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学びに向かう力育み事業
平成 27 年度 学びに向かう力育み事業 取組のまとめ 平成 28 年3月 滋賀県教育委員会 -目 次- はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 大津市立膳所幼稚園・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 心ときめき動き出すぜぜっ子と創る活き活き保育 ~私と私たち~ 彦根市立城北幼稚園・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 夢中になって取り組む子どもをめざして ~人と関わる力を育む援助のあり方を考える~ 草津市立玉川幼稚園・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 学びに向かう力を育む保育の在り方について ~心が動く感動体験から自己表現力へ~ 米原市立かなん認定こども園・・・・・・・・・・・・・・8 「もっとやってみよう」と思える子をめざして ~学びに向かう『自信』を育むための保育者の援助と環境の構成~ 日野町立南比都佐幼稚園・・・・・・・・・・・・・・・ 10 いろいろな人とのかかわりや、恵まれた自然の中でたくましい心や 体を育む ~これなあに・やってみよう・できたの感動を目指して~ 資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 Ⅰ 学びの基礎指導の手引き(抜粋) Ⅱ 幼児期の終わりまでに育ってほしい幼児の具体的な姿(参考例) は じ め に 県教育委員会では、本年度から、幼稚園・認定こども園等での教育・保育のより一層の 充実と、小学校以降の教育との円滑な接続を目指し、「学びに向かう力育み事業」を実施 しております。指定を受けた園においては、それぞれの地域や園に合った方法を工夫して 研究を推進し、教育・保育の充実や教育課程の見直しを図っていただきました。また、本 年度 10 月~12 月に、指定園で開催いただきました公開保育・研究協議会には、県内幼稚 園、保育所、認定こども園、小学校等から、多数の先生方に参加いただきました。教育・ 保育の充実に向けた協議を深めることを通じて、本県の幼児教育を一層充実するための機 会になったと感じております。 さて、現在、国では、次期学習指導要領の改訂に向けた審議が行われております。 平成 27 年8月 26 日の中央教育審議会教育課程企画特別部会論点整理における「各学 校段階、各教科等における改訂の具体的な方向性」では、 ○幼児期は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な時期であることを踏まえ、義務 教育及びその後の教育の基礎となるものとして、幼児に育成すべき資質・能力を育む 観点から、教育目標・内容と指導方法、評価の在り方を一体として検討する必要があ る。 ○また、例えば、幼児が音声の響きやリズムに気付くこと、生活に必要な言葉を分かった り使ったりすること、生活の中で様々な色、形などに気付いたり感じたりすること、 場面に応じ体の諸部位を十分に動かすことなどが、小学校以降の生活や学習の基盤に つながると指摘されていることも踏まえ、今後の検討において、専門的・具体的に議 論を深めていくことが求められる。その際、幼児一人一人に応じた対応を行うことや、 日々の活動が小学校以降の生活や学習の基盤につながっていることを幼稚園の教員が 再認識し、意図的に取り組むことなども求められる。 などが示され、この方向性に基づき、幼稚園教育要領等の改訂の議論が進められておりま す。そして、この方向性は、「学びに向かう力育み事業」でめざす、本県の幼児教育の方 向性と同じものであるといえます。 このたび、まとめていただきました指定園の実践は、 幼児教育での「学びに向かう 力」を明らかにするとともに、「学びに向かう力」を小学校以降の教育に接続し引き継ぐ 手立てについて、多くの取組の中から、凝縮した内容を掲載しております。具体的な実践 をヒントにしていただきながら、それぞれの校園でますます研究を進めていただき、幼児 教育の充実と、幼小の円滑な接続に努めていただきたいと思います。 最後になりましたが、本指定事業に熱心にお取り組みいただきました指定園ならびに、 指定園の研究を支えていただきました市町の担当課の皆様、研究に協力いただいた教職員 の皆様に厚くお礼申しあげます。 平成28年3月 滋賀県教育委員会事務局学校教育課 課 長 岩 谷 斉 大津市立膳所幼稚園 研究主題:心ときめき動き出すぜぜっ子と創る活き活き保育 ~私と私たち~ 1 主題設定の理由 本園は歴史と文化豊かな膳所の城下町に位置し、古くから地域の方々に温かく支えられている。子 どもたちは、明るく素直で人懐っこい子どもが多い。しかし昨今の社会状況の変化に伴い、入園まで の子どもたちの生活も変化してきた。情報化・スピード化・効率化が重視される中で幼児期に大切に したい実体験や感動体験の不足、考えて行動したり自分の力で困難な状況を乗り越えようとしたりす る力の弱さを感じている。 小学校以降の生活において自ら学びに向かい、生きる力を付けるためには、幼児期からやりたい遊 びに没頭したり人との関わりの中で心を動かしたりしながら、自分で判断し行動する経験を重ね、主 体性がしっかりと育まれる必要を感じる。そこで本研究では、幼児の主体性を育む保育を「活き活き 保育」と題し小学校以降の学ぶ力につながる「幼児期に育てたい主体性とは何か」を探ることとした。 2 研究の目標 本研究では、主体性とは自分本位な自己発揮ではなく、友だちとの関係の中で相手の思いや気持ち を受け止めながら自分はどうするか考え行動することであると考えた。そこで「自己を表出する心 (私は私の心)」と「周囲とともに生きる心(私は私たちの心)」のバランスに目を向け、「自分」と 「他者」の両面から幼児理解を追求していくこととした。(引用:鯨岡峻「これからの幼児教育」 2014 年) また、幼児期における主体的な遊びや生活の積み重ねが、生涯にわたる学びや集団生活を送る力の 基礎の形成となることから、心を動かされる体験を重視し、幼児を主体とした自発・満足・充実の3 つの視点で明日につながる保育構築を研究していく。 3 研究の方法 (1)学びに向かう力を育む保育の実践 ①主体性の育みの土壌となる心の理解(幼児理解)の可視化 キーワード心の読み取り ②エピソード記録と考察の工夫 ・「私」と「私たち」の両面(自分と他者)から、個に焦点を当てた心の揺れを読み取る ・保育実践を3つの視点で振り返り主体性の育ちを検証する キーワードまなびリング ・記録の考察から、明日につながる保育を構想する キーワードげんきビーム (2)学び合う幼小連携 ①合同保育や出前授業の実施から学びのつながりについての教師間の共通理解 ②互いのねらいを共有した交流活動の充実や職員研修会での学び合い <学びに向かう力につながる主体性の育みイメージ> 心の読み取り ③保育構想 まなびリング (自発・満足・充実) ②保育実践の 振り返り これやりたい(自発) もっと…してみよう!(充実) できた!(満足) 明日につなげる教師の 環境・援助 (げんきビーム) ①幼児理解 (主体性を軸に) 幼児期から児童期へ バランスのとれた主体性 「私」―安心―「私たち」 ④幼小連携 主体的に 学び合う子ども 4 研究の内容 (1)学びに向かう力を育む保育の実践 ①主体性を育む土壌となる心の理解(幼児理解)の可視化 心の読み取り 心の読み取り:「私」=個の充実と「私たち」=協同性の育ちにより幼児理解 <安定> 心の揺れを 矢印で表示 個の充実 協同性の育ち 依存・抑制から 自己主張から 信頼・連帯へ 自己肯定へ バランス 「私は私」の心 「私は私たち」の心 自己主張、自己顕示、 依存、抑制、一体感、 学びに向かう力につながる主体性の育ち 自己肯定 信頼、連帯 ②エピソード記録と考察の工夫 エピソード 子どもの心 「私」は「私」「私は私たち」の視 点からの心の読み取り 「私」は「私」 「私は私たち」 ア ○ 教師の心 まなびリング(主体性の育ち) 自発 満足 充実 明日に向かうげんきビーム (環境・援助) ウ ○ I WE イ ○ ア 「私」は「私」「私は私たち」 ○ の視点からの心の読み取りによる イ 自発・満足・ 幼児理解を深め、○ 充実(まなびリング)の3つの視点 から保育を振り返り、主体性の育 ウ 主体性 ちを検証するとともに、○ の育ちを促す明日につながる遊び の環境・援助(げんきビーム)を構 想する。以上の方法で考察を深め ながら実践を重ねていった。 (2)学び合う幼小連携 ①小学校教員との合同保育や出前授業、研修会の実施 ②互いのねらいを共有した交流活動の充実・接続期の教育についての学び合い 5 研究の成果と課題 (1)成果 ①心ときめき動き出すぜぜっ子・可視化ツールによる園内研修の高まり 親しみやすいネーミングの可視化ツール(げんきビーム、まなびリングなど)を使うことで視点に沿った継 続的な研究を進めることができた。園内研修の質を高め、ぜぜっこ(幼児)の育ちを支えつつ主体性 を育む保育改善を行うためには、教師同士が共通の視点から幼児を捉え、保育の意図性をしっかり共 有することが大切である。 ②活き活き保育をめざす ・エピソード記録と明日に向かう実践 エピソード記録から子どもの心を読み取り、学びリングの3つの視点で保育を振り返ることにより、 明日の手立て(環境・援助)が見え、実践につなげてきた。この循環から主体性を育む保育への手応 えを感じることができた。 ③小学校との連携・・・学び合う幼小連携 教育指導の在り方の違いを理解でき、互いの機関が担う役割や「何をつなぐことが大切なのか」を 意識した連携への第一歩となった。小学校教諭と保育指導をともに考えたことは、教師間の連携が深 まり、幼児にとっても就学への安心感と期待、意欲、自信等につながったと思われる。 (2)課題 ①心の読み取りをさらに深めて一人一人の心に寄り添った環境・援助に迫り、保育改善につなげる。 ②実践から得た幼児の育つ姿、必要な環境・援助(げんきビーム)を教育課程・教育計画へ反映する。 ③互いの教育理解をさらに深め、幼児期からの連続した学びに向かう力の育ちを小学校教員とともに 検証していく。 彦根市立城北幼稚園 研究主題:夢中になって取り組む子どもをめざして ~人と関わる力を育む援助のあり方を考える~ 1 主題設定の理由 初めて集団生活に入る子どもたちは、自分の気持ちや思いを相手 に伝えることができなかったり、感情の高ぶりやテンションの高揚 を抑えられず、気持ちの切り替えに時間がかかったりすることが多 い。人と関わる楽しさや喜びを知らせ、自己充実し、自己表現をし たり、適切に人と関わったりする力を身につけていくことが大切で ある。子どもたちにとって幼稚園が安心、安定した場で、十分に楽 しめるような場となるよう、教師は子どもの興味、関心に寄り添い 援助し、子どもたちが人、もの、ことに関わりながら夢中になって 遊びこめるような環境づくりに努めなければならない。夢中になっ て遊ぶことから得た経験の積み重ねが小学校以降の学ぶ力につなが っていくものと考える。 2 研究の目標 夢中になって遊び込む子どもを育成するために援助の基本を次の3点とした。 ① 子どもの関心がどこにあるかを知り、援助を考える。② 安心感、親しみがもてる環境づくりに 努める。③ 遊びの見通しをもって保育にあたる。 そこで、学びに向かう力を育てるために次の仮説を設定した。 仮説1 思わず遊びたくなり、繰り返し楽しむことができるように遊びの環境を整えて援助していく ことで、子どもたちは自ら取り組み、目的意識をもって遊ぶことを通して自己実現を図るこ とができるであろう。 仮説2 身の回りの「人・もの・こと」との出会いを大切にし、友だちと思いを出し合いながら遊 びを進められるような場や時間を保障していけば、人と関わる力が育つとともに遊びの質 が高まるであろう。 3 実践事例 仮説2にせまる事例 4歳児 「忍者の修行場で遊ぼう」 当日の子どもと保育者の実際 <忍者の修行場を作って遊ぼう> 忍者のイメージをもってハードルのバーやポール、巧技台を運びながら思い 思いに修行場を作っていく。巧技台は「まだまだ、もっと」と友だちに伝えな がら高く積み重ねようと一緒に持ち上げる姿も見られる。ハードルは一人一人 が置きたい場所に並べているため、固まっておいてある場所、全くない場所な ど様々である。「こっちの道も行けることにしたら?」「ここで(トンネル を)くぐったらどっち(の道)に行くかっていうのは?」友だちや教師に語り かけながら並べている。巧技台を跳ぶ時に「にんにん!」とつぶやく子どもも いる。 ハードルがせまい間隔でたくさん並べてある場所で教師が「ここ、どうやって 跳んだらいいの?」と悩むそぶりを見せると「そこ2個跳びやで」「ちっちゃ いのを2個跳ぶの」「え~、3個がいいわ」「4個跳び!」「そんなん無 理!」など一人一人が伝えてくる。教師が折り合いをつけながら小さなハード ルを3個つなげて並べた。跳んでみながら「あ、跳べたわ」「こんなん簡 単!」と話し始める。 修行場の形が決まってくると、バトンを持ってきて、リレーのように修行場 を一周まわって友だちにバトンを手渡して遊び始めた。 「バトン!バトン!誰かバトン!」「A君頑張れ~」「Bちゃん早く渡し て」「倒れたやつ(ハードル)直してな」「ぼく直し屋さん忍者や」など声を 掛け合いながら走っている。 チームを作って速さを競おうという考えが湧き、だんだん、ハードルを跳ぶ ことよりも早く走って戻ってくることが楽しくなってきた。すべてのハードル やトンネルをくぐって戻ってきたい子どもと、早く走りたいので障害をすべて とばして走ってくる子どもに分かれてくる。「そんなんいいから、全部とばし て走って!」「(バトンを)放り投げて(渡して)」という声も聞こえ始め た。 早く走ることが楽しい子どもたちが盛り上がってくると、障害を楽しんでいる 子どもは、別の遊びの場に移り、遊びが引いていった。 10/20 〇保育者の援助 ☆環境構成 ♡読み取り ☆ハードルやトンネルは工夫することを楽しめるよう、それぞれをパーツに 分け、高いハードル、低いハードル、段違いのハードル、下をくぐるトン ネルなどが子どもたちの力で組み立てられるようにしておく。子どもたち の発想がわきやすいよう、白線でいくつかの道を描いておく。 ○巧技台など、高くなりすぎると危険なものは、教師が一緒に組み立てる。 高さや置く場所を子どもと一緒に考えながら調整していくようにする。 ♡ 友だちや、教師とのやり取りを楽しみながら、自分なりに面白い修行場に なるように、置く場所を考えたり、試したりしている。 ○遊びが展開していくよう、子どもたちに疑問を投げかけたり一緒にハード ルを並べ直したりしていく。 ♡ どのように遊ぶと楽しいか、どこまでできるか考えながら、思いを伝えて いる。たくさん並べて大きなジャンプをしたい子どもや、一つ一つを素早 く跳ぶことを楽しんでいる子どもなど様々である。試しながら、跳べたう れしさを味わっている。 ☆遊びたい気持ちが高まった時に、いつでも使えるようにバトンをとりやす い場所に置いておく。 ♡ 自然と友だちへの応援の言葉が出てきたり、どうすると良いか伝えたり と、障害の楽しさだけでなく、友だちとの声の掛け合いや、バトンのやり 取りを楽しんでいる。 ♡ 競争という要素が強まってきて、遊びの様子が変わってきている。忍者修 行のイメージからリレーのイメージが強くなって、同じ場で遊んでいる子 どもの中で、思いの違いが出てきた。 ♡ 自分のチームが勝つために、バトンの受け渡しの仕方について、友だちに 自分の考えを伝えている子どももいる。反面、そのことを「嫌だな」と感 じている子どももいる。 <考察>バー等の手作り遊具をカラフルにしたり、子どもと手を加えていったり、遊び始める前に、園庭 に白線でいろいろな道を描いて置いたりしたことで、心が躍り、遊びたいという環境になった。教師は、 子どもが工夫して遊んでいる姿を紹介したり、思いを尊重し、うまく受け入れながらも、教師がハード ルの置き方を提案したり、新しい用具を取り入れたりしながら、新鮮な気持ちで遊べるように環境の再 構成をしていくことが大切であったと考える。 4 幼児期の学びに向かう力を小学校へつなぐ取組 (1)5歳児・2年生との交流「プールで遊ぼう」 7/6 ・2年生の子どもたちにはあらかじめ、幼稚園のグループのメンバーを伝えてお いた。当日グループ名で呼んでもらったことが嬉しくて、小学校のお姉さんお 兄さんが身近な存在になった。 ・以前までの5年生との交流とは違い、お任せで頼るような姿でなく2年生に対 して幼児は対等に関わっていた。幼児も2年生も困ったら園の職員に気軽に声 をかけてきた。子どもの様子に応じて臨機応変に対応する必要があると感じた。 (2)5歳児・1年生との交流「秋のお店ごっこ」11/11:城北小1年生教室 11/26:城北幼保育室 主体的に遊ぶ姿 5歳児 1年生 ・お兄さんお姉さんとの関わりを楽しむ。 【人間関係】 ・興味関心をもったことや、自分のしたい遊 びを選んで繰り返し遊ぶ楽しさを味わう。 【環境】 ・お店ごっこを通してお兄さんお姉さんとし て園児と関わりをもつことにうれしさを感 じる。 ・園児との関わりの中で、自己を発揮する。 学び方 学習規範 ・考えたり、試したりして工夫して遊ぶ楽し さを味わう。 【環境】 ・自分の思ったことを伝えたり、相手の思い を聞いたりする。 【言葉】 ・友だちやお兄さんお姉さんと楽しく 遊ぶ中での決まりの大切さに気付 き、守ろうとする。 【人間関 係】 ・活動中、園児が困ったり楽しんだりしてい ることに気付いて関わる。 ・園児にわかりやすい言葉でお店を紹介す る。 ・先生や同じ場にいる友だちや園児の 話をしっかり聞く。 ・相手意識をもって遊ぶ。 ・事前の打ち合わせでは、それぞれの発達に合った遊びであるかどうか援助の仕方等を共通理解するこ とができた。生活科の教科書を見せていただき、遊びの適切な時期や学習の到達点などについて検討 することができた。 ・昨年の5年生との交流では時間も限られていたが、今回1年生との交流では、活動のみに終わってし まうのではなく、事前事後の話し合いをもつことで互いの活動に意義が見い出せた。 5 研究の成果と課題 〇 滑らかな幼小連携を図る 子ども同士の交流 昨年度までの5・5交流と比べ て、年齢の近い1、2年生との 交流においては、親しみや憧れ をもって活動できた。 互恵性のある活動を計画し、事 前、事後の話し合いをもつこと が大切である。 教師間の交流 互いの授業や保育に学 ぶということで、子ど もの見取りや教師の援 助の仕方等の意見交換 をした。 その後、他の職員の 感想、意見をまとめて 交換し、学びの力につい て考えることができた。 幼児期の学びは、子どもたちを遊びに突き動かす力が土台となり、その力が その力が、小学校以降の学習につながる。遊びのため込みが小学校以 降での生活や学習の学びの基礎となることから、幼稚園はそれぞれの 発達過程に応じて必要な力を身に付けさせていくことが大事である。 〇 9年間を見通した保育・学習の創造 本年度は、幼小間で互いの保育や授業についてねらい や思いを知ることができ、そのことが今後の保育や授 業に生かされていくものと確信している。今後も幼小 間の教師の思いや子どもの発達等を伝え合うことによ り、城北の子どもたちの表現する力、人と関わる力の 向上に努めたい。また、「学びの基礎体験型学習プロ ジェクト」推進計画に盛り込まれた、幼稚園における 学びが、小学校で主体的に学ぶ力に確かにつながるよ う、今後も実践を積み、推進を図っていきたい。そし て、実践を積み重ねることで推進計画を見直し、アプ ローチカリキュラムを検討していきたいと考えている。 草津市立玉川幼稚園 研究主題:学びに向かう力を育む保育の在り方について ~心が動く感動体験から自己表現力へ~ 1 主題設定の理由 子どもたちがおかれている実情を見てみると、交通量の増加、都市化が進むとともに遊び場が不足し ており、同年齢や異年齢との集団による遊びの体験が乏しくなっている。また、人との関わりや環境が 変化して、自分の思いを表現する方法にも影響を与えているように感じる。子どもたちは、生活の中で 出会う「人・もの・こと」にふれて、感じたことを様々な方法で表現しようとしている。しかし、教師 が言葉で引き出そうとしたり、意思表示をはっきりさせようとしたりすることに懸命になりがちになっ てしまう。子どもたちのまだ言葉にならない気持ちの理解を出発点として、自ら学びに向かう保育をつ くりだしていく必要があると考え、本主題を設定し研究を進めることにした。 2 研究の目標 心が揺れ動く活動を原点に「感動体験」をキーワードにして、友だち関係の深まりや学びに向かう力 を育む保育の在り方について迫ってきた。 【研究構想図】 学びに向かう幼児の姿 「うわぁ」(豊かな感性) ↓ 「やってみよう」(主体性) ↓ 「いっしょにしよう」(協同の学び) ↓ 「やっぱりな」(学びの連続性) 学 び の 深 ま り と 連 続 性 (牛乳パックで家づくり) 3 実践事例 ☆事例検討 「うわぁ」「やってみよう」「いっしょにしよう」「やっぱりな」の4つのキーワードの遊びが深 まるプロセスを繰り返し積み重ねながら、幼児教育で培われる「学びの芽生え」から小学校の「学 びの基礎」への接続期の段差そのものが、子どもの学びとなるような連続性を探る。 【5歳児 スライム遊びの事例から】 6月 3、10 日 学びに向かう子どもの姿 教師の援助 考察 うわぁ (豊かな感性) スライムの冷たい感触や伸びる 特性に大喜び。どこまで伸びる か試す。 ・量をたくさん用意した。 ・冷蔵庫に冷やし、冷たさを感じるよう にした。 ・子どもの感動に共感。 感触や性質に興味をもち、素直に 驚きや感動を言葉にしたのだろ う。 やってみよう (主体性) 透明なスライムに色のついたス ライムを混ぜたらどうなるか試 す姿が見られた。 ・色のついたスライムを用意しておく。 ・透明カップや皿を用意しておき、イメ ージを広げて選べるようにした。 透明なスライムに色のついたスラ イムがでてくることでより遊ぶ意 欲が湧いてきた。 いっしょにしよう (協同の学び) スライム作りを自分たちで行 い、スライム状になる変化を楽 しむ。また、友だち同士で工夫 しながら、作ることを楽しんだ。 ・色のついたホウ砂水を何色か用意し て、友だちと少しずつ交換して混ぜて 作れるようにした。 ・きれいな色ができたときはみんなに紹 介して、友だち同士で教え、考え合え るように配慮した。 友だちとつながりあいながら、色 が変化していく様子やイメージし た色を作ることを楽しんでいた。 やっぱりな (学びの連続性) これまでの経験から自分の作り たい色に必要なマーカーの色を 選び、見通しをもちながら、ス ライムを作っていく。 ・自由に色を組み合わせ、試したり、工 夫したりしながら色を作っていくこ とができるようにした。 色水遊びやにじみ絵など様々な経 験があったから、自分のイメージ した色がつくれたのではないだろ うか。 4 学びの基礎 ○主体的に学ぶ姿 ☆学び方 ◎学習規範 (小学校のとの接続) ○主体的に学ぶ姿勢 ・興味や関心をもつ。 ・知的好奇心を刺激する。 ・伝え合う楽しさを味 わう。 ☆学び方 ・発見を楽しみ、考える。 ・試行錯誤を繰り返し やってみる。 ・表現を楽しみ、工夫 する。 ・具体的な活動や経験を通 す。 ◎学習規範 ・身近な素材、道具を大切に 扱う。 ・交替して使う。 幼児期の学びに向かう力を小学校へつなぐ取組 (1)職員交流する時間の確保、学び合う関係性 ☆授業参観 小学校の先生に保育を見てもらい、感想用紙にて「幼稚園と小学校へのつながりの部分で感じ られたこと」「互いの施設で取り入れていきたいこと」などの項目を設けて意見をもらい、保育 の振り返りをした。また、小学校の先生との話し合いや小学校の授業参観などを通して、小学校 の取組の理解を深め、保育に取り入れられる環境につい て学んだ。 (2)小学校への安心感や期待感がもてるような児童との交流 ☆5歳児と4年生の交流[年 4 回] 5 研究の成果と課題 [事例検討での学び] (5歳児と4年生の交流の様子) 【4 歳児】では、様々な素材に触れ、ものの特性を知ることで「気付き」が生まれた。また、教師の存 在が大きく「先生のようにやってみたい」という思いが子どもの心を動かすので、どこまで 教師がヒントを与えるのかタイミングや援助の在り方を考える大切さが見えた。 【5歳児】では、友だちとの関わりの中で、刺激を受けながらものと向き合い、こだわりをもって取り 組もうとする。その中で、うまくできた成功体験だけでなく、失敗したことも自分の経験と して溜め込み、学びの基礎を育んでいるということがわかった。 また、毎日の遊びの中で子どもたちが何に興味・関心をもっているかという幼児理解を行い、どのよ うな子どもに育ってほしいかという教師のねがいを重ねることの大切さが明らかになった。 その中で、素材や用具などの室内環境を増やしたり、減らしたりして、子どもたちが必要としている ものを精選することで、より遊びに集中できる環境になることに気づいた。[遊びの増減] [小学校へつなぐ取組] 小学校の授業を見たり、幼稚園の保育を見てもらったりすることで互いの取組の理解が深まった。今 後、幼稚園の遊びの中で培ってきた学びが、小学校での学習の場面でどのように生きて働いているのか を、アプローチカリキュラムの検証とともに小学校との連携を密にしながら探っていきたい。 米原市立かなん認定こども園 研究主題:「もっとやってみよう」と思える子をめざして ~学びに向かう『自信』を育むための保育者の援助と環境の構成~ 1 主題設定の理由 本園は、平成26年9月に、同じ中学校区内の公立保育所と公立幼稚園が統合し、 「かなん認定こど も園」としてスタートした。年度途中の統合であり、子どもたちにとっては生活や遊びの場が一新し たことから、安心できるこども園をめざして保育に取り組んできた。開園2年目となる今年度、子ど もの実態として『素直に感動したり気持ちを表現したりするなど子どもらしい姿がみられるが、生活 習慣が定着しにくく登園時間が遅かったり、朝から元気がなかったり、すぐに「疲れた」と活動的に 動けなかったりする姿もみられる。また、「~してもいい?」「次は何をするん?」と指示待ちであっ たり、やる前から「できない」と諦めてしまい、挑戦しようとしなかったりする』という課題が明ら かになってきた。 0歳児から5歳児の子どもたちが過ごすこども園で、安心して過ごせる場は基本であり、家庭と園 のつながりを密にすることは言うまでもない。開園2年目となる今年度は、子どもの実態を踏まえた 上で、どの年齢も安心して過ごせることを基盤として、周りの環境や人との関わりに興味を向け、① 「なんだろう」と興味や関心を抱き、②「やってみよう」と意欲をもち、③「やったー/困ったな」 という心の動きを経験し、④「もっとやってみよう」というさらなる意欲につなげていくことが、 「や ったらできた」 「失敗してもいいんだ」という自信につながり、それが学びに向かう力に育っていくで あろうと考え、本主題を設定した。 2 研究の目標 以上のような実態や課題をもとに、次のような仮説を立てた。 家庭という土壌が子どもたちの安心感の基盤となり、自尊感情がめばえ、成長という樹が育 つ。樹を大きくするには園と、地域・家庭との連携が不可欠であり、保育者の援助と環境の構 成が、子どもたちの生活や遊びを充実させる。さらには「子どもたちの学びに向かう力」「子 どもたちの心と生活」をつないでいくことにより、その樹は乳幼児期のみならず、小学校、中 学校、そして高校や社会へと育っていくだろう。 ―研究構想図― この仮説を実証するために、研 究保育や事例研究で、0歳児から 5歳児までのそれぞれの年齢にお いて、子どもたちの①「なんだろ う」②「やってみよう」③「やっ たー/困ったな」④「もっとやっ てみよう」に焦点を当て、子ども の姿と心の動きを読み取り、写真 と共に記録し、子どもの心を揺さ ぶり高めるための保育者の援助と 環境の構成の在り方を探る。 右の図は、以上の研究の仮説を <かなんこども園の樹>として構 想図化したものである。 3 実践事例 0歳児から5歳児までの各年齢における遊びの姿(事例)を具体的に保育展開図に表わし、子ども の心を揺さぶり高めるための保育者の援助と環境の構成について探る。 例:5歳児の6月中旬~7月中旬の活動 5月の終わり頃から「わんぱくだんシリーズ」の絵本を読み始めると、たちまち、クラスでお気に 入りの絵本になっていった。大好きな絵本を通し、夏まつりのおばけやしきづくりという協同的な活 動に取り組んでいく。 ―保育展開図― <6月11日> ・活動の導入として「わんぱくだんのおばけや しき」を読み、保育室を暗くするなど雰囲気 づくりをして、子どもたちの心を揺さぶる。 どきどき 興味・関心 やってみたい おもしろそう 意欲 <6月16日~> ・作戦会議をして、どんなおばけやしきを作る かみんなで話し合い、絵に描いてみる。 絵ができた 意欲 ・グループごとにおばけを作る。 おもしろそう 意欲 <7月7日> ・わんぱくだんから手紙が届き、(保育者のし かけ=援助)子どもたちの気持ちがさらにか きたてられる。 やったー! 充実感・満足感 もっとやってみよう さらなる意欲 ・実際におばけ役をやってみて、様々なことに 気付く。 困ったな 挫折感→どうすればいいかみんな で考える。 <7月11日> ・夏まつり当日 楽しかった 満足感 <7月13日> ・おばけやしきの活動を振り返る。 もっとやりたい 充実感 4 成果と課題 年度当初、まず職員で本園の子どもの実態を話し合い、『学びに向かう力』とは何か、『自信』とは 何かを共通理解した。『自信がある』=『できる』と考えるのではなく、まずは①「なんだろう」と 興味や関心をもち、次に②「やってみよう」と意欲がもて、そして③「やったー/困ったな」と様々 な心の動きを体験し④「もっとやってみよう」というさらなる意欲がもてるように、子どもの気持ち に寄り添った環境の構成や援助の在り方を探ってきた。具体的には、事例のもととなる保育の記録に 写真を活用することで、子どもたちの『学び』は日々の生活の中にあふれていることがわかった。そ のことに保育者がいかに気付いて環境の構成に生かしたり、声かけやはたらきかけの援助をするか否 かで『学び』につながっていくかどうかが変わってくる。保育者自身の子どもたちの遊びや生活を見 取る目と、適当な環境の用意が、子どもたちの『学びに向かう自信』となり、その繰り返しにより『学 びに向かう力』が育まれ、小学校以降の『学び』につながっていくのではないだろうか。 今後も、0歳児から就学前までの育ちの≪つなぎ≫、3歳以上児における、14時を境とした短時 部と長時部の生活の≪つなぎ≫、就学前から小学校の育ちの≪つなぎ≫、職員間の≪つなぎ≫を大切 にして、子どもと共に学んでいきたいと思う。 日野町立南比都佐幼稚園 研究主題:いろいろな人とのかかわりや、恵まれた自然の中でたくましい心や体を育む ~これなあに・やってみよう・できたの感動を目指して~ 1 主題設定の理由 子どもたちの人数が年々減少していく中でルールのある集団遊びをすることは難しくなっている。 競争心であるとか切磋琢磨によって力をつけられない現状にある。 しかし、この少人数であること をプラスととらえ、恵まれた自然を生かしながら下記の3点について継続して行うことによって子ど もの育ちが見られるのではないかと考えた。 ①特に小学校との交流を密にすることによって多くの刺激を受け心が動くのではないか。小学校へ のスムーズなつなぎができるのではないか。 ②本園の特色でもある自然を生かしての活動 現地まで歩くことから始まり、目的地において体全体を使って思い思いの動きをする中(体づく り)で、友だちとの励まし合いや、助け合いが必要となり、会話も多くなり、「挑戦 つまずき 発見」「これなあに・やってみよう・できた」につながるのではないか。 ③歩く、走る、いろいろな遊びをいっぱいする事が子どもの体軸(体幹)を作るのではないか。そ れが小学校での学習の姿勢につながるのではないか。 2 実践事例 ☆小学校との連携について 6月の合同音楽会、9月の合同運動会での全校的な交流や教師同士の連携はもちろんのこと4年生 とのさつまいも交流や運動会交流、低学年の学習発表の場など、年間を通して多くの交流を持ってい る。その中でも特に1・2年生との交流と4年生の交流を重視してきた。日常の中休みや昼休みなど の子どもたちの自然な交流は大切に見守っている。 小学校の先生の指導で1・2年生とプール遊び 「頭、頭・背中、背中」と小学生 の声に合わせて一緒にシャワー。 手を持ってもらったりおんぶ してもらったり楽しい水泳。 休み時間の自然な交流 1・2年生とのリレー 「頑張れ、頑張れパスパス!」 力を合わせて頑張ったよ! いろいろな学年のお 兄さんお姉さん達が 来てくれます。築山 で遊んだり滑り台を したり鬼ごっこをし たりと日によって違 った遊びをしていま す。 4年生との運動会交流 運動会には手押し車や平均台 渡りを手伝ってもらったよ! 最後は手作りパズルを あわせてゴールイン。 子どもたちがつながるためにはまず 教職員のつながりが大切です。指導 者同士の行き来を大事にし、心をつ なげてきました。 ☆自然との関わりについて 自然との関わりが人との関わりにつながる 子どもたちが命名したつつじの丘まで約800m、網と観察ケース、図鑑、水筒を持って歩く。 つつじの丘より山手に竹林になっている所を奥に進んでいく。日野菜畑散策であぜ道を歩く。生き 物つかみ、地域散策(地域にある寺・神社・福祉施設の山の中)等四季折々の季節を五感で感じな がら自然に関わっている。親子ハイキングも親子で地域散策、本年度の研究保育もつつじの丘での 園外保育を見ていただく。 日野菜畑の散策 生き物つかみ 山探検 土手からのジャンプ 土手滑り・土手転がり ・丘や山、竹林へ登って行く道や方法は、はしご・綱・木の 根っこや枝などを持って自力でなど自分で決めて登る。 ・土手からのジャンプも高さは自分で決めて友達と一緒に挑 戦している。 ・蜂、まむし、山かかしなど有毒な生物には充分な配慮をし 倒木渡り(伏臥・立位等) こんなに高く登ったよ ている。 ☆マラソンの取組について ●登園後、小学校の運動場外周(300M)をラン ニングする。(最低1周・行ける子どもは自分の 目標で)その後築山登りとタイヤ跳びをする。行 事や一斉保育の関係でできない日をのぞいて毎日 走る。11月からのチャレンジ種目のあるときは 引き続いてチャレンジ種目に挑戦する。雨天時は みんなで縄跳びを頑張っている。 走るのは楽しいよ! 1周走ったら、ドング えらくないんだよ。 リを入れるんだよ。 ●体軸(体幹)を育てるために歩く・走るを重視し ている。 ☆小学校への接続カリキュラム(アプローチカリキュラム)の作成について 小学校と、なめらかなつ なぎができ、安心して小学校に行けるように、アプローチカリキュラムを作成した。また、小学校で は1年生のスタートカリキュラムを作って頂けた。 3 成果と課題 ・人とのかかわりについて以前から小学校との連携はもっていたが、本年度は特にねらいを意識して連 携を図ることができた。 ・1・2年生との交流の中で「何でこんなになるの?どうして作ったの?上手やなあ!」などの思いが 自然と真似てやってみる姿につながり、大きな刺激となった。 ・音楽会や、運動会では聞く態度、見る態度、発表の仕方など多くのことを学んでいる。校舎を使用さ せてもらう度に小学校に対し安心感が持てていけた。 ・指導計画を見直すと同時にアプローチカリキュラムができたことは幼稚園生活で学んだ事が、入学後 の学校生活にどのようにつながっていくのか幼小双方の教師が共通理解するきっかけとなったし、今 後の保育に生かす事ができる。 ・幼小交流を通して育てたい力を幼小の教師間で共有したことで今後の保育のあり方について考えるこ とができた。また、研究会参会者の感想より多くの学びを得られたたことは大変良かった ・園外保育をすることによって自分から挑戦したり、体験したりすることでいろいろな気づきや発見を し、多くのことを学び感動することができた。自然の中では声のトーンが段々高く、大きくなり会話 が弾み、自然にコミュニケーションがとれている。助け合う姿や、優しい声掛けが見られる。 ・体幹を鍛えることで集中力や正しい姿勢の保持時間がどのように違ってくるかを継続して見ていく。 ・幼小連携の取組には、教員同士の話し合いが不可欠であり、それぞれの授業や保育の参観ができると より子どもたちが見え、幼小双方の課題が明らかになると思うが、その時間の確保が難しい。 ・自然体験は常に危険がつきまとっており、外出時にはより念入りな安全点検と子どもたちの健康管理 (アレルギーも含め)が必要である。 ・園外保育について、今後も園外保育の意義を理解してもらえるようにする。 ・場所提供や管理を地域の方にしてもらっている。感謝の気持ちを教師がしっかりと持ち、子どもたち の指導にあたる。 ・子どもたちの要望や発想・教師のねらいを大事にして、天候に応じて自然環境の生かし方を工夫して いく。 資 料 Ⅰ学びの基礎指導の手引き(抜粋) ~学びの基礎体験型学習プロジェクト~ 幼児期の「学びの芽生え」を児童期の「学びの基礎」につなぎ、子どもたちの 学ぶ力を育てます 幼児期の教育と小学校教育との円滑な接続を図るためには、幼児期の教育の充 実と小学校教育の充実が不可欠です。両者がそれぞれの教育の質を高めつつ、互 いの教育について理解を深めることが、子どもの発達と学びの連続性を保障する ことにつながります。 県教育委員会では、本年度から「学びの基礎や意見型学習プロジェクト」を実 施し、幼稚園・保育所・認定こども園と小学校で、幼児期の「学びの芽生え」を 児童期の「学びの基礎」につなぐ取組を進めています。 本資料編では、幼児期の学びを小学校以降の教育につなぐために、幼児期の教 育が修了近い時期に大切にしたいことを 中心にまとめています。幼稚園・保育 所・認定こども園の修了前の指導計画を見直す際や、幼稚園・保育所・認定こど も園と小学校の教職員等とが接続期の教育課程を検討する際に御活用ください。 学びの基礎体験型学習プロジェクト 具 体 的 な活 動 や体 験 を通 して「学 びの基 礎 」を育 む 幼 児 期 の「 学 びの芽 生 え」 を児 童 期 の「 学 びの基 礎 」 につなぎ、子 どもたちの学 ぶ力 をつけます 平成27年度 学びに向かう力育み事業 取組のまとめ 平成28年3月発行 発行 滋賀県教育委員会事務局学校教育課 〒520-8577 大津市京町四丁目1-1