Comments
Description
Transcript
2002年8月号 - 信金中金 地域・中小企業研究所
ISSN1346-9479 Shinkin Central Bank Monthly Review 第 1 巻 第 9 号( 通 巻 3 4 9 号 ) ● 中国のWTO加盟が日本経済に与える影響 −空洞化の促進要因となる反面、輸出市場としては有望− ● 規制緩和が進む銀行等の保険窓販 −10月から個人年金保険などの取扱いが可能に− ● 信用金庫取引先企業の上場事例(続編) −2001年新規株式上場企業169社の中の事例から− ● 米国商業銀行2001年決算状況 ● 華東地域の投資環境 −上海市・浙江省の現況− ● 第108回全国中小企業景気動向調査 4∼6月期の業況は悪化傾向止まるも依然低水準 特別調査−情報通信機器の利用について ● 統計 2002. 8 2002年 8月号 目次 hinkin Central Bank Monthly Review 研 究 2 中国のWTO加盟が日本経済に与える影響 峯岸直輝 −空洞化の促進要因となる反面、輸出市場としては有望− 19 規制緩和が進む銀行等の保険窓販 間下 聡 −10月から個人年金保険などの取扱いが可能に− 31 信用金庫取引先企業の上場事例(続編) 鉢嶺 実 −2001年新規株式上場企業169社の中の事例から− 調 査 43 米国商業銀行2001年決算状況 藤原康史 55 華東地域の投資環境 篠崎幸弘 −上海市・浙江省の現況− 76 第108回全国中小企業景気動向調査 4∼6月期の業況は悪化傾向止まるも依然低水準 特別調査−情報通信機器の利用について 信金中金だより 86 信金中央金庫総合研究所活動状況(6月) 統 計 87 個人名による掲載文のうち意見にわたる部分は執筆者個人の見解です。 総合研究所 中国のWTO加盟が日本経済に与える影響 −空洞化の促進要因となる反面、輸出市場としては有望− 峯岸 直輝(総合研究所) (要 旨) 1.中国からの趨勢的輸入増が貿易黒字の縮小要因―中国は世界の工場へ 日本を含む外資の積極的導入を背景とした国際競争力の飛躍的向上で、中国からの輸入が趨 勢的に増大している。2001年の輸入金額は、前年比18.3%増の7.0兆円と、最大の輸入相手であ る米国の7.7兆円に肉薄した。この結果、01年の景気後退局面においても、日本の貿易黒字は 一段と縮小した。中国は世界の工場としての地位を固めつつあるが、WTO加盟を機に中国へ の直接投資は再び増加、低賃金、インフラの整備を背景に、日本企業も今後の生産拠点とし て、中国を最重視している。 2.中国のWTO加盟は空洞化を促進―中国との競合度の高い地域に打撃 アジアの日系製造業は、原材料・部品の現地調達を拡充、日本への依存度は低下傾向にあ る。その一方で、日本の輸入浸透度は精密機械、繊維を中心に上昇が著しく、産業の空洞化が 進んでいる。特に、繊維では中国の競争力が圧倒的に高く、最近ではIT関連でも中国の躍進が 目覚しい。1990年代以降、製造業の事業所数は減少傾向にあるが、海外生産比率がこれまでの 上昇トレンドを維持した場合、2010年度の事業所数は2000年度比で20%近く減少する恐れもあ る。地域別には、中国からの輸入品との競合度合いが高い地域ほど打撃が大きい。現状では、 北陸の出荷額の構成比が対中輸入の構成比と類似しているが、対中輸入に占める電気機器の割 合が高まっていることから、東北・関東に与える影響度が強まりつつある。 3.中国は輸出市場としても有望―日本は技術力・生産性の向上が急務 中国のWTO加盟に伴い、関税率の引き下げや外資出資制限の撤廃などが図られる。巨大か つ成長力の高い市場が開放されることで、日本の対中輸出は中長期的に拡大傾向が期待できよ う。なかでも、高関税率を課せられ、制限措置が多かった自動車産業にとってメリットが大き い。ただ、自動車メーカーは、対欧米同様に現地生産にも力を入れるとみられ、輸出の増加余 地はその分低下しよう。いずれにせよ、汎用品や労働集約型製品における日本の競争力は今後 も低下が避けられず、日本企業は高付加価値品に特化する必要がある。ITやナノテクノロジー といった成長分野の技術力の強化が今後の課題といえる。 2 信金中金月報 2002.8 表3)。なかでも、中国の工業化を反映して、 1.中国からの趨勢的輸入増が貿易黒 字の縮小要因―中国は世界の工場へ AV機器、事務用機器、科学光学機器、家庭用 日本を含む外資の積極的導入を背景とした の日本に対する競争力をみるために、貿易特 国際競争力の飛躍的向上で、中国からの輸入 。この係数 化係数(注)1を算出してみた(図表4) が趨勢的に増大している。日本の輸入金額を は、ゼロを分岐点に数値がプラス1に近いほど 地域別にみると、2001年は対中国が前年より 日本に、マイナス1に近いほど相手国製品に優 18.3%増加して7.0兆円に達し、最大の輸入相 位性があることを示している。まず、非耐久 手である米国の7.7兆円に迫る勢いである(図 消費財をみると、1980年代からマイナス0.9台 表1) 。日本の輸入総額は前年比で3.6%増加し で推移しており、衣類などの労働集約的な製 たが、中国の寄与度は2.7%にのぼっており、 品の中国の優位性が高いことが分かる。一方、 中国製品の日本への流入が一段と加 速している。 通常の景気後退局面では、国内需 要の落ち込みに伴って輸入が低迷し、 電気機器のシェアが高まっている。中国製品 図表1 輸入金額の地域別推移 (兆円) 10.0 9.0 米国(年率1.3%成長) 8.0 7.0 貿易黒字は拡大基調で推移する(図 6.0 表2) 。しかし、01年の貿易黒字は6.6 5.0 欧州(年率6.0%成長) 4.0 兆円にとどまり、前年の水準に比べ 3.0 て38.7%も縮小した。貿易黒字の縮 2.0 小は、世界的なIT不況により、半導 体等電子部品といったIT関連製品の 輸出が大幅に減少した影響が大きい 1.0 0.0 ASEAN4(年率1.9%成長) 中国(年率9.9%成長) 1985 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 (年) (備考)財務省「貿易統計」より作成 図表2 貿易収支の推移(対世界・対中国、四半期ベース) が、中国からの輸入が急拡大してい ることも要因の一つとして考えられ る。 中国からの輸入の品目別構成比を みると、繊維製品が3割程度の高いシ ェアを保っているが、鉱物性燃料、 アジアNIEs (年率4.3%成長) 貿易収支(対世界、左目盛) (兆円) 4.0 景気後退局面 景気後退局面 (兆円) 0.4 0.2 0.0 貿易収支(対中国、右目盛) -0.2 -0.4 -0.6 -0.8 -1.0 景気後退局面 景気後退局面 3.5 3.0 2.5 食料品、原料品といった品目の割合 2.0 が低下している一方で、機械機器の 1.5 1985 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02(年) ウエイトが急速に拡大している(図 (備考)1.4期移動平均 2.財務省「貿易統計」より作成 (注) 1.貿易相手国に対する純輸出額を貿易額で割った値 研 究 3 85年にはプラス0.90と日本の競争力 図表3 中国からの輸入の品目別構成比 が強かった耐久消費財は、80年代後 (%) 100 半以降低下基調を辿り、01年にはマ 90 イナス0.72と対世界のプラス0.54と大 その他 機械機器 金属・同製品 80 非金属鉱物製品 70 10.6 5.8 5.4 1.4 幅に乖離している。これは、自動車 60 繊維製品 29.7 化学製品 5.2 鉱物性燃料 16.6 や付加価値の高い電機製品などの生 産に関しては依然として日本の国際 競争力が高いものの、AV機器などの 比較的加工度が低い製造工程の中国 移管が加速したことで、中国に対し 50 40 30 20 原料品 8.1 10 食料品 17.2 0 17.1 17.9 18.1 28.5 3.7 2.1 3.5 2.0 33.6 29.1 3.5 5.9 3.6 12.4 1991年 3.0 3.5 2.3 10.2 96年 2001年 (備考)財務省「貿易統計」より作成 ては輸入超過幅が拡大しているため である。また、90年代半ばからは、 図表4 貿易特化係数の推移(中国を除く対世界・対中国) 資本財についても中国製品に対する 1.0 対世界・資本財 0.8 日本製の優位性が低下しており、日 0.6 本へ流入してくる中国製品の技術度 0.4 対世界・耐久消費財 対中国・資本財 0.2 合いは徐々に高まっている。中国の 0.0 工業化、技術力の向上は、中国に対 -0.2 する貿易赤字を趨勢的に拡大させ、 -0.6 日本の貿易黒字を縮小させる圧力と -0.8 なっている。 世界各国の企業が中国への投資を -1.0 対中国・耐久消費財 対世界・非耐久消費財 -0.4 対中国・非耐久消費財 1985 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 (年) (備考)1.貿易特化係数=(輸出−輸入)÷(輸出+輸入) 2.財務省「貿易統計」より作成 積極的に推し進めている。中国への 直接投資は90年代に急拡大し、96年以降は毎 年400億ドルを上回る規模で推移してきた(図 表5)。90年には35億ドルにも満たなかったこ とを考えると、90年代に入って急激に対中投 資が活発化したことが理解できる。外資の進 出で中国の産業集積が進んだ結果、中国の世 図表5 中国への直接投資の推移(世界計) (億ドル) 600 526.5 500 452.6 454.6 417.3 400 337.7 300 275.1 200 110.1 100 34.9 43.7 ば、労働集約的なパソコン周辺機器であるマ 0 民生用電機が2∼3割、携帯電話も1割近くを占 4 信金中金月報 2002.8 403.2 407.1 375.2 界における生産シェアが高まっている。例え ウスやキーボードは4割程度、エアコンなどの 468.5 1990 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 (年) (備考)1.2002年は1∼5月の年率換算値 2.「中国対外経済貿易年鑑」などより作成 める(図表6)。産業集積効果がさらなる海外 図表6 中国の生産シェア(対世界) 0 からの投資を招き入れ、中国は世界の工場と マウス キーボード スキャナー マザーボード デスクトップパソコン 携帯電話 ルームエアコン 洗濯機 カラーテレビ 冷蔵庫 オートバイ 船舶 自動車 化学繊維 鉄鋼 エチレン 掘削用工作機械 しての地位を固めつつある。足元でも、中国 への直接投資は拡大しており、02年1∼5月は 前年比12.4%増と、中国のWTO加盟(01年12 月)を契機に対中投資が再び加速している。 日本でも対中投資に乗り出す企業が増えて いる。01年度の製造業の対中直接投資は1,590 億円、前年度比では89.2%増と大幅に拡大した 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50(%) 42(98年) 39(98年) 27(98年) 18(98年) 9(99年) 8(99年) 32(97年) 26(97年) 23(99年) 19(97年) 43(98年) 6(98年) 3(98年) 21(98年) 15(00年) 4(99年) 5(00年) (備考)経済産業省「産業構造審議会新成長政策部会資料」よ り作成 (図表7) 。特に、業種では電機や輸送機が積極 投資に踏み込んでおり、各々のシェアは40.2%、 16.2%にのぼる。 図表7 日本の対中直接投資の推移(製造業の業種別) 対中投資は90年から95年にかけて (億円) 4,000 の円高進行と共に急速に拡大し、95 その他製造業 3,500 繊維 年には製造業全体で3,368億円に達し 3,000 機械 た。90年代半ばにコスト競争力の改 2,500 善などを目的に民生用電機メーカー 2,000 の中国進出が活発化したことから、 1,500 3,368 輸送機 電機 1,590 1,000 日系企業の海外生産拠点数に占める 500 中国拠点の割合は、白物家電で25%、 テレビで10%を占めている(図表8) 。 0 1989 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 (年度) (備考)財務省「対内・対外直接投資届出・実績報告」より作成 図表8 海外生産拠点の内訳(左:白物家電、右:テレビ) (2000年) (%) 25 10 5 5 その他 その他アジア その他 中国 11 タイ 欧州 インド 8 マレーシア フィリピン 北米 インドネシア タイ 8 台湾 8 (2000年) (%) 14 中国 マレーシア 8 10 11 21 17 その他アジア 8 インドネシア 10 21 (備考)経済産業省「産業構造審議会新成長政策部会資料」より作成 研 究 5 90年代は、コスト面での中国の優位 性を活用するために、主として日本 への逆輸入や欧米輸出向け製品の製 図表9 外国製品の流入に対する対抗策と今後の海外生産 拠点(2002年1月) (%) 0 20 30 た。 競合品目の外国企業への生産委託 競合品目の海外生産シフト 60 70 80 90 51.0 85.7 52.7 14.1 28.1 〈海外生産する地域〉 81.0 ①中国(除く香港) スト構造の改善を挙げる企業が多い。 ②NIEs ③ASEAN4 18.3 安価な外国製品の流入に対する戦略 ④北米 ⑤欧州 18.3 「製品のコストダウン」を目指すとし 50 販売活動の強化 造拠点としての中国の役割が強かっ を日本企業に尋ねた調査によると、 40 〈外国製品に対抗する方策〉 製品のコストダウン 高級・高機能品種の生産に注力 事実、対中投資の目的として、コ 10 38.9 14.3 (備考)1.〈海外生産する地域〉は、海外生産シフトを考えている企業にその 国・地域を質問した。 2.内閣府「平成13年度企業行動に関するアンケート調査」より作成 た企業の割合は85.7%に達している (図表9)。日本企業のコスト削減意欲は強く、 「海外生産シフト」まで考えている企業は28.1% にのぼる。そのうち、中国を進出先の候補と 図表10 国内・海外現地法人の主な固定費の 対売上高比率 (%) 25.0 して考えている企業は81.0%を占めており、中 20.0 4.0 国を生産拠点として最重要視していることが 15.0 4.0 1.1 分かる。実際、アジア現地法人の売上高に対 10.0 する給与総額の比率は5.0%と、国内法人の半 研究開発費比率 減価償却費比率 賃借料比率 給与総額比率 0.4 3.7 0.5 12.8 5.0 0.0 中国深 の労働者の賃金は日本の30分の1程度 と(図表11) 、中国での生産は固定費を圧縮さ 国内 9.6 8.3 5.0 分にも満たない低さであり(図表10)、特に、 1.8 3.4 0.7 2.3 3.2 0.5 アジア 北米 欧州 (備考)1.国内法人は99年度、海外現地法人は2000年度 2.経済産業省「海外事業活動基本調査」より作成 せる効果が期待できる。 単位労働コストでも、日本は中国の1.2倍の 高さであり(図表12) 、労働者の生産性を考慮 図表11 アジア主要都市の人件費比較 (2001年11月) 0 したとしても、中国生産は人件費の抑制効果 が働く。また、海外進出企業に現地の電力・ 通信・運輸といったインフラの整備状況を評 価してもらった調査によると、中国では57.1% の企業が改善していると回答した(図表13)。 例えば、総発電電力量は10年間で2.5倍に拡大 し、安定的な電力供給がなされているうえ、大 型飛行機が離着陸できる飛行場の数も120カ所 6 信金中金月報 2002.8 北京 上海 中 大連 重慶 国 深 香港 台北 ソウル シンガポール バンコク クアラルンプール ジャカルタ マニラ 10 20 30 40 50 60 (横浜=100) 70 80 90 6.2 9.5 3.8 5.0 3.0 84.9 30.5 43.8 17.0 5.7 8.0 2.7 4.8 (備考)1.ワーカー(一般工、月額)の最大賃金と最小賃金 の中間の値 2.日本貿易振興会「第11回アジア主要都市地域の投 資関連コスト比較」より作成 (99年)にまで増えている(図表14)。製品の 図表12 中国の賃金・単位労働コストの国際比較 生産・輸送、情報伝達などの企業活動に不可 (中国=1) 60 欠なインフラの整備が進んでおり、対中投資 50 (98年) 環境は着実に改善されている。 また、日本への外国製品の流入に伴い、販 40 30 10 にのぼる(図表9)。成熟した日本市場から中 0 国の巨大市場へ活路を見出そうとしている企 業は多いと考えられる。足元での対中投資の 拡大は、コスト競争力の改善に加え、中国の WTO加盟に伴う関税率の引き下げや流通の自 (98年) 1.3(98年) 1.3 1.2 日 本 米 国 台 湾 マ レ ー シ ア 韓 国 フ ィ リ ピ ン イ ン ド ネ シ ア 0.0 図表13 海外進出先のインフラの評価 0 的に調達し、以前より質の高い製品を生産で 中国 きるようになる、②中国国内で日本企業の製 タイ 品を販売することが容易になる、ことが大き マレーシア く影響している。中国のWTO加盟で、日系企 インドネシア 業における中国の製造・販売拠点としての重 フィリピン 2.中国のWTO加盟は空洞化を促進― 中国製品との競合度の高い地域に打撃 2.0 (備考)製造業。UNCTAD“Trade and Development Report, 2002”より作成 由化などで、①高品質な原材料・部品を効率 要度は一段と高まっている。 シ ン ガ ポ ー ル 賃金(左目盛) 単位労働コスト (右目盛) 1.5 (98年) (96年) 1.1 (98年) (97年) 0.9 1.0 0.8 0.7 0.5 20 売活動を強化するとした日本の製造業は51.0% (中国=1) 2.5 (97年) 2.3 (%) 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 57.1 22.5 0.5 37.9 28.4 26.1 33.0 12.9 10.6 改善 34.1 28.4 6.4 変化なし 2.1 1.6 12.5 悪化 分からない (備考)1.2001年の電力・通信・運輸などのインフラ整備状況 を96年と比較してもらった。 2.国際協力銀行「2001年度海外直接投資アンケート調 査」より作成 図表14 中国のインフラ整備状況 中国のWTO加盟に伴う、ローカルコンテン 〈総発電電力量〉 ・1985年:4,107億kWh→1995年:10,077億kWh ト要求・輸出入均衡要求・輸出拡大要求(注)2の 〈高速道路(総延長)〉 ・2000年末:15,000km、日本(1998年末)6,400km 撤廃などで、品質の高い原材料・部品を効率 〈鉄道〉 ・1998年末:66,400km(年間500∼1,000kmペースで延長中) 的に調達できるようになるなど、中国生産に 〈空港(ボーイング737機以上の飛行機が離着陸できる飛行場の数)〉 ・1985年:10→1995年:81→1999年:120 際してのメリットが高まることが期待されて 〈電話加入台数〉 いる。実際、自動車では広州ホンダなどは中 国進出当初50%以上の国産化率を要求されて いたといわれ、効率的な部品調達が阻害され ていたおそれがある。日系企業は、日本から 1985年 中国(固定) 312 (移動) 日本(固定) 4,500 (移動) 6 (単位:万台) 1990年 685 2 5,500 87 1995年 4,070 363 6,104 1,020 1998年 8,742 2,386 5,847 4,153 2000年 14,400 8,526 5,209 6,094 (備考)1.日本の電話加入台数は年度末の値で、移動は携帯 電話のみ 2.財務省「中国研究会資料」より作成 (注)2.ローカルコンテント要求(国産品を一定比率以上使用することを義務付ける)、輸出入均衡要求(原材料や資本財の輸入は 輸出実績に見合った金額や数量しか認めない) 、輸出拡大要求(製品の大部分を輸出するよう求める) 、などの規定は、2000年 10月に「外資企業法」、 「中外合作経営企業法」 、2001年3月に「中外合資経営企業法」などが改正された際に削除された。 研 究 7 技術集約度の高い原材料・部品を輸入し、中 車では02年から中国で生産する新型車用の部 国で加工して日本へ完成品を輸出する貿易形 品の現地調達比率を将来的には6割に達するよ 態を一段と活用することが見込まれ、対中貿 う目指しており、エンジンも現地で生産する 易がさらに活発化する可能性が大きい。 見込みである。電装品や排気ガス規制などの ただ、中国の産業集積が進展していること 環境基準を満たす必要があるエンジンといっ もあり、中国での原材料・部品の調達は拡大 た主要部品は日本からの調達が主流になると している。在中国日系製造業の原材料・部品 見込まれるが、エンジン製造に関する外資出 の現地調達比率は、1996年度の39.9%から2000 資規制が撤廃されたこともあり、長期的には 年度には47.6%へ徐々に上昇してきた(図表 基幹部品の中国生産も行われる可能性がある。 15) 。中国生産の技術度が高まるにつれて、中 現地に日系部品企業が集積していることから、 国での生産に投入される原材料・部品を日本 国産化率に対する要求などが撤廃されても、中 から調達する必要性は低下する。事実、中国 国での部品調達比率は高水準を維持するもの に進出している日系製造業の79.5%は現地調達 と推測される。 を拡大させる方針を打ち出しており、日本か アジアでは、現地・域内で原材料・部品を らの輸入を増やすとしている企業は2.0%に過 調達して日本へ逆輸入する傾向が強まってお ぎない(図表16) 。例えば、ホンダ車向けの車 り、すでにASEANに進出している日系製造業 体骨格・金型の中国生産をヒラタと本郷、菊 では、日本からの仕入額を日本への輸出額が 池プレス工業などの系列メーカーが開始する 上回る状態にある。中国の日系製造業におい 予定であり、トヨタ自動車は、中国で生産す ても対日輸出・輸入比率は96年度の74.0%から る乗用車のドア向け部材などの鋼板を上海宝 2000年度には98.7%へと大幅に上昇している 山鋼鉄から調達する計画がある。トヨタ自動 (図表15)。日本の優位性が高い基幹部品など 図表15 在アジア日系製造業の原材料・部品の 現地調達比率と対日輸出・輸入比率 図表16 在アジア日系製造業の今後の原材料・ 部品の調達方針(2001年11∼12月) 現地調達比率(%) 50 0 1996→2000年度 48 中国 ASEAN (109.0、42.0) (85.8、39.9) 40 (74.0、39.9) NIEs 36 (65.9、34.8) 70 75 60 70 80 (%) 90 80 85 90 95 100 105 110 対日輸出÷日本からの仕入額(%) (備考)経済産業省「海外事業活動基本調査」より作成 信金中金月報 2002.8 1.6 62.4 アジア 65 50 53.8 42 38 40 2.0 (78.1、44.7) ASEAN 8 30 79.5 中国 34 60 20 (98.7、47.6) 46 44 10 2.0 現地調達を拡大 ASEAN域内からの輸入を拡大 韓国・台湾からの輸入を拡大 中国 (香港含む) からの輸入を拡大 日本からの輸入を拡大 現状維持 (備考)日本貿易振興会「2001年度在アジア日系製造業活動実 態調査」より作成 の中国向け輸出は今後も拡大が期待できるが、 人、東レ、日清紡などの大手繊維メーカーが 対中貿易全体でみると、中国生産へのシフト 相次いで中国に工場を設立・稼働させており、 に伴う原材料・部品の輸出誘発効果が逆輸入 ポリエステル織物などの汎用品に関してはコ 効果に比べて相対的に低下するものと見込ま スト競争力のある中国への生産移管が進んで れる。 いる。 逆輸入や海外企業への生産委託の拡大など IT関連製品の中国の競争力も向上している。 で、海外製品の日本への流入が加速している。 コンピュータおよび関連装置の対中貿易特化 01年の鉱工業の輸入浸透度は、20年前の水準 係数はマイナス0.550であり、輸入に占める中国 (5.6%)の2倍を超す12.9%に達した(図表17) 。 製の割合は13.6%にのぼる(図表19) 。NECは、 特に、精密機械(41.2%) 、繊維(30.7%) 、非 パソコン生産の7割を中国(台湾系のEMS(注)5 鉄金属(18.5%)、電気機械(17.1%)におい 会社への委託生産)に切り替える方針を打ち て海外製品の流入が顕著である。とりわけ、繊 出しており、東芝も浙江省杭州にパソコンの 維では、中国からの輸入が7割を占めており、 大規模生産拠点を設立し、03年4月から稼働さ 中国製品への依存度が高い。繊維二次製品の せる予定である。 対中貿易特化係数はマイナス0.955であり、技 一方、半導体等電子デバイス・部品はプラ 術的優位性を十分に反映しにくい衣類におい ス0.629であり、技術集約型製品では日本の競 て中国の競争力が強いことが分かる(図表18) 。 争力が中国よりも依然として高い。しかし、東 また、日本の繊維産業は、新合繊(注)3の製造技 芝、NEC、日立製作所、三菱電機などが中国 術や後加工技術(注)4では優位に立つものの、帝 の半導体後工程工場の生産能力を引き上げ、ソ 図表17 輸入浸透度の推移(業種別) (%) 45 1991年 1986年 40 1996年 2001年 35 30 25 18.5 20 17.1 12.9 15 10 6.6 3.8 2.8 2.3 5 0 鉱 鉄 非 金 一 般 電 輸 工 鋼 鉄 属 機 気 送 業 金 製 械 機 機 属 品 械 械 図表18 繊維品の対中貿易特化係数 対中国 41.2 30.7 11.2 9.9 4.4 4.8 4.4 精 密 機 械 窯 業 ・ 土 石 製 品 (備考)1.輸入浸透度=輸入÷内需 2.経済産業省「産業活動分析」より作成 化 学 石 油 ・ 石 炭 製 品 プ ラ ス チ ッ ク 製 品 パ ル プ ・ 紙 な ど 繊 維 繊維品 繊維原料 人造繊維 合成繊維短繊維 繊維製品 △0.711 0.434 0.979 0.995 △0.739 織物用糸 合成繊維糸 織物 合成繊維織物 化繊織物 ニット生地 繊維二次製品 ニットを除く衣類・同付属品 ニットを除く衣類 ニットの衣類・同付属品 △0.170 0.339 0.699 0.997 1.000 0.845 △0.955 △0.995 △0.998 △0.998 (備考)1.2001年のデータ 2.貿易特化係数=純輸出÷貿易額 3.財務省「貿易統計」より作成 (注) 3.中空構造を持つポリエステル繊維による吸湿保温性の高い織物、複合紡糸による伸縮繊維を用いたストレッチ性織物など (注) 4.紫外線遮断加工、超撥水加工、防汚加工、抗菌防臭加工、防ダニ加工、防カビ加工、ホルマリン吸着加工など (注) 5.EMS(Electronics Manufacturing Service):電子機器の製造受託サービス 研 究 9 図表19 IT関連製品・部品の貿易特化係数と輸入シェア(2001年) 対世界 貿易特化係数 コンピュータ及び関連装置 △ 0.003 コンピュータ本体 △ 0.017 周辺・端末装置 △ 0.136 同部品、付属品 0.133 半導体等電子デバイス・部品 0.313 電子管 0.759 個別半導体素子 0.599 集積回路 0.165 モス型で実装していないもの 0.203 DRAM △ 0.357 SRAM 記憶素子 0.122 ROM △ 0.059 MPU △ 0.595 MCU マイクロコンピュータ 0.788 MPR △ 0.283 半導体等の機器部品 0.826 対中国 貿易特化係数 輸入シェア △ 0.550 13.6 △ 0.916 10.9 △ 0.768 13.5 △ 0.255 16.0 0.629 3.6 0.912 7.6 0.645 9.0 0.613 2.4 0.581 2.5 △ 0.662 5.3 0.879 0.3 0.131 5.1 0.955 0.0 0.693 10.8 0.918 0.3 0.473 24.5 対台湾 貿易特化係数 輸入シェア △ 0.535 17.4 △ 0.940 22.9 △ 0.202 9.1 △ 0.491 23.2 △ 0.024 15.4 0.715 7.3 0.509 9.7 △ 0.186 16.4 △ 0.260 24.7 △ 0.575 20.5 △ 0.610 13.5 △ 0.819 30.4 △ 0.500 2.7 0.182 16.9 0.981 0.1 0.866 5.2 (備考)1.貿易特化係数=純輸出÷貿易額 2.シャドーは貿易特化係数の値が対世界より低い品目 3.財務省「貿易統計」より作成 ニーは江蘇省無錫にデジタルカメラ・ゲーム 本国内での販売競争の激化や技術革新に伴う 機用半導体の後工程工場を設立する予定であ 価格低下に対応するため、新製品でも組立な り、日系ITメーカーが中国生産を拡大させる どの加工度の低い工程は中国への生産移管が 動きが目立っている。現状では、半導体製造 進むものと見込まれる。 の前工程は上海華虹NECといった一部の工場 一方、中国への生産移管に必要な投資財(資 に限られるものの、組立などの比較的技術集 本財+建設財)などの対中輸出が拡大すると 約度が低い工程の中国生産シフトは活発化し 期待する向きも多い。海外への生産移管に伴 ている。DRAM(注)6、SRAM(注)7、ROM(注)8のよ う投資財輸出の拡大と海外への投資流出によ うな集積回路では台湾の競争力が強いが、台 る国内設備投資の縮小などを背景に、投資財 湾のファウンドリーなどが中国生産へのシフ 出荷に占める輸出向けの割合は足元で20%近 トを進めていることもあり、今後、電子デバ くにまで達している(図表20) 。ただ、投資財 イスでも中国製の競争力が向上する公算が高 出荷全体は87年の水準にまで縮小しており、輸 い。また、デジタルカメラ、デジタルテレビ、 出向けの増加以上に国内における設備投資抑 携帯電話などのハイテク製品も中国での生産 制圧力が強いことがわかる。また、日本の優 が増えつつあり、東芝、日立製作所、三洋電 位性が高い半導体製造装置などの資本財の輸 機はPDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル) 出は拡大が期待できる一方、資本財の対中貿 テレビまで中国での生産を検討している。日 易特化係数は低下基調で推移しているため(図 (注)6.随時書き読み込み可能なメモリのうち、主にパソコンやカーナビゲーションなどの情報化関連品目などに使われる、高集 積、大容量化に適した記憶素子 (注) 7.随時書き読み込み可能なメモリのうち、コンピュータのキャッシュメモリ、スイッチのバッファメモリなどに使用される高 速性に優れた記憶素子 (注) 8.読み込み専用の記憶素子。パソコン、携帯電話などに使用されている。 10 信金中金月報 2002.8 表4) 、中国進出が一巡する中長期で は、資本財の対中輸入が対中輸出を 上回るおそれもある。 日本の需要低迷に加え、主に汎用 品などの低付加価値品の生産が中国 などへ移管されているため、製造業 の事業所数は年率3.8%のペースで縮 9 (図表21) 。製造業の海 小している(注) 外生産比率は、85年度には3.0%にと どまっていたのが、01年度には14.3% (実績見込み)に達しており、国内生 産の縮小、海外生産の拡大が顕著に なっている。国内では繊維工業の生 産能力が95年に比べて38.9%、精密 機械は18.0%も縮小するなど(01年 時点) 、産業の空洞化が甚だしい。仮 に、海外生産比率が85年度から2000 年度のトレンドをたどるとすると、 図表20 投資財出荷とその輸出向けシェア (%) 20 投資財出荷の輸出向けシェア(左目盛) 19 18 17 80年以降の平均 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 投資財出荷 6 (右目盛) 5 1980 82 84 86 88 90 92 94 96 190 180 170 160 150 140 130 120 110 100 90 80 98 2000 (備考)経済産業省「産業活動分析」より作成 70 02 (年) 図表21 海外生産比率と製造業の事業所数の相関図 縦軸:事業所数(万カ所) 48.0 1985年度 90年度 46.0 44.0 95年度 42.0 40.0 38.0 海外生産比率がトレン ド線上を辿るとすれば、 2010年度の事業所数 は2000年度に比べて 19.8%減少する 36.0 10年度には製造業の事業所数が2000 34.0 年度に比べて19.8%減少すると試算 32.0 2.0 される。安価な中国製品の流入に伴 って国内生産からの撤退やコスト競 (95年=100) 200 4.0 6.0 y=−1.1319x+51.324 R2=0.8994 2000年度 8.0 10.0 12.0 14.0 横軸:海外生産比率(%) (備考)1.事業所数は従業者数4人以上が対象。12月31日時点の数 2.経済産業省「工業統計表」、「海外事業活動基本調査」より作成 争力の高い中国への生産移管を余儀なくされ 2000年で繊維が30.3%、電気機械が15.1%と高 るケースが増え、今後も構造的な事業所数の いシェアを占めているが、輸送機械は0.5%と 減少が続く公算が高い。 極めて低い(図表22) 。北陸地方は、繊維、電 また、中国のWTO加盟に伴う対中貿易の活 気機械の出荷額のウエイトが他の地域に比べ 発化で、中国製品が一段と日本へ流入してき て大きく、国際競争力が高い輸送機械の出荷 た場合、 “日本の対中輸入”と“地域別工業品 額が少ないため、中国から輸入される安価な 出荷額”の品目別構成比が類似している北陸 製品と競合する度合いが高いものと考えられ 地方に対する影響が最も大きいものと見込ま る。一方、トヨタ自動車のお膝下である東海 れる(図表23)。対中輸入の品目別構成比は、 地方、マツダを擁する中国地方は輸送機械の (注) 9.従業者数4人以上の事業所が対象。伸び率の期間は95年∼2000年。経済産業省「工業統計表」より 研 究 11 図表22 地域別の工業品出荷額と日本の対中 輸入の品目別構成比(2000年) (%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 図表23 「地域別の出荷額」と「日本の対中輸 入」との品目別構成比に関する相関係数 0.6 類似性が高い 1990年 1995年 2000年 0.52 0.5 0.37 0.4 0.32 0.3 0.2 0.22 0.20 0.11 0.1 0.28 0.03 0.0 対 中 輸 入 北 海 道 東 北 関 東 東 海 北 陸 近 畿 (国内地域) 輸送機械 その他 電気機械 繊維 中 国 四 国 九 州 沖 縄 -0.2 一般機械 食料品 -0.03 -0.1 類似性が低い 北 海 道 東 北 関 東 -0.07 東 海 北 陸 近 畿 中 国 四 国 九 州 沖 縄 (備考)1.出荷額は従業者数4人以上の事業所が対象 2.財務省「貿易統計」、経済産業省「工業統計」より作成 (備考)1.出荷額は従業者数4人以上の事業所が対象 2.財務省「貿易統計」、経済産業省「工業統計」より作成 ウエイトが大きいため、中国製品の流入によ 加盟に伴い、貿易権(注)10の自由化、関税率の引 る影響度は低い。将来的には、中国の工業化 き下げ、非関税措置の撤廃、輸入・投資の許 で電気機械の対中輸入が拡大していることか 可・割当に係る各種要求の撤廃、外資出資制 ら、関東・東北地方に対する中国製品の流入 限の撤廃、知的財産権保護の強化、サービス に伴う影響が強まるものと推測される。中国 の市場開放などが図られ(図表24) 、世界各国 の技術力の向上で、中国からの輸入と国内製 が中国の巨大市場や低コストの労働力を狙っ 造業の出荷との構造が似通いつつあり、中国 た動きを活発化させている。 製と日本製の競合度が徐々に高まっている。在 貿易権は、04年までに外資100%を含むあら 中国の製造業現地法人の従業者数は、2000年 ゆる企業に付与されるため、中国国内への輸 度に前年度比15.2%増の59.3万人に達しており、 入が自由に行えるようになるうえ、流通が自 中国への雇用の代替が進んでいる。日本が技 由化されることで、日本メーカーのブランド 術的な優位性を維持できない分野では、今後 を多様なニーズに応えながら中国国内で販売 も事業所数の縮小や就業者数の減少といった することが容易になる。また、関税率が全工 産業の空洞化が避けられそうにない。日本企 業品で16.6%(1998年)から8.9%(10年)へ 業は高付加価値品への特化を進める必要があ 引き下げられるため、日本の企業にとっては ろう。 対中輸出の価格競争力が高まり、多大なメリ ットを享受できる。8.9%という水準は、タイ 3.中国は輸出市場としても有望―日 本は技術力・生産性の向上が急務 2001年12月に中国のWTO加盟が実現した。 の15.8%(99年)、マレーシアの10.0%(2000 年)よりも低い(図表25) 。特に、乗用車は06 年7月までに80∼100%(98年時点)から25% (注) 10.輸出や輸入を行うことができる権利。貿易権を持たない外資系流通業や貿易企業は輸出業務に事業範囲が限定される。 12 信金中金月報 2002.8 図表24 中国のWTO加盟関係文書のポイント I.物品の貿易関係 1.貿易権 ・貿易権の段階的自由化(加盟後3年以内に中国内の全ての企業に付与) 加盟1年後 加盟2年後 加盟後3年以内 外資マイノリティ(50%以下)の合弁会社に貿易権を付与 外資マジョリティの合弁会社に貿易権を付与 外資100%を含むあらゆる企業に貿易権を付与 2.関税 ・譲許関税率を段階的に引き下げ 全工業品目 乗用車 エアコン コンピュータ 16.6% (1998年) → 8.9%(2010年) 80.0∼100.0%(1998年) → 25.0%(2006年7月) 25.0% (1998年) → 15.0%(2004年1月) 25.0% (1998年) → 0.0%(2005年1月) 3.非関税措置 ・WTO非整合な非関税措置を導入、適用しない ・付属書に列挙された現行措置を段階的に撤廃 例:自動車の輸入割当制を輸入枠を段階的に拡大したうえで2005年までに撤廃 4.貿易関連投資措置(TRIM) ・輸入、投資の許可・割当の運用上、ローカルコンテント要求(国産品を一定比率以上使用することを義務付ける)、輸出入均衡要求、輸 出要求、技術要求、R&Dに係る要求などを条件としない 5.自動車 ・加盟時、自動車エンジン製造に関し、外資出資制限(外資50%まで)を撤廃 ・加盟後2年で、自動車製造許可に関し、種類・型式・モデル制限措置を撤廃 6.農業 ・農産品に対するいかなる輸出補助金も維持、導入しない ・削減などが求められない国内助成(補助金)の上限は、生産総額の8.5% 注:農業協定上、先進国は5%、途上国は10% 7.繊維 ・加盟国は、中国産繊維・繊維製品の輸入により市場が撹乱し、貿易の秩序ある発展を阻害するおそれがある場合、 中国に協議を要請できる ・中国は、協議を要請された場合、輸出を抑制(要請のあった月以前14カ月の最初の12カ月間の輸出量の7.5%増以内の数量) ・協議要請後90日以内に合意に達しない場合、協議要請国は上記数量以下に輸入抑制可能(原則期間1年以内、2008年末までの特例) II.貿易関連知的財産制度(TRIPS) 1.TRIPS協定整合的な知的財産法制を整備 2.損害賠償額算定ルールの改訂、行政処分の強化、刑事罰発動要件の見直し、水際措置の協定整合化 III.サービス貿易関係 1.流通(卸売、フランチャイズを含む小売) ・加盟後3年以内に地理的制限、外資出資制限を段階的に撤廃。ただし、特定品目を扱う30店舗以上のチェーンストアについては外資比率 50%までの出資制限あり 2.保険 ・外資出資制限(生保は50%以下、損保は加盟時に51%以下)があるが、損保は加盟後2年以内に制限撤廃。加盟後3年以内に地理的制限を 段階的に廃止 3.銀行 ・加盟後2年以内に外国銀行は中国企業に対し人民元業務を行うことが可能となり、5年以内に中国個人に対しても業務拡大可能。また5年 以内に地理的制限を段階的に廃止 4.電気通信 ・インターネットなど付加価値通信は、加盟2年以内に地理的制限を撤廃。ただし、外資比率50%以下 ・移動体通信は、加盟3年以内に外資比率49%まで認可。加盟5年以内に地理的制限を撤廃 ・国内、国際通信は、加盟6年以内に地理的制限を撤廃。ただし、外資比率49%以下 (備考)経済産業省資料より作成 図表25 中国とASEAN主要国の関税率 中国 1998年 2010年 全品目 17.5 9.8 農産品 22.7 鉱工業品 16.6 エアコン 25.0 コンピュータ 乗用車 トラック (単位:%) インドネシア 1999年 フィリピン 2000年 タイ 1999年 16.9 マレーシア 2000年 シンガポール 1998年 8.8 8.0 9.2 0.0 15.0 8.7 14.2 29.3 3.1 0.0 8.9 8.8 6.9 15.8 10.0 0.0 15.0 10.0 15.0 30.0 30.0 0.0 0.0 25.0 0.0 0.0 0.0 20.0 0.0 80∼100 25.0 105か200 30.0 80.0 60∼250 0.0 50.0 25.0 80.0 30.0 60.0 50.0 0.0 (備考)経済産業省資料より作成 研 究 13 へ引き下げられ、ASEAN主要4カ国 図表26 WTO加盟による中国国内への影響(国連試算) 雇 用 熟 練 △ 2.0 △ 3.8 △ 2.8 0.6 19.9 △ 0.7 △ 3.5 12.5 △ 3.0 △ 11.7 △ 4.7 0.4 (注) 11 の中で最も低いフィリピンの30% (2000年)をも下回る。また、自動車 部品についても平均10%に引き下げ られるため、ローカルコンテント要 求の撤廃なども併せて、より効率的 に高品質な部品の調達が可能になる。 その他、自動車に関しては、輸入割 当(注)12の撤廃、エンジン製造に関す る外資出資制限の撤廃、自動車製造 許可に関する種類・型式・モデル制 限措置の撤廃、自動車販売における 産出量 燃料・鉱物 金属製品 木製品 繊維 衣類 化学・石油製品 一般機械 電気機械 輸送機械 自動車・同部品 日用品 サービス △ 0.4 △ 2.6 △ 1.5 2.1 22.0 0.5 △ 2.1 14.4 △ 1.5 △ 11.1 △ 3.8 1.8 非熟練 △ 1.5 △ 0.5 0.4 3.7 22.6 2.4 △ 0.2 15.5 0.5 △ 8.1 △ 1.9 3.9 輸入÷産出 0.8 1.8 2.8 6.7 2.5 0.7 3.5 2.7 0.9 9.0 4.6 0.0 (備考)1.中国がWTOに加盟したケースと加盟しなかったケースの2005年時 点での格差。単位は産出量、雇用が増減率%、輸入÷産出が増減差 %ポイント 2.UNCTAD“Trade and Development Report, 2002”より作成 店舗数などの外資制限の撤廃など、 図表27 中国の自動車保有台数の推移と主要国の自動車 保有台数(1999年) 中国がWTOに加盟したことによるメ リットが外資系企業にとって最も大 きい業種と考えられる。 中国の自動車産業は、自動車組立・ 部品メーカーが乱立しており(注)13、過 剰設備・過剰雇用の負担が重く、生 産性や収益性は悪化している。政府 (年) 保有台数 (万台) 1,000人当たり 保有台数(台) 保有台数 (万台) 1,000人当たり 保有台数(台) 1990 551 5.4 インドネシア 521 25 1995 1,040 8.8 タイ 612 130 1999 1,453 11.5 マレーシア 485 213 2000 1,609 12.7 台湾 522 312 2001 1,802 14.1 韓国 1,116 238 2010(予) 7,167 51.6 日本 7,265 572 (備考)1.2010年の予測は国務院発展研究センターによる (人口は国連の推計)。 2.タイ、台湾の保有率は1998年。日本は2001年 3.「中国統計摘要」、日本自動車工業会資料などより作成 はフォルクスワーゲンなどの外資と合弁・技 11.1%縮小すると試算されている(図表26)。 術提携関係にある8つのメーカー「三大三小二 中国のWTO加盟で、海外メーカーは、産業保 微(注)14」を指定し、これらのメーカーを重点的 護の下で競争力が脆弱化している地場メーカ に発展させる方針をとってきた。国連貿易開 ーと、中国市場における競争を極めて有利な 発会議(UNCTAD)によると、関税率の引き 立場で展開できるようになる。中国の1,000人 下げに伴い、中国国内の自動車・同部品の産 当たりの自動車保有台数は14.1台(01年)であ 出量は、国内販売価格の下落などで非効率な り、日本の40分の1、マレーシアの15分の1程 地場メーカーの淘汰が進むため、05年時点で 度しかない(図表27) 。自動車の普及率が低い (注) 11.ASEAN主要4カ国は、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン (注) 12.割当金額は60億ドルから年率15%の割合で拡大され、05年までに輸入制限は撤廃される。 (注) 13.UNCTAD“Trade and Development Report,2002”によると、中国の自動車産業には99年時点で2000社以上の企業が存立し、 うち自動車やトラックの組立企業は120社にのぼる。 (注)14.三大三小二微メーカーは、三大(大型車):一汽VW・上海VW・神龍汽車、三小(小型車):北京ジープ・広州プジョ ー・天津汽車、二微(軽自動車):長安鈴木・貴州航天 14 信金中金月報 2002.8 ということは、潜在的な需要が巨大 であることを示している。国務院発 図表28 トヨタ自動車の海外生産・販売、輸出動向 (%) 70.4 70.0 展研究センターは、10年には中国の 60.0 自動車保有台数が7,167万台と、01年 50.0 67.4 52.0 47.0 海外販売比率 の約4倍の規模に達し、年率17%ペー 40.0 スで拡大すると予測している。02年 30.0 1∼5月の対中自動車輸出(注)15は33,745 20.0 16.3 台、前年比では34.5%増加しており、 10.0 日本車メーカーは中国巨大市場に攻 勢をかけている(注)16。02年1月から輸 入車(排気量3,000cc以下)の関税が 70%から43.8%に引き下げられ、ト ヨタ自動車や日産自動車が対中輸出 の拡大に動いているうえ、富士重工業 は、02年夏からSUV(注)17など2車種の 中国輸出を開始する予定である。日 海外販売の日本製比率 1992 34.7 海外生産比率 93 94 95 96 97 98 99 2000 01(年) (備考)1.台数ベース 2.海外販売の日本製比率=日本からの輸出台数÷海外販売台数 3.トヨタ自動車資料より作成 図表29 中国のWTO加盟が世界経済に与える影響 世界 景気押し上げ効果(%ポイント) GDP 0.13 輸出 0.25 輸入 0.24 個人消費の増加額(億ドル) 1,555 中国 日本 米国 EU 1.00 1.68 1.28 482 0.15 0.17 0.25 317 0.06 0.07 0.14 188 0.08 0.09 0.15 293 (備考)1.95年価格。2010年までの年平均の影響 2.国務院発展研究センター「WTO:中国与世界」より作成 本の完成車の輸出台数に占める中国 向けの割合は1.5%(95年1月∼02年5月)と極め 台規模)を開始させる方向で交渉を進めてい て小さく、中国への自動車輸出が如何に抑制 る。また、ホンダは、99年からアコードを生 されてきたかが分かる。中国のWTO加盟によ 産・販売しているうえ、04年にも広州に年産5 り、対中自動車輸出の障壁が低下することで、 万台規模(初年度)の乗用車の第二工場を稼 日本からの輸出が拡大することが予想される。 動させる予定であり、アジア・欧州への輸出 一方、中国向け自動車の現地生産も活発化 拠点として同工場を活用する方針である。現 している。トヨタ自動車は、02年から新型の 地販売向けが主流となる公算が大きいが、長 小型乗用車を現地販売向けに年3万台生産する 期的には、中国生産に規模の経済(スケール 計画であり、さらに第一汽車と提携し、天津 メリット)が働くようになれば、日本への逆 に将来的には年産20万台規模の高級車工場を 輸入が開始される可能性も否定できない。 建設する予定である。日産自動車も、東風汽 日本車メーカーは、当面の間、中国に日本 車と03年度から合弁生産(3年後には年産15万 車ブランドを定着させるため、現地生産の本 (注) 15.日本自動車工業会調べ。乗用車・トラック・バスの合計 (注) 16.2001年4月の日本政府による農産物3品目に対するセーフガード暫定措置発動の対抗措置として、同年6月に中国政府は日本 からの自動車輸入に100%の特別関税を課すことを決めた。この措置は01年12月まで続いた。 (注) 17.SUVはスポーツ・ユーティリティ・ビークルの略。富士重工業が中国へ輸出するのは「フォレスター」と「インプレッサ」 研 究 15 格稼働に先行して、輸出の拡大による中国市 販売増を目論んでいる。また、流通の自由化 場開拓に乗り出しながら、現地生産体制の基 に伴いアフターサービスにも力を入れること 盤固めを進めるものと考えられる。トヨタ自 ができ、中国企業の躍進が目覚しい家電分野 動車の場合、海外販売に占める日本製の割合 でも本格的な販売戦略を展開できるようにな は47.0%(01年)である(図表28) 。中国に対 った。中国のWTO加盟により、汎用品は中国 しても欧米市場などと同様の生産・販売戦略 製、技術集約度が高い製品は日本製など、製 を採るとすれば、中国で販売される自動車は、 品特性に合わせた生産・販売戦略を採りなが 中国産と日本産の割合が各々5割程度になると ら中国市場を開拓できるメリットは大きい。 見込まれる。今までは、高関税率・輸入割当 日本の輸出に占める中国向けの割合は7.7% などのために抑制されていた対中輸出や、輸 (01年)と、名目GDPが中国の2.5分の1程度の 出比率・販売ルートなどが規制されていた中 ASEAN主要4カ国よりも低い水準であり(図 国製日本車の現地販売の拡大が期待できるた 表31) 、中国の貿易障壁が高かったことが読み め、日本の自動車産業にとっては中国のWTO 取れる。今後、貿易障壁の縮小とともに、中 加盟による影響は大きなプラスに働くものと 国において過小供給となっていた日本製品に 考えられる。 対する潜在的な需要が大きく顕在化するもの また、中国のWTO加盟に伴い、中国のGDP と見込まれる。 は年平均1.0%押し上げられると国務院発展研 中国のWTO加盟は、前述の通り日本の産業 究センターは予測しており、中国の所得水準 空洞化を促そう。しかし、日本企業は、中国 が一段と向上すると見込む向きは多い(図表 のWTO加盟の前から、日本への逆輸入や欧米 29)。中国都市部の100世帯当たりの耐久財保 への輸出を目的とした中国進出を行っていた。 有数をみると、テレビや冷蔵庫など普及が進 加工貿易などにおける原材料・部品の輸入に んでいる製品もあるが、エアコンやコンピュ は関税率が優遇されていたため、WTO加盟で ータなどの保有比率は低水準である(図表30) 。 逆輸入が急激に増加するおそれは低い。また、 新製品への買い替え意欲も旺盛であるため、電 完成品については、高関税・非関税障壁など 気・電子製品に対する潜在需要はかなり大き によって対中輸出が抑制されていたため、中 いものと考えられる。最近では、三洋電機と 国生産が対中輸出を代替することに伴う日本 海爾集団、松下電器とTCL集団、などが家電 経済への縮小圧力は比較的軽微であろう。 製品の販売・技術供与などで提携しており、日 WTO加盟は、中国の産業集積効果の高まり、 本企業は地場企業の販売網を活用することで 技術力の向上、インフラ整備の進展といった 中国市場へのさらなる足がかりを築こうとし 投資環境の改善の延長線上にあると考えられ、 ている。松下グループでは中国での年間売上 過度にマイナス効果のみを取り立てることは 高がすでに約3,000億円に達しており、一段の 適切ではない。むしろ、中国の巨大市場を狙 16 信金中金月報 2002.8 図表30 中国都市部100世帯当たりの耐久財 保有数 0 20 40 60 80 100 120 オートバイ 18.8(25.8) 自動車 0.5(137.3) 51.5(79.1) ミシン 90.5(110.2) 洗濯機 80.1(124.8) 冷蔵庫 116.6(235.0) カラーテレビ VTR コンピュータ ステレオ エアコン 携帯電話 20.1(126.3) 19.5(157.4) 米国 14.0 アジアNIEs 12.0 10.0 8.0 ASEAN4 9.7(78.4) 22.2(79.2) 30.8(229.9) 図表31 輸出金額の地域別推移 (兆円) (台) 18.0 140 160 16.0 6.0 最低所得者層 平均 最高所得者層 (備考)1.2000年末時点。括弧内の数値は日本(2001年度末時点) 2.中国国家統計局「中国統計年鑑」、内閣府「消費動 向調査」より作成 欧州 4.0 2.0 0.0 中国 1985 87 89 91 93 95 97 (備考)財務省「貿易統計」より作成 99 2001 (年) った完成品や中国生産に伴う中間財・資本財 体としては国際的に使用される技術の開発力 の輸出を拡大させるメリットにも目を向ける に乏しい。中国の技術力の追い上げに対抗す べきであろう。中国のWTO加盟による貿易収 るためにも、ITやナノテクノロジーなどの新 支への影響については、汎用品や普及品の中 成長分野に対する研究開発を促進するなど、日 国から日本への流入を、技術集約的な完成品 本の技術的優位性を強化する必要性が高まっ や部品の輸出の拡大がある程度減殺するもの ている。 と見込まれる。ただ、中国のコスト競争力や また、技術の流出管理に関する対策を講じ 技術力の向上は、日本の製造業にとって脅威 ることも必要である。ソニーは、米国企業が であることに変わりはない。中国の低労働コ 中国メーカーに生産委託したDVD(デジタル ストに対抗するために、日本の製造業は、生 多用途ディスク)プレーヤーがソニーの特許 産性を改善させ、単位当たりのコストを引き 権を侵害したとして提訴に踏み切った。2001 下げることが求められる。 年の未払特許料は約1,300万ドルにのぼると推 産業競争力戦略会議の報告では、電子部品・ 計されているうえ、顧客を奪われたことによ サーボモーターなどの基幹部品、半導体製造 る販売減少分も考慮すれば、損害額は一段と 装置、高級鋼、ディスプレイ用基盤ガラスな 膨らむことになるとみられる。日立、東芝な どは日本の技術優位性が高いとして国内生産 ど6社も中国のDVDプレーヤー製造会社約100 が維持されると見込んでいる(図表32)。た 社に対して未払特許料の支払を求めた。中国 だ、日本の技術貿易輸出の動向をみると、2000 では、研究開発費を投じず、特許使用料を支 年度で1.06兆円のうち、自動車産業が55.1%を 払わないことで安価な製品を生産しているメ 占めている。海外生産子会社からの受取が大 ーカーが横行しており、日本のメーカーは多 きい自動車分野に対する依存度が大きく、全 大な損害を被っている。WTOへの加盟で知的 研 究 17 図表32 産業空洞化に関する今後の国内産業動向 電気・電子機器 ・国内で開発され、量産されている商品の組立工程の海外移転・逆輸入が、今後も中国を始めとして拡大するものと見込まれる。 ・AV・パソコン・携帯電話のうち、高付加価値品についてはハイエンド・マーケットである日本でまず開発されるため、国内生産分が残る と共に、消費地向け対応の要素が強い一部白物家電についても国内生産は一定程度残ると見込まれる。 ・電子部品については、海外生産が一段と進行すると見込まれるが、基幹部品は日本での開発・生産を持続できる。 ・雇用は、輸出の減少で、製造部門はある程度減少しよう。ただ、情報家電の技術開発・商品化に成功した場合は、情報サービス部門の伸 びと共に雇用は微増しよう。 自動車 ・国内向けや高級車を中心とした輸出向けに対応して、国内生産の規模は大きく変化しないと考えられる。 ・海外生産は、各地域のローカル市場向け車種を現地生産する形で拡大し、自動車製造に関する技術が蓄積される。 繊維 ・二次製品を始めとして繊維輸入は増加傾向にある。コスト競争力があるアジア諸国(特に中国)からの輸入の拡大や日本繊維企業の中国 進出を受け、汎用品分野については国内生産規模のさらなる縮小が危惧される。 ・一方、日本の高い技術力を活かした衣料・非衣料分野における高付加価値品、差別化品については、研究開発のさらなる推進や技術流出 管理などが厳格になされている限り、日本の優位性を確保することができる。 工作機械 ・日本が得意とする中・高級品については「作り込み」が重要なことから、国内生産が中心である状況は変わらない。 ・NCやサーボモーターなどの基幹部品についても優位にあり、研究開発推進・知的財産保護により優位性を確保し、国内における設備投資 が一定の水準を維持する限り、国内生産が中心である状況に変化はない。 半導体製造装置 ・半導体製造装置の競争力の源泉は価格ではなく機器の性能に比重がある。中国などアジア諸国と技術レベルに歴然とした差があることか ら、生産拠点・研究開発拠点は引き続き国内で維持されると見込まれる。 化学 ・汎用品については、2004年の関税の大幅引き下げにより、輸入の増加が予想される。 ・ユーザー産業の海外移転に伴い、汎用品の現地供給のための海外生産が活発化すると考えられる。この結果、汎用品輸出の減少、関税引 き下げに伴う汎用品輸入の増加、海外生産移転による国内市場の縮小に伴い、国内生産が若干減少すると見込まれる。 ・技術的に高度な機能性化学品分野の高付加価値品については、日本が競争優位を有する。 ・知的財産保護に関する問題・技術流出などを理由に、生産を国内に残すべきと考えている企業は多い。この分野については、生産の主力 は引き続き国内に維持されると見込まれる。 鉄鋼 ・日本の鉄鋼業は、世界最大規模の一貫製鉄所を数多く有しており、技術水準も世界トップレベルである。 ・現在進行中の合併・事業統合、非効率生産能力の削減などの事業再構築が着実に実施されれば、基本的には競争力の保持は可能である。 ・ただ、ユーザー産業の海外展開に伴う現地調達化、建設投資規模の縮小に伴う国内鉄鋼需要の減少、国際競争の激化に伴う汎用鋼の輸出 減が懸念される。 ・高張力鋼板、継目無鋼管、電磁鋼板などの高級鋼についても世界有数の競争力・開発力を有する。このため、高品質の鋼材を国内やアジ ア地域へ生産拠点を移転させる日本企業に安定的に供給することができる。この輸出分や相当程度の国内向け生産が見込まれるため、 2010年に粗鋼ベースで9000万t前後の生産が期待できる。 ガラス ・中国を中心として今後、自動車、平面CRTテレビ、大型LCDなどの生産拠点が移転されれば、当該用途用のガラスの生産拠点も、付加価 値の低い製品や労働集約的な工程から順次、隣接地域にシフトする可能性がある。 ・ただ、研究開発推進・知的財産保護により技術的優位性を確保していれば、光ファイバー、ディスプレイ用基盤ガラスなどの高付加価値 品のニューガラスについては、国内生産を通じた拡大が期待される。 紙・パルプ ・コピー用紙などの汎用品はアジアからの輸入がある程度増加すると見込まれる。汎用品以外については、日本企業は国内ユーザーの厳し い品質・作業性要求への対応という観点から優位にあり、基本的に国内需要を賄うだけの国内生産基盤が維持されると考えられる。 金型 ・ユーザー産業の海外移転により国内市場は縮小していく。しかし、「精密」「高精度」「複雑」「開発要素の多い」金型については日本が強 みを有している分野である。これらの分野の維持強化により、この分野の国内生産は存続すると見込まれる。 (備考)産業競争力戦略会議「中間取りまとめ」より作成 財産権の保護が強化されるものの、日系企業 に際して、技術の流出管理を厳格に行わなけ は特許権の侵害に対しては毅然とした態度で れば、中国製造業に技術力でも追いつかれ、産 臨み、中国企業との合弁会社設立や技術供与 業空洞化が深刻化するおそれがある。 〈参考文献〉 1.黒岩達也『信金中金月報 2002.5 増刊号』信金中央金庫(2002) 2.経済産業省『業種別に見た産業の課題と展望』経済産業省(2002) 3.鮫島敬治・日本経済研究センター編『中国 WTO加盟の衝撃』日本経済新聞社(2001) 18 信金中金月報 2002.8 規制緩和が進む銀行等の保険窓販 −10月から個人年金保険などの取扱いが可能に− 間下 聡(総合研究所) (要 旨) 1.銀行等の保険窓販に関する規制緩和と弊害防止措置の拡充 2002年3月19日に金融庁は、2002年10月からの銀行等の保険窓販に関する規制緩和について 発表した。対象保険商品に定額・変額の個人年金保険、年金払積立傷害保険、財形保険、財形 傷害保険が追加される。また、住宅ローン関連の長期火災保険などの対象物件に、新たに「店 舗併用住宅」が加えられる。さらに、住宅ローン関連の信用生命保険の仕入先を、窓販を行う 銀行等の子会社・兄弟会社である生命保険会社に限る規制が撤廃される。規制緩和と同時に、 変額個人年金保険を販売する際の銀行の説明責任など、弊害防止措置も拡充される。 2.銀行等窓販チャネルに対する期待が大きい個人年金保険 窓販が解禁される個人年金保険の最近の動向についてみると、90年代半ばを境に、新契約件 数・金額が落ち込む一方、解約・失効の件数・金額が増加、保有契約件数・金額は減少に転じ ている。こうしたなか、地域別にはバラツキがある。関東は、新契約額のシェアは低下してい るが、解約・失効は少ないため、保有契約額のシェアは上昇している。逆に近畿は、新契約額 のシェアはほぼ横ばいだが、解約・失効額の急増から2000年度に保有契約額シェアは急低下し た。個人年金保険の新たな販売チャネルとして、銀行等窓販に期待する向きも少なくない。 3.魅力に乏しい財形保険、財形傷害保険の取扱い 一方、財形貯蓄市場をみると、一般財形、住宅財形、年金財形の合計残高は1994年度末以 降、伸びが鈍っている。業態別シェアをみると、都市銀行や信託銀行、証券会社のシェアが趨 勢的に低下する一方、労働金庫と生命保険のシェアが上昇している。ただ、財形市場は法人単 位での開拓であり、収益性も低いとみられている。信用金庫業界もすでに預金商品で参入して いることから、財形保険、財形傷害保険の取扱いを積極化する公算は小さい。 4.変額個人年金保険は生保破綻時におけるリスクの遮断措置が課題 変額個人年金保険は、運用利回りが約束されていない特別勘定で運用され、元本割れリスク がある反面、ハイリターンの可能性もあるため、投信と類似している。しかし、投信とは異な り分別管理されていないことから、生命保険会社が破綻した場合、運用成績とは関係なく、減 額される可能性がある。将来的には、生保破綻時におけるリスクの遮断が課題となる。 研 究 19 まず、銀行等の保険窓販の対象商品につい 1.銀行等の保険窓販に関する規制緩 和と弊害防止措置の拡充 て、個人年金商品として生命保険から定額・ 2002年3月19日に金融審議会金融分科会第2 払積立傷害保険が、財形貯蓄用商品として生 部会の第10回会合が開かれ、事務局が銀行等 命保険から財形保険、損害保険からは財形傷 における保険商品の窓口販売について説明、了 害保険が追加された。 変額の個人年金保険が、損害保険からは年金 承を得た。その内容は、銀行等の保険窓販に 次に2001年4月から販売が開始された住宅ロ 関する規制緩和と、弊害防止措置の充実であ ーン関連の長期火災保険・債務返済支援保険・ る。 信用生命保険について、その取扱対象が、こ 保険窓販に関する規制緩和は図表1の通りで れまでは専用住宅のみであったが、これに店 ある。併せて、図表2のような弊害防止措置の 舗併用住宅も加えられた。信用金庫の顧客に 拡充が図られることになった。 は店舗併用住宅を利用する顧客も多いといわ 図表1 保険窓販の対象商品等の規制緩和 対象保険商品の追加 個人年金保険(定額・変額)、年金払積立傷害保険、財形保険、財形傷害 保険 保険の対象物件の追加 現在認められている住宅ローン関連の長期火災保険・債務返済支援保険・ 信用生命保険について、「専用住宅」に限られている対象物件に、「店舗 併用住宅」を追加 仕入先規制の撤廃 現在、住宅ローン関連の信用生命保険は、窓販を行う銀行等の子会社・兄 弟会社である保険会社の商品に限定されているが、この規制を撤廃する (備考)金融庁「銀行等における保険商品の窓口販売について」より信金中央金庫総合研究所作成 図表2 弊害防止措置の拡充策 保険取引の他の取引 銀行等が保険商品を販売する際に、保険商品を購入しないことが他の取引に への影響 影響を及ぼさないことについて、顧客への説明がなされるための措置を講じ る 変額個人年金保険の 元本割れリスク 銀行等が変額個人年金保険を販売する際に、融資を受けて保険料に充てた場 合、当該商品が元本割れをすると、借入金が残ることについて、顧客への説 明がなされるための措置を講じる 銀行等が住宅ローン関連の信用生命保険を販売する際に、住宅ローンの返済 住宅ローン相談窓口 に困ったときの相談窓口(当該銀行等の内部および外部の相談窓口)につい て、顧客への説明がなされるための措置を講じる 適切な募集体制の整 備 トラブル解決への銀 行の参加 銀行等の内部でマニュアルを策定して研修を実施するとともに、内部検査を 行うなど、適切な募集体制を整えることを求める 銀行等による保険商品の窓口販売の際に発生したトラブルについて、保険業 界に設けられた紛争処理の場で解決を図る場合には、募集を行った銀行等に もその場への参加が義務づけられるようにする (備考)図表1に同じ 20 信金中金月報 2002.8 れており、今回の対象物件の追加により、住 ないよう、特に金融機関の説明責任を強化す 宅ローン関連各種保険の取扱いの増加が期待 ることにした。 される。 新しい弊害防止措置はまた、適切な募集体 信金中央金庫は、信用金庫に対する代理貸 制の整備やトラブル解決への銀行の参加を、窓 付方式による新商品として、 「しんきんGOOD 販を行う銀行等に義務づけることによって、銀 住まいリング」の取扱いを2002年3月1日より 行等が関係法令に違反することなく、十分顧 開始した。この住宅ローンは、当初10年間と 客保護に配慮した窓販活動を行うことを求め 11年目以降のそれぞれの期間について固定金 ている。加えて、万が一、顧客とのトラブル 利である長期固定金利ローン商品であり、5年 が発生した場合にも、その商品を提供する保 以内に廃止が予定されている住宅金融公庫に 険会社ばかりでなく、保険の募集を行った当 よる公庫貸付の受け皿商品として開発された 事者として、銀行等が紛争処理の場に参加す ものである。長期固定金利の住宅ローン商品 ることを求めている。 の提供が難しい信用金庫にとって、その住宅 金融庁は上記の措置について早急にパブリ ローン取扱いの機会を広げるとともに、住宅 ックコメント等の手続きを経て、2002年10月1 ローン関連長期火災保険の窓販取扱いの機会 日から実施するとしている。また、対象商品 を増やすものとして期待される(住宅ローン のさらなる拡大については、2002年10月1日以 関連長期火災保険の銀行窓販市場については、 降の上記措置の実施状況をみながら、2003年 本誌 3月号「最近の銀行等の保険窓販動向」を 度中に結論を得ることとする、としている。今 参照)。 後もう一段、対象商品が拡大される余地があ なお、図表2の弊害防止措置の拡充策につい る。 ては、特に変額個人年金保険の元本割れリス クについての規定が目をひく。バブル末期に 銀行が、相続税対策として自らの融資付きで、 2.銀行等窓販チャネルに対する期待 が大きい個人年金保険 顧客に一時払い変額保険の購入を推奨した。と 2002年10月から新たに銀行等保険窓販の対 ころが、株式市場のバブル崩壊で当該商品が 象商品になるものは、図表3の通りである。財 元本を大幅に下回り、顧客の融資返済の目処 形貯蓄商品については次章で取り上げること が立たなくなったことから社会問題化した。そ とし、本章では、年金貯蓄商品のうち、特に こで、金融庁は、そのような問題を繰り返さ 関係者の注目する個人年金保険についてみて 図表3 新たな窓販対象保険商品 年金貯蓄商品 財形貯蓄商品 生命保険商品 個人年金保険(定額・変額) 財形保険 損害保険商品 年金払積立保険 財形傷害保険 (備考)図表1に同じ 研 究 21 みる。 原資の規模が左右される。運用実績が予定利 個人年金保険は、契約後、所定の年金開始 率を上回れば、同じ払込保険料でも定額型を 時期まで保険料が払い込まれ、運用され、そ 上回る年金原資が積み上がること(変額型シ の運用資産が年金原資となって、一生涯また ナリオ①)もあれば、運用実績がマイナスと は一定期間年金を支払う保険である。 なり、年金原資は払い込まれた積立保険料総 個人年金保険には、定額型と変額型がある。 額を下回って元本割れを起こす(変額型シナ 定額型は個人年金保険契約を結んだ段階で、将 リオ②)可能性もある。それによって、その 来受け取る月々の年金額が確定する。一方、変 後に月々受け取ることになる年金額もまた左 額型は年金積立金の運用実績によって、将来 右される。なお、変額型には、年金原資の額 受け取る月々の年金額が変わる。 がそれまでの運用実績にしたがって変動して 図表4のように、定額型は、他の一般の生命 も、年金原資確定後は一般勘定に移管され、一 保険商品と同様に、生命保険会社が予定利率 定の年金受取額となるものと、年金受取開始 を保証する一般勘定で積立保険料( 「一時払い」 後も年金原資の未払残額は特別勘定で運用さ や「一時払い+月々積み立て」などの場合も れ続け、その運用結果によって、その後の月々 ある)が運用されるため、その予定利率に従 の年金受取額が変動していく商品がある。変 い、保険料払込期間を経た年金原資も、その 額型にも年金の最低額保証がついたものもあ 後受け取っていく月々の年金受取額も、その る。 生命保険会社によって約束されていることに なる。 また、最近は予定利率を定期的(例えば5年) に見直していくタイプもあり、変動型ほどは 一方、変額型は、運用利回りが約束されて 変動しないものの、定期的に見直されていく いない特別勘定で運用され、保険料の払込期 予定利率の推移によって、確定時の年金原資 間にわたる特別勘定の運用実績により、年金 額が左右されるタイプなどもある。このタイ 図表4 個人年金保険(定額・変額)の概要 金額 年金原資 変額型シナリオ① 年金受取額 定額型 変額型シナリオ② 時間 年金保険料の払込期間 (備考)信金中央金庫総合研究所作成 22 信金中金月報 2002.8 年金受取期間 プには予定利率の最低保証も設けられている。 た額が支払われる一方、変額型の場合、解約 次に、個人年金保険には年金の受取期間に 返戻金の最低保証はないものが多い。商品性 よって、終身年金、有期年金、確定年金など については生命保険会社によって多様化して の種類が、また、受取方法によって定額型、逓 おり、販売時の商品説明が重要となる。 増型などの種類がある。 個人年金保険については、一定の条件を満 特に終身年金については、長生きからくる たした契約は、その保険料の額に応じて一般 経済的リスクを被保険者相互で分散し、生命 の生命保険料控除とは別枠の個人年金保険料 保険会社は平均余命の統計を反映して年金受 控除で所得控除が受けられる。ただし、その 取額を決めるという点で、生命保険商品らし 条件の中には「保険料払込期間が10年以上で さが表れている。また、他の受取期間のもの あること」というのがあるため、一時払いの も含めて、年金保険料払込期間中に被保険者 ものは控除の対象外となる。現状では、変額 が死亡した場合、定額型なら既払込保険料相 個人年金保険は一時払いのものが多く、その 当額、責任準備金相当額など、変額型なら死 場合、個人年金保険料控除ではなく、生命保 亡時の積立金と既払込保険料相当額の大きい 険料控除の対象となる。一時払いの場合は、契 ほうの額などといったように、予め定められ 約年のみ控除の対象となる。 た死亡給付金が支払われる。運用実績がよい また、個人年金保険の場合も、死亡保険金 と、死亡給付金の最低保証額が上方修正され が支払われる場合は、一定の条件を満たす契 るタイプもある。中途解約時には、定額型の 約であれば、法定相続人数×500万円の相続税 場合、責任準備金相当額、それと既払込保険 非課税枠を享受できることもあり、ペイオフ 料相当額の大きいほうの額など予め定められ 解禁対策商品の1つとしても期待されている。 図表5 個人年金保険の受取期間・受取方法別分類 受取期間別 終身年金 年金支払開始時から被保険者が生存している限り年金が支払われる。 *一定の年金支払保証期間付きのものもある。 有期年金 一定の期間中において被保険者が生存している限り年金が支払われる。 *一定の年金支払保証期間付きのものもある。 確定年金 一定期間、被保険者の生死にかかわりなく年金が支払われる。 一時給付金 一括による受取り 夫婦連生年金 夫婦のどちらかが生存している限りは年金が支払われる。 介護割増年金 年金開始後に被保険者が所定の介護状態となった場合に割増しの年金が支払われる。 受取方法別 定額型 年金額が受取期間を通じて一定 逓増型 年金額が一定の額もしくは割合で増えていく。 前厚型 年金支払開始後一定期間のみ年金額を高く設定 (備考)財経詳報社「図説 日本の生命保険」より信金中央金庫総合研究所作成 研 究 23 次に、個人年金保険市場の最近の動向につ 死亡保険などの個人保険に比べて、個人年 いてみると、まず図表6のように、生命保険全 金保険は販売手数料が低いため、生命保険会 体の収入保険料は1995年度の30.8兆円をピーク 社は自社職員による個人年金保険の募集には に減少傾向にあり、2000年度は26.9兆円であっ あまり熱心ではないようだ。その分、今回の た。その中で個人年金保険は6.5%(94年度) 銀行窓販解禁に対する期待は大きいと考えら から9.5%(95年度)のシェアを占めており、 れる。 2000年度のシェアは8.1%であった。その間、 新契約件数と解約・失効件数の動向に目を 生命保険の主力商品である死亡保険などを含 移すと、90年度から保有契約件数の増加(図 む個人保険は、一貫してほぼ6割のシェアを占 表7)に合わせて、図表8のように、解約・失 めている。 効件数も増加していったが、95年度までは新 図表6 生命保険の収入保険料の推移と商品別 構成比 図表7 個人年金保険の保有契約件数と保有契 約額 (%) 100 (万件) 2,000 (兆円) 36 90 35 80 34 70 33 60 32 50 31 40 30 29 30 (兆円) 100 1,800 90 1,600 80 1,400 70 1,200 60 1,000 50 800 40 30 20 28 600 10 27 400 20 200 10 26 2000(年度) 0 1992 93 94 95 96 97 98 99 折 線 グ ラ フ:収 入 保 険 料(右目盛) 積上棒グラフ:商品別構成比(左目盛) 個人保険 個人年金保険 団体保険 団体年金保険 その他 (備考)生命保険文化センター「生命保険ファクトブック」より 信金中央金庫総合研究所作成 図表8 個人年金保険の新契約件数と解約・ 失効件数 (万件) 300 0 1990 91 92 93 94 95 96 97 98 棒 グ ラ フ:保 有 契 約 額(右目盛) 折線グラフ:保有契約件数(左目盛) 0 99 2000 (年度) (備考)図表6に同じ 図表9 個人年金保険の新契約額、解約・失効額 (%) 12 250 10 200 8 150 6 100 4 50 2 (兆円) 20 18 16 14 12 10 8 0 1990 91 92 93 94 95 96 97 98 0 99 2000 (年度) 折線グラフ:解約・失効率(右目盛) 棒 グ ラ フ: 新契約件数 解約・失効件数(左目盛) (備考)1.解約・失効件数=解約件数+失効件数−復活件数 2.解約・失効率=解約・失効件数/年度初保有件数 3.出所は図表6に同じ 24 信金中金月報 2002.8 6 4 2 0 1991 92 93 94 95 96 97 新契約額 解約・失効額 98 99 2000 (年度) (備考)1.ここで解約・失効額=新契約額−(年度末保有契約額 −年度初保有契約額) 2.出所は図表6に同じ 契約件数がそれ以上の高水準で推移していた。 クに向けて増加したが、その後は7兆円台で落 しかし、90年代後半になると新契約件数は急 ち着いている。解約・失効契約の1件当たり契 減し、97年度、99年度、2000年度については 約額はピークの97年度の644万円から98年度に 解約・失効件数を下回る状況となった。2000 は一度607万円に減少したが、その後、再び増 年度の新契約件数は93年度のピークから68% 加し、2000年度には638万円となった。景気の 減の88万件である。ただ、解約・失効件数自 低迷の長期化を受けて、より額の高い契約か 体は、97年度に急増したものの、93年度以降、 ら解約・失効されるようになり、一方で新契 ほぼ100万件前後で推移しており、その年度初 約額の平均規模が年々縮小していることが、保 保有件数に対する比率である解約・失効率も 有契約数の減少以上に保有契約額の減少を加 97年度の10.6%を除けば90年代を通じておおむ 速している。 ね8%前後で推移してきた。 地域別の動きに目を移すと、2000年度末の 新契約額も、図表9のように、新契約件数と 保有契約金額と2000年度中の新契約額に占め おおむね同様の動きとなっているが、2000年 る各地域別のシェアは図表10のようになる。 度は3.8兆円と、93年度のピークからの落ち込 各地域の新契約額シェアと保有契約額シェア み度は件数より大きい78%減となっている。こ の差は、シェアが大きい関東、近畿で1%を超 れは新契約1件当たりの契約額が趨勢的に減少 えるものの、他の地域では±0.5%以内に収ま しているためで、近年のピークである92年度 っており、両シェアの水準はあまり変わらな の1件当たり645万円から2000年度は32%減の1 い。また、地域間のランキングも両シェアの 件当たり436万円となっている。 間で変わらない。 年度末の保有契約額と年度中の新契約額か 次に、各地域別に90年度からの保有契約額 ら、既契約の解約・失効額を逆算すると、解 シェアと新契約額シェアの動きを振り返り(図 約・失効件数の動きと同様に、97年度のピー 表11∼14)、特徴について述べる。 図表10 個人年金保険の2000年度の保有契約額、新契約額とその地域別シェア (単位:億円、%) 地 全国金額 全国 北海道 東北 関東 域 別 北陸 シ 東海 ェ 近畿 ア 中国 四国 九州 沖縄 保有契約額① 725,943 100.0 3.7 5.6 40.8 4.3 12.4 16.8 5.2 3.0 8.0 0.3 新 契 約 額② 38,164 100.0 3.5 6.1 38.9 4.1 12.7 18.1 5.2 2.8 8.3 0.4 0.5 △ 1.9 △ 0.2 0.3 1.3 0.0 △ 0.2 0.3 0.1 ②−① ― 0.0 △ 0.2 (備考)1.上記全国金額および地域別シェアには千代田生命と第百生命の数値は含まれていない。 2.地域分類は以下の通り 東北:青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島 関東:茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野 北陸:新潟、富山、石川、福井。 東海:岐阜、静岡、愛知、三重 近畿:滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山 中国:鳥取、島根、岡山、広島、山口。四国:徳島、香川、愛媛、高知 九州:福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島 3.出所は図表6に同じ 研 究 25 関東……2000年度は保有契約額シェア、新契 経済の悪化を反映していると思われ 約額シェアとも約4割を占め、他地域 る。ちなみに、2000年度の近畿の平 を圧倒している。90年度から2000年 均失業率は5.9%と、沖縄県を除く全 度に保有契約額シェアを3.4ポイント 地域の中で一番高い。 高めた一方で、新契約額シェアを1.9 その他…保有契約額シェア、新契約額シェア ポイント下げている。解約・失効額 ともおおむね90年度から2000年度へ が他地域に比べて相対的に少なかっ の変化は±1.0%にとどまっている。 たことが、保有契約額シェアが上昇 保有契約額シェア、新契約額シェア した理由である。 とも上昇しているのは東北、北陸、東 近畿……2000年度は保有契約額シェア16.8%、 海で、うち東海の新契約額シェアが 新契約額シェア18.1%と、関東に次い 2.5ポイント上昇したのが目を引く。 で高い。新契約額シェアは変動しつ 一方、保有契約額シェア、新契約額 つも2000年度は90年度比で0.5ポイン シェアとも低下しているのが北海道、 ト上昇した。しかし、保有契約額シ 中国、四国、九州で、うち中国の新 ェアの方は2000年度に急落し、90年 契約額シェアはほぼ横ばいだった。北 度から1.9ポイント下げた。2000年度 海道を除けば東海までの東でシェア に大阪府を中心に解約・失効額が急 が伸び、近畿から西でシェアが低下 増したことによる。関東と対照的な している。 動きとなっており、ここ数年の近畿 図表11 地域別保有契約額シェアの動き (%) (1990年度比増減:その1) 図表12 地域別新契約額シェアの動き (%) (1990年度比増減:その1) 4.0 3.0 関東 3.0 2.0 2.0 1.0 1.0 0.0 東海 近畿 東海 0.0 九州 -1.0 九州 -1.0 -2.0 関東 近畿 -2.0 1990 91 92 93 94 95 96 (備考)1.地域分類は図表10に同じ 2.出所は図表6に同じ 26 信金中金月報 2002.8 97 98 99 2000 (年度末) -3.0 1990 91 92 93 94 95 (備考)1.地域分類は図表10に同じ 2.出所は図表6に同じ 96 97 98 99 2000 (年度) 図表13 地域別保有契約額シェアの動き (%) (1990年度比増減:その2) 図表14 地域別新契約額シェアの動き (%) (1990年度比増減:その2) 0.2 0.75 東北 東北 0.1 0.50 北陸 北陸 0.0 0.25 -0.1 中国 -0.2 0.00 -0.3 北海道 -0.4 四国 -0.5 中国 -0.6 四国 -0.7 -0.8 -0.25 1990 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 (年度末) (備考)1.地域分類は図表10に同じ 2.出所は図表6に同じ このように個人年金保険市場全体では新契 -0.50 -0.75 -1.00 北海道 1990 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 (年度) (備考)1.地域分類は図表10に同じ 2.出所は図表6に同じ 5.50∼5.75%から2001年には1.65%まで低下し、 約件数が減少し、1契約当たり金額も低下して 最近ではその魅力が薄れてしまっている。将 いるなか、近年は件数、金額とも解約・失効 来、金利が上昇すると考えれば、契約者配当 を下回っている。また、新契約のいくらかは、 があるとはいっても、現在の低い予定利率で 既契約の継続が難しくなった顧客が解約して、 長期の契約を結んでしまうというのは、不利 より少額の新契約を結んだ分と考えられる。そ であるという見方も成り立つ。元本保証の預 れにしても、解約のみの顧客が増え、これま 金商品を取り扱う金融機関にとっては、本来、 でのように個人保険の契約者も含めた既契約 生命保険会社が予定利率を保証する定額型の 者市場にはもう期待できなくなってきた生命 方が、運用実績次第で年金原資が大きく変動 保険会社は、新しい銀行等窓販チャネルによ してしまう変額型よりも扱いやすいと考えら る新規顧客の開拓に期待している面もあろう。 れる。ましてや、変額型については90年に発 加えて、個人死亡保険などの保障性商品に比 売した一時払変額保険を銀行の融資付きで顧 べて貯蓄性の高い個人年金保険の販売手数料 客に販売し、大きな社会問題を引き起こした はずっと低いため、営業職員チャネルではペ 苦い経験が生命保険業界と銀行業界にはある。 イしない、と生命保険会社は考えており、そ しかし、現下の環境では、低い予定利率での の点からも銀行等窓販チャネルに期待してい 定額型よりも、リスクはあってもハイリター るといわれる。 ンの機会がある変額型の方が顧客に魅力的に しかし、あらかじめその予定利率を通じて 映るという状況になっているといえる。最近 払い込み保険料額と将来の年金受取額や受取 の報道等によれば、投信窓販の実績を生かし 期間の条件が、個々の生命保険会社によって て金融機関は変額年金に注力するというコメ 保証されている定額型は、予定利率が90年の ントの方が、変額保険の苦い経験から変額年 研 究 27 金の取扱いに現場はやや消極的だというコメ ントを上回ってきているようだ。 うになる。 財形貯蓄制度は1972年1月からスタートし、 変額個人年金保険は、99年4月に初めて販売 生命保険会社も75年に参入した。その後、88 が認められ、国内では歴史の浅い商品である。 年4月から損害保険会社も参入した。図表15で 外資系生保が自社商品の供給や販売に積極的 財形貯蓄残高(一般財形、財形住宅、財形年 であったが、国内生保も参入してきた。株式 金の合計)を、図表16でその業態別シェアの や外国証券、株式投信などのリスク商品の販 推移をみると、94年度末より残高の伸びがや 売に慣れている証券会社の保険窓販では、日 や鈍化している。業態別シェアでは、都市銀 米とも、もっぱら変額型が販売されている。 行、信託銀行、証券会社のシェアが低下傾向 にあり、地方銀行・第2地方銀行が90年度末以 3.魅力に乏しい財形保険、財形傷害 保険の取扱い 降は13%前後で横ばいの推移を見せているの 今回の銀行等の保険窓販対象商品に新たに 向が顕著となっている。信用金庫のシェアは 追加される商品には、財形貯蓄向けである生 その他に含まれており、単独では2000年度末 命保険商品の財形保険、損害保険商品の財形 までほぼ1∼2%で推移してきており、2000年 傷害保険もある。財形貯蓄制度の受け皿商品 度末は1.4%となっている。また、同じその他 として、金融各業態はすでに独自の商品の提 に含まれる損害保険商品である財形傷害保険 供、販売に参入しており、信用金庫業界自身 のシェアは88年度の参入以降、シェアを高め もすでに商品供給者かつ販売者として参入し ているものの、96年度末で1.7%にとどまって ている。今回、保険会社の財形貯蓄商品を銀 いる。 行等が販売者として取り扱うことができるよ 図表15 財形貯蓄残高の推移 に対し、労働金庫と生命保険のシェア拡大傾 今回、銀行等窓販で扱えるようになった生 図表16 財形貯蓄残高の業態別シェア (%) 100 (兆円) 20 18 90 16 80 14 70 12 60 10 50 8 40 6 30 4 20 2 10 0 1974 76 78 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 2000 (年度末) (備考)生命保険文化センター「生命保険ファクトブック」、 大蔵省「銀行局年報」などより信金中央金庫総合研 究所作成 28 信金中金月報 2002.8 0 1980 82 84 86 88 90 92 94 96 98 2000 (年度末) 都市銀行 地銀・第2地銀 長期信用銀行 信託銀行 労働金庫 生命保険 証券会社 郵便局 その他 (備考)図表15に同じ 命保険商品である財形保険は、財形貯蓄の中 げられる可能性がある。その結果、既契約者 でもシェアを伸ばしてきている。しかし、信 は将来の生活設計を大幅に見直すことを余儀 用金庫業界もすでに預金商品で参入済みであ なくされるおそれがある。 るほか、財形貯蓄商品市場が法人単位で開拓 一方、運用利率が保証されず、特別勘定で する市場であり、新規の販売はあまり期待で 分離して運用されている変額型は、よく投信 きないとの見方がある。また、収益性が低い にたとえられる。しかし、投信はその運用会 ともいわれており、保険商品による財形貯蓄 社や販売金融機関が破綻しても、それらの会 販売への参入は、個人年金保険販売への参入 社の資産から運用資産が分別され、信託銀行 に比べてあまり魅力的ではないのではないか で管理されているため影響は受けないが、現 という見方が強い。 行の保険業法では、特別勘定で運用され、運 用利回りが保証されない変額個人年金保険で 4.変額個人年金保険は生保破綻時に おけるリスクの遮断措置が課題 あっても、その生命保険会社が破綻すると一 個人年金保険のところで定額型は予定利率 額保護されることはない。したがって、現時 が保証されると述べたが、昨今の金融情勢下、 点では、変額型であっても投信の場合とは異 少なからぬ生命保険の破綻が起こった。定期 なり、その運用の成功、失敗とは別に、将来 預金などに比べて、個人年金保険は払込期間 その生命保険会社の支払能力に問題が生じる と年金受取期間とを合わせた顧客との取引期 ような場合には、受け取れる資産が目減りす 間は長期にわたる。したがって、その個人年 るリスクが存在することに留意しなければな 金保険の引受手である生命保険会社の財務の らない。 健全性は、年金の安全性をみる上で重要なポ イントとなる。 般勘定と同等に扱われるため、積立資産が全 ただし、政府の総合規制改革会議が2001年 12月11日に出した第1次答申によれば、団体年 預金はペイオフが完全実施される2003年4月 金保険に関する規制改革の中で、 「特別勘定で からも、元本上限1,000万円とその利子までは 運用される資産については、その価格変動リ 預金保険で全額保護される。しかし、生命保 スクを基本的に顧客が負うこととなっており、 険が破綻した際に生命保険契約者保護機構が 生命保険会社の経営破綻とは無関係と言える」 保護するのは、その時点での各契約の責任準 とし、 「こうした特別勘定で運用される資産に 備金の9割までである。破綻した場合、既契約 ついては、一般勘定との財産的性格の相違や は通常、他の保険会社や保護機構が設立する 保険会社における負債性の相違から、リスク 保険子会社などに継承されるが、過去の運用 遮断の厳格化を前提とした保険関係請求権へ 実績を上回る高い予定利率の既契約は、予定 の特別先取特権の付与等について、検討を開 利率が現在の低金利でも賄える水準に引き下 始すべきである」としており、検討が2001年 研 究 29 度中に開始された。将来、同じ特別勘定で運 長期的な市場の拡大が予想される一方、定額 用される個人変額保険や変額個人年金保険に 型はその予定利率の低さ、変額型はその年金 ついても、同様の措置が検討される可能性が 額の変動リスクという販売上の問題を抱えて 高いと考えられる。 いる。しかし、信用金庫は、個人顧客の金融 資産に関し、中短期的な貯蓄手段である預金 5.まとめ にとどまらず、長期貯蓄や投資手段としての 貸出金の伸び悩みや預貸利鞘の確保の難し 投信、個人年金保険も加えて総合的なサービ さから、手数料収入の拡大を図りたい信用金 スを提供していく必要に迫られている。全国 庫にとっても、前回の住宅ローン関連長期火 信用金庫協会は、複数の保険会社と業界統一 災保険などに続いて、10月からは保険窓販の 的な定額・変額の個人年金保険を開発し、信 機会が一段と広がることになる。各種報道等 用金庫業界として事務・システム等の統一化 によれば、個人年金保険の販売手数料は一時 を実現する方針を発表した。信用金庫にとっ 払変額個人年金保険の場合で保険料の4∼5% て、目先の収益性に必ずしもとらわれずに個 ともいわれ、また、販売手数料も販売時受取 人年金保険の窓販業務を開始し、その庫内イ りと資産残高比例での受取りの場合があると ンフラを整備し、ノウハウを蓄積していくこ いう。 とも重要なプロセスの1つではないだろうか。 個人年金保険は高齢化社会の到来に向けて 30 信金中金月報 2002.8 信用金庫取引先企業の上場事例(続編) −2001年新規株式上場企業169社の中の事例から− 鉢嶺 実(総合研究所) (要 旨) 1.前回( 6 月号)の掲載内容 前回(信金中金月報2002年6月号)の研究レポート「信用金庫取引先企業の上場事例」では、 2001年中に新規に株式を上場した企業169社(東証1・2部などの既存取引所市場22社、東証マ ザーズ7社、ナスダック・ジャパン43社、ジャスダック(店頭)97社)のうち、上場時の新株 発行目論見書や東洋経済新報社の「会社四季報」などで、信用金庫と何らかの取引関係がある 企業として10社のケースが確認できたことを紹介した。とりわけ、その中の2つのケース(㈱ インターアクション(横浜市金沢区)と横浜信用金庫のケース、㈱原弘産(山口県下関市)と 下関信用金庫のケース)について掘り下げて紹介することで、地域で躍進を遂げている“ベン チャー企業”が信用金庫とも接点を有している実例を示してきた。 2.信用金庫と接点のある事例 2 社を紹介 本稿では、これに続くものとして、信用金庫と何らかの取引関係があることが確認できた前 出の10社の中から、前回に続いて2つの事例、すなわち、 (1)粘土瓦メーカー大手の新東㈱(愛 知県高浜市)と岡崎信用金庫のケース、 (2)一軒家レストランでの挙式・披露宴のプロデュー スを手がける㈱テイクアンドギヴ・ニーズ(東京都港区)と東京東信用金庫のケース、につい て今回も具体的な対応事例等を交えながら紹介する。前者の場合は愛知県三州地区の地場産業 である粘土瓦業界の有力企業を長い取引関係の中で支援してきた事例として、また後者の場合 は新興の急成長企業との継続的な接触の中で当該企業をタイミングよく支援していった事例と して、それぞれ注目に値しよう。 研 究 31 中から10社のケースが確認できたことは前回 1. 「会社四季報」等で信用金庫との接 点が確認できた上場企業は116社 信金中金月報2002年6月号「信用金庫取引先企 2001年以降に新規上場した企業のうち、上 回はさらに2002年以降について表記の3社のケ 場時の新株発行目論見書や東洋経済新報社の 業の上場事例」で述べたとおりであるが、今 ースも確認することができた。 「会社四季報」などで信用金庫と何らかの取引 今後も、信用金庫となんらかの接点を有す 関係が確認できた企業は図表1のとおり。2001 る新規上場企業は、①新規上場企業の規模の 年中に新規上場を果たした企業群(169社)の 小型化、②会社設立から上場までに要する期 図表1 2001年以降に新規上場を果たした企業のうち何らかの形で信用金庫との取引等が確認できた企業 (単位:百万円) 主な事業内容 上場 年月 上場市場 信用金庫 取 引 等 新東㈱ (愛知県高浜市) 粘土瓦メーカー 01.2 ジャスダック 岡崎 [A] [B] [C] 63.9 ㈱インターアクション (横浜市金沢区) CCD等の検査工程 向け光源装置の開 発 01.2 東証マザーズ 横浜 [B] 92.6 南総通運㈱ (千葉県東金市) トラック運送 01.3 ジャスダック 旭 01.5 ジャスダック 京都 [B] 79.9 01.6 名証2部 岡崎 [B] 52.3 01.7 名証 セントレックス 一宮 [B] [C] [B] 86.7 大阪商工 [B] 65.7 社名 (本社所在地) 設立年月 資本金 従業員数 売上高 経常利益 (期) 《2001年》 ㈱サムコインターナショナル研究所 (京都市伏見区) マルサンアイ㈱ (愛知県岡崎市) ㈱エムジーホーム (名古屋市中村区) 不二精機㈱ (奈良県橿原市) エッチング装置等 電子部品製造装置 開発 みそ、豆乳など大 豆利用の食品加工 メーカー 愛知・岐阜エリア でのマンション分 譲 プラスチック金型 を軸とした成形シ ステム 01.8 ジャスダック 岡崎 [B] 42.11 ㈱原弘産 (山口県下関市) 山口県内中心のマ ンション開発分譲 01.9 大証2部 下関 [A] [B] [C] 93.7 ㈱シーエスアイ (札幌市中央区) 電子カルテシステ ム開発 01.10 東証マザーズ 札幌 [A] [B] 96.3 ㈱テイクアンドギヴ・ニーズ (港区南青山) 一軒家レストラン での挙式・披露宴 のプロデュース 01.12 ナスダック ジャパン 東京東 ㈱エルゴ・ブレインズ (大阪市北区) 電子メールによる DM事業 02.2 ナスダック ジャパン 京都中央 [C] ㈱アーネストワン (東京都西東京市) 戸建・マンション 分譲 02.2 ジャスダック 東京三協 [B] 81.5 兼松エンジニアリング㈱ (高知県高知市) 産業廃棄物業者向 け強力吸引作業車 等製造 02.3 大証2部 [A] [B] [C] 71.9 [B] 98.10 7,071 458 (01.6) 805 260 120 21名 (01.5) 9,368 538 830 722名 (02.3) 4,078 1,213 907 104名 (01.7) 15,413 562 408 345名 (01.9) 8,223 450 689 45名 (02.3) 9,472 924 846 223名 (01.12) 6,300 400 306 65名 (02.2) 1,053 253 24 72名 (01.9) 2,691 478 230 120名 (02.3) 412 165名 《2002年以降》 京都 高知 [C] 98.10 1,455 281 (01.12) 25,299 1,363 2,063 70名 (02.3) 4,690 313 316 110名 (02.3) 548 41名 (備考)1.「取引等」の欄については、上場時の新株発行目論見書において信用金庫が増資資金の「払込取扱場所」のひとつとなって いるケースについては[A]、東洋経済新報社「会社四季報(2002年新春版)」等で信用金庫が取引金融機関であることが確認で きたケースについては[B]、信用金庫が大株主(上位10名以内)であることが確認できたケースについては[C]、を記載した。 2.資本金、従業員数、売上高および経常利益は、原則として東洋経済新報社「会社四季報(2002年春版)」に掲載されてい る直近の実績数値(単体ベース)を記載した。 3.㈱エルゴ・ブレインズにおける京都中央信用金庫は、系列ベンチャーキャピタル (中信ベンチャーキャピタル)による株式保有 32 信金中金月報 2002.8 間の短縮化、などもあり、コンスタントに輩 るであろう。 出されていくものと予想される。 なお、信用金庫にとっては、過去のことも ちなみに、東洋経済新報社「会社四季報 さることながら、今後もより多くの新規上場 (2002年春版)」に掲載されている全上場企業 企業と接点を持てるよう努めていくことが望 約3,600社のうち、信用金庫と何らかの取引関 ましい。ただ、いうまでもなくここで忘れて 係が確認できるケースは、前出の13社を含め はならないのは、信用金庫が地域社会で台頭 トータルで116社に及んでいる(116社の一覧 してくる新興のベンチャー企業群とできるだ 表は40ページ以降の《参考付表》を参照) 。な け広く接点を持つよう努めていくことがより お、この116社のうち、取引金融機関の欄に信 重要なのであって、上場企業との接点はあく 用金庫が記載されている企業は102社、信用金 までその結果の一部分に過ぎないということ 庫が大株主(上位10名以内)である企業は46 である。 社で、これらの両方に該当する企業(信用金 信用金庫にとって、将来の地域経済活性化 庫が取引金融機関でもあり大株主でもある企 の担い手となり得る新興企業群との接点を増 業)は32社であった(図表2)。 やしていくことは、ある面ではリスクを伴う ただ、いうまでもなく、ここで確認できた ものでもあるが、反面、取引先の良い意味で 116社は信用金庫と接点を有する企業のすべて の「新陳代謝」が進展すれば、中長期的には ではない。例えば、創業時からの取引関係が 信用金庫自身の顧客基盤の強化につながって ありながら現在は“卒業生”の扱いとなり残 いくことも考えられよう。さらに、そうした 念ながら取引関係を解消したようなケースも なかから上場企業が輩出されれば、この「新 含めれば、わが国を代表するような大企業も 陳代謝」の進展を象徴するものとして、地域 含め、かなりの数の上場企業を信用金庫との 経済社会へのアピールにも一役買うこととな 接点を有する企業の範疇に入れることができ ろう。 図表2 東洋経済新報社「会社四季報」で信用金庫との取引関係が確認できた企業数 現在でも何らかの形で信用金庫との取引関係が確認できる上場企業 (116社) 信用金庫が取引金融機 関であることが確認で きたケース (102社) 70社 信用金庫が大株主(上 位10名以内)であるこ とが確認できたケース (46社) 32社 14社 研 究 33 図表3 新東㈱の概要 2.信用金庫取引先の上場事例 会社創業:1931年(昭和6年) 前回の6月号の研究に続き、今回は、信用金 庫と取引関係にある企業の上場事例として、 (1)2001年2月にジャスダック市場への上場を 会社設立:1963年(昭和38年)9月 本 社:愛知県高浜市論地町 代表取締役社長:石川榮一 役職員数:156名 資 本 金:4億1,290万円余 実現した新東㈱(本社:愛知県高浜市、岡崎 年 商:73億3,100万円(2001.6期実績) 信用金庫取引先)のケース、 (2)2001年12月に 売上構成:製品瓦53、商品瓦29、副資材他18 上 場:2001年2月(ジャスダック(店頭)市場) ナスダックジャパン市場への上場を実現した ㈱テイクアンドギヴ・ニーズ(本社:東京都港 会社化し、以後、常に“先駆者たれ! !”を基 区、東京東信用金庫取引先)のケース、を紹介 本理念としながら事業の発展・拡大と瓦業界 する。前回同様、これらの事例は信用金庫が の地位向上に努めてきた。現在では複数の大 株式上場を目指すベンチャー企業への対応の 手ハウスメーカーへも納入する有力粘土瓦メ 在り方を考えるうえで大いに参考となろう。 ーカーのひとつとしての確固たる地位を確立 している。 (1)上場事例その1:新東㈱(愛知県高浜市) 1,400年の歴史を有するわが国の粘土瓦は、 のケース 耐久性、耐熱性、遮音性など屋根材に要求さ ①会社の概要 れる基本性能に優れることから、住宅用屋根 新東㈱(2001年2月ジャスダック上場、岡崎 材で45%のシェアを占め、約39%のセメント 信用金庫取引先)は、粘土瓦の産地である愛 系(化粧スレート等)を抑えてトップの座にあ 知県の三州地区に本社を置く、業界第3位の粘 る。とりわけ最近では、高温多湿な日本の気 土瓦メーカーである(図表3)。現社長の石川 候風土に適合した天然素材の屋根材として、環 榮一氏が、先代の事業基盤(1931年(昭和6年) 境保護の面からも粘土瓦を見直す動きが出て 創業)を継承・発展させる形で1963年に株式 きている。厳しい事業環境が続く住宅関連市 図表4 住宅用屋根材の比率 図表5 粘土瓦の販売シェア(1999年度) 厚型スレート 4.5% 金属系屋根材 11.4% 化粧スレート (コンクリート 瓦含む)38.5% 順位 粘土瓦 45.6% (備考)日本屋根経済新聞社「こだわり屋根事典2000年度版」 をもとに作成 34 信金中金月報 2002.8 会社名(本社所在地) シェア ◎1 ㈱鶴弥(愛知県半田市) 6.8% 2 丸栄陶業㈱(愛知県碧南市) 6.1% ◎3 新東㈱(愛知県高浜市) 4.6% 4 宮政瓦工業㈱(愛知県刈谷市) 4.4% 5 マルスギ㈱(愛知県碧南市) 3.9% (備考)1.◎印は株式上場企業 2.東洋経済統計月報(2001年11月号)をもとに信金 中金総合研究所作成 場ではあるが、粘土瓦メーカーとしてのビジ 意のもとで90年代後半より本格的に上場準備 ネスチャンスはむしろ広がっている面もある。 作業へ挑むこととなった。 こうしたなかで新東㈱では、伝統ある粘土 具体的には、①岡崎信用金庫をはじめとし 瓦づくりの原点を大切にしながらも、高品質 た主要取引金融機関やベンチャーキャピタル な製品を合理的に製造できるシステムの構築 等10数先を引受け先とする転換社債(総額約4 と技術の確立に努めてきた。その成果のひと 億5,000万円)を発行し設備投資等に充当(96年 つとして、90年代前半には施工現場でのカッ 12月) 、②資本増強の一環として取引先と社員 トを不要とした「モデュール瓦&システム工 持株会を割当先とする第三者割当増資を実施 法」を独自に開発、工期短縮と工事現場での (97年4月、2000年4月)、③上場実現の目処が 作業軽減を実現した。これが90年代半ば以降、 立ちつつあった2000年6月には前出の転換社債 積水ハウス㈱をはじめとした大手ハウスメー がすべて株式に転換され自己資本を増強、 など カーや中小工務店などに順次採用されるにお で直接金融の間口を広げていった。その一方 よび、その後の当社の業容拡大に大きく寄与 で、同社の社員を中心に内部管理体制の整備 していった。 も着々と進め、2001年2月にはジャスダック 今後も“設計段階から大手ハウスメーカー に対して技術的対応が可能な数少ない粘土瓦 (店頭)市場への株式上場を実現するまでに至 っている(図表6、7)。 メーカー”として、太陽電池パネルと一体化 した瓦、融雪瓦、タイル調のシステム壁材な ③信用金庫の対応 どの開発にも積極的に取り組み、有力粘土瓦 愛知県岡崎市を中心に県内全域を営業地盤 メーカーとしてさらなる成長発展と業界全体 とする岡崎信用金庫は、三州地区に本社を置 の地位向上を目指していく意向である。 く新東㈱が株式会社組織となる1963年以前か ら同社と取引関係があり、事実上のメインバ ②上場について 新東㈱が上場を意識する契機となったのは、 ンクとしてその成長発展を今日まで支えてき た。すなわち、岡崎信用金庫では、同社が3∼ 同じく三州瓦業界で最大手の㈱鶴弥(本社: 4年ごとに実施する設備投資のたびに、その適 愛知県半田市)の業界初の株式上場(94年8月 否などについて同社の経営陣と議論を重ね、担 に名古屋証券取引所第二部上場)実現である。 保主義にとらわれることなく、適宜その資金 業界最大手企業の上場によって“瓦業界”の 需要に応じてきた経緯がある。 認知度はある程度向上したものの、当社とし また、岡崎信用金庫は、同社の上場準備の過 てはまだまだ不十分と考えていた。周囲には 程で特に具体的な準備作業に関与してきたわ 当社が上場を実現するには困難も多いとの声 けではないが、主要取引金融機関として、①同 も一部にはあったが、石川社長らの確たる決 社が96年12月に発行した転換社債の一部引受 研 究 35 け(約8,300万円)や、②近年注力して いる私募債の単独受託 (97年5月、 発行 額2億円) など、 資金面を中心に成長発 展を積極的に支援してきた。なお、前 出の転換社債は2000年6月にすべて株 式に転換し、 岡崎信用金庫は同社が上 場企業となった現在でも発行済株式 図表6 新東㈱の沿革 1931年 現社長の石川榮一氏の父親が個人創業 1963年 9月 1969年 11月 本社第一工場(愛知県高浜市)竣工 1973年 7月 本社第二工場(愛知県高浜市)竣工 1974年 8月 商号を新東窯業株式会社に変更 1982年 11月 本社第一、第二工場が日本工業規格(JIS)の表示認 1983年 12月 宮之浦工場(愛知県高浜市)竣工(翌84年にはJIS表 1994年 8月 同業最大手企業の㈱鶴弥が名古屋証券取引所第二部 粘土瓦の製造販売を開始 可工場となる 総数の4.4% (約18万株) を安定保有す る第5位の大株主の地位にある。 示認可工場となる) に株式上場を実現(このころより当社も将来の上場 上場企業となった同社に対しては、 を視野に入れる) 10月 優良中小企業向けの貸出に注力して いる都銀・地銀などからも積極的な アプローチがあるもようだが、こう したなかでも同社と岡崎信用金庫と 新東赤瓦株式会社を愛知県高浜市に設立し本格的に 港南第一工場(愛知県碧南市)竣工(2000年にはJIS 表示認可工場となる) 1995年 1月 1996年 12月 商号を新東株式会社に変更 取引金融機関やベンチャーキャピタル10数社を引受 先とする転換社債(総額約4億5,000万円)発行 1997年 4月 積水ハウス㈱を割当先とする第三者割当増資を実施 5月 岡崎信用金庫を単独受託先とする私募債(期間7年) 10月 港南第二工場(愛知県碧南市)竣工(2000年にはJIS 1998年 1月 新東セラミック㈱を吸収合併し安城工場(愛知県安 2000年 4月 社員持株会を割当先とする第三者割当増資を実施 6月 96年12月に発行した転換社債をすべて株式に転換 7月 国際標準化機構の品質保証規格「ISO9001」の審査登 のゆるぎない信頼関係は今後も維持 を発行し2億円を調達 されていくこととなろう。 表示認可工場となる) (2)上場事例その2:㈱テイクアン ドギヴ・ニーズ(東京都港区南青 城市)と改称(同年3月にはJIS表示認可工場となる) 山)のケース ①会社の概要 録を受ける 2001年 2月 ジャスダック(店頭)市場に株式上場 ㈱テイクアンドギヴ・ニーズ (2001年12月ナスダックジャパン市場上場、東 京東信用金庫取引先)は、一軒家タイプの直 図表7 新東㈱の業績推移 (百万円) 8,000 (百万円) 800 売 上 高(左目盛) 経常利益(右目盛) 営店やレストランで挙式・披露宴を行う「ハ 7,000 ウスウェディング」の企画・運営会社である 6,000 5,538 開業を視野に入れつつ約3年のサラリーマン生 2,000 ては初めてナスダックジャパン市場への上場 36 信金中金月報 2002.8 600 500 458 400 4,000 3,000 ずか3年後には20才代の社長が率いる企業とし 700 410 に育った現社長の野尻佳孝氏が、将来の独立 活を経て1998年10月に会社を設立し、そのわ 7,071 5,516 4,659 5,000 (図表8) 。自営業(建設関係)を営む家庭環境 6,797 643 7,190 270 171 1,000 0 300 200 100 45 1997.6 98.6 99.6 2000.6 01.6 02.6 (予) 0 (備考)2002年6月期の業績予想値は東洋経済新報社「会社四 季報(2002年春版)」の数字を掲載 を果たした、新進気鋭の急成長企業である。 当社が手がける「ハウスウェディング」と は、①一軒家タイプの邸宅風の直営店やレス トランを貸し切りで挙式・披露宴の会場とし て利用し、②自宅にお客様を招き入れるよう なプライベート感があり、③新郎新婦が自ら 企画・装飾に参画していくことでオリジナル 図表8 ㈱テイクアンドギヴ・ニーズの概要 主要事業:一軒家レストランでの挙式・披露宴プロデュ ース 会社設立:1998年10月 本 社:東京都港区南青山 代表取締役:野尻佳孝 役職員数:約120名 資 本 金:4億7,850万円 年 商:29億6,100円(2002.3期実績) 売上構成:ハウスウェディング30.1%、レストランウェ ディング69.9% 上 場:2001年12月(ナスダックジャパン市場) 感も強い、などの特色があり、従来のホテル や専門式場で行うのとは異なる新しいスタイ 図表9 披露宴会場の推移 ルの挙式・披露宴である。“映画の1シーンの (%) 70 ような”非日常的な空間の演出が若年層の支 (全体=100) 58.4 60 持を受け、 「ハウスウェディング」は挙式・披 50 露宴の新しいジャンルのひとつとしてここ数 40 年ですっかり定着してきた(図表9)。 野尻社長は、名門・明治大学ラグビー部で 54.8 53.5 54.7 54.5 47.7 51.1 50.6 ホテル 専門式場 公共会館 レストラン・料亭 45.3 37.7 37.7 32.0 28.2 30 53.3 26.6 25.9 24.3 21.1 25.3 快速ウイングとして鳴らしてきた元ラガーマ ンで、卒業後の進路選択に際し“いつかは独 立”と考えながらもひとまず大手損害保険会 社に就職、ベンチャー企業支援関連の業務に 携わる傍らで自らも“どのようなビジネスで 20 16.0 22.5 11.2 13.3 11.1 11.7 10 0 2.8 4.0 5.3 1988 89 90 2.8 4.2 91 92 16.0 19.5 10.8 9.4 6.3 7.6 7.4 7.0 6.5 5.6 4.2 5.4 4.2 4.5 93 94 95 96 97 98 (年) (備考)旧・三和銀行調査レポート「挙式前後の出納簿」 (平成 10年)より作成 起業するか”を常に模索していた。そうした 活動にも注力し「ハウスウェディング」の認 なか、既存の挙式・披露宴のありきたりのス 知度向上に努めていった。さらに、2001年6月 タイルに違和感を覚えた経験などが契機とな からは当社がそれまで提携レストランでの「ハ り、 “自分たちが本当にやりたいウェディング ウスウェディング」で培ってきた感性とノウ とはなにか”を追求していくことが大きなビ ハウを最大限に活かしながら収益拡大を図る ジネスチャンスと判断した。 ため、高収益で原価管理もしやすい直営店で 設立当初は、自らがイメージする「ハウス の「ハウスウェディング」へと事業を拡大し、 ウェディング」にふさわしい邸宅風の一軒家 2002年6月末現在で4店の直営店( 「アーククラ レストランとの業務提携を推進し、紆余曲折 ブ松涛 (渋谷区松涛) 」 、 「アーカンジェル代官山 を経ながらも2001年3月までに提携レストラン (目黒区青葉台)」、「アーケイディア(目黒区 は10店まで拡大した。その一方で、ブライダ 東山) 」 、 「麻布迎賓館(港区六本木) 」 )を展開 ル専門情報誌への積極的な出稿など広告宣伝 するまでに至っている。こうした積極的な事 研 究 37 業展開が功を奏して当社の業績は急ピッチで 図表10 ㈱テイクアンドギヴ・ニーズの業績推移 拡大(図表10) 、2001年12月には会社設立から (百万円) 6,000 わずか3年あまりでナスダックジャパン市場へ 5,000 の株式上場を実現した。こうして現在では、20 4,000 歳代の若い社長が率いる気鋭の急成長企業と 3,000 して、市場の注目を集める存在となっている。 2,000 なお会社側では、今後はより収益性の高い 直営店の全国展開を進め(目標投下資本利益 率[ROI]30%)、企業としてのさらなる成長発 展を図っていく意向である。そのため、年間4 (百万円) 売 上 高(左目盛) 経常利益(右目盛) 4,804 500 400 330 2,961 300 230 200 1,353 101 1,000 0 25 -3 1999.3 100 433 32 0 2000.3 01.3 02.3 -1,000 03.3(予) (期) (備考)03.3期業績は、02.3期決算発表時点での会社側計画 ∼5店舗の直営店を出店していく一方で、「ハ 広げていった。一方、2000年末までには株式 ウスウェディング」の演出力と営業力を兼ね 公開実務に明るい社外の協力者(複数名)を 備えた人材(ウェディングプランナー)の育 当社の役職員として迎え入れるなどで内部体 成などにも注力していく意向で、当社の動向 制強化にも努め、極めて短期間での上場を実 は今後も広く注目を集めよう。 現し今日に至っている(図表11)。 ②上場について ③信用金庫の対応 チャレンジ精神の旺盛な野尻社長は、1998 東京都内を主な営業地盤とする東京東信用 年10月の会社設立時にはすでに“3年後の上場” 金庫は、野尻社長の父親が経営する会社と取 を視野に入れており、その公約どおり、2001 引関係を有していたことが契機となって、99 年12月にはナスダックジャパン市場への上場 年春ごろより会社設立後1年にも満たない揺籃 を実現した。 期の同社と接点を持つようになった。同社は 当社の具体的な上場準備作業は、会社設立 現在でこそ気鋭の若い経営者が率いる急成長 から1年半あまりを経過し、提携レストランで 企業として広く認知されつつあるものの、99 の「ハウスウェディング」の企画・運営ビジ 年当時は「ハウスウェディング」を提携レス ネスが軌道に乗り始めた2000年8月ごろより本 トランで行っていくという同社のビジネスモ 格的にスタートした。具体的には、①2000年9 デルはまだまだ実績がともなっておらず、他 月に新株引受権付社債(ワラント債)を発行 の金融機関とも本格的な融資取引は行ってい し9,000万円を調達、②資本増強の一環として ない(同社としてもまとまった資金に対する 2000年12月に安定株主となりうる取引先等17 需要がまだ顕在化していない)状況にあった。 先を割当先とする第三者割当増資を実施し約4 こうしたなかで東京東信用金庫では、小口 億7,000万円を調達、などで直接金融の間口を の預金取引開始を契機にその後も継続的に当 38 信金中金月報 2002.8 社と接触を図ることで、身近な金融 機関としての地位を維持しつつ情報 図表11 ㈱テイクアンドギヴ・ニーズの沿革 1998年 の収集にも努めていった。その後、 状況をいち早く認識し、金融安定化 1999年 2000年 特別保証制度を活用して外注支払資 金約5,000万円の融資を実行し、急成 2001年 長過程での資金ニーズへ果敢に対応 していった。 東京東信用金庫では、同社の上場 現社長の野尻佳孝氏が、一軒家レストランでの挙式・ 披露宴の企画・運営を手がける企業として当社設立。 (この時点ですでに3年後の上場を決意) *以後、都内の一軒家レストランと順次業務提携する形で事 業を拡大し現在までに10店と提携 2000年に入り同社が月商約2,000万円 程度をあげられるようになってきた 10月 2002年 準備作業に直接的に関与したわけで 3月 東京都港区南青山に本店移転 8月 (このころより本格的に株式公開準備作業を開始) 9月 無担保新株引受権付社債(9,000万円)発行 12月 取引先等17先に対し第三者割当増資を実施(約4億 7,000万円を調達) 6月 直営店「アーククラブ松涛」営業開始 8月 直営店「アーカンジェル代官山」営業開始 9月 従業員等14名に新株引受権(ストックオプション) を付与 12月 ナスダックジャパン市場に株式上場 1月 直営店「アーケイディア」営業開始 6月 直営店「麻布迎賓館」営業開始 はないが、身近な金融機関として揺籃期の同 事例とは言いきれないケースがあるのも事実 社と接触を続け、同社が上場企業となった現 であろう。また、信用金庫側も当初から取引 在でも取引関係(プロパー資金での融資取引) 先企業の上場実現を念頭に置いて接している を継続し、主要取引金融機関の一角を占めて わけではあるまい。しかしながら、信用金庫 いる。本件は、信用金庫が新進気鋭のベンチ の役割のひとつに地元中小企業の育成・支援 ャー企業と草創期から継続的に接触を図り、当 があるなかで、結果的に取引先企業が株式上 該企業の急成長をタイミングよく支援してい 場を果たし、その経営者が「信用金庫に育て った事例として注目に値しよう。 られた」と認識している場合、こうしたもの は成功事例と言えよう。信用金庫がその上場 おわりに 企業の成長に実は大きな役割を果たしたとい 「会社四季報」などの外部資料だけでは、そ うことがあまり知られていない場合も多いな の上場企業が信用金庫と密接な関係がある、ま か、それが今日ではすでに“卒業生”となり たはかつて関係があったかどうか、などはな 取引関係が解消しているケースであったとし かなか確認することができない。直接、当該 ても、こうした成功事例は信用金庫として永 企業の幹部と接触するような機会に「実は信 く誇れるものであろう。 用金庫が当社の育ての親」といった話を聞か されて初めて判明することがある。 今後も、当該企業に対する直接的な効果は もちろんのこと、地域経済に対する波及効果 いうまでもなく、企業の成長・発展の過程 なども考慮しつつ、信金キャピタルなど業界 や信用金庫の関わり方はさまざまであり、取 の支援機関の活用も含めた当該企業にふさわ 引先企業が株式を上場することがすべて成功 しい積極的な育成・支援が望まれる。 研 究 39 参考付表 「会社四季報」からみた信用金庫と取引関係にある上場企業(上場年月順) 上場 社 名 本社所在地 事 業 内 容 市 場 年 信用金庫 月 1 北陸ガス㈱ 新潟県新潟市 ガス事業 1949 07 東京2 三条(*) 2 ユタカフーズ㈱ 愛知県知多郡 調味料等製造 1961 10 東京2、名古屋2 知多 3 中日本鋳工㈱ 愛知県西尾市 自動車・ミシン用鋳物部品製造 1961 10 名古屋2 西尾 4 ㈱東京衡機製造所 神奈川県津久井郡 材料・性能・耐久試験機等製造 1961 10 東京2 川崎(*) 5 日本写真印刷㈱ 京都市中京区 総合印刷業 1961 10 東京、大阪 京都(*) 6 神姫バス㈱ 兵庫県姫路市 バス事業 1961 10 大阪2 播州(*) 7 ㈱ヤマシナ 京都市山科区 十字穴ネジ等製造 1962 09 大阪2 京都中央 8 花月園観光㈱ 神奈川県横浜市 競輪場賃貸、観光飲食 1962 09 東京2 さがみ 9 ㈱松佳 埼玉県熊谷市 軽自動車販売等 1963 05 東京2 埼玉縣 10 品川倉庫建物㈱ 東京都品川区 賃貸不動産、倉庫・運輸 1963 05 ジャスダック 芝 11 細谷火工㈱ 東京都あきる野市 自衛隊向け照明弾・発煙筒等製造 1963 06 ジャスダック 西武(**)、青梅 12 不二硝子㈱ 東京都墨田区 医療用ガラス等製造 1963 06 ジャスダック 東京東(*) 13 ㈱リード 埼玉県大里郡 カーエアコン部品、自動車部品製造 1963 07 東京2 埼玉縣 14 ㈱桜井製作所 静岡県浜松市 自動車部品・工作機械製造 1963 12 ジャスダック 浜松 15 ハクスイテック㈱ 大阪市北区 亜鉛華・亜鉛末・窯業原材料等製造 1965 10 ジャスダック 尼崎 16 サンウェーブ工業㈱ 東京都渋谷区 住宅用厨房設備機器製造 1975 08 ジャスダック* 高知(*) 17 ㈱ジャルコ 東京都大田区 AV用コネクタ等製造 1978 09 ジャスダック 城南 18 焼津水産化学工業㈱ 静岡県焼津市 業務用天然調味料製造 1988 11 ジャスダック* 焼津(**) 19 天龍製鋸㈱ 静岡県磐田郡 電動工具用丸鋸等製造 1988 11 ジャスダック 磐田 20 ㈱トーカイ 岐阜県岐阜市 リネンサプライ 1988 12 名古屋2 岐阜(**) 21 東邦建㈱ 栃木県佐野市 電気通信工事 1988 12 ジャスダック 佐野 22 トヨタカローラ岐阜㈱ 岐阜県岐阜市 自動車販売業 1989 11 名古屋2 岐阜(**) 23 河内屋紙㈱ 東京都北区 紙の二次卸問屋 1989 11 ジャスダック 巣鴨(*) 24 タカセ㈱ 東京都港区 総合物流業 1989 12 ジャスダック 城南(**) 25 ㈱ヤマザキ 静岡県浜松市 工作機械用ドリルユニット等製造 1990 03 ジャスダック 浜松 26 ㈱トリイ 名古屋市昭和区 紳士服販売 1990 05 名古屋2 西尾 27 ㈱コグレ 東京都港区 エクステリア専門商社 1991 04 ジャスダック 東京 28 オプテックス㈱ 滋賀県大津市 赤外線センサ製造 1991 07 ジャスダック* 京都 29 ㈱JEUGIA 京都市中京区 楽器、AVソフト販売 1991 07 大阪2 京都(*) 30 愛光電気㈱ 神奈川県小田原市 電設材卸 1991 10 ジャスダック さがみ 31 未来工業㈱ 岐阜県安八郡 樹脂成形電設資材製造 1991 11 名古屋2 大垣 32 ㈱ドミー 愛知県岡崎市 食料品スーパー 1992 06 名古屋2 西尾(**)、岡崎 33 旭化学工業㈱ 愛知県安城市 工業用樹脂成形・加工 1993 04 ジャスダック 岡崎(**) 34 ㈱土屋ホーム 北海道札幌市 住宅建築 1993 05 ジャスダック* 旭川 35 富士変速機㈱ 岐阜県岐阜市 変減速機・駐車場装置製造 1993 06 名古屋2 岐阜(**) 36 ㈱KVK 岐阜県岐阜市 風呂・台所等の給水栓製造 1993 11 ジャスダック 岐阜(**) 37 ㈱旭ダンケ 北海道旭川市 コンクリート二次製品等製造 1994 02 ジャスダック 旭川(**) 38 ピー・シー・エー㈱ 東京都千代田区 財務会計ソフト等開発販売 1994 03 ジャスダック* 荒川 39 ㈱福原 北海道帯広市 食品スーパー 1994 03 ジャスダック 帯広 40 暁飯島工業㈱ 茨城県水戸市 建築設備工事業 1994 04 ジャスダック 水戸(**) 40 信金中金月報 2002.8 上場 社 名 本社所在地 事 業 内 容 市 場 年 信用金庫 月 41 日本土建㈱ 三重県津市 総合建設業 1994 07 ジャスダック 三重 42 ㈱鶴弥 愛知県半田市 陶器瓦製造 1994 08 名古屋2 岡崎(**) 43 ㈱ベルーナ 埼玉県上尾市 カタログ通販 1994 09 ジャスダック* 埼玉縣 44 イソリ電子工業㈱ 神奈川県川崎市 電子機器用ピン・コネクタ等製造 1994 09 ジャスダック 川崎 45 ㈱タカチホ 長野県長野市 国内旅行みやげ品卸売業 1994 10 ジャスダック 長野(**) 46 ㈱アトム 名古屋市名東区 回転寿司チェーン等経営 1994 11 ジャスダック* 岐阜(*) 47 アテナ工業㈱ 岐阜県関市 樹脂製食品容器製造 1995 02 ジャスダック 岐阜(**)、関 48 ヤマト・インダストリー㈱ 東京都台東区 産業用樹脂部品製造 1995 04 ジャスダック 朝日 49 ㈱ライトオン 茨城県つくば市 カジュアルウエア小売店チェーン 1995 05 ジャスダック* 多摩中央(*) 50 南野建設㈱ 大阪市北区 上下水道工事 1995 06 ジャスダック 尼崎、十三 51 ㈱サンデー 青森県八戸市 家庭用品・DIY用品等販売 1995 07 ジャスダック 八戸(**) 52 シーシーアイ㈱ 岐阜県関市 自動車用ブレーキ液・不凍液製造 1995 08 ジャスダック 岐阜 53 ㈱ヤマウラ 長野県駒ヶ根市 総合建設業 1995 09 東京、名古屋 赤穂(**) 54 ASTI㈱ 静岡県浜松市 家電・自動車用機能部品製造 1995 09 名古屋2 磐田(*)、浜松(*) 55 ダイヤ通商㈱ 東京都豊島区 ガソリンスタンド経営、DIY・カー用品製造 1995 09 ジャスダック 巣鴨(*) 56 ㈱ふじ 北海道旭川市 食品スーパー、ホームセンター 1995 11 ジャスダック 旭川(**) 57 三陽パックス㈱ 静岡県富士市 食品用紙・プラスチック容器製造 1995 12 ジャスダック 富士宮、静岡 58 ㈱ソネック 兵庫県高砂市 総合建設業 1996 11 大阪2 姫路 59 ㈱レオ 埼玉県越谷市 ジーンズ等小売店チェーン 1996 04 ジャスダック 埼玉縣 60 ㈱日本色材工業研究所 東京都港区 化粧品OEM生産 1996 07 ジャスダック 東都中央 61 パルステック工業㈱ 静岡県浜松市 光ディスク・光ピックアップ検査装置製造 1996 08 ジャスダック* 浜松 62 竹菱電機㈱ 京都市右京区 三菱電機系の中堅商社 1996 09 大阪2 京都、京都中央 63 ㈱ヒマラヤ 岐阜県岐阜市 スキー・ゴルフ用品等小売店チェーン 1996 09 ジャスダック* 岐阜(**) 64 ㈱サカイ引越センター 大阪府堺市 引越業 1996 10 大阪2 大阪 65 ㈱サン・ライフ 神奈川県平塚市 冠婚葬祭業 1996 11 ジャスダック 平塚(**)、八王子(**)、中南 66 ㈱環境管理センター 東京都日野市 環境コンサルタント 1996 11 ジャスダック 多摩中央 67 ㈱ユーシン精機 京都市伏見区 プラスチック成形品取出ロボット製造 1996 12 東京、大阪 京都中央 68 ㈱エーティーエルシステムズ 山梨県甲府市 統合販売管理ソフト等開発販売 1996 12 ジャスダック 甲府 69 ㈱武井工業所 茨城県石岡市 コンクリート二次製品等製造 1996 12 ジャスダック 旧・石岡(**) 70 カネソウ㈱ 三重県三重郡 マンホール蓋・溝蓋等金属金具製造 1997 03 名古屋2 桑名(*) 71 東建コーポレーション㈱ 愛知県刈谷市 賃貸住宅等建設・仲介・管理 1997 03 ジャスダック 碧海 72 ㈱ニッパンレンタル 群馬県前橋市 中小型建設機械レンタル 1997 04 ジャスダック 群馬中央 73 福島印刷㈱ 石川県金沢市 ビジネスフォーム等印刷 1997 05 名古屋2 金沢 74 エイケン工業㈱ 静岡県小笠郡 補修用自動車フィルタ製造 1997 05 ジャスダック 掛川 75 MrJOHN㈱ 三重県安芸郡 ホームセンター 1997 07 ジャスダック 三重 76 ㈱中京医薬品 愛知県半田市 配置医薬品・日用雑貨等販売 1997 08 ジャスダック 知多 77 サンクスジャパン㈱ 佐賀県佐賀市 ディスカウントストア 1997 08 ジャスダック 佐賀 78 アース㈱ 北海道札幌市 消費者金融業 1997 09 札幌 石狩中央、札幌 79 ㈱ウェッズ 東京都目黒区 自動車部品・用品卸 1997 09 ジャスダック 碧海(*) 80 ㈱栄電子 東京都千代田区 電子部品商社 1997 10 ジャスダック 東京シティ 研 究 41 上場 社 名 本社所在地 事 業 内 容 市 場 年 信用金庫 月 81 ㈱秋川牧園 山口県山口市 食肉・鶏卵・牛乳等製造卸売 1997 11 ジャスダック 山口 82 太洋基礎工業㈱ 名古屋市中川区 推進工事(電力線、下水道管)等 1997 11 ジャスダック 岐阜(**) 83 ㈱ニチリョク 東京都杉並区 霊園開発、墓地・墓石販売 1998 02 ジャスダック 東京(**) 84 ㈱土屋ツーバイホーム 北海道札幌市 注文住宅請負事業 1998 04 ジャスダック 旭川 85 アヲハタ㈱ 広島県竹原市 家庭用ジャム等製造 1998 07 東京2 呉 86 寺島薬局㈱ 茨城県つくば市 薬局チェーン 1998 07 ジャスダック 水戸(**) 87 東京貴宝㈱ 東京都台東区 宝飾品卸 1998 12 ジャスダック 朝日 88 ㈱アルメディオ 東京都東村山市 音楽用CDプレス、 テストCD・DVD等製造 1999 03 ジャスダック 多摩中央(**) 89 グローバルメディアオンライン㈱ 東京都渋谷区 インターネットプロバイダ事業 1999 08 ジャスダック 東京産業 90 ミサワホームサンイン㈱ 鳥取県鳥取市 住宅請負事業 1999 10 ジャスダック 鳥取 91 ㈱アプレック 福岡県北九州市 手形割引業 1999 10 ジャスダック 福岡ひびき(*)、新北九州 92 ㈱うかい 東京都八王子市 高級ディナーレストラン経営 1999 11 ジャスダック 八王子(**) 93 ㈱石井表記 広島県深安郡 プリント基板製造装置製造 1999 12 東京2 福鞆 94 ㈱壱番屋 愛知県一宮市 カレー専門店チェーン 2000 02 ジャスダック 岐阜 95 東洋合成工業㈱ 千葉県市川市 半導体用フォトレジスト用感光性材料製造 2000 03 ジャスダック 東京ベイ 96 ㈱ビジョンメガネ 大阪府東大阪市 メガネ専門店チェーン 2000 04 ジャスダック 八光 97 ㈱まんだらけ 東京都中野区 漫画専門古書店 2000 07 東京マザーズ 西武 98 ㈱ピーエイ 新潟県新潟市 ITプロ技能者支援サイト等運営 2000 07 東京マザーズ 新潟 99 名古屋電機工業㈱ 名古屋市中川区 道路交通情報システム・装置等製造 2000 09 名古屋2 岐阜 100 ㈱トーシン 名古屋市中区 携帯電話販売代理店業 2000 10 ナスダックジャパン 瀬戸 101 ㈱日本オプティカル㈱ 愛知県豊田市 コンタクトレンズ小売専門店 2000 11 ジャスダック 豊田 102 ㈱ポイント 東京都墨田区 カジュアル衣料・雑貨小売業 2000 12 ジャスダック 水戸(**) 103 リベレステ㈱ 埼玉県越谷市 分譲マンション建設・販売 2000 12 ジャスダック 東京東(*)、太陽 104 新東㈱ 愛知県高浜市 粘土瓦製造 2001 02 ジャスダック 岡崎(**) 105 ㈱インターアクション 神奈川県横浜市 CCD等の検査工程向け光源装置製造 2001 02 東京マザーズ 横浜 106 南総通運㈱ 千葉県東金市 運輸業 2001 03 ジャスダック 旭 107 ㈱サムコインターナショナル研究所 京都市伏見区 エッチング装置等電子部品製造装置開発 2001 05 ジャスダック 京都 108 マルサンアイ㈱ 愛知県岡崎市 大豆利用の食品加工メーカー 2001 06 名古屋2 岡崎 109 ㈱エムジーホーム 名古屋市中村区 分譲マンション販売 2001 07 名古屋セントレックス 一宮(**)、岡崎 110 不二精機㈱ 奈良県橿原市 プラスチック金型成形システム等開発製造 2001 08 ジャスダック 大阪商工 111 ㈱原弘産 山口県下関市 独自企画マンション開発分譲 2001 09 大阪2 下関(**) 112 ㈱シーエスアイ 北海道札幌市 電子カルテシステム開発 2001 10 東京マザーズ 札幌 113 ㈱テイクアンドギヴ・ニーズ 東京都港区 挙式・披露宴プロデュース 2001 12 ナスダックジャパン 東京東 114 ㈱エルゴ・ブレインズ 大阪市北区 電子メールのDM事業 2002 02 ナスダックジャパン 京都(*)、京都中央(*) 115 ㈱アーネストワン 東京都西東京市 戸建・マンション分譲 2002 02 ジャスダック 東京三協 116 兼松エンジニアリング㈱ 高知県高知市 産業廃棄物業者向け作業車製造 2002 03 大阪2 高知(**) (備考)1.社名および市場は原則として現時点のものを記載した。ただし、ジャスダック(店頭)市場経由で証券取引所へ上場し たことが確認できている企業については「ジャスダック*」と表記し、ジャスダック市場への上場年月を記載した。 2.市場の取引所名の後に「2」がつくのは二部市場 3.信用金庫欄の無印は取引金融機関であるケース(ゴシック体は取引金融機関の筆頭に記載されていたケース)、(*)印は 信用金庫またはその系列ベンチャーキャピタルが大株主(上位10名)であるケース、(**)印はその両方であるケース 4.東洋経済新報社「会社四季報(2002年春版)」などをもとに信金中央金庫総合研究所作成 42 信金中金月報 2002.8 米国商業銀行2001年決算状況 藤原 康史(ニューヨーク駐在員事務所) (要 旨) 1.概況 (1)合併・買収等により米国商業銀行の数は減少しているが店舗数は増加している。また総資 産額や利益額も増加しており業容の拡大は続いている。銀行数の減少は資産規模が1億ドル 未満の零細規模が中心。 (2)当期利益ROAは2年連続で低下しているものの引き続き信用金庫を大幅に上回る水準にあ る。またOHRによって示される生産性は非常に高い。 2.収益構造分析 (1)米国商業銀行の収益の柱は利鞘であり、やや低下しつつあるものの依然として信用金庫の 倍近い水準を保っている。ただし景気後退の影響で不良債権が増加傾向にあり、今後の償 却・引当負担の増大が懸念されている。 (2)非金利収入ROAも信用金庫を大幅に上回る水準にあるがこの2年間は低下。投資銀行業務 の不振がひとつの要因と見られている。また非金利収入の内訳は伝統的銀行業務から派生し た手数料が大きな割合を占める。 (3)経費などの非金利支出ROAは信用金庫と比べても非常に高い。ただしやみくもに経営資源 を投入している訳ではないことは高い生産性が物語っている。 3.米銀の強さを再考する (1)米銀は貸出先の信用リスクに応じた金利設定を定着させてきたことで厚い利鞘を確保して いる。日本でもリスク見合いのプライシングについて顧客の理解を求め、新しいカルチャー を定着させることは急務である。 (2)非金利収入は必ずしも非伝統的銀行業務からもたらされているものばかりではない。既存 のサービスの価格設定を今一度見直すことも重要である。 (3)経営資源の配分にあたっては、追加コストをかけることでどれだけの効果が得られるのか という「限界効用」の視点も必要。単純なコスト削減によって収益機会を逃す可能性につい ても配慮しなくてはならない。 研 究 43 (図表2)。しかし銀行数が減っても店舗数は はじめに 73,034店舗と増加が続いている。合併・買収に 2001年の米国経済は激動の1年であった。9 伴う店舗の統廃合をはるかに上回る新規出店 月に同時多発テロという未曾有の大事件を経 が行われているわけであり、米銀の戦略上店 験し、その余韻も覚めやらぬうちにアルゼン 舗が引き続き重要な意味を持っていることを チンの経済不安や大企業エンロンの倒産とい 示唆するものとなっている。 う事件が立て続けに発生した。こうした事件 銀行数の変化要因をさらに細かく見てみる は銀行経営にも悪影響を与えることが懸念さ と、破綻による減少はこのところ一桁台であ れていたが、米国商業銀行の決算は比較的堅 り2001年中はわずか3件に過ぎない。一方、新 調であった。不良債権の増加など将来に向け 規に免許を受けて営業を開始した銀行も少な ての不安材料はあるものの、危機的状況の中 くない。前年より数は減っているものの、2001 でもその根幹が揺らがないだけの収益体質が 年中に129行もの銀行が新たに免許を受けて営 確立されていることを改めて示した。 業を開始している。 本稿では米国商業銀行の2001年12月決算を また、商業銀行の資産規模や収益は拡大を 分析し、その強みについて再考してみたい。 続けている。資産規模は前年比5.2%増加の6兆 5,692億ドル(853兆9,960億円、¥130/$) 、また 1.概況 税引き後当期利益の総額は前年比4.6%増加の (1)引き続き業容の拡大は継続 743億ドル(9兆6,590億円、¥130/$)となって 商業銀行の数は減少が続いており、2000年 いる(図表3)。度重なる経済の混乱の中にあ から235行減って8,080行となっている(図表 っても、米国商業銀行の業容は引き続き拡大 1) 。その要因を見ると、合併・買収等(注)1によ が続いている。 る減少が361件と最も大きな影響を与えている 図表1 銀行数・店舗数の推移 (店舗) 74,000 店舗数:左目盛 次に銀行数の推移を資産規模別に見てみる。 図表2 銀行数の変化要因 73,034 (行) 10,000 (行) 600 合併・買収等 500 72,000 9,500 400 70,000 361 新設 9,000 300 68,000 200 66,000 64,000 8,080 銀行数:右目盛 1996 97 98 99 2000 (備考)FDIC資料より作成 (注)1.免許の変更などによる調整分を含む。 44 信金中金月報 2002.8 8,500 8,000 01(年) 0 129 破綻 100 1996 97 98 (備考)FDIC資料より作成 99 2000 3 01 (年) FDICの統計上の区分に従い、資産規模100億 との対比ではいずれも増加が見られる。5年前 ドル(1兆3,000億円、¥130/$)以上をAグループ、 と比較してもBグループでほぼ横ばい、C∼E 10億ドル(1,300億円、¥130/$)以上100億ドル のグループはいずれも増加となっている。零 未満をBグループ、5億ドル(650億円、¥130/$) 細規模の銀行で淘汰が進む一方、中堅規模の 以上10億ドル未満をCグループ、3億ドル(390 銀行数は安定的に推移している。 億円、¥130/$)以上5億ドル未満をDグループ、 1億ドル(130億円、¥130/$)以上3億ドル未満を (2)ROAは2年連続で低下、しかし高い収益 Eグループ、1億ドル未満をFグループに分類 性・生産性は維持 し、その数の推移を調べてみた(図表4)。 米国商業銀行は引き続き高い収益性・生産 最も規模が小さいFグループはここ数年一貫 性を維持している。当期利益ROAは2年連続で して減少が続いている。5年前との比較では約 下落して1.16%となっているが、これは日本の 1,700行減少している。逆にB∼Eの規模は前年 信用金庫(注)2のROA0.08%(2000年度)と比較 すると14倍以上の水準である(図表5)。 図表3 収益・資産の推移 (億ドル) 800 利益:左目盛 743 (億ドル) 100,000 当期利益ROAを資産規模別に比較する(図 表6)。ほぼすべてのグループで低下が見られ 80,000 600 る中、2番目に規模の大きなBグループだけは 65,692 60,000 400 0 40,000 善が見られる。一方、一番規模の小さなFグル 20,000 ープのROAは1%を割り込んだ。 資産:右目盛 200 1996 97 98 99 2000 前年の1.29%から1.31%へと若干ではあるが改 0 01(年) また、生産性の指標であるOHR(オーバー (注) 3 は前年の58.48%から57.72% ヘッド・レシオ) (備考)FDIC資料より作成 図表4 資産規模別銀行数の推移 資産規模 年 1996 (単位:行) 1997 1998 1999 2000 2001 A : 100億ドル以上 73 66 71 76 82 80 B : 10∼100億ドル 325 301 321 318 313 320 C : 5∼10億ドル 276 304 278 300 304 335 D : 3∼5億ドル 410 390 419 442 452 509 E : 1∼3億ドル 2,240 2,229 2,276 2,287 2,322 2,350 F : 1億ドル未満 6,204 5,853 5,409 5,157 4,842 4,486 合計 9,528 9,143 8,774 8,580 8,315 8,080 (備考)FDIC資料より作成 (注)2. 「信金中金月報」 (2001年1月号) 『全国信用金庫決算状況(2000年度) 』などによる。なお、執筆時点で信用金庫の2001年度 決算はまだとりまとめられていないため2000年度決算の数字と比較を行っている。他の各年度においても日本の前年度との 対比を行っている。 研 究 45 図表5 当期利益ROAの推移 図表6 当期利益ROAの推移(規模別) (%) 1.50 (%) 1.60 1.16 1.00 1.50 1.40 米国商業銀行 1.30 B D 1.20 C E A 0.50 0.08 0.00 信用金庫 -0.50 1996 97 98 1.00 99 2000 01(年) (備考)FDIC・信金中央金庫資料より作成 0.90 1996 97 98 99 2000 F 01(年) (備考)FDIC資料より作成 図表7 OHRの推移 (%) 75.00 1.10 図表8 OHRの推移(規模別) (%) 70.00 信用金庫 F 71.80 70.00 65.00 E D C 65.00 60.00 60.00 55.00 55.00 50.00 A B 57.72 米国商業銀行 1996 97 98 99 2000 01(年) (備考)FDIC資料より作成 50.00 1996 97 98 99 2000 01(年) (備考)FDIC資料より作成 へと若干の改善が見られる(図表7) 。信用金庫 は71.80%であり、一段とその乖離は広がった。 OHRも資産規模別に比較してみる(図表8) 。 2.収益構造分析 今期の決算の特徴を分析するためROAを分 当期利益ROAが唯一改善したBグループはOHR 解してみる。当期純利益を構成要素に分解し、 でも一番低い水準を保っており生産性が高い。 それぞれを総資産平残で除した。加えて各構 一方FグループのOHRは70%に近づいている。 成要素の前年からの変動幅を調べた(図表9) 。 このグループだけは収益性・生産性ともにや これを見ると、利鞘ROAは0.06%の低下に止 や苦戦が続いているようである。 まっているが非金利収入ROA(=手数料等) 全体としてみれば高収益性・生産性という はその倍の0.12%低下している。また、貸倒引 米国商業銀行の特徴は2001年も引き続き維持 当のROAが大幅に上昇している。非金利支出 されていると結論できそうである。 ROA(=経費等)も0.15%低下はしているも (注)3.経費等の非金利支出を金利収支と非金利収入の和(=粗利益)で除した指標。1単位あたりの収益をあげるためにどれだけ のコストを払っているかを示しており、数字が小さいほど生産性が高いことを表している。米国の統計上ではエフィシエン シー・レシオという言葉が用いられているが、ここでは日本で一般的に用いられているオーバーヘッド・レシオのほうを用 いる。 46 信金中金月報 2002.8 図表9 ROAの構造(米国商業銀行平均) 6.27 (2001年12月、単位:%) 2.92 2.44 3.35 3.46 0.67 0.50 1.66 1.16 金利収入 変動幅(%) △ 0.89 金利支出 利鞘 貸倒引当金 繰 入 非金利 収 入 非金利 支 出 営業純利益 売買収支・ 税 金 純利益 △ 0.83 △ 0.06 0.18 △ 0.12 △ 0.15 △ 0.21 △ 0.18 △ 0.03 (備考)FDIC資料より作成 ののこれらをカバーするには至らず、当期利 年は金融機関の競合が激化していることから 益ROAの低下を招くこととなった。 縮小傾向にあるものの、依然として信用金庫 今期のROA変動に大きな影響を与えた各要 の倍近い水準を保っている(図表10) 。規模別 に比較してもほとんどのグループが低下また 因を分析してみたい。 は横ばいである(図表11) 。また最も規模が大 (1)利鞘収益は厚いが不良債権比率の上昇が きなAグループの利鞘は他のグループと比較す 不安材料 るとかなり低い。大手行はマス・マーケティ 米国商業銀行の収益の柱は依然として利鞘 ングを志向しているため薄利多売という傾向 である。利鞘ROA(注)4の推移を見ると、ここ数 が避けられない。必然的に利鞘は他のグルー 図表10 利鞘ROAの推移 図表11 利鞘ROAの推移(規模別) (%) 5.00 (%) E 3.90 4.00 C 4.50 D 米国商業銀行 B F 3.00 1.98 2.00 4.00 信用金庫 1.00 0.00 A 1996 97 98 99 (備考)FDIC・信金中央金庫資料より作成 2000 01(年) 3.50 1996 97 98 99 2000 01(年) (備考)FDIC資料より作成 (注)4.なお、各要素の分析にあたってはFDICの統計上用いられている収益性資産平残を分母とした指標を用いている。純利益 ROAの構造分析で用いた数値とは一致しない。また信用金庫のROAは比較のため資金運用勘定平残を分母として算出した指 標を用いている。 研 究 47 プよりも薄くなってしまうという特徴がある。 上債権の割合)は99年を底として2年連続で上 貸出の面でもうひとつ言及しておかなくて 昇している(図表12) 。2001年の1.41%という はならない点がある。不良債権の増加である。 水準は過去6年でも最悪である。 前述のように貸倒引当金を総資産平残で除し さらにリスク資産率(総資産に占めるリス たROAは昨年より0.18%上昇している。この ク資産(注)5の割合)は前年より低下しているも 負担まで加味すると貸出関連の収益は0.2%以 のの77.5%と高水準である(図表13) 。バラン 上低下したこととなる。 スシートが抱える潜在的な信用リスク量は以 昨年9月以前より米国の景気後退はささやか 前高止まりを続けており、将来不良債権化す れており、経営不振に陥る企業も少なくはな る恐れも小さくない。米国商業銀行にとって かった。この不安材料が同時多発テロによっ 信用リスク管理は喫緊の課題となっている。 て顕在化することとなった。不良債権比率(貸 ただし、このような不良債権に対する備え 出に占める90日以上延滞債権と未収利息不計 は引き続き十分に行われていると言ってよさ そうである。自己資本比率(BIS基準)はもと 図表12 不良債権比率の推移 (%) 1.50 1.41 もと金融監督当局が「健全」と判断する10% を大幅に上回る水準で推移していたのだが、 2001年は前年より0.60%改善し12.72%へと急 1.00 上昇している(図表14) 。これはリスク資産率 低下の影響もあるが、自己資本額も前年より 0.50 667億ドル増加し5,975億ドル(77兆6,750億円) 0.00 となっている。今後の引当・償却負担の増加 1996 97 98 99 2000 01(年) に備え、先手を打って自己資本の拡充を図っ (備考)FDIC資料より作成 図表13 リスク資産率・リスク調整後ROAの推移 (億ドル) 82 リスク資産率:左目盛 (億ドル) 1.8 80 1.7 12.60 1.6 12.40 1.5 12.20 1.4 12.00 1.3 01 (年) 11.80 77.5 78 76 74 1.5 72 リスク調整後ROA:右目盛 70 68 1996 97 98 99 (備考)FDIC資料より作成 2000 図表14 自己資本比率(BIS基準)の推移 (%) 12.80 12.72 1996 97 98 99 2000 01(年) (備考)FDIC資料より作成 (注)5.BIS規制上の自己資本比率算定にあたって分母となる資産には種類別に0%∼100%のリスクウェイトを乗ずる。このリスク ウェイト調整後の資産の総和がリスク資産である。また当期利益ROAの分母をリスク資産に置き換えたものがリスク調整後 のROAである。 48 信金中金月報 2002.8 た銀行も多いようである。 うな要因によるものであろうか。これまで非 金利収入の内訳については統計上あまり細か (2)非金利収入の状況 い数字が示されてこなかったため、個別金融 利鞘とならぶ収益の柱は手数料などの非金 機関のアニュアルレポートなどを頼りに推測 利収入である。こちらも2年連続でROAは低下 せざるをえなかった。しかし2001年分からよ しているが邦銀よりはるかに高い水準を保っ り詳しい内訳項目が開示されるようになって ている(図表15) 。信用金庫との比較では16倍 いるので、前年との比較はできないもののこ 以上である。 れを手がかりとして分析を進めたい。 非金利収入ROAの状況を資産規模別に見る 内訳が判明するもののうち最も大きな割合 とA・D・Fのグループで低下が見られる(図 を占めているのは預金関係の手数料であり全 表16) 。特に最大手のAグループが2年連続で落 体の16.8%を占めている(図表17) 。次に大き ち込んでいることが全体の数値を押し下げて いのは信託関係の手数料で13.2%。ここまでは いる。 従来開示されてきた項目である。これに次ぐ 非金利収入ROAの低下は具体的にはどのよ れは今まで「その他」として他の項目と一括 図表15 非金利収入ROAの推移 (%) 3.50 りにされてきたが、その割合は非金利収入の 2.85 3.00 10%以上であり、かなり大きなウェイトを占 めていることがわかる。また、トレーディン 2.50 2.00 グ業務は8.0%、貸出の管理・回収を行うサー 米国商業銀行 1.50 ビシング手数料は7.4%を占める。 1.00 信用金庫 M&Aやベンチャーキャピタルなどの投資銀 0.50 0.00 のが債権の証券化にかかる手数料である。こ 0.17 1996 97 98 99 2000 行業務は5.8%である。ここ2年間は景気後退と 01(年) 株式相場の低迷によって投資銀行業務は徐々 (備考)FDIC・信金中央金庫資料より作成 図表16 非金利収入ROAの推移(規模別) 図表17 非金利収入の内訳(商業銀行) (%) 3.50 (2001/12、%、100%=1,572億ドル) 預金関連手数料 A 3.00 その他 16.8 2.50 13.2 C 2.00 D 1.50 1.00 32.7 B E 1996 97 (備考)FDIC資料より作成 98 99 2000 F 01 (年) 保険手数料 1.8 資産売却 4.4 信託業務 10.4 資産証券化 手数料 5.8 7.4 8.0 投資銀行業務 サービシング手数料 トレーディング (備考)FDIC資料より作成 研 究 49 に不振に陥ってきた。時系列での比較はでき は資産規模10億ドル(1,300億円、¥130/$)以 ないのであるが、当地の新聞報道などを参考 上、1億ドル(130億円、¥130/$)以上10億ド にするとこの投資銀行業務の不振が非金利収 ル未満、1億ドル(130億円、¥130/$)未満の 入ROAを引き下げる一要因になっているもの 3グループに分けられているだけである。これ と推測される。投資銀行業務に積極的に参入 でみると、一番規模の小さい資産規模1億ドル していた銀行が多かった最大手のAグループで 未満のグループでは預金関連手数料の占める 非金利収入ROAが低下しているという事実か 割合が圧倒的であり41.9%を占めている(図表 らもそれは読み取ることができそうである。 19) 。これに次ぐのはサービシング手数料であ ところでこのような非伝統的銀行業務を取 り、15.0%を占める。預金関連手数料の占める 扱う商業銀行の数はどのくらいに上るのだろ 割合は資産規模が大きくなるにつれて低下し う。同じく2001年分から公開されたFDICの統 ている。2番目に規模の大きいグループでは 計によれば、預金関連手数料は最もポピュラ 26.8%であり、最も規模が大きいグループでは ーであり全銀行の96.5%が取扱っている(図表 15.6%にとどまっている。しかしながらいずれ 18)。また、保険の販売手数料(年金を含む) のグループにおいても内訳が判明するもので は49.6%とほぼ半分の銀行で取扱いが見られ 一番大きな割合を占めているのは預金関係手 る。金額的には預金関連手数料に次ぐ割合を 数料である。 「非金利収入」に含まれる手数料 占めていた信託業務関連の手数料は20.4%が取 の種類は多様であるが、よくその内訳を見て 扱っているに過ぎない。 みると預金関連の手数料や貸出金管理にかか さらに、非金利収入の内訳を規模別に比較 るサービシング手数料の寄与度合いは大きく、 してみる。FDICの統計上、非金利収入の内訳 中心的な位置づけを占めているのは伝統的銀 図表18 非金利収入の内訳(米国商業銀行) 非金利収入額 報告銀行数 割 合 (百万ドル) (行) (%) 預金関連手数料 26,473 7,909 96.5 信託業務 20,751 1,668 20.4 資産証券化手数料 16,350 100 1.2 トレーディング 12,505 175 2.1 サービシング手数料 11,569 1,626 19.8 投資銀行業務 9,097 2,178 26.6 資産売却(貸出) 4,643 1,739 21.2 資産売却(不動産) 65 2,129 26.0 資産売却(その他) 2,249 2,321 28.3 保険手数料 その他 合計 (備考)FDIC資料より作成 50 (2001年12月) 信金中金月報 2002.8 2,875 4,063 49.6 50,596 7,983 97.4 157,172 8,050 98.3 図表19 非金利収入の構成(資産規模別) 10億ドル∼ 100%=1,385億ドル n=395 1∼10億ドル 100%=122億ドル n=3,194 31.9 30.2 37.1 1.6 3.7 4.2 6.1 3.2 5.8 0.0 8.8 3.3 1.1 15.0 4.7 11.1 3.5 15.9 0.0 32.2 その他 4.4 資産売却 保険手数料 1.8 1.8 7.4 6.1 (2001年12月、単位:%) 商業銀行全体 100%=1,571億ドル n=8,080 ∼1億ドル 100%=21億ドル n=4,486 0.1 13.1 41.9 26.8 15.6 サービシング手数料 投資銀行業務 7.4 5.8 8.0 トレーディング 10.4 証券化 13.2 信託業務 16.8 預金関連手数料 (備考)「n」は金融機関数、FDIC資料より作成 行業務から派生した手数料である、と言って ないということはOHRに示される高い生産性 もよさそうである。 が物語っている。 非金利支出ROAの推移を資産規模別に比較 (3)非金利支出の動向 すると傾向はまちまちである(図表21) 。低下 一方、コストについてはどのような傾向が が見られるのはA・D・Fグループであるが、そ みられるだろうか。経費などの非金利支出を れは必ずしも当期利益ROAの改善に結びつい 収益性資産平残で除した非金利支出ROAは昨 てはいない。逆に当期利益ROAが唯一改善し 年よりも若干低下しているものの信用金庫の ているBグループでは非金利支出ROAも上昇し 倍以上の水準で推移している(図表20) 。米国 ている。コストの削減は必ずしも収益性改善 商業銀行は高コスト体質なのである。ただし の決め手になっているわけでもなさそうであ やみくもに経営資源を投入しているわけでは る。 図表20 非金利支出ROAの推移 図表21 非金利支出ROAの推移(規模別) (%) 5.00 (%) 4.70 4.03 4.00 3.00 A 4.50 4.30 米国商業銀行 C 4.10 D 2.00 1.54 1.00 0.00 信用金庫 1996 97 B 3.90 F 3.70 98 99 (備考)FDIC・信金中央金庫資料より作成 2000 01(年) 3.50 E 1996 97 98 99 2000 01(年) (備考)FDIC資料より作成 研 究 51 図表22 非金利支出の構成(資産規模別) A 100%= 1,559億ドル n=80 B 100%= 316億ドル n=320 C 100%= 81億ドル n=335 47.0 49.1 44.6 (2001年12月、単位:%) D 100%= 67億ドル n=509 E 100%= 128億ドル n=2,350 F 100%= 72億ドル n=4,486 36.1 37.2 34.6 13.8 13.3 商業銀行全体 100%= 2,223億ドル n=8,080 11.7 40.6 39.2 43.3 50.1 49.5 その他 12.4 動産・不動産費 41.7 人件費 13.4 12.1 12.4 45.9 52.0 (備考)「n」は金融機関数、FDIC資料より作成 非金利支出の中身はどのようなものであろ ちろん、日米の金利環境の違いなど考慮すべ うか(図表22)。資産規模A∼Cのグループで き点もあり単純に比較することには無理があ は「その他」の占める割合が大きく、D∼Fの るかもしれない。ただ、貸出先の信用リスク グループでは人件費の占める割合が最も大き に見合ったリスク・プレミアムを織り込んで い。 「その他」の内訳は統計上その中身を知る 貸出金利を設定するという方法を定着させて ことは出来ないが、会計士やコンサルタント きたことによって、米銀は確固たる収益のコ といった専門家に支払う費用やシステムなど アを獲得するとともに将来不良債権が発生し のアウトソーシング費用が大きな割合を占め た場合の処理コストをまかなうことができる ており、非金利支出の総額を押し上げている 環境を作り上げてきた。 ものと見られる。 少し横道にそれるが、筆者は以前地域再投 (注)6 に関するセミナーに出席した 資法(CRA) 3.米銀の強さを再考する 最後に米国商業銀行の強みとは何なのかを 改めて考察し整理してみたい。 ことがある。このセミナーで最も印象に残っ ているのはある金融監督当局者のコメントで ある。地域再投資法はマイノリティや中小企 業に対する不当な貸出拒絶を取り締まること (1)リスクに見合ったスプレッドの確保 を主な目的としている。ただしこれはリスク 米国商業銀行の利鞘ROAは日本の金融機関 に見合った金利を徴求することを妨げるもの に比べると非常に高い水準で推移している。も ではない。地域再投資法はあくまでも金融機 (注)6.Community Reinvestment Act。金融機関に地域社会への貢献、特に低所得者やマイノリティ向けの与信活動を一定の枠内 で義務付ける内容の法である。詳細は当研究所発行 New York通信第32号「米国CRA(地域再投資法)を巡る動き―米国では 地域貢献を義務付け―」を参照のこと 52 信金中金月報 2002.8 関が安全かつ健全な銀行経営を維持しながら 多様化は収益機会を増やすことは確かである 地域の資金ニーズに応えていくことを促進す ものの、むしろ顧客の利便性を高めて囲い込 るものであり、採算を度外視した利益供与を みを図っていくための方策のひとつと考える 求めているのではない、というのがコメント べきなのかもしれない。 の主旨である。 信用金庫の場合でも業務の多様化について これこそ自由経済の下における民間金融機 検討する場合は何を目的とするのか明確にす 関に求められる行動のエッセンスではないだ る必要がある。もし収益性の改善を図るとい ろうか。金融機関が公共性を持つとするなら う目的が主になるのであれば、何か品揃えを ば、そのためにこそある程度の収益をあげて 増やすことよりも既存のサービスを見直して、 経営の健全性を維持しなくてはならない。 「収 不当に安い価格で提供しているサービスがな 益確保」というと聞こえは悪いが、金融機関 いかを検討することから着手したほうがよい がその活動を継続していく原資を確保するこ かもしれない。 とができずに途中でサービスを打ち切るよう な事態に陥ってしまっては元も子もないので ある。 (3)コスト削減は切り札なのか? 最後にコストの問題について考えてみたい。 ただ日本の場合、リスクに応じて貸出金利 果たしてコストカットは収益性改善の必要条 が変わるという考え方にまだ馴染みが薄いの 件なのだろうか。確かに80年代後半からの金 は確かである。その中でリスク見合いの金利 融危機の局面においては多くの銀行が積極的 徴求を拙速に進めることは危険が大きいのも なリストラ策によって経営改善を図ってきた。 事実だろう。まずは合理的なプライシングの しかしながら今はだいぶ環境が違っている。 方法を検討し、その適用について顧客の理解 2001年においてROAが改善したBグループは非 を得ながら、新しい金利体系の定着を図って 金利支出も増えている。 いく以外に状況改善の道はないであろう。 2月にある銀行を訪問した。先方からの強い 要望により名前は伏せるが、この銀行は全米 (2)非金利収入の厚み 米銀のもうひとつの強みは非金利収入であ 平均、州平均および同規模他行の平均と比較 して非常に高いROAを達成していた。一方、 る。多くの銀行が業務の多様化によって手数 非金利支出ROAも全米平均の倍以上という高 料の増収を図っていると言われている。ただ、 い水準だった。ところが同行の経営者は自行 実際に手数料の内容を見てみると、大きな割 が高コスト体質であることを理解しながら全 合を占めているのは預金関連手数料や貸出関 く意に介していなかった。多少高コストでも 連の手数料のように伝統的銀行業務から派生 それを補うだけの収益をあげればよい、より したものが大きな割合を占めている。業務の 多くの経営資源を投入することで収益を確保 研 究 53 する「収益重視戦略」を採用しているのだ、と 少しの経営資源投入で期待される成果が非常 この銀行の経営者はむしろ誇らしげに語って に大きいなら、トータルのコストが増加する くれた。もちろん、この発言の裏には自行の としてもかまわず実行してしまおう、という 置かれた市場の綿密な調査と分析、そして様々 ような意思決定が行われるのである。 な試行錯誤があるであろうことは想像に難く 日本の金融機関は不良債権処理の途上にあ ないが、同行の大胆な戦略には驚嘆するばか るという現状もあり、コストについては実額 りであった。 ベースで削減することが至上命題のようにと アメリカの銀行においては外部の専門家を らえられている。ただ、あまりにコスト削減 活用したり多様な業務のアウトソーシングを に目を奪われていると収益機会も失う可能性 行うということが一般的に行われている。自 がある。 「限界効用」についても意識しながら 行内ですべてをまかなうことにはあまりこだ 経営資源の配分を考えていくことも必要なの わっていない。それは安価に手に入るからと ではないだろうか。 いう理由ばかりではなく、むしろ外部に良質 の商品やサービスを求めることができるから おわりに という場合も多い。したがって単純に額面だ 経済環境は決して追い風であったとは言え けを比較するとアウトソースがコストの上昇 ない2001年であるが、それでも米国商業銀行 にしかつながっていないと見えるケースも多 はそれなりの業績を残している。確かに日米 いが、投入した一定額のコストに対する成果 の環境は大きく違っており、アメリカの事例 としては自前で対応した場合と比較すると大 を日本でそのまま真似ることはできないであ きな差が生じており、それが生産性として表 ろう。しかし低迷が続く日本の金融機関が元 れている。 気を取り戻すためにはもっと大胆なパラダイ 米銀が経営戦略を策定する上では、追加コ ムの転換が求められている。米銀の採用して ストがどれだけの効果をもたらすかという「限 いる戦略は我々にひとつの考えるヒントを与 界効用」も常に意識されている。したがって、 えてくれるものではないだろうか。 54 信金中金月報 2002.8 華東地域の投資環境 −上海市・浙江省の現況− 篠崎 幸弘(総合研究所) (要 旨) 1.上海 2001年の上海市のGDP成長率は10.2%と中国全体の同成長率7.3%を大きく上回り、1992年以 降10年連続で2桁台の高い伸びで推移している。中国のWTO加盟に伴い2001年の日本から上海 市への投資は件数が342件(前年比44.3%増)、金額が13億米ドル(前年比85.7%増)と高い伸 びになり、信用金庫取引先の上海市への進出も増加が見込まれる。また、浦東新区では外高橋 保税区、金橋加工区および張江ハイテク区が産業ベルトとして開発・生産・輸出の一貫体制を 形成しつつあるものの、真の意味での産業集積にはもう少し時間を要すると思われる。 2.浙江省経済と寧波市 2001年の浙江省のGDPは6,700億元(前年比10.5%増)となり、GDPの総額では広東省、江 蘇省、山東省についで全国第4位となった。省都杭州市および寧波市両市のGDP合計額は、浙 江省全体のGDP総額の40%を超えており、両市の浙江省経済に与える影響は大きい。2001年の 寧波市への外資投資は、契約ベースで19.55億米ドル(前年比105.4%増)、利用ベースで8.7億 米ドル(同40.3%増)と浙江省全体を上回る高い伸びとなった。寧波市は積極的に外資企業の 誘致を行っているものの、信用金庫取引先の現地企業数は浙江省42社、寧波市7社と少ない状 況にある。寧波市は中国国内第2位の貨物取扱量を誇る寧波港を始めとして、インフラ面では 上海市に遜色がないため、今後日系企業の進出が増加すると思われる。 3.信用金庫取引先ヒアリング結果 訪問した信用金庫取引先の中には、昨年中国に進出できたことを何とか最終列車に飛び乗っ たと感じている企業があった。進出企業の増加および中国企業の品質向上による競争の激化と ともに、単なるコストダウンを狙った中国進出は厳しい局面を迎え、進出に際して最新の技術 を持ち込むところが増えている。また、進出企業の中には、中国は細部で10年遅れているの で、大いに利用すべきであり、中国と日本の物作りは共生できるとの力強い意見が聞かれた。 (注)本稿は、本年3月3日(日)から8日(金)まで上海市、浙江省杭州市および寧波市を訪問し、ヒアリング調査を実施した結果に基 づいている。 調 査 55 図表2 GDPにおける産業別割合の推移 1.上海経済は好調 (単位:億元、%) GDP (1)急増する常住人口 年 2000年の上海市の戸籍人口は1,322万人と前 第3次産業 312 10(3.2) 236(75.7) 66(21.1) 85 467 20(4.2) 326(69.8) 122(26.0) 90 756 32(4.3) 483(63.8) 241(31.9) 96 2,902 72(2.5) 1,582(54.5) 1,248(43.0) 97 3,360 76(2.3) 1,754(52.2) 1,530(45.5) 98 3,688 79(2.1) 1,847(50.1) 1,762(47.8) 99 4,035 80(2.0) 1,954(48.4) 2,001(49.6) の常住人口は、中国のWTO加盟を見越した外 資投資の増加に伴い外国人や市外からの流入 2000 4,551 83(1.8) 2,164(47.5) 2,304(50.6) 01 4,951 85(1.7) 2,356(47.6) 2,510(50.7) 年比200万人の増加となった。 また、上海市では、浦東新区でのマンショ 第2次産業 1980 年比9万人の増加となった。これに対して同市 者が大幅に増加したことにより1,674万人と前 第1次産業 (備考)カッコ書きはGDPに占める各産業の割合 (出所)ジェトロ上海市概況 ン建設に加え浦西(旧市街地)でも再開発が 積極的に行われている。市街地は、好調な上 ます重要な地位を占めるようになっている(図 海経済を反映し、内環状線の内側から外環状 表1)。 線の内側へと急速に拡大している。 上海市は、これまで農業国と言われてきた 中国の中にあって、2000年においてGDPに占 (2)国内総生産(GDP) める第1次産業の割合が2%を初めて下回り1.8% 2001年の上海市のGDP成長率は10.2%と中 となった。01年には第1次産業の割合はさらに 国全体の同成長率7.3%を大きく上回り、1992 低下し1.7%となり、第2次および第3次産業が 年以降10年連続で2桁台の高い伸びで推移して 中心を占めている。 いる。上海市の01年の一人当たりGDPは37,300 また、上海市は、図表2「GDPにおける産業 元(4,510米ドル)と前回調査時(99年)の 別割合の推移」のとおり、これまで第2次産業 30,805元を大きく上回った。 を中心に発展を遂げてきたが、2000年および また、2001年の上海市は、面積および人口 01年の第2次産業の割合は47%台で推移してい では中国全体に占める割合がわずか0.1%だっ る。一方、第3次産業(金融保険、商業、貿易、 たが、GDPでは5.2%となった。GDPの同割合 物流等)のGDPは1999年に初めて第2次産業の は前年比0.1ポイント(前回調査比0.3ポイン GDPを上回り、2000年50.6%、01年50.7%と過 ト)上昇し、上海市は中国経済においてます 半数を占めるようになっている。 図表1 GDP成長率の推移 上海市 中国全体 1992 14.8 14.0 93 14.9 13.5 (出所)ジェトロ上海市概況 56 信金中金月報 2002.8 (単位:%) 94 14.3 12.6 95 14.1 10.5 96 13.0 9.6 97 12.7 8.8 98 10.1 7.8 99 10.2 7.1 2000 10.6 8.2 01 10.2 7.3 (3)投資動向 図表3 上海市への外国投資(契約ベース)の推移 (単位:件、億ドル) 2001年の外資企業から上海市への 投資は、件数が2,458件(前年比35.5% 増 )、 金 額 が74億 米 ド ル ( 前 年 比 15.6%増)となった。そのうち日本 からの投資は、件数が342件(前年比 44.3%増) 、金額が13億米ドル(前年 件数 最近の国別投資動向を見ると、日 本は2000年においては香港に次いで 97 98 99 2000 01 2,106 1,802 1,490 1,472 1,814 2,458 330 266 160 144 237 342 58 53 58 41 64 74 17 11 3 2 7 13 うち日系企業 金額 うち日系企業 (出所)ジェトロ上海市概況 図表4 国・地域別上海市への外国投資 中国香港 米国 ドイツ シンガポール (単位:件、億ドル) 日本 台湾 2000 件数 419 256 47 97 237 225 比85.7%増)と高い伸びになった(図 表3、4)。 1996 金額 9.44 5.78 2.76 2.13 7.05 1.65 01 件数 479 263 ― ― 342 412 金額 7.75 5.98 ― ― 13.24 3.56 (出所)ジェトロ上海市概況 第2位だったが、01年において第1位 となった。日本から中国への投資は中国の ハイテクの概念には若干のずれが生じており、 WTO加盟やユニクロによる価格革命等により 事前調査や当局へのF/S審査の段階でよく当 1999年をボトムに急速に回復しており、01年 局担当者の理解を得ておくことが大切である。 は件数ベースで99年の2.5倍、金額ベースで6.5 倍に達している。信用金庫取引先の中国現地 (4)浦東新区の魅力と課題 企業数は641社であり、そのうち上海市、江蘇 浦東は1990年4月18日に中国政府により開発 省、浙江省への進出企業数は中国現地企業数 宣言が行われ、10年間にわたる開発を経て、都 の44.9%にあたる288社となっている。上海市 市景観が大きく変化してきた。浦東の発展は への進出企業数は中国現地企業数の22%にあ 中国の改革開放のシンボルであり、これから たる142社が進出している。今後上海市に進出 もさらなる開発が行われていく。 を予定している企業数は7社であり、これは中 今後のインフラ整備を見てみると、現在、外 国に進出を予定している企業27社の26%、中 高橋から陸家嘴までは通勤ラッシュがひどく、 国への進出が決定している19社の37%にあた バスの運行に支障が出ており、この混雑緩和 り、今後も増加が見込まれる。 のため地下鉄を建設中であり、2年程度で完成 また、上海市では先進的な技術に関する基 する予定である(図表5) 。 準を公表しており、進出企業が先進的な技術 また、黄浦江には2本の大橋と2本のトンネ を持っていると認められると、ハイテク企業 ルがあるが、現在、大橋1本、トンネル2本に として、さらに優遇政策を受けることができ 着工している。このほかに橋4本の計画があり、 る。しかし、当室のヒアリングでは、当局の考 最終的には大橋3本、橋4本、トンネル4本の合 えるハイテクの基準と日系企業の考えている 計11本になる。さらに、地下鉄の終点である 調 査 57 張江から浦東新国際空港までリニア 図表5 浦東概略図 モーターカーが建設中であり、完成 計画中 は2004年末を予定している。浦東新 外環状道路 区のインフラ整備は着々と進められ、 外高橋保税区 生活環境がどんどん改善されていく 現状を見ると、交通大学、華東師範 地下鉄 (建設中) 内環状道路 大学、上海大学、浦東大学、復旦大 金橋輸出加工区 学の大学生にとって、卒業後の就職 地として浦東が一番人気となってい 地下鉄 陸家嘴金融貿易区 るのが理解できる。 陸家嘴金融貿易区には、証券取引 所、人民銀行、4大国有銀行のうち3 行の上海総行、邦銀上海支店等が集 張江高新技術開発区 リニアモーターカー (建設中) 建設中 浦東新国際空港 中している。また、最近では中国各地 の中小企業は上海での事業を拡張し 黄浦江 上海で資金を調達するケースが増え ており、上海銀行では全国初の中小 図表6 浦東新区の基礎データ 企業センターを設置し、こうした企 1.面積 業を支援している。このように、浦 2.人口 2 2 522.75km (上海市6,340.5km の8.2%) (戸籍人口)164.87万人(上海市1,322万人の12.5%) 3.人口密度 3,091人/km2(上海市2,084人/km2) 東は中国の金融中心としてますます 4.域内増価値 1,082.02億元(2001年、前年比16.1%) の発展が期待されており、 「5∼6年で 5.貿易額 254.86億米ドル(2000年、上海市全体の23.3%、 6.外国投資案件 880件、20.01億米ドル(2001年契約ベース) 7.外資投資企業 7,515社(日本は香港、米国に次いで第3位) 香港を抜くだろう」という人もいる。 浦東新区には①新空港から近い、 ②インフラ面が良い、③優秀な人材 を採用しやすい等のメリットがある が、とりわけ忙しい日系中小企業の うち加工貿易が80億米ドル) 8.国家級開発区 外高橋保税区、金橋輸出加工区(王橋工業区を含 む)、陸家嘴金融貿易区、張江ハイテク区 9.上海市開発区 浦東康橋経済技術開発区 (出所)上海市浦東投資指南2001/2002 経営者にとって、浦東新区の空港からの近さ て開発・生産・輸出の一貫体制を形成しつつ は大きな魅力となっている。今年10月には、虹 ある(図表6)。 橋空港の国際便は浦東新国際空港に集約され どんなハイテク製品でも部品は必要であり、 ることから、その魅力はますます高まること 新製品の設計・試作品製作・商品化といった となる。浦東新区では外高橋保税区、金橋加 開発を迅速に行うためには日系大手企業の商 工区および張江ハイテク区が産業ベルトとし 品開発部門と主要部品を供給している日系中 58 信金中金月報 2002.8 小企業は隣接している方が望ましいと言え、金 利用し工業区として提供しているものである。 橋輸出加工区に進出している日系大手企業は 鎮の工業区は、浦東新区内の他の開発区と同 部品産業の集積を図りたいと考えている。 様に水、瓦斯、電力等インフラ面の問題がな 一方、浦東新区に限らず中国の主な開発区 く国家級開発区に比べて割安感がある。しか では世界500社のうち何社が当該開発区に進出 しながら、浦東新区内にある鎮の工業区の土 しているかが一つのステータスとなっており、 地使用権は30ドル/1m2と松江工業区(市レベ 現行の支援サポートは大企業偏重型の企業誘 ル)と同程度であるが、ワーカー賃金は、浦 致となっているように感じられる。これでは、 東康橋工業区で800∼1,000元/月、松江工業区 中小企業の本当にほしい情報が伝わらず、割 で600∼700元/月と開きがある。鎮の工業区 高感だけが先行しているように思われる。日 は情報が少ないため、これまで信用金庫取引 系中小企業はどちらかというと装置産業型企 先の進出までは至っていないのが現状である。 業よりも労働集約型企業が多いため人件費に さらに、鎮の工業区には国家級開発区に近 非常に敏感であり、中国進出によるコストダ い優遇策が用意されているが、明文化されて ウンの大部分を人件費に求めているのが現状 はいない。中国中央政府は、WTO加盟後にお である。これに対して、浦東新区から最初に いて地方の独自優遇策を縮小する方針であり、 提供される人材情報は「大学が多数あるとと この点においても慎重な判断が必要となって もに、中国科学技術院の研修学校もある。ま いることも進出が少なくなっている一因と言 た、中国のバイオ関係のトップに立つ北京大 える。 学の上海分校を誘致しようと考えている」と 信用金庫取引先は中国に641社進出しており、 か「労働力として、高等専門学校から毎年800 そのうち上海市へは中国進出企業数の22%に 人が卒業する。初任給は1,200元ぐらいである」 あたる142社が進出している。浦東新区への進 といった日系中小企業が求めている人材より 出企業数は上海進出企業の1割に満たない14社 ややハイクラスな人材に関する情報が多く、浦 (製造業10社、非製造業4社)と少なく、残り 東新区への進出が遠のく一因となっていると の9割の企業は閔行、嘉定、松江といった郊外 思われる。 の開発区等へ進出している。 また、浦東新区には国家級および上海市レ 浦東新区には、まだまだ開発できる土地が ベルの開発区のほか、1990年代に独自に工業 十分にあり、サポート・インダストリーを含 区を作ることを許された鎮(町・村)の工業 めた真の意味での産業集積は大いに期待され 区がある。鎮の工業区は、浦東新区人民政府 る。そのためには、浦東新区人民政府による がサポート・インダストリーである日系中小 投資コスト削減等投資環境改善に向けてのさ 企業の進出促進および農村部と都市部との較 らなる努力が必要であり、もう少し時間を要 差解消のため、国家級開発区の周囲の農地を すると思われる。 調 査 59 っては外観上では日本製と区別できないほど 2.信用金庫取引先現地企業ヒアリン グ結果(上海) 良質なものが見られるようになり、日系企業 今回の調査では、上海市に進出する信用金 ところが増えている。こうして持ち込んだ技 庫取引先のうち、3社を訪問させていただいた。 術レベルを維持するため、各社とも人材採用、 また、今回の訪問先のうち2社は、上海進出以 労務管理には細心の注意を払っている。 としても進出に際して最新の技術を持ち込む 前から海外進出の経験があり、業績も順調に 一方、海外に進出すれば、系列の垣根を越 推移している。もう1社は、何とか中国行きの えて取引ができるという魅力は、進出企業の 最終列車に飛び乗り、コンサルティング会社 増加および中国企業の品質向上による競争の を活用して非常に短期間で操業まで立ち上げ、 激化とともに低下しており、販売先の急激な 事業拡張段階に入っていた。 拡大が難しくなってきていると思われる。 この3社に共通する点としては、①大卒や専 今後は、単なるコストダウンを狙った中国 門学校卒の人材を活用して高い品質を維持し 進出は厳しい局面を迎えると思われ、高い品 ていること、②しっかりとした販売ルートを 質と強固な販売先との関係がなければ、中国 持っていることが挙げられる。 進出の成功は難しくなりつつあると言える。 最近の中国製品の品質を見ると、製品によ (1)訪問先概要 業 種 A 社 金型および 金属成型品 の製造 進出 形態 資本金 設立 (万米ドル) 従業員 (人) 所在地 市内からの 所要時間 給与 (元) 人件費 借用 土地建物 年限 使用権価格 (元) (年) 面積(m2) 中卒 700 独資 70 (100%)(84百万円) 01年 37 上海市 (派遣2) 嘉定区 車で 約20分 高卒1,000 ∼1,100 給与1.25倍 20 土地 4,300 1カ月につき 建物 1,100 32万円 大卒1,500 照明用・医 B 療用光学ガ 社 ラス製品の (100%)(240百万円) 独資 200 94年 175 上海市 (派遣2) 奉賢県 車で 約40分 600∼1,700 平均1,200 ∼1,300 50 土地 13,800 1m2につき 建物 8,000 17米ドル 製造・販売 C 社 衣料製造 (縫製・衣 合弁 350 (95%) (420百万円) 類プリント) 2000年 520 上海市 (派遣1) 松江区 車で 700∼750 約25分 ノルマ制 平均1,200 (備考)1.A∼C社は訪問日順に記述 2.進出形態の( )内は、信金取引先親会社の出資割合。A∼C社は全社100%日系企業の資本 3.資本金の邦貨額は1米ドル=120円により換算 4.人件費は福利厚生費等を含む。 5.A社の使用権価格は賃借料 60 信金中金月報 2002.8 50 土地 12,500 1m2につき 建物 11,500 17米ドル (2)ヒアリング結果 イ.A社 (イ)進出経緯 a.1948年に実父により会社が設立された。80 社としては奨励業種である半導体のリード フレーム生産より板バネ生産の方が高度な 技術を有すると思っている。大口納税者で あるパイオニアの後ろ盾があり、嘉定区の 年プレス加工の自動生産を開始し音響機器 対外貿易経済委員会では簡単に承認された。 の分野に参入した。80年代はカセットテー 上海市では、 「金型もやらないとダメだ」と プ、VTRを主力商品とし、90年代はCD、 言われ、承認を得るのに苦労し、30百万元 DVDと移り、今はカーオーディオのCDメカ ぐらいの免税枠をやっとのことで確保する が中心である。最初にカセットテープの海 ことができた。精密金型も上海で造ること 外生産が始まり、次いでVTR、DVDと順次 を考えており、うまくすれば、すぐに立ち 海外で生産するようになった。カーオーデ 上げることができると思っている。 ィオのCDメカは精度の問題があり、まだま だ日本でないとできないと高を括っていた。 (ロ)業況等 b.99年にタイ、中国を視察したが、予想以 a.当社は得意先と一緒に進出した最後の組 上に品質が高いのに驚かされ、当社も時間 と思っている。中国行きの最終列車に飛び の問題でやがては海外生産が必要であると 乗ったと言われた意味が今やっとわかった 感じた。2000年春には上海を見て来た。い 気がする。今後は日本で開発しうまくいっ よいよカーオーディオのCDの中国生産が始 たら、生産はすべて中国で行うこととなろ まることとなり、2000年の暮れに上海に進 う。 出することとし、01年2月13日に工場用地を b.これから進出してくる企業は、品質とコ 最終決定した。4月28日には営業許可を貰い、 ストのバランスが大切である。現地に仕事 6月18日には工場操業開始となった。 があるか、技術があるかのどちらかでない c.工場稼働までの時間を短縮するため、社 と進出しても成功は難しい。 長が異業種交流会の関係から上海にある台 c.上海で仕事があると日本の仕事も付いて 湾人のコンサルティング会社を安価で利用 来るといった循環になっている。01年の初 できた。立ち上げ後も相談に乗ってもらっ 頭は、進出すれば注文は早い者勝ちで価格 ており、利用料金は顧問料ではなく、時間 はこちらの言い値に近いと思っていた。し 制にしてもらっている。 かしながら、台湾、シンガポールの企業が d.設備はほとんど中古機械である。通関を 上海へ進出しているため、難度の低いもの しようとしたところ、板バネ等の生産が上 から値崩れを起こしており、先方の指し値 海市の奨励業種に入っていないとして免税 はこちらの考えていた価格の1/5∼1/6とい 枠を受けられないことになりそうだった。同 ったものがあり驚いている。日系大手メー 調 査 61 カーの購買担当は「日系工場に行って世界 に占める福利厚生費の割合は、20%強であ で一番安いものを探すのが仕事である」と る。割合が低いのは、女性の場合、あまり 言っている。 危険な仕事をしないので保険料が1/3ぐらい d.工場用地はカーオーディオCDの納入先で で済むためで女性の比率は1/3∼1/2ぐらい あるパイオニアがすぐ近くにあり、その紹 であり、これからもっと高まっていく。 介である。すでに建っていた標準工場の4分 h.原材料は中国にでている日系企業から買 の1だけを賃借している。敷地は4,300m2に っている。その企業では鋼材を日本から輸 工場約1,100m2(15m×70m)と事務所、管 入し加工しており、場合によっては日本か 理人室がある。空き地に工場1棟を追加建築 ら製品を輸入してそのまま当社に横流しす してもらうことを考えている。現在の賃借 ることもある。鋼材自体は中国で生産する 料は月32万円である。 ことができないようである。台湾系は台湾 e.6月15日に変電施設の検査を受けたが、壁 系から原材料を買っている。同社も納入先 から5m以上離れていなければならないとこ から原材料の指定があり、勝手に他社から ろ1.5mしか離れていないために許可が下り 購入できない仕組みとなっている。 なかった。隣の工場長が地元の有力者で自 i.ここで作ったものは、間接または直接に 分の工場から電気を供給してくれるように 輸出している。現在は、最終納入先の米国 手配してくれて助かった。現在は電気代と 自動車メーカーの回答待ちとなっており、本 して10百万円払っている。変電施設は銅板 格稼動までは至っていない。 を多く使用しており盗難の危険があるため 管理する人が寝泊りできるように作ってあ るので、そのまま残して利用している。 ロ.B社 (イ)進出経緯 f.全体で37名、そのうちワーカーが30名で a.海外に進出した動機は、①労務、人事、コ あり、日本人は総経理、副総経理の2名だけ スト等いろいろな面で対応が難しくなる等 である。ワーカーの給与は、中卒700元(3 日本での事業運営に対する先行き、②日本 名) 、高卒1,000∼1,100元(21名) 、大卒1,500 だけで商売することに対する先行きといっ 元(6名)である。年齢的には若く、30歳超 た2面に不安を感じたことであり、また上海 は2名だけである。定着率が不安であり、高 拠点は、当社の技術、開発力を生かすため い給与を払ってもやめてもらいたくないと の前向きな対処の一環である。 思っている。 b.20年前から台湾、韓国、タイと合弁会社 g.人件費は、給与が月70万円(年間840万 を立ち上げてきたが、品質面等で合弁会社 円)、健康保険、養老保険等合算で年間220 の限界を感じ、中国進出は独資とした。大 万円であり、合計1,060万円である。人件費 連から広州まで中国全土を見て回り、やは 62 信金中金月報 2002.8 り奥地はインフラ面の問題があったり住み のと量販店に納入するものとがある。当社 づらいと思った。 上海工場の不良品率は、0.01%で日本の工場 c.進出にあたっては、都市銀行が情報提供 を含めた中でもNO.1である。日系大手メー してくれ、嘉定区の紹介も受けた。しかし、 カーに納入してもメーカー側は全品不検査 現在の場所にしたのは、副総経理の実父が である。当社の他の工場や他社は全品検査 住んでおり、地の利、人脈を利用できるこ である。 とが大きいと考えた。また、ここは郊外の d.当社はISO9000を取得した。ISO14000は 割にインフラが整っており、人件費が平均 数年先と考えている。本社ではすでに環境 1,200∼1,300元と安い。 問題について取り組んでいる。 d.今でこそ、富士電機、松下電器が進出し ているが、当社が進出したころは日系企業 がほとんどなく、何先かあった所も失敗し て撤退した。 e.土地13,800m2は郷鎮企業のガラス工場の 建物付きで50年の使用権を23万ドルで取得 ハ.C社 (イ)進出経緯 a.当社はすでに中国に縫製工場を2つ所有し ており、過去の経験を生かした最新鋭の工 場を将来のために作りたかった。 した。当時は奉賢県が政府職員に給与が払 b.企業の設立認可は社長の長年の中国との えないぐらい資金に困っており、県側が折 付合いのお陰で2000年7月に申請後すぐに下 れた形となった。当時は為替レートが1ドル りた。それから工場設計に入り、2001年7月 80∼90円の円高であったことも幸いした。 に稼動した。 c.土地11,500m2は50年の使用権を1m2当たり (ロ)業況等 17ドルで取得した。最近の価格は急速に上 a.生産数量は設立当初の3万個から16万個に、 昇しており、1m2当たり23∼25あるいは30ド 従業員は30数名から175名(管理スタッフを ルとも言われている。当社は工場敷地の裏 入れると183名)の規模となった。 手に35,000m 2のほか、近隣地に約470m× b.技術的に安定するには2年ぐらいかかった。 最初雇った人間から良い人間だけ残し、技 術指導を行った。やはり労務管理ができな 230m(約33,000坪)を確保しており、次な る事業展開を模索している。 d.工場は、浦東新空港から45分、虹橋空港 いと難しい。能力差をはっきりさせるため、 から25分と近く、コンテナー港の金山まで 歩合給を導入し、生産性を上げることがで も45∼50分と近い。大昆工業区は開発され きた。従業員に対しての普段の接触が大切 たばかりで、稼動している工場はほとんど である。 なくこれからの感があるが、工場は大港イ c.製品はOEMで日本メーカーに納入するも ンターから1分と至便である。 調 査 63 場合は補充されるので助かっている。 (ロ)業況等 f.当社では日本の企画、デザインを行う部 a.最近のアパレル業界の動向は、東京は専 署に中国人5名をおいて中国との連絡役に起 門店が元気で商売が鷹揚で余裕があり、名 用し日本の状況がわかるようにしている。ま 古屋のメーカーはスーパー中心であり大阪 た、この旧正月には中国から日本の本社に2 は競争が激しい。 名を研修に送った。日本からも1人が3カ月、 b.当社の取引は、量販店への商品供給と勝 後の人は中国と日本の間を行ったり来たり ち組と言われる商社のOEM生産が主体であ している。中国側工場にもバイリンガルを り、アパレル専門店との直接取引は行って 数名雇用している。日本の本社と中国の工 いない。量販店への商品は企画・生産一貫 場をオンラインで結ぶだけでなく、言葉の 体制であり、最近は売り込んでも以前(110 壁を取り払って全社が一体となって動ける ∼120%増)ほど数が伸びない。商社のOEM ように配慮している。 は伸びており、有名ブランドのカット・ソ g.当工場は最新鋭の設備を用意し、あらゆ ーが最低5,000枚から多いものでは75万枚を る顧客ニーズに迅速に対応できる体制が整 受注している。 っている。日本から受信したデザインは試 c.訪問日当日は、当方のほか商社2社の訪問 作室で製作され、ミシン縫製班のチーフが があり、受注も伸びている。操業を開始し 自分で縫った後にラインに投入される。ま て8カ月が経過し、現在の生産量は月産12万 た、ボタン付けは耐久性の観点から機械付 枚、夏には17万枚にしたい。労務管理、生 けでなく手付けにしており、品質に対する 産管理もしっかりしており2年目の生産量倍 当社の厳しい姿勢がうかがわれる。 増も問題なく達成されると思われる。 h.当社は職場環境に大変気を配っており、工 d.給与は700∼750元で実質労働時間は9∼10 場内は空調が完備され社員寮も24時間利用 時間である。ミシンの裁縫ラインは班構成 できるシャワー付きできれいである。寮は によるノルマ制が採用されており、生産性 中国の標準的な寮と同様に一室当たり6∼8 および品質の向上に一役買っている。 名が入居している。 e.ワーカーの雇用は、近隣(上海市)が1/2、 江蘇省、浙江省、安徽省がそれぞれ1/6とな っている。安徽省は、市の労働局を通じて 「洋裁学校を出て2年20歳以下の人」という 3.全国のトップレベルを誇る浙江省 経済と寧波市 (1)国内総生産(GDP) 条件でお願いしている。市の労働局を使う 2001年の浙江省のGDPは6,700億元(前年比 ことにより、来た人は勝手にやめることは 10.5%増)となり、GDPの総額では広東省、江 できないし、病気等の正当な理由で帰った 蘇省、山東省についで全国第4位となった。一 64 信金中金月報 2002.8 人当たりGDPは約14,600元となり、上海市、北 50%を超えた。省内GDPにおいて最も割合を 京市、天津市についで同じく第4位となった。 高めたのが第3次産業である。第3次産業は1980 特に、一人当たりGDPは省レベルでは全国第 年17.2%だが、2000年には36.1%まで上昇して 1位であり浙江省の豊かさがうかがわれる。 いる(図表7)。 杭州市および寧波市両市の2000年のGDP合 2000年において、杭州市は第3次産業の割合 計額は、浙江省全体のGDP総額の40%を超え が浙江省の当該割合を上回っているものの、第 ており、両市の浙江省経済に与える影響は大 2次産業の割合は浙江省の当該割合を下回って きいものがある。 いる。寧波市は、杭州市と逆に第2次産業が浙 また、杭州市および寧波市の1990年と2000 年のGDPの産業別割合を見ると、この10年間 江省の当該割合を上回っているものの、第3次 産業が下回っている(図表8)。 で両市とも第1次産業の割合は10%を下回り、 第3次産業の割合は10%以上高くなっている。 (2)投資動向 80年に省内GDPの36.0%を占めていた第1次 2001年の浙江省への外資投資は、契約ベー 産業は2000年に10.8%まで低下した。第2次産 スで50億ドル(前年比99%増、全国第6位) 、利 業は80年にすでに省内GDPの46.8%を占めて 用外資額22億ドル(前年比37.2%増、全国第8 おり、その後徐々に割合を高め93年に初めて 位)となった。中国のWTO加盟を反映して契 図表7 浙江省におけるGDPの産業別割合の推移 GDP 年 (単位:億元、%) 産業別割合 第1次産業 第2次産業 第3次産業 1980 179.68 64.61(36.0) 84.07(46.8) 31.00(17.2) 85 427.50 123.88(29.0) 198.91(46.5) 104.71(24.5) 90 897.99 225.04(25.0) 408.18(45.5) 264.77(29.5) 95 3,524.79 559.80(15.9) 1,834.47(52.0) 1,130.52(32.1) 2000 6,030.00 650.00(10.8) 3,200.00(53.1) 2,180.00(36.1) (備考)カッコ書きはGDPに占める各産業の割合 (出所)浙江省統計年鑑、JETRO資料 図表8 杭州市と寧波市におけるGDPの産業別割合の推移 (単位:億元、%) GDP 年 1990 2000 産業別割合 第1次産業 第2次産業 第3次産業 杭州市 178.03 30.94(17.4) 96.17(54.0) 50.92(28.6) 寧波市 141.40 29.35(20.8) 80.31(56.8) 31.74(22.4) 杭州市 1,382.56 103.96( 7.5) 709.32(51.3) 569.27(41.2) 寧波市 1,175.75 95.77( 8.2) 658.84(56.0) 421.14(35.8) (備考)カッコ内は各産業のGDPに占める割合 (出所)浙江省統計年鑑 調 査 65 図表9 産業別外資投資 項目 図表10 投資形態別外資投資額 投資額 (百万ドル) 第1次産業 51.17 第2次産業 4,354.18 第3次産業 609.99 (備考)契約ベース (出所)JETRO資料 図表11 利用外資額の推移 投資形態 投資額 (百万ドル) 年 投資額 (百万ドル) 合 資 1,642.57 合 作 90.97 独 資 3,282.00 株 式 0.34 1997 98 99 2000 01 1,503 1,095 1,533 1,613 2,212 (備考)契約ベース 図表12 寧波市への外資投資の推移 (単位:億ドル) 1995 96 97 98 99 2000 01 契約ベース 11.46 8.78 4.59 5.12 6.57 9.52 19.55 利用ベース 4.00 5.00 5.50 5.00 5.20 6.20 8.75 (出所)寧波経済技術開発区投資合作局資料 約ベース、利用ベースとも高い伸びとなって そのうち上海市、江蘇省、浙江省へは中国進 いる(図表9∼11)。 出企業数の44.9%にあたる288社が進出してい 華東地域は外資系製造企業の進出地として る。浙江省への進出は42社と上海市142社、江 注目を集めており、浙江省もこの状況を反映 蘇省104社に比べて少ない状況にある。浙江省 し第2次産業に対する外資投資が外資投資全体 内の進出地域としては、杭州市が14社、寧波 の86.2%を占めている。外資企業三法の改正等 市が7社と両市で半数を占めている。 により、独資企業の業務範囲が拡大されたこ 現状、寧波市への日系企業の進出は少ない とに伴い、浙江省においても2001年の投資形 ものの、寧波市は積極的に外資企業の誘致を 態別投資額では独資企業に対する投資額が全 行っており、中国国内第2位の貨物取扱量を誇 体の3分の2を占めることとなった。 る寧波港を始めとしてインフラ面では上海市 01年の寧波市への外資投資は、契約ベース で19.55億米ドル(前年比105.4%増)、利用ベ と遜色がないため、今後日系企業の進出が増 加すると思われる。 ースで8.7億米ドル(同40.3%増)と大幅な伸 びとなった。しかしながら、投資国別投資額 (3)開発区 (契約ベース)においては、香港35.2%、台湾 浙江省には、国家級の開発区が7つ(経済技 11.6%、バージン諸島10.8%、米国9.1%に次い 術開発区4、高新技術開発区1、保税区1、輸出 で、日本は第5位8.3%となっており、日本の投 加工区1) 、省級開発区が9つあり、その4分の3 資割合は上海市、江蘇省に比べて低くなって が上海市に近い省北部(杭州市、寧波市、紹 いる。 興市、湖州市、嘉興市)に集中している。 信用金庫取引先は中国に641社進出しており、 66 信金中金月報 2002.8 また、浙江省政府は、省都杭州市に浙江省 対外貿易経済合作庁(外資企業の投 資に関する申請・許可機関)の下部 組織として浙江省国際投資促進中心 図表13 浙江省開発区一覧 所在地 開発レベル 杭州市 国家級 浙江省杭州経済技術開発区 国家級 浙江省蕭山経済技術開発区 国家級 浙江省杭州国家高新技術産業開発区 国家級 浙江省杭州輸出加工区 を設置している。同中心では、省内 にある開発区投資合作局等と連携し 寧波市 開 発 区 名 国家級 浙江省寧波経済技術開発区 て投資環境や合弁相手の紹介、浙江 国家級 浙江省寧波保税区 省へ進出する外国企業のサポート等 省級 浙江省余姚経済技術開発区 省級 浙江省鎮海経済技術開発区 省級 寧波高新技術産業開発区 紹興市 省級 浙江省紹興経済技術開発区 湖州市 省級 浙江省湖州経済技術開発区 嘉興市 省級 浙江省嘉善経済技術開発区 省級 浙江省嘉興経済技術開発区 国家級 浙江省温州経済技術開発区 省級 浙江省蟇海経済技術開発区 省級 浙江省金華経済技術開発区 を行っており、その手際の良さと意 欲には驚かされた。 また、同中心には日本語が話せる スタッフがおり日系企業の強い味方 となってくれる(図表13)。 温州市 金華市 (4)寧波市の投資環境 (出所)浙江省対外経済貿易 イ.寧波市内には2ヵ所の発電所があり、合計 便が就航しており、比較的乗り継ぎは良い で405万キロワットの発電能力を有している。 と言える。しかし、今年の10月には中国国 余力は上海市まで売電しており発電能力に 際航空、中国東方航空の虹橋空港と成田と 問題はなく、寧波経済技術開発区内には3.5 の間の国際便が浦東新国際空港に集中され 万ボルトと11万ボルトの変電所があり停電 るため、乗り継ぎは不便になることが懸念 の心配も少ない状況にある。電力のほか、上 される。 下水道、蒸気も現状問題がないと思われる。 ニ.寧波港は2001年の貨物取扱量が1.28億ト ロ.高速道路は、上海市から省都杭州市を経由 ン、コンテナ120万TEUとなり、貨物取扱量 して寧波市北侖まで開通しており、2006年 は上海港に次いで国内第2位の取扱量を誇っ には杭州湾を渡る大橋が開通する予定とな ている。同港は、水深が50m、岸壁の近く っている。杭州湾大橋が利用できるように でも15mと中国一の深港であり中国で唯一 なると、上海・寧波間は1時間半と現在の半 30万トン級タンカーが接岸できるとともに、 分以下の時間で行き来ができるようになる。 25万トン級タンカー、20万トン級鉱石船が ハ.寧波空港は、香港、マカオ経由台北等国 停泊できるバースを含む、万トン級以上の 際、国内路線が30以上ある。現在、日本か バースが26基ある。コンテナ用ガントリー らの直行便はなく、上海乗り継ぎとなる。寧 クレーンはコンピュータで制御され、コンテ 波市と上海市の間は、虹橋空港へ毎日朝1便、 ナを船腹からトレーラーに積載するまでの 夜1便と浦東空港へ毎日朝1便、昼1便、夜1 時間はわずか1分程度と短く、すばらしい設 調 査 67 備が整っている。同港は世界80余りの国家・ 地域の500余りの港と航路を開設している。 ホ.寧波経済技術開発区の労働コストは上海 市の郊外地区とそれほど変わらない給与水 4.信用金庫取引先現地企業ヒアリン グ結果(寧波) 今回の調査では、寧波市に進出する信用金 庫取引先のうち、2社を訪問させていただいた。 準と推測される。 また、寧波市では、毎年大学を1万人余り、 1社(A社)は1994年に進出し、もう1社(B社) 専門学校および技術学校を1万2千人が卒業 は2001年に進出した企業だが、A社の製品は品 します。周辺地域で利用できる労働力は80 質が高いため納入先での検査が省略されてお 万人以上もいると言われる(図表14)。 り、B社も光通信のデータを分配するガラスフ ィルターに関して中国で最高水準をクリアし 図表14 寧波市の給与水準 職 能 賃金(1月当たり) ワーカー 500∼ 800元 オフィス関係職員 600∼ 800元 管理職 800∼1,200元 (出所)寧波経済技術開発区投資合作局資料より ている等、2社とも高い技術水準を有し、市場 での優位性を保持している。 特に、A社の資本金は日本の親会社資本金の 約20倍となっている。さらに、A社は直接大手 ヘ.工業用地はかなり余裕があり、 「七通一平」 メーカーの現地子会社に納入し製品保証も行 (道路、電気供給、蒸気供給、通信、上水、 えるまで大きく成長している。進出2社から今 下水、汚水排水および地均し)が揃ってい 後進出する企業に対して、進出時の留意点等 る。50年の使用権付き土地の一般的な譲渡 についてメッセージをいただいたので、ここ 価格は1m2当たり9米ドルでその他一切付帯 で紹介したい。 費用がなく、融資抵当に使用できる土地の a.標準工場に入る場合、内装費用の見積も 使用証書が取得できる。 ト.進出企業の人々に寧波の印象を聞くと、 「寧波は治安が良く夜間の一人歩きも可能で 食べ物がおいしい」と言われる。確かに、市 街地には街路灯が多く、夜間も歩きやすい。 りが漏れる企業が多い。 b.日本語ができる技術者が少なく、技術を 理解してもらうのに時間を要したり通訳費 用がかさむことがある。 c.今でもそうだが、国有企業の意識を民営 また、人々は上海と違い忙しく動き回ると 企業の意識にする意識改革が一番難しい。 いうことはなく、どことなくゆったりとし d.日本は子供が少なく老人ばかりで跡継ぎが たところがある。逆に、ビジネス面では、 いないため、物作りは衰退する。やはり体験 人々がゆったりしているため、話がなかな しなれば物作りにならない。中国は細部で10 か進まないというマイナス面が見受けられ、 年遅れているので、大いに利用すべきである。 上海市や杭州市のように最初からスムーズ ただ安いだけだととんでもないことになる。 な展開を期待するのは難しいところがある。 中国と日本の物作りは共生できると思う。 68 信金中金月報 2002.8 (1)訪問先概要 業 種 A 社 粉末冶金業 進出 形態 資本金 合弁 7,000万元 (60%)(850百万円) B 光通信用ガラス 合弁 社 フィルター製造 (25%) 2億円 設立 1994年 2001年 従業員 (人) 寧波市中心部 からの 所要時間 給与 (元) ワーカー 事業 年限 (年) 土地建物 平均 50 合弁相手 2,000 (当初) 現物出資 人件費 (元) 340 車で (派遣1) 約5分 20 車で 平均 平均1,300 約15分 800 ∼1,500 (派遣1) 平均 1,000 50 合弁相手 現物出資 (備考)1.訪問順に記述 2.進出形態、( )内は、出資比率 3.資本金の邦貨額は1元=15円により換算 4.人件費は福利厚生費等を含む。 (2)ヒアリング結果 イ.A社 (イ)進出経緯 今では寧波の工場の生産量は世界の十傑に 入っている。日本では国内で21位、山形に 工場を作っていたとしても20位以内に入れ a.当初、1991年に委託加工にてスタートし、 たかどうかであったと思う。加えて、1ドル 補償貿易を経て1994年に合弁企業を設立し 89円の円高の時に進出できたことは幸いで た。合弁相手は当時寧波市の工業局の下部 あった。 組織であったが現在は民営化されている。 b.合弁会社設立時に合弁相手の工場全部を (ロ)業況等 引継ぎ、合弁相手は別の場所に立ち退いて a.原料は日本、カナダ、スウェーデンから もらった。ただし、50才以上の人間は引き の輸入で中国産の粉は一部のみである。 取らず、従業員は540名から340名に絞った。 b.寧波の工場は、金型を自社設計している c.日本は人件費比率が高すぎる。電気、ガ が、日本では外注している。 ス、輸送コスト何もかも高すぎる。神戸に c.現在の製品比率は、車・オートバイが ある仕入先から東京近郊にある本社に運ぶ 40%、コンプレッサー関係40%、電動工具 より寧波に運ぶコストの方が安い。当社は 15%、家電・OA機器その他が5%である。製 山形県に工場進出を検討していたが、バブ 品種類は1,000種類を超える。今後は車・オ ル崩壊後工業団地の造成が停滞したため、社 ートバイの比率が60%を占める。 長の決断によりコストダウンを目指して中 国に進出した。 d.当社の成功は生産量が飛躍的に伸びたこ とにある。2年目は1年目の倍になった。従 業員を絞っていたため、生産性が向上した。 d.販売は80%が中国国内向けであり、日系、 外資系、国営企業いずれもある。対象地域 は全国で、米国向けもある。 e.当社の中国での納入先は二輪、四輪組み 立てメーカーや電気機器メーカー等である。 調 査 69 日本の親会社は資本金が4,520万円であるも 市または周辺部の地元の人間であるが、最 のの、中国の現地子会社は資本金が7,000万 近は大卒を採用している関係で一部地方の 元(進出当時、約850百万円)と親会社の約 人間もいる。 20倍の規模となっている。さらに、同社親 l.大卒初任給は平均より上で4カ月間の試用 会社の日本での自動車メーカーとの取引は 期間を経て採用する。試用期間中の給与は 孫受けとなっているが、当社は直接大手メ 安い。試用期間を含む最初の1年間は、現場 ーカーの現地子会社に納入し製品保証も行 を経験し、それから技術部門等に配属され っている。 る。 f.販売条件は中小企業に対しては現金、大 m.常時60∼100名ぐらいのパートを採用して 手国有企業に対しては当初翌日現金払いで おり、ボーナス等込みで月平均1,000元程度 あったが、今は資金ができたら払うことと である。こちらの人は開けっぴろげでだれ なっており苦労している。基本的には90日 がいくら貰っているかは、すぐに判ってしま 手形払いである。 うが不満はない。背景には我々が思ってい g.当社は税関と良好な関係を築いており、年 に機械の増設が5∼6台あるが、輸入はスム ーズである。米国向け輸出も早い。2日前に コンテナ集荷され、中1日で翌々日には船に 積み込める。 るより失業率が高いということがあり、労働 者もやむを得ないと思っているようである。 n.寧波はそれほど外資系企業が多くないの で、社員の引き抜きは少ない。 o.中小企業は何人も人を出すのは難しい。当 h.当社は、発展とともに組織も有限公司か 社は寧波、深 の工場に一人づつ派遣社員 ら株式会社に改組した。株式会社のため会 を置くのみで、後は品質管理等について短 計基準の改訂は昨年から適用されるが、対 期間の応援を送っている。 応は会計事務所を使って済んでいる。 p.これまで中国人を延べ30名日本に呼んで i.取引銀行は中国工商銀行であり、借り入 研修した。期間は1年が1名、2∼3カ月が数 れは信用と合弁相手の保証である。拡張資 名、残りが2週間である。2週間の研修はど 金および運転資金の借り入れがかなりある。 ちらかと言うと御褒美の意味合いが強い。今 j.増設を繰り返しているため、生産設備の 年から長期技術研修をAOTSのプログラムに レイアウトが悪くなっている。この解消の より1年間1名の割合で4年間実施したいと考 ため、現在の敷地の4倍ある新工場用地を確 えている。 保した。 k.ワーカーは、ボーナス、福利厚生費等込 みで平均2,000元といったところで市内の平 均レベルである。従業員は、ほとんど寧波 70 信金中金月報 2002.8 ロ.B社 (イ)進出経緯 a.当社は杭州市にある浙江大学とは10年の 付合いで関係が深い。浙江大学の光通信工 談会では調印式を行った。相談会のレセプ 学科は中国で1位または2位の地位にあり、当 ションには古くから寧波市に進出している 社はその人的ネットワークを利用させても 丸紅、西川布団が招待されていた。 らっている。 g.当社の技術者が総経理、副総経理は当社 b.浙江大学の関連企業や浙江大学を卒業し が北京で蒸着を頼んでいた会社の人を引き た人が設立した企業から顕微鏡等を輸入し 抜いた。そのほか1名が知り合いで、残りは ている。輸入した製品はメーカー、大学等 物理関係の大卒を募集で採用している。全 に納品している。中国製品は、見た目が大 員で20名である。会社は、 「稼働後半年ぐら 丈夫でも、日本で再検査・再調整が必要で いは仕方がない」と思っている。稼動して3 ある。当社はヨーロッパ(オランダ、スペ カ月ぐらいは総経理だけがいろいろなこと イン) 、オーストラリア、香港へ輸出がある。 で忙しく、他の者は動かない状況が続いた。 c.合弁相手は浙江大学の関連企業(国営)か ら独立したC氏が寧波に設立した企業で、顕 (ロ)業況等 微鏡、CDやバーコードの光学読み取り用レ a.事業は光通信のデータを分配するDWDM ンズの製造を行っている。当社はその企業 というガラスフィルターの製造で、ガラス から顕微鏡を輸入しており、今回の合弁は をコーティングして作る。寧波はITが少な 顕微鏡以外のものを作るということで始ま いため、我々はIT分野とされている。 り、現地法人は合弁先の工場敷地の一部を 利用している。 b.中国の光通信はまだまだと思っているが、 香港のオーナーは将来的にかなり有望と思 d.独立にあたって合弁パートナーの社長は っている。生産用の蒸着機は1台1億50百万 香港の大手企業の総元締めから資金提供を 円の機械であるが、香港のオーナーは生産 受けた。当社資本金は2億円で日本側技術料 が軌道に乗れば現在の1台に6∼7台を増設す 込みの25%(50百万円)であり、香港サイ る資金を用意している。当面は日本向け、米 ドの資金が大きく入っている。 国向けが主流となる。当社は日本での販売 e.蒸着機のメーカーは、当社が生産してい る装置の一部として測定器を納入している を独占しており、日本市場はここ2∼3年が 山場と言える。 企業である。その会社がガラスコーティン c.ガラスフィルターは1.4㎜角と小さいが、 グの技術的な協力を請負ってくれたので事 100ドル/1PCSと高価で1日(100PCS生産) 業に進出した。 1万ドルにもなる。儲かるので蒸着機を買っ f.2000年4月から検討し、同年12月契約、2001 てやり始めたところがたくさんあったが、技 年1月認可取得、工場は2001年9月23日に稼 術的に難しいため撤退するところが出てい 動した。また、2001年6月の浙江投資貿易相 る。一時は蒸着機が50台も売れていた。 調 査 71 d.製品価格は以前100ドルあったものが、現 f.日本には物差しの絶対値がなく、中国に 在はテロの影響で在庫が余っており40∼50 は国の検定機関に用意されている。このた ドル前後と値崩れしている。中国国内の需 め、日本は作った会社がそれぞれ測定する 要は6社程度であるが、展示会では200以上 のでばらばらである。これに対して、中国 の企業が興味を示してくれた。DWDMフィ は統一的な尺度により行われる。 ルターを使えば、光ファイバーケーブルの g.当社の膜を造る技術は日本のレベルとそ 通信量は何倍にも増えるが、現在は使って んなに遜色なく、中国ではトップレベルで いないケーブルがあり回線に余裕があるた ある。ようやくレベルをクリアし、これか めDWDMに対する需要が減退している。中 ら営業に回る予定であるが、市場は違うも 国国内でDWDMフィルターを使っているの の(エッジフィルター)を嗜好しており、場 は、青島−煙台間だけである。1.3∼1.5ミク 合によっては製造機械の一部を交換してエ ロンのWDMに需要が集中しており、WDM ッジフィルターを造ることを考えている。 生産は高い技術・設備が必要ないため中国 h.中国には昔からソ連、東ドイツから技術が のモジュールメーカーも多く存在する。 導入されていた。中国のガラス研磨は日本 e.昨年9月16日に工場を立ち上げ、11月にサ と遜色なく、職人は優秀で精度だけなら負 ンプル品の現地生産に成功した。製品は、こ けないと思う。量的には日本にかなわない れまでに技術的な問題をクリアし、一回に が10∼50個ならできる。 100個以上のフィルターを作ることができる。 i.給与は、基本給450元、食事代(1日3.5元) 、 現在は鍍膜をつくる工程だけで24時間かか ボーナス、管理職等の手当で平均800元であ るが、これを13時間にしたいと思っている。 る。一人当たり人件費は、給与に医療保険、 そうすれば、初期加熱3時間、鍍膜工程13時 住宅手当等を加えて1,300∼1,500元となる。 間、冷却1.5∼2時間で1日(18時間)の作業 実習生は基本給380元、食事手当、住宅手当 で終了できる。 50元で初任給ぐらいになる。 72 信金中金月報 2002.8 上海市および浙江省の基礎データ 1.面積・人口 2 2 (単位:km 、万人、人/km ) 面 積 人 口 人口密度 上海市 6,341 1,322 2,084 浙江省 101,800 4,600 452 杭州市 16,596 622 375 寧波市 9,365 533 569 2.気候 気 候 年間降水量 年間平均気温 上海市 亜熱帯海洋性 1,419mm 16.6℃ 四季がはっきりしている。夏は高温多 湿、冬は寒さが厳しく乾燥 杭州市 亜熱帯モンスーン 1,824mm 16.8℃ 夏季は高温・多雨、冬季は低温・多湿 寧波市 亜熱帯モンスーン 1,360mm 16.3℃ 夏季は高温・多雨、冬季は低温・多湿 平均風速6m/秒 3.行政区画 上海市 18区(黄浦、盧湾、徐匯、長寧、静安、普陀、閘北、虹口、楊浦、浦東新、宝山、 嘉定、閔行、松江、青浦、金山、奉賢、南匯)、1県(崇明) 浙江省 11市(杭州、寧波、温州、嘉興、湖州、紹興、金華、舟山、衢州、麗水、台州) 杭州市 8区(上城、下城、江干、拱墅、西湖、濱江、蕭山、余杭)、3市(建徳、富陽、臨安)、 2県(桐廬、淳安) 寧波市 5区(海曙、江東、江北、鎮海、北侖)、3市(余姚、慈渓、奉化)、3県(象山、寧海、 イン) 調 査 73 中国の主要経済データ 1.全国 1999年 国内総生産(億元) 第1次産業 第2次産業 第3次産業 工業生産額(付加価値ベース) (億元) 固定資産投資総額(億元) 社会消費財小売総額(億元) 消費者物価指数(前年100) 海関輸出入総額(億ドル) 輸出総額 輸入総額 直接投資(契約ベース) 件数 金額(億ドル) 直接投資(実行ベース) 金額(億ドル) 2000年 82,054 14,212 40,806 27,036 35,357 29,876 31,140 98.6 3,607 1,949 1,658 増減率 7.1 2.8 8.1 7.5 8.5 5.2 6.8 ― 11.3 6.1 18.2 17,100 412 404 2001年 89,404 14,212 45,488 29,704 39,570 32,619 34,153 100.4 4,743 2,492 2,251 増減率 8.0 2.4 9.6 7.8 9.9 9.3 9.7 ― 31.5 27.8 35.8 95,933 14,610 49,064 32,254 42,607 36,898 37,595 100.7 5,098 2,662 2,436 増減率 7.3 2.8 8.7 7.4 8.9 12.1 10.1 ― 7.5 6.8 8.2 △ 13.8 △ 20.9 22,347 624 32.1 51.3 26,139 692 16.0 10.4 △ 11.4 407 1.0 468 14.9 (出所)JETRO資料より 2.浙江省 1999年 省内総生産(億元) 第1次産業 第2次産業 第3次産業 工業増加値(億元) うち三資企業 固定資産投資総額(億元) 社会消費財小売総額(億元) 消費者物価指数(前年100) 海関輸出入総額(億ドル) 輸出総額 輸入総額 直接投資(契約ベース) 件数 金額(億ドル) 直接投資(実行ベース) 金額(億ドル) 2000年 5,364.89 631.94 2,902.81 1,803.14 1,267.75 217.39 1,886.04 2,075.75 98.8 183.05 128.71 54.34 増減率 10.0 ― ― ― ― ― 9.7 8.7 ― 23.2 18.5 36.3 1,113 21.48 15.33 2001年 6,030.00 650.00 3,200.00 2,180.00 1,521.63 284.71 1,444.54 2,298.76 101.0 278.34 194.44 83.90 増減率 11.0 4.5 11.8 11.6 17.5 23.6 19.6 10.7 ― 52.1 51.1 54.4 6,700.00 690.00 3,440.00 2,570.00 1,781.17 334.27 1,879.07 2,555.46 99.8 327.99 229.77 99.22 増減率 10.5 4.1 11.0 11.9 12.5 14.3 30.1 11.2 ― 17.8 18.2 17.1 15.3 17.1 1,642 25.09 47.5 16.8 2,310 50.16 40.7 99.9 16.3 16.13 5.2 22.33 37.1 (出所)JETRO資料より 3.江蘇省 1999年 省内総生産(億元) 第1次産業 第2次産業 第3次産業 工業増加値(億元) うち三資企業 固定資産投資総額(億元) 社会消費財小売総額(億元) 消費者物価指数(前年100) 海関輸出入総額(億ドル) 輸出総額 輸入総額 直接投資(契約ベース) 件数 金額(億ドル) 直接投資(実行ベース) 金額(億ドル) 7,700.56 1,014.46 3,906.40 2,779.70 2,148.19 538.67 1,627.59 2,394.14 98.7 312.61 183.09 129.52 2000年 増減率 10.1 4.5 11.2 10.0 11.7 21.4 1.6 7.0 ― 18.3 17.0 20.2 8,584.68 1,028.00 4,439.02 3,117.66 2,559.12 694.20 1,679.45 2,604.14 100.1 456.39 257.70 198.69 9,514.60 1,088.35 4,913.69 3,512.56 2,920.69 813.53 1,861.77 2,868.99 100.8 513.55 288.78 224.77 増減率 10.2 4.5 11.1 10.7 12.0 12.8 10.6 10.2 ― 12.5 12.1 13.1 1,925 69.78 △ 5.9 7.8 2,645 106.11 37.4 52.1 3,581 150.95 35.4 42.3 63.99 △ 3.8 64.24 0.4 71.22 10.9 (備考)上海市統計局編「中国沿海沿辺地区対外経済主要統計データ」を参照 74 信金中金月報 2002.8 2001年 増減率 10.6 4.0 11.6 11.1 14.8 23.4 2.9 8.8 ― 46.0 40.7 53.4 4.上海市 1999年 国内総生産(億元) 第1次産業 第2次産業 第3次産業 工業生産総額(億元) うち国有企業 全社会固定資産投資総額(億元) 住宅竣工面積(万m2) 貨物運輸量(万トン) 鉄道(万トン) 道路(万トン) 水路(万トン) 空路(万トン) 港湾貨物取扱量(万トン) 社会消費財小売総額(億元) 消費者物価指数(前年100) 小売物価指数(前年100) 輸出入総額(億ドル) 輸出総額 輸入総額 直接投資(契約ベース) 件数 合資 合作 独資 株式取得 金額(億ドル) 合資 合作 独資 株式取得 直接投資(実行ベース) 金額(億ドル) 4,034.96 80.00 1,953.98 2,000.98 6,307.12 3,005.98 1,852.24 1,415.60 43,870 1,383 27,171 15,275 41 18,641 1,590.38 101.5 97.3 386.04 187.85 198.19 1,472 399 255 817 1 41.04 15.11 4.84 19.29 1.80 30.48 2000年 増減率 10.2 2.2 9.0 13.0 11.1 11.1 △ 5.7 14.0 5.7 △ 7.3 3.1 12.2 45.0 13.7 8.1 ― ― 23.2 17.7 28.8 2001年 4,551.15 81.65 2,186.90 2,282.60 6,915.36 3,158.85 1,861.17 1,476.89 47,249 1,465 28,369 17,366 49 20,440 1,722.27 102.5 96.4 547.10 253.54 293.56 増減率 10.8 2.2 9.8 13.0 13.5 10.9 0.2 △ 3.7 7.7 5.9 4.4 13.7 20.1 9.7 8.3 ― ― 41.7 35.0 48.1 4,950.84 85.50 2,355.53 2,509.81 7,656.96 3,412.05 1,984.31 1,567.45 48,476 1,521 28,869 18,032 54.0 22,099 1,861.30 100.0 ― 608.95 276.28 332.67 増減率 10.2 3.0 12.0 8.7 17.1 15.1 6.1 7.4 2.6 3.8 1.8 3.8 8.7 8.1 8.1 ― ― 11.3 9.0 13.3 1.2 5.6 8.3 1.9 0.0 29.8 40.3 33.8 29.0 83.5 1,814 441 226 1,146 1.0 63.90 13.86 5.86 44.14 4.17 23.2 10.5 △ 11.4 40.3 0.0 55.7 △ 8.3 21.0 128.8 △ 97.7 2,458 506 210 1,740 2 73.73 18.89 9.42 44.86 0.57 35.5 14.7 △ 7.1 51.8 100.0 15.4 36.3 60.8 1.6 1,266.9 △ 16.2 31.60 3.7 43.92 39.0 △ △ △ △ △ △ △ 5.浦東新区 1999年 国内総生産(億元) うち第2次産業 うち第3次産業 工業生産総額(億元) 輸出総額(億ドル) 直接投資(契約ベース) 件数 金額(億ドル) 2000年 800.05 441.55 353.07 1,450.97 60.49 増減率 16.1 14.3 20.6 17.3 31.0 470 10.73 △ 15.2 △ 62.9 2001年 920.6 488.6 426.3 1,625.77 95.80 増減率 ― 15.3 19.6 18.9 ― 1,082.02 570.75 505.27 1,885.54 ― 増減率 16.1 17.6 14.7 20.1 ― 693 28.84 ― ― 880 20.01 27.0 △ 30.6 (出所)JETRO資料より 調 査 75 第108回全国中小企業景気動向調査 (2002年4∼6月期実績・2002年7∼9月期見通し) 4∼6月期の業況は悪化傾向止まるも依然低水準 【特別調査−情報通信機器の利用について】 総合研究所 調査の概要 1.調査時点:2002年6月3日∼6月7日 2.調査方法:全国各地の信用金庫営業店の調査員による、共通の調査表に基づく「聞き取り」調査 3.標 本 数:16,000企業(有効回答数13,899企業・回答率86.8%) 4.分析方法:各質問項目について、 「増加」 (良い)−「減少」 (悪い)の構成比の差=判断D.I.に基づく分析 (概 況) 1.2002年4∼6月期(今期)の業況判断D.I.は△39.5とバブル崩壊後最悪となった1∼3月期(前 期)比で8.4ポイント改善した。前期比および前年同期比の売上額と収益の判断D.I.も1∼3月 期比で改善した。ただ、これらの指標を前年同期の水準と比較すると、いずれもマイナス幅 が大きく、依然、厳しい状況といえる。業種別の業況判断D.I.は6業種すべてで改善したが、 建設業の改善幅はわずかにとどまった。一方、前期にバブル崩壊後最悪となった資金繰り判 断D.I.は厳しい状況ながら前期比5.6ポイント改善した(図表1、図表2) 。 2.2002年7∼9月期(来期)の予想業況判断D.I.は△35.9、今期実績比3.6ポイントの改善となっ ている。業種別には不動産業を除いた5業種で改善を予想している。 図表1 業種別天気図 時 期 2002年 1∼3月 業種名 2002年 2002年 7∼9月 4∼6月 (見通し) 図表2 地区別天気図(今期分) 地 域 業種名 北 海 道 東 北 関 東 首 都 圏 北 陸 東 海 近 畿 中 国 四 国 総合 総合 製造業 製造業 卸売業 卸売業 小売業 小売業 サービス業 サービス業 建設業 不動産業 建設業 (この天気図は、景気指標を総合的に判断して作成したものです。) 好調← 不動産業 76 信金中金月報 2002.8 →低調 北 九 州 南 九 州 半期連続で人手過剰となった(図表5)。 1.全業種総合 ○業況はバブル崩壊後最悪で推移 今期の業況判断D.I.は△39.5とバブル崩壊後 業種別の業況判断D.I.は、 6業種すべてで改善 した。地域別には全地域で改善したが、東北は 依然として50を超えるマイナス幅となっている。 マイナス幅が最大となった前期に比較して8.4 ポイント改善した。前期比売上額判断D.I.、同 ○業況は底這いを予想 収益判断D.I.は1∼3月期比でそれぞれ18.7ポイ 来期の予想業況判断D.I.は△35.9と今期実績 ント、15.8ポイントの改善、前年同期比売上額 比3.6ポイントの改善となっている。7∼9月期 判断D.I.、同収益判断D.I.も1∼3月期比でそれ の予想値は4∼6月期実績比で改善方向となる ぞれ8.5ポイント、8.4ポイントの改善となった。 のが通常である(7∼9月期の実績値は前期比 ただし、前年同期の水準との比較では業況判 悪化となる場合が多い) 。改善予想の幅は大き 断、売上額、収益のいずれもマイナス幅が大 くなく、実質的に7∼9月期の業況は底這いの きく、悪化傾向は止まったものの、実態は極 状況が続くものとみられる。 めて厳しい状況にあった(図表3)。 販売価格判断D.I.は前期比6.1ポイントマイ ナス幅が縮小した。これは6四半期ぶりのこと 業種別の予想業況判断D.I.では今期実績比で 図表3 主要指標の推移 (D.I.) △20 前年同期比売上額判断D.I. である。業種別にも卸売業・小売業などは前 △30 期比だけでなく前年同期比でもマイナス幅縮 小となり、デフレ傾向はやや沈静化している ようである。ただ、建設業のみ請負価格判断 D.I.が若干ながら悪化した(図表4)。 設備投資実施企業割合は16.4%と前期比0.5 ポイントのわずかなアップにとどまり、水準 △38.1 △38.5 △39.5 業況判断D.I. △40 前年同期比収益判断D.I. △50 1999.6 9 12 2000.3 6 9 12 01.3 6 (時期) 12 02.3 6 9 図表4 前期比売上額、販売価格判断D.I.の推移 (D.I.) 0 △10 前期比売上額判断D.I. 販売価格判断D.I. △20 は依然98年の金融危機時並みにとどまった。一 方、借入難易度判断D.I.は△15.1とバブル崩壊 △30 資金繰り判断D.I.も△28.1とこれもバブル崩壊 後最悪を記録した前期から5.6ポイント改善し た。ただ、これは年度末を越えたという季節 前期比売上額判断D.I.傾向値 △40 1997.6 後最悪となった前期から2.1ポイント改善し、 △23.7 △25.3 98.6 99.6 2000.6 (時期) 02.6 01.6 (備考)傾向値とは5期分の移動平均値 図表5 設備投資実施企業割合、資金繰り、 借入難易度、人手過不足判断D.I.の推移 (%) 25 (D.I.) 10 人手過不足判断D.I.(右目盛) 4.1 0 16.4 △10 △ 15.1 △28.1 △20 20 的要因によるものとみられる。 雇用面では、人手過不足判断D.I.が4.1と前 期比でわずかに0.3ポイント改善したものの5四 15 設備投資の実施企業割合(左目盛) 10 借入難易度判断D.I.(右目盛) 5 0 1999.6 9 資金繰り判断D.I.(右目盛) 12 2000.3 6 9 12 01.3 6 9 △30 △40 12 02.3 ( 6 時期) 調 査 77 不動産業を除いて改善となっている。 降)となった。一方、原材料(仕入)価格判 断D.I.は2四半期連続でマイナス幅が縮小して 2.製造業 △5.2となった。 ○業況判断D.I.は1年ぶりに△30台 資金繰り判断D.I.は前期比4.3ポイントマイ 今期の業況判断D.I.は△38.7と、前期比8.7ポ ナス幅縮小の△30.2と、6四半期ぶりに悪化に イントのマイナス幅縮小となった。業況判断 歯止めがかかった。また、設備投資実施企業 D.I.の水準が△30台となるのは2001年4∼6月期 割合は5四半期ぶりに上昇に転じ前期比1.1ポイ 以来4四半期(1年)ぶりのことである。また、 ントアップの18.9%となった。 前年同期比売上額と同収益の判断D.I.はともに 6四半期ぶりにマイナス幅が縮小し、それぞれ 前期比9.3ポイント改善の△37.8、同10.1ポイン ト改善の△37.5となった(図表6)。 ○22業種中19業種でマイナス幅縮小 今期の業況判断D.I.の水準を業種別にみる と、全般的にマイナス幅の縮小がみられ、悪 また、前期比の売上額および同収益判断D.I. はそれぞれ前期比22.6、18.5ポイントマイナス 幅が縮小して△19.9、△25.1となった。 化は22業種中3業種にとどまった(図表7)。 素材型業種では、鉄鋼が若干悪化したが、そ の他の6業種(繊維、化学、皮製品、ゴム、非 鉄金属、紙・パルプ)は改善となった。 ○人手過剰感はやや低下 部品加工型業種はプラスチック、 金属製品、 金 2001年4∼6月期以降、人手過剰の状況が続 属プレスの3業種すべてマイナス幅が縮小した。 いている人手過不足判断D.I.は6.6(前期は7.7) また、建設関連型業種では、建設建築用金 と、過剰感はやや低下した。また、残業時間 属が3四半期連続の悪化となったものの、窯 判断D.I.も△17.1、前期比7.5ポイントのマイナ 業・土石、木材・木製品、家具・装備品の3業 ス幅縮小と、残業時間の減少傾向にやや歯止 種はマイナス幅が縮小した。 めがかかった。 機械器具型業種は、前期に改善がみられた 2001年以降、マイナス幅の拡大傾向が続い 輸送用機器がやや悪化したものの、一般機械、 ていた販売価格判断D.I.は、7四半期ぶりに若 電気機械、精密機械の3業種はそろって6四半 干ながらマイナス幅が縮小して△26.6(価格下 期ぶりの改善となった。 消費財型業種では、4業種いずれもマイナス 図表6 製造業 主要指標の推移 (D.I.) 0 前年同期比売上額 △10 前年同期比収益 幅が縮小した。 △20 ○大メーカー型、中小メーカー型で改善に転じる △30 △37.5 △37.8 △38.7 業況 △40 △50 1999.3 6 9 78 信金中金月報 2002.8 12 2000.3 6 9 12 01.3 6 9 (時期) 12 02.3 6 販売先形態別の業況判断D.I.は、最終需要家 型が△37.7と前期比1.4ポイントの小幅な悪化 となったが、それ以外ではマイナス幅は縮小 図表7 業種別業況判断D.I.の推移 (D.I.) △70 △60 △50 △40 △30 △20 △10 0 に転じた。特に、大メーカー型(△34.2)と中 小メーカー・仲間業者型(△44.3)は、それぞ れ6四半期ぶりの改善となった。 一方、輸出主力型の業況判断D.I.は△35.7、 同じく内需主力型は△38.6と、いずれもマイナ ス幅が縮小した。 従業員規模別の業況判断D.I.ではすべての規 模でマイナス幅が縮小した。とりわけ、1∼19 人(△41.0)と100人以上(△32.4)は6四半期 ぶりの改善となった。 繊維 化学 皮製品 素材型 ゴム 鉄鋼 非鉄金属 紙・パルプ プラスチック 部 品 金属製品 加工型 金属プレス・メッキ 窯業・土石 建 設 建設建築用金属 関連型 木材・木製品 家具・装備品 一般機械 機 械 電気機械 器具型 輸送用機器 精密機械 衣服その他 消 費 食料品 財 型 玩具・スポーツ 出版・印刷 全 業 種 平 均 ○ ● ○ ● ○ ● ●○ ○● ○ ● ○ ● ○ ● ● ○ ●○ ○ ● ○ ○ ● ○ ●○ ● ● ○ ● ○● ○ ○ ● ● ○ ● ○ ● ● ● ○ ○ ●前期(2002年1∼3月期)⃝今期(2002年4∼6月期) ○業況は全地域でマイナス幅縮小 図表8 地域別業況判断D.I.の推移 地域別の業況判断D.I.では、すべての地域で マイナス幅が縮小した。とりわけ、北海道、北 陸、南九州、関東、近畿では前期比10ポイン トを超える縮小幅となった。一方、業況判断 D.I.のマイナス幅をみると東北(△49.8)、関 東(△45.4)などが厳しい水準にある反面、南 九州(△22.9)、北海道(△24.2)は相対的に 小幅なものなっている(図表8)。 △50 北海道 東 北 関 東 首都圏 北 陸 東 海 近 畿 中 国 四 国 北九州 南九州 全地域平均 △40 △30 △20 △10 (D.I.) 0 ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ● ● ○ ○ ○ ● ○ ● ● ○ ● ○ ● ● ○ ○ ●前期(2002年1∼3月期)⃝今期(2002年4∼6月期) は北陸と南九州で、それぞれ若干の悪化が見 込まれており、依然として予断を許さない状 ○一部の業種・地域では悪化見通しも 況が続いているとみられる。 来期の予想業況判断D.I.は△33.2と、今期実 績に比べ5.5ポイントのマイナス幅縮小を見込 んでいる。また、前期比売上額判断D.I.は△ 3.卸売業 ○業況は低水準での改善 14.0、同収益判断D.I.は△19.3と、それぞれ今 今期の業況判断D.I.は△42.5となり、季節要 期実績比で6ポイント程度のマイナス幅縮小を 因もあり前期比11.6ポイントの改善となった。 見込んでいる。 前年同期比判断D.I.も、売上額△39.9、収益△ 総じて悪化に歯止めがかかりつつあるよう 39.5と前期比でそれぞれマイナス幅が9.5、8.2 だが、業種別には衣服、出版・印刷、非鉄金 ポイント縮小し、景況の下げ止まりがうかが 属、玩具・スポーツの4業種で、また地域別に える。販売価格判断、資金繰り判断などいず 調 査 79 図表9 卸売業 主要指標の推移 図表10 小売業 主要指標の推移 (D.I.) △20 (D.I.) △30 前年同期比売上額 前年同期比収益 前年同期比売上額 △30 △40 △39.5 △39.9 △42.5 △40 業況 △50 △60 1999.3 6 9 12 2000.3 6 9 12 01.3 6 9 (時期) 12 02.3 6 れの指標にも改善がみられるが、依然として △50 △60 1999.3 6 △42.7 △43.7 △45.2 前年同期比収益 9 12 2000.3 6 業況 9 12 01.3 6 9 (時期) 12 02.3 6 なった(図表10)。 低水準にとどまっている(図表9)。 ○2業種・2地域で△30台に改善 ○ほぼ全業種・地域で改善 業種別の業況判断D.I.は、13業種中11業種で、 業種別の業況判断D.I.は鉱物金属・燃料、貴 地域別では、東北、北陸、四国を除く8地域で 金属・宝石を除く13業種で、地域別では、関 改善した。水準では、業種別で自動車・自転 東を除く10地域でマイナス幅が縮小した。水 車、スポーツ・玩具が、地域別で関東、南九州 準でみても、業種別では再生資源がプラスに が△30台で相対的にマイナスは小幅となった。 転じるなど改善がみられる。 ○小幅改善ながら引き続き低調 ○小幅ながら引き続き改善を予想 来期の予想業況判断D.I.では、今期実績比で 来期の予想業況判断D.I.は△37.8と今期実績 3.1ポイント改善して△42.1を見込んでいる。業 比で4.7ポイントの改善を見込んでいる。業種 種別では13業種中9業種で、地域別では南九州 別には、再生資源、紙・紙製品、貴金属・宝 を除く全地域で改善を見込んでいる。しかし、 石を除く全業種で、地域別には、四国を除き 小幅の改善にとどまり、引き続き低水準の推 全地域で改善を見込んでいる。 移が予想される。 4.小売業 5.サービス業 ○業況は改善ながら厳しい水準 ○業況は改善するも依然厳しい 今期の業況判断D.I.は△45.2と、前期比9.3ポ イントの改善となった。 今期の業況判断D.I.は△34.2とバブル崩壊後 最低水準となった前期に比べ8.9ポイントの改 前年同期比の売上額、収益の判断D.I.も、△ 善となった。前年同期比売上額と同収益判断 43.7、△42.7とそれぞれ11.0、10.6ポイントの D.I.は、ともに1年ぶりに5.3、5.9ポイント改善 改善と、下げ止まり感もうかがわれるが、水 し△34.6、△35.3となった。やはり前期にバブ 準は依然として厳しいものとなっている。な ル崩壊後最低水準となった料金価格判断D.I.と お、販売価格判断D.I.も全業種中最大の改善と 資金繰り判断D.I.も、それぞれ6.1、8.1ポイン 80 信金中金月報 2002.8 図表11 サービス業 主要指標の推移 図表12 建設業 主要指標の推移 (D.I.) △20 (D.I.) △15 △30 前年同期比売上額 前年同期比売上額 業況 △34.2 △34.6 △35.3 △40 9 12 2000.3 6 △35 △45 前年同期比収益 △50 1999.3 6 業況 △25 9 12 01.3 6 9 (時期) 12 02.3 6 ト改善した(図表11)。 △55 1999.3 6 △39.1 △41.9 △43.2 前年同期比収益 9 12 2000.3 6 9 12 01.3 6 9 (時期) 12 02.3 6 し△40.0、人手過不足判断D.I.も同6.3ポイント 悪化し12.3(人手過剰)と、ともにバブル崩壊 ○大半の業種・地域で業況は改善 業況判断D.I.は、業種別では修理業(自動車 後の最悪値を更新するなど依然厳しい状況が 続いている(図表12)。 整備を除く)以外の7業種で、地域別では関東 と近畿を除いた9地域で改善した。ただ、業種 ○請負先別では官公庁が一段と悪化 別の改善幅では娯楽業、洗濯・理容・浴場業 請負先別の業況判断D.I.は、官公庁だけが前 が大きい反面、ホテル業、物品賃貸業が小さ 期比で悪化となった。地域別では、北海道が いなどバラツキがみられた。 25ポイントの大幅な改善で△24.7となった。ま た、従業員規模別では1∼9人の小規模層の業 ○業況は底這いを予想 来期の予想業況判断D.I.は△33.5と今期実績 況判断D.I.が改善する一方、50∼99人および 100人以上の大規模層が悪化した。 比でわずか0.7ポイントの改善にとどまり底這 い予想となっている。業種別では、季節入り ○改善見込むもなお厳しい の娯楽やホテルなどで大幅な改善を見込んで 来期の予想業況判断D.I.は△38.7と、今期実 いる。一方、地域別には全11地域中5地域で改 績比3.2ポイント改善を見込んでいる。請負先 善を、残り6地域で悪化を予想しており、まだ 別ではすべてが、また従業員規模別でも30∼ ら模様となっている。 49人以外すべてが改善見込みである。一方、地 域別には関東、北陸、東海、中国で悪化を見 6.建設業 ○改善幅は6業種中最低 込んでいるが、他の7地域では改善予想となっ ている。 今期の業況判断D.I.は△41.9と、バブル崩壊 後の最悪値を記録した前期に比べ、1.9ポイン トのマイナス幅縮小と、改善幅は6業種中で最 も小幅になった。 請負価格判断D.I.は前期比0.1ポイント悪化 7.不動産業 ○業況は2期連続してマイナス幅縮小 今期の業況判断D.I.は△24.9と、前期比9.2ポ イントマイナス幅が縮小し2四半期連続の改善 調 査 81 となった。前年同期比売上額判断D.I.、同収益 ○わずかながら悪化を予想 判断D.I.もそれぞれ前期比8.7、7.6ポイント改 来期の予想業況判断D.I.はマイナス幅が今期 善した。一方、資金繰り判断D.I.も同5.7ポイ 実績比3.2ポイント拡大し△28.1とわずかなが ント改善の△19.4となるなど、ほぼすべての指 ら悪化を見込んでいる。地域別では、今期大 標で改善した(図表13)。 幅に改善した北海道が一転10ポイントのマイ ナス幅拡大を見込んでいる。水準では東北が5 ○全規模でマイナス幅が縮小 業種別の業況判断D.I.は貸家業・貸間業でマ イナス幅が拡大している以外はすべて改善し た。従業員規模別の業況判断D.I.では全規模で マイナス幅が縮小しているが、20∼39人規模 が8.7と2000年4∼6月期以来のプラス転換とな 四半期連続の△40台と厳しい状況が続くと予 想している。規模別には小規模業者が依然と して厳しいようである。 図表13 不動産業 主要指標の推移 (D.I.) △15 前年同期比売上額 △25 った。地域別では、北海道が△2.5と、18.9ポ △35 イントの大幅な改善となるなど中国、四国以 △45 外すべて改善した。 △55 1999.3 6 82 信金中金月報 2002.8 △23.0 △24.9 △25.4 前年同期比収益 9 12 2000.3 6 9 業況 12 01.3 6 9 (時期) 12 02.3 6 特別調査 情報通信機器の利用について ○8割の企業がパソコン導入済み いる」が54.4%となり、98年6月調査(16.8%) パソコンの導入状況については、 「すでに導 の約3倍に、2000年6月調査(34.8%)の約1.5 入済み」が76.0%となり、前回調査(2000年6月実 倍になった。「今後利用したい」の24.0%を加 施時:73.5%)に続き高い水準となった。従業員 えれば、約8割の企業がインターネットの利用 規模別で見ると、20人以上の企業では9割超が 意欲を持っている。また、 「利用している」と 「導入済み」と高水準になる一方、1∼4人の小規 いう回答について、規模別で見ると、200∼300 模企業では約5割と低い水準にとどまっている。 人の企業(94.5%)と1∼4人の企業(32.3%) パソコン導入による効果については、 「経理・ の格差は62.2ポイントと大きく、 「デジタル・ 人事などの業務合理化・効率化」が70.8%と最 デバイド(情報技術活用の格差) 」の問題の深 も高くなった。総じて、 「新製品・新サービス 刻化が懸念される。 の開始(6.9%) 」 、 「新規顧客の獲得(12.3%) 」 インターネットの利用開始・普及のための という経営革新にまで至る効果は出ていない 条件は、 「パソコン操作の習熟(29.3%) 」 、 「通 ようである(図表14)。 信料金の引下げ(29.2%)」が高い結果となっ た。前回調査と比べると、前者は2.2ポイント ○インターネット利用は5割超すが、デジタル 増加し、後者は11.8ポイント減少して改善傾向 デバイド深刻 を示した(図表15)。 インターネットの利用については、 「利用して 図表14 パソコンの導入状況と、業務上効果があると思われる内容 パソコンの導入 地 域 別 従 業 員 規 模 別 業 種 別 全体 北海道 東北 関東 首都圏 北陸 東海 近畿 中国 四国 北九州 南九州 1∼ 4人 5∼ 9人 10∼ 19人 20∼ 29人 30∼ 39人 40∼ 49人 50∼ 99人 100∼199人 200∼300人 製造業 卸売業 小売業 サービス業 建設業 不動産業 すでに導入済 今後導入予定 導入の予定なし 76.0 82.7 81.9 88.0 60.7 83.4 88.4 86.1 88.3 74.1 79.0 78.3 50.7 74.9 88.6 93.9 95.3 97.0 98.6 98.5 98.4 77.6 80.3 59.8 71.4 90.2 85.1 7.3 6.4 7.9 4.5 10.0 5.0 4.3 5.7 5.1 7.0 8.0 7.6 11.5 10.1 6.0 2.9 2.8 2.3 0.8 0.9 0.0 7.5 7.3 9.4 7.2 4.3 6.9 16.6 10.8 10.3 7.5 29.3 11.7 7.2 8.2 6.6 18.9 13.0 14.1 37.8 15.0 5.5 3.2 2.0 0.7 0.5 0.6 1.6 14.9 12.3 30.8 21.4 5.5 8.0 経理等の 業務合理化 70.8 75.8 72.8 72.0 67.0 69.8 72.2 74.2 73.2 67.5 73.4 71.7 62.1 71.6 77.8 77.5 76.8 73.8 72.7 70.1 59.3 72.4 76.3 65.9 65.7 79.2 55.4 業務上効果があると思われる内容 社内情報の 新製品・ 共有化 新サービス開始 9.9 6.9 9.6 5.6 11.8 6.0 12.3 4.9 6.3 9.3 10.3 8.6 14.4 5.2 12.3 4.5 12.9 5.4 11.6 8.7 7.5 7.5 10.2 6.5 5.3 10.8 6.7 8.5 8.7 4.9 10.8 4.8 11.9 3.9 16.9 3.6 21.0 2.8 26.1 2.2 35.0 2.4 10.6 6.9 10.0 5.9 6.0 11.7 8.1 6.7 11.9 2.1 15.0 6.5 (単位:%) 新規顧客の獲得 12.3 9.0 9.3 10.7 17.5 11.3 8.2 9.0 8.5 12.2 11.7 11.6 21.7 13.2 8.5 7.0 7.4 5.7 3.5 1.6 3.3 10.0 7.8 16.4 19.5 6.8 23.0 調 査 83 ○インターネットの利用目的は対外的な情報 活動」は2.3%にとどまっている(図表16) 。 収集・交換 インターネットの利用目的については、 「一 般的な情報収集」が48.7%と最も高い結果とな ○インターネットによる直接取引に影響大 情報ネットワークの進展に伴う営業活動へ った。次いで、 「取引先との情報交換(47.8%) 」 、 の影響としては、 「インターネット等による直 「特定分野の情報収集(37.5%) 」が続いている。 接取引」が40.8%と最も高く、次いで「宣伝・ 一方、自社でHP(ホームページ)を開設・ 活用する企業はまだ多いとはいえず、「HPに 広告の多様化(37.9%)」、「市場情報把握の迅 速化(27.3%)」が高い結果となった。 よる情報発信」という回答は19.1%、 「HPによ 「特に影響なし」は18.5%となり、98年6月調 る自社商品の販売」は18.7%、 「HPによる求人 査(27.1%)から8.6ポイント減少し、中小企 図表15 インターネットの利用状況と普及等の条件 全 体 地 域 別 従 業 員 規 模 別 業 種 別 1996年 98年 2000年 02年 北海道 東北 関東 首都圏 北陸 東海 近畿 中国 四国 北九州 南九州 1∼ 4人 5∼ 9人 10∼ 19人 20∼ 29人 30∼ 39人 40∼ 49人 50∼ 99人 100∼199人 200∼300人 製造業 卸売業 小売業 サービス業 建設業 不動産業 インターネットの利用状況 今後 利用は 利用している 利用したい 考えていない 4.8 31.0 64.2 16.8 46.8 36.3 34.8 36.8 28.4 54.4 24.0 21.6 56.5 25.4 18.0 60.2 25.4 14.4 68.0 21.6 10.4 42.3 24.4 33.2 61.6 22.3 16.1 67.6 21.2 11.2 62.3 21.9 15.8 66.4 20.0 13.5 48.6 27.9 23.5 52.1 28.4 19.5 48.0 32.6 19.4 32.3 26.1 41.6 47.5 30.6 22.0 60.0 26.8 13.2 70.3 21.3 8.3 72.8 21.0 6.2 79.2 15.4 5.4 86.4 11.4 2.2 92.0 6.2 1.8 94.5 3.9 1.6 55.4 24.4 20.2 52.6 27.7 19.7 40.2 25.2 34.6 53.5 20.6 25.8 68.5 20.7 10.8 67.5 21.9 10.6 (単位:%) インターネットの利用開始または普及するための条件 通信料金 機器の パソコン操作 安全性の確保 その他 引下げ 利便性向上 の習熟 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 41.0 16.8 27.1 10.5 4.6 29.2 26.2 29.3 11.7 3.6 31.4 25.8 25.6 12.9 4.2 30.3 27.0 27.9 11.3 3.5 22.9 29.7 24.9 16.6 6.0 32.4 23.6 32.6 9.4 2.0 27.1 30.6 25.2 13.6 3.5 26.5 28.8 26.0 13.7 5.0 26.6 27.6 27.8 14.2 3.7 28.4 28.0 27.4 12.9 3.3 28.5 21.7 32.2 11.1 6.5 29.1 25.8 30.8 8.7 5.6 26.8 26.2 33.2 8.9 4.9 30.2 19.5 38.4 8.2 3.7 31.1 24.2 30.9 10.1 3.7 28.1 29.0 28.1 11.3 3.5 28.5 28.8 24.0 14.9 3.8 28.2 30.9 23.0 14.6 3.3 28.2 31.5 20.9 16.0 3.3 27.1 33.9 18.9 16.7 3.4 25.6 38.0 12.3 21.1 2.9 24.6 38.9 10.3 22.2 4.0 29.4 27.2 26.8 13.2 3.4 27.5 25.2 30.6 13.3 3.4 29.2 22.8 34.7 9.0 4.3 29.9 25.4 30.3 10.3 4.1 28.8 29.1 27.2 12.0 2.9 31.0 26.8 29.1 9.5 3.6 図表16 インターネットの利用目的 地 域 別 従 業 員 規 模 別 業 種 別 全体 北海道 東北 関東 首都圏 北陸 東海 近畿 中国 四国 北九州 南九州 1∼ 4人 5∼ 9人 10∼ 19人 20∼ 29人 30∼ 39人 40∼ 49人 50∼ 99人 100∼199人 200∼300人 製造業 卸売業 小売業 サービス業 建設業 不動産業 社内の 情報交換 12.6 15.0 13.4 14.3 9.9 11.9 15.9 14.6 15.5 9.5 12.9 10.8 5.6 8.1 10.7 16.0 18.0 21.9 28.0 36.8 46.5 13.3 14.7 8.8 11.0 16.2 10.4 (備考)複数回答 84 信金中金月報 2002.8 取引先との 情報交換 47.8 51.4 57.3 58.0 40.3 52.6 56.5 50.3 55.3 42.5 43.1 41.3 34.0 46.5 52.4 57.4 55.2 57.7 62.6 65.4 64.6 55.5 53.1 35.6 36.5 53.0 37.3 一般的な 情報収集 48.7 50.4 48.8 48.3 48.3 45.3 45.7 49.1 48.9 53.2 52.1 54.1 53.6 49.7 47.5 47.9 45.0 43.9 42.5 36.8 39.4 44.1 45.3 50.1 49.7 55.3 62.5 特定分野の 特定企業との 原材料・ 情報収集 受発注取引 部品の購入 37.5 22.9 12.7 43.5 22.3 9.3 39.7 22.5 11.6 38.4 25.6 10.6 34.2 21.7 15.5 40.0 25.7 11.1 36.5 26.3 10.7 37.0 22.7 10.3 38.8 25.4 11.5 40.1 24.8 12.5 45.5 18.7 13.6 42.4 20.7 14.1 34.5 17.7 13.8 39.2 21.3 13.6 40.8 25.1 13.8 41.9 26.5 9.2 37.0 26.4 12.4 38.0 24.0 9.7 35.2 32.0 11.7 30.2 31.8 8.8 30.7 25.2 9.4 33.3 27.7 15.0 35.6 31.2 13.0 32.4 21.4 13.2 38.0 14.0 11.9 51.0 19.9 10.9 50.4 4.8 2.5 (単位:%) HPによる 情報発信 19.1 17.3 19.4 26.6 14.0 20.6 22.2 24.7 25.4 18.3 15.9 19.7 11.7 18.5 20.3 21.7 22.1 30.7 27.0 33.6 25.2 19.0 15.7 13.5 25.9 19.7 29.5 HPによる 求人活動 2.3 1.3 1.8 3.2 1.8 2.3 3.7 3.3 1.4 2.8 0.9 2.0 1.0 1.6 1.6 2.4 3.0 6.4 4.7 7.2 7.9 2.0 2.2 2.2 3.9 2.1 2.3 HPによる 自社商品の販売 18.7 19.4 20.8 24.4 14.7 23.2 20.4 20.3 20.4 15.3 18.8 24.5 17.2 20.8 19.5 18.3 18.0 20.5 18.0 15.1 18.1 19.0 20.6 21.2 16.1 7.2 32.9 その他 4.9 5.5 5.2 4.2 4.6 6.2 4.7 4.7 3.9 5.2 7.5 4.6 7.6 4.9 4.1 3.5 3.1 2.6 1.9 1.3 1.6 3.9 4.0 6.8 6.3 4.4 5.0 業においてもネットワーク化の影響を無視で 「渉外担当者による来訪」 が52.6%と最も高い結 きないとの認識が広がりつつある。また、こ 果となった。 その一方で、 「ファームバンキング うした認識は、規模別に見た場合、大きな企 (専用端末) 」が41.0%、 「インターネット(パソ 業ほど強まっている。 コン) 」が32.8%となるなど、中小企業において 逆に、 「資金決済の迅速化」 、 「系列取引の変 も取引形態に対するニーズが多様化している。 化」、「人材募集機会の拡大」などは、過去の 調査結果を下回る傾向が続いている(図表17) 。 規模別では、小さい企業ほど「金融機関の 店頭に訪問」という接触取引を望む傾向があ り、一方で、大きい企業ほど「ファームバン ○金融機関とのチャネルは多様化 キング」や「インターネット」といった非接 金融機関との望ましい取引形態については、 触取引を指向する傾向が見られた(図表18)。 図表17 ネットワーク化による営業活動への影響 全 体 地 域 別 従 業 員 規 模 別 業 種 別 インターネット 等で直接取引 27.1 28.6 43.8 40.8 44.5 44.3 47.6 37.0 44.6 42.8 41.5 47.8 35.4 37.5 42.1 33.1 40.7 43.2 46.6 45.7 46.1 49.9 47.5 50.4 43.5 49.6 38.7 31.9 35.1 39.7 1996年 98年 2000年 02年 北海道 東北 関東 首都圏 北陸 東海 近畿 中国 四国 北九州 南九州 1∼ 4人 5∼ 9人 10∼ 19人 20∼ 29人 30∼ 39人 40∼ 49人 50∼ 99人 100∼199人 200∼300人 製造業 卸売業 小売業 サービス業 建設業 不動産業 系列取引 の変化 10.9 14.6 13.7 12.8 9.4 11.3 14.3 12.5 12.7 14.8 14.2 11.8 12.1 13.4 10.3 8.1 12.5 15.4 15.4 17.1 11.9 19.3 19.3 17.1 16.2 12.4 5.8 6.1 23.6 4.6 小口注文 の増加 11.1 19.3 20.9 19.7 20.8 17.7 16.2 22.7 19.0 16.4 17.5 19.0 19.2 18.4 21.2 21.8 24.0 20.3 15.9 16.4 15.0 14.0 12.1 10.6 22.2 26.4 23.3 12.3 12.7 8.8 宣伝・広告 人材募集 の多様化 機会の拡大 17.2 4.1 29.6 6.2 36.4 6.1 37.9 5.5 38.5 3.3 42.8 5.0 39.7 4.9 35.5 4.8 39.2 4.3 38.3 8.2 38.0 6.8 36.7 5.3 37.8 6.8 40.4 4.3 43.2 4.9 35.8 2.7 40.1 3.9 37.1 5.3 38.3 5.9 36.0 6.4 47.7 12.7 37.5 10.4 34.5 12.4 30.9 18.7 31.0 5.2 31.4 4.8 40.4 4.7 50.1 9.0 33.4 5.6 69.7 4.2 資金決済 の迅速化 11.0 17.4 15.4 13.7 17.1 14.7 12.7 12.9 13.2 14.0 14.3 17.1 13.3 10.9 12.6 9.4 10.6 14.1 18.1 19.2 18.8 21.0 22.0 26.0 14.3 16.5 11.1 10.3 16.5 12.1 受発注ネットワ ークへ参加強要 5.7 10.9 11.3 10.4 10.8 13.2 13.0 8.2 10.3 14.5 9.7 13.3 10.9 9.6 10.1 6.0 8.9 10.8 13.4 14.8 11.8 18.6 21.1 21.1 12.4 12.3 7.3 5.9 14.4 3.3 (単位:%) 海外取引 の増加 2.2 2.7 2.9 2.8 1.5 2.0 3.8 2.3 2.8 3.8 3.3 1.8 3.8 3.0 3.5 1.3 2.1 2.9 4.1 4.5 3.8 4.6 8.1 5.7 4.4 4.1 1.6 1.2 0.8 0.9 市場情報把 特に影響なし 握の迅速化 18.7 45.7 25.2 27.1 27.1 19.4 27.3 18.5 32.5 17.6 33.9 16.3 36.4 14.8 18.5 22.4 32.6 19.4 32.4 15.8 30.5 15.6 33.9 15.3 30.4 16.8 33.6 17.8 28.6 16.7 19.8 28.4 24.9 18.2 28.8 16.4 33.8 11.0 32.4 12.5 35.1 10.5 38.7 7.6 37.6 6.5 41.5 5.7 26.2 18.1 30.5 14.3 21.9 23.7 23.6 22.4 30.3 17.7 42.3 9.3 (備考)複数回答 図表18 自社が望む金融機関との取引形態 全 体 地 域 別 従 業 員 規 模 別 業 種 別 1998年 2000年 02年 北海道 東北 関東 首都圏 北陸 東海 近畿 中国 四国 北九州 南九州 1∼ 4人 5∼ 9人 10∼ 19人 20∼ 29人 30∼ 39人 40∼ 49人 50∼ 99人 100∼199人 200∼300人 製造業 卸売業 小売業 サービス業 建設業 不動産業 ファームバンキング インターネット (専用端末) (パソコン) 37.4 19.3 34.4 34.4 41.0 32.8 48.7 33.1 46.3 33.9 46.8 38.1 34.1 28.6 42.5 34.8 50.8 35.4 42.7 36.1 45.7 35.6 41.2 27.9 39.4 36.4 37.1 36.7 25.4 25.4 35.6 30.3 45.5 33.5 51.7 38.9 53.4 37.1 59.0 42.3 63.1 47.0 67.4 39.3 60.0 53.6 45.0 33.2 44.4 35.1 31.5 28.2 35.5 31.4 45.9 35.3 38.0 37.0 電話 21.8 19.1 14.1 12.7 16.6 15.7 12.0 16.3 16.6 14.6 17.0 17.0 14.0 12.8 14.3 15.7 15.3 12.0 11.9 11.3 13.1 15.0 8.0 14.2 15.1 12.8 11.1 16.0 15.9 携帯電話 (iモード等) ― 8.4 6.3 5.5 7.1 6.9 6.9 6.2 5.3 4.8 6.5 8.4 5.8 7.0 7.5 6.7 6.0 5.1 5.0 6.0 4.5 2.9 4.0 5.4 6.2 6.4 8.6 5.7 8.1 FAX 31.0 19.7 13.9 16.8 17.2 18.8 9.9 16.3 17.2 16.6 15.1 15.5 11.0 13.4 11.6 16.0 16.2 14.6 13.7 15.2 13.2 11.2 11.2 14.1 16.8 11.9 11.1 15.6 14.3 金融機関の 渉外担当者 ATM等の コンビニエ 店頭訪問 の来訪 キャッシュコーナー ンスストア 25.4 49.9 ― ― 26.9 52.2 6.8 2.8 25.8 52.6 7.9 3.5 26.3 39.0 5.9 3.3 29.6 43.9 9.7 4.6 23.8 53.9 9.7 3.6 27.4 55.9 7.5 3.6 28.5 49.6 7.5 3.3 23.3 53.1 6.6 2.5 23.5 54.8 7.8 3.1 22.6 55.8 8.0 2.7 18.3 52.6 14.2 3.4 28.4 49.0 8.8 4.3 27.2 48.3 9.9 4.9 28.6 53.7 9.3 4.1 25.5 54.6 9.1 4.0 25.2 51.8 7.9 2.7 26.6 48.9 5.7 2.8 23.0 50.8 6.4 3.3 22.5 50.6 6.6 2.5 21.7 51.9 5.4 3.1 23.3 54.3 6.1 2.9 19.2 52.8 3.2 2.4 24.4 54.0 6.7 3.3 23.0 50.7 6.4 2.6 26.8 54.0 9.9 4.2 25.9 52.1 10.1 4.3 28.1 50.8 7.3 3.0 32.1 49.0 10.0 3.4 (単位:%) その他 9.7 3.6 3.3 5.8 5.2 3.0 1.9 5.0 2.7 3.1 4.4 4.0 5.4 6.4 3.8 3.6 3.6 2.7 3.2 2.3 2.1 1.6 1.6 3.0 3.6 3.5 3.8 3.2 3.5 (備考)1.98年調査では選択肢に「郵便」および「外銀・証券会社」があったので「その他」に含めた。 2.複数回答 調 査 85 信金中央金庫総合研究所活動状況(6月) 1.レポート等の発行 発行日 2002.6.3 2002.6.5 レポート分類 内外金利為替見通し 信金統計レポート 通巻 タ イ ト ル 14-3 ― 2 業態別預金動向:都市銀行の一般法人預金が大幅に増加 ―ペイオフ凍結解除の影響に加え、MMFから一時的に資金が流入― 2002.6.5 アジア業務相談室情報 13 中国華東地域の投資環境―浙江省の現況― 2002.6.12 貿易投資相談ニュース 86 ― 2002.6.12 ベンチャービジネス情報 12 信用金庫取引先企業の上場事例(続編) ―2001年新規株式上場企業169社の中の事例から― 2002.6.12 海外経済見通し 14-1 米国主導で2002年の海外経済は緩やかな回復へ 2002.6.13 国内経済見通し 14-1 2002.6.19 国内経済・金融動向 51 2002.6.21 海外経済・金融動向 14-3 デフレ圧力は依然強く、2002年度の景気回復力は緩慢 ―実質成長率は2002年度マイナス0.2%、2003年度1.1%と予測― 市町村合併の背景とその効果 ―行政の効率化などメリット大だが、地域活性化策の策定が課題― ― 執筆者 斎藤大紀 里田雄俊 篠崎 幸弘 ― 鉢嶺実 水野達 金子良介 角田匠 奥津智彦 水野達 黒岩達也 2.講座・講演・放送等の実施 実施日 2002.6.5 講座・講演会・番組名称 場所・放送局 ラジオ深夜便 NHKラジオ 講 師 等 藤原康史 2002.6.6 種類 タ イ ト ル 放送 アメリカにおける一般事業会社の銀 行参入の動き 講座 業者の法から市場の法へ 信金中央金庫寄付講座 早稲田大学 2002.6.10 講座 市場規律と銀行規制 信金中央金庫寄付講座 慶應義塾大学 2002.6.12 講演 最近の経済・金融動向と中小企業 親和会総会 早稲田大学法学部教授 上村達男氏 金融庁総務課長 木下信行氏 斎藤大紀 2002.6.13 2002.6.13 講座 講座 中小企業金融の現状と課題 地域金融機関の課題 2002.6.14 講演 最近の経済・金融情勢について 2002.6.17 講座 日本の金融機関― その収益構造と経営課題 2002.6.19 放送 2002.6.19 講演 エンロン事件を機に加速する確定拠 出型年金制度の見直し 最近の経済・金融情勢について 2002.6.20 2002.6.20 放送 市町村合併の背景とその効果 講演 中小企業の経営戦略について 2002.6.20 講座 2002.6.24 講座 ベンチャーキャピタルとインキュベ ーション 町工場の世界制覇戦略 2002.6.27 講演 建設業界の環境と今後の見通し 2002.6.27 講座 金融の電子化 2002.6.28 講座 市町村合併の背景とその効果 東京東信用金庫 尾久支店 信金中央金庫寄付講座 慶應義塾大学 信金中央金庫寄付講座 早稲田大学 SEC南中野支部講演会 西京信用金庫 南中野支店 信金中央金庫寄付講座 慶應義塾大学 ラジオ深夜便 NHKラジオ SEC北町支部講演会 西京信用金庫 北町支店 しんきんアナリストレビュー ラジオたんぱ ちゅうしん経営研究会 奈良中央信用金庫 本店 信金中央金庫寄付講座 早稲田大学 信金中金月報 2002.8 マッキンゼー・アンド・カンパニー・ インク・ジャパン 川本裕子氏 藤原康史 斎藤大紀 斎藤大紀 藤津勝一 ウィットジャパン・インベスト メント㈱ 宮島正敬氏 信金中央金庫寄付講座 慶應義塾大学 岡本硝子㈱社長 岡本毅氏 稲城市建設関連業種組 稲城市中央文化 藤津勝一 合講演会 センター 野村総研資本市場研究室長 信金中央金庫寄付講座 早稲田大学 大崎貞和氏 総研月例セミナー 信金中央金庫 奥津智彦 (注)総研月例セミナーは、信金中央金庫総合研究所主催で毎月開催される自由参加型の勉強会です。 86 荒井一久 信金中央金庫副理事長 木村隆治 斎藤大紀 統 計 1.信用金庫統計 (1)信用金庫の主要勘定概況…………87 (2)信用金庫の店舗数、合併等………91 (3)信用金庫の預金種類別預金、地区別預金 ……92 (4)信用金庫の預金者別預金…………93 (5)信用金庫の科目別貸出金、地区別貸出金 ……94 (6)信用金庫の貸出先別貸出金………95 (7)信用金庫の余裕資金運用状況……96 2.金融機関業態別統計 (1)業態別預貯金等……………………97 (2)業態別預金者別預金………………98 (3)業態別貸出金………………………99 (4)業態別貸出先別貸出金 …………100 統計資料の照会先:信金中央金庫 総合研究所 Tel 03-3563-7541 Fax 03-3563-7551 (凡 例) 1.金額は、単位未満切捨てとした。 2.比率は、原則として小数点以下第1位までとし第2位以下切捨てとした。 3.記号・符号表示は次のとおり。 〔 0 〕ゼロまたは単位未満の計数 〔―〕該当計数なし 〔△〕減少または負 〔…〕不詳または算出不能 〔*〕1,000%以上の増加率 〔p〕速報数字 〔r〕訂正数字 〔b〕b印までの数字と次期以降との数字は不連続 4.地区別統計における地区のうち、関東には山梨、長野、新潟を含む。東海は静岡、愛知、岐阜、三重の4 県、北九州は福岡、佐賀、長崎の3県、南九州は熊本、大分、宮崎、鹿児島の4県である。 1. (1)信用金庫の主要勘定概況 イ.2002年4月末 ○預 金 4月の全国信用金庫の預金は、月中2,312億円、0.2%増と、前年同月(1兆3,250億円、1.2%増) と同様に増加した。 ① 要求払預金は、ペイオフ対策による定期性預金からのシフト、年金振込金の滞留、預託金の 受入れ等から、月中1兆1,625億円、3.9%増と、前年同月(7,997億円、3.4%増)と同様に増加 した。 ② 定期性預金は、ペイオフ対策による要求払預金へのシフト等から、月中8,045億円、1.1%減 と、前年同月(6,655億円、0.8%増)の増加から減少となった。 ③ 外貨預金等は、月中1,267億円、19.1%減少した。 なお、2002年4月末の預金の前年同月比増減率は、1.9%減となった。 ○貸出金 貸出金は、月中1兆618億円、1.6%減と、前年同月(5,977億円、0.9%減)と同様に減少した。 ① 割引手形は、前月末休日による商手決済のズレ込みを主因に、月中3,774億円、13.1%減と、 前年同月(1,201億円、3.5%減)と同様に減少した。 ② 貸付金は、前月末休日による回収分のズレ込みや、業況不振による資金需要の減退等から、 月中6,844億円、1.1%減と、前年同月(4,776億円、0.7%減)と同様に減少した。 なお、2002年4月末の貸出金の前年同月比増減率は、4.0%減となった。 統 計 87 ○余資運用資産 余資運用資産は、月中1兆3,113億円、2.9%増と、前年同月(1兆7,149億円、3.9%増)と同様に 増加した。 主な内訳をみると、預け金は、信金中金預け金(2兆8,781 億円増)の増加から、月中1兆7,895 億円、9.8%増となった。 金融機関貸付等は、買入手形(37億円増)が増加したものの、コールローン(1,126億円減)、 買現先勘定(899億円減)の減少から、月中1,989億円、66.2%減となった。 有価証券は、外国証券(1,132億円増)、社債(910億円増)、投資信託(772億円増)が増加し たものの、国債(5,804億円減)等が減少したため、月中2,768億円、1.1%減となった。 ロ.2002年5月末 ○預 金 5月の全国信用金庫の預金は、月中6,058億円、0.5%減と、前年同月(7,069億円、0.6%減)と 同様に減少した。 ① 要求払預金は、ペイオフ対策による定期性預金からのシフトがみられたものの、年金振込金 の流出、企業の資金決済のための払出し等から、月中3,886億円、1.2%減と、前年同月(8,440 億円、3.5%減)と同様に減少した。 ② 定期性預金は、ペイオフ対策による要求払預金へのシフト等から、月中2,047億円、0.2%減 と、前年同月(1,465億円、0.1%増)の増加から減少となった。 ③ 外貨預金等は、月中123億円、2.3%減少した。 なお、2002年5月末の預金の前年同月比増減率は、1.8%減となった。 ○貸出金 貸出金は、月中3,287億円、0.5%減と、前年同月(7,936億円、1.2%減)と同様に減少した。 ① 割引手形は、季節的要因による受取・持込手形の増加から、月中127億円、0.5%増と、前年 同月(3,169億円、9.6%減)の減少から増加となった。 ② 貸付金は、業況不振による資金需要の減退等から、月中3,414億円、0.5%減と、前年同月 (4,767億円、0.7%減)と同様に減少した。 なお、2002年5月末の貸出金の前年同月比増減率は、3.4%減となった。 ○余資運用資産 余資運用資産は、月中3,058億円、0.6%減と、前年同月(1,074億円、0.2%増)の増加から減少 となった。 主な内訳をみると、預け金は、信金中金預け金(2,982 億円減)の減少から、月中2,238億円、 1.1%減となった。 金融機関貸付等は、買入手形(40億円増)が増加したものの、コールローン(71億円減)の減 少から、月中31億円、3.0%減となった。 有価証券は、国債(683億円減)等が減少したものの、外国証券(962億円増) 、地方債(258億 円増)、社債(122億円増)が増加したため、月中519億円、0.2%増となった。 88 信金中金月報 2002.8 信用金庫の主要勘定増減状況(2002年4月末) (単位:百万円、%) 前 月 比 増 減 区 分 金 (小 切 手 ・ 手 形) 預 け 金 (信 金 中 金 預 け 金) (譲 渡 性 預 け 金) 金 融 機 関 貸 付 等 金 融 機 関 貸 付 金 買 入 手 形 資 コ ー ル ロ ー ン 買 現 先 勘 定 買 入 金 銭 債 権 金 銭 の 信 託 商 品 有 価 証 券 産 有 価 証 券 国 債 地 方 債 社 債 株 式 項 貸 付 信 託 投 資 信 託 外 国 証 券 そ の 他 の 証 券 貸 付 有 価 証 券 目 小 計 貸 出 金 (月 中 平 残) 割 引 手 形 貸 付 金 手 形 貸 付 証 書 貸 付 当 座 貸 越 預 金 ・ 積 金 (月 中 平 残) 要 求 払 預 金 当 座 預 金 負 普 通 預 金 貯 蓄 預 金 通 知 預 金 債 別 段 預 金 納 税 準 備 預 金 項 定 期 性 預 金 定 期 預 金 定 期 積 金 目 外 貨 預 金 等 実 質 預 金 譲 渡 性 預 金 借 用 金 預 貸 率 残 現 会 会 員 勘 定 普 優 優 資 利 再 特 前 未 そ 評 処 自 員 勘 定 通 出 資 金 先 出 資 金 先 出 資 払 込 金 本 準 備 金 益 準 備 金 評 価 差 額 金 別 積 立 金 期 繰 越 金 処 分 剰 余 金 の 他 の 剰 余 金 価 差 額 金 分 未 済 持 分 己 優 先 出 資 高 増 減 額 1,832,265 △ 184,448 ) (△ 19,993,951 18,793,780 ) ( 75,000 ) (△ 101,513 △ 0 3,700 97,813 △ 0 △ 295,392 324,551 22,259 23,340,080 △ 5,310,210 △ 2,473,240 △ 10,023,886 511,154 1,978 △ 880,626 4,079,327 49,673 9,982 45,910,014 62,918,644 △ 63,074,039 ) (△ 2,498,757 △ 60,419,886 △ 8,762,163 △ 48,279,927 △ 3,377,795 △ 103,051,127 102,307,838 ) (△ 30,952,882 2,177,831 △ 26,057,667 1,417,234 △ 175,465 △ 1,085,766 38,917 △ 71,563,604 △ 63,504,366 △ 8,059,238 △ 534,639 △ 102,866,678 17,089 375,972 △ 61.0 ( ( ( ( ( △ △ 5,546,396 542,091 1,250 0 4,011 363,907 213,748 4,476,677 9,650 68,547 0 4,979 1,372 0 △ △ △ △ △ △ 増 減 率 前年同月比 増 減 率 前 月中増減額 106,888 △ 5.5 34.4 △ 216,169 ) ( △ 53.9 ) ( △ 47.8 ) (△ 1,789,504 9.8 △ 4.2 2,878,129 ) 18.0 ) 4.8 ) ( (△ ( 9,500 ) ( △ 11.2 ) ( △ 54.3 ) (△ 198,906 △ 66.2 △ 69.7 △ 0 ─ △ 100.0 3,700 ─ △ 84.7 △ 112,607 △ 53.5 △ 67.9 △ 89,999 △ 100.0 ─ △ 86,915 41.6 △ 43.5 14,183 4.5 △ 30.6 3,373 17.8 3.3 276,880 △ 1.1 5.9 △ 580,430 △ 9.8 21.4 △ 4,656 △ 0.1 20.1 91,023 0.9 7.0 12,253 2.4 △ 11.5 △ 516 △ 20.6 △ 66.0 △ 77,221 9.6 △ 53.2 113,243 2.8 9.0 5,560 12.6 29.1 9,423 * * 1,311,302 2.9 0.5 1,061,892 △ 1.6 △ 4.0 △ 674,136 ) 1.0 ) 3.5 ) (△ (△ (△ 377,472 △ 13.1 △ 23.6 △ 684,420 △ 1.1 △ 3.0 △ 332,209 △ 3.6 △ 7.7 △ 273,288 △ 0.5 △ 2.0 △ 78,922 △ 2.2 △ 4.1 △ 231,293 0.2 △ 1.9 232,897 ) 0.2 ) 1.6 ) (△ (△ ( 1,162,515 3.9 29.9 350,838 △ 13.8 △ 12.1 △ 1,320,483 5.3 39.6 29,765 △ 2.0 △ 8.3 273,125 △ 60.8 △ 30.7 △ 499,258 85.1 29.3 3,498 △ 8.2 △ 10.0 △ 804,518 △ 1.1 △ 11.3 729,075 △ 1.1 △ 12.0 75,442 △ 0.9 △ 6.1 △ 126,704 △ 19.1 △ 1.4 △ 447,462 0.4 △ 1.8 5,666 49.6 445.9 △ 30,117 △ 7.4 60.2 △ 222,874 513 0 0 0 527 360 5,524 98,361 102,103 0 17,615 51 0 △ △ △ △ △ △ △ 3.8 0.0 0.0 ― 0.0 0.1 0.1 0.1 91.0 304.2 ― 77.9 3.5 ― △ 4.4 4.0 ― ― * 2.6 △ 8.5 0.4 △ 83.7 ― ― 368.3 ― ― 年 △ △ △ △ △ 同 61,460 △ 74,859 ) (△ 2,502,633 3,068,205 ) ( 90,987 ) (△ 782,749 △ 640 198,300 △ 450,137 △ 134,951 △ 109,376 62,603 1,673 117,143 △ 709,081 △ 3,800 111,571 54,720 △ 43 △ 461,251 66,155 3,815 108 1,714,932 597,795 △ 789,521 ) (△ 120,102 △ 477,694 △ 300,134 △ 104,045 △ 73,516 △ 1,325,064 740,331 ) ( 799,763 36,767 △ 680,596 9,795 167,839 △ 314,546 568 △ 665,585 722,340 56,755 △ 140,283 △ 1,399,923 7,450 △ 24,284 △ 96.271 515 0 0 0 0 1,404 986 50,021 158,642 0 203,016 0 0 月 前年同月比 増 減 率 4.3 △ 3.0 17.4 ) 2.1 ) (△ 13.6 40.5 18.3 ) 44.7 ) ( 35.6 ) 16.5 ) ( 70.0 △ 90.9 12.8 417.4 89.1 ─ 59.5 12.2 100.0 ─ 26.4 3.9 15.4 △ 10.4 8.4 △ 4.9 0.5 11.1 13.9 34.7 0.1 9.6 1.2 7.4 8.6 3.8 0.7 4.4 32.4 △ 3.9 1.8 7.5 11.0 ─ 20.0 19.3 3.9 11.6 0.9 △ 4.1 1.1 ) 4.2 ) (△ 3.5 △ 4.0 0.7 △ 4.1 3.0 △ 8.8 0.2 △ 3.1 2.0 △ 5.6 1.2 1.7 0.7 ) 1.6 ) ( 3.4 7.2 1.4 0.0 3.7 8.7 0.6 △ 0.9 39.8 △ 8.7 59.9 24.1 1.2 3.3 0.8 0.4 1.0 0.9 0.6 △ 2.9 20.5 △ 24.0 1.3 1.7 70.4 △ 63.5 9.3 27.6 月中増減率 △ △ △ △ △ 1.6 0.0 ― ― 0.0 0.0 0.5 0.0 45.7 930.1 ― 99.4 ― ― 統 計 △ 7.8 9.4 ― ― ― 0.2 4.5 1.2 28.6 ― ― ― ― ― 89 信用金庫の主要勘定増減状況(2002年5月末) (単位:百万円、%) 前 月 比 増 減 区 分 金 (小 切 手 ・ 手 形) 預 け 金 (信 金 中 金 預 け 金) (譲 渡 性 預 け 金) 金 融 機 関 貸 付 等 金 融 機 関 貸 付 金 買 入 手 形 資 コ ー ル ロ ー ン 買 現 先 勘 定 買 入 金 銭 債 権 金 銭 の 信 託 商 品 有 価 証 券 産 有 価 証 券 国 債 地 方 債 社 債 株 式 項 貸 付 信 託 投 資 信 託 外 国 証 券 そ の 他 の 証 券 貸 付 有 価 証 券 目 小 計 貸 出 金 (月 中 平 残) 割 引 手 形 貸 付 金 手 形 貸 付 証 書 貸 付 当 座 貸 越 預 金 ・ 積 金 (月 中 平 残) 要 求 払 預 金 当 座 預 金 負 普 通 預 金 貯 蓄 預 金 通 知 預 金 債 別 段 預 金 納 税 準 備 預 金 項 定 期 性 預 金 定 期 預 金 定 期 積 金 目 外 貨 預 金 等 実 質 預 金 譲 渡 性 預 金 借 用 金 預 貸 率 残 現 会 会 員 勘 定 90 普 優 優 資 利 再 特 前 未 そ 評 処 自 員 勘 定 通 出 資 金 先 出 資 金 先 出 資 払 込 金 本 準 備 金 益 準 備 金 評 価 差 額 金 別 積 立 金 期 繰 越 金 処 分 剰 余 金 の 他 の 剰 余 金 価 差 額 金 分 未 済 持 分 己 優 先 出 資 高 増 減 額 1,647,979 △ 175,717 ) (△ 19,770,110 △ 18,495,496 ) (△ 117,600 ) ( 98,408 △ 0 7,700 90,708 △ 0 333,239 339,674 22,656 23,392,057 5,241,839 △ 2,499,065 10,036,107 506,265 △ 1,973 △ 877,825 △ 4,175,573 51,105 2,300 △ 45,604,125 △ 62,589,926 △ 62,538,390 ) (△ 2,511,496 60,078,430 △ 8,425,291 △ 48,283,274 3,369,863 △ 102,445,281 △ 102,128,827 ) (△ 30,564,203 △ 2,048,256 △ 25,838,078 △ 1,409,733 △ 318,270 910,914 △ 38,948 71,358,813 △ 63,393,751 △ 7,965,062 △ 522,265 △ 102,269,564 △ 22,969 364,298 △ 61.0 ( ( ( ( ( △ △ 信金中金月報 2002.8 5,490,092 533,718 1,250 0 4,011 363,345 212,840 4,476,304 11,825 111,938 0 17 1,281 0 △ △ △ △ △ △ △ 増 減 率 前年同月比 増 減 率 前 月中増減額 184,286 △ 10.0 26.1 △ 8,731 ) 4.7 ) 8.1 ) (△ (△ (△ 223,841 △ 1.1 △ 5.9 298,284 ) 1.5 ) 7.4 ) (△ (△ ( 42,600 ) 56.8 ) 5.3 ) ( ( (△ 3,105 △ 3.0 △ 64.5 △ 0 ─ △ 100.0 △ 4,000 108.1 △ 66.5 △ 7,105 △ 7.2 △ 64.0 △ 0 ─ △ 100.0 37,847 12.8 △ 38.1 15,123 4.6 △ 28.2 397 1.7 △ 3.3 51,977 0.2 5.8 68,371 △ 1.2 33.1 △ 25,825 1.0 16.4 12,221 0.1 5.5 4,889 △ 0.9 △ 11.2 △ 5 △ 0.2 △ 52.2 △ 2,801 △ 0.3 △ 56.8 96,246 2.3 8.1 1,432 2.8 24.6 7,682 △ 76.9 140.3 305,889 △ 0.6 △ 0.3 328,718 △ 0.5 △ 3.4 △ 535,610 ) 0.8 ) 3.4 ) (△ (△ (△ 12,739 0.5 △ 15.0 △ 341,456 △ 0.5 △ 2.8 △ 336,872 △ 3.8 △ 8.5 △ 3,347 0.0 △ 1.5 △ 7,932 △ 0.2 △ 5.3 605,846 △ 0.5 △ 1.8 △ 179,029 ) 0.1 ) 1.8 ) (△ (△ ( 388,679 △ 1.2 33.0 △ 129,575 △ 5.9 △ 0.5 △ 219,589 △ 0.8 42.9 △ 7,501 △ 0.5 △ 9.3 142,805 81.3 24.4 174,852 △ 16.1 △ 7.7 31 0.0 △ 3.1 △ 204,791 △ 0.2 △ 11.8 110,615 △ 0.1 △ 12.4 94,176 △ 1.1 △ 6.5 △ 12,374 △ 2.3 △ 2.0 △ 597,114 △ 0.5 △ 1.8 △ 5,880 34.4 235.8 11,674 △ 3.1 49.5 56,304 8,372 0 0 0 562 908 373 2,175 43,391 0 4,962 91 0 △ △ △ △ △ △ △ 1.0 1.5 0.0 ― 0.0 0.1 0.4 0.0 22.5 63.3 ― 99.6 6.6 ― △ △ △ △ △ 5.2 2.3 ― ― ― 2.4 8.9 0.4 79.8 166.5 ― 117.7 ― ― 年 △ △ △ △ △ △ △ 同 55,870 △ 162,200 ) (△ 133,348 228,431 ) ( 52,713 ) (△ 57,675 △ 4,990 △ 1,200 △ 53,485 △ 2,000 15,574 4,908 1,910 65,277 433,500 △ 86,880 148,017 7,686 △ 1,699 △ 148,808 121,624 2,524 309 107,472 793,659 △ 597,161 ) (△ 316,906 △ 476,752 △ 281,423 △ 230,134 △ 34,805 706,920 △ 63,961 ) ( 844,075 △ 419,809 △ 580,268 △ 8,375 2,330 148,368 3,069 △ 146,556 213,597 67,041 △ 9,401 △ 544,719 △ 3,710 9,034 9,535 480 0 0 2 ― 92 799 502 7,460 0 1,159 0 0 月 前年同月比 増 減 率 4.1 1.9 45.8 ) 7.1 ) (△ 0.6 38.8 1.1 ) 43.3 ) ( 32.0 ) ( △ 13.9 ) 17.1 △ 92.2 88.4 146.2 4.9 * 17.5 △ 15.8 ― ― 2.9 2.0 1.0 △ 12.1 8.8 3.4 0.2 10.5 9.9 24.7 4.2 11.1 1.5 8.7 1.3 0.5 29.1 △ 25.4 7.8 0.0 3.2 8.5 6.5 ― 47.6 76.2 0.2 11.3 1.2 △ 4.1 0.9 ) 4.2 ) (△ 9.6 △ 5.2 0.7 △ 4.1 2.9 △ 8.8 0.4 △ 3.1 0.9 △ 5.4 0.6 1.6 0.0 ) 1.8 ) ( 3.5 7.1 16.9 1.6 3.1 10.1 0.5 0.0 0.9 △ 12.3 17.6 △ 12.7 7.0 2.7 0.1 0.3 0.2 0.8 0.7 △ 3.0 1.7 △ 19.0 0.5 1.6 118.5 △ 12.2 3.8 48.1 月中増減率 △ △ △ △ △ △ 0.1 0.0 ― ― 100.0 ― 0.0 0.0 0.8 4.2 ― ― ― ― 9.4 8.9 ― ― ― 0.4 △ 4.4 1.2 295.9 ― ― ― ― ― 1. (2)信用金庫の店舗数、合併等 信用金庫の店舗数、会員数、常勤役職員数 店 年 月 末 1999. 2000. 01. 01. 3 3 3 6 9 12 01. 6 7 8 9 10 11 12 02. 1 2 3 4 5 6 本 店 支 店 (信用金庫数) 396 8,050 386 8,004 371 7,842 369 7,846 369 7,827 364 7,811 369 7,846 369 7,844 369 7,838 369 7,827 366 7,818 364 7,810 364 7,811 356 7,798 354 7,786 349 7,781 349 7,781 348 7,780 343 舗 (単位:店、人) 数 常 出張所 合 計 227 248 267 266 268 268 266 268 266 268 265 269 268 272 268 270 269 268 8,673 8,638 8,480 8,481 8,464 8,443 8,481 8,481 8,473 8,464 8,449 8,443 8,443 8,426 8,408 8,400 8,399 8,396 会 員 数 常勤役員 8,733,839 8,876,360 8,941,138 8,969,208 8,988,304 9,016,223 8,969,208 8,973,425 8,978,918 8,988,304 8,995,932 9,004,709 9,016,223 9,024,569 9,008,791 8,981,042 8,992,174 8,999,916 2,950 2,900 2,804 2,845 2,864 2,805 2,845 2,866 2,864 2,864 2,847 2,812 2,805 2,767 2,760 2,734 2,731 2,716 勤 男 子 99,848 98,124 94,112 94,886 94,021 93,273 94,886 94,684 94,360 94,021 93,787 93,608 93,273 92,938 92,564 91,448 92,877 92,658 役 職 職 員 女 子 45,737 43,781 41,004 42,999 41,695 40,654 42,999 42,407 42,122 41,695 41,468 41,322 40,654 40,307 40,083 38,849 41,692 41,522 員 数 計 145,585 141,905 135,116 137,885 135,716 133,927 137,885 137,091 136,482 135,716 135,255 134,930 133,927 133,245 132,647 130,297 134,569 134,180 合 計 148,535 144,805 137,920 140,730 138,580 136,732 140,730 139,957 139,346 138,580 138,102 137,742 136,732 136,012 135,407 133,031 137,300 136,896 信用金庫の合併等 年 月 日 2001年 4 月16日 2001年10月 9 日 2001年10月 9 日 2001年11月12日 2001年11月12日 2001年11月19日 2002年 1 月 4 日 2002年 1 月 4 日 2002年 1 月 4 日 2002年 1 月 4 日 2002年 1 月21日 2002年 2 月18日 2002年 2 月25日 2002年 2 月25日 2002年 3 月 4 日 2002年 3 月18日 2002年 3 月18日 2002年 3 月18日 2002年 3 月25日 2002年 3 月25日 2002年 3 月25日 2002年 3 月25日 2002年 3 月25日 2002年 3 月25日 2002年 3 月25日 2002年 4 月22日 2002年 4 月22日 2002年 5 月20日 2002年 6 月 3 日 2002年 6 月10日 2002年 6 月10日 2002年 6 月17日 2002年 6 月17日 2002年 6 月17日 2002年 6 月17日 2002年 6 月17日 2002年 6 月17日 2002年 6 月17日 2002年 6 月17日 2002年 6 月24日 2002年 6 月24日 福井 北海 同栄 泉陽 北九州八幡 東濃 旭川 千葉 伊勢崎 朝日 玉島 能登 宇都宮* 臼杵* 小樽 コザ 知多 岐阜 大阪第一* 中津* 関西西宮* 湘南 王子 興産 鹿沼相互 金沢 北陸 神栄* 長島* 相互* 佐伯* 船橋* 新宮 荒川 西京 日興 東京三協 仙台 宮城第一 秋田ふれあい 酒田 異 動 金 鯖江 福井中央 道央 夕張 港 泉州 若松 (瑞浪商工信組) 富良野 木更津 成田 太田 江戸川 共積 倉敷 (輪島信組) 庫 名 文京 (小樽商工信組) 沖縄* (常滑信組) (中津川信組) 佐賀関* (神奈川県青果信組) (せいか信組) (せいか信組) (大日光信組) (だいしん信組) (だいしん信組) (紀南信組) (都民信組) (都民信組) (都民信組) (池袋信組) (宮城県中央信組) (宮城県中央信組) 角館 (庄内信組) 新金庫名 福井 北海 東都中央 南大阪 福岡ひびき 東濃 旭川 千葉 伊勢崎太田 朝日 玉島 能登 栃木県下5金庫 大分 小樽 コザ 知多 岐阜 大阪 大分みらい 兵庫県下4金庫 湘南 王子 興産 鹿沼相互 金沢 北陸 日新 紀北 大阪 大分 東京東 新宮 荒川 西京 日興 東京三協 仙台 宮城第一 秋田ふれあい 酒田 金庫数 369 367 366 365 364 364 363 361 360 357 356 356 355 354 354 353 353 353 352 350 349 349 349 349 349 349 349 348 347 346 345 344 344 344 344 344 344 344 344 343 343 異動の種類 合併 合併 合併 合併 合併 事業譲受 合併 合併 合併 合併 合併 事業譲受 事業譲渡解散 事業譲渡解散 事業譲受 合併 事業譲受 事業譲受 事業譲渡解散 事業譲渡解散 事業譲渡解散 事業譲受 事業譲受 事業譲受 事業譲受 事業譲受 事業譲受 事業譲渡解散 事業譲渡解散 事業譲渡解散 事業譲渡解散 事業譲渡解散 事業譲受 事業譲受 事業譲受 事業譲受 事業譲受 事業譲受 事業譲受 合併 合併 (備考)1.*印は預金保険法にもとづく破綻信用金庫である。 2.信用組合からの事業譲受日は、金融庁公表資料による。 統 計 91 1. (3)信用金庫の預金種類別預金、地区別預金 預金種類別預金 預金計 年 月 末 1999. 2000. 01. 01. 3 3 3 6 9 12 01. 6 7 8 9 10 11 12 02. 1 2 3 4 5 6 p 1,005,732 1,020,320 1,038,043 1,057,645 1,053,564 1,060,557 1,057,645 1,051,695 1,051,471 1,053,564 1,047,979 1,045,150 1,060,557 1,042,038 1,040,019 1,028,198 1,030,511 1,024,452 1,035,289 (単位:億円、%) 前年同月比 増 減 率 2.1 1.4 1.7 2.0 1.7 0.9 2.0 1.8 1.8 1.7 1.7 1.4 0.9 0.6 0.0 △ 0.9 △ 1.9 △ 1.8 △ 2.1 要求払 205,961 214,497 230,205 237,934 236,464 252,063 237,934 229,281 230,484 236,464 234,869 236,596 252,063 240,122 251,119 297,903 309,528 305,642 前年同月比 増 減 率 6.1 4.1 7.3 10.1 8.4 9.6 10.1 8.6 8.5 8.4 9.0 8.7 9.6 11.7 14.1 29.4 29.9 33.0 定期性 790,359 797,284 801,008 814,329 811,683 803,184 814,329 817,097 815,747 811,683 807,725 803,062 803,184 795,770 782,627 723,681 715,636 713,588 前年同月比 外貨預金等 前年同月比 増 減 率 増 減 率 1.5 9,411 △ 21.2 0.8 8,539 △ 9.2 0.4 6,829 △ 20.0 0.0 5,381 △ 17.9 0.0 5,416 △ 19.8 △ 1.4 5,309 △ 6.4 0.0 5,381 △ 17.9 0.2 5,317 △ 15.8 0.3 5,239 △ 20.8 0.0 5,416 △ 19.8 △ 0.1 5,384 △ 14.4 △ 0.4 5,491 △ 11.6 △ 1.4 5,309 △ 6.4 △ 2.4 6,144 9.1 △ 3.8 6,273 12.9 △ 9.6 6,613 △ 3.1 △ 11.3 5,346 △ 1.4 △ 11.8 5,222 △ 2.0 実質預金 1,002,016 1,016,862 1,033,760 1,054,559 1,050,210 1,056,798 1,054,559 1,049,908 1,049,638 1,050,210 1,046,266 1,043,224 1,056,798 1,040,440 1,038,447 1,024,192 1,028,666 1,022,695 前年同月比 増 減 率 2.2 1.4 1.6 1.9 1.7 0.9 1.9 1.9 1.8 1.7 1.7 1.4 0.9 0.6 0.1 △ 0.9 △ 1.8 △ 1.8 譲渡性預金 193 122 105 131 174 140 131 204 180 174 170 141 140 133 137 114 170 229 前年同月比 増 減 率 △ 31.7 △ 36.7 △ 13.3 79.3 242.1 121.6 79.3 171.3 194.3 242.1 63.5 35.5 121.6 55.7 113.8 7.9 445.9 235.8 (備考)1.預金計には譲渡性預金を含まない。 2.実質預金は預金計から小切手・手形を差引いたもの。 地区別預金 年 月 末 1999. 2000. 01. 01. 3 3 3 6 9 12 01. 6 7 8 9 10 11 12 02. 1 2 3 4 5 6 p 年 月 末 1999. 2000. 01. 01. 3 3 3 6 9 12 01. 6 7 8 9 10 11 12 02. 1 2 3 4 5 6 p (単位:億円、%) 北海道 50,410 51,708 53,392 55,233 54,994 56,585 55,233 54,593 54,617 54,994 54,483 55,058 56,585 54,495 54,517 54,596 55,295 54,572 55,636 近 畿 204,724 206,301 207,950 210,745 210,445 210,530 210,745 209,953 209,796 210,445 209,155 208,423 210,530 206,814 205,686 201,814 201,867 201,302 201,722 前年同月比 増 減 率 5.4 2.5 3.2 3.2 2.9 1.8 3.2 2.8 2.9 2.9 2.3 2.3 1.8 1.8 1.7 2.2 1.0 1.0 0.7 前年同月比 増 減 率 2.0 0.7 0.7 1.2 1.0 0.4 1.2 1.2 1.2 1.0 0.9 0.5 0.4 △ 0.4 △ 1.1 △ 2.9 △ 3.7 △ 3.4 △ 4.2 東 北 38,175 38,831 39,684 40,595 40,331 40,583 40,595 40,229 40,237 40,331 40,130 40,005 40,583 39,843 39,806 39,036 39,571 39,203 39,953 中 国 49,087 49,526 49,578 51,007 50,484 51,000 51,007 50,473 50,580 50,484 50,238 50,051 51,000 50,157 50,191 49,651 49,671 49,304 50,042 前年同月比 増 減 率 2.9 1.7 2.1 2.3 1.5 0.3 2.3 2.0 1.9 1.5 1.6 1.3 0.3 0.2 △ 0.1 △ 1.6 △ 2.0 △ 2.1 △ 1.5 前年同月比 増 減 率 1.6 0.8 0.1 1.3 0.8 0.5 1.3 1.0 1.2 0.8 1.1 1.1 0.5 0.7 0.6 0.1 △ 1.7 △ 1.7 △ 1.8 東 京 191,435 192,017 194,416 196,928 195,757 195,825 196,928 195,247 195,131 195,757 194,321 193,522 195,825 192,613 192,171 190,125 189,574 188,657 192,124 四 国 16,847 17,198 17,773 18,294 18,214 18,424 18,294 18,290 18,147 18,214 18,171 18,152 18,424 18,139 18,088 18,064 18,011 17,943 18,137 前年同月比 増 減 率 1.4 0.3 1.2 1.3 0.7 0.2 1.3 1.0 1.0 0.7 0.6 0.4 0.2 △ 0.2 △ 0.7 △ 2.2 △ 3.4 △ 3.0 △ 3.4 前年同月比 増 減 率 1.9 2.0 3.3 3.1 3.6 3.0 3.1 3.2 3.0 3.6 4.0 3.7 3.0 2.3 1.8 1.6 0.1 △ 0.6 △ 0.8 関 東 195,849 197,800 199,809 204,367 203,626 205,024 204,367 203,388 203,451 203,626 202,925 201,943 205,024 201,841 201,663 198,309 199,470 198,268 199,562 北九州 16,987 17,411 17,940 18,519 18,353 18,558 18,519 18,338 18,282 18,353 18,216 18,128 18,558 18,125 18,126 17,916 18,090 17,955 18,191 前年同月比 増 減 率 1.5 0.9 1.0 1.7 1.6 0.9 1.7 1.5 1.6 1.6 1.8 1.5 0.9 0.6 0.3 △ 0.7 △ 1.6 △ 1.6 △ 1.3 前年同月比 増 減 率 1.4 2.5 3.0 3.2 3.0 1.6 3.2 3.0 2.7 3.0 2.5 2.0 1.6 1.3 0.8 △ 0.1 △ 1.3 △ 1.3 △ 1.7 (備考)1.沖縄地区は全国に含めた。 2.速報値のうち東京・関東地区は、東信協・関信協調べ 3.東京・関東地区の2002年6月以降の増減率は、地区間の事業譲渡を調整して算出 92 信金中金月報 2002.8 北 陸 30,220 30,732 31,560 32,269 32,064 32,440 32,269 32,144 32,149 32,064 31,921 31,874 32,440 32,125 32,182 31,829 32,086 31,875 32,404 南九州 23,845 24,139 24,392 25,019 24,620 24,899 25,019 24,710 24,589 24,620 24,459 24,342 24,899 24,092 23,918 23,556 23,661 23,493 23,807 前年同月比 増 減 率 1.7 1.6 2.6 2.3 2.0 1.1 2.3 2.3 2.0 2.0 2.0 1.6 1.1 1.5 1.3 0.8 △ 0.1 0.1 0.4 前年同月比 増 減 率 1.7 1.2 1.0 1.6 1.2 △ 0.2 1.6 1.0 0.9 1.2 1.5 1.1 △ 0.2 △ 0.9 △ 1.6 △ 3.4 △ 4.0 △ 4.4 △ 4.8 東 海 186,618 193,122 200,034 203,003 203,118 205,240 203,003 202,740 202,944 203,118 202,454 202,185 205,240 202,376 202,270 201,901 201,843 200,522 202,346 全国計 1,005,732 1,020,320 1,038,043 1,057,645 1,053,564 1,060,557 1,057,645 1,051,695 1,051,471 1,053,564 1,047,979 1,045,150 1,060,557 1,042,038 1,040,019 1,028,198 1,030,511 1,024,452 1,035,289 前年同月比 増 減 率 3.0 3.4 3.5 3.6 3.0 2.1 3.6 3.4 3.3 3.0 3.0 2.8 2.1 1.8 1.3 0.9 △ 0.1 △ 0.3 △ 0.3 前年同月比 増 減 率 2.1 1.4 1.7 2.0 1.7 0.9 2.0 1.8 1.8 1.7 1.7 1.4 0.9 0.6 0.0 △ 0.9 △ 1.9 △ 1.8 △ 2.1 1. (4)信用金庫の預金者別預金 (単位:億円、%) 年 月 末 2000. 3 01. 3 01. 6 9 12 01. 5 6 7 8 9 10 11 12 02. 1 2 3 4 5 年 月 末 2000. 3 01. 3 01. 6 9 12 01. 5 6 7 8 9 10 11 12 02. 1 2 3 4 5 年 月 末 2000. 3 01. 3 01. 6 9 12 01. 5 6 7 8 9 10 11 12 02. 1 2 3 4 5 預金計 1,019,963 1,037,617 1,057,639 1,053,561 1,060,555 1,044,213 1,057,639 1,051,689 1,051,469 1,053,561 1,047,977 1,045,148 1,060,555 1,042,036 1,040,017 1,027,696 1,030,509 1,024,450 前年同月比 増 減 率 1.4 1.7 2.0 1.7 1.2 1.6 2.0 1.8 1.8 1.7 1.7 1.4 1.2 0.6 0.0 △ 0.9 △ 1.9 △ 1.8 一般法人預金 前年同月比 増 減 率 201,145 △ 1.0 200,258 △ 0.4 201,524 △ 0.1 200,554 △ 3.3 197,703 △ 4.9 197,818 △ 3.0 201,524 △ 0.1 194,775 △ 2.4 192,004 △ 2.9 200,554 △ 3.3 192,676 △ 3.7 191,327 △ 4.1 197,703 △ 4.9 185,643 △ 5.6 182,369 △ 6.7 182,602 △ 8.8 180,734 △ 12.6 176,063 △ 11.0 要求払 3,433 3,569 2,723 2,643 2,658 4,304 2,723 3,295 3,369 2,643 2,827 4,674 2,658 3,312 4,041 12,046 15,165 16,730 前年同月比 増 減 率 10.7 3.9 △ 0.4 7.7 26.7 42.4 △ 0.4 50.9 52.9 7.7 60.5 53.5 26.7 77.1 90.0 237.4 417.2 288.6 個人預金 768,253 792,283 804,054 805,051 816,536 793,652 804,054 803,240 806,955 805,051 807,303 804,012 816,536 809,553 810,092 802,012 803,895 798,754 要求払 62,619 69,649 68,441 69,431 72,854 63,508 68,441 62,181 60,567 69,431 62,539 63,801 72,854 62,387 62,476 85,538 85,546 82,134 定期性 20,770 20,719 30,066 26,431 24,627 26,094 30,066 29,647 28,871 26,431 25,914 25,205 24,627 24,529 22,694 10,738 10,829 12,673 前年同月比 増 減 率 2.0 3.1 3.5 3.7 3.2 3.3 3.5 3.5 3.6 3.7 3.6 3.4 3.2 2.4 1.9 1.2 0.6 0.6 要求払 前年同月比 増 減 率 △ 0.2 11.2 14.5 2.8 3.0 4.2 14.5 5.3 4.3 2.8 3.7 4.1 3.0 5.5 7.3 22.8 19.8 29.3 定期性 141,879 153,271 163,971 161,283 172,671 156,002 163,971 159,368 162,296 161,283 165,680 163,384 172,671 171,066 180,253 195,149 203,881 200,146 138,202 130,298 132,820 130,750 124,523 133,999 132,820 132,309 131,133 130,750 129,825 127,205 124,523 122,852 119,509 96,760 94,878 93,586 前年同月比 増 減 率 6.2 8.0 10.5 11.6 13.5 9.3 10.5 10.2 10.6 11.6 11.6 12.0 13.5 14.4 16.9 27.3 27.2 28.2 定期性 626,134 638,772 639,873 643,537 643,648 637,429 639,873 643,654 644,424 643,537 641,397 640,406 643,648 638,259 629,614 606,630 599,783 598,370 前年同月比 外貨預金等 前年同月比 増 減 率 増 減 率 1.1 238 119.2 2.0 240 0.5 1.9 209 △ 25.0 1.9 231 △ 25.5 0.8 215 △ 22.6 1.9 220 △ 10.2 1.9 209 △ 25.0 1.9 217 △ 21.2 2.0 235 △ 20.9 1.9 231 △ 25.5 1.7 225 △ 25.1 1.4 222 △ 25.7 0.8 215 △ 22.6 △ 0.3 226 △ 14.5 △ 1.6 224 △ 13.6 △ 5.0 220 △ 8.3 △ 5.9 219 △ 1.3 △ 6.1 224 1.9 前年同月比 外貨預金等 前年同月比 増 減 率 増 減 率 △ 1.4 323 8.9 △ 5.7 309 △ 4.1 △ 6.3 263 6.0 △ 6.4 373 50.8 △ 9.1 325 45.5 △ 6.2 310 22.7 △ 6.3 263 6.0 △ 5.7 284 22.8 △ 6.0 303 △ 6.8 △ 6.4 373 50.8 △ 7.0 311 31.7 △ 7.8 321 1.9 △ 9.1 325 45.5 △ 10.6 403 65.8 △ 12.7 384 42.3 △ 25.7 293 △ 5.0 △ 29.8 299 10.5 △ 30.1 332 7.1 公金預金 24,660 24,900 33,164 29,382 27,413 30,663 33,164 33,230 32,612 29,382 28,888 30,204 27,413 28,015 26,956 22,990 26,025 29,468 前年同月比 外貨預金等 前年同月比 金融機関預金 前年同月比 政府関係 増 減 率 増 減 率 増 減 率 預 り 金 10.3 456 27.2 25,857 △ 4.8 14 △ 0.2 611 33.9 20,139 △ 22.1 4 △ 5.2 374 141.1 18,860 △ 19.2 4 △ 3.8 307 3.4 18,537 △ 15.8 3 △ 5.0 127 2.2 18,867 △ 10.3 3 1.1 263 31.0 22,018 △ 15.5 29 △ 5.2 374 141.1 18,860 △ 19.2 4 △ 5.1 287 171.6 20,394 △ 11.5 17 △ 4.0 371 78.0 19,845 △ 14.9 19 △ 3.8 307 3.4 18,537 △ 15.8 3 △ 1.0 146 △ 14.5 19,061 △ 17.4 16 △ 1.2 324 △ 23.5 19,551 △ 19.6 20 △ 5.0 127 2.2 18,867 △ 10.3 3 △ 3.5 172 34.1 18,779 △ 10.6 14 △ 7.7 220 22.8 20,552 △ 6.0 16 △ 48.1 200 △ 67.1 20,082 △ 0.2 4 △ 52.4 25 △ 92.8 19,833 1.3 16 △ 51.4 60 △ 77.0 20,135 △ 8.5 25 前年同月比 増 減 率 10.6 0.9 △ 4.2 △ 2.8 △ 2.6 5.6 △ 4.2 △ 0.9 0.3 △ 2.8 2.7 4.1 △ 2.6 2.1 0.2 △ 7.6 △ 0.1 △ 3.9 譲渡性預金 122 105 130 174 130 68 130 204 180 174 170 141 130 133 137 114 170 229 (備考)日本銀行「預金現金貸出金調査表」より作成。このため、 「日計表」による(3)預金種類別預金、地区別預金の預金計とは一 致しない。 統 計 93 1. (5)信用金庫の科目別貸出金、地区別貸出金 科目別貸出金 (単位:億円、%) 貸出金計 年 月 末 1999. 2000. 01. 01. 3 3 3 6 9 12 01. 6 7 8 9 10 11 12 02. 1 2 3 4 5 6 p 712,062 687,159 661,879 650,943 653,110 655,296 650,943 648,031 647,154 653,110 645,989 646,572 655,296 644,822 641,371 639,805 629,186 625,899 627,317 割引手形 前年同月比 増 減 率 1.1 △ 3.4 △ 3.6 △ 3.5 △ 4.2 △ 3.6 △ 3.5 △ 4.1 △ 4.1 △ 4.2 △ 4.3 △ 4.2 △ 3.6 △ 3.1 △ 3.2 △ 3.3 △ 4.0 △ 3.4 △ 3.6 33,457 31,785 33,932 32,162 30,527 31,229 32,162 29,060 28,274 30,527 27,330 27,360 31,229 27,620 26,660 28,762 24,987 25,114 貸付金 前年同月比 増 減 率 △ 21.3 △ 4.9 6.7 2.3 △ 9.5 △ 14.3 2.3 △ 7.0 △ 7.9 △ 9.5 △ 11.3 △ 12.4 △ 14.3 △ 15.1 △ 15.7 △ 15.2 △ 23.6 △ 15.0 678,605 655,373 627,946 618,781 622,582 624,067 618,781 618,971 618,880 622,582 618,659 619,212 624,067 617,201 614,711 611,043 604,198 600,784 前年同月比 増 減 率 2.5 △ 3.4 △ 4.1 △ 3.8 △ 3.9 △ 3.0 △ 3.8 △ 3.9 △ 3.9 △ 3.9 △ 4.0 △ 3.8 △ 3.0 △ 2.5 △ 2.6 △ 2.6 △ 3.0 △ 2.8 手形貸付 118,083 107,804 97,975 91,716 94,262 94,997 91,716 92,456 92,967 94,262 93,144 93,239 94,997 92,883 92,506 90,943 87,621 84,252 前年同月比 増 減 率 △ 12.1 △ 8.7 △ 9.1 △ 8.7 △ 8.6 △ 7.8 △ 8.7 △ 8.9 △ 8.9 △ 8.6 △ 8.8 △ 8.6 △ 7.8 △ 6.8 △ 7.2 △ 7.1 △ 7.7 △ 8.5 証書貸付 520,846 509,049 493,986 492,216 492,428 494,136 492,216 491,208 490,613 492,428 490,171 490,279 494,136 489,499 487,566 485,532 482,799 482,832 前年同月比 増 減 率 7.2 △ 2.2 △ 2.9 △ 2.7 △ 2.9 △ 1.9 △ 2.7 △ 2.8 △ 2.8 △ 2.9 △ 2.9 △ 2.7 △ 1.9 △ 1.5 △ 1.5 △ 1.7 △ 2.0 △ 1.5 地区別貸出金 年 月 末 1999. 2000. 01. 01. 3 3 3 6 9 12 01. 6 7 8 9 10 11 12 02. 1 2 3 4 5 6 p 年 月 末 1999. 2000. 01. 01. 3 3 3 6 9 12 01. 6 7 8 9 10 11 12 02. 1 2 3 4 5 6 p 39,674 38,520 35,984 34,847 35,891 34,933 34,847 35,306 35,299 35,891 35,343 35,693 34,933 34,819 34,638 34,567 33,777 33,698 前年同月比 増 減 率 △ 4.4 △ 2.9 △ 6.5 △ 5.9 △ 4.8 △ 4.1 △ 5.9 △ 5.4 △ 5.3 △ 4.8 △ 5.1 △ 4.8 △ 4.1 △ 4.5 △ 5.2 △ 3.9 △ 4.1 △ 5.3 (単位:億円、%) 北海道 30,601 30,197 29,377 28,151 28,677 29,553 28,151 28,101 28,253 28,677 28,631 28,601 29,553 28,677 28,626 29,521 28,694 27,982 28,087 近 畿 149,551 144,784 136,814 135,117 135,499 135,623 135,117 134,377 134,139 135,499 133,750 133,810 135,623 133,306 132,258 130,271 128,244 127,461 126,964 前年同月比 増 減 率 2.1 △ 1.3 △ 2.7 △ 2.4 △ 3.4 △ 2.4 △ 2.4 △ 3.2 △ 3.2 △ 3.4 △ 3.2 △ 3.1 △ 2.4 △ 1.8 △ 2.1 0.4 △ 0.1 △ 0.1 △ 0.2 前年同月比 増 減 率 0.0 △ 3.1 △ 5.5 △ 5.5 △ 5.9 △ 2.9 △ 5.5 △ 6.0 △ 5.9 △ 5.9 △ 6.1 △ 6.1 △ 2.9 △ 2.9 △ 3.3 △ 4.7 △ 5.7 △ 5.0 △ 6.0 東 北 25,397 25,091 24,875 24,245 24,547 24,703 24,245 24,203 24,260 24,547 24,416 24,460 24,703 24,375 24,303 24,520 23,989 23,770 23,975 中 国 35,018 33,451 31,863 31,085 31,231 31,209 31,085 31,076 31,054 31,231 30,921 30,931 31,209 30,769 30,771 30,826 30,125 30,033 30,180 前年同月比 増 減 率 3.3 △ 1.2 △ 0.8 △ 1.1 △ 1.7 △ 2.0 △ 1.1 △ 1.6 △ 1.6 △ 1.7 △ 1.5 △ 1.5 △ 2.0 △ 1.7 △ 1.8 △ 1.4 △ 2.2 △ 1.8 △ 1.1 前年同月比 増 減 率 0.4 △ 4.4 △ 4.7 △ 4.4 △ 4.4 △ 4.1 △ 4.4 △ 4.4 △ 4.3 △ 4.4 △ 4.2 △ 4.0 △ 4.1 △ 3.3 △ 3.0 △ 3.2 △ 4.0 △ 3.1 △ 2.9 東 京 143,811 135,174 131,381 130,003 129,458 129,630 130,003 129,125 128,631 129,458 127,852 127,897 129,630 127,605 126,934 125,915 124,328 124,177 125,839 四 国 11,167 11,098 11,060 10,934 11,037 11,070 10,934 10,924 10,916 11,037 10,949 10,978 11,070 10,932 10,895 10,974 10,746 10,745 10,749 前年同月比 増 減 率 1.3 △ 6.0 △ 2.8 △ 2.7 △ 3.7 △ 3.9 △ 2.7 △ 3.4 △ 3.5 △ 3.7 △ 3.9 △ 3.9 △ 3.9 △ 3.9 △ 3.9 △ 4.1 △ 4.8 △ 3.9 △ 4.1 前年同月比 増 減 率 2.0 △ 0.6 △ 0.3 △ 0.6 △ 1.0 △ 0.8 △ 0.6 △ 0.8 △ 1.4 △ 1.0 △ 0.8 △ 0.7 △ 0.8 △ 0.9 △ 1.2 △ 0.7 △ 1.7 △ 1.2 △ 1.6 関 東 138,715 133,558 125,418 123,057 123,257 123,542 123,057 122,564 122,341 123,257 122,093 122,107 123,542 121,910 121,044 120,357 118,627 117,982 117,157 北九州 12,248 12,030 11,797 11,576 11,648 11,754 11,576 11,500 11,476 11,648 11,558 11,582 11,754 11,546 11,483 11,551 11,352 11,326 11,384 前年同月比 増 減 率 0.9 △ 3.7 △ 6.0 △ 5.8 △ 6.2 △ 5.7 △ 5.8 △ 6.2 △ 6.3 △ 6.2 △ 6.2 △ 5.9 △ 5.7 △ 3.8 △ 4.1 △ 4.0 △ 4.4 △ 3.9 △ 3.7 前年同月比 増 減 率 0.6 △ 1.7 △ 1.9 △ 1.8 △ 2.5 △ 2.4 △ 1.8 △ 2.6 △ 2.7 △ 2.5 △ 1.9 △ 1.9 △ 2.4 △ 2.2 △ 2.6 △ 2.0 △ 2.5 △ 1.4 △ 1.6 (備考)1.沖縄地区は全国に含めた。 2.速報値のうち東京・関東地区は、東信協・関信協調べ 3.東京・関東地区の2002年6月以降の増減率は、地区間の事業譲渡を調整して算出 94 当座貸越 信金中金月報 2002.8 北 陸 20,808 20,387 20,088 19,613 19,698 19,690 19,613 19,574 19,548 19,698 19,490 19,449 19,690 19,394 19,347 19,287 18,974 18,923 18,988 南九州 17,517 16,971 16,530 16,190 16,397 16,582 16,190 16,200 16,268 16,397 16,334 16,386 16,582 16,274 16,203 15,972 15,592 15,465 15,415 前年同月比 増 減 率 1.1 △ 2.0 △ 1.4 △ 2.0 △ 3.2 △ 4.4 △ 2.0 △ 2.8 △ 3.1 △ 3.2 △ 3.3 △ 3.7 △ 4.4 △ 3.6 △ 3.6 △ 3.9 △ 4.4 △ 3.1 △ 3.1 前年同月比 増 減 率 0.6 △ 3.1 △ 2.5 △ 2.5 △ 2.9 △ 3.2 △ 2.5 △ 2.9 △ 2.9 △ 2.9 △ 2.9 △ 2.9 △ 3.2 △ 3.4 △ 3.5 △ 3.3 △ 4.4 △ 4.1 △ 4.7 東 海 125,924 123,154 121,487 119,811 120,479 120,776 119,811 119,217 119,095 120,479 118,822 119,204 120,776 118,876 118,356 119,553 117,470 116,984 117,533 全国計 712,062 687,159 661,879 650,943 653,110 655,296 650,943 648,031 647,154 653,110 645,989 646,572 655,296 644,822 641,371 639,805 629,186 625,899 627,317 前年同月比 増 減 率 2.0 △ 2.1 △ 1.3 △ 1.0 △ 2.0 △ 2.6 △ 1.0 △ 1.6 △ 1.8 △ 2.0 △ 2.3 △ 2.1 △ 2.6 △ 2.4 △ 2.3 △ 1.5 △ 2.4 △ 1.8 △ 1.9 前年同月比 増 減 率 1.1 △ 3.4 △ 3.6 △ 3.5 △ 4.2 △ 3.6 △ 3.5 △ 4.1 △ 4.1 △ 4.2 △ 4.3 △ 4.2 △ 3.6 △ 3.1 △ 3.2 △ 3.3 △ 4.0 △ 3.4 △ 3.6 1. (6)信用金庫の貸出先別貸出金 (単位:億円、%) 年 月 末 1999. 3 6 9 12 2000. 3 6 9 12 01. 3 6 9 12 02. 3 年 月 末 1999. 3 6 9 12 2000. 3 6 9 12 01. 3 6 9 12 02. 3 年 月 末 1999. 3 6 9 12 2000. 3 6 9 12 01. 3 6 9 12 02. 3 貸出金計 712,061 700,718 703,391 710,716 687,157 675,145 681,948 679,261 661,876 650,941 653,108 655,294 639,808 卸売業 43,569 42,764 42,760 43,834 40,922 40,066 40,786 41,165 39,320 38,422 38,442 38,656 36,762 前年同月比 構成比 増 減 率 1.1 100.0 0.9 100.0 0.4 100.0 △ 2.4 100.0 △ 3.4 100.0 △ 3.6 100.0 △ 3.0 100.0 △ 4.4 100.0 △ 3.6 100.0 △ 3.5 100.0 △ 4.2 100.0 △ 3.5 100.0 △ 3.3 100.0 前年同月比 構成比 増 減 率 △ 0.4 6.1 △ 0.4 6.1 △ 0.9 6.0 △ 5.2 6.1 △ 6.0 5.9 △ 6.3 5.9 △ 4.6 5.9 △ 6.0 6.0 △ 3.9 5.9 △ 4.1 5.9 △ 5.7 5.8 △ 6.0 5.8 △ 6.5 5.7 サービス業 前年同月比 構成比 増 減 率 85,769 3.5 12.0 84,633 2.7 12.0 84,895 2.1 12.0 86,043 △ 1.4 12.1 83,373 △ 2.7 12.1 82,384 △ 2.6 12.2 83,126 △ 2.0 12.1 82,497 △ 4.1 12.1 80,128 △ 3.8 12.1 79,363 △ 3.6 12.1 79,423 △ 4.4 12.1 79,910 △ 3.1 12.1 77,123 △ 3.7 12.0 企業向け計 502,529 494,005 495,660 502,810 480,318 470,977 476,987 475,968 459,366 449,957 451,219 452,459 435,080 小売業 52,836 52,030 51,874 51,998 49,905 48,955 48,837 48,337 46,557 45,427 45,088 44,687 42,825 地方公共団体 11,404 9,301 9,540 10,474 11,695 10,169 10,408 10,767 11,762 10,421 10,543 10,871 13,535 前年同月比 構成比 増 減 率 1.4 70.5 1.4 70.4 0.8 70.4 △ 3.1 70.7 △ 4.4 69.8 △ 4.6 69.7 △ 3.7 69.9 △ 5.3 70.0 △ 4.3 69.4 △ 4.4 69.1 △ 5.4 69.0 △ 4.9 69.0 △ 5.2 68.0 製造業 前年同月比 構成比 増 減 率 1.9 7.4 1.6 7.4 1.2 7.3 △ 3.8 7.3 △ 5.5 7.2 △ 5.9 7.2 △ 5.8 7.1 △ 7.0 7.1 △ 6.7 7.0 △ 7.2 6.9 △ 7.6 6.9 △ 7.5 6.8 △ 8.0 6.6 飲食店 前年同月比 構成比 増 減 率 9.8 1.6 7.9 1.3 5.1 1.3 8.7 1.4 2.5 1.7 9.3 1.5 9.0 1.5 2.8 1.5 0.5 1.7 2.4 1.6 1.2 1.6 0.9 1.6 15.0 2.1 113,230 111,760 111,329 114,063 106,973 105,207 106,748 107,136 102,550 100,310 99,538 99,206 94,053 17,331 17,204 17,151 17,121 16,654 16,455 16,344 16,120 15,622 15,362 15,184 15,093 14,524 個 人 198,127 197,411 198,189 197,430 195,143 193,998 194,552 192,525 190,747 190,562 191,345 191,962 191,192 前年同月比 構成比 増 減 率 0.0 15.9 0.1 15.9 △ 0.2 15.8 △ 4.6 16.0 △ 5.5 15.5 △ 5.8 15.5 △ 4.1 15.6 △ 6.0 15.7 △ 4.1 15.4 △ 4.6 15.4 △ 6.7 15.2 △ 7.4 15.1 △ 8.2 14.7 建設業 前年同月比 構成比 増 減 率 1.2 2.4 1.7 2.4 1.1 2.4 △ 2.8 2.4 △ 3.9 2.4 △ 4.3 2.4 △ 4.7 2.3 △ 5.8 2.3 △ 6.1 2.3 △ 6.6 2.3 △ 7.1 2.3 △ 6.3 2.3 △ 7.0 2.2 不動産業 前年同月比 構成比 増 減 率 0.0 27.8 △ 0.5 28.1 △ 0.7 28.1 △ 1.0 27.7 △ 1.5 28.3 △ 1.7 28.7 △ 1.8 28.5 △ 2.4 28.3 △ 2.2 28.8 △ 1.7 29.2 △ 1.6 29.2 △ 0.2 29.2 0.2 29.8 87,712 83,645 85,251 86,678 82,844 78,689 80,620 81,111 78,299 74,099 74,923 74,905 71,366 74,071 74,266 74,842 75,067 73,187 73,022 74,170 73,352 71,861 72,189 74,022 75,289 74,981 前年同月比 構成比 増 減 率 3.1 12.3 3.6 11.9 2.7 12.1 △ 3.3 12.1 △ 5.5 12.0 △ 5.9 11.6 △ 5.4 11.8 △ 6.4 11.9 △ 5.4 11.8 △ 5.8 11.3 △ 7.0 11.4 △ 7.6 11.4 △ 8.8 11.1 前年同月比 構成比 増 減 率 0.6 10.4 0.8 10.5 0.4 10.6 △ 0.5 10.5 △ 1.1 10.6 △ 1.6 10.8 △ 0.8 10.8 △ 2.2 10.7 △ 1.8 10.8 △ 1.1 11.0 △ 0.1 11.3 2.6 11.4 4.3 11.7 住宅ローン 前年同月比 構成比 増 減 率 115,469 4.7 16.2 120,490 7.7 17.1 121,204 6.8 17.2 122,450 6.3 17.2 121,253 5.0 17.6 121,783 1.0 18.0 122,084 0.7 17.9 123,528 0.8 18.1 123,501 1.8 18.6 124,323 2.0 19.0 125,491 2.7 19.2 127,286 3.0 19.4 127,239 3.0 19.8 (備考)1.日本銀行「業種別貸出金調査表」より作成。このため、「日計表」による(5)科目別貸出金、地区別貸出金の貸出金計と は一致しない。 2.企業向け計には、海外円借款、国内店名義現地貸を含む。 統 計 95 1. (7)信用金庫の余裕資金運用状況 (単位:億円、%) 年 月 末 1999. 2000. 01. 01. 3 3 3 6 9 12 01. 5 6 7 8 9 10 11 12 02. 1 2 3 4 5 年 月 末 1999. 2000. 01. 01. 3 3 3 6 9 12 01. 5 6 7 8 9 10 11 12 02. 1 2 3 4 5 年 月 末 1999. 2000. 01. 01. 3 3 3 6 9 12 01. 5 6 7 8 9 10 11 12 02. 1 2 3 4 5 金融機関 預 け 金 買入金銭 貸 付 等 うち全信連 うちコール うち譲渡性 うち信金中金預け金 債 権 預 け 金 短期資金ロ ー ン 135,398( 3.4) 3,041 114,672( 0.3) 17,118 10,338 4,293 7,890 146,973( 8.5) 1,373 129,402( 12.8) 24,425 17,694 5,900 4,182 183,867( 25.1) 2,553 166,783( 28.8) 11,180 ― 7,556 4,134 212,524( 36.7) 1,181 202,018( 41.4) 4,321 ― 2,275 5,572 198,739( 21.8) 1,006 188,616( 27.5) 2,505 ― 2,505 6,023 200,253( 11.5) 1,069 189,089( 15.3) 1,973 ― 1,483 5,120 210,227( 38.8) 1,116 199,749( 43.3) 2,776 ― 2,520 5,384 212,524( 36.7) 1,181 202,018( 41.4) 4,321 ― 2,275 5,572 206,618( 18.1) 1,158 196,156( 21.0) 759 ― 712 5,837 204,910( 23.5) 1,221 194,983( 29.0) 1,151 ― 1,069 5,938 198,739( 21.8) 1,006 188,616( 27.5) 2,505 ― 2,505 6,023 203,096( 20.9) 1,071 193,620( 26.9) 1,145 ― 930 4,995 198,096( 17.0) 784 188,061( 21.7) 1,406 ― 1,276 4,831 200,253( 11.5) 1,069 189,089( 15.3) 1,973 ― 1,483 5,120 192,691( 7.3) 1,039 182,713( 11.6) 1,166 ― 1,116 4,182 196,237( 6.6) 820 186,332( 11.4) 1,125 ― 960 3,307 182,044(△ 0.9) 845 159,156(△ 4.5) 3,004 ― 2,104 2,084 199,939(△ 4.2) 750 187,937(△ 4.8) 1,015 ― 978 2,953 197,701(△ 5.9) 1,176 184,954(△ 7.4) 984 ― 907 3,332 現 金 14,014 14,277 14,238 13,701 13,253 16,082 13,064 13,701 13,485 12,457 13,253 12,813 13,699 16,082 14,854 14,390 19,391 18,322 16,479 金銭の 信 託 4,642 4,725 4,057 4,811 4,866 4,949 4,732 4,811 4,851 4,892 4,866 4,995 4,978 4,949 4,834 4,727 3,103 3,245 3,396 434 535 198 219 179 233 234 219 232 224 179 209 200 233 228 223 188 222 226 有価証券 国 債 180,479 198,272 221,566 226,454 237,974 238,894 221,048 226,454 232,633 236,024 237,974 237,736 238,241 238,894 241,665 241,493 236,169 233,400 233,920 投資信託 12,113 15,654 14,226 21,240 20,379 13,356 20,326 21,240 21,357 21,429 20,379 20,130 16,562 13,356 12,073 11,133 8,034 8,806 8,778 ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( 10.8) 9.8) 11.7) 10.1) 11.7) 15.1) 10.5) 10.1) 10.3) 10.9) 11.7) 12.6) 13.7) 15.1) 14.6) 11.6) 6.5) 5.9) 5.8) 26,736( 37,723( 50,807( 39,692( 47,555( 50,239( 39,382( 39,692( 42,627( 44,404( 47,555( 45,823( 48,295( 50,239( 53,112( 55,763( 58,906( 53,102( 52,418( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( 地方債 社 債 15,345 18,507 20,554 22,007 23,014 24,162 21,461 22,007 22,629 22,815 23,014 23,413 23,519 24,162 24,702 25,061 24,778 24,732 24,990 91,665( 86,672(△ 92,497( 97,358( 98,575( 102,190( 95,093( 97,358( 98,873( 99,339( 98,575( 99,959( 101,003( 102,190( 102,764( 101,358( 99,328( 100,238( 100,361( 公社公団債 11.8) 12,330 5.4) 13,679 6.7) 15,595 9.7) 16,741 6.0) 18,042 9.9) 19,829 8.7) 16,226 9.7) 16,741 9.2) 17,162 8.2) 17,583 6.0) 18,042 7.1) 18,965 8.1) 19,402 9.9) 19,829 10.8) 20,130 9.1) 20,788 7.3) 21,166 7.0) 21,075 5.5) 20,896 余資運用 信金中金 その他の 貸 付 資 産 計 利 用 額 (B) 証 券 有価証券 (A) 4.6) ― 4 359,977 125,010 16.0) ― 5 393,392 147,096 7.4) 346 5 439,243 166,783 8.0) 425 51 467,605 202,018 9.5) 459 5 463,543 188,616 13.8) 475 5 467,508 189,089 8.5) 409 9 457,467 199,749 8.0) 425 51 467,605 202,018 8.7) 431 61 464,418 196,156 10.0) 446 9 465,601 194,983 9.5) 459 5 463,543 188,616 10.4) 462 5 464,991 193,620 11.6) 464 5 461,454 188,061 13.8) 475 5 467,508 189,089 15.6) 484 5 459,623 182,713 13.0) 493 5 461,504 186,332 7.9) 441 5 445,987 159,156 9.0) 496 99 459,100 187,937 8.1) 511 23 456,041 184,954 外 国 証 券 29,449 34,184 36,743 39,883 42,156 42,772 38,621 39,883 40,814 41,793 42,156 42,166 42,670 42,772 42,929 42,107 39,660 40,793 41,755 23.5) 41.0) 34.6) 22.3) 20.5) 38.6) 24.7) 22.3) 22.0) 20.8) 20.5) 20.5) 32.1) 38.6) 33.7) 25.8) 15.9) 21.4) 33.1) 金融債 33,181 29,579 31,849 32,864 33,724 35,255 32,156 32,864 33,566 33,823 33,724 34,165 34,449 35,255 35,604 35,001 34,374 35,108 35,178 その他 46,153 43,412 45,052 47,753 46,808 47,105 46,710 47,753 48,143 47,932 46,808 46,829 47,151 47,105 47,029 45,568 43,787 44,054 44,285 株 式 信金中金月報 2002.8 5,098 5,467 6,325 5,753 5,794 5,659 5,701 5,753 5,799 5,749 5,794 5,740 5,688 5,659 5,559 5,540 4,989 5,111 5,062 貸付信託 64 57 58 41 34 32 41 41 39 35 34 33 33 32 31 30 24 19 19 預貸率 (A)/預金 預証率 (B)/預金(B)/(A) 70.7 67.3 63.7 61.5 61.9 61.7 62.0 61.5 61.6 61.5 61.9 61.6 61.8 61.7 61.8 61.6 62.2 61.0 61.0 35.7 38.5 42.3 44.2 43.9 44.0 43.8 44.2 44.1 44.2 43.9 44.3 44.1 44.0 44.1 44.3 43.3 44.5 44.5 17.9 19.4 21.3 21.4 22.5 22.5 21.1 21.4 22.1 22.4 22.5 22.6 22.7 22.5 23.1 23.2 22.9 22.6 22.8 (備考)1.( )内は前年同月比増減率 2.預貸率=貸出金/預金×100(%)、預証率=有価証券/預金×100(%)(預金には譲渡性預金を含む。) 3.全信連短期資金は、2000年7月に信金中金預け金に統合された。 96 商品有価 証 券 12.4 14.4 16.0 19.0 17.8 17.8 19.1 19.0 18.6 18.5 17.8 18.4 17.9 17.8 17.5 17.9 15.4 18.2 18.0 34.7 37.3 37.9 43.2 40.6 40.4 43.6 43.2 42.2 41.8 40.6 41.6 40.7 40.4 39.7 40.3 35.6 40.9 40.5 2. (1)業態別預貯金等 (単位:億円、%) 年 月 末 信用金庫 国内銀行 前年同月比 増 減 率 (債券、信託 を含む) 1999. 3 1,005,732 2.1 6,243,115 2000. 3 1,020,320 1.4 6,286,755 01. 3 1,038,043 1.7 6,269,731 01. 6 1,057,645 2.0 6,280,892 9 1,053,564 1.7 前年同月比 増 減 率 △ うち預金 前年同月比 増 減 率 大手銀行 (債券、信託 を含む) 前年同月比 増 減 率 うち預金 前年同月比 増 減 率 地方銀行 前年同月比 増 減 率 0.1 4,759,145 0.5 3,896,169 △ 1.5 2,412,199 △ 0.8 1,715,548 1.4 0.6 4,775,244 0.3 3,945,098 1.2 2,433,587 0.8 1,742,961 1.5 △ 0.2 4,820,618 0.9 3,916,013 △ 0.7 2,466,900 1.3 1,785,742 2.4 △ 3.2 4,860,450 △ 2.3 3,900,052 △ 5.1 2,479,610 △ 4.4 1,808,560 0.3 6,246,343 △ 1.1 4,847,128 0.4 3,888,184 △ 1.9 2,488,969 0.7 1,787,442 0.5 0.5 12 1,060,557 0.9 6,308,891 △ 0.3 4,897,859 0.7 3,939,890 △ 0.5 2,528,858 1.4 1,795,647 01. 6 1,057,645 2.0 6,280,892 △ 3.2 4,860,450 △ 2.3 3,900,052 △ 5.1 2,479,610 △ 4.4 1,808,560 0.3 7 1,051,695 1.8 6,237,060 △ 2.7 4,821,504 △ 1.7 3,886,473 △ 4.2 2,470,917 △ 3.0 1,782,634 0.0 8 1,051,471 1.8 6,219,708 △ 0.7 4,811,807 0.9 3,877,125 △ 1.1 2,469,224 1.9 1,777,104 0.3 9 1,053,564 1.7 6,246,343 △ 1.1 4,847,128 0.4 3,888,184 △ 1.9 2,488,969 0.7 1,787,442 0.5 10 1,047,979 1.7 6,210,618 △ 0.3 4,798,462 1.1 3,891,874 △ 0.6 2,479,718 2.2 1,756,302 0.4 11 1,045,150 1.4 6,277,711 △ 0.4 4,870,337 0.9 3,940,877 △ 0.5 2,533,503 2.0 1,773,214 0.1 12 1,060,557 0.9 6,308,891 △ 0.3 4,897,859 0.7 3,939,890 △ 0.5 2,528,858 1.4 1,795,647 0.5 02. 1 1,042,038 0.6 6,270,404 △ 0.1 4,881,199 1.2 3,949,290 0.0 2,560,085 2.9 1,762,850 0.2 2 1,040,019 0.0 6,318,988 0.8 4,930,749 2.4 3,994,461 1.5 2,606,222 5.1 1,766,788 0.0 3 1,028,198 △ 0.9 6,407,428 2.1 5,072,810 5.2 4,033,685 3.0 2,699,067 9.4 1,813,848 1.5 4 1,030,511 △ 1.9 6,549,845 3.2 5,246,466 6.6 4,185,760 5.5 2,882,381 13.5 1,807,259 0.0 5 1,024,452 △ 1.8 6,399,366 1.0 5,093,033 3.7 4,043,867 1.6 2,737,534 7.2 1,801,789 0.6 6 p 1,035,289 △ 2.1 p 4,991,015 4.4 p 2,603,467 8.2 p 1,825,971 1.3 年 月 末 第二地銀 信用組合 前年同月比 増 減 率 労働金庫 前年同月比 増 減 率 農 協 前年同月比 増 減 率 郵便貯金 前年同月比 増 減 率 預貯金等合計 前年同月比 増 減 率 前年同月比 増 減 率 1999. 3 631,398 4.0 202,043 △ 5.3 107,078 4.3 689,959 0.8 2,525,867 5.0 9,289,824 2000. 3 598,696 △ 5.1 191,966 △ 4.9 111,791 4.4 702,555 1.8 2,599,702 2.9 9,401,578 1.8 01. 3 567,976 △ 5.1 180,588 △ 5.9 117,212 4.8 720,944 2.6 2,499,336 △ 3.8 9,376,741 △ 0.2 01. 6 572,280 △ 1.2 180,123 △ 6.7 123,899 5.8 736,028 2.7 2,474,668 △ 4.6 9,432,813 △ 2.1 9 570,717 △ 1.2 175,536 △ 8.8 122,993 5.9 732,472 2.9 2,419,976 △ 6.2 9,351,669 △ 1.1 △ 0.9 1.2 12 573,354 △ 1.6 168,160 △ 10.6 126,977 5.7 745,879 2.6 2,404,964 △ 5.5 9,404,396 01. 6 572,280 △ 1.2 180,123 △ 6.7 123,899 5.8 736,028 2.7 2,474,668 △ 4.6 9,432,813 △ 7 567,953 △ 1.3 178,312 △ 7.2 124,214 5.6 734,051 2.8 2,437,606 △ 5.8 9,347,382 △ 2.1 8 565,479 △ 1.1 176,959 △ 7.9 123,344 5.8 735,284 2.9 2,433,084 △ 6.1 9,331,949 △ 0.8 9 570,717 △ 1.2 175,536 △ 8.8 122,993 5.9 732,472 2.9 2,419,976 △ 6.2 9,351,669 △ 1.1 10 562,442 △ 1.0 172,548 △ 9.4 122,714 5.8 734,918 2.9 2,416,928 △ 6.1 9,293,549 △ 11 563,620 △ 1.5 169,824 △ 10.6 122,503 6.0 734,239 3.0 2,394,828 △ 6.0 9,336,881 △ 0.9 2.1 0.7 12 573,354 △ 1.6 168,160 △ 10.6 126,977 5.7 745,879 2.6 2,404,964 △ 5.5 9,404,396 △ 0.9 02. 1 558,264 △ 2.8 162,893 △ 11.6 126,908 6.6 738,892 2.7 2,399,035 △ 5.1 9,350,965 △ 0.5 2 557,739 △ 1.5 160,020 △ 12.6 126,615 6.4 740,537 2.6 2,403,183 △ 4.7 9,401,123 0.0 3 559,895 △ 1.4 153,541 △ 14.9 125,200 6.8 735,377 2.0 2,394,797 △ 4.1 9,509,923 1.4 4 556,826 △ 2.6 153,147 △ 15.5 127,750 6.2 737,392 1.6 2,395,314 △ 3.9 9,690,580 2.1 5 553,710 △ 2.0 130,097 8.5 2,382,927 △ 3.6 6 p 561,577 △ 1.8 p 2,392,298 △ 3.3 (備考)1.日本銀行「金融経済統計月報」、全国銀行協会「全国銀行預金・貸出金等速報」、郵政事業庁ホームページ等より作成 2.大手銀行は、国内銀行−(地方銀行+第二地銀)の計数 3.国内銀行・大手銀行には、全国内銀行の債券および信託勘定の金銭信託・貸付信託を含めた。 4.国内銀行の速報値は、全国銀行協会発表の全国銀行の計数であり、オフショア勘定を含まない。 統 計 97 2. (2)業態別預金者別預金(月中平残) ①信用金庫 年 月 (単位:億円) 一般法人預金 1999. 3 9 2000. 3 9 01. 3 9 02. 3 4 5 204,029 203,014 201,663 199,134 196,706 193,288 181,922 179,262 179,533 要求払 58,217 56,935 57,805 59,176 60,426 62,320 68,251 83,928 84,952 定期性 145,812 146,079 143,858 139,958 136,280 130,968 113,671 95,334 94,581 個人預金 749,802 759,619 765,582 773,684 789,796 803,119 800,195 800,485 798,378 要求払 130,168 133,994 138,299 142,624 150,355 159,081 182,364 198,711 199,459 定期性 619,634 625,625 627,283 631,060 639,441 644,038 617,831 601,774 598,919 公金預金 23,304 30,319 25,373 31,178 26,132 30,444 23,850 24,907 25,460 要求払 2,191 2,257 2,548 2,194 2,560 2,617 4,926 14,107 14,105 定期性 21,113 28,062 22,825 28,984 23,572 27,827 18,924 10,800 11,355 金融機関預金 22,985 22,260 22,257 20,386 18,833 17,401 18,486 17,551 17,283 ②都市銀行 年 月 (単位:億円) 一般法人預金 1999. 3 9 2000. 3 9 01. 3 9 02. 3 4 5 704,612 727,991 728,506 677,393 692,807 686,764 784,604 857,255 845,626 要求払 340,224 364,016 408,961 363,124 390,654 413,809 532,178 629,653 624,382 定期性 364,388 363,975 319,545 314,269 302,153 272,955 252,426 227,602 221,244 個人預金 1,074,099 1,088,166 1,095,942 1,103,780 1,130,031 1,151,238 1,196,443 1,208,985 1,206,041 要求払 358,518 380,662 401,337 417,220 439,352 474,612 570,535 608,050 610,787 定期性 715,581 707,504 694,605 686,560 690,679 676,626 625,908 600,935 595,254 公金預金 49,642 57,802 49,460 54,074 43,020 38,631 50,076 66,316 62,915 要求払 14,762 14,015 16,502 10,961 15,772 15,371 33,130 56,348 53,324 定期性 34,880 43,787 32,958 43,113 27,248 23,260 16,946 9,968 9,591 金融機関預金 90,854 114,757 123,268 41,850 51,536 62,341 66,278 196,106 191,073 ③地方銀行 年 月 410,536 409,681 411,800 409,054 405,531 393,945 387,667 397,624 400,223 要求払 174,538 175,270 183,521 185,836 191,888 197,180 218,206 257,714 262,276 定期性 235,998 234,411 228,279 223,218 213,643 196,765 169,461 139,910 137,947 個人預金 1,126,231 1,142,676 1,161,140 1,190,686 1,217,626 1,236,653 1,257,148 1,261,224 1,258,882 要求払 306,237 317,648 333,922 347,183 370,204 393,763 452,798 481,402 483,817 定期性 819,994 825,028 827,218 843,503 847,422 842,890 804,350 779,822 775,065 公金預金 91,982 113,338 92,392 112,217 91,769 86,582 75,445 99,126 92,034 要求払 19,678 21,130 23,325 19,937 25,803 22,828 31,826 62,963 56,808 定期性 72,304 92,208 69,067 92,280 65,966 63,754 43,619 36,163 35,226 金融機関預金 37,357 27,980 28,652 21,015 22,728 19,162 20,224 17,085 15,849 ④第二地銀 年 月 1999. 3 9 2000. 3 9 01. 3 9 02. 3 4 5 合 計 1,674,672 1,700,438 1,701,786 1,743,566 1,749,784 1,755,568 1,757,379 1,788,926 1,780,724 (単位:億円) 一般法人預金 148,840 141,174 139,505 131,511 128,602 124,775 19,245 119,097 118,467 要求払 49,875 48,006 49,020 48,176 49,809 51,088 57,919 72,316 72,213 定期性 98,965 93,168 90,485 83,335 78,793 73,687 61,326 46,781 46,254 個人預金 429,995 417,888 415,022 398,419 401,736 406,573 406,752 406,025 404,866 要求払 78,753 79,546 82,699 82,915 89,168 94,688 110,247 120,404 120,586 定期性 351,242 338,342 332,323 315,504 312,568 311,885 296,505 285,621 284,280 公金預金 23,451 25,551 20,963 24,409 19,872 19,732 15,600 17,147 16,848 (備考)1.日本銀行「金融経済統計月報」より作成 2.合計には政府関係預り金および一般法人・個人・公金の外貨預金等を含む。 98 合 計 1,984,601 2,057,495 2,077,048 1,959,532 2,001,074 2,025,161 2,183,827 2,418,306 2,396,194 (単位:億円) 一般法人預金 1999. 3 9 2000. 3 9 01. 3 9 02. 3 4 5 合 計 1,000,784 1,015,888 1,015,731 1,025,384 1,032,422 1,045,201 1,025,478 1,022,799 1,021,286 信金中金月報 2002.8 要求払 1,941 1,964 1,847 1,711 1,888 1,993 3,414 9,569 9,455 定期性 21,510 23,587 19,116 22,698 17,984 17,739 12,186 7,578 7,393 金融機関預金 20,396 14,677 13,453 10,235 8,279 7,135 7,602 7,239 6,721 合 計 624,760 601,003 590,926 566,389 560,520 560,384 551,463 551,079 548,389 2. (3)業態別貸出金 (単位:億円、%) 年 月 末 信用金庫 国内銀行 前年同月比 増 減 率 信用組合 前年同月比 増 減 率 大手銀行 前年同月比 増 減 率 地方銀行 前年同月比 増 減 率 第二地銀 前年同月比 増 減 率 前年同月比 増 減 率 1999. 3 712,062 1.1 4,726,096 △ 1.1 2,816,451 △ 2.0 1,382,439 0.1 527,206 0.3 154,204 2000. 3 687,159 △ 3.4 4,634,849 △ 1.9 2,788,233 △ 1.0 1,340,878 △ 3.0 505,738 △ 4.0 142,433 △ 8.3 △ 7.6 01. 3 661,879 △ 3.6 4,569,652 △ 1.4 2,746,303 △ 1.5 1,357,418 1.2 465,931 △ 7.8 133,612 △ 01. 6 650,943 △ 3.5 4,472,873 △ 1.3 2,687,822 △ 1.4 1,339,717 0.9 445,334 △ 6.7 129,207 △ 7.6 9 653,110 △ 4.2 4,505,649 △ 2.0 2,707,350 △ 2.3 1,349,981 0.1 448,318 △ 6.7 128,275 △ 7.9 △ 10.3 6.1 12 655,296 △ 3.6 4,482,233 △ 3.3 2,668,942 △ 4.1 1,362,043 △ 0.3 451,248 △ 7.1 123,780 01. 6 650,943 △ 3.5 4,472,873 △ 1.3 2,687,822 △ 1.4 1,339,717 0.9 445,334 △ 6.7 129,207 △ 7.6 7 648,031 △ 4.1 4,454,333 △ 1.9 2,672,079 △ 2.1 1,337,489 0.2 444,765 △ 7.1 128,610 △ 8.0 8 647,154 △ 4.1 4,439,956 △ 2.2 2,663,193 △ 2.3 1,334,299 △ 0.1 442,464 △ 7.1 128,229 △ 7.6 9 653,110 △ 4.2 4,505,649 △ 2.0 2,707,350 △ 2.3 1,349,981 0.1 448,318 △ 6.7 128,275 △ 10 645,989 △ 4.3 4,437,469 △ 2.3 2,657,769 △ 2.7 1,336,120 0.0 443,580 △ 6.7 127,062 △ 7.9 11 646,572 △ 4.2 4,431,964 △ 2.8 2,650,023 △ 3.4 1,338,207 △ 0.1 443,734 △ 6.9 123,719 △ 10.3 12 655,296 △ 3.6 4,482,233 △ 3.3 2,668,942 △ 4.1 1,362,043 △ 0.3 451,248 △ 7.1 123,780 △ 10.3 02. 1 644,822 △ 3.1 4,430,334 △ 3.3 2,640,107 △ 4.3 1,345,925 0.0 444,302 △ 7.3 122,177 △ 10.4 2 641,371 △ 3.2 4,425,105 △ 3.1 2,631,261 △ 4.5 1,350,115 △ 0.1 443,729 △ 4.2 121,509 △ 10.4 3 639,805 △ 3.3 4,406,096 △ 3.5 2,601,800 △ 5.2 1,359,864 0.1 444,432 △ 4.6 119,082 △ 10.8 4 629,186 △ 4.0 4,348,635 △ 3.3 2,576,193 △ 4.4 1,334,929 △ 0.7 437,513 △ 4.9 115,775 △ 12.5 5 625,899 △ 3.4 4,315,123 △ 3.1 2,551,310 △ 4.5 1,328,934 △ 0.2 434,879 △ 3.2 6 p 627,317 △ 3.6 p 4,307,543 △ 3.5 p 2,541,861 △ 5.1 p 1,330,342 △ 0.4 p 435,340 △ 2.2 前年同月比 増 減 率 うち中小 企業向け 前年同月比 増 減 率 うち住宅 金融公庫 前年同月比 増 減 率 年 月 末 労働金庫 農業協同組合 前年同月比 増 減 率 公的金融機関 前年同月比 増 減 率 7.9 合 計 前年同月比 増 減 率 1999. 3 70,935 7.0 220,260 2.7 1,578,087 3.1 285,072 2.9 721,450 △ 0.4 7,390,709 0.0 2000. 3 73,830 4.0 220,863 0.2 1,717,617 8.8 297,448 4.3 745,413 3.3 7,402,921 0.1 01. 3 76,213 3.2 220,078 △ 0.3 1,720,450 0.1 293,556 △ 1.3 759,220 1.8 7,305,671 △ 1.3 01. 6 75,897 3.4 218,777 △ 0.6 1,724,501 △ 0.3 291,453 △ 1.1 760,776 0.5 7,196,301 △ 9 76,753 3.4 219,634 △ 0.8 1,709,448 △ 0.3 290,871 △ 1.6 752,343 0.0 7,216,116 △ 1.9 1.4 12 78,902 4.9 217,190 △ 1.3 1,698,776 △ 1.2 291,741 △ 1.6 743,206 △ 1.9 7,177,275 △ 2.9 01. 6 75,897 3.4 218,777 △ 0.6 1,724,501 △ 0.3 291,453 △ 1.1 760,776 0.5 7,196,301 △ 1.4 7 75,755 3.2 219,256 △ 0.7 1,721,744 0.0 288,323 △ 1.6 757,899 0.4 7,171,974 △ 1.8 8 76,005 3.2 219,616 △ 0.8 1,718,081 0.0 286,909 △ 1.7 757,111 0.5 7,153,036 △ 1.9 9 76,753 3.4 219,634 △ 0.8 1,709,448 △ 0.3 290,871 △ 1.6 752,343 0.0 7,216,116 △ 1.9 10 77,483 3.9 218,811 △ 0.7 1,700,187 △ 0.7 286,447 △ 1.8 749,126 △ 0.6 7,129,518 △ 2.2 11 78,361 4.5 218,546 △ 1.0 1,698,036 △ 1.0 287,085 △ 1.9 747,190 △ 1.2 7,118,837 △ 2.6 12 78,902 4.9 217,190 △ 1.3 1,698,776 △ 1.2 291,741 △ 1.6 743,206 △ 1.9 7,177,275 △ 2.9 02. 1 78,632 5.4 215,984 △ 1.2 1,689,277 △ 1.6 287,054 △ 1.7 738,218 △ 2.8 7,102,594 △ 3.0 2 79,277 5.7 216,095 △ 1.3 1,681,658 △ 2.0 286,263 △ 1.6 732,548 △ 3.7 7,085,738 △ 3 81,054 6.3 217,357 △ 1.2 288,025 △ 1.8 4 81,232 7.1 215,457 △ 1.7 5 80,913 6.8 283,999 △ 2.4 282,271 △ 2.0 2.9 6 (備考)1.日本銀行「金融経済統計月報」および全国銀行協会「全国銀行預金・貸出金等速報」より作成 2.大手銀行は、国内銀行−(地方銀行+第二地銀)の計数 3.公的金融機関は、日本政策投資銀行、国際協力銀行、国民生活金融公庫、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業 金融公庫、公営企業金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、商工組合中央金庫の合計 4.公的金融機関のうち中小企業向けは、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫の合計 5.国内銀行の速報値は、全国銀行協会発表の全国銀行の計数であり、オフショア勘定を含まない。 統 計 99 2. (4)業態別貸出先別貸出金 ①信用金庫 (単位:億円、%) 合 計 年 月 前年同月比 増 減 率 企 業 地方公共 団 体 前年同月比 前年同月比 う ち 前年同月比 構成比 構成比 構成比 増 減 率 中小企業 増 減 率 増 減 率 個 人 前年同月比 構成比 増 減 率 1999. 3 712,981 1.2 503,366 1.5 70.6 503,366 1.5 70.6 11,404 9.8 1.5 198,211 0.0 27.8 2000. 3 687,157 △ 3.6 480,319 △ 4.5 69.8 480,319 △ 4.5 69.8 11,695 2.5 1.7 195,143 △ 1.5 28.3 01. 3 661,877 △ 3.6 459,368 △ 4.3 69.4 459,368 △ 4.3 69.4 11,762 0.5 1.7 190,747 △ 2.2 28.8 6 650,941 △ 3.5 449,958 △ 4.4 69.1 449,958 △ 4.4 69.1 10,421 2.4 1.6 190,562 △ 1.7 29.2 29.2 9 653,108 △ 4.2 451,220 △ 5.4 69.0 451,220 △ 5.4 69.0 10,543 1.2 1.6 191,345 △ 1.6 12 655,294 △ 3.5 452,461 △ 4.9 69.0 452,461 △ 4.9 69.0 10,871 0.9 1.6 191,962 △ 0.2 29.2 02. 3 640,171 △ 3.2 435,392 △ 5.2 68.0 435,392 △ 5.2 68.0 13,535 15.0 2.1 191,244 0.2 29.8 ②都市銀行 (単位:億円、%) 合 計 年 月 1999. 3 2,084,340 2000. 3 2,141,530 前年同月比 増 減 率 △ 企 業 2.2 1,597,643 2.7 1,648,952 地方公共 団 体 前年同月比 前年同月比 う ち 前年同月比 構成比 構成比 構成比 増 減 率 中小企業 増 減 率 増 減 率 △ 個 人 前年同月比 構成比 増 減 率 3.1 76.6 957,093 △ 8.6 45.9 19,399 △ 0.3 0.9 467,298 0.6 22.4 3.2 76.9 963,863 0.7 45.0 19,716 1.6 0.9 472,862 1.1 22.0 01. 3 2,119,505 △ 1.0 1,629,722 △ 1.1 76.8 1,026,928 6.5 48.4 17,419 △ 11.6 0.8 472,364 △ 0.1 22.2 6 2,063,588 △ 1.7 1,574,428 △ 2.6 76.2 963,854 △ 3.9 46.7 15,961 △ 5.8 0.7 473,199 1.3 22.9 9 2,062,425 △ 3.2 1,572,970 △ 4.2 76.2 974,687 △ 5.5 47.2 15,819 △ 8.3 0.7 473,636 0.6 22.9 12 2,040,551 △ 4.0 1,552,245 △ 5.3 76.0 938,966 △ 7.1 46.0 16,357 △ 2.9 0.8 471,949 0.4 23.1 02. 3 2,009,408 △ 5.1 1,514,737 △ 7.0 75.3 939,032 △ 8.5 46.7 17,331 △ 0.5 0.8 477,340 1.0 23.7 ③地方銀行 (単位:億円、%) 合 計 年 月 1999. 3 1,381,020 2000. 3 1,340,065 01. 3 1,349,871 6 1,322,198 9 1,330,721 12 02. 3 前年同月比 増 減 率 企 業 地方公共 団 体 前年同月比 前年同月比 う ち 前年同月比 構成比 構成比 構成比 増 減 率 中小企業 増 減 率 増 減 率 個 人 0.1 1,047,276 △ 1.3 75.8 745,745 △ 1.2 53.9 65,793 11.5 4.7 267,951 3.4 2.9 995,983 △ 4.8 74.3 705,696 △ 5.3 52.6 63,607 △ 3.3 4.7 280,475 4.6 20.9 0.7 988,478 △ 0.7 73.2 755,749 7.0 55.9 63,033 △ 0.9 4.6 298,360 6.3 22.1 △ 0.3 963,493 △ 2.2 72.8 726,064 △ 3.1 54.9 57,590 7.4 4.3 301,115 4.8 22.7 △ 0.7 966,275 △ 2.7 72.6 728,915 △ 4.1 54.7 58,017 5.5 4.3 306,429 5.0 23.0 1,348,691 △ 0.7 976,223 △ 3.0 72.3 729,202 △ 4.7 54.0 61,792 6.6 4.5 310,676 5.8 23.0 1,342,820 △ 0.5 958,419 △ 3.0 71.3 715,727 △ 5.2 53.3 68,389 8.4 5.0 316,012 5.9 23.5 △ ④第二地銀 年 月 前年同月比 構成比 増 減 率 19.4 (単位:億円、%) 合 計 前年同月比 増 減 率 企 業 地方公共 団 体 前年同月比 前年同月比 う ち 前年同月比 構成比 構成比 構成比 増 減 率 中小企業 増 減 率 増 減 率 個 人 前年同月比 構成比 増 減 率 1999. 3 526,598 0.3 381,699 △ 1.1 72.4 319,705 △ 1.6 60.7 10,154 107.3 1.9 134,745 0.8 2000. 3 505,100 △ 4.0 362,746 △ 4.9 71.8 302,931 △ 5.2 59.9 9,380 △ 7.6 1.8 132,974 △ 1.3 26.3 01. 3 464,795 △ 7.9 327,251 △ 9.7 70.4 288,575 △ 4.7 62.0 10,081 7.4 2.1 127,463 △ 4.1 27.4 6 443,550 △ 7.0 309,280 △ 10.0 69.7 271,129 △ 11.0 61.1 7,602 11.3 1.7 126,668 0.3 28.5 9 446,567 △ 6.9 310,235 △ 9.8 69.4 270,577 △ 11.2 60.5 8,500 2.8 1.9 127,832 0.2 28.6 12 450,168 △ 7.1 312,233 △ 10.3 69.3 271,910 △ 11.5 60.4 8,701 6.4 1.9 129,234 0.6 28.7 02. 3 442,591 △ 4.7 302,309 △ 68.3 263,305 △ 8.7 59.4 10,141 0.5 2.2 130,141 2.1 29.4 7.6 (備考)1.日本銀行「金融経済統計月報」より作成 2.信用金庫の企業向け貸出は、すべて中小企業向け貸出とみなした。 100 信金中金月報 2002.8 25.5 ISSN 1346−9479 2002年( 平 成14年 ) 8月1日 発行 2002年8月号 第1巻 第9号( 通 巻349号 ) 発 行 信金中央金庫 編 集 信金中央金庫 総合研究所 〒1 0 4−0031 東京都中央区京橋3−8−1 T E L 0 3( 3 5 6 3 )7 5 4 1 F A X 0 3( 3 5 6 3 )7 5 5 1 印 刷 十一房印刷工業株式会社 <本誌の無断転用、転載を禁じます>