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ー9世紀末~20世紀初頭 ・ 国際市場における絹織物の低価格

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ー9世紀末~20世紀初頭 ・ 国際市場における絹織物の低価格
埼 上 大学紀要
教 育学 部 ,5
6(
1
) 2
91
-3
05 (
2
0
07)
1
9
世紀末∼2
0
世紀初頭 ・国際市場 における絹織物の低価格化 と流行品
-
『
欧米染織鑑』 に収録 された織物サ ンプルの分析田村
均*
キ ー ワー ド :19世 紀 末 ∼20世 紀 初 頭 、 国際市 場 、 絹 織 物 、流 行 品 、 欧 米 染織 鑑
一 日ハー E
rヨリ安価 ナ ル製 品 ノ需要増加 ス」
1. は じめ に
4)
と述べ、「
生産多量価格低廉 ノ結果、絹織物 ヲ平
1
9世 紀 後 半 か ら20世 紀 前 半 に か け て、 ヨー
民化 ス トハ欧州於 ケル機業 ノ形勢 ニ シテ、即チ
ロ ッパお よびアメ リカで進行 した絹織物 の低価
織 ル二時 間 ヲ費サズ価格低廉 ノモ ノヲ多 ク造 出
格化 は、それ まで もっぱ ら特権 ・富裕層 向けの
シ、黄塵 上下 ノ区別 ナ ク凡 テ絹織物 ヲ身二纏 ヒ
智イ
多的商品であ った絹製 品が大衆化す る未曾有
得 ル方法 ヲ言
錐先 シ、之 ヲ実地二行 フハ刻下 ノ現
の状況 を惹起 させ た。庶民 向けの 「
新需要」(
服
況ナ リ」 5) と報告 している。
971
)の拡大 にささえ られて、中 .下級 品
吾臥 1
青年期 に リヨン織物学校へ の留学 を経厳 した
レベルの絹織物生産が きわだって発展 したので
o数
わが国有数の染織技術者 ・近藤徳太郎が 、l
あ る。 こうした 「
絹の大衆化」 (
松原 、2003)の
年ぶ りの フラ ンス再訪 で 目の当た りに したのは、
プ ロセスは、生糸お よび絹製品の世界 的な需給
「
近来ハ I
g
L
i
地僻 村 ノ婦 女子 二重 ルマ デ皆 之 レ
)、近代
関係 をはげ しく変動 させ るのみ な らず l
(
絹織物-
引用者) ヲ用 ウルノ風 ヲ為 シタレ
に生 きた人々の ライフス タイルそれ 自体 -日常
バ」 6) とい う状況であ った。 いいか えれば、価
性 の構 造 に多大 な影響 をあ た えず に はおか な
格低廉 の商品でないか ぎ り、絹織物 の新 たな需
か った。い うまで もな く、 この近代特有の社会
要層 となっていた地方農村 部 の人 々の購買欲 に
変化の出現 は 日本 で も例外 で はなか った 2)。
は対応で きない とい う時代 の趨勢であ った。欧
当時、 日本 よ りも急速 に進展 していた欧米絹
米社会 において、中層 のみ な らず下層 の人たち
織物の低価格化 については、海外市況調査のた
まで もが 日常的 に絹織物 をまとい、 シル クの流
め、農商務省 の委 嘱 または指令 に よ り同地 に派
行事情 に関心 を向けは じめたのである。
遣 された視察調査 員の復命書や実業練習生 の現
すで に欧米市場 で顕著 となっていた絹織物の
地報告がひと しく指摘 した点であった。 た とえ
低価格化 は、新需要 に対応す る 日本産生糸お よ
899 (
明治 3
2)年 にイ タリア ・フラ ンス両
ば、1
び羽二重 な どの輸 出市場 の趨勢 を見極 め ようと
国の絹業 (
織物業 と蚕糸業) を視察 した近藤徳
していた政府 ・農商務 省の一大 関心事 であった。
世界 ノ
太郎 (
当時、栃木県工業学校長)3) は、「
と同時 に、 もはや国際市場 の動 向 とまった くす
.
H
.
(
:
噂好ハ常二価格低廉 ノ織物 二傾 ク趨勢 ヲ示 シ、
縁 ではい られな くなった 日本 の在 来織物業界 は、
輸 出品のみ な らず 国内市場 において発生す る新
● 埼玉大学教育学部 コラボ レー シ ョン教 fT
訴権
たな庶民需要 に対応す るべ く、みずか らも低価
- 291-
格化指向を顕在化 させつつあった7
)
。
インなどについての具体的情報 をもとにサ ンプ
したがって本稿 は、明治期の 日本織物業界が
遭遇 していた国際的な環境変化 -絹 をめ ぐる需
ル群の製品分類 をおこない、お もに絹織物類 の
製品特性 と流行 トレン ドの分析 を試みる。
給変動や競合関係 の特質をあ きらかにす るため、
同時代 の現物史料 にもとづ き、欧米市場で進行
2. 『欧 米染 織鑑 』 と収 録 サ ンプル につ い て
していた絹織物の低価格化 をめ ぐるよ り具体的
な状況把握 と流行 トレン ドについての考察を試
(1) 『
欧米染織鑑』の概要
み る。筆者が重視す るのは、絹織物の世界的な
1
9
00 (
明治33) 年 5-1
2月、編者の 1人 ・山
低価格化 とあいまって進行 した薄地軽量化の動
口務が、欧米染織業の調査研究のためパ リ万国
向である。素材的な観点に立てば、絹織物の低
博 覧会の視察 を兼ねて欧米諸国へ 出張 した際、
価格化 は薄地軽量化 となって進行 していたか ら
フランスの リヨンにいた海外実業実習生 ・登坂
である。当時、わが匡摘 数の染織技術者であっ
秀興 と標本蒐集の企画 を立て、 ともに欧米各地
た近藤徳太郎 も欧米社会での薄地織物の流行 に
で収集 した織物類 を帰 国後 に標 本 集 と して編
注 目してお り、本稿では、 とくにこの点の実証
纂 ・発行 した ものが 『
欧米染織鑑』であるM。
にせ まってい きたい。
その当時、農商務省の技 師であった山口は同省
依拠す る史料 は、1
901 (
明治 34) 年 8月に東
商工局工務課長 と東京工業学校教授 を兼務 し、
京で編集 ・発行 された、外 国製織物の標本 カタ
1
895 (
同2
8)年 に開催 された第 4回内国勧業博
ログ 『
欧米染織鑑』 (
山口 務 ・登坂秀興共編、
覧会の染織部門の審査員 をつ とめるなど、 日本
に収録 された織物サ ンプル
の染織業界 を監督 ・指導す る立場 にあった10)。
群である。『
欧米染織鑑』には、1
900(
同33)午
なお、編者 2人は、いずれ も東京工業学校 の前
実用社、写真 1)
8)
7月∼1
0月に、編者 2人が フランス をは じめス
身である東京職工業学校の卒業生であ り、登坂
イス ・ドイツ ・イタリア ・イギ リス ・アメリカ
秀興 は帰匡卜
後、東京小石川で織物工場 を経営 し、
の 6ヶ国で収集 した織物類 の端切 れ102点が収
後年、桐生織物脚;
)
の技師長 となった。
録 されている。以下、編者が解説用 に個 々のサ
同書の序文筆頭 には、「
其貼添す る所 の標本
ンプルに付加 した生産地 ・使用原料糸 ・重量 ・
は悉 く実用に適切 なる品種 に属 し、普通世に行
価格お よび用途 などの商品デー タに くわえ、筆
はる 、所の もの と全然其の撰 を異 にす」 11
) とい
者がお こなった実体観察か ら得 られた配色デザ
う、編者 らが師事 した と思われる先輩格 の染織
技術者 ・平賀義美 (
農商務省技師)の推薦文が
冠 されている。編者みずか らの序文 には、山口
務 によって 「
従来世間に流布す るところの染織
物標本類 は華美艶麗徒 に俗 目を喜 ば しむるのみ
にて、其の実際 に効用 あるもの極 めて僅少 なる
の憾 あ り、本書 はい さ 、か この点 に注意 した
り」 t2) として、華美端麗 な奮移 品ではな く実用
品の収集 ・収録 につ とめたことが記 されている。
標本集の刊行 目的は、「
欧米各 国主要機業地 に
於ける普通染織物の一班 を紹介 し、以て我邦 当
業者の参考に資せ ん とす るにあ り」
1
3)
とい うも
のであった。
そ して序文 につづ くのが、1
02頁 にわた って
- 292-
配 された実物のサ ンプル群 であ る。 1頁 ごとに
ことが判 明す るので、サ ンプル ・デー タの比較
約 9×9セ ンチ大 の織物標本 (
端切 れ)が 1点
考察 にあたっては、編者 らが提示 した換算 デー
蒐
ずつ貼付 され、「品名」 をは じめ、「産地」 「
タに依拠す ることとす る。
・ ・
r
・
・
・
集 年 月」 「帽」 量 目」 「
丑
朴値 段 」 「
小売値
なお、 ス イス製お よびイタ リア製のサ ンプル
丁備考」(
用途 、流行 な ど)につ いての個 々
段」
についての価格 デー タはフラ ン表記 になってい
の商品デー タが付 記 され てい る (
写真 2)。実
る。 当該製品 をフランス国内で調達 したのか、
)
馴 勺織物のサ ンプル集 と しての F
欧米染織鑑 』
あるいは現地 において フラ ンス通貨 で購入 した
は、茶色 の皮革で装丁 された重厚 な標本帳であ
ものなのか、その詳細 は不 明であ る。
る。 同書 の発行部数は不 明であ るが、販売価格
(2)収録サ ンプルの製品分類 と収集地
0円 とか な り高価 であ った。
は3
0
2
点 を国・
生産地別お
表 1に、収録サ ンプル1
ところで、織物 サ ンプルの 「帽」や 「
量 目」、
そ して 「
卸値段」 な どの価格 デー タは原則 と し
よび織物種頬別 に示 した。 国 ・生産地別の内訳
て各国ごとの度量衡お よび通貨 で個別 に示 され
3
点 (リヨン3
1・ブル ゴア ン 2)、
は、 フラ ンス3
るが、編者 たちは 日本基準 に換算 した数個 をそ
6
点 (
チ ュー リヒ2
5・ウ-ス ター 1)、
スイス2
れぞれ補足 して くれてい る。 当時における各 国
7
点 (
ク レフェ ル ト1
7
)
、 イ タ リア1
0
点
ドイ ツ1
通貨の為替 レー トは、 1フラ ン -40
銭 (
フラ ン
ブラッ
(
コモ 9 ・ミラノ 1)、 イギ リス 3点 (
0
銭 (ドイツ)、 1ドル -2円
ス)、 1マルク -5
ドフ ォー ド2 1マ ンチ ェス ター 1)、 そ して ア
(
アメ リカ)、1シリング -5
0銭 (
イギ リス)と
3
点 (
パ ターソ ン1
3
)であ る。サ ンプル
メリカ1
してあっかわれている。 同番 に挿入 されていた
の大多数が、当時、世界 的 な絹業 中心 地であっ
1
895年) に よる と、
リヨン領事館職員 の書簡 (
た リヨンをは じめ とす るチ ュー リヒ ・クレフェ
当時の銀立てによる為替相場 は 1円 -2フラ ン
ル ト ・コモお よびパ ター ソ ンといった世界有数
2
5
サ ンチームす なわち40
銭 - 1フラ ンであった
の絹業都市 か ら集め られた実用 的な織物商品で
表 1 国 ・生 産 地 別 の サ ン プ ル 数
国 .生 産 地
フ ラ ンス
ス イス
*
*
純
クモ
ビロー
レー
ポ
ス
タフ
その他
プ
ンジー
リン
タ
ド
(
極
の棚地
(
極
天怒械
滞淡泊
押紙漸
その他
絹釧)
薄絹
5
8
2
1
7
)
【
綿織
物
】
サ
テ
紋純
ン
(
締
子物) 3( 1
′
ト
ドイツ
アメ リカ
イ タ リア
リヨ ン プルゴアン チューリヒ ウ-スター クレフエルト/
1
'
夕-ソン コモ
/織 物種 籾
計
【
網 繍 交紙 物 】ビロー
サ
その他
テンド
【
純 毛 交織 物 】ポ
そプ
の他
リン
1
5
1
2
3
21
2
8( 1
)
2
1
2
*
*
4
2
2( 1
1
)
9( 1
)
8
1
ll
3
2
7
1
5
1
1
1
1
】
i
1
1
1
イギ リス
計
ミラノ プラッドフォードマンチェスター
*
*
3
1
5
2
1
3
0
L
6
l
7
9
2( 2)
2( 2)
4
9
4
1
(
a麻 交織 物 】 リノ ン
【
糸織 物 】
ビロー ド
1
3
1
1
】
注) *印 は紡宕ほ円糸 を使用 した もの を示 し、内数.
(
r
欧米地織 鑑j1
901
1
年 、実用社 、筆者所f
I
'
S
R)
- 293-
あった。 なお、 フランスのサ ンテテ ィエ ンヌ産
う順序 になる。
お よびスイスのバーゼル産の リボン ・サ ンプル
はふ くまれていない。
注 目したいのは、各種 の絹織物サ ンプルの収
集地 と重点収 集 され た製 品種類 で あ る。 ヨー
9
点
これ らを織物種 類 別 にみ る と、絹織 物7
ロ ッパ産の ものでは、 リヨンか らは紋織 をのぞ
(
7
8
%)のほか、交織物2
2
点 (
2
2
%) と綿織物
く 8種類が集め られたのにたい し、チュー リヒ
1点 (1%)が集め られている。交織物の内訳
とクレフェル トか らはそれぞれ 4種類 であった。
は、絹絹交織物が ビロー ド(
天篭城)とサテ ン(
緯
いっぼ う、拾頭 いち じる しいアメリカの機業都
チ) を中心 に1
7
点、絹毛交織物がポプ リンなど
市パ ター ソンか らも 4種類 であったが、 これ ら
4点、そ して絹麻交織物が リノン (
寒冷紗) 1
点であった。交織物の うち、収録点数の もっと
ヨー ロッパお よびアメリカの 4大絹業都市か ら
こはく
共通 して もっ とも多 く収集 されたのは、琉蛸の
も多 い絹綿交織物 は ドイツの ク レフェル ト産
薄地軽量品であったタフタ (
t
a
f
f
e
t
a
s
)であった。
(7点)のほか、 リヨン産 (3点)やチュー リ
ヒ産 (3点)が集め られている。
ついで重点選択 的に収集 されたのが、絹モス リ
ン ・薄 クレープ ・ポ ンジー といった、おな じく
各種交織物は絹織物の代用低価格 品 としての
薄地軽量品に属す薄地絹物類であったことがあ
機能 をもつため、 ビロー ドやサテ ンといった織
9
世紀
きらか となる。 これ らも、 タフタ同様 、1
物類が当時の流行品であったことが うかがえる。
末か ら2
0世紀初頭 にかけての欧米社会で もっと
純絹製の ビロー ド・サテ ンは、絹な らではの艶
)
0
も流行 していた人気商品であった15
やかな光沢 としなやかな触感 を持 ち味 とするも
なかで も興味ぶかいのは、編者たちが紋紙製
のであった。 また、横臥組織の平滑 な薄地軽量
品の収集 にあたって、 ヨー ロッパのなかで もっ
品の タフタ (
蒋淡泊) も1
9
世紀後半以降 もっ と
も流行 していた品種であ り14)、緯糸に毛糸 (
枕
とも紋織 (
フアソネ、f
a
G
Onne
)の伝統 と技術 的
蓄積があるリヨンにサ ンプルをもとめていない
毛糸) を用 いて横畝組織 をあ らわす絹毛交織の
点である。『
欧米染織鑑』には、リヨン製の紋紙
ポプ リンは、その代用低価格 品であった。 なお、
製品が 1点 もない。収録 されたのは、 よ り安価
1点だけ収録 された綿織物 は、 イギ リスの綿工
な製品を量産 ・供給 して絹の都 ・リヨンを脅か
業都市マ ンチ ェス ター産の綿 ビロー ドであった。
していたチュー リヒとクレフェル トの 2都市か
9
点の絹織物の うち、その
そ して、収録点数7
3分の 1は リヨン産 (
2
8
点)であった。2位以
らの当該製品であった。その選択 に、実用性 を
最優先 して収集 にあたった編者 たちの意図が よ
21
点)、パ ター ソン産 (
ll
下 は、チュー リヒ産 (
み とれ よう。
点)、 クレフェル ト産 (9点)、 コモ産 (7点)、
当時、スイスのチュー リヒは、「タフタ、模様
ブラッ ドフォー ド産 (2点)、そ して ウ-ス ター
織其 の他 所 謂 ドッビー、アーチ クル (
Dobby
産 (1点) となる。収録 された絹織物サ ンプル
Ar
t
i
c
l
e;ジャガー ドよ りも簡便な ドビー装置 を
を、「
紋織 」・「
サ テ ン」イ ビロー ド」・
「タフ タ
(
静三
晩泊 )
」・「
絹モス リン (
極辞絹)
」.rクレー
用いて製織す る比軟的単純 な反復模様柄の こ と
-
引用者)」
などを得意 とした。これにたい
■
6)
」・rポ ンジー (絹紬)」・「その他
プ (
極薄縮緬)
し、 ドイツの ク レフェ)
I
,トは 「
天 鷲拭 及 び プ
の薄地物」お よび 「その他」の 9種類 に製品分
ラッシュ (
通称 「ブラシ天」 とよばれ、毛足の
引用者) なる も、網 棚
類すると、 もっとも収録点数が多いのが 「タフ
長い ビロー ドの こと-
タ」 (
33点)であった。つ いで、「
その他」 (
1
3
交織物の産出亦 た著 し」 】7) かった。
点)、「その他の薄地物」 (10点)、「サテ ン」 (6
ちなみに、 ドイツ絹業の中心都市 クレフェル
点)、「
絹モス リン」 (5点)、「ポ ンジー」(5点)、
トでの原糸消費是 は、生糸100にたい し紡績絹糸
「クレープ」 (2点)、「ビロー ド」 (1点) とい
93、そ して綿糸25とい う割合であったIB
)。 ドイ
-2
9
4-
ツでは、生糸 と生糸 よ りも安価 な原非
1
ト
糸であっ
3.薄 地 軽量 晶 の製 品特 性
-
た紡績絹糸や綿糸 を交織 した低価格製品が さか
タ フ タ と絹 モ ス リン を中′い こ-
んに生産されていた。絹織物サ ンプルのなかに
も、紡績絹糸を使用 した もの と してクレフェル
本章では、『欧米染織鑑』の収録サ ンプル群の
ト産のサテ ンのほか、 リヨン産の 「ポ ンジー」
うち、当時、欧米市場で流行 していた薄地峰畳
(
ponge
e、通称 『
里昂羽二重』)
、イギ リスのブ
品の代表的事例 として(
ヨタフタ (
薄琉拍) と②
ラ ッ ドフォー ド産の 「その他」 (
"リバテ ィサテ
極薄地絹類 (
絹モス リン・
薄 クレープ・
ポ ンジー
ン●
'または "ウオツシングシル ク" とよばれた、
など)のサ ンプルをグループ抽 出 し、それ らの
経糸 に紡績絹糸を使用 した洗濯可能な 『
耐洗絹
3点
製品特性 を分析す る。 タフタのサ ンプルは3
カウン トで きるのにたい し、極薄地絹頬のサ ン
布』)がふ くまれている。
い っぼ う、 フランスで も 「当時同匡Ⅰ
の機業家
プルは24点であった。
なお、製品によって織 帽 (
布帽)が まちまち
は、全力 を挙げて流行品の製織 に従事 したる結
果、紋織物は平織物 に、純絹物 は交織物 に、高
であるが、大略、 ヨーロ ッパの並幅水準である
価 なるは下等品に、各漸次変遷 し、琉璃織、清
5
0セ ンチ (
一尺三寸二分) ∼6
0セ ンチ (
一尺五
子地、 ビロー ド、プラッシュ、ポプ リン、 フー
寸八分)前後の もの と、その倍 にあたる 1メー
ラ一、 レース、煽煽傘、裏地等の織物類 も著 し
トル1
0セ ンチ (
二尺九寸)∼同2
0セ ンチ (
三尺
き発達 を遂げ き」 とい う勢 いを示 していた.9)0
一寸六分)の大幅物 に分類で きる。製品単価 を
この趨勢は、世界の絹業 中心地 リヨンの絹織物
比較す る場合 には、便宜上、大幅物 はその価格
生産が督修品や高級品か ら中 ・下級品にシフ ト
を半額 に して概略的に考察す ることとす る。 タ
し、「
軽 目ノ織物ハ絹綿交織物 卜相並 ビテ産出
フタは並幅 (
広 幅) であ り、大幅物は絹モス リ
額 ヲ増加 シ、高価精巧 ノ織物 ヲ圧倒 ス」 20)とい
ンに多い。
う新 たな状況が出現 していたことを意味す る。
その結果、 リヨンで も低価格化へ の対応のため
(1)タフタ(
薄味f
E
l
)
の製品特性と流行 トレンド
に、 よ り安価 な生糸 をは じめ生糸 よ りもさらに
タフタの収集地は、チ ュー リヒほか (
1
3点)、
安価 な紡績絹糸を使用す る絹織物や、株毛糸 ・
リヨン (8点)、パ ター ソン (8点)、そ してク
綿糸 などを交織す る各種の交織品種が さかんに
レフェル ト (4点)であった。 これ らのサ ンプ
生産 されていたのである。
ル3
3点は、個 々の製品名 にもとづ き11種類 に細
分類 で きる (
表 2)。全体 的 な特徴 と して、 1
表 2 タ フ タ (蒲 焼 拍 ) の 製 品 分 類
ア
タフ タ
タフ タ
タフ タ
グラーセ
プ アソネ
プロ シェ
ジ ョア
*
タフ タ
1 2 「
12 1 2 「
l
タフ タ レジェ (
ペキ ン)
タフ タ シー ヌ
タフ タ エ コ七一ズ
タフ タ コー ド
タフ タ アル ミュ-ル
タフ タ ア ジ ョア
平 タフ タ
縞 タフ タ
餅 タフ タ
格子 タフ タ
高 配 タフ タ
按 タフ タ
操子 入 タフ タ
コ ドレ 頼子 人格子 タフ タ
玉虫 タフ タ
新柄 (
紋紙 ) タフ タ
縫織 タフ タ
ク レフェル ド
6 2 21 41
13 - 2 9 2
チ ュー リヒほか
タフ タ ユ ニ
(
表 1にお な じ)
三
) *印は、 ウ- ス ター (
ス イス)取 を示 すO
i
L
l
- 295-
メー トルあた りの単位重畳が、 日本式 に換算 し
がわか る。 同時代 の 日本で着手 されていた輸 出
0
匁 (
3
7
.
5グ ラム)前後 も し くは1
0
匁 以下 の
て1
向けの タフタ生産 は もっ ともシ ンプルな平 タフ
軽量 品が多 い ことをあ らか じめ指摘 してお きた
タが主流であ り、やや高度 な もの と して も勾 配
い。 なお、 タフタない しタフタ地は、絹糸 をあ
タフタがせ いぜ いの ところであった。
らか じめ染色 して製織す るいわゆる先染めの無
こうした タフタのサ ンプル群の なかで、比較
地物が多か った。
的多数 を しめ るのが タフタ フアソネ (9月) と
タフ タには、色無 地製 品 の 「タフ タ ユ ニ」
タフタ ユニ (6点)であった。前者 は、タフタ
)
(
平 タフタ、アメ リカ製は 「プ レイ ン タフタ」
地 (
変化平織組織) にジャガー ド装置 に よる模
をは じめ、平織地 に縞 ・緋 ・格子模様 を織 りだ
様柄 (
締子組織) を部分的に組 み こむ技巧 的な
や、平織組織 を変化 させ
した もの (
写真 2-a)
製品であるのにたい し、後者 はまった くシンプ
布 南面 に勾配 をつ けた 「タフ タ コー ド」 (
高配
ルな単色基調の無地製品である。 そ して、技巧
タフタ)や斜文組織 の 「タフ タ アル ミュ-ル」
的な タフタ フ アソネに類似 した もの として、浮
(
綾 タフ タ)、組織 に隙間 を入 れた 「タフタ ア
t
>じ
-b)
、玉虫色の
ジ ョア」(
頼子入 タフタ ;写真 2
模様 の タフタ プ ロシェをあげるこ とがで きる。
タフタ フアソネや同プロシェの模様柄 は、小 さ
輝 きを もたせ た 「タフタ グ ラーセ」 (
玉虫 タフ
な花柄や蔓 ・茎 をあ しらった可憐 な草花模様 を
タ)、そ して 部 分 的 な紋 様 を入 れ た 「タ フ タ
特徴 とす る。
フ アソネ」(
新柄 タフタ、アメ リカ製 は 「ファン
締 子 組 織 の 模 様 柄 を浮 き立 た せ た タ フ タ
)や小 さな模様柄 (
浮模様) をあ
シィ タフ タ」
フ アソネお よびプロシェ (
写真 2-d)は、価格
らわ した 「タフ タ プ ロシェ」 (
縫織 タフ タ) な
にお いて タフ タ ユ ニ よ りも若干 高額 な ものが
ど、か な り多彩 なバ リエー シ ョンが あったこと
多い (
表 3)。 タフ タ ユ ニには、 リヨン製 の黒
表 3 タフタ製品のサンプル ・データ一覧
収i
ANo 魁l
l
"
'
l
名
9 タフタ
1
0 タフタ
8 タフタ
l タ7タ
シーヌ
シーヌ
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1
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1
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3
3 タフ∼
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2
Ⅰ タフタ 77ソネ
3
2 タフタ プロシエ
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L
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2
2 タフタ 77ソ才
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3 タフタ ユニ
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5 タフタ ア ジヨワ
I タフタ ユニ
2
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2 タフタ レジェ
2
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2
5 タフタ コ- ド
】
7
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l
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5 プレイン タフタ
l
l タフタ エコt
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2
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7 タフタ yラーtr
3
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捷タフタ
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新柄タフタ
蛾級タフタ
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柄タフタ
新柄タフタ
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タフタ
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拍タフタ
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所柄タフタ
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枚タフタ
即納夕Jタ
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、
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★ 蘇
J撫糸
*撚糸
I抵
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4迭
+小木
*抵糸
#1
幣糸
+撚糸
+推糸
ややF
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胡雌糸
前撫糸
影l
撫糸
稲器糸
胡姓糸
銅器
利払
網也糸
祁抵糸
郁ホ糸
封】
撫
節凍
荊推
耕迭糸
節遭糸
m撫
細也
耕撫
約1
5
那班
耕地
胡撫
鵜患
前捻
首l
携
耕r
l
祁推
抑
耕地
糾撚
朝地
稲准
司
スイス
スイス
ドイツ
フランス
スイス
スイス
スイス
スイス
フランス
スイス
フランス
フランス
スイス
フランス
スイス
スイス
スイス
ドイ
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7ラ ス
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スイス
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アメ め
アメ め
アメ め
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5
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バターソン
パターノン 1
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1 3寸7分
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18分
1■
2.
1
■
7分
無地 (
収録番号 1)の ように 1メー トルあた り
かで もタフ タ プ ロシェは流行 の変遷が はげ し
の単価 (
卸売価格)が 日本円換算で 1円8
4
銭と
く、編者 たちが 「日本製 を輸 出す るは困難」 と
比較的高額なものがあるが、サ ンプル群 をみ る
みなすほ どであった。流行 を喚起 した要因は、
か ぎ り、流行が な く需要 が大 きか った タフ タ
締子組織 を応用す る模様柄 とその配色デザイン
ユ ニ は品'
質 に帽 (
バ リエ ー シ ョン)が あ り、
にあった ことは想像 に難 くない。サ ンプルで観
中 ・下級品か ら上級品 までのサ ンプルが集め ら
察で きる タフタ 7 7ソネや タフ タ プ ロシェの
れた感がつ よい。
配色デザ イ ンには、締子組織の華麗な紋様が布
いっぽ う、 タフタ フアソネや プロシェには、
鴇全面 を覆 う紋織 (
7 7ソネ) とはことな り、
1円5
0
銭 ∼70
銭前後 と70
銭 ∼ 1円前後の 2つの
ベージュや クリーム ・薄 ピンクなどの色調 をお
価格帯がみてとj
lる。 1円5
0
銭以上のやや高額
さえた色無地の タフタ地 (
平織変化組織) に配
な価格帯 には ヨー ロッパ製の ものが多いが 、 1
される緯子組織 によるワンポイ ン ト的な花柄や
円前後以下の低価格帯 にはアメ リカ ・パ ターソ
可憐 な草花模様が、抑制の きいた気品 とシンプ
ン製 (
写 真 2-C右)が め だ つ。 リ ヨ ン産 ・
ルな美 しきを漂 わせ る。 中 ・下級品の領域 にお
チュー リヒ産 (
写真 2-C左)・ク レフェル ト産
いて、継続的に庶民需要 を喚起す るためには、
が ヨーロバ市場で競合 していたのにたい し、ア
貴族的な華麗 さよ りもシ ックな気 品 と簡素 な美
メ リカ市場 におい て は、パ ター ソ ン産が ヨー
しきを両立 させ る新 しい配色デザ インが、強 く
ロッパ製 よ りも低価格 な水準 を実現 し流通 して
もとめ られていた もの と思われる。
そ して、 ヨー ロッパ製品な らではの配色デザ
いた とみることがで きよう。
各種 の タフ タはお もに婦 人上 衣 や服 地 ・襟
イ ンの考案 とい う点において、見逃せ ないのが
地 ・裏地お よび装飾用 などに用い られたが、な
「タフタ シーヌ」(
緋 タフタ)と「タフタ グラー
耽止
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り。
(
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-
297 -
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玉虫 タフタ)の 2品種である。 タフタ シー
(2)極薄地絹頬 ・絹 モス リンの製品特性 と
ヌは 2点 ともにチュー リヒ産であ り、「タフタ
流行 トレン ド
グラーセ」の 2点 はクレフェル ト産 とリヨン産
タフ タをの ぞ く薄地峰 量 品 と して、長 さ 1
であった。緋お よび玉虫 タフタは、サ ンプル群
メー トルあ た りの単位 重 量が約 3
8グ ラム (
1
0
のなかで卸売価格 2円前後の上位の価格帯に属
匁)以下のサ ンプルを 「
簿地物」 として製品分
すが、同時代の 日本製にはみ られない繊細 な色
類 したのが、表 4である。 また、表 5にはそれ
調 と落ち着 いた輝 きをはなつ製品である。染色
らの一覧を示 した。
お よび製織技術の詳細はよ くわか らないが、お
考察の対象 となるのは、「ガーゼ ダマス」(
秩
そ ら くヨー ロ ッパ独 自の新技 術 に よる製品で
紗)を筆頭 に して、「モス リン プロデ」(
刺繍モ
あった と思われる。ただ し、玉虫 タフタが 「
流
ス リン)、「
エ トフェ プア オブ レル」 (
傘地絹)、
行の変遷がな く需要大」であったことをふ まえ
「クレープ」 (
薄縮緬)、「クレープ ド シーヌ」
8
銭 と低廉 であること
ると、 リヨン産の単価が7
(
極薄縮緬)、「モス リン ド ソワ」(
絹モス リン)、
か ら、玉虫 タフタの生産技術 は標準化 していた
そ して捺染物の 「ポ ンジー」 (
薄絹 ・
絹紬) な ど、
のか も知れない。
2
4点のサ ンプル群である。 これ らのなかには職
いずれに して も、全体 をつ うじて印象的なの
幅が 1メー トルを超 える大幅物 もあるが、それ
が、スイス製 (
チュー リヒ産 とウ-ス ター産)
で もガーゼ ダマ ス (
紋紗)やモス リン プ ロデ
が品種 お よび価格 の面で比校 的多彩 な構成 を
(
刺繍モス リン)などの ように、 1メー トルの
とっている点である。 とくにチュー リヒ産 (8
5グラム (4匁)以下の極背の軽量
単位重量が 1
種類 1
2
点)が、 リヨン産 (6種類 8点) を品種
品がふ くまれている。
お よび収集点数において上 まわっている。おそ
当時、 日本で もっとも薄地軽量の実用的な絹
らく、 この特徴 は、当時の ヨーロッパ市場 にお
織物 は越後十 日町産 の透綾縮 (1反80匁 -3
00
すきヤ ちぢみ
いてスイス ・フランス ・ドイツの 3国が三つ巴
グラム)であった。 1反 (2丈 8尺 - 3丈)の
の競合 関係 にあ り、なかで もスイス ・チュー リ
長 さを 9メー トル (3丈 ×3メー トル)で計算
ヒ産が タフタ市場 を牽引 していたことを意味す
す ると、その 1メー トルあた りの量 目は約 3
3グ
るもの と考 えられる。
4セ ンチの小幅物 をヨー
ラムとなる。織帽が約 3
表 5 薄地軽量品 (
絹モスリン・クレープ・ポンジーほか)のサンプル ・データー覧
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5
0-6
0セ ンチ) に換算 しな
しなやか な うえに腰がつ よい。細糸遣い (
生糸
0-6
0グラムと
おす と、広幅換算 の透綾編 は約 5
9-11デニール)の絹モス リンは当時 における
い う単位重量 になるので、欧米製品がいかに薄
流行 品の筆頭 で あ り、その生 産地 は リヨンで
地で軽量であったかがあ きらか となろう。
あった21
)
。サ ンプル 3点 (
写真 2-e、 f右)の
なかで も注 目に値す るのが 、 1メー トルの単
位重量が 6グラム (1匁 6分) とい うリヨン産
配色デザ インは、薄紫 ・白 ・黒灰 の無地物であ
る。
のモ ス リン ド ソワ (
絹 モス リン)であ る。 ま
しか も、サ ンプル ・デー タか ら、絹モス リン
るで蝉の羽の ような極薄地の超軽量品で、見た
はいわゆる後染めの 「
反染品」であ り、その卸
目は赦密 な平織の ガーゼの ような体裁であるが、
売価格 は 日本円で 1円程度の水準であったこと
表 4 薄地物 (
絹 モ ス リン ・ク レー プ ・ポ ン ジー ほ か) の 製 品 分 類
(
表 1におな じ)
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針 も例○
(
衣 】におな じ)
- 29
9-
が判明す る。刺繍模様で付加価値 を高めた上級
ン)羽二重」であ り、卸売価格 において経 ・練
品種 の刺繍モス リンが高価格帯 (2円以上)に
糸 ともに生糸遣いの 日本製羽二重 よ りも上位 に
属す とはいえ、無地物の絹モス リンはけっ して
位置 していたことが確認で きよう。
高価 な流行品ではなかった。 む しろ、大幅で製
織 され反染 め され る絹モス リンは、低価格 帯
4.おわ りに
(1円以下) に属す下級 品種 のポ ンジー類 と競
パ リ万国博覧会の視察 を兼ね、農商務省か ら
合するような安価 な製品であったのである。
刺繍モス リン (
写真 2-f左 、g右)をふ くめ、
欧米織物業の実況調査 を嘱託 された福井県絹織
絹モス リンのサ ンプルとして リヨン産以外の も
物同業組合副組長 ・松井文太郎 は、1
9
00 (
明治
のが収集 されていないことか らうかがえるよう
33)年の 2- 7月にかけて、 リヨンをは じめク
に、当時 における リヨンの主力製品の筆頭が絹
レフェル ト ・チ ュー リヒ ・ミラノ ・パ ター ソン
モス リンであった。いいかえれば、絹モス リン
などの絹業都市 をめ ぐった22)
. なかで も松井 は、
をは じめ とする極薄地の軽量品において比較優
農商務省か ら重点調査 の依頼があった リヨンの
位 にあったのが、 リヨンであった。流行の変遷
巣織業調査 によ り多 くの時間を費や している。
がな く需要が大 きか ったエ トフェ プア オブ レ
福井羽二重業界の代表 として渡欧 した松井文
ル (
傘地絹)の競合関係 においては、それ まで
太郎 によれば、 リヨン織物業界が 「
高価 ナル純
優位 にあ った リヨン製 品が価格低廉 なイ タリ
絹布 ノ製造高 ノ増加 セサルニ反 シ廉価ナル絹綿
ア ・コモ製品 に庄倒 されていた ことを、『
欧米
交織 ノ製造高 ノ著 シク増加セル ト、染付 ノ上等
染織 鑑』の編者 は示唆 している。
品ノ産額減少セルニ反 シ無地物 ノ産額 ノ漸次増
また、 クレープ製品にあっては、チュー リヒ
加 セ ル」 23) 状況 にあ るのは、「
従 来貴族 的 トシ
産 (
写真 2-g左)との競合関係が激化 していた
テ一般二需要セサ リシ絹物モ今ヤ漸 ク平民的 ト
なかで、 リヨンは珊糸遣 いを駆使 し撚糸の精度
ナ リ、一般 ノ社会二需要セラル ゝ二重 リシ世界
を高めた クレープ ド シー ヌ (
極 薄縮緬) に活
ノ大勢 ヲ証ス )
i
,
モノ」2
4
)であった。松井 は、前
路 を兄いだ していた様子が うかが える。極薄縮
年の1
899 (
同32)年の欧米市場で 日本製羽二重
緬のサ ンプルは リヨン製の 1点だけである。そ
の売れ行 きが好調であったの も、「
世界 ノ大勢」
の ク レー プ ド シーヌに して も、卸売価格が 1
す なわち 「
絹の平民化 (
大衆化 )
」に起 因す ると
円2
8
銭 であることか らあ きらかなように、中 ・
)
0
報告 した25
そ して、その 1年後の1
900 (
明治3
4) 年の 5
下赦 品 レベルの製品であった。
なお、絹モス リンはヨー ロッパ市場 において
-1
2月、イ タリア ・フランス絹業調査 のためコ
日本製羽二重 と競合関係 にあった。 フランス市
モ ・ミラ ノお よび リヨ ンに長期 滞在 した近藤
場で も、絹モス リンの下級代用品が 日本製羽二
徳 太郎 は、 「要 ス ルニ価格 低 廉 ノ絹織 物 類 ハ
重の捺染晶 (
反染物)である 「ポ ンジー ジャボ
日下世界 ヲ風塵 ス ル ノ勢 ア レバ独 り仏 国 に限
ネ-ゼ」 (
写真 2-h右) などの薄地の平絹類で
ラス」 26)、「
愈世 ノ噂好ハ地質静 クシテ莱 ク且光
あった。低価格帯 (1円以下) に属すアジア産
沢二富ム者 ヲ望 ミテ動 カサ レバ」 27) と報告 して
の薄絹は、 フランスやスイス、そ してアメリカ
いる。その うえで近藤 は、「
近来世 ノ曙好ハ薄
な どで捺染加工 をほ どこされ、「ポ ンジー」や
手織物二傾 キ タル為 メ殊二六七年来ハ其需要頓
「フーラ- (ド)」とよばれた下級 品の絹織物 と
二増加セ リ、既二我 ガ羽二重 ノ如キモ専 ラ軽 自
して流通 した。 これにたい し、経糸 に紡績絹糸、
著 ヲ望ムヲ以テモ知ル可 シ」 28) と、 日本製羽二
練糸に生糸 を使用 した リヨン産のポ ンジーが、
重 と競合 しているのは唯 E
l
すなわち薄地軽量 の
「ポ ンジー リオネ-ゼ」すなわち 「
里昂 (リヨ
流行織物類 であることを指摘 した。
- 300-
だが本稿であ きらか となったように、 日本国
場ではク レフェル ト (ドイツ)・
チュー リヒ (
ス
内で上級品であった薄地の羽二重 は、源 を- だ
イス)・リヨン (フランス)の 3者の競合関係が
てた欧米市場において最下級の絹織物 としてあ
激化 していた様子が うかが える。 タフタの薄地
っかわれていた。 しか も、生糸遣 いの純絹製品
軽量化 はすでに一定の水準 に到達 しつつあ り、
の 日本製羽二重 は、紡績絹糸遣いの リヨン産ポ
国際市場での新 たな競合 は、標準化 されたタフ
ンジーよ りも下位 にランクされる、 よ り下等 な
タ地 (
平織変化組織)の うえにいかにセ ンスの
織物 に甘ん じていた。流行 を牽引す る絹モス リ
よい斬新 な模様デザ イン (
綜子組織) を配す る
ンの下級代用品の薄絹捺染生地 (
ポ ンジー) と
かに移行 していた といえよう。いっぼ う、アメ
して需要拡大 していたのが、 アジア方面か ら安
リカ市場 においては、パ ターソンでの輸入代替
価 に輸入 しうる 日本製羽二重であったのである。
的なタフタ生産やポ ンジー生産が軌道 に乗 りは
1
9世紀末か ら2
0世紀初頭 にかけて、 ヨーロッ
じめていた ことが看取 されるが、絹モス リンな
パお よびアメ リカ市場で売れ行 きが好調であっ
どの ヨーロ ッパで流行 しは じめていた超薄地軽
た絹織物は、豪華 なフアソネ (
紋織) よ りもユ
量品の生産 はまだ本格的に着手 されていなかっ
ニ (
無地物)や反染物の ようなシンプルな製品
た ようである。
であった。需要が拡大 していたのは著イ
多的な高
2
0世紀初頭の欧米における薄地軽量の低価格
級品や高価 な厚地製品ではな く、 中 ・下級品に
品の実現は、生糸原料の品質 を落 とす方法や、
属す タフタ フアソネ ・タフタ プロシェ ・絹モス リ
あ るいは紡 績 絹 糸 や綿 糸 (
瓦斯 糸)の交織 に
ン・薄 クレープをは じめ、「7-ラー」 (
f
oul
a
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、
よって生 産費 の上昇 を抑 制 させ るだけで はな
軽量薄地の下級絹布-
引用者) と総称 された
か った。そ れ は、 リヨ ン製 の絹 モス リンや ク
中匡卜
産絹細や 日本製羽二重 を捺染加工 したポ ン
レープ ド シーヌが示す ように、高品質 の細糸
ジー (
写真 2-h) な どの、薄地軽 量 の低価格
や精度の高い細撚糸 を応用す る新 たな低価格製
品であった。 とりわけ、その傾 向が強かったフ
品の 開発 で あ った。高 品質 の割 高 な原料 糸 を
ランス市場では、新規 に開発 された絹モス リン
使 って薄地軽量の新 たな低価格製品の実現。 こ
に主導 されて薄地軽量の低価格 品が にわかに流
のパ ラ ドックスの難題 に挑戦 し成功 したのが、
行 しは じめていたのである。
中 ・下級絹織物の 「
新需要」 にいちはや く対応
い うまで もな く、布 吊全面 にジャガー ド装置
を駆使 した華美 な紋織模様 を配置す る高級 フア
したスイス と ドイツに挟撃 されていた、 ほかな
らぬ フランスの リヨンであった。
6-2
0デニール)の横
ソネや、太糸遣い (
生糸 1
それでは、高品質の高価 な細糸 を使 って、い
臥の明瞭な 「フアイユ」 (
f
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l
l
e、厚地 タフタ)29)
かに して薄地軽量の新 たな低価格製品を実現 し
などの旧来的な厚手の絹織物類 は、 当時の流行
ていったのか。 この新製品開発 をめ ぐる近代特
ファッションに不 向 きとなっていた。 ク リノリ
有の トリガーについては、別の機会 に考察 を く
ン ・ス タイル (
c
r
i
nol
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ne)の ように、た くさん
わえる予定である。
のフリルや リボ ンを用 いて上衣やス カー トを何
層 もの薄地の装布でデコレー シ ョンしなければ
注 ・参考文献
な らなかった30)。そ して、女性用 の帽子やそれ
を飾 りたてる美 しい リボ ンの生地 として も、薄
1)1
9
世紀以降に顕著 となる世界的な生糸および
地軽量の織物が強 くもとめ られたのである。
『
欧米染織鑑』の収録サ ンプルをみ るか ぎり、
おもに婦人服地や襟飾 り ・裏地 などの需要 に適
応 した タフタ製品をめ ぐっては、 ヨー ロ ッパ市
- 301-
絹製品の需給変動や国際市場での競合関係を
論 じた先駆的な研究として、服部春彦 「
十九世
」(
F史林』
紀フランス綿工業の発達 と世界市場
第5
4巻 第 3号 、1
971
年 5月、 1-48頁)が あ
る.近 年 の研 究 では、1
9世紀後 半か ら2
0世紀
1
9
01
年、筆者所蔵)の序文.
1
0)金港堂編 F
第五 恒=*
)
国勧業博 覧会 審査 官列伝
初頭 における リヨン絹業 お よびサ ンテテ ィエ
前編』 (
金港堂、1
903年、国立国会図番鯖蔵)、
1
22頁.
ンヌの リボ ン織物業の構造変化 を分析 した松
原建彦 Fフランス近代絹工業史論」 (
晃洋書房、
l
l
)∼1
3)前掲 9)の序文.
2003年)と人見諭典 「
モー ド産業における小規
1
4)前掲 1)の松原建彦 Fフランス近代絹工業史論 」
模 生産の意義一 1
9世紀後半 ∼2
0世紀初頭 にお
け るサ ンテテ ィエ ンヌ紺 リボ ン工業 とモー ド
ー
」(
F
社会経済史学』第68巻第 5号 、2
0
03年 1
を参照のこと.
1
5)前掲 4)、111-11
3頁.
1
6)三田村 八郎 F
世界の絹業の梗要』 (
同人、1
9
05
月、93-1
07頁)が重要であ る. また、アメリ
年、国立国会図書館蔵)、6
4頁.
カ ・パ ターソンで発展す る織物業 と日本製糸業
1
7)∼1
9)前掲 1
6)、58頁 ・59頁 ・5
4頁.
の関係 を分析 した研 究 と して、中林英幸 r
近
2
0)前掲 4)、95頁.
代 資本主義の組織一 製糸業 の発展 における取
21
)前掲 4)、95頁.なお、「
モス リン」 とは一般 に
引の統治 と生産の構造-』 (
東京大学 出版会、
級密薄地の織物の通称で、イ ン ド産や イギ リス
2002年)をあげてお きたい.本稿 は、これ らの
製木綿の綿モスリンが有名であるが、枕毛糸 を
研究が共通にとりあつかっているものの、その
使用 した毛織 物 の モ ス リ ン (
和 名 ;「メ リン
実態がかな らず Lもあ きらかで はない 「
新需
ス」丁 唐 縮 緬 」
)や、19世紀末か ら20世紀初頭
要」 (
服部 、1
9
71
)す なわち庶民向けに需要が
に開発 された紺生糸使用の絹製モス リン (
絹モ
拡大 した中 ・下級絹織物 を、素材的お よび価値
ス リン)があった.ちなみに、明治3
0年代初め
的な観点か ら具体的に分析することによって、
の 日本 で蔵初 に生産 を手がけた京都織物会社
欧米社会のみならず近代 日本に も波及 ・遊行 し
では、絹 モス リンは 「シフォン (
シホ ン)」 と
た 「
絹の大衆化 (
民主化)」 (
松 原、200
3)のプ
よばれた
1
96
9年 、35-36頁).
ロセスの内実にせ まろ うとする試みである.
2) 田村均 『ファッションの社会経済史-在来織物
(
『
京都織物株式会社全史』同刊行会、
」r
虚商務省
2
2)松井文太郎 「欧米織物業視察報告
業の技術革新 と流行市場-」 (日本経済評論社、
商工局臨時報告 明治三十 四年 』1
901
年 (
松村
2
004年).
敏監修 F
崖商務省商工局臨時報告』復刻版、第
3)近藤徳太郎の経歴 と事境 については、日下部高
6巻、ゆ まに蕃房 、2
00
2年).
明 F
京都、リヨン、そ して足利一近代絹織物 と
23)∼2
5) 前掲 22
)、 5頁 ・5頁 ・6頁.
近藤徳太郎-j (
随想社 、20
01
年) と前津輝政
26
)∼2
8)前掲 4)、2
4頁 ・1
01頁 195
頁.
r
近藤徳太郎一織物教育の先覚者-」 (
中央公
29)前掲 1)の松原建彦 『フランス近代絹工業史論』
は、7アイユ (
f
ai
l
l
e) を 「
節織絹布」 と訳 して
論事業出版 、2
005
年) を参考に した.
4)磯郡安次郎 ・近藤徳太郎 「
伊仏絹業視察報告 」
いるが不適 切である. フアイユ は、横畝組織が
明僚 な タフタの厚地物のこと.
『
)
&・
商務省商工局臨時報告 明治三十凶年 」1
901
年 、1
46頁 (
松村敏監修 F
農商務省商工局臨時
30)深井晃子監修 『カラー版 世界服飾史』 (
美術 出
報告』復刻版、第 5巻、ゆまに脊房 、2
002年).
版社 、1
99
8年)、丹野郁編 F
西洋服飾 史 (
増訂
5) 6)前掲 4)、1
46頁 ・95頁.
版)」 (
東京堂出版 、20
03年)、丹野郁編著 r
西
7)前掲 2)の拙著 を参照のこと.
洋服飾史 (
図説編)』 (
東京堂出版 、2003年).
8)2
006年 7月に、筆者が東京神田の古書店か ら購
入 した.
(
2006年 9月 29日提 出)
9)山口務 ・登坂秀興共編 F
欧米染織鑑j (
実用社、
- 302-
(
2006年 10月 13日受理)
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3 タフタ ペキン
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4 タフタ
『
欧米染織鑑 」 に収暮 され た織物 サ ンプルの一覧
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2
7
ラ
ン8
5
サンチーム/1∩
6
7ラン/lm
L
I人限地.軸 ・姐 など.発行のむ なく酋#丸
3
9
セント/lヤーr
・
'
拶人見娘・S
は ・W など.改行の変遷なく等質丸 也 ‡r
J鎗下等&
47ラン9
W ンチーム/1m
蛾人馳 ・耗J
B
など、i
t行の菅点なくガf大。
組 f
jと.i
E行の世速^
Jく菅野大.
47ランS
O
サンI
f-A/)m
J
i人温地・軸
6
9
セント
′1ヤード
J
l人脈弟.恭一など.汝行の班 r
Jく沓要丸
2マルタ/ln
抽入脆地・その■多t
Iな丸工払 下噂品.E
]
本羽二兎の強食p
E
J
l
b
27ラン4
5
サンナーL
JIl
T
l
妊人瓜七 ・軸 J
J
:と.i
L行の定吉なく軌
lマルクS
D
ペニヒ/lm
t
a人吸息・衣tf
Jと.没行の定吉f
J
・
く暫筆太.
77ラン5
けサンナーム′Im
d人最先 ・BJt その他の雄
など.油 王にま行あるが苫事大.
6フラン5
0サンチーム/1m
嬉人拙 .払t.その他の箕岳f
Lと.排投敬 二
i
tr
T
あるが荘事大.
27ランS
S
サンチーム/Im
9人吸盤・払t.その也のが なと.時々違行の交連あり.
47ラン3
0
サンチーム/1m
泣入取過 Rt.その他の盟拝など.時々淀f
T
の乾道あり.
37ラン9
5
サンチームノIm
生として9人上か二用い. 呼J
i
i
E斤の班
37ラン3
8サンチーム′lr
n
47ラン7
5
サンナーL
J‖I
T
王として婦人上衣に用い.I
SJ
>
荻行の蟹逗あり.
Sフラン紛サンチームハ m
57ラン1
けサンチーム/lm
主としてD^t東にJ
恥、
.呼J
ti
t行の変道も)
).
47ラン3
5
サンナ-A/lr
n
Sフラン5
0
サン+-A/In
1
よとして成人上衣にl
机、
.時々i
t庁の班 あり.
S
Stンレ lヤード
8
8
セント/1ヤ-ド
あり.
主とLて村人上衣に用い.時々i
t市の驚左あり.
I7ラン2
0サンナ-A/1m
Sフラン8
5
サンナ-A/lJ
l
l
王とLて軸 、そのtの栄鰍 こ
鮒 する机
37ラン9
0
4ンチーム/1m
sフラン2
5
サンチーム′1m
王としてJ
IW
3
5七ンr/1ヤード
1
9
tント/lヤード
王事糾ヽ
にか ヽ時々Xr
T
の#丑あり.
W に用い.呼◆■行
の世
王としてJ
I
あり.
l
胡】
い.L
P
+i
L行の較 あl
J
.
1フランJ
S
l
l
Tン+-A/)m
671ン6
0
+ンナーム/1m
王としてJ
W
37サン恥サンナーL
.
/LI
T
l
57サン沖サンチーム/1m
圭としてA
I
人上衣に用い、吋々i
m のE正あり.
l
S
セント/11
㌧ F
6
5
セント/lヤード
王として婦人上衣に用い,呼々ま行の狂逗あり.
Sl
tンtJlヤード
7
8セント/Iヤード
王としてJ
J人上米に用い.L
M I斤のt謹あり.
ll
1ウン5
廿サン+-L
L
/lm
王としてJ
8人上 に州い.叫4i
E行の凹 あI
)
.日本鼓瑞相
275>/Im
Zフラン4
0サン+-ムノIr
n
土としてJ
IW
玉として抽入上i
(
に用い.叩々故行のm あり.r
l本較榊跳 水の吐合品。
27ラン9
5
サンチーム/Im
衣
の収食品.
2
5 タ タ コード
宵u 惟 化刊射、L
l
i磁 子1
.日 t
せ化甲且)
.皿 (
好子)の捌 托維
2
6 タフタ コード
件 脚 佃 、RSJ
:
卿
2
7 タ7タ コード
J
排 他化甲軌 ,
■
わ く
剛 .耗瓜白 く
M・
)と.i
l
Hu押目 .
J
A岬A)Q
)
は
汁椀t
l
37ラン4
5
サ/チーム/1m
47ラン9
0サンナ-J
Jlm
2
8 タフタ コード
良川41に脚
27A
・
ク1
0
ペニヒ/lr
n
3マJ
'
タ2
5
ペニヒ/II
T
1
上としてJ
)人上衣L
=
用い、t
t々i
l斤のt連あり.B本棚
Z
I 7▼ンシイ タフタ
L
hJ
Lに.ノ
也 放点 心 子)を此粥的に配した投は析
3
5
セント/1ヤード
4
9
・
t
:
ント/)ヤード
付人〟鳩 ・打片々と.i
rT
了
の柑 f
jく連えでS
B
歩あり.
一帖l
雌.
3
0 7▼ンシイ タフタ
AJ
Iに.不排 の旭 丘丘 (
仔子)を不脚 的に足し1
=投げ吊
3
8
セント/Lヤード
5
1
七ン[
/)ヤード
J
I人■足 ・邑暮むと.i
L行咽
ユ1 タフタ 7▼ソネ
タ
卜IA V対地)群呼の柾捕 uW 1を放列RL.その上に女色の草花牧杜 (
好子)
lマルク8
5
ペニヒ/1∩
2マルク5
0
ペニヒ/lm
蛤人脈 ・魚上りr
Lt.i
t行の田 並しく.RJ
F丑を中山するL
l四書.
3
2 タフタ
守yJ
lけ7
I
A)
.ピンクとさの小さな花 ・X (
血収枚t
D と白の事W
の)
37ラン9
5
サンナーム/lm
Sフラン貯サンナーム/Im
甘心
とA肘稚・
Z仲.Z蜘 ■屯】
㍑ FD鵬
lフラン却サン十一ム′1m
6フラン6
0+ンナ-A/Ir
T
l
d佃
・帥 Qr
Lと.止行の王立d
Lしく.E
l
J
和 を61
出するは辞乱.
i
t行の較 r
Jくf事大.
1ロシ1
昏刊棚
維L
糾 しhlC
E
T
7
.榔 断 .か れ ンジ㈹
噸
.さらに勺虎白 く
肝 )の二加 格子
に用い.L
y々i
t庁のが ちり.E
l
脚
のe
I舟&
なくたえで書事あり.
書,
帆
.捗 りなと.i
L斤の監封 Lしく.E
l
手巻きや出すLt
畑L
3
3 タフタ 1ロシェ
白け▲けり Q)に e対 の小さ維 脚
・
3
1 エI71 ナ7 オ1レA
崇速さの且兵&(
タフタJ
L
)
7フラン抄サンナーム/1r
n
1
07ラン5
04
1ン+-A′lm
輔札
甘速さの乱舞t L
れ文机札)
7フラン甜サンチームハ n
1
1
7ラン
斬一蝿.i
rf
f
の事更なくC軌
'
ル
3
5 エト7エ プア 寸1L
気の現食品.
冊速さの瓜圭t (
77タJ
L
)
27ラン1
帥サンナーム/1m
17ラン2
0
サンチーム′lm
朋札
i
i行のt望なく甘草丸 ■括色度に上りフランス裾品を庄札
3
7 ニト71 プア オ1レル
遠さ色なしの弧無J
L(
タフタA)
3フラン1
0
サンチーム/Im
Sフラン2
0
サンチーム/lT
7
1
絹地
ま行で唖題なく乎車九 白的 出払二上りフランス現品を圧1
私
・
3
8 エト7ェ 17 オ1レA
速さ色r
JLの地 吐 く
タフタJ
L
J
37ラン6
0サンチーム/1m
57ラン仙サンチーム/Lr
n
q
l
他
社市の隻誕なく平事大.t格陛 E
L
=上I
Iフランスg,
1
7
.
を正札
3
9 サージ メルヴェジュ
瓜鼻J
L(
釣文机孔l
3フラン2
5
サンチーム/1m
J
177>/1r
n
王として沖〟lt ・払捗りr
Jと。
lエツ
'
ユ
1
0 サージ メルT
タ
l
J
A拙 く
釣文も胤
27ラン4
5
サンチーム/In
375>/ln
E
l
王T
:
ほ卓也 仇暮
糊
l
こ
.松柏uJ
l
畑地してで車九 口棚 4
1
=東の金
拾&
刺 シュラー
タ
I
J
l
lよ息 t
を化釣文、鞘 舶
37ラン2
5
サンチーム/Ir
n
17ランS
かサンチーム/ln
白i/
=
鰍
に鰍
1
2 シュラー
温泉地 (
封と
釣女.棚
2フラン5
0
サンチーム/lm
3フラン5
0
サンチームハ m
吸盤地.払Bりをと.敢行の散在f
Jくg;
至大。
3
6 エト71
ナ7 オプレA
,
は弧
捜しで荘幸夫.E
拝沖 ) 鵬 も
W りr
Jと.i行の最遠f
Jく珂 大.
A
) サージ
こI
TZ;
よj
lC
Fr
文帆
lマルク5
0ペニヒ′Z
m
2マルク/lJ
7
1
御 重まで.恥
1
4 7ルミュール
地 一(
瞥化タフタ姓)
3マルタ/1r
T
l
J
lマルク/1m
d人駁亀 ・軸 ・最良りr
jと.碓行の戯 f
Lく青菜大.
4
5 アルミュ-〟
77ラン!
廿サンチーム′lt
n
主として8人■▲・鼓昏りなr.
lフラン5
0+ンナームハ n
l
2フラン2
5
サン+-I
.
/1m
捕J
B交姓で.主とL
て平払
lマルタ/1m
L 複軸 の長盛品で芳弘
耕J
B
雄 で.圭としてJu や1エt
2マルク1
0
<ニヒ/1r
r
l
2マルク5
0ペニヒ/lm
主としてJ FJ
t・帆
lソリング3ペンu l
ヤード
lシリング6
5
ペンス
付人瓜連・書義足など.敗色悪串や帆
5
0 ウオヶ シュ シルク
息女J
t(
モ化タフタ
*)
えんじ
島地(
酎t
f
I
文叙法)
肋f
かった空色…
白J
tt
満足取払日こ
.白く
珊 ・
抑脚文
)
・
白(
f
l
'
蛤の捕前
群野I
王
■(
羽むに.凪の稚スト
ライプ
拭
えんじ也地 伴挽)に.白
の伽講
Sフラン6
0サンチーム/lm
lシl
lング/1ヤード
lシI
r/グ2ペンス/lヤード
ゆ〟‡
此 ・放純 ¢tT
.染色空牢で軒洗液性.近t
臥 声肺 しく帆
)-ス
51 マルスI
妨色細 く
牲集成妙の平練)
2フラン75
サン+-A/ll
m
47ラン'
Z
5
サン十一L
.
′lm
投入取払・Kl軸r
J
L
と.E
I
本棚 穴の性合&
5
2 フィルド ポンジー
良.
M 僻N .
i
EI
5
3 ボンジー リオt-ゼ
自生一 (
平A)
捕 ポロネーズ
1
7 サテン トラム
4
8 7ルミュール コード
4
9 ウオフシュ
シルク
'
/
'
- ジャボネ-ゼ
l
l ボンI
肝軒J
Lに白い小さな水玉椀技 仲良.鼓幽
S
Dく̀
こと/1m
2
8
セント/Lヤード
3
9
七ンt/1ヤ-r
?
J
J
出
兵
仇!伽 倒
2フラン1
5
サンナ-ム/lm
2フラン7
5
サンナ-ム′lm
掛
Iフラン1
5
サンナーム/Il
T
l
3フラン2
S
サンナ-A/lm
圭としてq胤
他 力の反飴品で平野大.
・払岳I
)など.
怒
公と. 舶
軸 中丸工雛 と.幽
此
L
J
l
胤
近時.芦脈 しく増:
ら
拙 く.Fl掘 れ=よの吐
合&
等
支
広
く.E
]
糊 二王の註
全
品
E
は からの鳥人且をリヨンで蔓延.
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Jフラン5
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