告で「社会保険等に加入していること」を入札参加条件に追加しています。
◆未加入の一次下請業者との下請契約を原則禁止
下請総額3,000万円(建築一式工事では4,500万円)以上の工事を対象に、未加入の一次下請業者との下請契約を原則禁止
します。一次下請業者が加入しない場合、元請業者に入札参加資格停止の措置を行います。
◆低入札工事ではより厳しく対処
低入札価格調査時に一次下請予定業者の社会保険等加入状況を確認し、未加入が認められた場合は失格とします。
◆すべての未加入業者に対する指導等の実施
すべての未加入業者(二次下請業者以下も含む)に対し、加入指導及び保険担当部局への通報等を行います。
【建設工事に係る委託業務】
■条件付き一般競争入札の全面導入
建設工事に係る全ての委託業務においても、平成20年6月から、より競争性・公平性・透明性の向上を図るため、指名競争
入札を原則廃止し、条件付き一般競争入札を導入しています。
◆3つの観点◆
1.不良不適格業者の排除
2.品質の確保 〔一定の能力・信頼性・ダンピング対策〕
3.県内業者の育成
の3つの観点から、新たに入札参加資格審査申請や入札参加条件等を定めた制度です。
53
Ⅴ 事業推進のための取組
◆入札参加資格◆
入札参加資格審査申請のために必要な主な条件
〈全業者対象〉
1.地方自治法施行令の資格要件を有すること
2.県税等の未納がないこと
3.役員等に、暴力団等との関係がないこと
【不良不適格業者の排除】
4.測量業務の入札参加を希望する者は測量法
による登録を受けていること。
5.建築関係建設コンサルタント業務(建築一
般)の設計・監理の入札参加を希望する者
は建築士法による登録を受けていること。
〈県外業者対象〉
6.土木関係建設コンサルタント業務【一定の能力】
会社全体で技術士数が5名以上の者であること。
7.建築関係建設コンサルタント業務〈建築総合〉
会社全体で1級建築士数が20名以上の者であること。
8.補償関係コンサルタント業務
会社全体で「補償業務管理者、補償業務管理士」数が合わせて5名以上の者であること。
9.測量業務〈航空測量〉
測量法第55条の2第1項第5号により、航空測量(空中写真撮影及び空中写真図化)を
主として請け負う測量の種類としている者であること。また、会社全体の測量士数が10名
以上の者であること。
※建築関係建設コンサルタント業務のうち暖冷房・衛生・電気、航空測量を除く
測量業務、地質調査業務は、県外業者は原則認めない。【県内業者の育成】
認 定
〈全ての業務の入札参加条件〉
・和歌山県発注業務で過去3ヶ月間に60点未満、過去6ヶ月間に55点未満の業務成績がないこと。 【信頼性】
・県内に本店または支店・営業所等を有していること。
【県内業者の育成】
(県発注業務が極めて少ない特殊な業務については除く)
実績条件を満たす場合
◆個別の発注業務ごとの入札参加条件(最低限必要な条件〉◆
「一定の能力」
業務内容
区 分
【道路部門、
鋼構造及びコンクリート部門など 21 部門】
地域条件
登録等条件
所属技術者条件
簡易な構造物の設計等の業務(予定
県内
A1 価格 400 万円未満の業務 ただし橋
2 ブロック*2 当該部門の認定
梁、
法面、
砂防ダムの設計除く)
県内
国への登録
かつ当該部門の認定
湾等の計画を行う B1 一般的な構造物の設計等の業務
(擁壁、
コンクリート橋等の設計)
業務
県内
当該部門の認定
B2 一般的な構造物の設計等の業務
(上記 B1 を除く設計)
C
高度な技術を要する構造物の
設計等の業務
当該部門の国への登録
県内 かつ当該部門の認定
混合
県外 当該部門の国への登録
かつ当該部門の認定
混合
当該部門の国への登録
かつ当該部門の認定
実績条件(会社)
備 考
会社全体の技術士等又は RCCM が合
わせて 2 名以上
•平面交差点、
落石防護柵、
擁壁、
単
純な構造の橋梁等の設計・計画
受注実績
(国等又は都道府県、 •ただし、
法面設計
(安定計算を含
まない)
及び橋梁設計、
砂防ダム
政令市、
県内市町村)
詳細設計は、
予定価格 400 万円
未満であっても A2 区分とする。
当該部門の技術士等又は RCCM が合
わせて 2 名以上
当該部門の技術士等又は RCCM が合
わせて 2 名以上
当該部門の実績
(国等又は都
道府県、
政令市)
会社全体の技術士等又は RCCM が合
わせて 1 名以上
土木構造物等の設 A2 簡易な構造物の設計等の業務
(予定価格 400 万円以上の業務)
計や道路、河川、港
総
合
評
価
方
式
「信頼性」
※表中の予定価格は税抜きとする。
Ⅰ. 土木関係建設コンサルタント業務
鋼構造及びコンクリー
•道路部門、
ト部門に関する業務
当該部門の技術士が 2 名以上
当該部門の技術士が 3 名以上
同種業務の実績
(国等又は都
道府県、
政令市)
• シールド、
簡易な水門、
複雑な構
造の橋梁等の設計・計画で B1
区分以外の業務
ダム本体、
水門、
桟橋、
•トンネル、
吊橋等の設計・計画
•業務内容により、
当該部門以外の部門
(関連部門)
の登録や技術者数を条件とする場合があります。
例えば橋梁設計で当該部門
(鋼構造及びコンクリート)
に対する土質基礎などの部門が関連部門となります。
*2•県内 2 ブロック
(
【海草+那賀 + 伊都+有田】
【日高+西牟婁 + 串本 + 新宮】
、
)
Ⅱ. 建築関係建設コンサルタント業務(建築総合)
業務内容
区 分
地域条件
【建築一般部門、
意匠部門、
構造部門、
建築積算部門、
調査部門の 5 部門】
登録等条件
所属技術者条件
業務
総
合
評
価
方
式
県内
当該部門の認定
1 級建築士が 1 名以上
• 倉庫、
車庫等の新築、
改修設計
受注実績
(国等又は都道府県、 • 体育館、
学校等の改修設計で大
政令市、
県内市町村)
規模なものは除く
B
一般的な建築物の設計等の業務
県内
当該部門の認定
1 級建築士が 2 名以上
• 体育館、
学校等の新築設計・監
受注実績
(国等又は都道府県、 理及び大規模な改修設計
• 美術館、
病院等の改修設計で大
政令市)
規模なものは除く
混合
当該部門の認定
混合
当該部門の認定
1 級建築士が 2 名以上、かつ、1 級建築士を 1 ポイント、2 級建
築士及び木造建築士を 0.5 ポイントとし、合計 5 ポイント以上
1 級建築士が 20 名以上、又は中小企業組合として
登録された協同組合で 1 級建築士が 50 名以上
同種業務の実績
(国等又は都
道府県、
政令市)
C1 高度な技術を要する建築物の設計等の業務
(予定価格 4,000 万円未満の業務)
高度な技術を要する建築物の設計等の業務
C2
(予定価格 4,000 万円以上の業務)
Ⅲ. 建築関係建設コンサルタント業務(建築設備)
業務内容
改修等で建築設備の
設計を単独で行う業務
区 分
地域条件
全ての業務
県内
区 分
及び
「物件部
A 「土地調査部門」
門の内、
簡易な業務」
建 物 等 の 調 査・算
定を行う業務
B 上記以外の業務
県内
混合
測 量 一 般(土 地 の
形状や用地を測る
業務)
航 空 測 量(航 空 機
を利用した測量)
区 分
登録等条件
当該部門の国への登録
県外 かつ当該部門の認定
登録等条件
県内
A 予定価格 250 万円未満の業務 6 ブロック*3 測量一般の認定
B 予定価格 250 万円以上の業務
全ての業務
所属技術者条件
8 部門のいずれかの部門の国
への登録、
かつ当該部門の認定
県内
測量一般の認定
2 ブロック*4
混合
航空測量の認定
実績条件(会社)
当該部門の実績
(国等又は都
道府県、
政令市、
県内市町村)
当該部門の国への登録
県内 かつ当該部門の認定
地域条件
実績条件(会社)
備 考
受注実績
(国等又は都道府県、 建築物の給排水、
衛生設備、
空調設
備及び電気設備の改修工事の設計
政令市、
県内市町村)
当該部門の認定
Ⅴ. 測量業務
業務内容
所属技術者条件
【土地調査部門、
物件部門など 8部門】
地域条件
病院等の新築設計・監
• 美術館、
理及び大規模な改修設計
【暖冷房部門、
衛生部門、
電気部門の 3 部門】
登録等条件
Ⅳ. 補償関係コンサルタント業務
業務内容
備 考
簡易な建築物の設計等の業務
建築物等の
設計を行う
実績条件(会社)
A
当該部門の補償業務管理士
(補償
業務管理者以外の者)
が 1 名以上
【部門の分類なし】
所属技術者条件
測量士が 1 名以上
測量士又は測量士補が合わせて 3 名以上
測量士が 1 名以上
当該部門の実績
(国等又は都
道府県、
政令市)
実績条件(会社)
備 考
簡易な業務とは、
住宅等の延べ面積
の合計が 500 ㎡未満までとする。
「機械工作物部門」、
「土地評価部門」、
「営業補償・特殊補償部門」
「事業
、
、
損失部門」
「補償関連部門」
、
「総合
補償部門」
、
「物件
部門の内、
簡易な
業務を除く」
備 考
受注実績
(国等又は都道府県、 • 地形測量
政令市、
県内市町村)
• 横断測量
受注実績
(国等又は都道府県、 • 縦断測量
• 用地測量 等
政令市)
受注実績
(国等又は都道府県、 航空機等の所有等の条件を付す。
政令市、
県内市町村)
*3•県内
Ⅵ. 地質調査業務
業務内容
地質の調査を行う
業務
区 分
地域条件
A 予定価格 500 万円未満の業務
6 ブロック
(
【伊都+那賀】
、
海草、
有田、
日高、
西牟婁、
【串本 + 新宮】
)
*4•県内 2 ブロック
(
【海草+那賀 + 伊都 + 有田】
【日高 + 西牟婁 + 串本 + 新宮】
、
)
【部門の分類なし】
実績条件(会社)
備 考
所属技術者条件
地質調査業の認定
県内
B 予定価格 500 万円以上の業務
登録等条件
国への登録かつ
地質調査業の認定
受注実績
(国等又は都道府県、 • ボーリング調査
• 弾性波探査 等
政令市、
県内市町村)
※実績条件のみ満たさない場合
新規参入を認めるため、実績を持たない場合でも、同等の能力が認め
られれば入札参加可能となる制度を導入。
54
一般業務認定審査部会及び
高度技術業務認定審査部会の設置
Ⅴ 事業推進のための取組
+
◆最低制限価格の設定◆
◆
予定価格(税抜き)3千万円未満の業務に最低制限価格(事後公表・変動制)を設定しています。【ダンピング対策】
◆最低制限価格の算定式◆
(業務種別毎に定めた以下の①∼④により算出された額の合計金額)×1.08×ランダム係数※
①
業種区分
②
土木関係建設
コンサルタント業務
直接人件費の額
建築関係建設
コンサルタント業務
直接人件費の額
特別経費の額
補償関係
コンサルタント業務
直接人件費の額
直接経費の額
測量業務
直接測量費の額
測量調査費の額
地質調査業務
直接調査費の額
間接調査費の額に
10分の9を乗じて得た額
直接経費の額
③
④
一般管理費等の額に10分の3を乗じて得た額
その他原価の額に10分の9を乗じて得た額
※3
(10分の4.5)
技術経費の額に10分の6を乗じて得た額※1 諸経費の額に10分の6を乗じて得た額※1
技術料等経費の額に10分の6を乗じて得た額 諸経費の額に10分の6を乗じて得た額
その他原価の額に10分の9を乗じて得た額
一般管理費等の額に10分の3を乗じて得た額
※3
(10分の4.5)
技術経費の額に10分の6を乗じて得た額※2 諸経費の額に10分の6を乗じて得た額※2
諸経費の額に10分の4を乗じて得た額
※3
(10分の4.5)
-
解析等調査業務費の額に10分の7.5を乗じて得た額 諸経費の額に10分の4を乗じて得た額
※3
※3
(10分の8)
(10分の4.5)
※1・地すべり調査解析業務に適用。
※2・用地精度監理業務に適用。
※3・ダンピング対策の強化のため、平成28年6月1日以降に入札広告を行う委託業務から最低制限価格を引き上げます。
※算定にあたっては、ランダム係数(一定の範囲で無作為に発生させる係数)を乗じることにより価格を変動させます。
◆予定価格等事後公表◆
予定価格(税抜き3千万円以上の業務)や最低制限価格を事後公表としています。 ◆不正及び不適格行為による処分◆ 【不良不適格業者の排除】
1.入札参加資格取消
(重大な瑕疵があった場合の措置(6∼12ヶ月))
2.入札参加資格停止
■総合評価落札方式の導入
平成25年11月より一層の品質確保を図るため、予定価格(税抜き)1,000万円以上の「土木関係建設コンサルタント業務の区
分B2及び区分C」並びに「建築関係建設コンサルタント業務(建築総合)の区分B、区分C1及び区分C2」において、総合評価落
札方式を導入しています。
◆評価値の算出方法(加算式)◆
総合評価落札方式では、次式により算出された「評価値」の高い応札者が落札者となります。
評価値 = 価格評価点 + 技術評価点
価格評価点 = 100点×(1− 入札価格/予定価格 )
※2技術評価点 = 技術提案 + 技術者・企業の能力 + 地域貢献
(104点)
(30∼50点)
(50∼30点) (24点)
※1
※1評価値は少数点第4位止めとし、小数点第5位を四捨五入します。
※2技術評価点の得点合計は最大100点とします。
[技術提案]
・業務の実施方針
・具体的なテーマに関する
技術提案 等
[技術者・企業の能力]
(技術者)
・保有資格
・継続教育
・同種業務の実績
・業務成績
(企業)
・業務成績 等
[地域貢献]
・建設部管内での業務実績
・技術者の居住地
・本店の有無 ・大規模災害時の協定締結の有無
・障害者雇用への取組
・障害者就労施設等からの物品等の購入 等
*技術評価点の内訳や評価内容については業務の内容毎に決定します。
55
Ⅴ 事業推進のための取組
◆学識経験者の意見聴取(透明性の確保)◆
総合評価落札方式の実施にあたっては、地方自治法および同法施行令に基づき、「和歌山県建設工事等総合評価審査委員会」
を設置し、学識経験者の意見を聞くこととしており、評価が困難な評価テーマに関する技術提案等については、審査の透明性を
確保するため、学識経験者により評価を行っています。
■新公共調達制度推進委員会の設置
新制度の円滑な推進を図るため、県土整備部内に「新公共調達制度推進委員会」を設置し、県民・事業者・建設関係団体の方々
の意見や要望を幅広く聴取するとともに、様々な角度から入札の実施状況について検証・評価を行い、必要に応じて制度改正を実
施するなど、より良い制度となるよう取り組んでいます。
■公共事業における情報の電子化による効率化(公共工事等統合支援システム)
書類や図面等の情報を電子化してインターネット上で電子入札や入札情報の公開を行うとともに電子納品等に対応するためのシ
ステムを運用しています。
◆電子入札の実施◆
平成27年4月1日公告分から電子入札を全面導入し、入札者及び発注者のコスト縮減、事務の効率化を図っています。
◆電子納品の実施◆
工事の成果品については予定価格(税抜き)1,000万円以上が電子納品の対象となっており、委託業務の成果品については全
案件が電子納品の対象となっています。
■建設産業の振興
建設業者の持続的な発展支援を目的として、経営基盤強化などの建設業支援セミナーを開催しています。
平成27年度は「建設業の担い手の育成及び確保」というテーマで講演を実施しました。
■公共工事の発注調整
工事の工期末が年度末に集中し、この時期の繁忙が著しい一方、年度当初は主に入札事務∼準備期間で工事閑散期となっており、
年度末の工事での人手不足及び年度当初の労働者遊休化が課題であるため、公共工事の発注調整を行っています。
◆施策◆
①債務負担行為の更なる積極活用(一般的工事への拡大)
②随時の繰越議案上程による工事発注
③早期発注の徹底(前年度からの発注準備等)
◆効果◆
閑散期の工事量確保により施工時期等を平準化することで、以下の効果が期待
・建設業の企業経営の健全化(人材・機材の実働日数の向上)
・労働者の処遇改善(所得及び雇用の安定化)
◆目標◆
3月が工期末の工事件数を4割程度縮減
■和歌山県地域発注者協議会の設置
平成26年6月に「公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律」が施行され、発注者の責務に、公共工事の品
質確保に不可欠な担い手の中長期的な育成・確保、公共工事の品質確保に関する施策の策定及び実施のための発注者間の連携強化
等が追加されました。
こうした状況を踏まえ、平成27年5月に県、県内市町村、国及び特殊法人の公共工事の発注機関が発注関係事務の適切かつ効
率的な運用の実施に必要な連携、支援及び連絡調整を行うため、県内市町村長等を委員とした「和歌山県地域発注者協議会」を設立
しました。
平成27年度は「歩切り撤廃」と「低入札対策の導入」について取り組みを行い、その結果、県内全市町村で「歩切り撤廃」と
「低入札対策の導入」が行われました。
56
Ⅴ 事業推進のための取組
2 技術・品質管理
■技術管理
◆適切な基準等の改定◆
公共工事等の積算は標準的な工法、施工能力、設計単価により工
事費を算定しています。
また、設計単価については、国や和歌山県が市場調査を行ったも
のや、市販の物価資料を基に決定しています。
急激な価格変動が懸念される資材については、設計単価の改定頻
度を高め、適正な積算に努めています。
◆公共土木施設の設計◆
和歌山県においては、厳しい財政状況の下、限られた予算の効率
的な執行により、着実に社会資本を整備する必要があるとともに、
今後老朽化する社会資本の急増が予想される中で、県民の安全・安
心を第一に将来の維持管理・更新費用の増大に対応することも急務
となっています。
これまでは、使用する材料を特注品にせず汎用品を使うなど、主
として工事施工段階において、工法や材料により可能な限りコスト
縮減に取り組んできました。
今後、更なるコスト縮減に取り組むため、設計の基本に立ち返り、
県の地形・地理的条件を考慮したり、長期的に使える構造やシンプ
ルな構造の施設とすることなど設計の基本的な考え方をとりまとめ
た「公共土木施設の設計についての運用指針(案)」を策定しました。
このことにより、施工・維持管理を見通したトータルコストの縮
減が可能となります。
【設計のポイント】
○地形・地理的に応じた設計
○長期的に使える構造物の設計(維持管理が簡単な設計)
○県内企業で施工可能なシンプルな構造の設計
◆抜本的なコスト縮減への挑戦◆
限られた財源を有効に活用し、社会資本整備の充実を図るため、公共
工事のコスト縮減を推進しています。
その抜本的な取組の一つとして、設計VE(バリューエンジニアリング)を実
践しています。
設計VEとは、社会資本を整備するプロセスの上流である設計段階に
おいて、その公共財に要求される機能(地域や利用者のニーズ)を徹底
的に分析し、その機能を最低のライフサイクルコストで達成させるため
のアイデアや具体策について、様々な分野における専門家の知識や経験
を結集し、多面的かつ体系的に検討を行い新たな代替案を見いだす組織
的な改善活動です。
こうした改善活動を積極的に実践することにより、社会資本が提供す
るサービス水準を低下させることなく、効果的にコスト縮減を実現させ、
より最適な公共財の調達を図っています。
◆和歌山県工事連絡調整会議の実施◆
公共工事の品質確保と円滑な工程管理には、発注者及び当該工事に係
る設計者の設計思想、施工上の留意点等を施工者に的確に伝えることが
必要不可欠です。そのため、発注者、施工者及び設計者により構成され
る工事連絡調整会議を開催し、工事の品質確保と円滑化を図ると共に、
情報を相互に共有することにより、一層の技術力向上を図っています。
公共土木施設の設計【具体例】
設計VEによる価値向上の概念
ワークショップ活動(アイデア発想)
57
Ⅴ 事業推進のための取組
◆和歌山県県土整備部建設工事事故調査委員会の設置◆
県土整備部発注工事において発生した事故について、情報を収集し原因などを分析することにより、類似の工事における事
故の再発防止を図っています。
年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
平成27年度
事故件数
6件
6件
8件
5件
5件
和歌山公共事業評価概念図
∼透明性のある公共事業を目指して∼
事前評価
(新規評価)(継続評価)
事業実施
結果のフィードバック
◆公共事業評価◆
公共事業の評価システムを構築することにより、効率的かつ効果的な
事業執行に努めます。また、評価結果を公表することにより、透明性の
ある公共事業を目指します。
①事前評価・・・(平成16年度から実施)
事前評価は、翌年度の箇所付けを行う事業箇所を対象に評価を行い、
事業箇所毎の妥当性の検証及び事業箇所間の優先度評価を実施し、評
価結果については、予算編成時の判断指標として反映します。
②公共事業再評価・・・(平成10年から実施) 事業採択後長期間経過している事業や、社会経済情勢等の変化により
再評価の必要が生じた事業の評価を行い、事業の継続、休止、中止を
決定し、新しい時代のニーズや地域にあった最適な事業の実施に努め
ています。
事業実施しない
部内検討会儀
再 評 価
事業継続
事業休止
事業中止
事業完了
■品質管理 事後評価
◆技術職員の技術力向上◆
県土整備部職員能力向上アクションプログラムに基づき、体系的かつ集中的な研修を実施し、監督員に必要な技術力やその
他総合的な能力向上を図ることにより、良質な社会資本の整備に努めています。
◆施工体制調査の徹底◆
県土整備部が発注する工事において、公共工事の適正な施工体制の確保を図るとともに、ペーパーカンパニー等の不良・不
適格業者の排除を徹底するため、工事現場の立ち入り調査を実施します。
◆厳正な検査の実施◆
厳正かつ適確な工事検査を実施し、受注者の適正な評価及び指導育成、並びに品質の向上に努めています。
①検査業務を一元化し、厳正な工事検査を実施しています。
②よりきめ細やかな評定を行い建設業者のより適切な評価に努めています。
③国土交通省の検査への臨場や外部研修会へ参加するなど検査技術の向上に努めています。
◆県内調達の拡大◆
県内調達推進のより一層の推進を図るため、建設工事の受注者に、下請契約は県内建設業者、資材調達は県内建設資材の優
先使用に努めるよう義務づけ、県内調達推進に努めています。
◆県産品の需要拡大◆
県土整備部の発注する工事については、県産品(建設資材・工法・技術)の広報・利用・普及に努めています。
「けんさんぴん登録制度(建設関係資材などの登録)」への登録状況(平28年3月末現在)は、資材225社、802品目、工
法8社、13工法となっています。
施設の基本計画や事業計画において県産品の活用を積極的に検討し、規格・品質・価格が条件を満たすものは、優先的に使
用するように努めています。
県産品の積極的な利用を促進するため、県産品の使用を工事成績評定の加点の対象としています。また、総合評価方式にお
いても県産品等の積極利用を評価項目とし加点の対象としています。
◆公共土木工事における木材の利用促進◆
県土整備部の発注する土木工事について、紀州材利用の促進に努めています。
平成26年6月に、「公共土木工事木材利用マニュアル」を策定し、木材を利用した木製構造物の設計や施工に関する標準
的な事項を定め、有効かつ積極的な木材の利用を図っています。
58
Ⅴ 事業推進のための取組
◆和歌山県優良工事表彰の実施◆
和歌山県は、発注した建設工事のうち、優秀な技術と適正な施
工により品質・出来映え等が優れた工事を施工した県内建設会社
と技術者を表彰しています。
平成27年度表彰は、平成26年度に完成した2,434件の工事
のうち、10件を選定しています。
選考基準は、評定要領に定める工事成績評定点が75点以上の
工事で、その内容が特に優れ、他の模範となるものであることな
どを審査しています。
■市町村等への技術支援■
◆災害復旧等への技術支援◆
技術者OBを登録・紹介する「わかやま技術支援人材バンク」の活用
を推進し、大規模災害時や平常時の市町村等への技術支援に努めます。
◆老朽化した土木構造物の点検業務等を支援◆
市町村からの要請に応じ、橋梁等の点検を県が受託して実施します。
◆市町村技術職員の技術力向上を支援◆
市町村職員の技術研修を実施し、技術力向上に努めます。
■環境対策
平成27年度の表彰式の模様
県(検査・技術支援課)
職
員
の
技
術
研
修
構
造
物
の
点
検
要
請
県・市町村OB等
点
検
受
託
市
登
録
わかやま技術支援人材バンク
支
援
要
請
町
支
援
村 等
◆建設副産物対策の取り組み◆
市町村等への技術支援
a)建設発生土対策
①発生の抑制、工事間利用の促進及び適正処理の推進を基本方針として、公共工事における建設発生土対策に取り組んでいます。
②県発注建設工事の発生土受入施設の指定を行っています。
③公共工事の土量調査を実施し、建設発生土の工事間流用を促進しています。
b)建設リサイクルの推進
資源循環型の社会構築に向け、建設リサイクル法に基づく分別解体及び再資源化の適正な実施の取り組みや、3R(リ
デュース・リユース・リサイクル)型公共事業の検討など、建設リサイクルの推進に取り組んでいます。
◆自然にやさしい技術者認定制度の実施◆
自然豊かな県土の保全、復元及び創出を図り、次の世代にかけ
がえのない県土を引き継いでいくために必要な知識、評価能力及
び技術を習得した技術者の育成を目的とし、平成18年度からこ
の制度を実施しています。
自然にやさしい技術者認定制度に関する研修会に参加し、単位
を取得することで「自然にやさしい技術者」に認定しており、平
成27年度の研修会は4回開催し、平成27年度末時点で134名
が認定を受けています。
また、この研修会は(一社)全国土木施工管理技士会連合会の
CPDS学習プログラム(継続学習制度)の認定も受けています。
自然にやさしい技術者認定制度に関する研修会の模様
59
Ⅴ 事業推進のための取組
■県内建設業界の競争力強化
新技術開発等に積極的に取り組む県内企業に対して、新技術開発に関する情報提供や実験フィールドの提供などの支援を行いま
す。また、県内企業全体の技術力向上のため、積極的に講習会の開催を行います。
県内建設業界の競争力強化事業
1 県外企業と対等に競争できる施工能力・技術力の強化
2 公共工事の品質を確保し、良質な社会資本を整備するため、県内企業の底上げ
新技術開発等に取り組む県内企業をサポート
1 競争力強化
○新技術開発支援
①アイデア段階
○新技術開発に関する各種情報提供
(H22年度∼)
(H22年度∼)
○大学等学術機関との調整(専門家の紹介)
②試験施工段階
⃝実験フィールド提供支援 (H22年度∼)
県内
企業
③評価段階
(H22年度∼H25年度)
⃝効果検証費用支援※ ○H26年度∼
①・②は継続し、
③ は「 わかやま
中小企業元気
ファンド」へ移行
県内企業全体の技術力向上をサポート
2 技術力向上
60
○講習会開催等支援補助金
(H22年度∼)
・技術力向上講習会開催支援(CPD対象)
・資格取得講習会への参加支援(1級国家資格)
⃝県主催講習会開催
(CPD対象)
(H18年度∼、H22年度∼)
・競争力強化セミナー
・自然にやさしい技術者認定制度に関する研修会
(技術者継続教育
(CPD)
対象研修)
・技術力向上講習会
Ⅴ 事業推進のための取組
3 県土整備の迅速かつ着実な推進
県土整備部では、公共工事の品質確保とともに、公共事業を迅速に、かつ着実に進める取組を行っています。
1.事業の進行管理と用地取得対策
目 的 限られた公共事業予算をより効率的に執行し、早期に所定の効果を着実に発揮させる。
取り組み方針
背景
Ⅰ.事業の進行管理
1)計画的発注
2)繰越額縮減
地元関係者との調整に時間を要したり、測量、
設計から用地買収、工事発注までを同一年度内
に行う等の理由から遅延する事業が多い。
主な方策
工事進捗の確認
Ⅱ.用地取得対策
3)用地取得に係る透明性と公平性
●公有地価格審査会
●標準地協議
4)用地取得の促進
●市町村との
協力体制
用地取得現地打合せ
●課題・懸案を情報共有し、円滑な事業推進を図る。
①用地管理システム
②工事管理システム
③主要プロジェクト進行管理
●地元、関係機関調整など前年度からの事前準備
●進行管理の組織体制整備
●事業の3サイクル化※など
※事業の3サイクル化
①工事施工
②工事施工の前年度までに用地取得
③用地補償説明の前年度までに測量調査等を行うことを
原則化。
2. 土地収用制度の積極的活用
事業進捗をより確実にするためには用地取得の円滑化が喫緊の課題であり、土地収用法の積極的活用を図ります。
⑴適期申請ルール
原則、用地幅杭打設から3年又は用地取得率が80%になったときのいず
れか早い時期までに事業認定手続に着手します。
大規模な事業や困難が予想される事業については、完了目標年度を見据
えた土地収用制度の活用を図ります。
⑵手続保留制度の活用
特に大規模な事業の一部について、収用委員会への裁決申請期限が猶予
される手続保留制度を活用することにより、このような範囲、区間を含
め一括して事業認定を取得し、計画的に事業を進めます。
事業認定の周知看板
事業認定
国土交通大臣等が、事業が真に公共のためになるものであること等を確認し、起業者に対して土地等を
収用し、又は使用する手続を行うことができるという権限を付与する制度です。
収用委員会
土地収用法に基づく行政機関であり、
起業者、
土地所有者及び関係人からの意見聴取や現地調査等を行い、
収用する区域、損失補償額及び明渡期限等について裁決をします。
61
付録
県土整備部の主なできごと
昭和21年度(1946) 南海道地震死者行方不明269名。
昭和23年度(1948) 和歌山港が和歌山下津港となり、開港場
に指定。
昭和28年度(1953) 梅雨前線豪雨(7月17日∼18日)。
死者615人、行方不明431人、家屋の全
壊流出8,682戸、被災者総数250,000人。
昭和31年度(1956) 七川ダム完成。
昭和34年度(1959) 伊勢湾台風来襲。死者行方不明18名。
昭和35年度(1960) 高野山有料道路開通。
和歌山下津港港湾計画(新規)承認。
昭和36年度(1961) 第2室戸台風来襲。死者行方不明16名。
昭和37年度(1962) 和歌山下津港青岸埋立整備事業完成。
昭和38年度(1963) 白浜有料道路開通。
昭和39年度(1964) 宇治浄化ポンプ8㎥/s完成。
昭和40年度(1965) 和歌山下津港が特定重要港湾に指定。
宇久井港埋立整備事業完成。
昭和41年度(1966) 海南港埋立整備事業完成。
県道粉河加太線完成。
昭和42年度(1967) 和歌山南港(木材港)埋立整備事業完成。
紀の川大橋(26号バイパス)完成。
二川ダム完成。
昭和43年度(1968) 南紀白浜空港開港。滑走路1,200m供用
開始。東京̶白浜間に定期航路開設。
昭和44年度(1969) 潮岬有料道路開通。
国道42号 第一次改築が完工。
昭和46年度(1971) 第26回全国国民体育大会開催。
和歌山下津港万トン埠頭第1バース完成。
和歌山、海南両市に市街化区域と市街化
調整区域を設定。
国道168号 高田口トンネル、吊鐘トン
ネル開通。
県道新和歌浦線 新和歌浦トンネル開通。
紀三井寺運動公園 整備完了。
昭和47年度(1972) 県道路公社を設立。
昭和48年度(1973) 都市計画法に基づく新用途地域を決定。
昭和49年度(1974) 河西県民プール 完成。
近畿自動車道和歌山線(阪和高速道路)
が開通。
県道本宮古座川線が一部開通。
和歌山下津港万トン埠頭第2バース完成。
近畿自動車道和歌山線 海南−阪南間開通。
昭和50年度(1975) 広川ダム完成。
県道かつらぎ高野線 梨木峠改良工事完成。
県道市鹿野朝来停車場線 卒塔婆トンネ
ル開通。
昭和51年度(1976) 由良港網代高潮ポンプ場完成。
国道170号橋本バイパス開通。
由良港海岸高潮対策完成。
昭和53年度(1978) 和歌川ポンプ10㎥/s完成。
昭和54年度(1979) 新川(上富田町)新隧道完成。
新宮港港湾整備(第1期)事業完成。
文里港排水事業完成。
昭和55年度(1980) 和歌山下津港片男波海水浴場オープン。
椿山ダム着工。
高野龍神スカイライン開通。
紀の川流域下水道(伊都処理区)事業
着手。
河西公園完成。
昭和56年度(1981) 湯浅広港排水機場完成。
昭和57年度(1982) 田辺十津川線上秋津川バイパス完成。
紀三井寺ポンプ10㎥/s完成。
昭和58年度(1983) 国道42号有田バイパス(有田大橋)開通。
和歌山下津港万トン埠頭第3、第4、第5
バース完成。
昭和59年度(1984) 海南湯浅道開通。
和歌山下津港中国青島港と友好港提携締結。
和歌山下津港北港魚釣り公園オープン。
昭和60年度(1985) 杭ノ瀬ポンプ6㎥/s完成。
「関西国際空港関連施設整備大綱」閣議
決定。
国道42号田辺バイパス開通。
和歌山下津港黒江排水機場完成。
昭和61年度(1986) 和歌山下津港青岸橋完成。
市田川排水機場及び水門完成。
62
昭和62年度(1987) 河西緩衝緑地オープン。
国道311号朝来バイパス開通。
昭和63年度(1988) 国道24号岩出バイパス全通。
中小高橋川完成。
椿山ダム(本体)完成。
県道泉佐野打田線開通。
平成元年度(1989) 和歌川高潮ポンプ15㎥/s完成。
新宮港関税法上の開港指定。
和歌山マリーナシティ株式会社(第3セ
クター)設立。
平成3年度(1991) 和歌山下津港片男波地区第2期計画完成。
平成4年度(1992) 紀ノ川河口大橋(みなと大橋)開通。
小規模池野山川完成。
和歌山下津港毛見地区埋立整備事業第一
工区竣工。
平成5年度(1993) 紀の川大堰本体工事着工。
国際津波シンポジウム開催。
紀淡連絡道路 現地調査開始(建設省、
兵庫県、和歌山県)。
国道24号和歌山バイパス全線供用開始。
堺∼岸和田和泉間開通により阪和自動車
道全線開通。
林道水上栃谷線開通。
平成6年度(1994) 和歌山マリーナシティで世界リゾート博
開催(7月16日∼9月25日)。
国道424号美山・金屋バイパス(白馬ト
ンネル)開通。
5月29日を紀の国川の日に制定。
湯浅御坊道路吉備IC−広川IC開通。
和歌山下津港毛見地区埋立整備事業第二
工区竣工。
和歌山下津港雑賀崎地区埋立整備事業第
一工区竣工。
国際砂防シンポジウム開催(世界リゾー
ト博)。
広域農道紀の川地区全線開通。
平成7年度(1995) 阪神・淡路大震災発生。
災害関連緊急地すべり対策事業 竣工式
(金屋町西ヶ峰、沼田地区)。
南部川、ふるさとの川整備計画認定。
和歌山下津港−釜山港定期コンテナ航路
開設。
国道42号田辺バイパス暫定開通。
南紀白浜空港(新空港)滑走路1,800m
供用開始。
毛原宮地区(紀見野町) 特定利用斜面
保全事業完成。
平成8年度(1996) 砂防ボランティア和歌山県協会 設立
(都道府県では全国初)。
湯浅御坊道路広川IC−御坊IC開通。
国道169号奧瀞道路1期工事完成。
本宮町特定環境保全公共下水道(川湯処
理区)供用開始。
広域農道南紀地区全線開通。
平成9年度(1997) 国道42号日置川道路全線開通。
広域農道日高地区全線開通。
平成10年度(1998) 県道龍神中辺路線開通。
那智勝浦道路起工式。
京奈和自動車道橋本道路起工式。
近畿自動車道紀勢線御坊∼南部間起工式。
大滝ダム定礎式。
新宮川から熊野川へ名称変更。
日高港港湾整備(第1期)事業着手。
和歌山県公共事業再評価委員会設置。
平成11年度(1999) 南紀熊野体験博開催(4月29日∼9月
19日)。
和歌山下津港内港地区排水機場完成。
河川審議会設立。
国道311号本宮町∼上富田町間開通。
県道樫野串本線くしもと大橋開通。
県立橋本体育館完成。
椎の浦地区(那智勝浦町)特定利用斜面
保全事業完成。
付録
平成12年度(2000)
平成13年度(2001)
平成14年度(2002)
平成15年度(2003)
平成16年度(2004)
平成17年度(2005)
平成18年度(2006)
平成19年度(2007)
土木防災情報システム(河川・砂防情報
システム)・土石流警戒システム運用開始。
南紀白浜空港(新空港)滑走路2,000m
供用開始。
猪谷川水辺公園(ふるさと砂防事業)完
成(美山村)。
県道市鹿野鮎川線 新深谷トンネル開通。
県道井関御坊線 新鹿ヶ瀬トンネル開通。
国道424号 金屋バイパス全線開通。
生馬橋(県道上富田すさみ線)開通。
伊都浄化センター通水。
湊神前線(宮前跨線橋)供用開始。
和歌山下津港和歌山本港区−13m岸壁
(ガントリークレーン)供用開始。
県道田辺印南線新鶴の湯バイパス開通。
県道泉佐野岩出線森バイパス開通。
田口川砂防公園(吉備町)完成。
長距離フェリー航路(川崎∼那智勝浦∼
宮崎)の開設(株式会社マリンエキスプ
レス)。
龍神温泉浄化センター通水(県代行)。
不動谷川(高野町)通常砂防事業完成。
小長井地区(太地町)特定利用斜面保全
事業完成。
国道425号 小家谷拡幅開通。
国道371号 相瀬∼立合バイパス開通。
国道26号 和歌山北バイパス開通。
国道371号 高野龍神スカイライン無料
開放。
阪和自動車道 御坊IC−みなべIC開通。
北山村道市老谷線 不動トンネル開通。
有田川洪水予報開始。
日高川洪水予報開始。
日高港(塩屋地区)供用開始。
県道すさみ古座線 曲利バイパス開通。
ふるさと林道小匠小森川線 全線開通。
湯浅御坊道路 広川南IC完成。
西脇山口線 平井工区開通。
五條新宮道路 七色高架橋・土河屋トン
ネル開通。
農免道路塩屋地区 全線開通。
ふるさと農道竜門地区開通。
県道花園美里線 花園美里トンネル開通。
海南湯浅道路 海南IC−吉備IC高速道路
編入。
河西緩衝緑地東松江緑地完成。
湊神前線西開通。
国道480号 須谷バイパス開通。
極楽谷川(高野町)通常砂防事業完成。
五條新宮道路 熊野川本宮道路開通。
国道480号 平道路(東谷∼萩原間)開通。
国道371号 橋本高野橋開通。
京奈和自動車道 橋本道路
(橋本IC−高野口IC開通)
(橋本東IC−県境開通)
国道371号 橋本バイパス(東家∼市脇
間)開通。
国道480号 三田バイパス開通。
国道370号 美里バイパス(福田∼野中
間)開通。
国道480号 梨子ノ木バイパス
志賀高野山トンネル開通。
京奈和自動車道紀北東道路起工式。
新宮港Ⅱ期埋立工区供用開始
京奈和自動車道 橋本道路(橋本東IC∼
橋本IC)開通。
阪和自動車道 みなべIC∼南紀田辺IC開
通。
国道371号 中南バイパス開通。
国道425号 大峠拡幅開通。
町道 紀州サン・リゾートライン開通
(県代行)。
那智勝浦新宮道路(新宮三輪崎∼那智勝浦IC)
開通。
平成20年度(2008)
平成21年度(2009)
平成22年度(2010)
平成23年度(2011)
平成24年度(2012)
平成25年度(2013)
平成26年度(2014)
県庁舎南別館完成、移転。
土砂災害警戒情報開始。
泉佐野岩出線 新風吹トンネル(上り)
暫定供用。
国道169号 奥瀞道路開通。
国道169号 宮井バイパス開通。
西脇山口線 坂田工区開通。
国道168号 越路道路開通。
那賀浄化センター通水。
文里港 −5.5m岸壁 供用開始。
志原地区(白浜町)特定利用斜面保全事業
完成。
国道371号 温川バイパス全線開通。
京奈和自動車道紀北西道路起工式。
国道424号 修理川バイパス全線開通。
西脇山口線 善明寺工区開通。
国道480号 平道路全線開通。
県道泉佐野岩出線(R24-府県境)全線
4車線開通。
阪和自動車道 和歌山北IC開通。
県道芳養清川線 中芳養工区開通。
元町新庄線 海蔵寺工区開通。
和歌山下津港海南地区津波対策事業着手。
国道371号 橋本バイパス(柱本∼慶賀
野)開通。
国道370号 重根拡幅一部開通。
国道425号 王子川谷拡幅全線開通。
阪和自動車道 海南IC ∼有田IC 下り2
車線完成。
国道425号 切目川バイパス(高串∼田
ノ垣内)開通。
国道424号 福井バイパス全線開通。
国道371号 蔵土バイパス全線開通。
国道424号 南部川谷拡幅全線開通。
雨量、河川水位等のデータ放送開始
(NHK、テレビ和歌山)。
古座川洪水予報開始。
和歌山下津港臨港道路紀の川右岸線の供用。
阪和自動車道 海南IC∼有田IC4車線化
完成。
県道あけぼの広角線 全線開通。
県道御坊由良線(小引工区)開通。
県道西川原粉河線 全線開通。
湯浅広港津波防波堤完成。
紀の川大堰建設事業完了。
台風12号来襲により死者56名、行方不
明5名。(紀伊半島大水害)
京奈和自動車道 紀北東道路(高野口IC
∼紀北かつらぎIC)開通。
切目川ダム本体工事着工。
大滝ダム竣工。
町道代行 大谷連絡線全線開通。
国道168号 日足道路(日足∼能城山本)
開通。
国道424号 滝頭拡幅全線開通。
国道370号 美里バイパス全線開通。
国道370号 毛原工区全線開通。
国道480号 岩野河バイパス全線開通。
国道168号 本宮道路全線開通。
串本地区(串本町)特定利用斜面保全事
業完成
国道425号 切目川バイパス全線開通。
国道42号 田辺西バイパス暫定開通。
国道168号 日足道路全線開通。
京奈和自動車道 紀北東道路(紀北かつ
らぎIC ∼紀の川IC)開通。
熊野川(日足・本宮)洪水予報開始。
秋葉山公園県民水泳場供用。
国道371号橋本バイパス(東家∼三石
台)開通(一部暫定2車線)。
県道有田湯浅線 田∼栖原工区開通。
県道粉河加太線 直川工区開通。
県道三田三葛線 和田工区開通。
県道和歌山橋本線 西渋田∼東渋田工区開通。
63
付録
切目川ダム竣工。
国道371号高野山道路全線開通。
伏菟野地区特定緊急地すべり対策事業完成。
新宮港緑地竣工。
国道370号 重根拡幅全線開通。
平成27年度(2015) 紀勢自動車道(南紀田辺IC∼南紀白浜IC)
開通。
県道和歌山橋本線(和田工区、遠方工区)
開通。
紀勢自動車道(南紀白浜IC∼すさみ南IC)
開通。
県道那智勝浦古座川線(山手∼中山崎工区)
開通。
国道370号 小畑∼動木工区開通。
京奈和自動車道 紀北西道路(紀の川IC
∼岩出根来IC)開通。
国道26号 和歌山岬道路(大谷ランプ
∼平井ランプ)開通。
国道169号 奥瀞道路(Ⅱ期)開通。
那智勝浦新宮道路(那智勝浦IC∼市屋)
開通。
国道424号 清川工区部分供用。
県道白浜温泉線(白浜∼富田工区)
部分開通。
紀の国わかやま国体・大会開催。
(9/26∼10/26)
県道御坊湯浅線(衣奈∼門前工区)開通。
平成28年度(2016) 和歌山県土砂災害啓発センター完成。
64
和歌山県提供の洪水、災害関連情報
河川雨量情報
http://kasensabo02.pref.wakayama.lg.jp/
土砂災害警戒情報
http://kasensabo01.pref.wakayama.lg.jp/new/
スマートフォン以外の方はこちら
(河川雨量・土砂災害警戒情報)
http://kasensabo02.pref.wakayama.lg.jp/keitai/
土砂災害危険箇所等
http://sabomap.pref.wakayama.lg.jp/
災害に関する情報を
HPでチェックしてみてワン!
【きいちゃんプロフィール】
和歌山を表す「紀の国」「紀伊国」
と「紀州犬」の頭文字「き」をとっ
て、親しみやすく「きいちゃん」と名
付けました。
紀州犬をモチーフにした元気いっぱ
いのマスコットです。体の緑色のマー
クは、和歌山の頭文字Wと豊かな緑を
表現しています。
生まれ育った和歌山の自然とスポー
ツが大好き。
平成28年5月
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