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音楽と宗教
音楽と宗教 Ⅱ シラバス コース別 専門科目 1 教職科目 2 全コース共通 選択科目 3 教養科目 4 専攻科科目 5 藤原 一弘 担当教員 授業形態 配当年次 期 間 対象コース 科目分類 単 位 科目コード 講 義 1〜4 通 年 全 専門選択(全コース共通)/共通選択 4 0155 1 主題・到達目標 授業計画 音と言葉 —バロックの作品を中心に音楽修辞を学 ぶ— バロック音楽といえば誰でもJ. S. バッハの名をすぐ に思い浮かべるだろう。バロック時代の末に生きたバッ ハは、自国ドイツのみならずフランス、イタリアなど の様々な音楽を貪欲に学び、これを吸収・同化して自 らの音楽を生み出した。彼が先人たちから学んだ最大 のものの一つに、音楽を言葉と密接に関わらせる作曲 の方法、いわゆる音楽修辞がある。これはルネサンス の後期から徐々に形作られた、音楽に意味を担わせる 様々な手段であり、バロック時代には主にドイツで理 論化が行われた。歌詞のある声楽曲ではもちろんのこ と、言葉とは直接の結びつきのない器楽曲でも音楽修 辞は様々な形で用いられ、聴き手はその意味を正確に 理解していた。この伝統から隔てられた今日の聴衆に は理解できない内容が、数多く当時の音楽には込めら れていたのである。本講義では、様々な作品を通じて、 とくにバッハの音楽の理解に欠くことのできない音楽 修辞を多角的に解説する。扱うのは主にバッハの声楽・ 器楽作品だが、彼に影響を与えた16世紀ルネサンスか ら17世紀バロックの様々な作曲家の作品ならびに、モー ツァルトやシューベルトなどバッハ以後の作曲家の作 品における音楽修辞の影響も論じる。 2 [前期] 第一回目の講義でオリエンテーションを行い、それ 以降は中世からルネサンス、17世紀バロックにおける 音楽修辞について以下のテーマで授業を進める。 授業概要 前期ではまず修辞学の伝統を論じた後、これがどの ように音楽へと取り入れられたのかを扱う。その後は、 様々な時代と作曲家の作品を詳しく解説しながら、作 曲がどのように音楽修辞を用いたかを具体的に解説す る。作品を聴くことと理解することを毎回授業で行っ てゆく。 3 修辞学の伝統 3 音と言葉の関わりの始まり 中世( 1 ) 4 音と言葉の関わりの始まり 中世( 2 ) 5 音と言葉の関わりの始まり 中世( 3 ) 6 音と言葉の関わりの深化 ルネサンス( 1 ) 7 音と言葉の関わりの深化 ルネサンス( 2 ) 8 音と言葉の関わりの深化 ルネサンス( 3 ) 9 音楽修辞の理論化 10 17世紀バロックの音楽修辞 イタリア( 1 ) 11 17世紀バロックの音楽修辞 イタリア( 2 ) 12 17世紀バロックの音楽修辞 イタリア( 3 ) 13 17世紀バロックの音楽修辞 フランスとイギリス( 1 ) 14 17世紀バロックの音楽修辞 フランスとイギリス( 2 ) 15 17世紀バロックの音楽修辞 フランスとイギリス( 3 ) 後期はバッハの声楽作品、オルガン音楽における音 楽修辞の実際を具体的に読み解いていく。 授業時間外の学習(予習・復習について) 成績評価の方法及び基準 学期末の筆記試験ないしレポート(評価の100%) 5 ガイダンス 2 [後期] 基本的に予習は必要ありません。授業内で重要と言 われた内容に関しては徐々に憶えるようにしてくださ い。 参考文献として挙げた佐藤信夫氏の最初の 2 冊は、 音楽については全く論じられていないものの、一年間 の講義を理解する上で極めて重要なので、必ず読むよ うに。内容も理解しやすいばかりか、氏の文章は独特 のユーモアに満ち、かつ知的な興奮に満ちているので、 再度一読を勧めます。 4 1 授業で使用するテキスト・参考文献 テキストはない。随時、必要なプリントを配付します。 以下に参考文献を挙げておきます。 佐藤信夫著『レトリック感覚』 (講談社学術文庫、1992) 佐藤信夫著『レトリック認識』 (講談社学術文庫、1992) 佐藤信夫、松尾大、佐々木健一著『レトリック事典』 (大修館書店、2006) Dietrich Bartel, Musica Poetica,(Lincoln: University of Nebraska Press, 1997) 1 バッハと音楽修辞の伝統 2 バッハの声楽曲と音楽修辞( 1 ) 3 バッハの声楽曲と音楽修辞( 2 ) 4 バッハの声楽曲と音楽修辞( 3 ) 5 バッハの声楽曲と音楽修辞( 4 ) 6 バッハの声楽曲と音楽修辞( 5 ) 7 バッハの器楽曲と音楽修辞( 1 ) 8 バッハの器楽曲と音楽修辞( 2 ) 9 バッハの器楽曲と音楽修辞( 3 ) 10 バッハの器楽曲と音楽修辞( 4 ) 11 古典派における音楽修辞( 1 ) 12 古典派における音楽修辞( 1 ) 13 初期ロマン派における音楽修辞( 1 ) 14 初期ロマン派における音楽修辞( 2 ) 15 音楽修辞の消滅と現代 6 前提科目 特になし 7 履修の条件・クラス分けの方法(履修者への要望等) 私語は厳禁。 336