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― 344 ― 【技術分類】4-3-1 調製処理機能を備えた包装容器

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― 344 ― 【技術分類】4-3-1 調製処理機能を備えた包装容器
【技術分類】4-3-1
調製処理機能を備えた包装容器、その他/揮発性物質関連包装技法/揮発
性物質透過性包装容器
【技術名称】4-3-1-1
スモーカブル合成ケーシング
【技術内容】
食肉および食肉製品において塩漬肉・調味肉を直接充填する一次包装用の資材を称してケーシング
というが、本来ソーセージの原料を詰める動物の消化器系腸類をケーシングと呼んでいた。現在、ケー
シングは天然腸を用いたもののほか、天然の素材を加工したもの、石油製品等を含めた人工ケーシン
グが種々作られ目的に応じた利用がされている。
従来、食肉加工品等のスモーク処理を必要とする食品の包装は一次包装と二次包装の二つの包装工
程が必要である。一次包装とは、直接内容物を充填包装し、スモーク処理の間、形状を整え維持する
するとともに、スモーク成分を速やかに透過させ内容物に移行させることを目標とする。これらの中
には、天然腸、セルロースケーシングがあるが、いずれもガスバリアー性に欠けるため、食品を長期
保存するためには、二次包装材料としてガスバリアー性フィルムで再度包装することが必要である。
合成ケーシングの例には、紙に PVA 樹脂を含浸したもの、紙に可塑剤を含む EVOH 共重合体を含浸
したもの、ポリアルキレンオキサイドを含む共重合ポリエステルフィルムなどがあり、さらにはフィ
ルムに機械的に孔を穿ったり多孔質化したものも提案されているが、いずれも二次包装が不可欠であ
る。その後、スモーク処理前及び処理中は十分なスモーク透過性を有し、スモーク処理後は優れれた
ガスバリアー性を有する、二次包装が不要なスモーカブル合成ケーシングが上市されている。
このフィルムは、ナイロン 6・66 コポリマー・EVOH・LDPE の比が 60:30:5 の混合物 95 部と
グリセリン 5 部を溶融押出しし、インフレーション法により未延伸または延伸フィルムを製造すると
推定される。このフィルムはスモーク処理前の酸素透過性が 980ml/m2・24hr・atm.であるのに対
し、スモーク処理後、70~95℃で水蒸気処理を行うことにより 50ml となり、内容物保存性を充分有
するため、二次包装が不要としている。水蒸気処理により、バリアー性が向上する理由は、樹脂成分
と相溶し、水蒸気加熱処理温度で液状で且つ水及び/または油に容易に溶解する添加物を含有してい
るので、この添加物が水蒸気処理により外部にまたは内容物の食品に移行するので、処理後のフィル
ムは添加物を含有していないハイバリアーフィルムとなる。スモーカブル合成ケーシングフィルムの
物性の一例を表1に示す。
【図】
表1
スモーカブル合成ケーシングフィルムの物性
「SMO」:株式会社クレハの登録商標
出典:
「食品包装用語辞典」、1993 年 7 月 25 日、石谷孝佑編、株式会社サイエンスフォーラム発行、
291 頁
表 2 SMO ケーシングの物性例
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【出典】
「食品包装用語辞典」、1993 年 7 月 25 日、石谷孝佑編、株式会社サイエンスフォーラム発行、291-
292 頁
「公開特許公報」、昭 62-283152
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