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平成 24年度 官公需における中小企業者の 受注成功事例

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平成 24年度 官公需における中小企業者の 受注成功事例
平成24年度
官公需における中小企業者の
受注成功事例等に関する調査事業
報 告 書
中 小 企 業 庁
目
次
事業概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
Ⅰ.事業目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
Ⅱ.事業内容
1.官公需施策の効果的な周知方法の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
・官公需普及啓発委員会の開催
2.中小企業者の受注成功事例調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
3.官公需適格組合制度の課題・有効的な活用方法の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
・官公需適格組合全国意見交換会の開催
4.施策周知資料の作成及び周知・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
参考1 官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
参考2 平成24年度中小企業者に関する国等の契約の方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
参考3 「平成24年度中小企業者に関する国等の契約の方針」の実施について
(経済産業大臣名文書)・・・・・・・・・・・・25
参考4 官公需適格組合制度の活用について(中小企業庁長官名文書)・・・・・・・・・・・・26
参考5 (1)国等の官公需契約目標及び契約実績・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
(2)地方公共団体の官公需契約実績の推移・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
(別紙)中小企業者における官公需受注成功事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
事業概要
Ⅰ.事業目的
官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律(以下、官公需法)に基づき、
国等は中小企業者の官公需の受注機会の増大に努めている。
本調査事業では、官公需法に基づき毎年閣議決定している「中小企業者に関する国等の
契約の方針」に基づき、官公需施策を活用した中小企業者の官公需受注成功事例等を収集
し、これを普及・啓発することにより、官公需についての中小企業者の受注機会の増大の
促進を図ることを目的とする。
Ⅱ.事業内容
1.官公需施策の効果的な周知方法の検討
官公需施策に知見を有する者、中小企業者の経営に知見を有する者と、①現在の官
公需施策に関する意見、②官公需適格組合全国意見交換会の議題、③官公需受注成功
事例の収集方法等について検討する「官公需普及啓発委員会」を開催した。
・
「官公需普及啓発委員会」の開催
開催日時:平成24年11月8日(木)14:00~16:00
開催場所:全国中小企業団体中央会6階研修室
東京都中央区新川1-26-19全中・全味ビル
出席者 14名(委員8名、中小企業庁3名 事務局3名)
委員長
伊藤 公一(千葉商科大学商経学部教授)
有識者
清水 透(中小企業診断士)
有識者
中山 和彦(中小企業診断士)
業界委員 越田 英喜(協同組合ジャパンプロデューサーズユニオン理事長)
業界委員 浦上 裕史(相模原事務用品協同組合監事)
業界委員 五十畑 正美(全日本電気工事業工業組合連合会常任理事・事務局長)
業界委員 黒田 美喜男(全国ビルメンテナンス協同組合連合会 受注委員会委員長)
業界委員 坂井 信(全国石油業共済協同組合連合会 理事・企画調査グループ長)
事務局
丸山 博志(全国中小企業団体中央会政策推進部副部長)
事務局
難波 智雄(
〃
〃
部長代理)
事務局
富重 真樹子(
〃
〃
主事補)
主な検討事項・意見等
<官公需施策等に関する意見>
・官公需施策の普及のためにも、経済産業省だけではなく工事発注の多い国土交通
省の名前を入れたパンフレットを作成して省庁での連携を図ってほしい。
・地方自治体では東日本大震災の発生により地域貢献に対する評価を真剣に考えて
いるところがある。国はこうした地方自治体に対する後押しを強化すべき。
-1-
業界側委員からは、随意契約の柔軟な活用について、特に、官公需適格組合に対し
ては随意契約を率先して活用できるように活動すべきとの意見があったが、これに対
し、有識者からは、中小企業者においても営業活動や制度普及など自助努力が必要で
ある。価格以外の特徴となる地域貢献等を総合評価方式において高く評価してもらえ
るような検討を行い工夫する必要がある。発注機関にとって、中小企業・中小企業組
合を活用することにより住民サービスの向上等につながる事例をアピールすること
が重要である、とした意見もあった。
<事例の選定等について>
・地域を巻き込んだ取組により受注の成功をしている事例を収集すべき。
・地域に貢献する組合事例を掲載し適格組合のPRとする。
<事例選定にあたっての主なテーマ>
・雇用確保(高齢者・新卒者・障害者等)
・環境への配慮(エコアクション21・ISOの取得等)
・災害協定締結・社会貢献活動の実施等
・特徴ある取組(新規商品開発、営業方法等)
本委員会ではこれらの趣旨を踏まえ、官公需受注成功事例について検討を行い、調査対
象候補を選定した。
なお、官公需施策を活用し、又は独自の取組により中小企業者が官公需受注に至った事
例を47都道府県中小企業団体中央会に対して推薦依頼した結果、下記93事例の推薦が
あった。本事業による受注成功事例調査の目的を踏まえ、官公需普及啓発委員会にて調査
対象先を図った。
【事前調査】
○調査期間:平成24年10月24日~11月5日
○調査対象先:47都道府県中小企業団体中央会
○調査方法:メール及び書物
○調査項目:組合概要、主な受注機関、受注等の経緯 等
○調査結果:93事例
官公需普及啓発委員会において、上記事例候補等について検討したところ、業種、取組
内容等のバランスを鑑み、下記の中小企業者について調査対象とすることが了承された。
また、物品の事例が少ないこと、電気工事、水道管工事においては各地で同様の取組が
行われていることより、その中で成功事例となる先進的な取組について、委員会終了後に
委員から推薦を受けることとした。
なお、本事業での事例調査数は20程度となっていることから残りの調査先については
普及啓発委員会委員長及び事務局に一任され調査を行った。
-2-
【官公需普及啓発委員会において決定した調査先】
・全国石油業共済協同組合連合会
・岩手県総合建設業協同組合
・岩手県ビル管理事業協同組合
・宮城県管工業協同組合
・宮下地区建設業協同組合
・土岐市陶磁器卸商業協同組合
・広島県ビルメンテナンス協同組合
・熊本県セキュリティ協同組合
・熊本県害虫消毒協同組合
・沖縄県福祉介護タクシー事業協同組合
【委員からの推薦により決定した調査先】
・株式会社ユーメディア
・協業組合仙台清掃公社
・企業組合群馬中高年雇用福祉事業団
・埼玉県電気工事工業組合
・合資会社木と字の神林
・株式会社ハイスポット
・相模原市印刷広告協同組合
・敦賀市管工事協同組合
・引越専門協同組合中四国
-3-
2.中小企業者の受注成功事例調査※調査実施順
<調査概要>
1.【環境取組】
企業名 :株式会社上田屋
調査日 :平成24年12月17日(月)
調査方法:面談調査(場所:株式会社上田屋事務所(京都府京都市))
(*経済産業省日用品室からの推薦)
概
要:ISO14001、KES、エコアクション21の環境認証を取得している中小事
業者及びエコ京都21の認定・登録を受けている中小事業者(いずれも府内に本店、
支店、営業所等を有する者)から優先して物品を調達する京都府のグリーン入札制
度を活用し入札に参加している。
2.【特徴ある取組】
組合名 :広島県ビルメンテナンス協同組合(官公需適格組合 役務)
調査日 :平成24年11月27日(火)
調査方法:面談調査(場所:広島県ビルメンテナンス協同組合事務所(広島県広島市)
)
概
要:組合員の売上等を合算して上位の等級に格付けする「総合点数算定特例制度」を活
用し、Aランクを取得。組合員単独では受注できない大型案件や大規模イベント等
を受注している。広島県県営住宅の指定管理業務では、実施企業の選定を輪番制で
はなく、組合員からの提案による応募型を採用。これにより「組合員の責任による
事業配分」を実現し、組合員が「提案力、技術力、地域性を評価されて組合に選ば
れた」という自覚を持って事業を行っている。
3.【特徴ある取組】
組合名:引越専門協同組合中四国(官公需適格組合 役務)
調査日 :平成24年11月27日(火)
調査方法:面談調査(場所:引越専門協同組合中四国事務所(広島県広島市)
)
概
要:引越のプロとしての高品質なサービスの提供、他事業者との優位性を確保するため
の各種取組を実施。業界初の取組として「引越管理士認定制度」を設け、組合にて
認定制度の講座を行い、現在、全国では980人の引越管理士が活躍している。さ
らに環境・安全への対応にも力を入れており、ISO14001 及びG マークの
認証推進等も積極的に行っている。
4.【地域貢献】
組合名:宮城県管工業協同組合(官公需適格組合 工事)
調査日:平成24年11月下旬
調査方法:電話・メール調査
概
要:阪神・淡路大震災での対応を教訓に、平成9年に仙台市と「災害時等における水道施
設復旧等の応援に関する協定」を、平成19年には「大規模災害時における主要公共
-4-
施設等の宅内給水・排水設備の応急復旧措置に関する協定」を締結。東日本大震災発
生後にはこれら協定に基づき、不眠不休で水道施設復旧活動を行った。
【特徴ある取組】
5.
組合名:岩手県総合建設業協同組合(官公需適格組合 工事)
調査日:平成24年12月3日
調査方法:面談調査(岩手県総合建設業協同組合事務局内(岩手県盛岡市))
概
要:建築物の外壁落下防止及び外壁の耐久力を高める「GNスーパーピンネット工法」の施
工認定を取得。これを組合の強みとして発注機関に積極的な営業活動を展開した結果、
盛岡市の建築改修工事仕様書に「GNスーパーピンネット工法と同等とする」とした条
件が盛りこまれるまでに至り、現在では市内小中学校や市営アパートの改修工事に広く
採用されている。
6.【特徴ある取組】
組合名:岩手県ビル管理事業協同組合(官公需適格組合 役務)
調査日:平成24年12月3日
調査方法:面談調査(岩手県ビル管理事業協同組合事務所(岩手県盛岡市))
概
要:他地域より大手資本等が参入したことにより、低価格競争が激化するなど、厳しい環境
下にあるが、県内の総合管理サービス業として品質向上を徹底し、人材育成、雇用環境
の整備等を積極的に行い官公需適格組合ならではの質の高いサービス(役務)を提供し
ている。これらの実績が認められ、岩手県公共施設(岩手産業文化センター、岩手県民
情報交流センター)の総合施設管理業務を指定管理者として受注している。また、県内
開催の全国規模のイベント(全国菓子大博覧会岩手大会98、三陸・海の博覧会92)
においても管理業務等について一括受注した実績を有する。
7.
【特徴ある取組】
企業名:合資会社「木と字の神林」
調査日:平成24年12月14日(金)
調査方法:面談調査(合資会社木と字の神林事務所内(東京都町田市))
概
要:書道文化の衰退に歯止めをかけるため、墨汁を使わず水で何度でも文字を書ける再利
用可能な半紙「水書きグー」を開発。書道の練習がいつでも、どこでも手軽にでき、
半紙は黒・赤・緑・青・桃の5色と多彩。平成23年9月に東京都のトライアル発注
制度の認定を受け、特別支援学校を含む都内60数校への営業に対し、約40校から
購入の申込みがあり数百万円の受注となった。製品を使用した学校等からの評価は高
く、それらの意見を参考にさらなる改善と販路拡大を図る。
8.【環境取組】
組合名:協業組合仙台清掃公社(官公需適格組合 役務)
調査日:平成24年12月21日(金)
-5-
調査方法:面談調査(協業組合仙台清掃公社事務所(宮城県仙台市)
)
概
要:組合創立より40年が経ち、環境保全に寄与する組合という自負のもと、地元仙台から東
北地域において事業を展開し、企業及び自治体より厚い信頼を得ている。これからも「廃
棄物の処理及び清掃に関する法律」等を順守し、廃棄物の適正かつ適切な処理はもとより、
東北地方で初となるRPF(廃プラスチック類の固形燃料)製造工場をはじめとしたリサ
イクル施設の活用により、循環型社会をより積極的に推進していく。
9.【雇用確保取組】
企業名:株式会社 ユーメディア
調査日:平成24年12月21日(金)
調査方法:面談調査(株式会社 ユーメディア事務所内(宮城県仙台市)
)
概
要:東日本大震災が発生した平成23年3月は地方公共団体より受注し毎月発行している
広報誌の印刷が震災の影響で出来なかったが、加盟する全国ネットワークで従来より
付き合いのあった他県の印刷業者に代替生産を依頼して発行をし、休刊にすることな
く地域住民へ情報提供することができた。さらに、宮城県の公募型プロポーザル入札
による緊急雇用創出事業(情報発信事業)も受託し、被災者を平成23年度は40人、
24年度は30人雇用している。被災地の状況、復興に向けて活動する人々を取材し、
ホームページやブログ等にて情報発信をするなど東日本大震災の復興に貢献してい
る。
10.
【地域貢献】
組合名:埼玉県電気工事工業組合(官公需適格組合 役務)
調査日:平成25年1月15日(火)
調査方法:面談調査(埼玉県電気工事工業組合事務所(埼玉県大宮市)
)
概
要:ISOの品質、環境、情報の認証を取得し、組合の業務体制を確立させる中、埼玉県
から電気工事業者保安講習及び電気工事士免状交付事務を受託している。平成24年
9月には、県下全市町村と締結している防災協定の一環として、埼玉県一斉の「外灯
点検(2万灯)」及び「ごみゼロ運動」を実施した。また、毎年11月には森林保全
活動を通じて秩父地域で桧木の枝打ちを実施するなど、積極的なボランティア活動を
通じて組合の存在意識を高める活動を展開している。官公需適格組合証明を同年7月
に取得し、今後さらなる活動の幅を広げていくこととしている
【特徴ある取組】
11.
組合名:熊本県セキュリティ協同組合(官公需適格組合 役務)
調査日:平成25年1月16日(水)
調査方法:面談調査(熊本県セキュリティ協同組合事務所内(熊本県熊本市)
)
概
要:熊本県八代市の「やつしろ全国花火競技大会」をはじめとする、1社では対応が困難
である大規模な警備業務を共同で受注している。延200人/日を要する警備業務も
あるが、組合の動員力によって地元大手警備会社との競合に勝ち、受注に成功してい
-6-
る。組合員企業に属する、警備員総数は1,000名を超えており、県下で唯一かつ
最大規模の組合であることが組合の付加価値となっている。平成22年度からは、熊
本県の緊急雇用対策事業である安全パトロール事業を受注し、犯罪件数が過去と比較
して減少していることなど地域住民の安心・安全に寄与している。
【地域貢献】
12.
組合名:熊本県害虫消毒協同組合(官公需適格組合 役務)
調査日:平成25年1月16日(水)
調査方法:面談調査(熊本県害虫消毒協同組合事務所内(熊本県熊本市)
)
概
要:熊本県害虫消毒協同組合は、平成24年3月末に熊本市と「大規模災害等発生時の防
疫活動に関する協定」を締結した。協定締結から約3ヵ月後の7月 12 日に九州豪雨
が発生し、熊本県竜田地区では白川の氾濫による浸水等の被害が出た。協定を締結し
た矢先での大きな災害となったため、組合は先の協定に基づき、浸水した家庭への消
毒作業を随意契約により一括受注した。熊本市からの派遣により組合が消毒作業を行
ったことは住民の安心感にもつながった。今後は熊本県との災害協定も締結予定とし
ている。
13.
【特徴ある取組】
企業名:株式会社ハイスポット
調査日:平成25年1月23日(水)
調査方法:面談調査(株式会社ハイスポット事務所(神奈川県相模原市)
)
概
要:神奈川県相模原市において「相模原市トライアル発注認定制度」が設けられており、
平成24年に相模原市で認定された「救急隊員 NaVi」の開発会社社長は「救急車両到
着後、受け入れ先確定までの時間短縮に向けて開発したシステム。認定により市の広
報誌や展示会などで積極的に紹介してくれるため非常によいPRとなっている。取引
先が拡大できた。」と述べる。
14.
【特徴ある取組】
組合名:相模原市印刷広告協同組合(官公需適格組合 物品)
調査日:平成25年1月29日(火)
調査方法:面談調査(相模原市印刷広告協同組合(神奈川県相模原市)
)
概
要:平成22年、相模原市の政令市指定都市への移行にあわせて「ナイスガイドさがみは
ら2010-2011年版」の制作に関わる協定を締結した。同ガイドは防災、救急
や保健・福祉など市民の日常生活に欠かせない情報を集約した冊子。平成20年に相
模原市より委託を受けて組合が広告主を集めて作成した経緯があり、市も配送費など
の一部を負担した。2度目の発行に当たり、市では、財政的な問題もあったことから
廃刊も含め存続の有無を検討していたが、組合が広告主を募り、制作から配送にかか
る費用のすべてを広告料で賄って発行することを提案した。これにより市の負担は軽
減でき、市民に対する行政サービスの低下も回避することができた。組合は、発注機
-7-
関や支援機関・関連団体等と関わり、イベント等のチラシの再利用化や電子ブックで
の情報発信等様々な企画を提案し、地元の企業、自治会、市民の協力と理解を得て、
住みやすい町づくりに貢献している。
15.
【地域貢献】
組合名:敦賀市管工事協同組合
調査日:平成25年1月29日(火)
調査方法:面談調査(敦賀市管工事協同組合事務所(福井県敦賀市)
)
概
要:組合は、敦賀市から365日24時間体制で上水道の漏水修理業務を受託している。
安全パトロール(年4回)、配水管洗管作業(年1回5日間)の実施、ひとり暮らし
高齢者宅配管設備点検ボランティアなども行い、地域のライフラインの維持とともに
信頼を確保している。 敦賀市と組合は「災害時における協力に関する協定(平成1
8年9月)」を締結。市が実施する訓練等にも積極的に参加している。また、組合は、
大規模災害時には自らも被災することを想定し、岐阜県の各務原市管工事協同組合と
災害時相互応援協定を締結した(平成24年8月2日)。市民の安心・安全のため、
水道事業のエキスパートとして活躍している。
16.
【特徴ある取組】
組合名:土岐市陶磁器卸商業協同組合(官公需適格組合 物品)
調査日:平成25年1月30日(水)
調査方法:面談調査(土岐市陶磁器卸商業協同組合事務所(岐阜県土岐市)
)
概
要:ファインセラミックス技術を応用し開発された「高強度磁器」は極めて安全かつ衛生
的で、一般的な陶磁器に比べて3倍以上の強度がある。組合は「高強度磁器」を商標
登録し、全国の保育園・幼稚園をはじめ学校、病院、官公庁等に販売。教育現場では
「物を大切にする」といった教育効果や、病院・養護施設等では「温かみが感じられ
る」「使いやすい」などの評価が得られている。組合は、「高強度磁器」をはじめと
した美濃焼をPRするため、国内の展示会に積極的に出展するとともに、海外(東南
アジア市場)の販路開拓に挑戦することで、地場産業の発展に貢献している。
17.
【特徴ある取組】
組合名:沖縄県福祉介護タクシー事業協同組合
調査日:平成25年1月31日(木)
調査方法:面談調査(沖縄県福祉介護タクシー事業協同組合事務所(沖縄県那覇市)
)
※沖縄県中央会担当者による訪問調査
概
要:一般の交通機関の利用が困難な障害者等が病院へ通院する場合に、リフトやストレッ
チャー等の介護機器を備えたタクシーが必要となる。そこで平成17年にタクシー業
者が集まり、組合を設立し介護タクシー事業に取り組んだ。組合は共同配車事業を実
施しており、病院や福祉施設等からの依頼によりタクシーを派遣する。平成23年7
月には、組合員資格に介護福祉士、介護ヘルパー2級以上、看護師又は准看護師の資
-8-
格を有することを追加し、ドライバー全員が有資格者となり、他の事業者との差別化
を図った。その結果、平成23年度は延1,469回の配車実績をあげた。障害者や
高齢者の通院等の外出における安心・安全・快適性をサポートし、社会参加を積極的
に支援する。
18.
【地域貢献】
組合名:宮下地区建設業協同組合(官公需適格組合 工事)
調査日:平成25年2月15日(金)
調査方法:面談調査(宮下地区設業協同組合事務所(福島県大沼郡)
)
概
要:平成21年度より中山間地域における道路等維持補修業務委託モデル事業(地区内の
道路や河川の維持補修業務、除雪などの住民生活に身近な業務)を1年契約で福島県
から受託している(24年度で4回目の受託)。会津地域においては、豪雪期におけ
る迅速な対応を可能にするためには、個々の組合員では限界があることから、この維
持補修業務を組合の共同受注事業として取り組むこととした。同業務の受注により、
①人材確保や遂行予定・計画が立てやすくなり計画性のある経営が可能となる、②緊
急性を要する業務が発生した場合でも遂行期間を短縮できる、③組合の内部調整によ
り対応可能な企業を即座に選定できるなど、組合員の経営の安定に寄与するだけでな
く、地域を守るという視点から質の高い住民サービスの提供につながっている。
19.
【特徴ある取組】
組合名:全国石油業共済協同組合連合会
調査日:平成25年2月15日(金)
調査方法:面談調査(全国石油業共済協同組合連合会事務所(東京都千代田区)
)
概
要:東日本大震災を経て、全国石油商業組合連合会では、発注機関等に対して官公需適格
組合証明をもつ石油組合への活用強化等について要望活動を行った。
その先進事例となったのが北海道石油業協同組合連合会であり、平成23年12月北
海道庁と「災害時における石油類燃料の供給等に関する協定」を締結。同協定では、
“平時から発注機関と受注者の信頼関係を構築する目的を含め、災害時にガソリンス
タンド事業者(組合員)が石油製品の供給能力を十分発揮できるよう、市町村に対し
て中小企業者の積極的な活用への配慮を要請する”とした条文が全国で初めて盛りこ
まれた。
20.【雇用確保取組】
組合名:企業組合群馬中高年雇用福祉事業団
調査日:平成25年2月18日(月)
調査方法:面談調査(企業組合群馬中高年雇用福祉事業団事務所(群馬県佐波町)
)
概
要:中高年齢者と障害者の雇用機会の確保を目的に、昭和58年任意団体を設立した(平
成元年企業組合として設立)。当時、玉村町では人口急増にともなうゴミ処理対応が
急務であったことから、町から一般廃棄物の収集・運搬及び処理を受託、組合の中核
-9-
事業となっている。また、最近は、指定管理者として町のスポーツ広場の管理を受託
するなど施設管理事業、除草・枝打ちなどの緑化事業にも取り組んでいる。設立以来、
組合は組合員の仕事を確保するため、大企業や他業者が応じない業務にも積極的に対
応し実績を積み上げてきた。これらの取り組みが町民にも受け入れられ“地域の雑用
係”として、今では町になくてはならない存在になっている。
3.官公需適格組合制度の課題・有効的な活用方法の検討
・
「官公需適格組合全国意見交換会」の開催
官公需適格組合や官公需に関する相談業務に従事する47官公需総合相談センター
の相談員が、中小企業者における官公需の受注取組状況及び官公需適格組合制度の課
題等を共有するための意見交換会を開催した。
開催日時:平成24年11月16日(金)13:20~17:30
開催場所:全国中小企業団体中央会7階研修室(東京都中央区)
参加者:69名
概要:講話(官公需をめぐる動向について)をはじめ、官公需受注の成功事例報告が
された後、各参加者間で官公需の受注環境についての情報交換、官公需施策への意
見交換を行った。
●講話 官公需をめぐる動向について
講師 中小企業庁 事業環境部 取引課 統括官公需対策官 藤澤 秀行氏
●受注事例
官公需受注の成功事例とし、地域貢献、組合独自の取組により受注拡大等を図っ
た中小企業者の活動状況等について発表を行った。
・全日本電気工事業工業組合連合会
テーマ:
「地域貢献と組合活動~防災協定で地域に貢献~」
発表者:常任理事 事務局長 五十畑正美氏
・日本帆布製品販売協同組合
テーマ:
「日本帆布製品販売協同組合の官公需受注活動について」
発表者:事務局長 関本典子氏
・神奈川県中小企業団体中央会
テーマ:
「ビルメンテナンス業界の状況と官公需受注
~協同組合としての新たな受注方式への挑戦~」
発表者:神奈川県中小企業団体中央会 組織支援部主幹 内田 進氏
- 10 -
本意見交換会開催にあたり、47都道府県中小企業団体中央会に対し、下記内容に
対するアンケートを事前に実施。各項目における主要な意見は以下のとおり。
【事前調査】
○調査期間:平成24年10月24日~11月5日
○調査対象先:47都道府県中小企業団体中央会
○調査方法:メール
○調査項目
①平成25年度中小企業者に関する国等の契約の方針に新たに盛り込むべき
事項
[主要回答]
・官公需適格組合に対する契約目標金額と実績金額の提示
・地域社会、地域経済への貢献に対する措置
・地方公共団体に対する適格組合の活用措置
②官公需総合相談センターにおける主な相談内容
[主要回答]
・官公需ポータルサイトや入札案件についての相談はほとんどなく、官公需
適格組合のメリットについて教えてほしいという問い合わせが多い。
・官公需適格組合証明に係る相談対応が大半である。
・相談センターの利用者は組合関係者がほとんどであり、関係者以外からの
相談はゼロに等しい。
③官公需施策の普及・啓蒙、推進等に関する意見等
[主要回答]
・官公需制度の普及・啓蒙・推進の第一歩として、まず制度を知ってもらう
ことが重要である。国からの通達は全国の10万人以下の市町村へも広く
周知すべき。
・官公需施策が地方における国等の機関や市町村担当者に浸透していない。
国が強制力をもって推進しない現状の中では普及・啓蒙は困難。
・平成23年版の地方公共団体における官公需施策事例を見ると、官公需総
予算額に占める中小企業者向けの契約見込み額または比率についての目標
値を設定し、前年度の実績について公表している都道府県は少ない。目標
値の設定や実績を示すことで発注者側の意識が高まり、中小企業者の官公
需受注確保に繋がると考えるため公表の徹底をすべきではないか。
- 11 -
事例発表での内容、上記事前アンケート結果も踏まえて、3分科会に分かれての意見
交換会(分科会)を行った。また、分科会終了後は、全体会を開催した。
分科会テーマ:適格組合の震災後の活動と今後の対応
部会出席者数等
・物品部会(17名)座長:多田 昭雄氏(徳島県官公需適格組合協議会会長)
・役務部会(32名)座長:越田 英喜氏(全国官公需適格組合受注確保協議会会長)
・工事部会(20名)座長:前田
博氏(青森県官公需適格組合運営協議会会長)
以下分科会・全体会での主な意見等
【分科会での意見等】
□官公需施策及び国等の契約制度等について
・本年度中小企業庁長官名にて発出された適格組合の活用要請文書は今後も継続してほ
しい。また人口10万人未満の市町に対しても同様に発出してほしい。
(中央会)
・国の施策と地方公共団体の政策の連携が必要。
(中央会)
・地方の発注担当者の認識は低いままであり、担当者の異動の度に説明を行っている。
国からの周知を強力に継続してほしい。
(中央会・組合)
□官公需適格組合制度・活用について
・受注した業務を適確に成し遂げる体制整備が整備されていることを発注機関の担当課
は評価すべき。
(中央会)
・低価格での入札だけでなく高品質な業務を行うことによって結果的には効果的な予算
の執行となる。この点を踏まえて適格組合が評価されるべきである。
(中央会)
・適格組合自らの提案により、入札形式をとらない工夫を作ることが必要(中央会)
・行政に対する認知度を高めるため、一般市民への認知活動としてブランド化する必要
がある。マスメディアへの働きかけを組織的に行う必要がある。
(組合)
・悪い随意契約と良い随意契約のすみ分けを行う必要がある。必要な随意契約は何か、
その中で適格組合が果たせることは何かを研究する必要がある。
(組合)
・随意契約よりも指名競争入札、指名競争入札よりも一般競争入札が優れているとする
単純な発注機関の行為は、価格競争に偏り地域経済を疲労させるだけ。官公需政策の
重要性はここにある。
(中央会)
□災害時の官公需について
・災害時のみ協力を要請し、平時は一般競争入札を強いられる。平時より災害時に協力
する適格組合、中小企業等に対して、なんらかの手当てやインセンティブの付与を行
うべきではないか。また、災害時のための備蓄管理等がコスト増となっている。災害
時の貢献度を評価してもらいたい(中央会・組合)
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■全体会による研究討議
分科会終了後、全体会を開催した。まず、各分科会座長よりそれぞれの分科会での報告
があり、その後、全体として意見の収集等を行った。
主な意見の概要は次のとおりである。
【全体会での発言等の概要】
全体としては、官公需の受注環境の厳しさ、随意契約の推奨、発注者への官公需適格組
合制度の認知度向上を求める意見が多く寄せられた。
官公庁の契約方式が一般競争入札へと移行も相まって、受注競争は厳しくなっている。
適格組合として「何ができるかを提案すること」が重要である。東日本大震災の経験を
今後に生かし、災害時だけではなく、平時から発注機関との連携を強化し、受注に繋げて
いくことが大切である。
中小企業者の自助努力を促す取組や中小企業庁と他府省との連携が必要である。
総合評価方式入札における中小企業者、適格組合の評価のあり方、低入札価格対策の強
化、官公需適格組合制度については、官公需適格組合は広域での事業体制構築を図る上で
有益との肯定的な意見が出る一方、発注者の認知が不十分であるため、他の事業協同組合
との差別化や優先発注等のインセンティブを求める。
地域と生きる中小企業、官公需適格組合の重要性を明示し、アイデンティティーの確立
を目指していきたい、とした意見があがった。
4.施策周知資料の作成及び周知
○事例集の普及方法
本事業で作成した事例集は主に中小企業者の自助努力を促すことそして地方公共団
体等を含む発注機関における官公需施策、官公需適格組合制度の普及を目的としている
ことから、中小企業者が多く来訪し、官公需施策の普及及び各種支援を実施する全国の
47官公需総合相談センター窓口に配布する。
また、全国中小企業団体中央会ホームページにおいてもPDFにて掲載する。
<成果物>
中小企業者のための官公需施策と官公需受注成功事例(30,000部作成)
<配布先>
・官公需総合相談センター
・事例掲載中小企業者
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官公需適格組合全国意見交換会のアンケート結果(抜粋)
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参考1 官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律
官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律
昭和 41 年 6 月 30 日
法 律 第 97 号
最終改正 平成 19 年法律第 58 号
(目的)
第1条 この法律は、国等が物件の買入れ等の契約を締結する場合における中小企業者の
受注機会を確保するための措置を講ずることにより、中小企業者が供給する物件等に対
する需要の増進を図り、もつて中小企業の発展に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この法律において「中小企業者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。
一 資本金の額又は出資の総額が 3 億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が
300 人以下の会社及び個人であつて、製造業、建設業、運輸業その他の業種(次号か
ら第 2 号の 3 までに掲げる業種及び第 3 号の政令で定める業種を除く。
)に属する事
業を主たる事業として営むもの
二 資本金の額又は出資の総額が 1 億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が
100 人以下の会社及び個人であつて、卸売業(第 3 号の政令で定める業種を除く。
)に
属する事業を主たる事業として営むもの
二の二 資本金の額又は出資の総額が 5,000 万円以下の会社並びに常時使用する従業員
の数が 100 人以下の会社及び個人であつて、サービス業(第 3 号の政令で定める業種
を除く。
)に属する事業を主たる事業として営むもの
二の三 資本金の額又は出資の総額が 5,000 万円以下の会社並びに常時使用する従業員
の数が 50 人以下の会社及び個人であつて、小売業(次号の政令で定める業種を除く。
)
に属する事業を主たる事業として営むもの
三 資本金の額又は出資の総額がその業種ごとに政令で定める金額以下の会社並びに常
時使用する従業員の数がその業種ごとに政令で定める数以下の会社及び個人であつ
て、その政令で定める業種に属する事業を主たる事業として営むもの
四 特別の法律により設立された組合及びその連合会であつて政令で定めるもののうち
その直接又は間接の構成員たる事業者の 3 分の 2 以上が前各号のいずれかに該当する
者であるもの、企業組合並びに協業組合(以下「組合」という。
)
2 この法律において、
「国等」とは、国及び公庫等(沖縄振興開発金融公庫その他の特別
の法律によつて設立された法人であつて政令で定めるものをいう。以下同じ。
)をいう。
(受注機会の増大の努力)
第3条 国等は、国等を当事者の一方とする契約で国等以外の者のする工事の完成若しく
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は作業その他の役務の給付又は物件の納入に対し国等が対価の支払をすべきもの
(以下
「国
等の契約」という。
)を締結するに当たつては、予算の適正な使用に留意しつつ、中小企業
者の受注の機会の増大を図るように努めなければならない。この場合においては、組合を
国等の契約の相手方として活用するように配慮しなければならない。
(中小企業者に関する国等の契約の方針の作成等)
第4条 国は、毎年度、国等の契約に関し、国等の当該年度の予算及び事務又は事業の予
定等を勘案して、中小企業者の受注の機会の増大を図るための方針を作成するものとす
る。
2 経済産業大臣は、あらかじめ各省各庁の長等(国については財政法(昭和 22 年法律
第 34 号)第 20 条第 2 項に規定する各省各庁の長、公庫等については当該公庫等を所管
する大臣をいう。以下同じ。
)と協議して前項の方針の案を作成し、閣議の決定を求め
なければならない。
3 経済産業大臣は、前項の規定による閣議の決定があつたときは、遅滞なく、第 1 項の
方針の要旨を公表しなければならない。
(国等の契約の実績の概要の通知)
第5条 各省各庁の長等は、毎会計年度又は毎事業年度の終了後、中小企業者との間でし
た国等の契約の実績の概要を経済産業大臣に通知するものとする。
(各省各庁の長等に対する要請)
第6条 経済産業大臣及び中小企業者の行う事業を所管する大臣は、当該事業を行う者を
相手方とする国等の契約に関し、各省各庁の長等に対し、中小企業者の受注の機会の増
大を図るため特に必要があると認められる措置をとるべきことを要請することができ
る。
(地方公共団体の施策)
第7条 地方公共団体は、国の施策に準じて、中小企業者の受注の機会を確保するために
必要な施策を講ずるように努めなければならない。
附 則(抄)
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 〔他の法令改正に付略〕
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参考2 平成24年度中小企業者に関する国等の契約の方針
平成24年度中小企業者に関する国等の契約の方針
平成24年6月22日
閣議決定
国は、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律( 昭和41年法律第97
号。以下「官公需法」という。) 第4条第2項に基づき、平成24年度における中小企業
者に関する国等の契約の方針( 以下「国等の契約の方針」という。) を次のとおり定め
る。
現下の厳しい経済情勢の中で、経済収縮の悪影響を受けやすい中小企業者の受注機会を
確保することは極めて重要である。特に、平成23年3月11日に発生した東北地方太平
洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害( 以下「東日本大震災」という。
) が東日本太平洋沿岸部を中心に甚大な被害をもたらしており、被災した中小企業者の早
期の復旧・復興や被災者の雇用の確保が喫緊の課題となっていることに加え、全国の中小
企業者の事業環境にも影響が及んでいることに留意する必要がある。
こうした認識の下、国等( 官公需法第2条第2項に定める「国等」をいう。以下同じ。)
は、中小企業基本法第3条に掲げる基本理念に則り、中小企業者の経営基盤の強化を図る
ため、国等の契約の方針に基づき、中小企業者の受注の機会の増大のための措置を講ずる
ものとする。その運用に際しては、国等の調達する物件等( 工事及び役務を含む。以下同
じ。) の受注を確保しようとする中小企業者の自主的な努力を助長し、公正な競争が行わ
れるよう配慮するものとする。
なお、国等の契約の締結に当たっては、予算の適正な使用に留意し、消費税及び地方消
費税については、その適正な転嫁を受け入れるとともに、東日本大震災に係る措置をとる
場合も含め、世界貿易機関政府調達協定及び政府調達に関する我が国の各種行動計画との
整合性を確保するものとする。
また、国は、地方公共団体に対し、国等の契約の方針を参考として、地域の実情に応じ
必要な場合には中小企業者に関する契約の方針を策定する等中小企業者の受注機会の増大
のための措置を講じ、適切な運用が図られるよう要請する。
さらに、国は、民営化された独立行政法人等のうち、国及び地方公共団体がその株式の
過半を保有している会社に対し、国等の契約の方針を参考として、可能な限り、中小企業
者の受注機会の増大のための措置を講じるよう要請する。
第1 中小企業者の受注機会の増大のための措置
国等は、平成24年度においては、次の措置を強力に推進するものとする。
1 東日本大震災の被災地域等の中小企業者に対する配慮
東日本大震災の被災地域等の中小企業者の早期の復旧・復興を支援するため、国等は、
特に以下の措置を講じることとする。
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(1)官公需相談窓口における相談対応
国等は、被災地域の官公需相談窓口において、被災地域の中小企業者の相談に適切に対
応し、その受注機会の増大に努めるものとする。
(2) 適正な納期・工期の設定及び迅速な支払
国等は、被災地域における物件等の発注に当たっては、中小企業者が十分対応できるよ
う適正な納期・工期の設定に配慮するとともに、支払については、発注にかかる工事等の
完了後( 前金払、中間前金払においてはその都度) 、速やかに行うよう努めるもの
とする。
(3) 地域中小企業の適切な評価
国等は、被災地域における復旧・復興に伴う役務及び工事等の発注に当たっては、緊急
性、迅速性が損なわれないよう配慮しつつ、地域の建設業者等を活用することにより円滑
かつ効率的な施工が期待できる役務及び工事等において適切な地域要件の設定や、地域へ
の精通度等地域企業の適切な評価等に努めるものとする。
(4) 適切な予定価格の作成
国等は、被災地域における復旧・復興に伴う役務及び工事等の発注に当たっては、当該
地域における需給の状況、原材料及び労務費等の最新の実勢価格等を踏まえた積算に基づ
き、消費税及び地方消費税の負担等を勘案し、適切に予定価格を作成するものとする。
(5) 科学的・客観的根拠に基づく適切な契約
国等は、物件の発注に当たっては、東日本大震災における原子力発電所事故に関して、
単に周辺地域で生産されている等の理由により不当に取引を制限したり、返品等をするこ
とがないよう、科学的・客観的根拠に基づき適切な契約に努めるものとする。
(6) 官公需を通じた被災地域への支援
国等は、被災地域の復興を支援するため、国等が直接運営する食堂等における食材や表
彰等の行事における記念品等地域性の高い物品を調達する場合にあっては、被災地域の物
品を積極的に調達し利用するよう努めるものとし、また、食堂運営や表彰等の行
事が委託事業の場合は、これらの取組を奨励するよう努めるものとする。
2 官公需情報の提供の徹底
国等は、透明性の向上と公正な競争の確保に留意しつつ、官公需に関連する情報の中小
企業者への提供促進のため、次の措置を講ずるものとする。
(1) 各府省、公庫等ごとの契約目標等の公表
① 国等は、中小企業者向け契約の目標金額及び実績金額について、各府省及び公庫等
( 官公需法第2 条第2 項に定める「公庫等」をいう。以下同じ。) 別に、物件、工
事及び役務別の情報を公表するものとする。
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② 国等は、競争促進に資する新たな指標として、入札件数等の情報提供に努めるもの
とする。
(2) 個別発注情報の提供と説明
① 国等は、物件等であって、一般競争、企画競争又は公募による発注に関連する情報
及びそれらに係る落札結果等に関する情報を、ホームページへの掲載等により、中
小企業者に提供するよう努めるものとする。
② 国等は、発注計画の策定が可能なものについては、これを積極的に定め、中小企業
者に提供するよう努めるものとする。
③ 国等は、物件等の発注を行うに際しては、中小企業者の入札等が円滑に行われるよ
う、性能、規格等必要な事項について十分説明に努めるものとする。
(3) 官公需情報ポータルサイトによる情報の一括提供
① 中小企業者が発注に関連する情報を入手しやすくするため、中小企業庁がインター
ネット上に「官公需情報ポータルサイト」を運営し、国等及び地方公共団体がホーム
ページで提供している発注情報を中小企業者が一括して入手できるようにする。
② また、中小企業者の自主的努力を助長するため、当該サイトにおいて、国等が公表
する競争契約参加資格申請に関する情報を始めとした官公需に関する情報を一元的に
集約し、中小企業者に提供するものとする。
③さらに、中小企業者を支援する機関においては、その支援ツールとして当該サイトの
活用を促進するものとする。
(4) 官公需に関する相談体制の整備
① 国等は、官公需の受注に意欲的な中小企業者の受注能力の向上に資するよう、中小
企業者の相談に応じ、資格登録、入札に関する手続等について情報を提供する等必要な
指導に努めるものとする。
① 国等は、契約担当官等( 公庫等においてはこれに準ずる役職)を置いている部局ご
とに官公需相談担当者を明確にし、「官公需相談窓口」を常設するとともに、当該
窓口の所在情報を中小企業庁が取りまとめ、公表するものとする。
② 中小企業庁は、全国の中小企業団体中央会が「官公需総合相談センター」を設置し、
官公需に関する中小企業者からの相談に応じ適切な支援及び情報の提供等の充実を
図る取組を支援する。
3 中小企業者が受注し易い発注とする工夫
(1) 分離・分割発注の推進
① 国等は、物件等の発注に当たっては、価格面、数量面、工程面等からみて分離・分
割して発注することが経済合理性・公正性等に反しないかどうかを十分検討したうえで、
可能な限り分離・分割して発注を行うよう努めるものとする。
② 国等は、分離・分割発注に際し、中小企業庁が取りまとめる効率的な分離・分割発
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注に係る事例を参考として活用するとともに、分野に応じて、部内の人材育成又は外部
人材の活用等により、発注能力の向上等体制整備に努めるものとする。
③ 公共工事においては、公共事業の効率的執行を通じたコスト縮減を図る観点から適
切な発注ロットの設定が要請されているところであり、国等は、かかる要請を前提とし
て分離・分割して発注を行うよう努めるものとする。
(2) 適正な納期・工期、納入条件等の設定
① 国等は、物件等の発注に当たっては、中小企業者が十分対応できるよう適正な納期・
工期の設定に配慮するものとする。
② 国等は、物件の発注に当たっては、納入場所、納入回数をはじめとする納入条件等
について、明確なものとするよう努めるものとする。
③ 国等は、物件等の発注に当たっては、真にやむを得ないと認められる場合を除き、
直接の銘柄指定はもとより原材料等の間接の銘柄指定等を行わないものとする。
なお、参考銘柄として固有の商品を例示する場合においては複数の商品を例示する等、
実質的な銘柄指定とならないよう配慮するものとする。
(3) 調達・契約手法の多様化における中小企業者への配慮
① 国等は、一括調達又は共同調達を行う場合は、経済合理性に留意しつつ、中小企業
庁が取りまとめ分析した事例も参考に、適切な調達品目の分類化を行い、対象品目を選
定するとともに、適切な配送エリアの設定を行うよう努めるものとする。
また、単価契約の際には、適正な予定数量を設定するよう努めるものとする。
② 国等は、既に実施されている総合評価落札方式、一括調達及び共同調達以外の新た
な調達・契約手法の多様化を行う場合には、中小企業者の事業環境への悪影響が生じる
ことのないよう適切な要件設定等を行うとともに、経済合理性に留意しつつ、積極的に
中小企業者の受注機会を確保するよう努めるものとする。
(4) 知的財産権の取り扱いの明記
国等は、物件及び役務の発注に当たっては、発注内容に著作権等の知的財産権が含まれ
る場合は、当該知的財産権の取り扱いについて書面をもって明確にするよう努めるものと
する。
(5) 同一資格等級区分内の者による競争の確保
① 国等は、一般競争及び指名競争を行うに際しては、極力同一資格等級区分内の者に
よる競争を確保すること等により、官公需適格組合を含む中小企業者の受注機会の増大
を図るものとする。
② 国等は、一括調達又は共同調達による発注を行う場合には、競争参加者の資格の設
定に際し、中小企業者の受注機会の確保に配慮するため、予定価格に対応する等級の者
に加え、下位等級者の参加が可能となるよう弾力的な運用を図るものとする。
③ 国等は、資格等級に対応する契約の予定金額については、価格水準の変動等をも勘
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案しつつ、適時見直しを行う等一層の適正化を図るとともにこれを公表するものとする。
(6) 中小企業官公需特定品目等に係る受注機会の増大
① 国等は、中小企業官公需特定品目( 織物、外衣・下着類、その他の繊維製品、家具、
機械すき和紙、印刷、潤滑油、事務用品、台所・食卓用品及び再生プラスチック製製品)
の発注を行うに際し、中小企業者の受注機会の増大を図るものとする。
② 国等は、中小企業官公需特定品目及び中小工事等に係る発注に当たって指名競争制
度を利用する場合並びに少額の契約案件にあっては、官公需適格組合を含む中小企業者
の受注機会の増大を図るよう努めるものとする。
(7)官公需適格組合等の活用
① 国等は、中小企業庁が証明した官公需適格組合を始めとする事業協同組合等の受注
機会の増大を図るものとする。
② 国等は、官公需適格組合の競争契約参加資格審査に当たっては、総合点数の算定方
法に関する特例の一層の活用に努めるものとする。
④ 国等は、官公需適格組合制度について、官公需適格組合の発注機関別受注実績を公
表するほか、各府省等は、中小企業庁と協力しつつ、発注機関に対し、当該制度の一層
の周知徹底に努めるものとする。また、国は、地方公共団体に対する当該制度の一層の
周知に努めるものとする。
(8) 調達手続の簡素・合理化
① 国等は、競争契約参加資格者の審査について、申請書類の統一化及び申請手続の簡
素化等を一層推進するものとする。
② 国等は、国における競争契約参加資格審査申請手続の電子化の実施状況及び入札・
開札手続の電子化の導入状況等を踏まえ、中小企業者の円滑な対応に留意しつつ、電子
的手段の導入に努めるものとする。
4 中小企業者の特性を踏まえた配慮
(1) 技術力のある中小企業者に対する受注機会の増大
国等は、技術力のある中小企業者の受注機会の増大を図るため、政府調達( 公共事業
を除く) 手続の電子化推進省庁連絡会議幹事会決定「技術力ある中小企業者等の入札参加
機会の拡大について」に基づく入札参加機会の拡大措置の一層の活用に努めるととも
に、技術力の正当な評価を踏まえ、技術力のある中小企業者に関する入札参加資格の弾力
化を一層進めるものとする。
(2) 地域の中小企業者等の積極活用
国等は、地方支分部局等において消費される物件等については、極力地方支分部局等に
おける調達を促進することにより、地域の中小企業者等の受注機会の増大を図るものとす
る。
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(3) 中小企業者の適切な評価
① 国等は、工事等の発注に当たっては、適切な評価手法による総合評価方式の導入・
拡充に努めるものとする。
② 国等は、地域の建設業者を活用することにより円滑かつ効率的な施工が期待できる
工事等の発注に当たっては、適切な地域要件の設定や、地域への精通度等地域企業の適
切な評価等に努めるものとし、さらに、地方公共団体におけるこれらの取組を促進する
ものとする。
③ 国等は、工事等以外の物件及び役務の発注に当たっても、地域への精通度等が契約
の円滑かつ効率的な実施の重要な要素となる場合にあっては、これを十分考慮するもの
とし、一般競争契約においては適切な地域要件の設定や総合評価落札方式における地域
精通度等地域の中小企業者の適切な評価等と積極的な活用に努めるものとする。
④ 上記② ③ において評価を行う際、小規模企業の特性を踏まえ、契約内容の履行の
確保を行う観点から、迅速な対応の可否等を評価項目に加えることが特に必要である場
合は、これを十分考慮するよう努めるものとする。
⑤ 国等は、業務継続のため必要な物件及び役務の発注に当たって、災害時における継
続的な供給体制を協定等を通じて構築しようとする場合は、必要に応じ、官公需適格組
合を含む地域の中小企業者の適切な評価等とその積極的な活用に努めるものとする。
(4) 中小建設業者に対する配慮
① 国等は、中小建設業者を取り巻く現下の諸情勢にかんがみ、中小工事の早期発注等
により中小建設業者に対し特段の配慮を払い、その受注機会の増大に努めるものとする。
② 国等は、一般競争や指名競争を行うに際しては、極力同一資格等級区分内の者によ
る競争を確保することとするが、優良な工事成績を上げた中小建設業者に対しては、施
工能力等を勘案し、上位の等級に属する工事に係る競争に参加できる
ようにする等積極的に受注機会の確保に努めるものとする。
③国等は、特に、公共工事に関する発注に当たっては、共同による請負の適切な活用
の一層の推進等により、中小建設業者に対する受注機会の増大に努めるものとする。
④国等は、地域の建設業者、専門工事業者等の中小建設業者を活用することにより円滑
かつ効率的な施工が期待できる工事については、極力分離・分割して発注を行うよう努
めるものとする。
(5) 外注における地域の中小企業者の活用及び人件費確保等の周知
国等は、役務及び工事等において外注( 下請や二次下請等を含む。以下同じ。) が必
要な元請事業者に対し、契約内容の履行の確保を行う観点から必要がある場合には、外注
に際して当該元請事業者が地域の中小企業者の活用を考慮し、その人件費を確保するとと
もに、外注先との間で予め書面により作業内容、人件費単価、期間等を明確化するよう努
めることについて、ホームページへの掲載等により周知を行うよう努めるものとする。
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(6) 新規開業中小企業者の参入への配慮
① 国等は、新市場、新産業の創出・育成による雇用創出の重要性にかんがみ、新規開
業中小企業者の受注機会( 公共事業を除く。) の増大を図るよう特段の配慮に努める
ものとする。
② 国等は、新規事業者の入札機会を拡大するために、物品の製造・販売等に係る競争
契約の参加資格のあり方につき、引き続き検討を行う。
5 ダンピング防止対策等の推進
官公需契約の一部に過度な低価格競争が生じていること等を踏まえ、ダンピング対策の
充実等、適正価格での契約や価格と品質が総合的に優れた調達の推進を図るため、適切な
対策を講じる。
(1) ダンピング防止推進の周知
国等は、ダンピングの防止について、ホームページへの掲載等により周知を行うよう努
めるものとする。
(2) 適切な予定価格の作成
① 国等は、物件等の発注に当たっては、需給の状況、原材料及び労務費等の最新の実
勢価格等を踏まえた積算に基づき、消費税及び地方消費税の負担等を勘案し、適切に予定
価格を作成するものとする。
② 国等は、公庫等及び地方公共団体における工事等の発注に際し、いわゆる歩切りや
予定価格等の事前公表の取りやめ等が促進されるよう努めるものとする。
(3) 低入札価格調査制度の適切な活用等
① 国等は、役務及び工事等の発注に当たっては、ダンピング受注の排除等適正価格に
よる契約の推進のため、低入札価格調査制度を適切に活用するものとする。
② 国等は、特に人件費比率の高い役務契約については、適正な履行確保の観点から、
低入札価格調査基準価格を下回る価格により落札した者と契約する場合における措置
として、人件費が明記された入札価格内訳書の徴収の徹底とともに、落札の決定があっ
た旨の公表の徹底を行うものとする。
また、下請代金支払遅延等防止法、独占禁止法及び労働関連法等の所管行政庁は、そ
の執行を図る上で、必要に応じ下記③ において中小企業庁が取りまとめた情報も含め、
低入札価格調査制度に基づく調査情報も活用する。
③中小企業庁は、特に人件費比率の高い役務契約であって人件費単価が低い業務( 清
掃等) について、各府省等が公表する低入札価格調査制度に基づく調査情報を取りま
とめ、下請代金支払遅延等防止法、独占禁止法及び労働関連法等の所管行政庁に提供す
る。
④国等は、地方公共団体における工事等の発注に際し、低入札価格調査制度、最低制限
価格制度及び入札ボンド制度等の適切な活用が促進されるよう努めるものとする。
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第2 中小企業者向け契約目標
国等は、上記第1 に掲げる措置を講ずること等により、平成24年度における国等の契
約のうち、官公需予算総額に占める中小企業者向け契約の金額が、約3兆8,312億円、
比率が、56.3 %となるよう努めるものとする。
第3 官公需対策における政府一体の取組み
(1) 方針の普及及び徹底等
国等は、本方針について、一層の普及及び徹底を図るものとする。また、国等の地方支
分部局等は、官公需確保対策地方推進協議会への参加等により得た中小企業者の声を踏ま
え、地方の実情に即して、中小企業者の受注機会の増大を図るよう努めるものとする。
(2) 措置状況の通知及び情報の公表
国等は、上記第1 の諸項目に関する措置状況を中小企業庁あて通知するなど、中小企
業庁と密接な連絡を取るとともに、本方針の進行について地方支分部局等を指導する等適
切な管理を行い、本方針の実施について遺憾のないよう努めるものとする。
中小企業庁は、各府省等から通知された措置状況について取りまとめ、その情報を公表す
るものとする。
(3) 地方公共団体の施策
中小企業庁は、地方公共団体による官公需施策の事例等を収集して取りまとめ、これら
の情報を公表することにより、地方公共団体の官公需施策の推進に資することとする。
- 24 -
参考3 「平成24年度中小企業者に関する国等の契約の方針」の実施について
- 25 -
参考4 官公需適格組合制度の活用について
- 26 -
参考5(1)国等の官公需契約目標及び契約実績
- 27 -
(2)地方公共団体の官公需契約実績の推移
年度
平
成
官公需総額
うち中小企業者向け
比率
(A)
(B)
(B)/(A)
(億円)
(億円)
(%)
6
年度
218,327
149,248
68.4
7
〃
235,242
161,988
68.9
8
〃
220,716
151,702
68.7
9
〃
208,525
144,748
69.4
10
〃
211,989
150,489
71.0
11
〃
191,252
137,781
72.0
12
〃
184,727
136,076
73.7
13
〃
186,273
133,791
71.8
14
〃
155,014
114,114
73.6
15
〃
144,402
109,083
75.5
16
〃
136,087
101,492
74.6
17
〃
132,904
98,879
74.4
18
〃
131,018
99,422
75.9
19
〃
122,899
92,696
75.4
20
〃
122,353
92,027
75.2
21
〃
129,881
98,635
75.9
22
〃
117,726
88,909
75.5
23
〃
127,332
92,610
72.7
(注1) 地方公共団体の実績は、都道府県、東京特別区及び人口 10 万人以上の市を対象としている。
(注2) 東日本大震災により被災し集計困難となった地方公共団体の全部、または一部の機関の数値が含まれていない。
(1)
(2)ともに、
「平成24年度官公需契約の手引」より引用
- 28 -
(別紙)中小企業者における官公需受注成功事例
【株式会社上田屋】
1.企業概要
企業名
所在地
代表取締役会長
設立年
株式会社上田屋
京都市中京区押小路通釜座東入
上坂 幸生
昭和34年(創業 明治8年)
2.官公需受注状況
入札に積極的に参加しており、京都府内の国等の出先機関(地方裁判所等)や京都府庁、
京都市役所に文具・事務用品の納入実績がある。
平成24年度は京都地方裁判所の文具類等の単価契約を受注している。また、京都府の
グリーン入札制度の登録事業者でもある。
3.環境配慮の取り組みと官公需のかかわり
京都府では、ISO14001、KES(京都議定書の発祥地である京都から発信され
た環境マネジメントシステム)
、
エコアクション21の環境認証を取得している中小事業者
及びエコ京都21の認定・登録を受けている中小事業者(いずれも府内に本店、支店、営
業所等を有する者)から優先して物品を調達する「グリーン入札制度」を運用している。
同社は従前から節電、エコ配送等の環境配慮活動に取り組んでおり、グリーン入札制度
については府の発注担当者から紹介を受けて登録。グリーン入札制度の登録事業者、調達
実績は府のホームページで公表されており、同社への発注案件も掲載されている。
4.環境配慮に向けた同社の考え、具体的な取組
「環境配慮」と言うと、省エネ設備の導入やリサイクル商品開発等、製造業が取り組む
べき課題だと思われがちだが、社長は、
「小売業でも対応出来ることがある・出来ることか
ら取り組んでいく」といった姿勢を持ち続けることが重要と考えている。
大規模な取組は難しいが、KESの取組や節電ステッカーを事務所内に貼るなどして、
従業員の意識を高める、商品配送時にはエコドライブを心がける等、小規模な小売店が無
理なく出来る範囲で環境配慮に努めている。
5.その他の社会貢献活動
京都市教育委員会が認証するOK企業(おやじの会:父親が子育てに参加しやすい職場
作りを積極的に支援する企業)に登録している。地域における社会的責任についても意識
した経営を目指す。
- 29 -
【広島県ビルメンテナンス協同組合】
1.組合概要
組合名
所在地
代表理事
設立年月日
組合員数
官公需適格組合証明取得
広島県ビルメンテナンス協同組合
広島県広島市安佐南区西原8-5-22
城戸 猪喜夫
平成14年1月4日
19名
平成22年4月7日(役務)
2.組合の沿革・官公需共同受注事業実施の経緯
広島県ビルメンテナンス協同組合は、わが国が市場拡大・建設ラッシュの最中であった
昭和62年、相互扶助の精神に基づき、組合員15社により設立した。
設立後、組合では共同受注に係る内部規約等の整備を行い、平成5年10月に官公需適
格組合証明を取得した。その後、組合員数が着実に増え、現在では組合員33社にて広島
県全域をカバーした数々の受注活動を行っている。
組合の受注活動においては、官公需適格組合のメリットである「算定特例制度」
(組合
員の売上等を合算して上位の等級に格付けされる)により、A等級を取得している。これ
により、取得以前からの受注案件である中小企業大学校広島校などに加え、広島合同庁舎
ほか、A等級の官公需案件の受注に成功している。
平成19年度には広島県営住宅の指定管理業務を受注。現在は組合員企業単独では受注
できない大型案件や大規模イベントにも挑戦している。
3.組合員に対する啓蒙・普及活動
組合では、問題意識や方向性の共有化を図るために、経営者研修会を開催している。本
年度は、
「リスクの検証力と対応力の向上」を目的に、組合が抱える諸問題についてグルー
プ討議し、発表する機会を設けた。これにより、問題意識や方向性が共有でき、組合員の
ニーズが把握できた。また、より効果が期待できる発表については事業化に向けて対応す
ることとしている。
また、対外的な信頼・信用を確保するために、人材教育に重きを置いており、組合員企
業の若手や現場社員に対しても各種研修を実施している。
さらに、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の取得により、組合のセ
キュリティ体制を整えることで、対外的な信用力を高め、これを新たな「営業ツール」と
し、
「プロポーザル型」の受注に結びつけていくことができるよう対応している。
組合員には、組合の成功事例だけでなく、過去の失敗事例も今後の教訓として活かせる
よう情報共有を図っており、これは執行部の説明責任と捉えている。組合全体で共通認識
を持って取り組むことで、最近では組合員が「不測の事態」を想定できるようになり、共
同体だからこそできる対策を組合員が理解するように意識が変化してきた。更に、組合員
に対して組合への報告義務を設けることにより、対外的なクレームにも素早く対応できる
- 30 -
ようになった。組合事業において、サービス・品質に関する問題を優先事項としてとらえ
ていることから、組合員の取組にも浸透し大きな成果となっている。
4.官公需共同受注事業の実施方針及び実施体制
ビルメンテナンス業界は組合と組合員の同時応札が発生しやすい業種の一つであるが、
組合では受注における立場を明確にしており、同時応札に関する問題は発生していない。
組合員の理解を得るためにも、組合では団体受注に相応しい物件に参加することとしてい
る(原則、組合は民間受注には参加せず、算定特例制度によるA等級を活用できる官公需
受注を中心としている。
)
。また、競合による価格低下を避けるため、他の事業者が既に受
注している物件には参加せず、新しい建築物を対象とした入札に参加する方針をとってい
る。
平成19年度より受注している広島県営住宅の指定管理業務は、組合の新たな方向性を
示しており、共同受注事業の柱にもなっている。指定管理者制度においては価格のみでは
なく、説得力のある計画性と実効性(提案力)が求められるため、実施企業の選定は輪番
制ではなく、組合員企業からの提案による応募型を採用している。提案力のある組合員に
配分が偏ることもあるが、応募型を採用することで「組合員の責任による事業配分」を実
現することができている。共同受注における応募型の事業配分は、当該組合員が事業の配
分を受ける「権利を主張する」のではなく、サービスを提供する側としての「義務がある」
といった認識を高めるために行っている。よって、実施する組合員においても、
「提案力、
技術力、地域性を評価されて組合に選ばれた」という自覚を持って事業を行うことができ
ている。
広島県営住宅の指定管理業務は、3年または5年ごとの入札(プレゼンテーション方式)
による契約となっているが、組合では入札ごとに構成メンバーを見直し、よりよい提案や
業務ができるメンバーを選定している。当該案件においては、県内全域における住民への
サービス提供といった面で「県域を網羅する組合」としての強みを活かした受注ができて
おり、県内全域の県営住宅約1万7,000戸のうち約1万1,000戸の受注に成功し
ている。
5.官公需共同受注事業を実施したことによる効果
組合では、県内にある他団体と連携した受注案件も多く、こういった取組を通じて「サ
ービスの質の向上」につながり発注機関から高い評価を得ている。
広島県営住宅の指定管理業務では、管理業務上、入居者との間で発生する畳替え、内装
工事、引っ越しの各業務については、それぞれの協同組合と異業種間の連携をしており、
同単価で迅速に提供できる仕組みを構築している。新規の営業開拓のためにも異業種との
業務提携により組合間連携の成功事例を作り、
これを業界に広めていくことは重要であり、
組合員にも連携の波及効果を期待している。
さらに、組合間では、共通の資金があれば新しい営業を進めていくことができるのでは
ないかという考えも芽生えている。
また、組合では指定管理業務の経験を踏まえ、共同受注プロセスの再設計や情報セキュ
- 31 -
リティシステムの構築にも取りかかっている。
指定管理業務では、組合が主体性をもった存在としてJVを組むことも可能となった。
組合が主体となり施設の管理者に対してアドバイスができることは、ビルメンテナンス業
界の地位の向上にも繋がっていき、更に受注物件が広がることで、組合員企業も幅広い視
野で業務を行うことができると考えている。
平成23年度には、教育関連業者、食堂運営業者と業務提携した企業体「広島あゆみら
い共同事業体」にて、中小企業大学校広島校の市場化テスト事業を受注し、新たな共同受
注の成果となった。
6.今後の官公需共同受注事業における目標等について
組合では、行政サービスの代行となる市場化テスト事業や指定管理者制度などの新しい
市場の開拓を図るため、従来の業務の品質管理に加え、各種規則などの組織整備や財務基
盤の整備の重要性を強く感じている。
今後は新しい分野、業種への受注を目指し、50億円の共同受注売上額を目標と掲げて
いる。目標が達成された場合は、このうち1割程度を人材に投資し、組織力、サービス力
を向上していく。
「従来からの事業を継続するだけでは組合は成長しない。同じ事業をいつまでも継続し
て続けることはできない」という前提で、実施した事業を財産に、そこから得られたヒン
トを加工しながら進化していく組合として、常に危機感を持ちながら共同事業に取り組ん
でいく必要性を感じている。
組合事業が組合員の経営を補完することで、組合と組合員企業が「運命共同体」となれ
ることを期待している。さらに今後は、組合員企業の事業承継に関する問題など、様々な
組合員企業の問題についても組合でコーディネートができるよう取り組んでいきたいと考
える。
- 32 -
【引越専門協同組合中四国】
1.組合概要
組合名
所在地
代表理事
設立年月日
組合員数
官公需適格組合証明取得
引越専門協同組合中四国
広島県広島市安佐南区西原8-5-22
城戸 猪喜夫
平成14年1月4日
15名
平成22年4月7日(役務)
2.組合の沿革・官公需適格組合証明の取得
昭和49年に全国初の引越専門業者からなる事業協同組合(現在の「全国引越専門協同
組合連合会」
)が東京都で設立した。その後、広島県にある同組合の組合員が中心となり、
組合の前身となる協同組合を広島地区にて設立したが、組合事業の効率性、さらなる品質
向上を図るために活動エリアを中国・四国地域に拡大し、本協同組合は平成14年に設立
した。
(本組合は、
「全国引越専門協同組合連合会」の会員組合である)
組合では、
「親切、丁寧、安心」をモットーに活動しており、組合設立時に定めた組合
憲章の経営理念と基本方針は現在まで一環して守っている。
官公需の発注情報は事務局が各発注機関のホームページを確認し、
「官公需情報ポータ
ルサイト」も活用しているが、引越関係の入札情報の公開は少なく、インターネットでの
検索においても入札情報の収集は困難となっている。また、官公需における引越業務は金
額が小さいため、合見積もりが多く公開入札にはなりにくい業務でもある。
組合では設立後、広島県、広島市からの受注はあるが、中四国内での他県においては地
方自治体からの受注が全くなく、さらに国等の機関からの受注もなかったため、受注拡大
を目指して平成22年に官公需適格組合証明を取得した。
3.組合員に対する啓蒙・普及活動
現在加入する全国引越専門協同組合連合会において、昭和60年に業界初の取組として
「引越管理士認定制度」が設けられた。プロとしての高品質なサービスの提供、他業者と
の優位性を図るため、
「ハトマークの引越センター」としてのサービスブランドの確立を目
指し、その後も傘下の各協同組合において同制度が採用されている。認定制度の講座は全
国の各ブロック別に実施し、初回更新時期は2年目、2回以降の更新はテスト結果により
1年、3年、5年のいずれかとしている。平成24年度には新たに約306人が合格し、
現在、全国で約980人の引越管理士が活躍している。今後は、顧客サービスの向上を図
るべく、組合員全員の資格取得を目指している。
組合が直面している課題に対しては、現下の問題を解決するだけではなく、対策検討及
び情報交換を行い、各センター長(組合員)による会議、全国引越専門協同組合連合会、
ブロック主催での研修会等、数多くの教育事業を実施することで、円滑なセンター運営を
目指している。センター長会議では関連規約・規定等の説明も行い、必要に応じて各セン
- 33 -
ター独自での活動も行っている。その他、繁忙期対策研修会、梱包コンテスト、営業・見
積り担当者コンテスト等を通じ、更なる業務品質の向上と営業力の強化を図り、組合員の
意識を統一できるよう徹底した教育事業に取り組んでいる。
また、環境への対応と社会貢献活動にも力を入れており、引越に伴うゴミを減らす考え
から業界に先駆け、環境対応商品となる、エコダンボール、エコ食器ボックス等の「エコ
プラン」を発売し、これらの商品の積極的な活用を図っている。真に社会や人々から信頼
される「ハトのマークの引越センター」を目指し、ISO14001及び安全性優良事業
所(Gマーク)認証取得推進、植林活動、子供110番の展開等、地球環境保全・安全等
への社会貢献活動にも連合会と共に積極的に取り組んでいる。また、グリーン経営認証、
エコアクション21の認証取得への取組も推奨している。
4.官公需共同受注事業の実施方針及び実施体制
全国引越協同組合連合会には約200の引越センター(組合員)があり、そのうち中国・
四国ブロックには20のセンターを擁し、営業活動を実施している。入札情報を収集した
際には本部(連合会)が一括して対応を行い、落札後の業務は各組合員の担当センターに
おいてスケジュール等の詳細な調整を行っている。また、本部では、国等の各発注機関に
おける職員共済組合からの引越の合見積もりも行っており、組合でも受注実績となってい
る。
5.官公需共同受注事業を実施したことによる効果
過去の落札金額の実績と受注後の業務遂行力が、広島県及び広島市における合見積もり
での受注へと繋がっている。組合の事務局も積極的に入札情報の収集に努めており、本年
度初めて、国等の官公需受注案件として、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構
広島支店の事務所移転業務を受注することができた。
6.今後の官公需共同受注事業における目標等について
共同受注事業の大きな柱となる官公需の更なる受注拡大に向けて今後も努めていくが、
現在、官公需適格組合である優位性があまり見出せていない。国に対しては、取得による
優位性の向上などについて、制度の改善を要望している。
- 34 -
【宮城県管工業協同組合】
1.組合概要
組合名
所在地
理事長
設立年月日
組合員数
官公需適格組合証明取得
宮城県管工業協同組合
宮城県仙台市宮城野区扇町四丁目3番33号
渡辺 皓
昭和22年4月18日
126社
平成10年6月29日(工事)
2.組合沿革
宮城県管工業協同組合は、昭和22年4月、上水道の戦災からの早急な復旧を図るため、
組合員33名で設立した。主たる事業は資材共同購買事業と工事共同受注事業で、官公需
としては、水道配水本管の漏水修繕工事等について仙台市から受注している。より一層責
任ある施工への決意と行政からの信頼の証として、官公需適格組合の証明を平成10年に
取得した。
現在の組合員数は仙台市内の指定給水装置工事事業者等126社、配水本管から給水装
置、さらには建築設備等の整備まで対応でき、組合事務局は常勤役員2名、職員35名の
ほか、嘱託員3名の40名体制で事業にあたっている。
3.官公需共同受注の取り組み
主な事業は、資材類の共同購買と官公需をはじめとする共同受注であり、共同購買事業
では組合が購入した資材を、事務所敷地内の倉庫に保管して組合員へ販売している。アイ
テム数の豊富さも特徴の一つであり、平成23年3月11日に発生した東日本大震災から
の復旧工事でも、仙台市内では資材が不足することなく、気仙沼市や陸前高田市等、他の
市や町にも資材を供給している。共同受注事業では、いつどこで起こるか判らない水道本
管の漏水に備え、仙台市内一円の配水管緊急修繕工事について組合員が昼夜を問わず対応
している。組合そして組合員は豊富な資材と経験、そして高い技術力を有しており、その
ことが迅速な復旧活動に繋がった要因の一つと言える。
組合では、阪神・淡路大震災を教訓に、有事の際のライフライン確保には地元自治体
との円滑な連携が不可欠との認識から、平成9年4月仙台市と「災害時等における水道施
設復旧等の応援に関する協定書」を締結。その後平成19年には同じく仙台市と「大規模
災害時における主要公共施設等の宅内給水・排水設備の応急復旧措置に関する協定」を締
結した。なお、組合では仙台市からの要請、あるいは理事長からの出動要請が無くとも、
震度6弱又はマグニチュード7以上の地震が発生した場合は自動出動を行うことを定めて
いる。さらに、各自の担当や連絡網、通信手段が断たれた際の出動要領等を定め、そのこ
とを各組合員が常に忘れないよう、ポケットに入る携帯用の「宮城県管工業協同組合・地
震災害マニュアル」を作成している。
- 35 -
東日本大震災の水道施設復旧等活動において、組合ではこの2つの協定に基づき対応を
行った。まず震災翌日には仙台市水道局災害対策本部に組合から4名を派遣し、組合の災
害復旧応援対策本部を設置し、応急給水車と配水本管復旧班の出動を開始した。
仙台市内の水道管網の総延長は約3,300㎞。震災による破損漏水箇所は約1,15
0箇所、市内断水率は50%(約23万戸)にのぼり、震災翌日から市内各地で応急給水
を開始した。組合による給水車の出動は、震災翌日から13日間、4月7日の大規模余震
翌日からの2日間(計15日間)で延べ196台(1日最高24台)
、組合員と組合職員延
べ383人が従事した。
同じく協定に基づく配水本管修繕にも、震災翌日から4月17日まで、延べ758班(1
班5~6人編成)が出動し、仙台市が当初目標にしていた予定より2日早い3月29日(震
災から18日後)には沿岸部と一部の地域を除き断水が解消できた。
また、社団法人日本水道協会の要請により、同年5月23日から7月8日までの47日
間、地盤沈下等の影響で高度な技術を必要とする宮城県石巻市の魚町地区(加工団地)の
復旧工事に組合員を延べ114班派遣し、同地区の再開に貢献した。
復旧活動のなかで特に大きな問題となったのは、燃料の確保であった。社用車には給油
できても、従業員個人の車までは給油できず、通勤が困難になるケースが生じた。組合員
企業では、一刻も早いライフライン復旧に向けた市民からの期待に応えるため、復旧に携
わる従業員だけでなくその家族も含めて会社へ寝泊まりさせ、会社での炊き出しや現場に
おにぎりを届ける等の献身的なサポートで従業員を支えた。
「官公需適格組合」であるとい
う自覚と誇り、そして市民からの期待が復旧にかける使命感を一層高揚させ、組合が一つ
になる大きな要素となった。
そして震災時に組合が実感したことは、燃料不足や交通規制等の影響から、他地域の組
織が被災地に入ってくるのは難しいということであった。災害時は地元の中小企業が重要
な役割を担うことをあらためて自覚するとともに、今後も、健全な経営を維持し、組合の
体制強化と発展に努め、官公需適格組合として更なる理解と信頼を得ていきたいと、決意
も新たにしている。
4.今後の目標等について
東日本大震災では、組合でも倉庫が大規模半壊する等、甚大な被害を受けた。そこで
平成24年3月、震災からの復旧と、共同購買事業の更なる充実や事業運営体制の効率
化を図るべく、仙台市宮城野区扇町に新倉庫の建設や事務所の改修工事を行い、仙台市
青葉区本町にあった総務・経理等の管理部門を扇町に移転させ、組合機能を一箇所に統
合した。仙台市、そして宮城県における震災からの復興はまだまだこれからである。
「工
事」に関する官公需適格組合の証明を得ている宮城県内唯一の組合として、復興に向け
た地域貢献により一層固い決意で臨んでいく。
- 36 -
【岩手県総合建設業協同組合】
1.組合概要
組合名
所在地
代表理事
設立年月日
組合員数
官公需適格組合証明取得
岩手県総合建設業協同組合
〒200-0133 盛岡市青山 1-18-8
小山 茂
平成2年2月20日
15社
平成6年6月30日
2.組合設立の背景・官公需適格組合取得の経緯
岩手県総合建設業協同組合は、土木・防水・塗装等の専門工事業者により外壁調査から
設計・施工まで建設に関わる全てを一環して行う協同組合として平成2年に設立した。平
成6年には岩手県中小企業団体中央会の指導のもと、岩手県で初となる工事の官公需適格
組合証明を取得した。
3.官公需の共同受注事業の取組
(1)共同受注の概要
組合では、独自工法として全国ビルリフォーム工事業協同組合の開発した「GNスー
パーピンネット工法」の施工認定を取得し、官公庁等に営業している。これは、国土交
通省認定の、鉄筋コンクリート等の外壁改修工事に使用する工法で、低価格で長期間の
耐久力を高める“組合の強みである施工技術”となっている。
今では、盛岡市発注の市内学校や市営アパート等の外壁改修工事の設計仕様書に「G
Nスーパーピンネット工法同等」といった条件が付されるまで、この工法が浸透した。
また、官公庁の出先機関を営業することにより、少額随意契約を合わせると、平成2
3年度では年間200件で約1億円を受注している。
(2)組合の営業活動
組合事務局では、官公庁に対する専属の営業担当者を3名配置し、盛岡市の教育委員
会や建築住宅課をはじめ、国・県・市町村の出先機関をきめ細かく訪問している。
訪問に際しては、工法等を紹介したパンフレットや中小企業庁や岩手県中小企業団体
中央会が作成したパンフレットを持参し、発注担当者へ周知を図っている。
4.今後の展望
組合では、共同受注事業の拡大のため、組合員からの紹介・斡旋による目標額を事業計
画で定めているが、全組合員会議を定期的に開催し、意識向上を図ったところ、平成24
年度に計画を達成することが出来た。
また、組合では技術(品質)と同様に営業活動も重要視しており、青年部を組織し、後
継者や若手従業員に対する営業教育と意識の啓蒙を図っていく。
平成24年度の国等の契約の方針では、中小企業庁長官名で官公需適格組合の活用に関
- 37 -
する通達が発出された。同通達は適格組合の周知には非常に効果的であるので、次年度も
実施してもらいたいが、組合としても制度の普及も併せて発注担当者に対し今まで以上に
積極的に働きかけていく。
- 38 -
【岩手県ビル管理事業協同組合】
1. 組合概要
組合名
所在地
代表理事
設立年月日
組合員数
官公需適格組合証明取得
岩手県ビル管理事業協同組合
岩手県盛岡市盛岡駅西通2丁目9番1号マリオス13階
菅原 廣耕
昭和55年10月7日
39社
昭和57年12月23日(役務)
2. 組合設立の背景
東北地域の経済環境は昭和50年代の高度経済成長を経て、大きく変化した。東北新幹
線の開業、東北縦貫自動車道の推進、花巻空港のジェット機の就航など大量交通時代を迎
え大都市圏と地方都市の企業間競争も激化の兆しを見せていた。中小企業においては、人
件費の高騰、技術革新、需要構造の変化、市場の広域化等により極めて厳しい状況のなか、
過当競争による業者間の採算割れ廉価受注への対応など、新たな取組が求められていた。
そこで、地元の中小企業が集まり、共同で事業を展開しコストダウンし経営基盤の強化を
図ろうと協同組合を設立した。
3.官公需共同受注への取組・効果
平成18年より、岩手県公共施設(岩手産業文化センター、岩手県民情報交流センター)
の総合施設管理業務を指定管理者として受注している。この発注は、プロポーザル方式で
入札が行われ、組合と企業数社とのコンソーシアムにより参加し、指定管理者として3期
連続で受注している。
昭和57年に官公需適格組合となり、以来、長年の実績が認められ、岩手県で開催され
た全国規模のイベント(全国菓子大博覧会岩手大会‘98、三陸・海の博覧会’92)の
管理業務等について一括受注した実績を有する。
近年は、他県等からの落下傘業者が参入し、低価格化競争が激化しており受注環境は一
層厳しい状況下にあるが、組合では岩手県を代表する総合管理サービス業として、業務の
さらなる品質向上について組合員が日々研磨を重ねるとともに、人材育成、従業員の労働
環境の向上を積極的に行っている。
4.組合が抱える課題
県内における国等の施設の清掃・警備はほぼ地元組合員が受注していたが、一般競争入
札になったことで応札条件の緩和等により県外の落下傘業者がダンピング入札により落札
している。これにより、低価格競争が激化し、地元業者の受注は激減している。
価格重視の競争では、不適格業者の参入を促すこととなり、業務・サービスの品質低下、
ひいては、地元業者の受注機会を奪い地域中小企業等の衰退、雇用の減少等にもつながり
かねない。組合では、こうした状況の下、地元中小企業・中小企業組合等の活用、公正な
- 39 -
競争環境の整備について県・市に要望している。
5.今後の取組
県内の、総合管理サービス業としてさらなる品質向上を図り、人材育成、雇用環境の整
備等を積極的に行い官公需適格組合ならではの質の高いサービス(役務)を提供し、地域
住民の安全・快適な施設活用を促進する。
高品質なサービスを提供するには、
「価格のみの競争」では地元業者は対応しきれない
状況になっていることから、行政に対し「価格と品質」
、
「企業評価」等について、地元中
小企業の発展と雇用維持等の関連も含め要望を重ねていく。
新たな取り組みとしては、障害者の雇用の促進等に関する法律が改正され、中小企業に
おける雇用率が引き上げられたが、特例子会社制度の活用などを含めて今後の対応を検討
することとしている。すでに障害者を雇用している組合員とともに、全国ビルメンテナン
ス協同組合連合会と連携し先進事例の調査等を行いその体制整備を進めていく。
- 40 -
【合資会社木と字の神林】
1.企業概要
会社名
本社所在地
代表取締役
設立年月日
社員数
トライアル発注
認定製品
合資会社 木と字の神林
東京都町田市つくし野1-28-8
神林 隆成
平成14年1月18日
7名
「水かきグー」
:水を筆につけて文字を書くと墨と同じ色に発色する
再利用可能な用紙
2.新製品の開発にあたり
50年前は筆で字を書くことがメインであったが、現在はボールペン等の筆記用具、パ
ソコン、携帯電話の普及により筆で字を書く機会が減少している。しかし、潜在的な需要
は多くあるとも言われている。そこで会長の神林氏が調査・研究を重ねた結果、①墨汁を
使うと部屋や洋服が汚れる、②後始末が大変、③道具を揃えるために費用がかかる、とい
った課題があるという結論に至り、書道文化の衰退に歯止めをかけるため、現状の課題を
解消できるような新商品の開発を検討した。
その結果、
汚れず気軽に書道を楽しめるよう、
水をつけた筆を使用して文字を書くことができる半紙「水かきグー」を4年を要し開発し
た。その結果、約千回の使用にも耐えられる半紙が完成した。環境配慮への取り組みが注
目されている昨今において、再利用できる半紙は紙の節約にもつながっている。
3.官公需の受注の取り組みについて
「水かきグー」は画期的な商品となったが、これまで、ものづくりに徹した立場であっ
たこともあり、営業についての知識は乏しかった。試行錯誤を繰り返しながら営業の研究
をしていく中で、中小企業新事業活動促進法に基づき中小企業庁が認定をする「経営革新
計画」に関する情報を取得。同計画の認定により金融支援も可能となることから、平成2
0年に認定取得に挑戦し認定を取得した。さらに、東京都より東京都振興公社を紹介して
もらい販売支援を受け展示会等に出展した(独立行政法人中小企業基盤整備機構等の展示
会にも数回出展している)
。
展示会への出展によりメディアに取り上げられたことから注目
を集めることができた。
その後、振興公社から、
「東京都トライアル発注制度」の紹介をうけ、申請することと
なった。
東京都のトライアル発注制度は、都内中小企業者の新規性の高い優れた新商品等の普及
を支援するため、都が定める基準を満たす新商品等を生産・提供する中小企業者を、
「新商
品等の生産・提供により新たな事業分野の開拓を図る者」
(新事業分野開拓者)として認定
するとともに、都の機関がその新商品等の一部を試験的に導入・評価する制度である。
「水
かきグー」は平成23年9月末に認定を受けた。
東京都都のトライアル発注制度の年間予算は3~4千万円であり、認定を受けた商品は、
- 41 -
学校等の都の機関が使用を希望する場合に予算内で都内の企業・学校において1年間商品
を使用することが可能となる(ただし、購入先は製品の改善点等を評価したレポートを提
出することとなっている。開発会社はそのレポートを参考にしてさらなる改善につなげて
いく)
。
トライアル発注における営業先は、都立学校のみであったが、学校からの反響は、予算
がないと言われ順調な滑り出しとはいかなかった。その後、特別支援学校を含む都内60
数校への営業に対し、
直接購入の申込みが約40校からあり、
その額は数百万円となった。
平成24年10月には平成23年度の評価レポート結果が送られてきたが、今後、この集
計結果を分析しながら、さらなる改良と新たな販路開拓にむけ営業に努めていく。
トライアル発注制度において一番苦労した点は営業であった。いい商品を開発しても購
買者から理解を得ることは難しい。あるいは理解を得ても、営業先が教育機関の場合、各
学校の予算が少ないため、実際の発注(使用)までたどり着くことが難しい。
反対に同制度の認定を受けた利点としては、認定から3年間、都立の学校、病院、施設
等において同製品を利用する場合、認定商品であれば随意契約で購入してもらえるという
点である。
学校からの評価はさらなるステップとなり、また東京都のトライアル制度認定製品とい
う「看板」を武器に、今後は、東京都以外の学校等に対しても営業をかけていく。併せて、
教育予算の拡充も要望していきたい。
- 42 -
【協業組合仙台清掃公社】
1.組合概要
組合名
所在地
理事長
設立年月日
組合員数
官公需適格組合証明取得
協業組合仙台清掃公社
宮城県仙台市宮城野区日の出町1-7-15
渡邉 浩一
昭和44年4月25日
4社
平成8年5月26日(役務)
2.組合沿革
協業組合仙台清掃公社は、仙台市のし尿収集委託業者として昭和44年に組合員5社で
設立して以来、仙台市を拠点に宮城県及び東北地域において、一般廃棄物及び産業廃棄物
の収集運搬・中間処理、資源ごみのリサイクル事業の他、各種清掃、環境計量証明事業等
に取り組み、環境保全と公衆衛生の向上に努めている。
ごみの資源化・減量化への取り組みは金属くずのリサイクルに始まり、20年以上継続
している。これまでに、発泡スチロールに次いで空き缶のリサイクル事業を平成4年に開
始し、その後もびん類、ペットボトル、古紙、廃プラスチック、廃食油と次々と取り扱い
品目を増やしている。
近年、グローバル化といった社会情勢の変化が循環型社会の後押しをしているが、長期
性・安定性という面から、
「入り」と「出」両方のマーケティングを充分に検討して、処理
の方式や規模、設備投資を決定する必要がある。ごみの世界は大きく様変わりし、収集か
ら選別、リサイクルまでそのカバーする領域は拡がっている。びん・缶・ペットボトルの
選別工場のほか、発泡スチロールの破砕・溶融固化施設、RPF(廃プラスチック類の固
形燃料)製造工場及び古紙梱包施設を有し、リサイクルの事業範囲を拡大している。廃棄
物の収集運搬も家庭系・事業系一般廃棄物から産業廃棄物(医療廃棄物を含む)まで取り
扱い、業務対応も早朝から深夜まで及ぶなど「24時間化する傾向」がある。
3.官公需共同受注の取組
設立当初は、し尿収集運搬業務を主体としていたが、水洗化の普及に伴い、くみ取り業
務は減少した。それを受けて、ごみ収集を中心とした事業へと転換し、現在は仙台市より
委託・許可を受けて事業を実施している。
し尿くみ取りのバキューム車は過去に最大70台
所有していたが、現在は6台となる一方、ごみ収集車は100台所有している。
家庭系の一般廃棄物収集運搬においては、平成12年の入札以来、仙台市より随意契約
にて受注していたが、同年に一般競争再入札による受注となった。組合で受注する以前は
市が収集業務を行っており、収集車1台に運転手を含めた3名が乗車し業務にあたってい
たが、組合では乗車を2名とすることにより人件費を削減でき、市で収集していた際に発
生していた費用の約3分の1の価格で落札している。
直近3ヵ年では1年に6億円超の官公需受注実績があるが、組織力を活かした環境変化
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への対応そして地域からの信頼が安定した受注の要因となっている。また、工場、営業所
において、それぞれ有資格者が必要となることから、組合には約80名の有資格者が所属
し受注環境を整えている。
4.今後の目標等について
事業の中心が地域や市民に密着した業務であり、今後も更なる省エネルギー・省資源に
取り組み、循環型社会の推進に寄与していきたいと考えている。
「仙台・青葉まつり」
、
「仙台七夕まつり・花火祭」
、
「SENDAI光のページェント」など
地域のイベントへの協賛、ごみ回収ステーションの設置なども行っており、こうした地域
貢献活動は今後も継続して実施していくこととしている。
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【株式会社ユーメディア】
1.企業概要
会社名
本社所在地
代表取締役
設立年月日
社員数
株式会社 ユーメディア
宮城県仙台市若林区六丁の目西町6-5
今野 敦之
昭和35年1月
125名
2.地域復興への願い
株式会社ユーメディアでは、これまで印刷物を通じた情報発信をメインで行っていたが
平成22年4月に、情報発信だけではなく地域の皆で共有できるコミュニティをつくろう
という目的でインターネットサイト「せんだいタウン情報 machico」
(以下マチコ)を立ち
上げた。マチコは、
「街」の人たちの「コミュニケーション」の場でありたいという想いか
ら頭文字をとって名付けた。サイト立ち上げ1周年を目前に控え、新たな展開に向けた行
動を起こそうとしていた矢先に東日本大震災が発生したが、
「街の人たちのコミュニケーシ
ョンの場」としての役割を、地域復興支援のインフラとしても活かすべく、地域情報交換
や復興支援活動促進の場として役立てることとした。
震災発生後に各種キャンペーン参加やアンケート回答などで貯まるポイント「マチコイ
ン」を義援金として募金したい、といったコメントが寄せられた。これをきっかけに「こ
んな時こそマチコとしてできることがあるはず」と編集メンバーは義援金の募集に取り組
んだ。社員の出社もままならない中、編集メンバーは準備を進め、震災一週間後にはスタ
ートに漕ぎ着けた。
これまで、マチコを利用する人は仙台市民または宮城県民が中心であったが、サイト内
に編集長自らの足で被災地や復興へ向けて活動する人を取材したブログを公開したことで、
全国各地の人々に状況を知ってもらうことができた。マスメディアでは報道されにくいピ
ンポイントの地域情報を欲している人は全国各地や海外にもいたため、そのような要望を
受けとめて発信ができたことに大きな意義を感じた。これらの取組もあって現在マチコの
会員は1万5千人となっている。
ユーメディアを中心としたグループ企業では、マチコでの取組と並行し、グループ企業
全体の取組として「ともにPROJECT-ACTIONみやぎ―」を発足させた。同プ
ロジェクトは「みやぎ」の復興のための被災者支援、支援活動協力、地域経済復興支援を
実施・計画する取組であり、長期に渡り、莫大な費用が発生するであろう復興・再生の道
のりに対する決意と思いを表している。その一環として行ったのが「被災地に折り紙を届
けよう!」プロジェクトであり、創業の原点でありコア事業である印刷を通して支援がで
きないかと考えオリジナルの折り紙を製作して各地の避難所へ届けた。
3.官公需の受注の取組について
東日本大震災が発生した平成23年3月は、地方公共団体より受注し毎月発行している
広報誌の印刷が、破損した印刷機械の修繕ができなかったことにより(車での移動が不可
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能であったため修繕を依頼した印刷機器メーカーがすぐには現場に来ることができなかっ
た)
、自社でできない状態となった。しかし、加盟する全国ネットワークで従来より付き合
いのあった他県の印刷業者に代替生産を依頼して、現場には原稿確認のために従業員を派
遣し対応を行ったことにより、休刊にすることなく地域住民へ情報提供をすることができ
た。
宮城県、仙台市では緊急雇用創出事業もスタートし、宮城県庁より公募型プロポーザル
入札による情報発信事業を数件受託した。緊急雇用創出事業では事業内容に合わせて就労
者を雇用しなければならず、かつ受注した事業では東日本大震災による被災者の雇用が条
件となっていた。雇用人数も受託した各事業で指定されており、平成23年度に40人、
24年度には30人を雇用している。
平成23年度の緊急雇用事業終了後に契約社員となった者は現在も活躍しており、同事
業への取組は会社の人材確保につながる面でもメリットといえる。
4.今後の官公需受注に向けて
県では「広報のあり方」について検討する機会が多くあるが、県の事業では民間メディ
アを活用することが少ないため予算化がされていない。しかし、情報発信においては、わ
かりにくい内容では市民に伝わらないことから、同社では、広報そのものを民間へ委託す
ることも検討してもいいのではないかと提案している。
以前、社長が印刷工業組合の理事長であった際には、宮城県の入札制度に最低制限価格制
度の導入を強く要望し、導入が認められ、極端な低価格での入札参加業者を排除すること
ができた。低価格競争が加速してしまうとデフレがますます加速し官公需の入札参加は減
少し、民需へシフトしてしまうため発注機関に対しては低価格入札を防ぐ取組を今後も継
続して実施してもらいたい。
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【埼玉県電気工事工業組合】
1.組合概要
組合名
埼玉県電気工事工業組合
所在地
代表理事
設立年月日
組合員数
埼玉県さいたま市北区植竹町1-820-6
沼尻 芳治
昭和25年12月7日
1,273名
官公需適格組合 平成24年7月14日(役務)
2.組合沿革
埼玉県電気工事工業組合は、昭和25年に電気工事業者の結束を図るため埼玉県電気工
事協同組合として設立。
その後、
昭和33年に埼玉県電気工事工業協同組合と名称を変更、
昭和40年には、現在の工業組合へと組織変更を図り、指導・教育事業等を通じて業界の
安定化、近代化に尽力している。
平成3年4月に、組合員の後継者育成と組合員及びその従業員の技術の向上を図るため、
埼玉県認定の職業訓練校としてS・E・Cセンター(埼玉県・エレクトリック・コンスト
ラクションセンター)を創立した。平成24年度では、認定職業訓練を34コース実施し
ており、電気工事士受験コースは高い合格率を誇っている。
埼玉県内には18の支部を設置しており、各支部では地域コミュニティでのイベントや
お祭りに積極的に参加し、電気の安全に関する啓蒙とPRに努めるとともに、組合員同士
の交流を図り活動をしている。
組合事務局業務、調査業務の品質向上等のため、平成14年にISO9001(品質管
理)
、平成15年にISO14001(環境マネジメント)を、平成18年にはISO27
001(情報セキュリティマネジメント)を取得し、現在はこの三つを統合マネジメント
システムとして運用し組合の業務体制を確立している。
3.地域社会への貢献
平成23年9月に現在の理事長が就任してから「電気の信頼回復と地域社会への貢献」
が組合の方針となった。東日本大震災発生後には、災害発生後に市民が安心して避難する
ことができ、迅速な災害復旧活動を行うために、埼玉県及び県下63全市町村と「災害時
における電気設備等の復旧に関する協定」を締結している。さらに、埼玉県内61市町村
と「防犯まちづくりに関する協定」も締結し、平成25年4月30日で県下63全市町村
との締結が完了する予定である。埼玉県との協定締結により、組合が発行する「防災協定
証明書」を県に提出することで、埼玉県建設工事請負等入札参加資格審査時において主観
点が30点加算されるなど入札参加資格の条件が有利となっている。
平成24年9月には、県下全市町村と締結している防災協定の一環として、埼玉県一斉
の外灯点検(6万5千灯)を行った。点検の結果、通学路や緊急避難通路等で外灯が設置
されていないところもあり、市町村に報告したところ、自治体の財政上の理由から組合に
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おいて無償提供をした支部もあった。同月、埼玉県下一斉のゴミゼロ運動も展開し、環境
美化にも貢献している。理事長の指導方針である「地域社会と一体となった信頼される組
合」を目指し、市町村の公園、道路、駅周辺を対象に空き缶、紙くず等を収集。当日は3
0度を超える残暑の中、約400名の組合員が2時間活動し、ごみ袋300に及ぶごみを
収集した。
地球温暖化防止についても真摯に受け止め、埼玉県農林公社森林局の協力の下、平成1
8年より毎年11月に、秩父山地で桧木の枝打ちを実施するなど、森林ボランティア活動
も実施している。ボランティア活動は1社で行うよりも、組合の総力を結集して実施する
ことで大きな効果を生む。ボランティアの共同化は地域住民に喜ばれ、参加する組合員企
業を成長させる大きな価値がある活動である。これらの積極的なボランティア活動を今後
も継続して実施し、
組合員が地域から評価されるよう組合として後方支援を展開していく。
4.官公需共同受注の取組・今後の取組
埼玉県からは、昭和60年から電気工事業者保安講習を平成20年から電気工事士の免
状作成発行業務を受託しているが、今後、発注機関の自家用電気工作物電気保安業務等を
受注してさらなる受注拡大に努めるため、平成24年7月に官公需適格組合証明(役務)
を取得した。電気保安管理業務を主力としながら国等の機関の入札にも積極的に参加して
いく予定であり、現在役員が18の支部で説明会を開催し、今後適格組合証明をどう活用
していくか組合員に説明し、組合と組合員の一体感を持って貰うよう働きかけている。ま
た、既に民間の契約を受注し、電気保安業務を実施する中で、業務をより習熟させ、来る
官公需受注に向けて着実に実績を積んでいる。
埼玉県はエネルギー推進に取り組んでおり、特にさいたま市においては、早くから低炭
素社会実現のため E-KIZUNA プロジェクトを立ち上げ電気自動車の普及に力を入れている。
組合もこの事業に参画し、販促用のデモカーとして電気自動車を導入し、充電スタンドも
組合駐車場に設置している。国からエネルギー特区にも指定されているさいたま市は、環
境未来都市推進協議会を発足させ、持続可能な低炭素社会を目指している。次世代自動車
普及における、インフラ整備としてEV用充電スタンドの設置も推進しており、組合も協
議会のメンバーとして事業に参画している。特に、エネルギー特区においては、ハイパー
エネルギーステーションの普及が挙げられており、次世代自動車の加速度的な普及による
「徹底した低炭素化」を推進するため、発電、蓄電などの防災機能を有し、災害時におけ
る「エネルギーセキュリティ」の確保を図ることとしており、組合では県内石油商業組合
と連携を図り、環境の整備に尽力している。
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【熊本県セキュリティ協同組合】
1.組合概要
組合名
熊本県セキュリティ協同組合
所在地
代表理事
設立年月日
組合員数
熊本市西区春日4丁目25-6
與田 正昭
平成11年6月21日
13人
官公需適格組合証明取得
平成14年11月14日(役務)
2.組合沿革
熊本県セキュリティ協同組合は、平成11年に組合員15社で熊本総合警備業協同組合
としてスタートした。平成13年12月には組合名を現在の「熊本県セキュリティ協同組
合」に変更し、現在14年目を迎える。
1社では対応が困難である大規模な警備業務を共同で受託し、組合及び組合員の安定的
かつ継続的な発展を目指している。
組合員企業に属する警備員総数は1,
000名を超え、
県下で唯一かつ最大規模の組合となっている。
組合事業としては、警備業務等の共同受注事業をはじめ、制服等警備装備品の共同購入
事業、各種セミナーの開催、共同教育事業等を実施している。
なお、平成14年には官公需適格組合証明を取得し、あわせて八代市の大規模イベント
である「やつしろ全国花火競技大会」の警備業務を受注した。
3.官公需共同受注の取組
共同受注では、雑踏警備・イベント警備、交通誘導警備、施設常駐警備等の業務を行い、
事業運営の推進体制として共同受注委員会及び共同受注検査委員会を設置している。
参加資格のある入札案件には全て参加しており、組合として生き残ることが、組合員で
ある企業の生き残りでもあることから、組合員全員で取り組む意志を持っている。
官公需適格組合証明を取得したものの、現在では入札形態がほぼ一般競争入札になった
こともあり、官公需適格組合であることは基本条件となっており、適格組合証明の優位性
は発揮できていないのが実情である。
4.官公需受注成功のポイント
組合事業に従事する事務局責任者である専務理事が各省庁、県や市町村のホームページ
に掲載される入札公告を毎日くまなくチェックし、参加資格のある入札案件に参加漏れの
無いように対応を行っている点は受注成功への一歩と言える。
また平成22年度からは、熊本県の緊急雇用対策事業である安全パトロール事業を一般
競争入札にて受注し、事業収入を倍増させている。同事業では、警備員指導教育責任者と
施設警備業務2級の資格保持者が必要で、通常の企業では同資格保持者が1~2名のとこ
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ろ、組合員全体で10名いたことから、結果的に組合のスケールメリットを活かしての受
注となった。なお同資格の試験は熊本県警備業協会を通じて年に一度実施している。
安全パトロールは地域の安全に直接つながり、地域住民から子どもの通学時にパトロー
ルが行われることは安心感があるとの声があり、犯罪件数においても過去と比較して減少
している。同事業は通年事業ではないが、予算を執行している県警察から熊本県に対して
予算要求がなされる予定となっており、
地域住民の安心が継続できることを期待している。
警備員数及び資格保有者数が県内随一であることは組合の付加価値であり、県における
警備業のリーダー的役割を担っていることは業界の中でも高い評価となっている。大手警
備会社への対抗要件となっているもの事実であり、組織化の意義は大きい。
近年の安全に対する意識の高まりとともに多種多様化する警備の各方面からの依頼に
対して、組合では組合員全員が柔軟かつ適切な対応に努めることができるよう共同研修を
強化していくこととしている。
5.今後の課題等
建設工事現場における交通警備が大きな収入源である警備業界は、年度末が繁忙期とな
るため、官公需受注の割合が多い組合、組合員企業においては経営の安定が難しい。警備
員の派遣要請も年度末に集中することから、警備員の不足により工事が行えないといった
事態も発生している。平成23年に発生した九州北部豪雨の復旧工事は一般競争入札にて
行われたが、地元の工事業者は東日本大震災の復旧工事のため東北地方に多く派遣されて
いたため、同入札の参加者が集まらず入札不調となったケースもある。建設工事の実施が
年間を通じてコンスタントに行われるようになると、組合、組合員企業の受注が安定し、
その結果雇用の安定にもつながるため、いかに受注の安定化を業界からも提案していくか
が重要な課題となっている。
定期的に有資格者の講習を実施し、人材育成を行っているが初任者研修などの新しい人
材に対する育成支援を行うことで人材の確保を行うことが課題ともいえる。
入札公告に関する情報収集は現在専務理事が単独で行っており、発注に関する各部署の
ホームページを確認するなどして積極的に行っているが、人的にも時間的にも制約がある
中での収集作業となり、収集漏れや収集遅れといったロスをいかに減らしていくかも今後
の課題と言える。
社会情勢の変化により、多種多様な警備を求められるが、警備員の人件費削減により低
価格競争が行われ、質の良い人材が集まらないことも課題となっている。発注機関には適
正な競争環境の整備をしてもらいたい。
また、入札の度に官公需適格組合についての周知を発注機関に対して行っている。ここ
数年は国・県に関しては官公需適格組合に対する認識は以前よりも改善されたとみている
が、市町村においてはまだまだ認識の低さが感じられるケースもあると感じている。官公
需適格組合制度の更なる認知度向上は、組合だけでなく国県等においても今まで以上に周
知徹底を図って欲しいとしている。
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【熊本県害虫消毒協同組合】
1.組合概要
組合名
熊本県害虫消毒協同組合
所在地
代表理事
設立年月日
組合員数
熊本市東区戸島1丁目8番86号
田口 憲雄
昭和50年2月21日
8人
官公需適格組合証明取得
昭和52年6月17日(役務)
2.組合沿革
熊本県害虫消毒協同組合は、鼠・衛生害虫・不快害虫・白蟻などの駆除と消毒施工を共
同受注しており昭和50年に設立した。
熊本県における共同受注事業推進の代表的存在ともいえる組合で、設立当初から共同受
注事業の実績を堅調に上げていることから、熊本県中小企業団体中央会内に事務局を置く
団体“熊本県共同受注推進協議会”の立ち上げにも当時の理事長が深く関与した経緯もあ
る。共同受注事業推進のパイオニアとして当時から高く評価される組合であった。
昭和52年に熊本県において初めて官公需適格組合証明を取得し、現在までに九州森林
管理局、熊本大学等をはじめとする県内施設の消毒業務等を行っている。
3.官公需共同受注の取組
近年では、県内の入札形態が、従来の随意契約から一般競争入札あるいは見積合わせへ
移行され、県外業者による低価格でのダンピング入札へと激化しているが、組合では適正
価格での契約となるよう地道な受注活動を継続して行っている。官公需適格組合の証明を
常に提示し説明を行うなどの営業努力は欠かさない。
東日本大震災が発生してから、東北地方以外でも地方自治体と災害協定を締結する組合
が増えたが、組合でも平成24年3月末に、熊本市と「大規模災害等発生時の防疫活動に
関する協定」
を締結した。
協定締結から3ヵ月後の同年7月12日には九州豪雨が発生し、
熊本県竜田地区では白川の氾濫による浸水等の被害が出た。災害協定を締結した矢先に大
きな災害が発生したことから、組合は先の協定に基づき、浸水した家庭への消毒作業を随
意契約により一括受注した。消毒作業にかかる時間は平均で1件につき1時間であるが、
7月21日から8月中旬までの約1ヵ月間で500世帯の消毒作業を通常業務と並行して
行い、7月期は3,500千円、8月期は4,000千円超の適正価格による受注実績と
なった。熊本市からの派遣により本組合が消毒作業を行ったことで、住民への安心感にも
つながった。
同作業は組合としての結束力を高め、時代の流れに沿った新しい組合としてのあり方を
考え直すよいきっかけとなった。他団体との差別化を図るためにも、今後は熊本県との災
害協定も締結予定としている。
- 51 -
4.官公需受注成功のポイント
理事長をはじめ、組合役員が随時、発注機関の担当者に組合の営業案内その他関係資料
を提出し、PRを行うなど受注契約の拡大に努めている。情報収集源は、営業活動のほか、
業界新聞、組合員との連携などがあるが、発注機関から組合への連絡もある。これは長年
にわたる組合の地道な営業活動の成果といえる。
顧客のニーズに対応するため、組合員の理解と団結のもとに共同受注体制の強化を図る
べく、資質向上のための研修も積極的に行っている。年に一度、組合員各社の従業員を含
めた教育・交流を実施しており、本年度は環境衛生関係法令等、殺虫剤の種類と使用方法
等をテーマに熊本県の担当者を講師に研修を行っている。
5.今後の課題等
大手業者との競合問題は大きな課題であるが、組合では昨年度より就任した新理事長の
下で価格の安定化を図るために、低価格競争を防ぎ、組合のメリット・官公需適格組合で
ある優位性を発揮できるよう組合のあり方を検討していくこととする等、組合の体制整備
に重点を置いている。
さらに今後は、住民の安心、住宅のサポートを強化していくためにも官公庁への働きか
けだけでなく、
住民へ組合の存在を知ってもらうための活動も力を入れていく必要がある。
他業種からの新規参入や他県からの営業展開、
訪問販売業者による市場の荒廃などにより、
白蟻を主とした消毒業務は地域住民の理解を得るのが難しい面もあるが、組合員は熊本県
に事業所を置く地元の企業であるという安心感を与えるための情報提供や露出頻度の向上、
また異業種の協同組合等との連携による活動も視野に入れ、多方面に活動することでイメ
ージ改善を行っていくことも今後の活動のポイントとしている。
- 52 -
【株式会社ハイスポット】
1.企業概要
会社名
本社所在地
代表取締役
社員数
トライアル発注認
定製品
株式会社 ハイスポット
神奈川県相模原市南区相模大野-3-10 ツルマビル3F
杉本 祥一
38名
救急隊員 Navi:搬送先確定の時間短縮、救急隊員間情報共有シス
テム
2.会社設立経緯
社長は、大手メーカーにエンジニアとして勤務した後、平成5年26歳でソフト開発等
の事業を行うことを目的に創業した。平成9年にエンジニア仲間10数名とともに有限会
社を立ち上げ、平成12年に、現在の神奈川県相模原市に拠点を構えた。設立当初はエン
ジニアの個人事業主の集まり的な会社であり、共同事務所的な企業運営を行っていた。し
かし、平成17年頃から経営者として組織の再構築、経営マネジメント等を重視すべく、
社団法人首都圏産業活性化協会、相模原商工会議所等からの支援を受けて計画的に事業を
展開し、徐々に取引先を確保し業績を安定していった。
3.新製品(自社製品)の開発
平成20年のリーマンショックの影響により、主要取引先からの受注が激減し、改めて
下請け的な受注体制に危機感を持ち、自社製品の開発に着手した。この新製品の開発にあ
たっては、地元相模原市の製造業と連携し、平成21年には「REID における高度暗号化モ
ジュールの試作開発」において『ものづくり中小企業製品開発支援補助金計画』において
採択された。
4.認定と官公需の受注の取組について
相模原商工会議所の支援を受けて、医療分野において新製品等の開発を手掛けることに
なったことがきっかけとなり、1 年間にわたる開発期間と、市の開発補助金制度を活用し
て平成24年に、スマートフォンを利用した救急隊員向けの支援システム「救急隊員 Navi
(for Android)」を開発、同年「相模原市トライアル発注認定制度」により認定を受けた。
同製品は、救急車両到着後、受け入れ先を確定するまでの時間短縮のために開発したシ
ステムであるが、認定により、①広報さがみはらや市ホームページでのPR、②市が作成す
る認定製品のカタログへの掲載、
③展示会への認定製品の出展等、
市が積極的にPRする。
社長は「商品PRを市が支援してくれる。当社の技術力のPRにもつながるため非常に
有意義な制度である」とメリットを述べ販路開拓へ期待を寄せている。
- 53 -
【相模原市印刷広告協同組合】
1.組合概要
組合名
所在地
代表理事
設立年月日
組合員数
官公需適格組合証明
相模原市印刷広告協同組合
神奈川県相模原市中央区中央 3-7-5
長田 功
平成8年4月1日
26社
平成9年11月(物品)
2.組合設立経緯
昭和63年に相模原印刷工業組合として、印刷業者が情報交換・人材育成を目的に設立
し、約8年間活動を実施した。その後、情報産業の高度化により、印刷業においてもデジ
タル化が進展し、個別企業において受注機会が激減したことで、組織化を図り共同受注を
目指すことと、各組合員の技術・知識等のレベルアップを推進するために、平成8年4月
に現在の事業協同組合として再結成した。
設立当初から当組合は、代表理事の長田功が行政や相模原市商工会議所からの指導・人
的ネットワークを駆使し、官公庁からの受注を目的に事業活動を行っている。平成9年1
1月には官公需適格組合として認可された。
3.官公需共同受注の経緯
従来、相模原市は市民向けのガイドブックを発行していたが、財政が逼迫したことから
作製部数も大幅に削減せざるを得ず、発行中止の局面を迎えており、相模原市における行
政サービスの低下を招くことにより、市民への悪影響が懸念された。こうした状況を回避
すべく、組合がこのガイドブックの発行を行うことを提案し受注した。
発行にあたり、資金面ではガイドブックに企業の広告を掲載することで、作製費用を賄
い、市の財政負担の軽減に貢献した。配送に関しては自治会連合会の協力のもと組合員が
分担して実施し、手渡しにて市内すべての自治会へ配布した。これが功を奏し、ガイドブ
ックが数多くの市民の手に渡ったことから、広告・宣伝した企業等の営業にも大変効果を
発揮し、現在このガイドブック(ナイスガイドさがみはら:商標登録)に広告掲載したい
との要望が多い。
4.官公需共同受注の取組
官公庁・相模原市からの直接的な受注は少ないものの、市民、自治会からの要請をもと
に、組合が企画・提案を行うことで間接的に事業を受注することで、相模原市における行
政サービスの低下を防ぐ一翼を担っている。他にも組合が関わる事業には以下のようなも
のがある。
(1)相模原市民まつり実行委員会が主催する、年1回(土日開催)の桜まつりにおい
て配布するパンフレットの印刷を受注し、広告収入にて発行している。今年度は来場
- 54 -
者数に対して発行部数が少ないとの相談を受けたため、発行部数増加のための提案等
を行った。また、この桜まつりの開催を市民の幅広い世代に周知し、パンフレットの
不足分を補うため、電子ブックを活用してPCや、スマートフォン、電子端末で情報
を入手できるように企画し、実施した。
また、相模原市からの提案を受け、配布した後使用済みのパンフレットを回収し、
リユース(再使用)するなど、環境に配慮した活動に参画した。
(2)相模原市から委託事業として「子育て応援店」登録制度を受託した。妊娠中の方
や、18歳未満の子どもがいる家庭を応援する取り組みであり、登録店が子育て家庭
へ配慮したサービスの提供、利用しやすい設備の提供、経済的に優遇される商品やサ
ービスの提供を行うものである。この登録申請の窓口を組合が担当し、登録店数の拡
大のための活動や事務局機能を担い、本事業の拡大に貢献した。
5.官公需の受注のポイント
相模原市は、地元に自治会を構成し行政サービスの一部を委託している。しかしながら、
市の予算が厳しいため、行政サービスが行き届かないのが実態である。これに組合は着目
し、市民目線による企画、提案により受注を行っている。
地元密着型の行動として、PTAに対して、広報誌の作成講習会を無料で開催している。
この講習会は組合員が講師となり、年1回開催され、通算20回開催している。また、相
模川の自然の村公園の花壇の草取りや水やりなどの管理を10年以上実施するなどボラン
ティア活動も継続して実施している。
- 55 -
【敦賀市管工事協同組合】
1.組合概要
組合名
所在地
代表理事
設立年月日
組合員数
敦賀市管工事協同組合
福井県敦賀市天筒町8-8
中村 紀明
昭和46年4月30日
42社
2.組合沿革
福井県敦賀市に所在する管工事業者の組合であり、市内約60社の管工事業者の内42
社が組合員である。
(敦賀市水道指定工事店として登録している事業者は市外業者も含め約
120社)
敦賀市から365日24時間体制で上水道の漏水管理を受託するとともに、安全パトロ
ール(年4回)、配水管洗管作業の実施(年1回5日間)、1人暮らし高齢者宅の配管設備点
検ボランティアなども実施し、
地域のライフラインの維持とともに安全・安心を提供する。
3.共同受注事業に対する取組
上下水道は、本管部分は行政が負担するため官公需となるが、本管から枝分かれし各家
庭等に引き込む部分は利用者負担となり民需として施工することになる。資材や使用部品
等に至るまで市の認定マークのついたものを推奨している。以下組合事業を紹介する。
(1)共同購買事業
管工事や保守に必要な部品の共同仕入を行っている。敦賀市では、管工事で使用する
材料は市の認定マークのあるものを推奨している。組合はこれらの材料等を共同で仕入
れており、組合の中核事業となっている。
(2)設計事務代行
管工事の給水設計の事務代行を組合で行っている。敦賀市の水道関連業務について組
合はエキスパートである。事務代行は、非組合員や市外業者にも対応する。
(3)漏水管理業務
この事業は24時間365日対応している事業である。漏水窓口を警備会社に委託し
ており、連絡が入ると警備会社が当番組合員に連絡し直ちに修理に行くというものであ
る。警備会社を活用したことで少ない経費で対応できている。
4.官公需の受注のポイント
管工事は、公共の上下水道との関係が密接で市民生活への影響が大きい。組合員が行う
工事は規模の関係なく官公需の仕事になるため、組合としても公共的な仕事をしていると
いう意識が強く、地域貢献活動にも熱心である。そのような活動が組合・組合員の受注に
つながっている。
(1)ひとり暮らし高齢者宅の配管設備点検ボランティア
- 56 -
平成 14 年より年1回、市内の独居老人宅の配管設備の点検・修理を無料で行って
いる。平成 22 年 11 月には、地域に密着した活動が評価され、中日ボランティア賞を
受賞している。
(2)安全パトロール
平成 14 年より安全パトロールを実施(現在は年4回)
。
(3)除雪作業
平成 15 年の豪雪に際し、組合員一丸となって、連日市内の除雪作業に取り組み、そ
の活動が認められて敦賀市より感謝状を授与された。
(4)福井県立産業技術専門学院での配管講師
平成 15 年より、就職するために必要な知識と技能を身につけたい一般求職者に対す
る配管実技指導を実施している。
(5)配水管洗管作業
平成 17 年より敦賀市上水道課の依頼によりスタート。毎年5日間、深夜に配水管の
洗管作業を実施している。
(6)防災
防災訓練の積極的参加、防災施設見学会の実施など、組合員の意識を高める活動を
展開している。阪神・淡路大震災の時は水道復旧応援隊として災害支援を行っている。
(7)敦賀市との災害時協力協定
平成 18 年 9 月 13 日に、敦賀市と当組合は「災害時における協力に関する協定」を
締結した。これにより、市は災害発生時に水道施設の復旧に組合の応援が必要になっ
たときは、応急活動を要請でき、組合は要請を受けたときは他の業務に優先して市の
応急活動に協力することが定められている。
(8)組合間連携=各務原市管工事協同組合と BCP 協定を締結
広域的な災害発生時には自らも大きな被害を受けることを懸念し、組合は各務原市
管工事協同組合へアプローチし、2年間にわたる協議を経て、平成24年8月に「各
務原市管工事協同組合と敦賀市管工事協同組合との災害時相互応援に関する協定書」
を締結した。協定は、両組合が同時被災することはないという前提のもと、非被災地
の組合から被災地へ若手を中心とした有志による応援要員(約 20 名)を派遣し、当該
要員が被災地の業務を代替で行うという内容になっている。これを機に交流が深まっ
(※敦賀市と各務原市は友好都市で平成 7 年 10 月「災害時相互応援協定」を締結している。
)
ている。
5.組合の効果・今後の展開
管工事のメンテナンス業務、水道メーター等の保守メンテナンス業務などを受託し、そ
れらに付随する修繕工事を受注できる体制を整える。そのため組合として建設業許可を取
得していく。また、そのための予算化を市に要望していく。
- 57 -
【土岐市陶磁器卸商業協同組合】
1.組合概要
組合名
所在地
代表理事
設立年月日
組合員数
官公需適格組合証明取得
土岐市陶磁器卸商業協同組合
岐阜県土岐市土岐津町高山 4 番地
齊木 克躬
平成3年4月
141人
平成10年11月(物品)
2.
「美濃焼」の現状
「美濃焼」は、平成18年4月1日の地域団体商標の登録受付開始と同時に出願。翌年
2月に飲食器類の登録がみとめられ、国内では広く認知されるところになった。しかし、
国内市場は少子高齢化による需要の減少をはじめ、外食産業の不振、食文化の変化、海外
からの安価な製品の輸入による影響等の要因により、国内出荷額は平成3年に683億円
であったものが平成23年には137億円にまで落ち込み、非常に厳しい状況にある。
3.組合の事業
組合は、陶磁器(美濃焼)商品及び関連商品の共同受注、包装資材等の共同購買、陶磁
器商品の共同販売並びに市場開拓等を主な事業として実施し、共同販売事業として直営店
「陶土ぅ庵 -とぅとぅあん-」を運営している。また、
「セラトピア土岐」の指定管理業
務を受託することで(平成24年度より5年間)
、
「納涼!夏祭り」
「出会いパーティー」
「ウ
ィンターイルミネーション」等の事業を実施し、美濃焼のPR・販売に貢献している。
4.共同受注事業の実績
従来、学校給食用食器として主流であったプラスチック(ポリカーボネート)製食器は、
食器に含まれる環境ホルモンなどの有害物質が問題視されるようになった。このため、プ
ラスチック製食器に代わる安全かつ割れにくい食器として、ファインセラミックス技術を
応用し土岐市立陶磁器試験場が開発した「高強度磁器」を商標登録し、組合が対象となる
全ての商品にシールを添付した。この「高強度磁器」は極めて安全かつ衛生的で、一般的
な陶磁器に比べて3倍以上の強度があることに加え、平成10年に官公需適格組合の証明
を取得したことの効果により、取引先からの信用が今まで以上に得られることとなり、全
国の教育機関・公的機関4,000ヶ所余りに給食や食堂用の食器として販売・納品して
きた。しかし、その後類似商品が開発され、プラスチック製品における環境ホルモン問題
等も解消されたことから、組合の共同販売(官公需受注)は減少した。近年は少子化の影
響もあり、食器の大型入札案件は少なく、また、官公需の発注情報は組合員経由で入手す
ることが多く、組合として参加する案件も年数回程度と受注機会が減少している。また、
入札になると消費地卸の業者や厨房機器の販売業者が機器と一緒に落札するケースが増え、
競争は厳しい。組合を設立した平成3年が陶磁器の共同販売の最盛期で年間8,000万
- 58 -
円強を販売し、その半分が官公需であった。しかし平成23年度の共同販売事業は約2,
000万円まで落ち込み官公需による受注額は5分の2程度となっている。
この状況を打開するため、官公需適格組合の証明を受けている強みを生かし、東京都の
市区町村へ「高強度磁器」のDMを作成し送付し、今年度は、東京都庁、葛飾区などの行
政機関と幼稚園関係から発注があった。
5.課題と展望
組合は、
「高強度磁器」が「強度」や「安全性」においては高い評価を有する陶磁器食器
であることに加え、
「物を大切にする」といった教育効果をアピールすることで、一層の国
内需要の掘り起こしを図っている。
「高強度磁器」の販売ターゲットとなる学校関係や施設
関係は全国に存在するため、美濃焼産地のPRと共同受注の増加を目指している。
また、各種展示会へも出展し、
(具体的には、ビックサイトで開催されるフードシステム
ソリューション、ホテルレストランショー、ギフトショー、ラーメン産業展、居酒屋産業
展等)組合員のブースとともに組合ブースを設けてPR活動に努めている。
さらに、組合では平成23年度から経済産業省の JAPAN ブランド育成支援事業を活用し
東南アジア市場に販路を新たに開拓するための挑戦を始めた。まず、東南アジア市場のハ
ブ拠点となるシンガポールにおいて、美濃焼の新たな販路創出の可能性を探るための市場
動向を調査した。その結果、まずは日本の食文化をうまく発信し、総合的な日本文化とし
て受け入れてもらうことができれば「美濃焼」を東南アジア市場を中心とした海外の外食
産業に売り込めるチャンスが生まれるのではないかという結論に至った。今年度はシンガ
ポールで開催された展示会に初めて出展し、新たにデザイン開発した「高強度磁器」の求
評を行ったほか、組合員の取り扱う美濃焼の業務用食器を展示し新たな海外市場へ販路を
開拓していくための取組も行っている。
今後も、美濃焼業界振興・発展のため、関係各機関と連携を強化してさらなる販路開拓
を模索していく。
- 59 -
【宮下地区建設業協同組合】
1.組合概要
組合名
所在地
代表理事
設立年月日
組合員数
官公需適格組合証明
宮下地区建設業協同組合
福島県大沼郡三島町大字川井字宮ノ上2344番地の2
佐久間 源一郎
昭和54年3月17日
10社
平成23年9月30日(工事)
2.組合設立の経緯
組合員のための短期資金の融資及び資材の共同購入を目的に事業を開始した。その後平
成21年2月に組合の定款に共同受注事業を追加し、3月に建設業の許可を取得、4月に
福島県中山間地域道路等維持補修業務を受注した。
宮下地区は、福島県会津地方の南西部、奥会津といわれる中山間地域に位置し、柳津町、
三島町、金山町及び昭和村の3町1村からなる。山村振興、過疎、特別豪雪の特殊立法指
定地域となっており、高齢化・過疎化が進んでいる地域である。
3.共同受注の背景
(1)社会的・経済的要因
約10年前から建設投資・公共事業が減少し、建設業者の受注が激減した。その後入札
契約制度の改革に伴い、指名競争入札から一般競入札が中心となった。こうした状況によ
り、落札率の低下と、他地域建設業者のダンピング受注が増加したことから、宮下地区の
建設企業の経営環境が悪化し、地元建設業者数、従業員数の減少(特に重機を扱うオペレ
ーターの解雇)
、建設機械の削減(リース化)に至った。
このような建設業者の経営状況の疲弊により維持管理業務の担い手が減少し、サービス
の低下が心配された。実際に、他の地区において、冬期の除雪業務を請け負った建設業者
が、業務途中で倒産し除雪が滞った例もあった。
(2)共同受注の検討
県の組合では事業活性化特別委員会において、共同受注に関して検討を行った。組合で
は、具体的に取り組むために、先進的な事例である、北海道千歳市の共同受注の実態を視
察・調査した。その結果、地域の除雪・維持管理業務の一括発注、共同受注の方式により
取り組むこととした。
(3)官公需共同受注事業の内容
平成21年から「福島県中山間地域道路等維持補修業務」を受託し4年度を迎える。事
業・業務内容は、平成21年度は、道路・舗装・河川維持補修、除雪等の複数単価契約(5
業務)及び道路除草・植栽管理、路面清掃、スノーポール設置撤去・防護柵設置撤去業務
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の総価契約(7業務)であった。22年度から複数単価契約に新たに3業務が追加され8
業務、総価契約は1業務が追加され8業務になった。
契約期間は1年間で、発注方式は透明性・公平性を確保するため「公募型プロポーザル
方式」が採用された。
(4)事業の実施効果
組合・組合員における事業実施による効果としては、以下の点が挙げられる。
①地域建設企業の安定した受注の確保に寄与している。
②年間契約のため、雇用や業務遂行の予定・計画が比較的立てやすい。
③緊急性の高い業務に対して、遂行までの期間を短縮することができる(組合が内部
調整することによって、即座に対応可能な企業を選定し得る)
。
④地域に密着した域内企業がほぼすべて加入しているため、地域に対する知見を踏ま
え、日常生活から危険箇所等のモニタリングが可能である。
⑤地域に密着した企業・従業員が業務に当たるため、多様化・高度化する住民要望を
反映したサービスの提供が可能である。
⑥個別企業の受注状況等によって生じやすい業務実施余力の差を、組合員間が相互に
補完することによって平準化することが可能である。
⑦企業倒産等による業務中断のリスクを回避することができ、継続的な住民サービス
の提供が可能である。
福島県が事業の評価を検証しているが、町民アンケート調査では高い評価を得ている。
○福島県事業評価アンケート結果(抜粋)
・
「地元の宮下地区建設業協同組合が道路等の維持補修を行っていることを知っている」
→知っている67%
「地元業者による道路等の維持補修について」
→「地元が良い」84%
「道路等の維持補修に限らず、地元の公共工事を地元の業者が施行することについて」
→「地元が良い」78%
4.今後の対応
従来、県は事業毎に発注(11月から翌年3月の期間)を行っていたが、宮下地区は冬
期交通・生活の確保のため除雪作業が生活の安定上欠かせないことにより、県のモデル事
業として年間維持業務が開始された。
これにより、豪雪期など個社では対応出来ない場合でも、他の組合員が代替で対応する
こと等も可能となり迅速な対応が可能となっている。契約期間の空白化もなくなり、行政
としても安定した住民サービスの提供と計画・効率的な費用配分が可能となった。
「地域住民の生活を守る」というコンセプトのもと、現在は単年度契約で事業を実施し
ているが、安定した維持活動の推進のために複数年による契約となるよう県に要望してい
く。
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【全国石油業共済協同組合連合会】
1.組合概要
組合名
所在地
会 長
設立年月日
会員数
全国石油業共済協同組合連合会
東京都千代田区永田町2丁目17-14
関 正夫
昭和28年5月26日
47石油協同組合
2.地方自治体との災害時協定締結
東日本大震災を経て、全国石油業共済組合連合会(以下“全石連”)では、発注機関等に
対して官公需適格組合証明をもつ石油組合への活用強化等について要望活動を行った。
その先進事例となったのが北海道石油業協同組合連合会(以下“北石連”)であり、北海
道庁と「災害時における石油類燃料の供給等に関する協定」を平成23年12月に締結。
同協定では、平時から発注機関と受注者の信頼関係を構築する目的を含め、
「災害時にガソ
リンスタンド事業者(組合員)が石油製品の供給能力を十分発揮できるよう、市町村に対
して中小企業者の積極的な活用への配慮を要請する」とした条文が全国で初めて盛りこま
れた。
従来より、全国では各地にガソリンスタンドの事業者の組合として「○○都道府県石油
協同組合」が設立されており、その全国組織として全石連がある。北海道においても同様
で「○○石油協同組合」を束ねた連合会として北石連が組織されている。この北石連が平
成23年12月に「北石連モデル」と称される災害時協定を北海道庁と締結した。北石連
モデルは従来の災害時協定に、官公需の発注に配慮することを明記した点で画期的な災害
時協定といえる。
北石連モデルは、平成24年11月末に発生した暴風雨による胆振管内を中心とした大
規模停電時(室蘭・登別など17市町村で56,000戸が停電)が初の発動事例となり、
発動時に発生した問題を解決したことで更なる進化を遂げている。この発動事例により、
ある程度広域的に災害時協定が締結されていないと機能しない場合があること、備蓄は在
庫負担の観点より難しいため組合のネットワークにより対応を図ることは有効な方法であ
る点がわかった。
東日本大震災時も、災害時協定の有無で対応に差が出たことは、全石連としても把握し
ている。大手企業は災害時に従業員の安全確保の観点から、給油所を閉めるところが多い
のに対し、地元中小企業は積極的に対応をした。
北海道には約180の市町村が存在するが、
そのうちの約40市町村が北石連モデル
(内
3町が小樽モデル)の災害時協定を締結している。従来型の災害時協定を含めると全道で
約4割の自治体が北石連傘下の地方石油(協)と協定を締結している。未締結の自治体が
過半数あるが、その理由としては、現在関係市町村との協定締結を検討している又は、経
費削減あるいは住民感情等を理由に躊躇している事例と考えられる。災害は一つの市だけ
で発生するとは限らないため、ある程度広域的に協定を締結したいと考えている市町村も
- 62 -
ある。
北石連モデルの災害時協定には「道庁は災害時に、北石連等が石油類燃料等の供給能力
を十分発揮できるよう、
『中小企業者等に対する受注機会の確保に関する推進方針』に沿っ
て市町村に対し文書により分離・分割発注の推進等について配慮を要請するものとする」
と明記している。北石連は災害時協定を円滑に進めることができるよう、以下の内容の「S
S災害対策マニュアル」を作成している。
協定が求める次のことの実践
(1)災害時に緊急車両への優先供給
(2)帰宅困難者などの一時休息所としての機能の発揮
具体的内容
(1) 災害事前準備:海沿い、山間部の立地確認、スタッフの役割分担
(2) 災害時の対応:初動対応の基本行動指針、応急対応としての緊急車両などへの給
油例、救護活動のポイントマニュアル普及説明会を実施するとともに、全組合員に
配布
以上のように災害時の公用ニーズを優先するために、日頃からこのマニュアルにある準
備が必要であることから、協定を締結した組合には官公需の配慮により一定の支援を期待
できるようになっている。
平成25年1月16日には宗谷地方石油(協)が国土交通省の北海道開発局稚内開発建
設部と北石連モデルを準拠した災害時協定を締結。協定には中小石油販売業者の受注機会
確保を担保する条文の中に、第9条「官公需適格組合の活用の配慮」と題する新条目が全
国で初めて採用され、画期的な内容となっている。
全国において災害時協定の締結に対する活動が展開されているが、行政においても地域
の安全・安心づくりへの見直しが求められている。全石連では、今後も各地において地方
自治体を動かす災害時協定締結を目指し、石油販売事業者の石油製品供給能力を十分発揮
できるよう活動をしていく。
- 63 -
【企業組合群馬中高年雇用福祉事業団】
1.組合概要
組合名
所在地
代表理事
設立年月
組合員数
企業組合 群馬中高年雇用福祉事業団
群馬県佐波郡玉村町上福島525番地
吉田 英樹
平成元年2月 ※任意団体としては昭和58年4月創設
49名
2.組合設立経緯
昭和58年4月に玉村町中高年雇用福祉事業団の名称で、「高齢者と障害者に働く場
を!」を目的に創業した。その後、平成元年2月に企業組合として組織変更し現在に至る。
設立当初は、玉村町内の清掃や草刈りなどを行っていたが、極めて少額な案件や手間のか
かるような業務を中心に受注していた。
企業組合は、勤労者、主婦、学生など個人の方々が組合員となって資本と労働を持ち寄
り、自らの働く場を創造するための組織。会社と同様に法人格を有し営利を追求するが、
議決権は出資の多少に係わらず1人1票など、相互扶助による人とのつながりを大事にし
ており株式会社と一線を画している。
3.官公需受注の経緯
(1)受注の契機:ゴミ処理問題への対応
創設当時、玉村町の人口が急増し、町は増え続けるゴミの減量化を目指したゴミの実
態に関する調査業務を当事業団に委託し、調査を実施した。その調査の結果、ゴミの8
割が資源化可能であることなどが判明した。
当時のゴミ処理は、可燃物は隣町の焼却施設に、不燃物は県外処理を行っていたこと
からゴミ調査の結果を踏まえて、町内処理で経費負担の軽減を図る方針を定め、組合に
不燃ゴミの収集・運搬及び分別の業務を委託した。当時は、玉村町役場が指定した場所
(農地跡)にゴミを搬入し、分別はテント等の簡易な建物を自前で設置し、手作業で行
っていた。
平成2年に、玉村町が玉村町クリーンセンター(可燃ごみ焼却施設。同敷地内にリサ
イクルセンターも併設)を新設し、組合事務所もその建物内に移転し、不燃ゴミ・資源
ゴミ処理の資源リサイクル事業へ本格的に参入した。組合の事業所が玉村町クリーンセ
ンター内にあることから町の担当者から「ゴミ」に関する相談等を受ける機会が増えた。
(2)安定的な実績:玉村町役場からの委託業務
官公需実績は約 1 億円。その内、資源リサイクル・収集運搬事業が6割、緑化事業3
割、その他1割程度と安定的に実績を上げている。
(3)新たな事業展開
平成23年4月より玉村町クリーンセンター内において、地元福祉作業所(授産施設)
が主体となり、組合が技術指導を行い、廃棄物の分別作業を行っている。当作業を行う
- 64 -
ことにより、
地元福祉作業所(授産施設)としては、
①作業所内での仕事から外に出向いての作業が行えること
②工賃UPに繋がること
行政(玉村町)側としては、
①処理費用のかかる廃棄物量の減少と資源化に繋がること
②障がい者就労に向けた取り組みになっていること
などの効果が見込め、
組合としては廃棄物の分別作業を開始するにあたり、
行政(玉村町)
よりセンターに通う障がい者の就労の検討を依頼されたが、まずは作業指導を通して適
性を見ながら作業の確認をしていくことになった。
地元福祉作業所(授産施設)、行政(玉村町)、組合としても、センターに通う障がい者
への作業指導を通して適性・作業の確認をしていき、今後、少しずつでも就労に繋がっ
ていくことができればという思いは共有しており、次のステップへの土台作りを進めて
いる。
また、組合はゴミに関する様々な提案を町に対し行っている。例えば、従前子供会が
実施していた資源物の集団回収において、少子化の影響で回収に支障が生じるようにな
った。そこで組合は、行政区域毎に保管庫を設置し古紙を普段から集められるように提
案した。これにより行政区毎の回収日時は変わったが回収にかかる負担を軽減できた。
4.官公需の受注ポイント
(1)長年培った信用・実績
組合は、創業時から、他の企業や業者が受託しないような仕事にも積極的に取り組ん
できた。行政が困っている問題やあるいは悩んでいる事柄=市民サービスの向上に資す
る仕事として取組んできた。それらの経験から、行政の立場や考え方、担当者の思いな
ども理解しながら、仕事を通じて実績を積み上げ、今では “地域の雑用係”として、
町にはなくてはならない存在になっている。
(2)高齢者・身障者の組織
組合員の平均年齢は54才である。組合員は社会的な経験や専門的な知識・技術など
を有しており、的確な業務遂行と業務(仕事)に対する気配り等ができることが、組合
の強みであり他社に比べ優位な点である。
また、コスト面においても無駄な経費を削減しており安価に提供できるよう工夫して
いる。
5.今後の展開
現在、組合の受注は安定しているが、競争が激化している中、いつまで続くかわからな
い。そのため、行政を始め、関係機関と連携し、地域の雇用の確保と働く場の創出を確保
するため活動を続けていく。
また、組合員の高齢化により脱退者が増えていることから人材育成・技術継承を図る。
- 65 -
中小企業庁事業環境部取引課 調査報告
委託調査実施期間
平成24年10月~2月
契約件名
平成24年度官公需における中小企業者の受注成功事例等に関する調査事業
委託先
全国中小企業団体中央会
- 66 -
◆地元の中小企業・組合等に発注する効果
官公需適格組合について
官公需施策と中小企業・中小企業組合について
●
地域企業の安定した受注により、地域経済の活性化、地域雇用の維持・創出に寄与する。
●
緊急性の高い業務に対して、遂行までの期間を短縮することができる。
事業協同組合をはじめとする中小企業組合は、法律の手続きを経て国や都道府県が認可した
●
組合の場合内部調整することによって、即座に対応可能な企業を選定し得る。
法人であり、民主的かつ公平な運営が制度的に確保されている信頼性の高い組織です。相互扶
●
地域に精通・密着した企業・従業員が業務を行うため、地域に関する知見をいかしたサービスや多様化・
助の精神に基づき、単独では不足する経営資源を協同組織により補完する事を基調として共同
高度化する住民要望を反映したサービスの提供が可能である。
事業を行うところに特徴があります。
活躍し、経済社会の活力の源泉となっています。地域社会においては、伝統産業や地場産業等の
地域産業集積の基盤となり、雇用の場の提供の他、地域コミュニティの推進や地域文化の継承等
こうした中小企業組合で、官公需の受注に対して特に意欲があり、受注した契約は十分に責
◆官公需総合相談センター(都道府県中小企業団体中央会内)
任を持って履行できる体制が整備されている組合を中小企業庁(経済産業局及び沖縄総合事務
地元の中小企業・協同組合等に関するお問合せは、最寄りの「官公需総合相談センター」をご活用ください。
局)が証明するのが【官公需適格組合制度】です。
全国官公需総合相談センター
03-3523-4902
福井県官公需総合相談センター
0776-23-3042
官公需適格組合制度は、国等の契約の方針において、「国等は、中小企業庁が証明した官公
北海道官公需総合相談センター
011-231-1919
滋賀県官公需総合相談センター
077-511-1430
需適格組合をはじめとする事業協同組合等の受注機会の増大を図るものとする。」と定めると
青森県官公需総合相談センター
017-777-2325
京都府官公需総合相談センター
075-314-7131
岩手県官公需総合相談センター
019-624-1363
奈良県官公需総合相談センター
0742-22-3200
宮城県官公需総合相談センター
022-222-5560
大阪府官公需総合相談センター
06-6947-4370
秋田県官公需総合相談センター
018-863-8701
兵庫県官公需総合相談センター
078-331-2045
山形県官公需総合相談センター
023-647-0360
和歌山県官公需総合相談センター
073-431-0852
福島県官公需総合相談センター
024-536-1261
鳥取県官公需総合相談センター
0857-26-6671
茨城県官公需総合相談センター
029-224-8030
島根県官公需総合相談センター
0852-21-4809
栃木県官公需総合相談センター
028-635-2300
岡山県官公需総合相談センター
086-224-2245
群馬県官公需総合相談センター
027-232-4123
広島県官公需総合相談センター
082-228-0926
埼玉県官公需総合相談センター
048-641-1315
山口県官公需総合相談センター
083-922-2606
千葉県官公需総合相談センター
043-306-3281
徳島県官公需総合相談センター
088-654-4431
東京都官公需総合相談センター
03-3542-0386
香川県官公需総合相談センター
087-851-8311
神奈川県官公需総合相談センター
045-633-5131
愛媛県官公需総合相談センター
089-955-7150
新潟県官公需総合相談センター
025-267-1100
高知県官公需総合相談センター
088-845-8870
長野県官公需総合相談センター
026-228-1171
福岡県官公需総合相談センター
092-622-8780
山梨県官公需総合相談センター
055-237-3215
佐賀県官公需総合相談センター
0952-23-4598
静岡県官公需総合相談センター
054-254-1511
長崎県官公需総合相談センター
095-826-3201
愛知県官公需総合相談センター
052-485-6811
熊本県官公需総合相談センター
096-325-3255
岐阜県官公需総合相談センター
058-277-1100
大分県官公需総合相談センター
097-536-6331
三重県官公需総合相談センター
059-228-5195
宮崎県官公需総合相談センター
0985-24-4278
富山県官公需総合相談センター
076-424-3686
鹿児島県官公需総合相談センター
099-222-9258
石川県官公需総合相談センター
076-267-7711
沖縄県官公需総合相談センター
098-859-6120
ともに、「当該制度の一層の周知徹底に努める」旨定めています。
◆官公需適格組合は、全国に 800 組合 (平成 24 年9月末時点)
物品関係 182 組合/役務関係 413 組合/工事関係 205 組合
◆「物品」・「役務」関係の証明基準
①共同事業が、組合員の協調裡に円滑に行われていること。
②官公需の受注について熱心な指導者がいること。
③常勤役職員が2名以上いること。
④共同受注担当役員及び共同受注委員会が設置され、かつ適正な運営が行われていること。
⑤共同受注した案件に関し役員と担当組合員が連帯して責任を負うこと。
⑥検査員を置くなど検査体制が確立されていること。
⑦組合運営を円滑に行うに足りる経常的収入があること。
◆「工事」関係の証明基準
★前記「物品」
・
「役務」関係の証明基準の7項目に加え、
さらに下記の要件が必要です。
⑧組合専従技術者が工事を監理・監督・指導等をするとともに、総合的な企画及び調整を行う
我が国の中小企業は、企業数で 99.7%、雇用者数では 66.0%を占め、産業のあらゆる分野で
中小企業者のための
官公需施策と
官公需受注成功事例
しかしながら、中小企業の制約の多くは経営の規模が小さいことに起因するものが大半です。
一社では受注できない案件でも、組合員が共同して受注すれば確実に契約を履行できる場合が少
なくありません。こうして生まれたのが、組合による共同受注事業であり、官公需の共同受注です。
国は、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律(官公需法)に基づき、国等は
中小企業者の官公需の受注機会の増大に努めています。
本冊子では、さまざまな制約の中で、工夫を凝らしながら、受注を確保する中小企業者や中小
企業者で組織する事業協同組合等により共同受注に成功した事例を紹介しております。
官公需の発注に当たられている関係者の皆様におかれましては、本誌を参考資料として、地域
中小企業等の育成・振興及び地域活性化のためにご活用いただければ幸甚です。
◆中小企業基本法
中小企業の振興・支援について、基本的な理念や方針を定めています。この中で、官公需施策は、 中
小企業の経営基盤強化策 の一つとして位置づけられており、「国等からの受注機会の増大」につ
いて定めています(第 21 条)。
◆官公需法
中小企業基本法の理念を受け、
「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」
(官公需
法)では
企画・調整委員会が現場ごとに設置され、工事全体が契約どおり施工される体制が整備され
◇国等の発注機関における中小企業者の受注機会の増大に向けた努力と組合等の活用(第3条)
ていること。
◇「国等の契約の方針」の作成と公表(第4条)
⑨共同受注事業を1年以上行っており、相当程度の受注実績があること。
⑩工事1件の請負代金の額が1,500万円(電気、管工事等は500 万円)以上の物件を受注しようと
◇国の施策に準じた地方公共団体における中小企業者の受注機会の増大に向けた努力(第7条)な
◆お問い合わせ先
どを定めています。
する組合は、常勤役員が1名以上、常勤職員が2名以上の合計3名以上おり、その役職員の
うち2名は受注しようとする工事の技術者であること。
(標記金額未満の場合は、常勤役職員
◆国等の契約の方針
は2名以上で基準を満たす。)
経済産業省(中小企業庁)では、毎年度、中小企業者向けの契約目標額や、受注機会増大のための
⑪自己資本、資金調達力、欠損状況その他の観点からみて工事を履行するに足りる経理的基礎
措置事項などを「中小企業者に関する国等の契約の方針」として取りまとめ、これを閣議決定し公
知識を有していること。
(
においても重要な役割を果たしています。
表しています。主な内容は次のとおりです。
(証明基準は、平成 25 年2月末時点のもの)
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/kankoju.htm
官公需施策
官公需施策は
❸
検索
◇東日本大震災の被災地域等の中小企業者に対する配慮
)
平成25年2月
経済産業省
中小企業庁
◇官公需情報の提供の徹底
◇中小企業者が受注し易い発注とする工夫(分離・分割発注の推進 等)
◇中小企業者の特性を踏まえた配慮(技術力のある中小企業者に対する受注機会の増大 等)
◇ダンピング防止対策等の推進(適切な予定価格の作成/低入札価格調査制度の適切な活用 等)
http://www.chusho.meti.go.jp/
❽
❷
◆地元の中小企業・組合等に発注する効果
官公需適格組合について
官公需施策と中小企業・中小企業組合について
●
地域企業の安定した受注により、地域経済の活性化、地域雇用の維持・創出に寄与する。
●
緊急性の高い業務に対して、遂行までの期間を短縮することができる。
事業協同組合をはじめとする中小企業組合は、法律の手続きを経て国や都道府県が認可した
●
組合の場合内部調整することによって、即座に対応可能な企業を選定し得る。
法人であり、民主的かつ公平な運営が制度的に確保されている信頼性の高い組織です。相互扶
●
地域に精通・密着した企業・従業員が業務を行うため、地域に関する知見をいかしたサービスや多様化・
助の精神に基づき、単独では不足する経営資源を協同組織により補完する事を基調として共同
高度化する住民要望を反映したサービスの提供が可能である。
事業を行うところに特徴があります。
活躍し、経済社会の活力の源泉となっています。地域社会においては、伝統産業や地場産業等の
地域産業集積の基盤となり、雇用の場の提供の他、地域コミュニティの推進や地域文化の継承等
こうした中小企業組合で、官公需の受注に対して特に意欲があり、受注した契約は十分に責
◆官公需総合相談センター(都道府県中小企業団体中央会内)
任を持って履行できる体制が整備されている組合を中小企業庁(経済産業局及び沖縄総合事務
地元の中小企業・協同組合等に関するお問合せは、最寄りの「官公需総合相談センター」をご活用ください。
局)が証明するのが【官公需適格組合制度】です。
全国官公需総合相談センター
03-3523-4902
福井県官公需総合相談センター
0776-23-3042
官公需適格組合制度は、国等の契約の方針において、「国等は、中小企業庁が証明した官公
北海道官公需総合相談センター
011-231-1919
滋賀県官公需総合相談センター
077-511-1430
需適格組合をはじめとする事業協同組合等の受注機会の増大を図るものとする。」と定めると
青森県官公需総合相談センター
017-777-2325
京都府官公需総合相談センター
075-314-7131
岩手県官公需総合相談センター
019-624-1363
奈良県官公需総合相談センター
0742-22-3200
宮城県官公需総合相談センター
022-222-5560
大阪府官公需総合相談センター
06-6947-4370
秋田県官公需総合相談センター
018-863-8701
兵庫県官公需総合相談センター
078-331-2045
山形県官公需総合相談センター
023-647-0360
和歌山県官公需総合相談センター
073-431-0852
福島県官公需総合相談センター
024-536-1261
鳥取県官公需総合相談センター
0857-26-6671
茨城県官公需総合相談センター
029-224-8030
島根県官公需総合相談センター
0852-21-4809
栃木県官公需総合相談センター
028-635-2300
岡山県官公需総合相談センター
086-224-2245
群馬県官公需総合相談センター
027-232-4123
広島県官公需総合相談センター
082-228-0926
埼玉県官公需総合相談センター
048-641-1315
山口県官公需総合相談センター
083-922-2606
千葉県官公需総合相談センター
043-306-3281
徳島県官公需総合相談センター
088-654-4431
東京都官公需総合相談センター
03-3542-0386
香川県官公需総合相談センター
087-851-8311
神奈川県官公需総合相談センター
045-633-5131
愛媛県官公需総合相談センター
089-955-7150
新潟県官公需総合相談センター
025-267-1100
高知県官公需総合相談センター
088-845-8870
長野県官公需総合相談センター
026-228-1171
福岡県官公需総合相談センター
092-622-8780
山梨県官公需総合相談センター
055-237-3215
佐賀県官公需総合相談センター
0952-23-4598
静岡県官公需総合相談センター
054-254-1511
長崎県官公需総合相談センター
095-826-3201
愛知県官公需総合相談センター
052-485-6811
熊本県官公需総合相談センター
096-325-3255
岐阜県官公需総合相談センター
058-277-1100
大分県官公需総合相談センター
097-536-6331
三重県官公需総合相談センター
059-228-5195
宮崎県官公需総合相談センター
0985-24-4278
富山県官公需総合相談センター
076-424-3686
鹿児島県官公需総合相談センター
099-222-9258
石川県官公需総合相談センター
076-267-7711
沖縄県官公需総合相談センター
098-859-6120
ともに、「当該制度の一層の周知徹底に努める」旨定めています。
◆官公需適格組合は、全国に 800 組合 (平成 24 年9月末時点)
物品関係 182 組合/役務関係 413 組合/工事関係 205 組合
◆「物品」・「役務」関係の証明基準
①共同事業が、組合員の協調裡に円滑に行われていること。
②官公需の受注について熱心な指導者がいること。
③常勤役職員が2名以上いること。
④共同受注担当役員及び共同受注委員会が設置され、かつ適正な運営が行われていること。
⑤共同受注した案件に関し役員と担当組合員が連帯して責任を負うこと。
⑥検査員を置くなど検査体制が確立されていること。
⑦組合運営を円滑に行うに足りる経常的収入があること。
◆「工事」関係の証明基準
★前記「物品」
・
「役務」関係の証明基準の7項目に加え、
さらに下記の要件が必要です。
⑧組合専従技術者が工事を監理・監督・指導等をするとともに、総合的な企画及び調整を行う
我が国の中小企業は、企業数で 99.7%、雇用者数では 66.0%を占め、産業のあらゆる分野で
中小企業者のための
官公需施策と
官公需受注成功事例
しかしながら、中小企業の制約の多くは経営の規模が小さいことに起因するものが大半です。
一社では受注できない案件でも、組合員が共同して受注すれば確実に契約を履行できる場合が少
なくありません。こうして生まれたのが、組合による共同受注事業であり、官公需の共同受注です。
国は、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律(官公需法)に基づき、国等は
中小企業者の官公需の受注機会の増大に努めています。
本冊子では、さまざまな制約の中で、工夫を凝らしながら、受注を確保する中小企業者や中小
企業者で組織する事業協同組合等により共同受注に成功した事例を紹介しております。
官公需の発注に当たられている関係者の皆様におかれましては、本誌を参考資料として、地域
中小企業等の育成・振興及び地域活性化のためにご活用いただければ幸甚です。
◆中小企業基本法
中小企業の振興・支援について、基本的な理念や方針を定めています。この中で、官公需施策は、 中
小企業の経営基盤強化策 の一つとして位置づけられており、「国等からの受注機会の増大」につ
いて定めています(第 21 条)。
◆官公需法
中小企業基本法の理念を受け、
「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」
(官公需
法)では
企画・調整委員会が現場ごとに設置され、工事全体が契約どおり施工される体制が整備され
◇国等の発注機関における中小企業者の受注機会の増大に向けた努力と組合等の活用(第3条)
ていること。
◇「国等の契約の方針」の作成と公表(第4条)
⑨共同受注事業を1年以上行っており、相当程度の受注実績があること。
⑩工事1件の請負代金の額が1,500万円(電気、管工事等は500 万円)以上の物件を受注しようと
◇国の施策に準じた地方公共団体における中小企業者の受注機会の増大に向けた努力(第7条)な
◆お問い合わせ先
どを定めています。
する組合は、常勤役員が1名以上、常勤職員が2名以上の合計3名以上おり、その役職員の
うち2名は受注しようとする工事の技術者であること。
(標記金額未満の場合は、常勤役職員
◆国等の契約の方針
は2名以上で基準を満たす。)
経済産業省(中小企業庁)では、毎年度、中小企業者向けの契約目標額や、受注機会増大のための
⑪自己資本、資金調達力、欠損状況その他の観点からみて工事を履行するに足りる経理的基礎
措置事項などを「中小企業者に関する国等の契約の方針」として取りまとめ、これを閣議決定し公
知識を有していること。
(
においても重要な役割を果たしています。
表しています。主な内容は次のとおりです。
(証明基準は、平成 25 年2月末時点のもの)
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/kankoju.htm
官公需施策
官公需施策は
❸
検索
◇東日本大震災の被災地域等の中小企業者に対する配慮
)
平成25年2月
経済産業省
中小企業庁
◇官公需情報の提供の徹底
◇中小企業者が受注し易い発注とする工夫(分離・分割発注の推進 等)
◇中小企業者の特性を踏まえた配慮(技術力のある中小企業者に対する受注機会の増大 等)
◇ダンピング防止対策等の推進(適切な予定価格の作成/低入札価格調査制度の適切な活用 等)
http://www.chusho.meti.go.jp/
❽
❷
◆地元の中小企業・組合等に発注する効果
官公需適格組合について
官公需施策と中小企業・中小企業組合について
●
地域企業の安定した受注により、地域経済の活性化、地域雇用の維持・創出に寄与する。
●
緊急性の高い業務に対して、遂行までの期間を短縮することができる。
事業協同組合をはじめとする中小企業組合は、法律の手続きを経て国や都道府県が認可した
●
組合の場合内部調整することによって、即座に対応可能な企業を選定し得る。
法人であり、民主的かつ公平な運営が制度的に確保されている信頼性の高い組織です。相互扶
●
地域に精通・密着した企業・従業員が業務を行うため、地域に関する知見をいかしたサービスや多様化・
助の精神に基づき、単独では不足する経営資源を協同組織により補完する事を基調として共同
高度化する住民要望を反映したサービスの提供が可能である。
事業を行うところに特徴があります。
活躍し、経済社会の活力の源泉となっています。地域社会においては、伝統産業や地場産業等の
地域産業集積の基盤となり、雇用の場の提供の他、地域コミュニティの推進や地域文化の継承等
こうした中小企業組合で、官公需の受注に対して特に意欲があり、受注した契約は十分に責
◆官公需総合相談センター(都道府県中小企業団体中央会内)
任を持って履行できる体制が整備されている組合を中小企業庁(経済産業局及び沖縄総合事務
地元の中小企業・協同組合等に関するお問合せは、最寄りの「官公需総合相談センター」をご活用ください。
局)が証明するのが【官公需適格組合制度】です。
全国官公需総合相談センター
03-3523-4902
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0776-23-3042
官公需適格組合制度は、国等の契約の方針において、「国等は、中小企業庁が証明した官公
北海道官公需総合相談センター
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077-511-1430
需適格組合をはじめとする事業協同組合等の受注機会の増大を図るものとする。」と定めると
青森県官公需総合相談センター
017-777-2325
京都府官公需総合相談センター
075-314-7131
岩手県官公需総合相談センター
019-624-1363
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0742-22-3200
宮城県官公需総合相談センター
022-222-5560
大阪府官公需総合相談センター
06-6947-4370
秋田県官公需総合相談センター
018-863-8701
兵庫県官公需総合相談センター
078-331-2045
山形県官公需総合相談センター
023-647-0360
和歌山県官公需総合相談センター
073-431-0852
福島県官公需総合相談センター
024-536-1261
鳥取県官公需総合相談センター
0857-26-6671
茨城県官公需総合相談センター
029-224-8030
島根県官公需総合相談センター
0852-21-4809
栃木県官公需総合相談センター
028-635-2300
岡山県官公需総合相談センター
086-224-2245
群馬県官公需総合相談センター
027-232-4123
広島県官公需総合相談センター
082-228-0926
埼玉県官公需総合相談センター
048-641-1315
山口県官公需総合相談センター
083-922-2606
千葉県官公需総合相談センター
043-306-3281
徳島県官公需総合相談センター
088-654-4431
東京都官公需総合相談センター
03-3542-0386
香川県官公需総合相談センター
087-851-8311
神奈川県官公需総合相談センター
045-633-5131
愛媛県官公需総合相談センター
089-955-7150
新潟県官公需総合相談センター
025-267-1100
高知県官公需総合相談センター
088-845-8870
長野県官公需総合相談センター
026-228-1171
福岡県官公需総合相談センター
092-622-8780
山梨県官公需総合相談センター
055-237-3215
佐賀県官公需総合相談センター
0952-23-4598
静岡県官公需総合相談センター
054-254-1511
長崎県官公需総合相談センター
095-826-3201
愛知県官公需総合相談センター
052-485-6811
熊本県官公需総合相談センター
096-325-3255
岐阜県官公需総合相談センター
058-277-1100
大分県官公需総合相談センター
097-536-6331
三重県官公需総合相談センター
059-228-5195
宮崎県官公需総合相談センター
0985-24-4278
富山県官公需総合相談センター
076-424-3686
鹿児島県官公需総合相談センター
099-222-9258
石川県官公需総合相談センター
076-267-7711
沖縄県官公需総合相談センター
098-859-6120
ともに、「当該制度の一層の周知徹底に努める」旨定めています。
◆官公需適格組合は、全国に 800 組合 (平成 24 年9月末時点)
物品関係 182 組合/役務関係 413 組合/工事関係 205 組合
◆「物品」・「役務」関係の証明基準
①共同事業が、組合員の協調裡に円滑に行われていること。
②官公需の受注について熱心な指導者がいること。
③常勤役職員が2名以上いること。
④共同受注担当役員及び共同受注委員会が設置され、かつ適正な運営が行われていること。
⑤共同受注した案件に関し役員と担当組合員が連帯して責任を負うこと。
⑥検査員を置くなど検査体制が確立されていること。
⑦組合運営を円滑に行うに足りる経常的収入があること。
◆「工事」関係の証明基準
★前記「物品」
・
「役務」関係の証明基準の7項目に加え、
さらに下記の要件が必要です。
⑧組合専従技術者が工事を監理・監督・指導等をするとともに、総合的な企画及び調整を行う
我が国の中小企業は、企業数で 99.7%、雇用者数では 66.0%を占め、産業のあらゆる分野で
中小企業者のための
官公需施策と
官公需受注成功事例
しかしながら、中小企業の制約の多くは経営の規模が小さいことに起因するものが大半です。
一社では受注できない案件でも、組合員が共同して受注すれば確実に契約を履行できる場合が少
なくありません。こうして生まれたのが、組合による共同受注事業であり、官公需の共同受注です。
国は、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律(官公需法)に基づき、国等は
中小企業者の官公需の受注機会の増大に努めています。
本冊子では、さまざまな制約の中で、工夫を凝らしながら、受注を確保する中小企業者や中小
企業者で組織する事業協同組合等により共同受注に成功した事例を紹介しております。
官公需の発注に当たられている関係者の皆様におかれましては、本誌を参考資料として、地域
中小企業等の育成・振興及び地域活性化のためにご活用いただければ幸甚です。
◆中小企業基本法
中小企業の振興・支援について、基本的な理念や方針を定めています。この中で、官公需施策は、 中
小企業の経営基盤強化策 の一つとして位置づけられており、「国等からの受注機会の増大」につ
いて定めています(第 21 条)。
◆官公需法
中小企業基本法の理念を受け、
「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」
(官公需
法)では
企画・調整委員会が現場ごとに設置され、工事全体が契約どおり施工される体制が整備され
◇国等の発注機関における中小企業者の受注機会の増大に向けた努力と組合等の活用(第3条)
ていること。
◇「国等の契約の方針」の作成と公表(第4条)
⑨共同受注事業を1年以上行っており、相当程度の受注実績があること。
⑩工事1件の請負代金の額が1,500万円(電気、管工事等は500 万円)以上の物件を受注しようと
◇国の施策に準じた地方公共団体における中小企業者の受注機会の増大に向けた努力(第7条)な
◆お問い合わせ先
どを定めています。
する組合は、常勤役員が1名以上、常勤職員が2名以上の合計3名以上おり、その役職員の
うち2名は受注しようとする工事の技術者であること。
(標記金額未満の場合は、常勤役職員
◆国等の契約の方針
は2名以上で基準を満たす。)
経済産業省(中小企業庁)では、毎年度、中小企業者向けの契約目標額や、受注機会増大のための
⑪自己資本、資金調達力、欠損状況その他の観点からみて工事を履行するに足りる経理的基礎
措置事項などを「中小企業者に関する国等の契約の方針」として取りまとめ、これを閣議決定し公
知識を有していること。
(
においても重要な役割を果たしています。
表しています。主な内容は次のとおりです。
(証明基準は、平成 25 年2月末時点のもの)
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/kankoju.htm
官公需施策
官公需施策は
❸
検索
◇東日本大震災の被災地域等の中小企業者に対する配慮
)
平成25年2月
経済産業省
中小企業庁
◇官公需情報の提供の徹底
◇中小企業者が受注し易い発注とする工夫(分離・分割発注の推進 等)
◇中小企業者の特性を踏まえた配慮(技術力のある中小企業者に対する受注機会の増大 等)
◇ダンピング防止対策等の推進(適切な予定価格の作成/低入札価格調査制度の適切な活用 等)
http://www.chusho.meti.go.jp/
❽
❷
官公需適格組合の活用強化を要請。北海道では協定締結により官公需への配慮を実現。
廃棄物を通じて、資源の有効活用と循環型社会の形成に貢献。
トライアル発注制度の活用により販路開拓を目指す。
全国石油商業組合連合会(東京都)・北海道石油業協同組合連合会(北海道)
協業組合仙台清掃公社(宮城県:官公需適格組合(役務))
合資会社木と字の神林(東京都)・株式会社ハイスポット(神奈川県)
広島県ビルメンテナンス協同組合(広島県:官公需適格組合(役務))
東日本大震災を経て、全国石油商業組合連合会では、発注機関等に対して官公需適格組合証明をもつ石油組
組合創立より 40 年が経ち、環境保全に寄与する組合という自負のもと、地元仙台から東北地域において事業
書道文化の衰退に歯止めをかけるため、墨汁を使わず水で何度でも文字を書ける再利用可能な半紙「水書き
組合員の売上等を合算して上位の等級に格付けする「総合点数算定特例制度」を活用し、
Aランクを取得。組
合への活用強化等について要望活動を行った。
を展開し、企業及び自治体より厚い信頼を得ている。これからも「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」等を順
グー」を開発。書道の練習がいつでも、どこでも手軽にでき、半紙は黒・赤・緑・青・桃の5色と多彩。
合員単独では受注できない大型案件や大規模イベント等を受注している。
その先進事例となったのが北海道石油業協同組合連合会であり、平成 23 年12 月北海道庁と「災害時における
守し、廃棄物の適正かつ適切な処理はもとより、東北地方で初となる RPF(廃プラスチック類の固形燃料)製
平成 23 年9月に東京都のトライアル発注制度の認定を受け、特別支援学校を含む都内 60 数校への営業に対
広島県県営住宅の指定管理業務では、実施組合員の選定を輪番制ではなく、組合員からの提案による応募型
石油類燃料の供給等に関する協定」を締結。同協定では、
“平時から発注機関と受注者の信頼関係を構築する目
造工場をはじめとしたリサイクル施設の活用により、循環型社会をより積極的に推進していく。
し、約 40 校から購入の申込みがあり数百万円の受注となった。製品を使用した学校等からの評価は高く、それ
を採用。これにより「組合員の責任による事業配分」を実現し、組合員が「提案力、技術力、地域性を評価さ
らの意見を参考にさらなる改善と販路拡大を図る。
れて組合に選ばれた」という自覚を持って事業を行っている。
1
的を含め、災害時にガソリンスタンド事業者(組合員)が石油製品の供給能力を十分発揮できるよう、市町村に
6
(※協業組合は組合員が従来から営んでいた事業を一部又は全部を統合して経営することで生産性の向上や共同
の開発会社社長は「救急車両到着後、受け入れ先確定までの時間短縮に向けて開発したシステム
の開発会社社長は「救急車両到着後、受け入れ先確定までの時間短縮に向けて開発したシステム。認定により市
独自工法を強みに積極的な営業活動を展開。
岩手県総合建設業協同組合(岩手県:官公需適格組合(工事))
2
年間契約の受注により雇用の確保及び住民サービスを図る。
宮下地区建設業協同組合(福島県:官公需適格組合(工事))
7
の広報誌や展示会などで積極的に紹介してくれるため非常によいPRとなっている。取引先が拡大できた。」と述べる。
行政や支援機関・関連団体等と連携し住みやすい町づくりに貢献。
11
建築物の外壁落下防止及び外壁の耐久力を高める「GNスーパーピンネット工法」の施工認定を取得。これ
平成 21 年度より中山間地域における道路等維持補修業務委託モデル事業(地区内の道路や河川の維持補修業
を組合の強みとして発注機関に積極的な営業活動を展開した結果、盛岡市の建築改修工事仕様書に「GNスー
務、除雪などの住民生活に身近な業務)を1年契約で福島県から受託している(24年度で4回目の受託)。
パーピンネット工法と同等とする
パーピンネット工法と同等とする」とした条件が盛りこまれるまでに至り、現在では市内小中学校や市営アパ
会津地域においては、豪雪期における迅速な対応を可能にするためには、個々の組合員では限界があること
平成 22 年、相模原市の政令市指定都市への移行にあわせて「ナイスガイドさがみはら 2010-2011年版」
ートの改修工事に広く採用されている。
から、この維持補修業務を組合の共同受注事業として取り組むこととした。
の制作に関わる協定を締結した。同ガイドは防災、救急や保健・福祉など市民の日常生活に欠かせない情報を
品質向上を徹底し、質の高いサービスで指定管理業務を受注。
岩手県ビル管理事業協同組合(岩手県:官公需適格組合(役務))
3
近年、他地域より大手資本等が参入したことにより、低価格競争が激化するなど、厳しい環境下にあるが、
県内の総合管理サービス業として品質向上を徹底し、人材育成、雇用環境の整備等を積極的に行い官公需適格
組合ならではの質の高いサービス(役務)を提供している。
これらの実績が認められ、岩手県公共施設(岩手産業文化センター、岩手県民情報交流センター)の総合施
設管理業務を指定管理者として受注している。また、県内開催の全国規模のイベン
設管理業務を指定管理者として受注している。また、県内開催の全国規模のイベント(全国菓子大博覧会岩手
大会 ’
98、三陸・海の博覧会 ’
92)においても管理業務等について一括受注した実績を有する。
株式会社ユーメディア(宮城県)
4
東日本大震災が発生した平成 23 年3月は地方公共団体より受注し毎月発行している広報誌の印刷が震災の
影響で出来なかったが、加盟する全国ネットワークで従来より付き合いのあった他県の印刷業者に代替生産を
依頼して発行をし、休刊にすることなく地域住民へ情報提供することができた。
さらに、宮城県の公募型プロポーザル入札による緊急雇用創出事業(情報発信事業)も受託し、被災者を平
人、24
年度 30 人雇用している。被災地の状況、復興に向けて活動する人々を取材し、ホ
成 23 年度は 40 人、
24 年度は
ームページやブログ等にて情報発信をするなど
ームページやブログ等にて情報発信をするなど東日本大震災の復興に貢献している。
宮城県管工業協同組合(宮城県:官公需適格組合(工事))
集約した冊子。平成 20 年に相模原市より委託を受けて組合が広告主を集めて作成した経緯があり、市も配送費
性を要する業務が発生した場合でも遂行期間を短縮できる、③組合の内部調整により対応可能な組合員を即座に
などの一部を負担した。2度目の発行に当たり、市では、財政的な問題もあったことから廃刊も含め存続の有
選定できるなど、組合員の経営の安定に寄与するだけでなく、地域を守るという視点から質の高い住民サービ
無を検討していたが、組合が広告主を募り、制作から配送にかかる費用のすべてを広告料で賄って発行するこ
スの提供につながっている。
とを提案した。これにより市の負担は軽減でき、市民に対する行政サービスの低下も回避することができた。
組合は、発注機関や支援機関・関連団体等と関わり、イベント等のチラシの再利用化や電子ブックでの情報
人と地域に役立つ仕事を起こす。働く場を創造する企業組合。
企業組合群馬中高年雇用福祉事業団(群馬県)
5
阪神・淡路大震災での対応を教訓に、平成9年に仙台市と「災害時等における水道施設復旧等の応援に関す
地域活動で信頼を確保。敦賀市から365日24時間体制で上水道の漏水管理を受託。
敦賀市管工事協同組合(福井県)
て設立)。当時、玉村町では人口急増にともなうゴミ処理対応が急務であったことから、町から一般廃棄物の収集・
理を受託するなど施設管理事業、除草・枝打ちなどの緑化事業にも取り組んでいる。
設立以来、組合は組合員の仕事を確保するため、大企業や他業者が応じない業務にも積極的に対応し実績を
積み上げてきた。これらの取り組みが町民にも受け入れられ“地域の雑用係”として、今では町になくてはな
らない存在になっている。(※企業組合は個人が集まり、自らの働く場を創造するための組織です。)
組合は、敦賀市から 365 日 24 時間体制で上水道の漏水修理業務を受託している。
12
安全パトロール(年4回)、配水管洗管作業(年1回5日間)の実施、ひとり暮らし高齢者宅配管設備点検ボラ
ンティアなども行い、地域のライフラインの維持とともに信頼を確保している。
敦賀市と組合は「災害時における協力に関する協定(平成18 年9月)
」を締結。市が実施する訓練等にも積極
的に参加している。また、組合は、大規模災害時には自らも被災することを想定し、岐阜県の各務原市管工事
協同組合と災害時相互応援協定を締結し (平成 24 年8月2日)。市民の安心・安全のため、水道事業のエキ
協同組合と災害時相互応援協定を締結した
電気の信頼回復とボランティアを通じた地域社会への貢献。
埼玉県電気工事工業組合(埼玉県:官公需適格組合(役務))
9
ISO の品質、環境、情報の認証を取得し、組合の業務体制を確立させる中、埼玉県から電気工事業者保安講習
平成 24 年9月には、県下全市町村と締結している防災協定の一環として、埼玉県一斉の「外灯点検(2万灯)」
及び「ごみゼロ運動」を実施した。また、毎年11月には森林保全活動を通じて秩父地域で桧木の枝打ちを実施
するなど、積極的なボランティア活動を通じて組合の存在意識を高める活動を展開している。官公需適格組合
証明を同年7月に取得したことにより、今後さらなる活動の幅を広げていくこととしている。
スパートとして活躍している。
割れにくい高強度磁器を学校・幼稚園・保育園などに販売。
土岐市陶磁器卸商業協同組合(岐阜県:官公需適格組合(物品))
13
ファインセラミックス技術を応用し開発された「高強度磁器」は極めて安全かつ衛生的で、一般的な陶磁器に
比べて3倍以上の強度がある。組合は「高強度磁器」を商標登録し、全国の保育園・幼稚園をはじめ学校、病院、
官公庁等に販売。 教育現場では「物を大切にする」といった教育効果や、病院・養護施設等では「温かみが感じ
られる」
「使いやすい」などの評価が得られている。組合は、
「高強度磁器」をはじめとした美濃焼をPRするため、
発展に貢献している。
関する協定」を締結。東日本大震災発生後にはこれら協定に基づき、不眠不休で水道施設復旧活動を行った。
「ハトのマークの引越センター」
としてブランドの確立を目指す。
引越専門協同組合中四国(広島県:官公需適格組合(役務))
15
引越のプロとしての高品質なサービスの提供、他事業者との優位性を確保するための各種取組を実施。業界
初の取組として「引越管理士認定制度」を設け、組合にて認定制度の講座を行い、現在、全国では 980 人の引
越管理士が活躍している。さらに環境・安全への対応にも力を入れており、ISO1400
越管理士が活躍している。さらに環境・安全への対応にも力を入れており、ISO14001 及び G マークの認証
推進等も積極的に行っている。
大規模災害協定に基づき出動、懸命な活動を行い地域を守る。
熊本県害虫消毒協同組合(熊本県:官公需適格組合(役務))
16
熊本県害虫消毒協同組合は、平成 24 年3月末に熊本市と「大規模災害等発生時の防疫活動に関する協定」を
締結した。協定締結から約3ヵ月後の7月 12 日に九州豪雨が発生し、熊本県竜田地区では白川の氾濫による
浸水等の被害が出た。協定を締結した矢先での大きな災害となったため、組合は先の協定に基づき、浸水した
家庭への消毒作業を随意契約により一括受注した。熊本市からの派遣により組合が消毒作業を行ったことは住
民の安心感にもつながった。今後は熊本県との災害協定も締結予定としている。
組織の力で大手企業とも対等に競争。地域に必要な組合へと成長。
熊本県セキュリティ協同組合(熊本県:官公需適格組合(役務))
17
熊本県八代市の「やつしろ全国花火競技大会」をはじめとする、1社では対応が困難である大規模な警備業務
を共同で受注している。延 200 人/日を要する警備業務もあるが、組合の動員力によって地元大手警備会社
との競合に勝ち、受注に成功している。組合員企業に属する警備員総数は 1,000 名を超えており、県下で唯
一かつ最大規模の組合であることが組合の付加価値となっている。
平成 22 年度からは、熊本県の緊急雇用対策事業である安全パトロール事業を受注し、犯罪件数が過去と比
国内の展示会に積極的に出展するとともに、海外(東南アジア市場)の販路開拓に挑戦することで、地場産業の
る協定」を、平成 19 年には「大規模災害時における主要公共施設等の宅内給水・排水設備の応急復旧措置に
❹
8
発信等様々な企画を提案し、地元の企業、自治会、市民の協力と理解を得て、住みやすい町づくりに貢献している。
中高年齢者と障がい者の雇用機会の確保を目的に、昭和 58 年任意団体を設立した(平成元年企業組合とし
及び電気工事士免状交付事務を受託している。
一刻も早いライフラインの復旧のために不眠不休での活動を展開。
相模原市印刷広告協同組合(神奈川県:官公需適格組合(役務))
同業務の受注により、①人材確保や遂行予定・計画が立てやすくなり計画性のある経営が可能となる、②緊急
運搬及び処理を受託、組合の中核事業となっている。また、最近は、指定管理者として町のスポーツ広場の管
地域住民への情報提供を続け、緊急雇用創出事業により被災者の雇用も確保。
14
同様の制度は他の地方公共団体でも設けられている。平成 24 年に相模原市で認定された「救急隊員 NaVi」
利益の増進を図る組織です。)
対して中小企業者の積極的な活用への配慮を要請する とした条文が全国で初めて盛りこまれた。
対して中小企業者の積極的な活用への配慮を要請する”
10
総合点数算定特例制度を活用してAランクを取得し、大型案件や大規模イベントを受注。
較して減少していることなど地域住民の安心・安全に寄与している。
障害者や高齢者の社会参加を積極的に支援。
沖縄県福祉介護タクシー事業協同組合(沖縄県)
18
一般の交通機関の利用が困難な障害者等が病院へ通院する場合に、リフトやストレッチャー等の介護機器を
備えたタクシーが必要となる。そこで平成 17 年にタクシー事業者が集まり、組合を設立し介護タクシー事業
に取り組んだ。組合は共同配車事業を実施しており、病院や福祉施設等からの依頼によりタクシーを派遣する。
平成 23 年7月には、組合員資格に介護福祉士、介護ヘルパー2級以上、看護師又は准看護師の資格を有す
ることを追加し、ドライバー全員が有資格者となり、他の事業者との差別化を図った。その結果、平成 23 年度
は延1,469 回の配車実績をあげた。障害者や高齢者の通院等の外出における安心・安全・快適性をサポートし、
社会参加を積極的に支援する。
❺
❻
❼
官公需適格組合の活用強化を要請。北海道では協定締結により官公需への配慮を実現。
廃棄物を通じて、資源の有効活用と循環型社会の形成に貢献。
トライアル発注制度の活用により販路開拓を目指す。
全国石油商業組合連合会(東京都)・北海道石油業協同組合連合会(北海道)
協業組合仙台清掃公社(宮城県:官公需適格組合(役務))
合資会社木と字の神林(東京都)・株式会社ハイスポット(神奈川県)
広島県ビルメンテナンス協同組合(広島県:官公需適格組合(役務))
東日本大震災を経て、全国石油商業組合連合会では、発注機関等に対して官公需適格組合証明をもつ石油組
組合創立より 40 年が経ち、環境保全に寄与する組合という自負のもと、地元仙台から東北地域において事業
書道文化の衰退に歯止めをかけるため、墨汁を使わず水で何度でも文字を書ける再利用可能な半紙「水書き
組合員の売上等を合算して上位の等級に格付けする「総合点数算定特例制度」を活用し、
Aランクを取得。組
合への活用強化等について要望活動を行った。
を展開し、企業及び自治体より厚い信頼を得ている。これからも「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」等を順
グー」を開発。書道の練習がいつでも、どこでも手軽にでき、半紙は黒・赤・緑・青・桃の5色と多彩。
合員単独では受注できない大型案件や大規模イベント等を受注している。
その先進事例となったのが北海道石油業協同組合連合会であり、平成 23 年12 月北海道庁と「災害時における
守し、廃棄物の適正かつ適切な処理はもとより、東北地方で初となる RPF(廃プラスチック類の固形燃料)製
平成 23 年9月に東京都のトライアル発注制度の認定を受け、特別支援学校を含む都内 60 数校への営業に対
広島県県営住宅の指定管理業務では、実施組合員の選定を輪番制ではなく、組合員からの提案による応募型
石油類燃料の供給等に関する協定」を締結。同協定では、
“平時から発注機関と受注者の信頼関係を構築する目
造工場をはじめとしたリサイクル施設の活用により、循環型社会をより積極的に推進していく。
し、約 40 校から購入の申込みがあり数百万円の受注となった。製品を使用した学校等からの評価は高く、それ
を採用。これにより「組合員の責任による事業配分」を実現し、組合員が「提案力、技術力、地域性を評価さ
らの意見を参考にさらなる改善と販路拡大を図る。
れて組合に選ばれた」という自覚を持って事業を行っている。
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的を含め、災害時にガソリンスタンド事業者(組合員)が石油製品の供給能力を十分発揮できるよう、市町村に
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(※協業組合は組合員が従来から営んでいた事業を一部又は全部を統合して経営することで生産性の向上や共同
の開発会社社長は「救急車両到着後、受け入れ先確定までの時間短縮に向けて開発したシステム
の開発会社社長は「救急車両到着後、受け入れ先確定までの時間短縮に向けて開発したシステム。認定により市
独自工法を強みに積極的な営業活動を展開。
岩手県総合建設業協同組合(岩手県:官公需適格組合(工事))
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年間契約の受注により雇用の確保及び住民サービスを図る。
宮下地区建設業協同組合(福島県:官公需適格組合(工事))
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の広報誌や展示会などで積極的に紹介してくれるため非常によいPRとなっている。取引先が拡大できた。」と述べる。
行政や支援機関・関連団体等と連携し住みやすい町づくりに貢献。
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建築物の外壁落下防止及び外壁の耐久力を高める「GNスーパーピンネット工法」の施工認定を取得。これ
平成 21 年度より中山間地域における道路等維持補修業務委託モデル事業(地区内の道路や河川の維持補修業
を組合の強みとして発注機関に積極的な営業活動を展開した結果、盛岡市の建築改修工事仕様書に「GNスー
務、除雪などの住民生活に身近な業務)を1年契約で福島県から受託している(24年度で4回目の受託)。
パーピンネット工法と同等とする
パーピンネット工法と同等とする」とした条件が盛りこまれるまでに至り、現在では市内小中学校や市営アパ
会津地域においては、豪雪期における迅速な対応を可能にするためには、個々の組合員では限界があること
平成 22 年、相模原市の政令市指定都市への移行にあわせて「ナイスガイドさがみはら 2010-2011年版」
ートの改修工事に広く採用されている。
から、この維持補修業務を組合の共同受注事業として取り組むこととした。
の制作に関わる協定を締結した。同ガイドは防災、救急や保健・福祉など市民の日常生活に欠かせない情報を
品質向上を徹底し、質の高いサービスで指定管理業務を受注。
岩手県ビル管理事業協同組合(岩手県:官公需適格組合(役務))
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近年、他地域より大手資本等が参入したことにより、低価格競争が激化するなど、厳しい環境下にあるが、
県内の総合管理サービス業として品質向上を徹底し、人材育成、雇用環境の整備等を積極的に行い官公需適格
組合ならではの質の高いサービス(役務)を提供している。
これらの実績が認められ、岩手県公共施設(岩手産業文化センター、岩手県民情報交流センター)の総合施
設管理業務を指定管理者として受注している。また、県内開催の全国規模のイベン
設管理業務を指定管理者として受注している。また、県内開催の全国規模のイベント(全国菓子大博覧会岩手
大会 ’
98、三陸・海の博覧会 ’
92)においても管理業務等について一括受注した実績を有する。
株式会社ユーメディア(宮城県)
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東日本大震災が発生した平成 23 年3月は地方公共団体より受注し毎月発行している広報誌の印刷が震災の
影響で出来なかったが、加盟する全国ネットワークで従来より付き合いのあった他県の印刷業者に代替生産を
依頼して発行をし、休刊にすることなく地域住民へ情報提供することができた。
さらに、宮城県の公募型プロポーザル入札による緊急雇用創出事業(情報発信事業)も受託し、被災者を平
人、24
年度 30 人雇用している。被災地の状況、復興に向けて活動する人々を取材し、ホ
成 23 年度は 40 人、
24 年度は
ームページやブログ等にて情報発信をするなど
ームページやブログ等にて情報発信をするなど東日本大震災の復興に貢献している。
宮城県管工業協同組合(宮城県:官公需適格組合(工事))
集約した冊子。平成 20 年に相模原市より委託を受けて組合が広告主を集めて作成した経緯があり、市も配送費
性を要する業務が発生した場合でも遂行期間を短縮できる、③組合の内部調整により対応可能な組合員を即座に
などの一部を負担した。2度目の発行に当たり、市では、財政的な問題もあったことから廃刊も含め存続の有
選定できるなど、組合員の経営の安定に寄与するだけでなく、地域を守るという視点から質の高い住民サービ
無を検討していたが、組合が広告主を募り、制作から配送にかかる費用のすべてを広告料で賄って発行するこ
スの提供につながっている。
とを提案した。これにより市の負担は軽減でき、市民に対する行政サービスの低下も回避することができた。
組合は、発注機関や支援機関・関連団体等と関わり、イベント等のチラシの再利用化や電子ブックでの情報
人と地域に役立つ仕事を起こす。働く場を創造する企業組合。
企業組合群馬中高年雇用福祉事業団(群馬県)
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阪神・淡路大震災での対応を教訓に、平成9年に仙台市と「災害時等における水道施設復旧等の応援に関す
地域活動で信頼を確保。敦賀市から365日24時間体制で上水道の漏水管理を受託。
敦賀市管工事協同組合(福井県)
て設立)。当時、玉村町では人口急増にともなうゴミ処理対応が急務であったことから、町から一般廃棄物の収集・
理を受託するなど施設管理事業、除草・枝打ちなどの緑化事業にも取り組んでいる。
設立以来、組合は組合員の仕事を確保するため、大企業や他業者が応じない業務にも積極的に対応し実績を
積み上げてきた。これらの取り組みが町民にも受け入れられ“地域の雑用係”として、今では町になくてはな
らない存在になっている。(※企業組合は個人が集まり、自らの働く場を創造するための組織です。)
組合は、敦賀市から 365 日 24 時間体制で上水道の漏水修理業務を受託している。
12
安全パトロール(年4回)、配水管洗管作業(年1回5日間)の実施、ひとり暮らし高齢者宅配管設備点検ボラ
ンティアなども行い、地域のライフラインの維持とともに信頼を確保している。
敦賀市と組合は「災害時における協力に関する協定(平成18 年9月)
」を締結。市が実施する訓練等にも積極
的に参加している。また、組合は、大規模災害時には自らも被災することを想定し、岐阜県の各務原市管工事
協同組合と災害時相互応援協定を締結し (平成 24 年8月2日)。市民の安心・安全のため、水道事業のエキ
協同組合と災害時相互応援協定を締結した
電気の信頼回復とボランティアを通じた地域社会への貢献。
埼玉県電気工事工業組合(埼玉県:官公需適格組合(役務))
9
ISO の品質、環境、情報の認証を取得し、組合の業務体制を確立させる中、埼玉県から電気工事業者保安講習
平成 24 年9月には、県下全市町村と締結している防災協定の一環として、埼玉県一斉の「外灯点検(2万灯)」
及び「ごみゼロ運動」を実施した。また、毎年11月には森林保全活動を通じて秩父地域で桧木の枝打ちを実施
するなど、積極的なボランティア活動を通じて組合の存在意識を高める活動を展開している。官公需適格組合
証明を同年7月に取得したことにより、今後さらなる活動の幅を広げていくこととしている。
スパートとして活躍している。
割れにくい高強度磁器を学校・幼稚園・保育園などに販売。
土岐市陶磁器卸商業協同組合(岐阜県:官公需適格組合(物品))
13
ファインセラミックス技術を応用し開発された「高強度磁器」は極めて安全かつ衛生的で、一般的な陶磁器に
比べて3倍以上の強度がある。組合は「高強度磁器」を商標登録し、全国の保育園・幼稚園をはじめ学校、病院、
官公庁等に販売。 教育現場では「物を大切にする」といった教育効果や、病院・養護施設等では「温かみが感じ
られる」
「使いやすい」などの評価が得られている。組合は、
「高強度磁器」をはじめとした美濃焼をPRするため、
発展に貢献している。
関する協定」を締結。東日本大震災発生後にはこれら協定に基づき、不眠不休で水道施設復旧活動を行った。
「ハトのマークの引越センター」
としてブランドの確立を目指す。
引越専門協同組合中四国(広島県:官公需適格組合(役務))
15
引越のプロとしての高品質なサービスの提供、他事業者との優位性を確保するための各種取組を実施。業界
初の取組として「引越管理士認定制度」を設け、組合にて認定制度の講座を行い、現在、全国では 980 人の引
越管理士が活躍している。さらに環境・安全への対応にも力を入れており、ISO1400
越管理士が活躍している。さらに環境・安全への対応にも力を入れており、ISO14001 及び G マークの認証
推進等も積極的に行っている。
大規模災害協定に基づき出動、懸命な活動を行い地域を守る。
熊本県害虫消毒協同組合(熊本県:官公需適格組合(役務))
16
熊本県害虫消毒協同組合は、平成 24 年3月末に熊本市と「大規模災害等発生時の防疫活動に関する協定」を
締結した。協定締結から約3ヵ月後の7月 12 日に九州豪雨が発生し、熊本県竜田地区では白川の氾濫による
浸水等の被害が出た。協定を締結した矢先での大きな災害となったため、組合は先の協定に基づき、浸水した
家庭への消毒作業を随意契約により一括受注した。熊本市からの派遣により組合が消毒作業を行ったことは住
民の安心感にもつながった。今後は熊本県との災害協定も締結予定としている。
組織の力で大手企業とも対等に競争。地域に必要な組合へと成長。
熊本県セキュリティ協同組合(熊本県:官公需適格組合(役務))
17
熊本県八代市の「やつしろ全国花火競技大会」をはじめとする、1社では対応が困難である大規模な警備業務
を共同で受注している。延 200 人/日を要する警備業務もあるが、組合の動員力によって地元大手警備会社
との競合に勝ち、受注に成功している。組合員企業に属する警備員総数は 1,000 名を超えており、県下で唯
一かつ最大規模の組合であることが組合の付加価値となっている。
平成 22 年度からは、熊本県の緊急雇用対策事業である安全パトロール事業を受注し、犯罪件数が過去と比
国内の展示会に積極的に出展するとともに、海外(東南アジア市場)の販路開拓に挑戦することで、地場産業の
る協定」を、平成 19 年には「大規模災害時における主要公共施設等の宅内給水・排水設備の応急復旧措置に
❹
8
発信等様々な企画を提案し、地元の企業、自治会、市民の協力と理解を得て、住みやすい町づくりに貢献している。
中高年齢者と障がい者の雇用機会の確保を目的に、昭和 58 年任意団体を設立した(平成元年企業組合とし
及び電気工事士免状交付事務を受託している。
一刻も早いライフラインの復旧のために不眠不休での活動を展開。
相模原市印刷広告協同組合(神奈川県:官公需適格組合(役務))
同業務の受注により、①人材確保や遂行予定・計画が立てやすくなり計画性のある経営が可能となる、②緊急
運搬及び処理を受託、組合の中核事業となっている。また、最近は、指定管理者として町のスポーツ広場の管
地域住民への情報提供を続け、緊急雇用創出事業により被災者の雇用も確保。
14
同様の制度は他の地方公共団体でも設けられている。平成 24 年に相模原市で認定された「救急隊員 NaVi」
利益の増進を図る組織です。)
対して中小企業者の積極的な活用への配慮を要請する とした条文が全国で初めて盛りこまれた。
対して中小企業者の積極的な活用への配慮を要請する”
10
総合点数算定特例制度を活用してAランクを取得し、大型案件や大規模イベントを受注。
較して減少していることなど地域住民の安心・安全に寄与している。
障害者や高齢者の社会参加を積極的に支援。
沖縄県福祉介護タクシー事業協同組合(沖縄県)
18
一般の交通機関の利用が困難な障害者等が病院へ通院する場合に、リフトやストレッチャー等の介護機器を
備えたタクシーが必要となる。そこで平成 17 年にタクシー事業者が集まり、組合を設立し介護タクシー事業
に取り組んだ。組合は共同配車事業を実施しており、病院や福祉施設等からの依頼によりタクシーを派遣する。
平成 23 年7月には、組合員資格に介護福祉士、介護ヘルパー2級以上、看護師又は准看護師の資格を有す
ることを追加し、ドライバー全員が有資格者となり、他の事業者との差別化を図った。その結果、平成 23 年度
は延1,469 回の配車実績をあげた。障害者や高齢者の通院等の外出における安心・安全・快適性をサポートし、
社会参加を積極的に支援する。
❺
❻
❼
官公需適格組合の活用強化を要請。北海道では協定締結により官公需への配慮を実現。
廃棄物を通じて、資源の有効活用と循環型社会の形成に貢献。
トライアル発注制度の活用により販路開拓を目指す。
全国石油商業組合連合会(東京都)・北海道石油業協同組合連合会(北海道)
協業組合仙台清掃公社(宮城県:官公需適格組合(役務))
合資会社木と字の神林(東京都)・株式会社ハイスポット(神奈川県)
広島県ビルメンテナンス協同組合(広島県:官公需適格組合(役務))
東日本大震災を経て、全国石油商業組合連合会では、発注機関等に対して官公需適格組合証明をもつ石油組
組合創立より 40 年が経ち、環境保全に寄与する組合という自負のもと、地元仙台から東北地域において事業
書道文化の衰退に歯止めをかけるため、墨汁を使わず水で何度でも文字を書ける再利用可能な半紙「水書き
組合員の売上等を合算して上位の等級に格付けする「総合点数算定特例制度」を活用し、
Aランクを取得。組
合への活用強化等について要望活動を行った。
を展開し、企業及び自治体より厚い信頼を得ている。これからも「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」等を順
グー」を開発。書道の練習がいつでも、どこでも手軽にでき、半紙は黒・赤・緑・青・桃の5色と多彩。
合員単独では受注できない大型案件や大規模イベント等を受注している。
その先進事例となったのが北海道石油業協同組合連合会であり、平成 23 年12 月北海道庁と「災害時における
守し、廃棄物の適正かつ適切な処理はもとより、東北地方で初となる RPF(廃プラスチック類の固形燃料)製
平成 23 年9月に東京都のトライアル発注制度の認定を受け、特別支援学校を含む都内 60 数校への営業に対
広島県県営住宅の指定管理業務では、実施組合員の選定を輪番制ではなく、組合員からの提案による応募型
石油類燃料の供給等に関する協定」を締結。同協定では、
“平時から発注機関と受注者の信頼関係を構築する目
造工場をはじめとしたリサイクル施設の活用により、循環型社会をより積極的に推進していく。
し、約 40 校から購入の申込みがあり数百万円の受注となった。製品を使用した学校等からの評価は高く、それ
を採用。これにより「組合員の責任による事業配分」を実現し、組合員が「提案力、技術力、地域性を評価さ
らの意見を参考にさらなる改善と販路拡大を図る。
れて組合に選ばれた」という自覚を持って事業を行っている。
1
的を含め、災害時にガソリンスタンド事業者(組合員)が石油製品の供給能力を十分発揮できるよう、市町村に
6
(※協業組合は組合員が従来から営んでいた事業を一部又は全部を統合して経営することで生産性の向上や共同
の開発会社社長は「救急車両到着後、受け入れ先確定までの時間短縮に向けて開発したシステム
の開発会社社長は「救急車両到着後、受け入れ先確定までの時間短縮に向けて開発したシステム。認定により市
独自工法を強みに積極的な営業活動を展開。
岩手県総合建設業協同組合(岩手県:官公需適格組合(工事))
2
年間契約の受注により雇用の確保及び住民サービスを図る。
宮下地区建設業協同組合(福島県:官公需適格組合(工事))
7
の広報誌や展示会などで積極的に紹介してくれるため非常によいPRとなっている。取引先が拡大できた。」と述べる。
行政や支援機関・関連団体等と連携し住みやすい町づくりに貢献。
11
建築物の外壁落下防止及び外壁の耐久力を高める「GNスーパーピンネット工法」の施工認定を取得。これ
平成 21 年度より中山間地域における道路等維持補修業務委託モデル事業(地区内の道路や河川の維持補修業
を組合の強みとして発注機関に積極的な営業活動を展開した結果、盛岡市の建築改修工事仕様書に「GNスー
務、除雪などの住民生活に身近な業務)を1年契約で福島県から受託している(24年度で4回目の受託)。
パーピンネット工法と同等とする
パーピンネット工法と同等とする」とした条件が盛りこまれるまでに至り、現在では市内小中学校や市営アパ
会津地域においては、豪雪期における迅速な対応を可能にするためには、個々の組合員では限界があること
平成 22 年、相模原市の政令市指定都市への移行にあわせて「ナイスガイドさがみはら 2010-2011年版」
ートの改修工事に広く採用されている。
から、この維持補修業務を組合の共同受注事業として取り組むこととした。
の制作に関わる協定を締結した。同ガイドは防災、救急や保健・福祉など市民の日常生活に欠かせない情報を
品質向上を徹底し、質の高いサービスで指定管理業務を受注。
岩手県ビル管理事業協同組合(岩手県:官公需適格組合(役務))
3
近年、他地域より大手資本等が参入したことにより、低価格競争が激化するなど、厳しい環境下にあるが、
県内の総合管理サービス業として品質向上を徹底し、人材育成、雇用環境の整備等を積極的に行い官公需適格
組合ならではの質の高いサービス(役務)を提供している。
これらの実績が認められ、岩手県公共施設(岩手産業文化センター、岩手県民情報交流センター)の総合施
設管理業務を指定管理者として受注している。また、県内開催の全国規模のイベン
設管理業務を指定管理者として受注している。また、県内開催の全国規模のイベント(全国菓子大博覧会岩手
大会 ’
98、三陸・海の博覧会 ’
92)においても管理業務等について一括受注した実績を有する。
株式会社ユーメディア(宮城県)
4
東日本大震災が発生した平成 23 年3月は地方公共団体より受注し毎月発行している広報誌の印刷が震災の
影響で出来なかったが、加盟する全国ネットワークで従来より付き合いのあった他県の印刷業者に代替生産を
依頼して発行をし、休刊にすることなく地域住民へ情報提供することができた。
さらに、宮城県の公募型プロポーザル入札による緊急雇用創出事業(情報発信事業)も受託し、被災者を平
人、24
年度 30 人雇用している。被災地の状況、復興に向けて活動する人々を取材し、ホ
成 23 年度は 40 人、
24 年度は
ームページやブログ等にて情報発信をするなど
ームページやブログ等にて情報発信をするなど東日本大震災の復興に貢献している。
宮城県管工業協同組合(宮城県:官公需適格組合(工事))
集約した冊子。平成 20 年に相模原市より委託を受けて組合が広告主を集めて作成した経緯があり、市も配送費
性を要する業務が発生した場合でも遂行期間を短縮できる、③組合の内部調整により対応可能な組合員を即座に
などの一部を負担した。2度目の発行に当たり、市では、財政的な問題もあったことから廃刊も含め存続の有
選定できるなど、組合員の経営の安定に寄与するだけでなく、地域を守るという視点から質の高い住民サービ
無を検討していたが、組合が広告主を募り、制作から配送にかかる費用のすべてを広告料で賄って発行するこ
スの提供につながっている。
とを提案した。これにより市の負担は軽減でき、市民に対する行政サービスの低下も回避することができた。
組合は、発注機関や支援機関・関連団体等と関わり、イベント等のチラシの再利用化や電子ブックでの情報
人と地域に役立つ仕事を起こす。働く場を創造する企業組合。
企業組合群馬中高年雇用福祉事業団(群馬県)
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阪神・淡路大震災での対応を教訓に、平成9年に仙台市と「災害時等における水道施設復旧等の応援に関す
地域活動で信頼を確保。敦賀市から365日24時間体制で上水道の漏水管理を受託。
敦賀市管工事協同組合(福井県)
て設立)。当時、玉村町では人口急増にともなうゴミ処理対応が急務であったことから、町から一般廃棄物の収集・
理を受託するなど施設管理事業、除草・枝打ちなどの緑化事業にも取り組んでいる。
設立以来、組合は組合員の仕事を確保するため、大企業や他業者が応じない業務にも積極的に対応し実績を
積み上げてきた。これらの取り組みが町民にも受け入れられ“地域の雑用係”として、今では町になくてはな
らない存在になっている。(※企業組合は個人が集まり、自らの働く場を創造するための組織です。)
組合は、敦賀市から 365 日 24 時間体制で上水道の漏水修理業務を受託している。
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安全パトロール(年4回)、配水管洗管作業(年1回5日間)の実施、ひとり暮らし高齢者宅配管設備点検ボラ
ンティアなども行い、地域のライフラインの維持とともに信頼を確保している。
敦賀市と組合は「災害時における協力に関する協定(平成18 年9月)
」を締結。市が実施する訓練等にも積極
的に参加している。また、組合は、大規模災害時には自らも被災することを想定し、岐阜県の各務原市管工事
協同組合と災害時相互応援協定を締結し (平成 24 年8月2日)。市民の安心・安全のため、水道事業のエキ
協同組合と災害時相互応援協定を締結した
電気の信頼回復とボランティアを通じた地域社会への貢献。
埼玉県電気工事工業組合(埼玉県:官公需適格組合(役務))
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ISO の品質、環境、情報の認証を取得し、組合の業務体制を確立させる中、埼玉県から電気工事業者保安講習
平成 24 年9月には、県下全市町村と締結している防災協定の一環として、埼玉県一斉の「外灯点検(2万灯)」
及び「ごみゼロ運動」を実施した。また、毎年11月には森林保全活動を通じて秩父地域で桧木の枝打ちを実施
するなど、積極的なボランティア活動を通じて組合の存在意識を高める活動を展開している。官公需適格組合
証明を同年7月に取得したことにより、今後さらなる活動の幅を広げていくこととしている。
スパートとして活躍している。
割れにくい高強度磁器を学校・幼稚園・保育園などに販売。
土岐市陶磁器卸商業協同組合(岐阜県:官公需適格組合(物品))
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ファインセラミックス技術を応用し開発された「高強度磁器」は極めて安全かつ衛生的で、一般的な陶磁器に
比べて3倍以上の強度がある。組合は「高強度磁器」を商標登録し、全国の保育園・幼稚園をはじめ学校、病院、
官公庁等に販売。 教育現場では「物を大切にする」といった教育効果や、病院・養護施設等では「温かみが感じ
られる」
「使いやすい」などの評価が得られている。組合は、
「高強度磁器」をはじめとした美濃焼をPRするため、
発展に貢献している。
関する協定」を締結。東日本大震災発生後にはこれら協定に基づき、不眠不休で水道施設復旧活動を行った。
「ハトのマークの引越センター」
としてブランドの確立を目指す。
引越専門協同組合中四国(広島県:官公需適格組合(役務))
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引越のプロとしての高品質なサービスの提供、他事業者との優位性を確保するための各種取組を実施。業界
初の取組として「引越管理士認定制度」を設け、組合にて認定制度の講座を行い、現在、全国では 980 人の引
越管理士が活躍している。さらに環境・安全への対応にも力を入れており、ISO1400
越管理士が活躍している。さらに環境・安全への対応にも力を入れており、ISO14001 及び G マークの認証
推進等も積極的に行っている。
大規模災害協定に基づき出動、懸命な活動を行い地域を守る。
熊本県害虫消毒協同組合(熊本県:官公需適格組合(役務))
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熊本県害虫消毒協同組合は、平成 24 年3月末に熊本市と「大規模災害等発生時の防疫活動に関する協定」を
締結した。協定締結から約3ヵ月後の7月 12 日に九州豪雨が発生し、熊本県竜田地区では白川の氾濫による
浸水等の被害が出た。協定を締結した矢先での大きな災害となったため、組合は先の協定に基づき、浸水した
家庭への消毒作業を随意契約により一括受注した。熊本市からの派遣により組合が消毒作業を行ったことは住
民の安心感にもつながった。今後は熊本県との災害協定も締結予定としている。
組織の力で大手企業とも対等に競争。地域に必要な組合へと成長。
熊本県セキュリティ協同組合(熊本県:官公需適格組合(役務))
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熊本県八代市の「やつしろ全国花火競技大会」をはじめとする、1社では対応が困難である大規模な警備業務
を共同で受注している。延 200 人/日を要する警備業務もあるが、組合の動員力によって地元大手警備会社
との競合に勝ち、受注に成功している。組合員企業に属する警備員総数は 1,000 名を超えており、県下で唯
一かつ最大規模の組合であることが組合の付加価値となっている。
平成 22 年度からは、熊本県の緊急雇用対策事業である安全パトロール事業を受注し、犯罪件数が過去と比
国内の展示会に積極的に出展するとともに、海外(東南アジア市場)の販路開拓に挑戦することで、地場産業の
る協定」を、平成 19 年には「大規模災害時における主要公共施設等の宅内給水・排水設備の応急復旧措置に
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発信等様々な企画を提案し、地元の企業、自治会、市民の協力と理解を得て、住みやすい町づくりに貢献している。
中高年齢者と障がい者の雇用機会の確保を目的に、昭和 58 年任意団体を設立した(平成元年企業組合とし
及び電気工事士免状交付事務を受託している。
一刻も早いライフラインの復旧のために不眠不休での活動を展開。
相模原市印刷広告協同組合(神奈川県:官公需適格組合(役務))
同業務の受注により、①人材確保や遂行予定・計画が立てやすくなり計画性のある経営が可能となる、②緊急
運搬及び処理を受託、組合の中核事業となっている。また、最近は、指定管理者として町のスポーツ広場の管
地域住民への情報提供を続け、緊急雇用創出事業により被災者の雇用も確保。
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同様の制度は他の地方公共団体でも設けられている。平成 24 年に相模原市で認定された「救急隊員 NaVi」
利益の増進を図る組織です。)
対して中小企業者の積極的な活用への配慮を要請する とした条文が全国で初めて盛りこまれた。
対して中小企業者の積極的な活用への配慮を要請する”
10
総合点数算定特例制度を活用してAランクを取得し、大型案件や大規模イベントを受注。
較して減少していることなど地域住民の安心・安全に寄与している。
障害者や高齢者の社会参加を積極的に支援。
沖縄県福祉介護タクシー事業協同組合(沖縄県)
18
一般の交通機関の利用が困難な障害者等が病院へ通院する場合に、リフトやストレッチャー等の介護機器を
備えたタクシーが必要となる。そこで平成 17 年にタクシー事業者が集まり、組合を設立し介護タクシー事業
に取り組んだ。組合は共同配車事業を実施しており、病院や福祉施設等からの依頼によりタクシーを派遣する。
平成 23 年7月には、組合員資格に介護福祉士、介護ヘルパー2級以上、看護師又は准看護師の資格を有す
ることを追加し、ドライバー全員が有資格者となり、他の事業者との差別化を図った。その結果、平成 23 年度
は延1,469 回の配車実績をあげた。障害者や高齢者の通院等の外出における安心・安全・快適性をサポートし、
社会参加を積極的に支援する。
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官公需適格組合の活用強化を要請。北海道では協定締結により官公需への配慮を実現。
廃棄物を通じて、資源の有効活用と循環型社会の形成に貢献。
トライアル発注制度の活用により販路開拓を目指す。
全国石油商業組合連合会(東京都)・北海道石油業協同組合連合会(北海道)
協業組合仙台清掃公社(宮城県:官公需適格組合(役務))
合資会社木と字の神林(東京都)・株式会社ハイスポット(神奈川県)
広島県ビルメンテナンス協同組合(広島県:官公需適格組合(役務))
東日本大震災を経て、全国石油商業組合連合会では、発注機関等に対して官公需適格組合証明をもつ石油組
組合創立より 40 年が経ち、環境保全に寄与する組合という自負のもと、地元仙台から東北地域において事業
書道文化の衰退に歯止めをかけるため、墨汁を使わず水で何度でも文字を書ける再利用可能な半紙「水書き
組合員の売上等を合算して上位の等級に格付けする「総合点数算定特例制度」を活用し、
Aランクを取得。組
合への活用強化等について要望活動を行った。
を展開し、企業及び自治体より厚い信頼を得ている。これからも「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」等を順
グー」を開発。書道の練習がいつでも、どこでも手軽にでき、半紙は黒・赤・緑・青・桃の5色と多彩。
合員単独では受注できない大型案件や大規模イベント等を受注している。
その先進事例となったのが北海道石油業協同組合連合会であり、平成 23 年12 月北海道庁と「災害時における
守し、廃棄物の適正かつ適切な処理はもとより、東北地方で初となる RPF(廃プラスチック類の固形燃料)製
平成 23 年9月に東京都のトライアル発注制度の認定を受け、特別支援学校を含む都内 60 数校への営業に対
広島県県営住宅の指定管理業務では、実施組合員の選定を輪番制ではなく、組合員からの提案による応募型
石油類燃料の供給等に関する協定」を締結。同協定では、
“平時から発注機関と受注者の信頼関係を構築する目
造工場をはじめとしたリサイクル施設の活用により、循環型社会をより積極的に推進していく。
し、約 40 校から購入の申込みがあり数百万円の受注となった。製品を使用した学校等からの評価は高く、それ
を採用。これにより「組合員の責任による事業配分」を実現し、組合員が「提案力、技術力、地域性を評価さ
らの意見を参考にさらなる改善と販路拡大を図る。
れて組合に選ばれた」という自覚を持って事業を行っている。
1
的を含め、災害時にガソリンスタンド事業者(組合員)が石油製品の供給能力を十分発揮できるよう、市町村に
6
(※協業組合は組合員が従来から営んでいた事業を一部又は全部を統合して経営することで生産性の向上や共同
の開発会社社長は「救急車両到着後、受け入れ先確定までの時間短縮に向けて開発したシステム
の開発会社社長は「救急車両到着後、受け入れ先確定までの時間短縮に向けて開発したシステム。認定により市
独自工法を強みに積極的な営業活動を展開。
岩手県総合建設業協同組合(岩手県:官公需適格組合(工事))
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年間契約の受注により雇用の確保及び住民サービスを図る。
宮下地区建設業協同組合(福島県:官公需適格組合(工事))
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の広報誌や展示会などで積極的に紹介してくれるため非常によいPRとなっている。取引先が拡大できた。」と述べる。
行政や支援機関・関連団体等と連携し住みやすい町づくりに貢献。
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建築物の外壁落下防止及び外壁の耐久力を高める「GNスーパーピンネット工法」の施工認定を取得。これ
平成 21 年度より中山間地域における道路等維持補修業務委託モデル事業(地区内の道路や河川の維持補修業
を組合の強みとして発注機関に積極的な営業活動を展開した結果、盛岡市の建築改修工事仕様書に「GNスー
務、除雪などの住民生活に身近な業務)を1年契約で福島県から受託している(24年度で4回目の受託)。
パーピンネット工法と同等とする
パーピンネット工法と同等とする」とした条件が盛りこまれるまでに至り、現在では市内小中学校や市営アパ
会津地域においては、豪雪期における迅速な対応を可能にするためには、個々の組合員では限界があること
平成 22 年、相模原市の政令市指定都市への移行にあわせて「ナイスガイドさがみはら 2010-2011年版」
ートの改修工事に広く採用されている。
から、この維持補修業務を組合の共同受注事業として取り組むこととした。
の制作に関わる協定を締結した。同ガイドは防災、救急や保健・福祉など市民の日常生活に欠かせない情報を
品質向上を徹底し、質の高いサービスで指定管理業務を受注。
岩手県ビル管理事業協同組合(岩手県:官公需適格組合(役務))
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近年、他地域より大手資本等が参入したことにより、低価格競争が激化するなど、厳しい環境下にあるが、
県内の総合管理サービス業として品質向上を徹底し、人材育成、雇用環境の整備等を積極的に行い官公需適格
組合ならではの質の高いサービス(役務)を提供している。
これらの実績が認められ、岩手県公共施設(岩手産業文化センター、岩手県民情報交流センター)の総合施
設管理業務を指定管理者として受注している。また、県内開催の全国規模のイベン
設管理業務を指定管理者として受注している。また、県内開催の全国規模のイベント(全国菓子大博覧会岩手
大会 ’
98、三陸・海の博覧会 ’
92)においても管理業務等について一括受注した実績を有する。
株式会社ユーメディア(宮城県)
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東日本大震災が発生した平成 23 年3月は地方公共団体より受注し毎月発行している広報誌の印刷が震災の
影響で出来なかったが、加盟する全国ネットワークで従来より付き合いのあった他県の印刷業者に代替生産を
依頼して発行をし、休刊にすることなく地域住民へ情報提供することができた。
さらに、宮城県の公募型プロポーザル入札による緊急雇用創出事業(情報発信事業)も受託し、被災者を平
人、24
年度 30 人雇用している。被災地の状況、復興に向けて活動する人々を取材し、ホ
成 23 年度は 40 人、
24 年度は
ームページやブログ等にて情報発信をするなど
ームページやブログ等にて情報発信をするなど東日本大震災の復興に貢献している。
宮城県管工業協同組合(宮城県:官公需適格組合(工事))
集約した冊子。平成 20 年に相模原市より委託を受けて組合が広告主を集めて作成した経緯があり、市も配送費
性を要する業務が発生した場合でも遂行期間を短縮できる、③組合の内部調整により対応可能な組合員を即座に
などの一部を負担した。2度目の発行に当たり、市では、財政的な問題もあったことから廃刊も含め存続の有
選定できるなど、組合員の経営の安定に寄与するだけでなく、地域を守るという視点から質の高い住民サービ
無を検討していたが、組合が広告主を募り、制作から配送にかかる費用のすべてを広告料で賄って発行するこ
スの提供につながっている。
とを提案した。これにより市の負担は軽減でき、市民に対する行政サービスの低下も回避することができた。
組合は、発注機関や支援機関・関連団体等と関わり、イベント等のチラシの再利用化や電子ブックでの情報
人と地域に役立つ仕事を起こす。働く場を創造する企業組合。
企業組合群馬中高年雇用福祉事業団(群馬県)
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阪神・淡路大震災での対応を教訓に、平成9年に仙台市と「災害時等における水道施設復旧等の応援に関す
地域活動で信頼を確保。敦賀市から365日24時間体制で上水道の漏水管理を受託。
敦賀市管工事協同組合(福井県)
て設立)。当時、玉村町では人口急増にともなうゴミ処理対応が急務であったことから、町から一般廃棄物の収集・
理を受託するなど施設管理事業、除草・枝打ちなどの緑化事業にも取り組んでいる。
設立以来、組合は組合員の仕事を確保するため、大企業や他業者が応じない業務にも積極的に対応し実績を
積み上げてきた。これらの取り組みが町民にも受け入れられ“地域の雑用係”として、今では町になくてはな
らない存在になっている。(※企業組合は個人が集まり、自らの働く場を創造するための組織です。)
組合は、敦賀市から 365 日 24 時間体制で上水道の漏水修理業務を受託している。
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安全パトロール(年4回)、配水管洗管作業(年1回5日間)の実施、ひとり暮らし高齢者宅配管設備点検ボラ
ンティアなども行い、地域のライフラインの維持とともに信頼を確保している。
敦賀市と組合は「災害時における協力に関する協定(平成18 年9月)
」を締結。市が実施する訓練等にも積極
的に参加している。また、組合は、大規模災害時には自らも被災することを想定し、岐阜県の各務原市管工事
協同組合と災害時相互応援協定を締結し (平成 24 年8月2日)。市民の安心・安全のため、水道事業のエキ
協同組合と災害時相互応援協定を締結した
電気の信頼回復とボランティアを通じた地域社会への貢献。
埼玉県電気工事工業組合(埼玉県:官公需適格組合(役務))
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ISO の品質、環境、情報の認証を取得し、組合の業務体制を確立させる中、埼玉県から電気工事業者保安講習
平成 24 年9月には、県下全市町村と締結している防災協定の一環として、埼玉県一斉の「外灯点検(2万灯)」
及び「ごみゼロ運動」を実施した。また、毎年11月には森林保全活動を通じて秩父地域で桧木の枝打ちを実施
するなど、積極的なボランティア活動を通じて組合の存在意識を高める活動を展開している。官公需適格組合
証明を同年7月に取得したことにより、今後さらなる活動の幅を広げていくこととしている。
スパートとして活躍している。
割れにくい高強度磁器を学校・幼稚園・保育園などに販売。
土岐市陶磁器卸商業協同組合(岐阜県:官公需適格組合(物品))
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ファインセラミックス技術を応用し開発された「高強度磁器」は極めて安全かつ衛生的で、一般的な陶磁器に
比べて3倍以上の強度がある。組合は「高強度磁器」を商標登録し、全国の保育園・幼稚園をはじめ学校、病院、
官公庁等に販売。 教育現場では「物を大切にする」といった教育効果や、病院・養護施設等では「温かみが感じ
られる」
「使いやすい」などの評価が得られている。組合は、
「高強度磁器」をはじめとした美濃焼をPRするため、
発展に貢献している。
関する協定」を締結。東日本大震災発生後にはこれら協定に基づき、不眠不休で水道施設復旧活動を行った。
「ハトのマークの引越センター」
としてブランドの確立を目指す。
引越専門協同組合中四国(広島県:官公需適格組合(役務))
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引越のプロとしての高品質なサービスの提供、他事業者との優位性を確保するための各種取組を実施。業界
初の取組として「引越管理士認定制度」を設け、組合にて認定制度の講座を行い、現在、全国では 980 人の引
越管理士が活躍している。さらに環境・安全への対応にも力を入れており、ISO1400
越管理士が活躍している。さらに環境・安全への対応にも力を入れており、ISO14001 及び G マークの認証
推進等も積極的に行っている。
大規模災害協定に基づき出動、懸命な活動を行い地域を守る。
熊本県害虫消毒協同組合(熊本県:官公需適格組合(役務))
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熊本県害虫消毒協同組合は、平成 24 年3月末に熊本市と「大規模災害等発生時の防疫活動に関する協定」を
締結した。協定締結から約3ヵ月後の7月 12 日に九州豪雨が発生し、熊本県竜田地区では白川の氾濫による
浸水等の被害が出た。協定を締結した矢先での大きな災害となったため、組合は先の協定に基づき、浸水した
家庭への消毒作業を随意契約により一括受注した。熊本市からの派遣により組合が消毒作業を行ったことは住
民の安心感にもつながった。今後は熊本県との災害協定も締結予定としている。
組織の力で大手企業とも対等に競争。地域に必要な組合へと成長。
熊本県セキュリティ協同組合(熊本県:官公需適格組合(役務))
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熊本県八代市の「やつしろ全国花火競技大会」をはじめとする、1社では対応が困難である大規模な警備業務
を共同で受注している。延 200 人/日を要する警備業務もあるが、組合の動員力によって地元大手警備会社
との競合に勝ち、受注に成功している。組合員企業に属する警備員総数は 1,000 名を超えており、県下で唯
一かつ最大規模の組合であることが組合の付加価値となっている。
平成 22 年度からは、熊本県の緊急雇用対策事業である安全パトロール事業を受注し、犯罪件数が過去と比
国内の展示会に積極的に出展するとともに、海外(東南アジア市場)の販路開拓に挑戦することで、地場産業の
る協定」を、平成 19 年には「大規模災害時における主要公共施設等の宅内給水・排水設備の応急復旧措置に
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発信等様々な企画を提案し、地元の企業、自治会、市民の協力と理解を得て、住みやすい町づくりに貢献している。
中高年齢者と障がい者の雇用機会の確保を目的に、昭和 58 年任意団体を設立した(平成元年企業組合とし
及び電気工事士免状交付事務を受託している。
一刻も早いライフラインの復旧のために不眠不休での活動を展開。
相模原市印刷広告協同組合(神奈川県:官公需適格組合(役務))
同業務の受注により、①人材確保や遂行予定・計画が立てやすくなり計画性のある経営が可能となる、②緊急
運搬及び処理を受託、組合の中核事業となっている。また、最近は、指定管理者として町のスポーツ広場の管
地域住民への情報提供を続け、緊急雇用創出事業により被災者の雇用も確保。
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同様の制度は他の地方公共団体でも設けられている。平成 24 年に相模原市で認定された「救急隊員 NaVi」
利益の増進を図る組織です。)
対して中小企業者の積極的な活用への配慮を要請する とした条文が全国で初めて盛りこまれた。
対して中小企業者の積極的な活用への配慮を要請する”
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総合点数算定特例制度を活用してAランクを取得し、大型案件や大規模イベントを受注。
較して減少していることなど地域住民の安心・安全に寄与している。
障害者や高齢者の社会参加を積極的に支援。
沖縄県福祉介護タクシー事業協同組合(沖縄県)
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一般の交通機関の利用が困難な障害者等が病院へ通院する場合に、リフトやストレッチャー等の介護機器を
備えたタクシーが必要となる。そこで平成 17 年にタクシー事業者が集まり、組合を設立し介護タクシー事業
に取り組んだ。組合は共同配車事業を実施しており、病院や福祉施設等からの依頼によりタクシーを派遣する。
平成 23 年7月には、組合員資格に介護福祉士、介護ヘルパー2級以上、看護師又は准看護師の資格を有す
ることを追加し、ドライバー全員が有資格者となり、他の事業者との差別化を図った。その結果、平成 23 年度
は延1,469 回の配車実績をあげた。障害者や高齢者の通院等の外出における安心・安全・快適性をサポートし、
社会参加を積極的に支援する。
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❼
◆地元の中小企業・組合等に発注する効果
官公需適格組合について
官公需施策と中小企業・中小企業組合について
●
地域企業の安定した受注により、地域経済の活性化、地域雇用の維持・創出に寄与する。
●
緊急性の高い業務に対して、遂行までの期間を短縮することができる。
事業協同組合をはじめとする中小企業組合は、法律の手続きを経て国や都道府県が認可した
●
組合の場合内部調整することによって、即座に対応可能な企業を選定し得る。
法人であり、民主的かつ公平な運営が制度的に確保されている信頼性の高い組織です。相互扶
●
地域に精通・密着した企業・従業員が業務を行うため、地域に関する知見をいかしたサービスや多様化・
助の精神に基づき、単独では不足する経営資源を協同組織により補完する事を基調として共同
高度化する住民要望を反映したサービスの提供が可能である。
事業を行うところに特徴があります。
活躍し、経済社会の活力の源泉となっています。地域社会においては、伝統産業や地場産業等の
地域産業集積の基盤となり、雇用の場の提供の他、地域コミュニティの推進や地域文化の継承等
こうした中小企業組合で、官公需の受注に対して特に意欲があり、受注した契約は十分に責
◆官公需総合相談センター(都道府県中小企業団体中央会内)
任を持って履行できる体制が整備されている組合を中小企業庁(経済産業局及び沖縄総合事務
地元の中小企業・協同組合等に関するお問合せは、最寄りの「官公需総合相談センター」をご活用ください。
局)が証明するのが【官公需適格組合制度】です。
全国官公需総合相談センター
03-3523-4902
福井県官公需総合相談センター
0776-23-3042
官公需適格組合制度は、国等の契約の方針において、「国等は、中小企業庁が証明した官公
北海道官公需総合相談センター
011-231-1919
滋賀県官公需総合相談センター
077-511-1430
需適格組合をはじめとする事業協同組合等の受注機会の増大を図るものとする。」と定めると
青森県官公需総合相談センター
017-777-2325
京都府官公需総合相談センター
075-314-7131
岩手県官公需総合相談センター
019-624-1363
奈良県官公需総合相談センター
0742-22-3200
宮城県官公需総合相談センター
022-222-5560
大阪府官公需総合相談センター
06-6947-4370
秋田県官公需総合相談センター
018-863-8701
兵庫県官公需総合相談センター
078-331-2045
山形県官公需総合相談センター
023-647-0360
和歌山県官公需総合相談センター
073-431-0852
福島県官公需総合相談センター
024-536-1261
鳥取県官公需総合相談センター
0857-26-6671
茨城県官公需総合相談センター
029-224-8030
島根県官公需総合相談センター
0852-21-4809
栃木県官公需総合相談センター
028-635-2300
岡山県官公需総合相談センター
086-224-2245
群馬県官公需総合相談センター
027-232-4123
広島県官公需総合相談センター
082-228-0926
埼玉県官公需総合相談センター
048-641-1315
山口県官公需総合相談センター
083-922-2606
千葉県官公需総合相談センター
043-306-3281
徳島県官公需総合相談センター
088-654-4431
東京都官公需総合相談センター
03-3542-0386
香川県官公需総合相談センター
087-851-8311
神奈川県官公需総合相談センター
045-633-5131
愛媛県官公需総合相談センター
089-955-7150
新潟県官公需総合相談センター
025-267-1100
高知県官公需総合相談センター
088-845-8870
長野県官公需総合相談センター
026-228-1171
福岡県官公需総合相談センター
092-622-8780
山梨県官公需総合相談センター
055-237-3215
佐賀県官公需総合相談センター
0952-23-4598
静岡県官公需総合相談センター
054-254-1511
長崎県官公需総合相談センター
095-826-3201
愛知県官公需総合相談センター
052-485-6811
熊本県官公需総合相談センター
096-325-3255
岐阜県官公需総合相談センター
058-277-1100
大分県官公需総合相談センター
097-536-6331
三重県官公需総合相談センター
059-228-5195
宮崎県官公需総合相談センター
0985-24-4278
富山県官公需総合相談センター
076-424-3686
鹿児島県官公需総合相談センター
099-222-9258
石川県官公需総合相談センター
076-267-7711
沖縄県官公需総合相談センター
098-859-6120
ともに、「当該制度の一層の周知徹底に努める」旨定めています。
◆官公需適格組合は、全国に 800 組合 (平成 24 年9月末時点)
物品関係 182 組合/役務関係 413 組合/工事関係 205 組合
◆「物品」・「役務」関係の証明基準
①共同事業が、組合員の協調裡に円滑に行われていること。
②官公需の受注について熱心な指導者がいること。
③常勤役職員が2名以上いること。
④共同受注担当役員及び共同受注委員会が設置され、かつ適正な運営が行われていること。
⑤共同受注した案件に関し役員と担当組合員が連帯して責任を負うこと。
⑥検査員を置くなど検査体制が確立されていること。
⑦組合運営を円滑に行うに足りる経常的収入があること。
◆「工事」関係の証明基準
★前記「物品」
・
「役務」関係の証明基準の7項目に加え、
さらに下記の要件が必要です。
⑧組合専従技術者が工事を監理・監督・指導等をするとともに、総合的な企画及び調整を行う
我が国の中小企業は、企業数で 99.7%、雇用者数では 66.0%を占め、産業のあらゆる分野で
中小企業者のための
官公需施策と
官公需受注成功事例
しかしながら、中小企業の制約の多くは経営の規模が小さいことに起因するものが大半です。
一社では受注できない案件でも、組合員が共同して受注すれば確実に契約を履行できる場合が少
なくありません。こうして生まれたのが、組合による共同受注事業であり、官公需の共同受注です。
国は、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律(官公需法)に基づき、国等は
中小企業者の官公需の受注機会の増大に努めています。
本冊子では、さまざまな制約の中で、工夫を凝らしながら、受注を確保する中小企業者や中小
企業者で組織する事業協同組合等により共同受注に成功した事例を紹介しております。
官公需の発注に当たられている関係者の皆様におかれましては、本誌を参考資料として、地域
中小企業等の育成・振興及び地域活性化のためにご活用いただければ幸甚です。
◆中小企業基本法
中小企業の振興・支援について、基本的な理念や方針を定めています。この中で、官公需施策は、 中
小企業の経営基盤強化策 の一つとして位置づけられており、「国等からの受注機会の増大」につ
いて定めています(第 21 条)。
◆官公需法
中小企業基本法の理念を受け、
「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」
(官公需
法)では
企画・調整委員会が現場ごとに設置され、工事全体が契約どおり施工される体制が整備され
◇国等の発注機関における中小企業者の受注機会の増大に向けた努力と組合等の活用(第3条)
ていること。
◇「国等の契約の方針」の作成と公表(第4条)
⑨共同受注事業を1年以上行っており、相当程度の受注実績があること。
⑩工事1件の請負代金の額が1,500万円(電気、管工事等は500 万円)以上の物件を受注しようと
◇国の施策に準じた地方公共団体における中小企業者の受注機会の増大に向けた努力(第7条)な
◆お問い合わせ先
どを定めています。
する組合は、常勤役員が1名以上、常勤職員が2名以上の合計3名以上おり、その役職員の
うち2名は受注しようとする工事の技術者であること。
(標記金額未満の場合は、常勤役職員
◆国等の契約の方針
は2名以上で基準を満たす。)
経済産業省(中小企業庁)では、毎年度、中小企業者向けの契約目標額や、受注機会増大のための
⑪自己資本、資金調達力、欠損状況その他の観点からみて工事を履行するに足りる経理的基礎
措置事項などを「中小企業者に関する国等の契約の方針」として取りまとめ、これを閣議決定し公
知識を有していること。
(
においても重要な役割を果たしています。
表しています。主な内容は次のとおりです。
(証明基準は、平成 25 年2月末時点のもの)
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/kankoju.htm
官公需施策
官公需施策は
❸
検索
◇東日本大震災の被災地域等の中小企業者に対する配慮
)
平成25年2月
経済産業省
中小企業庁
◇官公需情報の提供の徹底
◇中小企業者が受注し易い発注とする工夫(分離・分割発注の推進 等)
◇中小企業者の特性を踏まえた配慮(技術力のある中小企業者に対する受注機会の増大 等)
◇ダンピング防止対策等の推進(適切な予定価格の作成/低入札価格調査制度の適切な活用 等)
http://www.chusho.meti.go.jp/
❽
❷
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