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【技術分類】1−2−3 用途/制御・監視の対象/エネルギー消費量 【技術

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【技術分類】1−2−3 用途/制御・監視の対象/エネルギー消費量 【技術
【技術分類】1−2−3
用途/制御・監視の対象/エネルギー消費量
【技術名称】1−2−3−1
エネルギー使用状況解析支援技術
【技術内容】
省エネ活動プロセスは、データ収集からその解析・対策のサイクルを繰り返すことが必要である。
しかし、現実には電力の使用実績や原単位は監視していても、エネルギー消費機器単位でのきめ細か
な使用状況の解析・対策までには至っていない場合が多い。
従来のエネルギー使用状況の監視システムは、電力使用量の監視・記録はできても、エネルギー使
用の無駄がどこにあるかを分析することができなかった。また、分析結果に応じて省エネ対策を講じ
るために、監視システムとは別の制御・監視システムの導入が必要とされることがあった。
図1に示したシステムは、電力データの月別・年別消費量の比較等の解析機能と、機器の運転/停
止状態や温度、流量などの設備稼働状態に関するデータを収集・蓄積する機能を備え、各データを様々
な角度から分析することを通じて、状況に応じた消費電力の解析を支援するツールを備えた監視制御
システムに関するものである。
初期システムの導入コストを安くするために、監視サーバをイントラネット上に分散配置し、Web
サーバを備えることで、HMI(Human Machine Interface)専用のサーバを用意しなくても稼動でき
る構成になっている。クライアントの HMI 画面は、エネルギー使用状況の解析を行うためのリアル
タイム表示、ヒストリカルトレンド、アラームサマリ、各種レポートなどの機能をマルチウインドウ
で表示する機能を有している。
また、監視システムの専用知識がなくてもシステム構成を容易に変更できる、システムコンフィギュ
レーション機能をもつ。各機能に高いモジュール性を与えることで、必要な部分だけをカスタマイズ
できる構成としている。
【図1】システム構成例
出典:「STARDOM 省エネ支援パッケージ “InfoEnergy”」,「横河技報 Vol.49
月,岡田 智、小島靖広著,横河電機株式会社発行,39‐42 頁
No.1」,2005 年 1
2 システム構成例
【出典/参考資料】
「STARDOM 省エネ支援パッケージ “InfoEnergy”」,「横河技報 Vol.49
田 智/小島靖広著,横河電機株式会社発行,39‐42 頁
― 1 ―
No.1」,2005 年 1 月,岡
【技術分類】1−2−3
用途/制御・監視の対象/エネルギー消費量
【技術名称】1−2−3−2
省エネ監視制御システムの機能構成
【技術内容】
製造プラントの高機能パソコンや汎用シーケンサ(PLC(Programmable Logic Controller)1)で
構成された制御システムは、汎用 OS とネットワーク機能を搭載しており、プラント設備のエネルギー
管理機能や設備装置のエネルギー効率化を目的としたメンテナンス機能を搭載することができる。既
存の監視システムを利用して省エネをターゲットにした監視制御システムを構築する場合、通常の監
視制御機能に比べて、帳票データをグラフ化する機能や可視化操作する機能において優れた操作性と
機能性が求められる。HMI(Human Machine Interface)機能を有する工業用の高機能パソコンは、
汎用 OS や SCADA(Supervisory Control and Data Acquisition)機能を有しており、無駄なエネル
ギーの使用を招いている設備上の問題点の把握や、改善策の検討を支援するための各種機能を提供す
るものとして利用することができる。
図1には、製造プラントにおける省エネ監視制御システムの機能構成を示した。
省エネ監視制御システムの機能構成は、データロガー機能をベースとしたエネルギー消費実績管理
機能と、省エネ分析支援機能に大別することができる。
プラント内の電力使用量を管理するためには、電力量の設備項目ごとの月・日別収集データを一覧
表示する機能が必要になる。また、エネルギー使用量を直感的に把握し分析を支援するための可視化
機能、各設備のエネルギー消費原単位の推移分析、他の設備のエネルギー消費特性との比較分析によっ
てどの部分で電力使用量の改善が可能かを分析するための機能、また、エネルギー消費量の低減方策
を検討するための機能が必要になる。
省エネ化を推進するためには、プラント作業員の意識向上を図ることが最も効果的なものとなるが、
エネルギーの使用状況に応じた携帯電話等での自動警報システムを構築するなどして、現場作業員の
省エネ意識を喚起することを目指したシステムの導入が進んでいる
【図1】製造業における省エネ監視制御システムの機能構成図
1
従来組み立て・加工産業で用いられてきた、HMI にパソコンを使用する安価な工業用コントローラ。
― 2 ―
出典:本標準技術集のために作成
「Ethernet」
:富士ゼロックス株式会社の登録商標
「MELSEC」:三菱電機株式会社の登録商標
「MELSEC-NET」:三菱電機株式会社の登録商標
【出典/参考資料】
「製造業における省エネ監視制御システム」,
「オートメーション Vol.45 No.8」,2000 年 8 月,三菱電
機 那須広美著,日刊工業新聞社発行,39‐45 頁
― 3 ―
【技術分類】1−2−3
用途/制御・監視の対象/エネルギー消費量
【技術名称】1−2−3−3
広域エネルギー管理システム
【技術内容】
プラント設備の省エネ化を進めるには、エネルギー使用量のトータル値の管理だけではなく、各工
場別、工程別、設備別に個別のエネルギー使用量の実態把握を努めるとともに、エネルギー使用量の
観測結果に基づく設備装置のエネルギー浪費の改善と、一定期間収集した実績データを傾向分析する
ことで設備運用の改善ポイントを把握することが必要になる。
そのためには、エネルギー消費関連のデータ収集・記録作成が容易であること、機器単位の細かな
データ管理が可能であること、各拠点から容易に実績データのモニタリングができることなど、実績
データの分析活動を省エネ化に向けて継続的なものにしていくことが重要になる。
図1に示すシステムは、監視制御機能と情報管理機能を Web 機能で統合し、エネルギー使用状況を
全社の管理部門、各拠点で情報共有ができるようにしたものである。電力使用状況の管理には、各拠
点での管理と中央センタでの集中管理を併用しており、多角的な分析が可能になっている。加えて、
測定結果に基づき、簡易データベースの作成、帳票作成ができる。また、監視制御機能と情報管理機
能においてデータ収集機能を共用することで、効率の良いシステム構築が可能になっている。
本システムは、データ収集装置とオペレーションモニタと管理サーバから構築されており、イント
ラネットで各社の拠点システムに接続されている。オペレーションモニタを通じて、広域に設置され
たデータ収集装置から、リアルタイムで観測データを収集しモニタリングすることができる。
管理サーバは、オペレーションモニタで収集されたデータを分析・管理し、Web によってクライア
ント PC に分析結果を配信する機能を有している。
【図1】広域エネルギー管理システム
― 4 ―
出典:「広域エネルギー管理システムによる省エネルギー管理」,「オートメーション Vol.47 No.4」,
2002 年 4 月,(株)明電舎 福井憲男、羽田健一、森川英一著,日刊工業新聞社発行,41‐47 頁
3
エナセーブモニタ構成ブロック図
「イーサネット」:富士ゼロックス株式会社の登録商標
【出典/参考資料】
「広域エネルギー管理システムによる省エネルギー管理」,「オートメーション Vol.47 No.4」,2002
年 4 月,(株)明電舎 福井憲男、羽田健一、森川英一著,日刊工業新聞社発行,41‐47 頁
― 5 ―
【技術分類】1−2−3
用途/制御・監視の対象/エネルギー消費量
【技術名称】1−2−3−4
電力需要監視サービス
【技術内容】
電気設備の監視サービスは、従来、絶縁監視装置を用いた電気工作機械等の絶縁状態の監視などに
おいてサービスが提供されてきたが、電気設備装置の性能向上と情報通信技術の導入によって、電気
設備の状態監視、電力需要の監視を含む多様な監視サービスを提供する形に拡張されつつある。
図1には、絶縁監視、設備監視、電力需要監視の機能を備えた電力設備の遠隔監視システムの構成
を示した。監視装置は、受電設備、設備状態接点、電力量計からの入力を得て、リアルタイムで状態
監視を行うとともに、計測データの保存、遠隔からのデータ収集機能を提供する。監視装置に蓄積さ
れた計測データは、パケット通信網を通じて管理サーバに伝送され、インターネットを通じてユーザ
に提供される。
電力需要監視は、目標電力を超えないように絶えず予測電力を演算する予測演算機能をもつ。これ
により電力超過が予測されたときには、段階的に警報を出力して負荷電力の調整を図る。
警報通知は、電子メールによって行われ、監視詳細情報として予測電力、調整電力、残り時間等の
情報を提供する。
また、電力使用量の実績を日報、月報としてユーザに提供するとともに、グラフ化などの加工サー
ビスにより、設備の負荷稼働の傾向や電気使用量の傾向等の分析を行い、ユーザが、電力利用効率化
のためのエネルギー管理データとして活用できるようにしている。
【図1】電力設備の遠隔監視システムの構成
出典:「デマンド監視装置」,「東芝レビュー Vol.60 No.11」,2005 年 11 月,水上朋子、笠井美由紀
著,株式会社東芝発行,37‐40 頁
2
電力デマンド監視システムの構成
― 6 ―
「DoPa」:株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの登録商標
【出典/参考資料】
「デマンド監視装置」,
「東芝レビュー Vol.60 No.11」,2005 年 11 月,水上朋子、笠井美由紀著,株
式会社東芝発行,37‐40 頁
― 7 ―
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