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エンドウさび病に対する発病後の有効薬剤の探索
研究成果 エンドウさび病に対する発病後の有効薬剤の探索 エンドウさび病発病後の散布剤として、アミスター20 フロアブルが有望 1.はじめに エ ン ド ウ さ び 病 は 、 2005 年 よ り 日 高 地 域 の 施 設 栽 培 で 多 発 し 問 題 と な っ て い る 。し か し 、 なお、今回供試した薬剤はサンケイ園芸ボル ドーを除き、エンドウさび病を対象とした防 除 に 使 用 で き な い ( 2009 年 9 月 現 在 )。 本病の有効な防除法はなく、登録薬剤も極め て少ない。そこで、防除対策確立の一環とし て、数種殺菌剤の発病後の散布による防除効 果について検討した結果を紹介する。 2.試験方法 品種は「きしゅううすい」を用い、秋まき ハウス冬春どりの作型で、7薬剤について2 区制で試験を行った。 2008 年 3 月 13 日 、 試 験 区 の エ ン ド ウ の 上 位葉から中位葉にかけ、エンドウさび病のさ び胞子をふりかけて接種し、2日間ビニール で 被 覆 し た 。3 月 31 日 に 発 病 を 確 認 し た 後 、 4 月 9 日 に 第 1 回 の 散 布 を 行 い 、 4 月 17 日 に 第 2 回 、 4 月 25 日 に 第 3 回 と 、 8 日 間 隔 で3回の散布を行った。4月9日に発病程度 が C ~ E ( 表 2 ) で あ っ た 120 葉 に つ い て 、 最終散布6日後の5月1日、発病程度を評価 し、発病度及び防除価を算出した。 3.試験結果 4.おわりに 散布前の発病に区間の差は小さく、中発生 今回の発病後の散布で1薬剤を除き防除効 で あ っ た 。調 査 時 の 無 処 理 区 の 発 病 度 は 72.2 果が極めて低かったことから、今後予防散布 で多発生となった。供試薬剤のうち、アミス による防除効果の検討が必要である。また、 タ ー 20 フ ロ ア ブ ル 処 理 区 の 発 病 度 は 28.4 と 換気扇や循環扇を利用しハウス内の高湿度 無処理区に比べて低く、防除効果が認められ ( 湿 度 約 98~ 100% ) の 時 間 を で き る だ け 少 た 。他 の 薬 剤 処 理 区 の 防 除 価 は い ず れ も 低 く 、 なくすることでエンドウさび病を抑制する 防 除 効 果 は 認 め ら れ な か っ た ( 表 1 )。 等、環境制御による耕種的防除の検討も重要 これらのことから、今回供試した薬剤の中 で は ア ミ ス タ ー 20 フ ロ ア ブ ル が 、エ ン ド ウ さ び病発病後の散布剤として有望と思われた。 である。 (環境部 岡本晃久)