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授 業 の 流 れ 指導上の留意点及び評価の観点
第 3 学 年 数 学 科 学 習 指 導 案 指導者 1.単元 望月光洋 「2次方程式」 2.単元について 2次方程式にいたるまでの式指導の系列をみると、1年では1次方程式と1次式の計算、2年では連立方 程式と多項式・単項式の計算、式の変形などの指導がなされている。このような指導を経て、3年では平方 根の計算、乗法公式,因数分解へと指導内容の積み上げがなされている。そこで、方程式についても3年で は1次方程式から2次方程式へと発展させ、これまでよりも広く問題の解決に方程式が活用できるようにす る。2次方程式は、今までの学習の上に位置づけられ、中学校における方程式の総まとめとしてとらえられ ることができる。 1 次 方 程 式 の 解 法 は 等 式 の 性 質 の 適 用 で 十 分 で あ っ た が 、 2 次 方 程 式 の 解 法 は 、 因 数 分 解 ・ a x 2+ b = 0 ・平方完成による解法というようないろいろな考え方や手法が含まれていることを理解することが大切であ ると考える。また、1次方程式では解は1つであったが、2次方程式は一般的には解は2つもつことも生徒 にとっては新しい事実なので十分に指導しておきたい。 3.個に応じた指導について この単元では方程式の解き方が中心となりがちで、生徒の意欲を引き出しくいところ がある。そこで、日 常の事象に関連した多様な考え方ができる課題を個に応じて考えさせることによって、2次方程式が具体的 な問題解決への応用範囲を飛躍的に広げられることを認識させ、数学的な見方や考え方を育成し、学ぶこと の楽しさや成就感を体感させるよう配慮したい。 また、学習内容の定着と解く楽しみを実感させるためにも、授業の中で能力に応じた課題プリント〔基礎 ・ 基 本 , (標 準 ), 発 展 〕 を 実 施 し て い く 。 4.指導目標 (1)2次方程式の解の意味と一般には解が2つあることを理解させる。 (2)因数分解を利用した2次方程式の解法を理解させる。 (3)aχ2=bの形の2次方程式について,平方根を求めることに目を向けた解法を理解させる。 (4)χ2+pχ+q=0の形の2次方程式について,左辺を平方の形に変形することによって,平方根を求められることを理解させる。 (5)2次方程式を利用して,いろいろな問題を解決させる。 5.指導計画 ① 2次方程式・・・・・・・1時間 ② 2次方程式の解き方・・・4時間 ③ 基本の問題・・・・・・・1時間 ④ 2次方程式の利用・・・・3時間(本時はその3時間目) ⑤ 基本・章末の問題・・・・1時間 6.本時の指導 (1)題材 2次方程式の利用 (2)日時 9月22日(水) (3)場所 3年1組教室 (4)目標 5校時 (※ 月 曜 日 課 : B 6 ) ・日常に関連した課題を解決する場面で、2次方程式の良さに気づくことができる。 (5)本時と校内研究テーマ(個に応じた指導)との関わり ・生徒の興味関心・学習意欲を高められ、また多様な考え方ができる課題を与え、授業の流れを工夫す ることによって、個に応じた数学的な見方や考え方を育成し、学ぶことの楽しさを感じさせたい。 (6)展開 授 業 の 流 れ 1.導入としてリーグ戦について考える。 ・リーグ戦とトーナメント戦についての確認 ・ リ ー グ 戦 に つ い て (χ : チーム数 , y : ゲーム数 ) χ 2 3 4 y 1 3 6 など 2 . 本 時 の 課 題 (問 題 )を 把 握 す る 。 学習プリント・提示 サッカーのリーグ戦を企画しよう。 ①サッカーコート 3面 ②リーグ戦のできる日 3日 ③試合のできる時間 10:00 ~ 15:00 ④1試合にかかる時間 60分 ☆ サッカーのリーグ戦を計画するためには、あと 何が分かればよいだろう。 ・全部で何試合できるにか。 ・何チームが参加できるのか。 ・参加料をいくらにすればよいか。 ・登録メンバーの人数について。 など 3.個人追究する。 ☆ 自分なりの方法で考えてみよう。 指導上の留意点及び評価の観点 ・ 本 時 の 内 容 に そ っ た (2 の 課 題 問 題 を 含 む )ワ ー ク シートを準備し、生徒の考えを導きやすくする。 ・表や対応表,樹形図などを、さまざまな考え方が できることを知る。 ・問題の内容に関して不明瞭な点をもたせないよう に、丁寧に説明し、生徒から出された質問には全て 対応する。 ・数学的でない発言も、認めていく。 ・計算で、45試合可能であることを確認する。 ・生徒がどのような考えで問題解決をしようとして いるか把握する。 参加するチーム数を何チームにすればよいか 考えよう。 ・組み合わせ表や図を作成して考える。 ・ χ チ ー ム と し て 、2 次 方 程 式 を つ く っ て 考 え る 。 4.集団追究をする ☆ 友達や教師の説明から、他の考え方を読み取ろ う。 ・早く答えを導き出した生徒には、他の方法で解決 できないか考えさせる。 考 自分なりの考えで、問題解決をすることができ たか。 △表や図を利用して、課題を解決しようとする。 ○ 2 次 方 程 式 を 利 用 し て 、課 題 を 解 決 し よ う と す る 。 ◎2次方程式を利用して、課題を説明できる。 ・友達や教師の考えを読み取らせることを通して、 その考えを全員のものとさせていく。 ・リーグ戦の表や対応表を利用し、規則性を見つけ出して考える。 A B C D E 2 チーム → 1 試 合 +2 A ○ ○ ○ ○ 3 チーム → 3 試 合 +3 B ○ ○ ○ 4 チーム → 6 試 合 +4 C ○ ○ 5 チ ー ム → 10 試 合 +5 D ○ : : E 10 チ ー ム → 45 試 合 1+2+3+4+5+6+7+8+9=45 +1 χ 2 y 1 3 3 +2 +1 +1 +1 4 5 6 6 10 15 +3 +4 +5 ・・ ・・ となるから、参加チームは10となる。 ・図を書いていくことで、規則性を見つけ出して考える。 < 2 チームの 場 合 > < 3 チームの 場 合 > < 4 チームの 場 合 > A B A B A B (1試合) C C B C D (1+2試合) B C D C D (1+2+3試合) 1+2+3+・・・+8+9 =45 試合となるので、参加 チーム数は10となる。 ◎参加チームをχとして、方程式を作り解こうとする。 χ (χ - 1 ) = 4 5 χ 2- χ = 4 5 または、 2 2 χ 2- χ = 9 0 χ 2- χ - 9 0 = 0 (χ + 9 )(χ - 1 0 )= 0 χ=-9,χ=10 A.10チーム ☆ 方程式を作って考えようとした方法は、他の方 法に比べて何か良い点はないだろうか。 ・試合数が多いと表や図では解決が困難になる。 ・試合数が多くなっても方程式は解くだけで解決 できるので、解決がやさしいのではないか。 5.深める。 ・多角形の対角線の数, ・握手の回数, ・五石の並び方と数 など ・2次方程式のχに10を代入すると等式が成立す る こ と か ら 、 χ = 10 は 2 次 方 程 式 の 解 で あ る こ と に気づかせる。 ・ 生 徒 か ら の 発 言 が 出 な い 場 合 は 、 試 合 数 が 45 試 合でなく、105試合だったらどの方法で考えると 分かりやすいか考えさせる。 ・リーグ戦の数だけでなく、日常の中にも計算式を 見つけることができる事象がいくつもあることを紹 介し、方程式についての考えを深めさせる。 7.評価 ・課題に対して意欲的に取り組むことができたか。 ・数量の関係から、課題を解決しようとしたか。 ・具体的事象の中から2次方程式を活用して問題解決をする方法を理解できたか。