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本科 / 直前演習期 / Z Study 添削問題編 / 添削問題 東北大コース
本科 / 直前演習期 / Z Study 添削問題編 / 添削問題 東北大コース 物理 見 本 ZQPKA1-Z1A6-01 3 冷蔵庫やクーラーは,動力を使って庫内や室内(低温熱源)から熱を奪い,庫外や室外(高 温熱源)に熱を捨てることよって,庫内や室内の温度を下げる熱機関である。このように使わ れる場合の熱機関を,ヒートポンプという。図 1 は,ヒートポンプが,1 サイクルの間に外部 からされる正味の仕事を w,低温熱源から吸収する熱量を q L ,高温熱源に放出する熱量を q H としたときの概念図である。ただし,w,q L ,q H はいずれも正である。また,このような熱 機関をヒートポンプとして利用する際の冷却効率を示す量に,成績係数とよばれるものがある。 図 1 の熱機関における成績係数 h は,次のように定義される。 h= qL w 以下では,ヒートポンプとして利用する熱機関の例として,絶対温度 T と体積 V の状態変 化の様子が図 2 の T-V グラフで表されるような,物質量 n モルの理想気体を作業物質とする 循環過程について考える。理想気体の状態は,図 2 の矢印で示される向きに,状態 A → B → C → D → A の順に変化する。すなわち,過程 A → B は体積 V 1 の定積過程,過程 B → C は 絶対温度 T L の等温過程,過程 C → D は体積 V 2 (>V 1 ) の定積過程,過程 D → A は絶対温 度 T H (>T L ) の等温過程である。この理想気体は,過程 A → B および過程 B → C では,低温 熱源とだけ熱のやりとりをし,この 2 つの過程で理想気体が低温熱源から吸収する熱量の和を Q L とする。また,この理想気体は,過程 C → D および過程 D → A では,高温熱源とだけ熱 のやりとりをし,この 2 つの過程で理想気体が高温熱源に放出する熱量の和を Q H とする。た だし,Q L ,Q H はいずれも正である。 低温熱源の絶対温度を T L ,高温熱源の絶対温度を T H ,この理想気体の定積モル比熱を C V , 状態 A での理想気体の圧力を p 0 として,以下の問いに答えよ。解答は解答用紙の所定の場所 に記入せよ。また,結果だけでなく,考え方や計算の過程も記せ。 24 ZQPKA1-Z1A6-02 問⑴ 状態 B,D での理想気体の圧力をそれぞれ p B ,p D とする。p B ,p D を,それぞれ n,p 0 , T L ,T H ,V 1 ,V 2 のうちから必要なものを用いて表せ。 問⑵ この循環過程での理想気体の圧力 p と体積 V の状態変化の様子を表す p-V グラフを, 横軸に体積 V,縦軸に圧力 p をとった座標平面上に実線で描け。ただし,グラフには, 図 2 のように,状態 A,B,C,D を表す記号,状態変化の向きを表す矢印,および主要 値を示すこと。また,状態 B,D における理想気体の圧力の主要値としては,問⑴で与 えた記号 p B ,p D を用い,状態 C における圧力は記号 p C を用いよ。さらに,ここでは, T L V1 > の場合について描くこと。 TH V2 問⑶ 理想気体が,過程 A → B で低温熱源から吸収する熱量を Q AB ,過程 B → C で外部から される仕事を W BC とする。 ⒜ Q AB を,n,T L ,T H ,C V を用いて表せ。 ⒝ W BC を,Q L ,Q AB を用いて表せ。 問⑷ 過程 B → C および過程 D → A の各等温過程において理想気体が外部からされる仕事 について考える。以下では,過程 D → A で外部からされる仕事を W DA とし,気体定数 を R とする。 ⒜ 過程 B → C において,体積が V(V 1 <V<V 2 )のときの理想気体の圧力 p を,n, T L ,V,R を用いて表せ。 ⒝ 過程 B → C において,体積が V から DV だけ増加する間に理想気体が外部からさ れる仕事 DW BC を,n,T L ,V,R,DV を用いて表せ。ただし, DV は 1 と比べて V 十分に小さいものとし,この間,理想気体の圧力は p のまま一定とみなしてよい。 ⒞ 問⑶で与えた W BC と,W DA ,T H ,T L の間に成り立つ関係式を求めよ。必要であれ ば, x が 1 と比べて十分に小さい場合に成り立つ近似式 (1+x) a ]1+ax を用い, DV の 2 次以上の微小量を無視する近似を適用してよい。 V 問⑸ ここで考えている熱機関については,成績係数が大きいほど,冷却効率がよいといえる。 高温熱源の絶対温度 T H と過程 D → A で外部からされる仕事 W DA があらかじめ与えら れた状況のもとで,熱機関の冷却効率が最もよいと考えられる場合を,次のア~ウの中か ら一つ選び,記号で答えよ。また,その記号を選んだ理由を記述せよ。 ア T L が T H に近い場合 イ T L = 1 T H の場合 2 ウ T L が T H と比べて十分に小さい場合 25 第2回 1>