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memento moriとは、ラテン語で 「死を想え」という意味です

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memento moriとは、ラテン語で 「死を想え」という意味です
memento moriとは、ラテン語で
「死を想え」という意味です。
<CONTENTS>
○日本財団ホスピスナース1,000名突破!
○第5回日本財団ホスピスナース研修会 開催報告
○ホスピスナースブログがオープン
○memento mori2006 ∼「死」をみつめ「今」を生きる∼ ご案内
○私がホスピスナースです②
ホスピスナースネットワーク NEWS LETTER
memento mori
vol.7
2006.6
日本財団ホスピスナース 1000 名を突破!
1998 年度より、日本財団の助成により実施して参りましたホスピス緩和ケアに携わる看護師養成事業ですが、2005
年度末で修了者数が 1,000 名を突破しました!新たに開講した訪問看護分野の認定看護師教育課程の修了生も「在宅
ホスピス」に関わってくることから、希望者は日本財団ホスピスナースのメンバーに加わります。多様な地域・キャリ
アの方が登録されることで、これからのネットワーク作りにも幅が出てきますね。
認定看護師教育課程
コース名
ホスピスケア
実施主体
緩和ケアナース養成研修
計
訪問看護
日本看護協会
日本看護協会
神奈川県
日本訪問看
日本看護協会/
(清瀬)
(神戸)
看護協会
護振興財団
笹川医学医療研究財
団
∼04 年修了者
05 年修了者
合計人数
139
30
22
―
784
975
27
30
30
18
99
204
166
60
52
18
883
1,179
第5回日本財団ホスピスナース研修会を開催しました!
日本財団ホスピスナースが年に一度顔を合わせる貴重な機会となっている「日本財団ホスピスナース研修会」の第 5 回
を開催しました。多忙なスケジュールの合間を縫って、全国から 89 名のホスピスナース達が参加。久々に再会した仲
間や新しく出会ったナースと共に、お互い抱える悩みや思いを共有し合い、収穫多き研修会となりました。
開催日:2006 年 3 月 2 日(木)∼3 日(金)
場 所:日本財団ビル2階会議室(東京都港区赤坂 1-2-2)
参加者:日本財団ホスピスナース 89 名
<1 日目>
■ホスピスナース活動報告・1
①「東海ホスピス・緩和ケアナース交流会の活動」
東海・ホスピス緩和ケアナース交流会 会長 水野敏子(H15・緩和ケアナース養成研修)
同交流会は、東海地区を中心としたホスピス緩和ケアナースの、志を同じく
する仲間との交流や看護師のレベルアップなどを目的として、2000 年 2 月
に発足。現在、18 施設が参加しています。運営は各施設の当番制となって
おり、ホスピス緩和ケア病棟の準備中や緩和ケアチームも参加、看護師長に
よる師長会も開催しています。医師や他職種との交流、事務局の設置、運営
資金の確保などが課題とのこと。2006 年度は、日本財団の助成金を受けて、
より充実した内容の交流会を開催します。
②「秋田市のホスピス・緩和ケアの動き」
医療法人惇慧会 外旭川病院 訪問看護ステーション 苅安真佐美(H11・認定看護師ホスピスケア学科)
秋田県は、悪性新生物及び自殺による死亡率がここ数年間全国トップとなっ
ているなど、様々な問題を抱えています。新しいものに対する抵抗が強い土
地柄故、ホスピス・緩和ケアの浸透も遅いのが現状。雪深い冬のせいもあり
県民性は我慢強く、お医者様意識も強く残っているようです。しかし、ホス
ピスケア認定看護師は 4 名に増える見込み、緩和ケアチームも動き始めてい
ます。この動きを滞らせないように、医療者が力を合わせる場所を作ってい
きたい、と語りました。
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ホスピスナースネットワーク NEWS LETTER
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③「ホスピスケアネットワーク∼山口市では∼」
綜合病院 山口赤十字病院 小野芳子(H14・認定看護師ホスピスケア学科)
H15 年度よりスタートした、山口市独自の「在宅緩和ケア推進事業」の
紹介がありました。山口市在宅緩和ケア推進会議の開催、在宅緩和ケア支
援福祉サービスの提供、在宅緩和ケア支援のための保健・医療・福祉サー
ビスの連携システムづくり、在宅緩和ケア相談体制の整備、市民への普及
啓発・情報提供、在宅緩和ケア従事者研修会など、市民が最期まで安心し
て在宅で過ごすために、様々な方面からのしっかりとしたサポート体制が
整備されています。
■グループワーク ∼地域での緩和ケアの発展を考える∼
参加者を、全国 9 つの地域ブロックに分けて行ないました。まずは、
自己紹介をしてお互いを知り、自分達が住んでいる地域において、緩和
ケアをさらに発展させていくためには何が必要なのか、テーマを一つ決
めて意見交換を行ないました。各グループからの発表では、地域の中で
連携を図っていく必要がある、という意見が多く出たほか、地域や行政
を巻き込んでの交流が必要、地域の人への認知度を上げたい、患者の生
の声が欲しい、マスコミや医師会を通じて、行政や社会へうまく働きか
けていきたい、といった意見も出されました。
各グループの代表者が、出された意見を発表
コーディネーターのピースハウスホスピス
教育研究所 松島たつ子さん
地域ブロックに分かれてのグループワーク
■講演「日本のホスピス緩和ケアが目指す方向とは」
桜町病院ホスピス部長、聖ヨハネホスピスケア研究所所長、ケアタウン小平クリニック院長 山崎章郎
<講演>
厚生労働省が平成 15 年度に実施した「終末期医療に関する意識調査」によると、WHO 方式を知っている医師は、ホ
スピス緩和ケア病棟では 92%に対し、一般病棟ではわずか 49%。2000 年に、WHO 方式を充実させた「がん疼痛
治療ガイドライン」
(日本緩和医療学会編)ができてから 5 年も経っているのに。今は、がんの痛みを取り除く方法は
いくらでもあるので、現場の医師がそれをせずに痛みを放置するのは、医療現場における暴力、犯罪ではないか。私は、
5 年以内に、一般病棟での疼痛緩和を 9 割に上げたいと思っている。そのためには、法廷闘争もやむを得ないのではな
いだろうか。それくらいの覚悟をしないと我々は患者を守れない。
シシリー・ソンダース氏によれば、人間の存在は「身体的」
「社会的」
「精神的」
「スピリチュアル的」の 4 つの要素に
より構成されている。
「スピリチュアルな存在」とは?人間は、身体的・心理的・社会的次元によって表されており、
スピリチュアルな次元を覆い隠しているため、普段は見えない。病気、失業、人間関係の悪化、といった時に、その程
度が浅ければ修復されるが、程度が深く進行していくと、スピリチュアルペインに到達する。人間の存在を構成してい
る 3 つの要素の一つでも破綻すれば、スピリチュアリティが脅かされる。末期がん・神経難病などの状態では、体の様々
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ホスピスナースネットワーク NEWS LETTER
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な機能が衰えているため、スピリチュアリティが脅かされている。末期がんの場合は、時間が無い、という意味でも、
積極的にホスピスケアに取り組む必要がある。
こうやって見てみると、施設のみならず、在宅療養、ホスピス、一般病院、在宅、福祉
施設、全ての場面でホスピスケアが必要である。しかし、ホスピス以外の場所では表面
的なケアのみで、スピリチュアルな部分までには目が行き届いていないのでは。ホスピ
スケアは、いろんな場面に普遍化できるので、皆さんが学び、深めていくことはとても
大事なこと。日本全体の流れでは、今後在宅ケアが主流になり、ホスピス施設は補完的
な役割になっていく。在宅ケアが浸透すれば、在院日数が短くなっていく。是非とも皆
さんには地域に入り、在宅ケアに取り組んで欲しい。日本の在院日数は平均 50 日。欧
米では平均 1 週間。日本の施設ホスピスは、がん患者のわずか 6%しかカバーできてい
ない。在院日数が短くなれば、7 倍、4 割の人をカバーすることが出来る。在宅ケアを
広げていけば、お金のかかる施設ホスピスを建設する必要はない。今後は、そのお金を
人材育成に充て、在宅を充実させるべき。
体の自立は難しいが心の自立を取り戻した人は、
「今を生きる」ことができる。今日人生が終わろうとも、その日がベ
ストである。ホスピスケアの目標は「今を生きる」ことが実感できること。全てのケアの原点ではないか。
<質疑応答・ディスカッション>
Q. 「カウンセリング」と「スピリチュアルケア」の違いは?
A. 定義よりも、患者とどう関わり現実の問題に対処するか、の方が大切。両者は重なっている部分もある。心の問題
はチャプレンだけが担うものではなく、医師、看護師なども含めたチームで取り組むものである。
Q. これから核家族が増えていく中で、在宅看護はどうしたらよい?
A. 1 人暮らしが増えてくるだろう。
「家族」とは、ゆるやかな家族、グループホーム的、という意味。立派な施設を作
らなくても、空き家を改修して 1 人暮らしの人が共同生活を送れる家を作れる。まずはソフトを連携させ、24 時間の
チーム対応を。デイサービス、デイホスピス、ショートステイがあれば、病院は急性期と特別疾患だけの対応になる。
Q. 自分が病院に戻ったときに、一看護師として何ができるのか?
A. 現場の同じ思いをもつ人と連携して勉強会などを通じて発言する、役割の大きい医師の意識を変えていく、医師に
お願いして、がん性疼痛の講義を受けることで勉強してもらい、自分達のやってきたことが間違っている、ということ
を知ってもらう、など。
(ピースハウス・松島さんより)
日本ホスピス緩和ケア協会の事務局に問い合わせあり。がん患者の娘から。痛みについて医師と話したくてもたった 2
∼3 分しか時間がない。
「看護師さんと話してみたら?」と言うと、驚いていた。患者・家族には、
「看護師に相談する」
というイメージがないのでは。ナースは、どんどん積極的に患者に聞いていくべき。医師を動かす力があるし、必要と
している人はたくさんいる。もったいない。どんどん動いて。
Q. 医師によっては WHO 方式のことを知らない、知っていても使いたくない、労力を使いたくない、という人も。が
ん性疼痛の痛みについて相談にも来ない人をどうやって見つけたらいい?
A. 患者会や各地のグループに参加して生の声を聞いてみたら。いろんな思いや考えを知ることができる。自分達の自
己体験のみで話すこともあるので、医療者としての知識を伝えてあげる。自分の居る場所に留まってはいけない。自分
達の持っている知識や経験を外の世界へ。
Q. 看護のプロとして、患者のスピリチュアルな部分に触れるためにどうしたらよいか?
A. 時間がないときは、誰かが自分に関心を持っている、ということを感じさせる言葉のやり取りを。時間があるとき
は、患者さんに会話のリード、主導権を握らせるようなやり取りを。
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■懇親会
乾杯の挨拶は、上智大学のデーケン先生が得意のユーモアで会場を盛り上げました。また、聖路加国際病院の日野原先
生も駆けつけ、いつのまにか写真撮影会の列が。日野原先生の直筆サイン入りのメメントモリ講演録「家族を看取ると
き」を、ジャンケン大会で勝った 10 名にプレゼント。看護協会の先生方もお越し頂き、思い出話に花が咲きました。
デーケン先生が乾杯
ジャンケン大会は大盛り上がり!
見事先生のサイン入り本を勝ち取った 10 人
<2日目>
■ホスピスナース活動報告・2
「ホスピス認定看護師に関する調査研究」
筑波大学附属病院 馬場玲子(H12・認定看護師ホスピスケア学科)
2005 年度 笹川医学医療研究財団の助成により実施した、
「ホスピスケ
ア認定看護師の活動の現状及び職務満足度、バーンアウトに関連する要因
∼フォーカスグループインタビューと質問紙による調査より∼」の調査研
究発表。ホスピスケア認定看護師にはどういう人達がいるのか、背景が明
らかとなりました。調査の中で使用した質問紙の「自由記述欄」へ貴重な
書き込みが大変多く、これから内容をさらに深めて研究していくとのこと。
今後の報告が楽しみです。
■講演「ナースの自分自身へのケア」 六甲病院緩和ケア病棟チャプレン、カウンセラー 沼野尚美
<講演>
ストレスの対処法は非常に個人的で、自分で生み出すもの。まずは、何がストレスなのかを明らかにすることが大切。
患者や家族から感謝の言葉をもらうより、本当は、一緒に働いているチームメンバーから好感の目で見られ、信頼され、
理解され、仕事を認めてもらったときが非常に嬉しいもの。従って、いかにチームメンバーを巻き込んでいくのか、が
重要になってくる。
ストレスには大きく 3 つある。
1. 人間関係からくるストレス
(1)医療者同士
患者の対処法を話し合う時など、
「マナー」が相手を不快にさせている要因である。自分を尊重してくれるような「マ
ナー」
、言葉というより「態度」で対応してくれているのか、特に女性は気になる。人の意見を聞く気があるのかどう
か。
(特にドクターは)助言を聞くことができるのか。私自身がストレスを与えていないのか。自分が原因で相手を辞
めさせていないか。認定看護師の資格を得たことで自信を持つべきだが、そのことで人間が変わり、マイナス要因を与
えていないか。チームメンバーにどう「恩恵」を与えているか。
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認定を取って帰ってきた後、また、緩和ケアナース養成研修を受けて帰ってきた後、周囲の人からの「評価」が始まる。
知識を見せびらかし、独断になっていないか。意見が違ったときにどうするか。譲れるところ、譲れないところの認識
が賢くできるのか。譲る、というのは「貸し」を作ること。つまり、手のひらで転がし、こちらのペースに巻き込む、
という賢さである。チームワークのリーダーシップは、是非ナースに取って欲しい。24 時間看れるのはナースだけな
ので、コーディネーターに最も相応しい。だからこそ、ナースに人間的な成熟を求めている。
(2)患者・家族との人間関係
精神的疾患はないけれど、人格障害者は非常に増えている。なんとなく「ヘン」な患者・家族が。うまく話が通じない
ことを重荷に感じてしまうが、おかしい、と思ったら、みんなで思いを共感すると負担が軽くなり、乗り切れる。こっ
ちの力量で相手を変えてやろう、と思わないこと。人格障害者とうまくやっている人に「コツ」を聞いてみる。
相手が良く見えてこないことがストレスになる。怒りっぽい、援助を拒否する、といった理由を知ること。生育歴、歩
んできた人生を知ることで楽になる。出身地、兄弟のこと、など軽い話題から歩み寄っていく。すると、怒りっぽさに
寛大になってくる。その人の、人となり、人生観がどこから来ているのかを知り、理解すると、対処の仕方が分かる。
今後は、いびつな人生を送る人が増えてくるだろう。人生を修復してやろう、変えてやろう、お母さんのことを嫌いな
人に、好きにさせてやろう、と思わないこと。あくまで、看護師としての対処をすること。
2. 医療者の視点の偏りからくるストレス
(1)冷たい家族に誰がしたのか、事情を知ること。
洗濯物だけもらいに来る、冷たい患者の妻。実は、夫婦は離婚するはずだったが夫に末期がん発覚、余命 3 ヶ月。子・
孫のことも考えて、一緒に生きることにした、とのこと。事情を知ることで冷たい理由分かる。いつもお礼を言う観音
様のような癒しタイプのおばあちゃん。全然家族が来ないのはなぜ?家族は「おばあちゃんは鬼みたいだった。病気に
なって人格が変わった」とのこと。冷たい家族ができる原因は患者本人にもある!たかが盲腸一週間の入院なのに、家
族総出で毎日見舞いに来る。
「おばあちゃんには、それだけのことをしてもらった」から。患者本人が、これまで家族
とどういう人生、付き合いをしてきたのか、の表れ。
「何で家族が来ないの?」という看護師のストレスが、態度・言葉に表れる。15 分で着くはずが 1 時間後に来た家族
を、単に責めてはいけない。これまでの患者家族の人間関係があるから。できない家族に「こうせい、こうするべき」
と押し付けてはいけない。家族に大きなストレス、傷を与えてしまう。
「他人」でできることは何か、を考える。
「冷た
い家族に、だれがしたのか」ということ。
(2)医療者がしていいことを考える
緩和ケア病棟やチームでは、個別ケア、サービスを売りにすることがあるが、本来、医療者がしていいこと、できるこ
と、してはいけないこと、できないこと、を識別できるものでありたい。全食食事介助をナースがすることが、だんだ
ん負担・ストレスに。
「私たちが食事、洗濯まで全てやりますので」と言ってしまうと、家族の足を遠のけてしまう原
因に。やってもらうのが当たり前になってしまい、感謝もなくなる。本来、家族がすべきことは、犠牲を払ってでもや
ってもらい、緊張感を持たせる「家族参加型」
。看護師しか出来ないことは何か。
(3)患者・家族との距離感を保つ。
あつかましい、感謝がない、当たり前として振舞われると、腹が立ってくる!日野原先生の言葉に「看護はアートであ
る」とある。演出が必要。私たちのなせる業を当たり前でないように演出すること!相手を無作法にさせない。
3. 人としての未熟さからくるストレス
(1)人間性の未熟さ
「ハウツー物」というより、働きを継続して学んでいき、育てていくもの。ナースの皆には、スピリチュアルケアをこ
ぞってやってほしい。その時の感性、センス、気付こう、という努力が問われる。新人は、就職してからの 3 年で将来
が決まる、といっても過言ではない。
「気付き」があるか、
「応用」がきくかどうか。自分は何が未熟なのかに気付く。
(2)技術・経験の未熟さ
患者に「死にたい」と言われたとき。自分の長年の経験から、どういう意味が含まれているか分かるようになった。働
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memento mori
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き、経験したことを、いかに次の機会に生かせる人になれるかどうか、反省・分析する。デスケースのカンファレンス
では、先生を責めるのではなく、
「できた」ことを褒めることで伸ばす。
「学会貧乏」とう言葉があるが、これぞ、と思
うものに積極的に参加し、勉強して。どこの職場も同じ、と安堵し、リフレッシュできる。
<質疑応答・ディスカッション>
Q. 先生が「キレる」とき、ストレスにどう対処しているのか?
A. 私は、どこの職場に行っても同じ職種・立場の人がいない、とい
うのがストレス。チームメンバーに気を遣わなければいけない。嫌い
な人はいるが「大嫌い」な人を作らないようにしている。今さら履歴
書を書いて職場を移るのも面倒なので、今で妥協し、うまくやってい
く。看護師には余裕があるとき、自分のストレスを聞いてもらってい
る。看護師が一番の理解者であり、かなり助けられている。1 時間の
勤務距離、駅から 15∼20 分歩くが、その間にイライラ忘れている。私は、自分の仕事を「天職」だと思っている。
この仕事が好き、というのは強い。自分自身を出せる相手を見つけ、格好よくならなくても良い職場に自分がする。ま
た、競争心に巻き込まれないように、スルスルと抜けながらきている。
Q. 研修から戻ってきた後、上司からの期待・プレッシャーがあり、自分の意見を押し付けていたようだ。
A. 地が出て、きついことを言うこともある。許し、許される関係。私は、自分をコントロールできないときには無口
になる。年齢と共に、上手に相手と協調できるようになった。年齢から来る功、自信はとても大事。その分、責任・プ
レッシャー・傷つきもある。
「プロ」には自動的になれるが、
「本物」になれる人はほんの一握り。怒りを人にぶつける
のではなく、強い優しさに変えられる人。誰に対しても平等で育てることが出来る人。今までのプライドやキャリアを
持ちながら、それだけの器を持っていくように。
Q. 自分がある程度の役職に就くと、年上の部下が威圧的な態度に。相手を可愛そうに思うのは、優位に立つこと?
A. コンプレックスのない人は絶対にいないが、強すぎる人が上司にいると部下は育たない。年功序列により、たまた
ま役職に就いてしまった人もいる。
「人間性」を成熟させる講座は残念ながらないので、その人を立て、いい面を支え
て人間関係をつないでいくしかない。部長に対して話す、相談することも必要。告げ口ではない。あまりにも人間関係
に真面目に悩みすぎると、鬱になるかガンになる。鬱になってから職場を去るくらいなら、自分が駄目だと思ったとき
に自分から逃げる手も。ナースを続けながら他の職場を探すエネルギーを残して。逃げる、というのも大人の選択肢。
自分を守って。あと「1 年だけ」なら、1 年だけ頑張る、という選択肢も。タイミングを見計らって。情熱が薄れてき
たことにストレスを感じる必要はない。勤続 30∼40 年、もう一度情熱を沸き立たせる出会い(多くは患者・家族・
同僚)があるまで待つ。情熱をもてないときに自分を「許す」ことも必要。
「競争」にならないようにうまく褒めなが
ら。自分はあなたのことを「競争相手と思っていない」という意思表示。
Q. 患者の「死にたい」という言葉の意味は?
A. 去年の 11 月号の「ターミナルケア」
(青海社出版。現「緩和ケア」
)に掲載。
・ストレスになる患者からの叫び。死にたいほど辛い、苦しい。でも、本当に死にたいわけじゃない。
・家族への負担。迷惑になるのでは。
・生きている意味が分からない。時間の使い方が分からない など。
言葉を杓子定規に取るのではなく、どういう意味が込められている「可能性が」あるのかどうかを、経験から察する。
自分の言葉で言えない人が多い。患者さんの言葉を代弁してあげる。すると、看護師の株が上がる。
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2006.6
ホスピスナースブログがオープンしました!
全国各地で活躍する、ホスピス・緩和ケアに携わるホスピスナースの皆様
のためのサイト「ホスピスナースブログ」がオープンしました!仕事が終
わりほっと一息つく時間に、ちょっとパソコンを立ち上げて覗いてみませ
んか?ナース同士の情報交換・思いの共有の場として、是非ご活用下さい。
◆ブログ活用例◆
・私たちの地域・施設で行なっている、こんな素敵な活動を紹介したい!
・ホスピスナースが興味を持ちそうなイベント・セミナー・勉強会の案内
をしたい!
・日々の仕事の中で思い悩んでいること、考えさせられること、気付いたことなどを是非とも皆に知って欲しい!
・他のナース達がどう思うのか、意見を聞いてみたい!
・記事を見ているだけでなく、一言コメントしたい!
まずはアクセスし、関心のある記事に対してコメントを書いてみましょう!自分で記事を発信したい方は、メールにて
お知らせ下さい。登録方法をお知らせいたします(登録は日本財団ホスピスナースに限らせて頂きます)
。
ホスピスナースブログアドレス → http://blog.canpan.info/hospicenurse/
ホスピスナースブログに関するお問合せ → [email protected]
memento mori2006∼「死」をみつめ、
「今」を生きる∼ お知らせ
「memento mori」は、死を見つめ、今をよりよく生きることを考える、一般市民を対象とした周知啓発セミナーで、
1999 年より全国各地で 19 回開催してきました。2006 年は下記の通り開催予定です。お近くにお住まいの方は是
非ともご参加ください!(参加費:1,000 円)
【 開催予定 】
<岩手> 2006 年 6 月 17 日(土)13:30∼16:00 岩手教育会館
講演Ⅰ
「遺された言葉と今を生きるいのち」 柳田邦男(ノンフィクション作家)
講演Ⅱ
「人生の後半を輝かせる生き方−各年代の方々にー」 日野原重明(聖路加国際病院理事長)
<岡山> 2006 年 7 月 22 日(土)13:30∼16:00 倉敷市児島文化センター
講演Ⅰ
「ふれあいのなかで、輝くいのち」 石垣靖子(東札幌病院 理事)
講演Ⅱ
「人生の後半を輝かせる生き方−各年代の方々にー」 日野原重明(聖路加国際病院理事長)
<兵庫> 2006 年 9 月 23 日(土) 13:00∼16:00 兵庫県看護協会 ハーモニーホール
第1部
日野原重明(聖路加国際病院理事長)
第2部
昇幹夫(日本笑い学会副会長/医師)
沼野尚美(六甲病院緩和ケア病棟チャプレン、カウンセラー)
松島たつ子(ピースハウス病院ホスピス教育研究所所長)※(社)兵庫県看護協会との共催
<栃木> 2006 年 10 月 7 日(土) 13:30∼16:30 栃木県教育会館
第1部
山崎章郎(聖ヨハネホスピスケア研究所所長/ケアタウン小平クリニック院長)
沼野尚美(六甲病院緩和ケア病棟チャプレン、カウンセラー)
松島たつ子(ピースハウス病院ホスピス教育研究所所長)
第2部
「人生の後半を輝かせる生き方−各年代の方々にー」 日野原重明(聖路加国際病院理事長)
【主 催】日本財団、(財)笹川医学医療研究財団、(財)ライフ・プランニング・センター
【お申込み・お問合せ先】memento mori 事務局 TEL:03-5511-1512(月∼金 10:00∼18:00)
URL:http://www.sasakawa-igaku.or.jp/
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ホスピスナースネットワーク NEWS LETTER
memento mori
vol.7
2006.6
全国で頑張っているホスピスナースを紹介するコーナーです。
第 2 回目となる今回は、ホスピスケア認定看護師として活躍中の村上真由美さんです。
富山赤十字病院 看護部 村上真由美
平成 15 年度 日本看護協会 看護研修学校
認定看護師教育専門課程ホスピスケア学科 受講
Q.現在の仕事内容を教えてください
A.午前は外来化学療法、午後は緩和ケアチーム活動として
院内ラウンドを行っています。当初は、何故自分が外来化
学療法を担当するのか疑問を感じることもありました。し
かし現在では外来からの早期からのコンサルテーション
が増加し、緩和ケアへのギアチェンジが円滑になってきた
カンファレンスにて(左から 4 人目が村上さん)
ことを実感しています。緩和ケアチームは本格的に活動を
開始してから1年が経ち、月平均 20 件程度の相談があります。ようやく院内に浸透してきた印象です。
Q.ホスピスナースのやりがいを感じるときは?
A.まずは痛みなどの苦痛症状が和らぎ、患者様やご家族の笑顔に出会ったときです。そして「この前教えてもらったこ
とをやってみたんですよ」といきいきと実践を語る病棟ナースや、時に主治医からの反応が得られたときです。最近は
病棟医療チーム・緩和ケアチームが患者様・ご家族を交えてカンファレンスを行うこともあり、患者様中心のチーム医
療が少しづつ出来てきていることを実感しています。
Q.休日の過ごし方は?
A.平日はなかなか子供たちとじっくり向き合う時間がもてないので、とにかく子供中心で過ごすようにしています。子
供の笑顔を見たり、うれしそうに話すのを聞いているととても癒されます。あとは、1週間まとめて掃除やら片付けな
どの家事に追われています。
。
。これが大変なんですよね。
。
。
Q.全国のホスピスナース達に伝えたいことは?
A.各施設で勤務していると孤独感に陥ることって
ありませんか?日々、知識と技術をもって看護実
践をしている中でも、
「これで良かったのかな?」
と振り返り悩むことが多く、また他職種からのバ
リアもなきにしもあらず。。。「千里の道も一歩か
ら」の如く、常に足を動かし前に進んでいきまし
ょう!
Q.その他 ご自由に・・・
A.3月に初めてホスピスナース研修に参加させて
頂きました。全国各地で活動している仲間の頑張
りを伺い、自分も頑張ろうと思いました。プログ
富山赤十字病院 研修会にて
にも参加させていただき、みなさんとのつながり
を大切にしていきたいと思います。
8
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