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榎本 委員 おはようございます。

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榎本 委員 おはようございます。
[ 平成16年
◆榎本
3月24日総務委員会−03 月 24 日-01 号 ]
委員
おはようございます。公明党の榎本でございます。昨年の4月の統一地
方選挙において当選させていただきまして、本市の市会議員になってはや1年がたとうと
しております。市民の声を市政に反映すること、市民・庶民の目線で市政をチェックする
ことを基本姿勢として、過去3回の総務委員会で質問をさせていただきました。
本日は本年度最後の総務委員会でございます。そこで、まず第1点目は、審議会等につ
いて。第2点目は、堺市が所有する未利用地の有効利用について、第3点目は堺市におけ
る文化芸術の振興についてお伺いいたします。
それではまず、審議会等についてお伺いいたします。堺市におきまして、審議会等とし
てどのようなものが設置されており、平成16年3月現在の審議会等の数と委員の数、平
成16年度の報酬の総額の予算額についてご説明ください。
◎高松
行政課長
審議会等としてどのようなものがあり、幾つ設置されておるか。ま
た、委員は何名おり、その予算額は幾らかというお尋ねでございます。審議会等は、円滑
な事業の執行を図るために設置する機関でございまして、本市では附属機関、協議会、そ
して懇話会の、大きく3つの区分に分けてございます。
まず、附属機関につきましては、市の諮問機関としまして、審査・審議・調査等を行う
ことを目的に、法律もしくは条例により設置するものでございまして、その数は平成15
年でございますが、7月1日現在47でございます。
次に、協議会につきましては、地方公共団体間で事務を共同で管理・処理することを目
的に設置する法定の協議会と、それから市と関係機関との間で事業推進上の協議・調整を
行うことを目的に設置しますその他の協議会がございます。ともに規約により設置するも
のでございまして、その数は合わせて42ございます。
最後に、懇話会につきましては、事業の円滑な推進を図るため、有識者等の意見を聴取
しまして事業に反映させることを目的に、要綱によりまして設置するものでございます。
その数は16でございます。
続きまして、それぞれの委員の人数でございますが、同じく平成15年7月1日現在で
附属機関の委員が延べ922人、協議会の委員が延べ729人、それから懇話会の委員が
延べ212人の計1,863名でございます。
その報酬につきましては、協議会及び懇話会の委員には市からの報酬の支出はございま
せんので、附属機関の委員について申し上げますと、堺市議会議員その他の報酬等に関す
る条例に基づきまして、原則としまして日額1万200円を支出してございます。総額は
平成16年度当初予算ベースで約1億8,000万円でございます。以上でございます。
◆榎本
委員
ただいまご説明いただきました審議会等につきまして、平成13年度に
行政監査に付されております。このたび質問させていただくにあたり、この監査結果報告
書と、それから平成14年9月にまとめられました審議会等の会議の要覧を読ませていた
だきました。
そこでお伺いいたしますが、過去3年間に1度も開催されなかった審議会等は幾つあり
ますでしょうか。また、なぜ開催されなかったのか、その点についてご説明ください。
◎高松
行政課長
過去3年間開催実績のなかった審議会の数と、それから開催されな
かったその理由でございます。
先ほど述べさせていただきました審議会等のうち、平成12年度から14年度の過去3
カ年の間に開催実績のないものは、附属機関が5、それから協議機関が6の計11機関で
ございます。その理由は、各機関により異なりますが、主要なものといたしましては、不
服申し立ての審査機関において、当該申し立てがないなどの理由によりまして、開催の必
要がなかった、あるいは、緊急時の対応を主眼として設置している等の事由によりまして、
開催する必要性が乏しかったなどでございます。以上でございます。
◆榎本
委員
平成13年度の監査でも指摘されていますように、長らく開催実績のな
い審議会等もあると思いますので、社会情勢等を勘案して、必要性や編成を再検討すべき
であると考えますが、この点について本市の考えと今後の取り組みについてご説明くださ
い。
◎高松
行政課長
開催実績の乏しい審議会等については、その必要性を見直して、再
編を検討すべきではないかというふうなご意見だと思います。従来より開催実績の乏しい
機関、あるいは社会経済情勢の変化等に伴いまして、当初の設置意義が薄れた機関、また
当初の設置目的を一定果たしたと、そういった機関につきましては、廃止を含めた見直し
を図るように指導に努めております。過去の見直し実績を申し上げますと、平成12年度
から14年度の過去3年間の間に、附属機関が4、協議会が13、懇話会が9の計26機
関を廃止してございます。今後とも審議会等の活動状況を常に把握しまして、開催実績の
乏しい機関等につきましては、引き続き廃止を含めた見直しを指導していくなど、審議会
の効率的・効果的な運用に努めてまいりたいと考えてございます。よろしくお願いします。
◆榎本
委員
次に、審議会の委員に関する事項について、現在定員の多い審議会等は
何人でしょうか。また、兼職しているケースで多いケースは幾つの職を兼職しているので
しょうか。さらに、在任機関で長い委員は何年在任しているのか。また、なぜそのように
長期にわたっているのか、その理由をご説明ください。
◎高松
行政課長
委員の人数が多い審議会は何人ほどいるか、また多くの職を兼ねて
いる委員は何職程度を兼ねているのか。任期の長い委員は何年ほど在任しているのか、そ
の長期にわたる理由でございます。先ほど述べさせていただきました審議会等のうち、最
も委員の人数が多い機関は、堺市介護認定審査会でございますが、その数は353名ござ
います。この審査会は介護認定の審査を行うための機関でございまして、66合議体で支
所ごとに設置されてございますので、これを除きまして、いわゆる諮問機関たる審議会等
で申し上げますと、堺市社会福祉審議会が最多で38名、続きまして堺市防災会議が31
名、それぞれ委員がおられます。
次に、多くの職を兼ねている委員といたしましては、12職を兼職いただいている委員
が最多で1名、以下9職が3名、8職が1名、7職が1名、それぞれおられます。
最後に、任期の長い委員といたしましては、30年以上が3名ございます。このうち、
36年間在任いただいている委員が最長で1名おられます。次に、20年以上30年未満
が8名、10年以上20年未満が34名、それぞれおられます。その理由といたしまして
は、知識・経験とも豊富な委員で余人をもってかえがたいなどの理由によるものでござい
ます。以上でございます。
◆榎本
委員
審議会等は堺市の行う重要な施策の立案、計画の策定等について審議・
調査を行うため、市民や学識経験者等を委員として法令、条例または規則等によって設置
された附属機関です。したがって、十分に審議できる人数、少なくとも25人ぐらいまで
の人数が適当ではないでしょうか。審議会等の指針にも、委員は最小限にとどめ、最多で
も20人を超えないこととされております。この点について、今後どのように取り組まれ
るのかお伺いいたします。
また、多少名称が異なる審議会を開いても、集まる人が同じであれば、同じ発想や意見
しか出てこないのではないかと思いますし、さらに同じ方が長期間就任すれば、会議が硬
直化し、マンネリ化してきます。そこで、このような弊害をなくす取り組みをして、審議
会の運営の適正化を図るべきではないでしょうか。この点について堺市のお考えをお聞か
せください。
◎高松
行政課長
委員の人数が多過ぎることによりまして、十分な議論ができないの
ではないか、また特定の委員が多くの職を兼ねまして、あるいは長く在任することにより
まして、硬直化、マンネリ化等の弊害が生じるのではないかというお尋ねだと思います。
ご指摘のとおり、委員の人数が多過ぎることによりまして、充実した審議が望めない、あ
るいは特定の委員が多くの職を兼ね、また長く委員に在任することによりまして、多角的
な意見聴取が行われない等の弊害が生じることも考えられるところでございます。そのた
め、従来より、委員の総数、それから兼職数、任期等に関しまして、一定の指針を設けま
して、委員の選任にあたりましては、基準に沿った運用を図るよう指導に努めておるとこ
ろではございますが、実態といたしましては、基準を超えて委員への就任をお願いしてい
る部分もあるのが実情でございます。これは、委員の総数につきましては、関係機関、関
係者が多い、広範に意見を聴取する必要がある等の理由によるものでございまして、また
委員の兼職数につきましては、関係機関の代表者に就任をご依頼している都合上、特定の
方に職が集中する等の理由、さらには委員の任期につきましては、先ほども申し上げまし
たとおり、知識・経験とも豊富な委員で、余人をもってかえがたいなどの理由によるもの
でございます。
しかしながら、ご指摘のような課題もあることから、今後とも委員の選任にあたりまし
ては、極力基準に沿った運用を図るよう指導に努めてまいります。
本日の数々のご指摘いただいた事項につきましては、真摯にこれを受けとめまして、指
針に沿った適正な運用を図るよう、関係部局を指導するとともに、今後とも審議会等の機
能を十分に活用し、行政運営に役立ててまいります。以上でございます。
◆榎本
委員
前向きなご答弁ありがとうございます。堺市は、審議会等の設置に関す
る指針というのを定めております。ちょっと、そこの中をピックアップしてきたんですけ
ども、過去3年間にわたり開催実績のないものを廃止すること。2番目に、庁外委員であ
って、多角的な意見を収集するため、在任期間は3期または6年を限度とすること、3番
目には、庁外委員にあっては、他の審議会等の委員との兼職を4職までとすること。兼職
状況については、行政課に照会することと規定されております。今後、行政の専門化・多
様化・広域化に対応するため、ますます審議会等の役割が重要視されると思います。また、
堺市は政令指定都市に向けて、さらにこれまで以上、審議会等の効率的な運用を図らなけ
ればなりません。
そこで、ぜひ各担当課が審議会等に関する立派な指針がございますので、それを守って
いただいて、より市民の皆様に満足していただける行政サービスの提供や市民生活の向上
に努めていただきたいと思います。
それでは次に、2番目の質問に移りたいと思います。堺市が所有する未利用地の有効利
用についてお伺いいたします。堺市が平成15年2月に策定した行財政改革の中にも、公
有財産の積極的な売却と活用を上げておられます。そこでお尋ねいたしますが、堺市が所
有する公有地、土地の面積はどれくらいでしょうか。また、その中で公共の用に供されて
いない未利用の土地はどれくらいあるでしょうか。
◎田中
管財課長
公有財産は、平成14年度末決算のデータで、約1,027万6,
000平米ございます。そのうち、現時点で計画の変更等で利用計画のない、活用予定の
ない土地が8万3,000平方メートル、それから利用計画があるものの、当面活用して
いく予定のない土地が5万8,000平方メートル、合わせますと約14万1,000平
方メートルであります。以上です。
◆榎本
委員
ご答弁によりますと、利用計画もなく、また活用予定もない土地が8万
3,000平方メートルあるわけですけれども、この堺市の未利用地についての基本政策
についてお伺いいたします。
◎田中
管財課長
本市が所有する公有財産のうち、未利用となっているもの、また用
途廃止が見込まれるもの等について、その有効活用の手法、それから総合的な利用調整及
び処分に係る意思決定を円滑的かつ全庁的に行えるように、平成14年8月に庁内委員会
として堺市公有財産利用調整委員会を設置いたしました。本委員会の委員長は財政局長、
委員長代理は市長公室政策担当理事、委員として各局の総務担当部長という14名で構成
されております。この委員会は、現に未利用となっている公有財産の有効活用及び処分に
関すること、それから用途の廃止が予定されている行政財産の利用方針及び処分方針に関
すること、それから公共用地として先行取得した公有財産の暫定的な活用に関することな
どを審議しております。それぞれの土地の持つ特性を踏まえながら、財源確保と土地の活
用という観点から検討を重ね、一定の方針を立て、処分可能なものは原則一般競争入札で
売却する方針としております。以上です。
◆榎本
委員
ただいまのご答弁では、堺市の基本的な政策は一般競争入札によって売
却するということですけれども、過去3年間の売却実績についてお伺いします。
◎田中
管財課長
市長部局の売却実績といたしましては、平成13年度は18物件、
売却金額は13億4,248万1,000円、平成14年度におきましては20件、売却
金額27億591万728円、平成15年度におきましては、27件、売却金額は25億
9,773万4,150円であります。これ以外に各財産所管課におきまして、地形狭長
等の土地で隣接所有者へ処分したり、事業協力者に対する代替用地として売却したものが
平成13年度1億5,221万2,947円。それから、平成14年度3億3,553万
7,154円、平成15年度におきましては1億9,526万9,713円でございます。
以上です。
◆榎本
委員
ただいまのご答弁によりますと、平成14年度以降が平成13年度に比
較して売却が進んでおり、全庁挙げての庁内委員会である堺市公有財産利用調整委員会の
設置が大きく貢献しているというふうに言えますので、行財政改革の視点からは高く評価
できると思います。ただ、その次にお伺いいたしたいのは、堺市公有財産利用調整委員会
の設置以後売却が進んだわけですが、現在売却されずに残っている土地はないでしょうか。
◎田中
管財課長
委員会設置後、各所管課の公有財産について調査した結果、平成1
5年6月に当初未利用の土地として把握しております面積は5万9,000平方メートル
でありまして、そのうち、15年度中におきまして、約3万平方メートルを処分し、残り
2万9,000平方メートルとなっております。また、平成16年2月時点で調査した結
果、5万4,000平方メートルが加わり、さきに答弁いたしましたように、現時点では
合計8万3,000平方メートルございます。以上です。
◆榎本
委員
ただいまご報告ありました残っている土地なんですけども、それはどの
ような土地でしょうか、ちょっとご説明をお願いします。
◎田中
管財課長
8万3,000平方メートルの土地のうち、約7万3,000平方
メートルにつきましては、市営住宅の跡地や都市計画道路事業で買収した土地のうち、計
画外の部分にある残地が主なものであり、これらは境界等の確定あるいは都市計画道路等
の工事が終了した後に処分可能となる物件でございます。
その他の用途に供していたものが約6,000平方メートルあります。残り4,000
平方メートルについては、地形狭長等でありますが、これら積極的に売却を進めるもので
あります。以上です。
◆榎本
委員
今のお答えの中に4,000平方メートルの土地は地形が狭かったり長
かったりということで、なかなか売れにくい土地ということで、職員の方がその売却を進
められるということなんですけども、売却が困難で、さらに未利用地として残っている可
能性というのもあるのではないでしょうか。
そこで、未利用地について市民の方から私はご意見をいただきまして、あいている土地
で、可能であれば駐車場にして市の歳入にしたらどうかというご意見もございます。また、
場合によっては市民の皆さんに花を植えるための花壇として無料で貸し出したりとか、あ
るいは子どもの遊び場とか、イベントの開催広場ですね、そういうものとして市民に開放
したりして有効利用してはいかがかと思いますが、この点についてご意見をお伺いいたし
ます。
◎田中
管財課長
行財政改革計画の中でも平成17年、18年の収支均衡のための財
源として、貴重である未利用地につきましては、市の事務事業として利用計画のあるもの
とないものに分類した上で、それぞれの処分方針を立てるとともに、早期問題解決のため
のスケジュール管理などを行い、鋭意売却事務に取り組んでいるところでございます。こ
れら財産の換金を進め、財源の確保を図ってまいりたく考えております。
そこで、委員ご提案の内容につきましては、物件により処理方針の見直しが必要となる
ものもあろうかと思われますので、今後その中で検討してまいりたく考えております。以
上です。
◆榎本
委員
前向きなご答弁ありがとうございます。一般的に、私的な土地に関して
は、国土利用計画法という法律がありまして、その第28条1項では2年間未利用、低利
用の土地は遊休土地と指定して、土地利用の促進を図っております。そもそも土地は国民
にとって限られた資源であり、生活や生産に通じた社会的諸活動の共通の基盤であります。
そこで、私は最終的に売却する予定だが、2年以上売却されていない土地、あるいは利用
が予定されていても利用計画の変更等で、実際問題、利用されずに2年以上経過するもの
については、積極的に有効利用を図ることによって歳入の増加や市民への利便性への向上
に寄与するということが大事かと思います。したがって、売却だけではなく、賃貸を含め
た未利用地の活用を要望させていただき、この質問を終わりたいと思います。
それでは最後に、堺市の文化芸術振興策についてお伺いいたします。ちょっと長くなり
ますが、公明党は平成13年5月に政策提言「文化芸術立国・日本をめざして」を発表し
て、その中で最初に掲げたのは文化芸術に関する基本法の制定です。平成13年6月には
12万5,000名の署名を小泉首相に提出し、同年11月に文化芸術振興基本法が制定
されました。その前文に、心豊かな社会を形成するものであり、世界の平和に寄与するも
のでありますと明記されています。すなわち、文化芸術は心にやすらぎ、生きる力を与え、
人々への尊敬の念と愛情の心を抱かせる。また、人々の創造性を開発し、多様性を尊重す
る社会をつくる。さらに文化芸術の振興が平和に貢献することを示唆しております。
他方、文化振興には経済的な効果もあります。1933年のアメリカのルーズベルト大
統領が世界恐慌を乗り越えるために行ったニューディール政策は土木事業中心というイメ
ージが強いものですが、実はその政策の柱の1つには、文化芸術政策があったと言われて
おります。美術、音楽、劇場、作家、歴史調査の5つのプロジェクトが組まれ、大不況の
中で徹底した文化芸術政策が実行されました。5,300人の美術家、1万6,000人
の音楽家、1万2,700人の劇場関係者が国から直接雇用されたと言われております。
不況で沈んでいたアメリカの国民の心に明るさや勇気がよみがえったのであります。文化
芸術の力は偉大です。ですから、欧米では文化芸術政策に力を惜しまないのであります。
予算で見ると、日本はフランスの10分の1、民間から文化団体への寄附もアメリカの
60分の1にすぎない状況です。したがって、文化芸術基本法は大変重要な法律であると
言えます。
その文化芸術基本法の第4条におきまして、地方公共団体は基本理念にのっとり、文化
芸術の振興に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的にその地域の特性に応じた
施策を策定し、実施する責任を有するとあり、文化芸術振興に関する地方公共団体の責務
が明記されております。
そこで、本市における文化芸術政策について何点かにわたって質問させていただきます。
まず、歴史と伝統のある堺市といたしましては、この法律についてどのようにお考えでし
ょうか。また、本市として文化芸術振興に対しての考え、長期的展望をお伺いいたします。
◎石倉
文化担当課長
芸術文化の振興施策につきましては、地方自治法第2条に基づ
きまして、基本的な事務であることは言うまでもございません。委員ご指摘のとおり、文
化芸術振興法におきましても、第4条及び第35条におきまして、芸術文化の振興に関し、
地方公共団体の責務や役割がうたわれているところでございます。社会の成熟化に伴いま
して、生活に潤いや充実感をもたらし、さらには人の心にゆとりや安らぎを与えるものと
して、文化への関心が一層高まっております。
本市といたしましても各種の文化活動が活性化することにより、ひと・まち・くらしが
元気になり、都市に活力があふれ、心豊かな社会の形成に寄与するものとして認識してお
ります。改めてかかる法律が制定・施行されましたことは、時代の要請・ニーズに適合す
るものと考えております。
本市では、これまで芸術文化の鑑賞機会の提供や文化団体への助成を初め、各種文化施
設の整備などを通じまして、市民みずからの文化芸術活動の活性化や向上に取り組んでま
いりました。今後とも同法の趣旨を尊重いたしまして、文化を享受し、創造する担い手は
市民であるとの認識に立ちまして、
市民が主体となった多様な文化活動をより一層促進し、
個性豊かな市民文化の創造に向けまして、その環境の整備充実に努めてまいります。以上
でございます。
◆榎本
委員
次に、文化芸術振興法第14条に示されておりますように、伝統芸能、
演劇、舞踊、音楽、伝統工芸、民話、文芸等各種コンクールなど、市民が主催する文化活
動について、現在堺市はどのような支援を実施しているでしょうか。
◎石倉
文化担当課長
市民文化の創造・発展のためには、多様な文化活動を市民みず
からが自主的かつ主体的に行い得るよう環境の整備に努める必要があると考えております。
これまでから、市民にすぐれた芸術文化の鑑賞機会を提供するべく、平成6年に市民文化
活動の推進母体といたしまして設立されました財団法人堺市文化振興財団との連携のもと、
堺市展、堺市美術新人展及び文学フォーラム等の開催を初め、コンサート、寄席、能、オ
ペラなど、さまざまな文化活動に取り組んできたところでございます。また、市民主催の
文化活動に対する支援につきましては、全市を網羅いたします文化団体の連合体でござい
ます堺市文化団体連絡協議会が市内全域で行います市民芸術祭への補助を初め、各種文化
団体に対する助成のほか、平成8年度より順次、栂・西の文化会館及び市民会館の管理運
営を堺市文化振興財団に委託いたしまして、市として一体的に文化振興を推進する体制の
整備を図ってまいりました。
平成12年度には与謝野晶子文芸館、アルフォンス・ミュシャ館、さらには貸し出し用
ギャラリーから成る文化館を開設したところでございます。さらに、同ギャラリーを活用
し、毎年本市が保有しています美術作品等を広く市民に一般公開すべく、堺市所蔵美術作
品展を実施するとともに、朝日新聞社と連携いたしまして、新進陶芸家の登竜門ともなっ
ています朝日陶芸展を開催しております。今後とも市民主体の文化活動の振興に向けて環
境整備を進めてまいります。以上でございます。
◆榎本
委員
それでは、さらに若手芸術家の育成についてはどのように考えられてい
るのかお伺いいたします。
(栗駒副委員長、辻委員長にかわり委員長席に着く)
◎石倉
文化担当課長
我々といたしましては、本年度で32回を迎えました堺市新人
演奏会や高層館の21階におきまして平成8年度より開始いたしまして、9年度からは毎
月開催していますVIEW21コンサート、さらには7年度以降毎年実施していますイベ
ント企画公募事業を通じまして今後の活躍が期待される芸術家に対しまして、発表の機会
や市民との交流の場を提供するなど、音楽を初め、演劇など、各ジャンルにおきまして未
来を担う若き人材の発掘及び育成に取り組んでまいりました。
一方、美術部門といたしましては、平成3年度以降継続開催しております堺市美術新人
展を通じまして、若手芸術家の資質向上に努めているところでございます。さらに、昨年
度に引き続き、大阪府の新進芸術家育成市町村施設活性化支援事業補助制度を活用いたし
まして、今年度は堺に拠点を置きます大阪シンフォニカー交響楽団によります新進音楽家
の育成を目的とするコンサートなどを実施してきたところでございます。
今後におきましても、市民が主体となった文化の創造・発展のため、さらには文化振興
によるまちの活性化に向けまして、将来性のございます芸術家の発掘・育成に取り組んで
まいりたいと考えております。以上でございます。
◆榎本
委員
それでは、さらに子どもたちが個性、才能の芽を伸ばし、感性を磨くた
めに本物の芸術に触れる機会を多く提供することが大事であり、また地域に住む伝統文化
の担い手とか、芸術家と直接交流し、触れ合う機会を設けることも大事かと思いますが、
本市はこのことについてはどのような取り組みをされておられるかお聞かせください。
◎石倉
文化担当課長
文化担当課では、本市の伝統文化の振興を図る観点から、堺の
誇るお茶の継承事業として、子どもや、その保護者を対象にふれあい抹茶体験を実施して
まいりました。また、本年度より地域の子どもたちに伝統文化を体験・習得するための機
会を提供するべく、堺市文化団体連絡協議会を通じまして、各文化団体に対し国の事業で
あります伝統文化子ども教室の活用促進に向けた周知を図っております。高校生向けの事
業といたしましては、今年度、市立工業高校等3校の生徒を対象に和太鼓演奏等の芸術鑑
賞を堺市文化振興財団におきまして実施しております。
さらに、来年度はこれらに加えまして夏休み期間中、大阪シンフォニカー交響楽団と共
催で親子のためのオーケストラ体験教室を開催する予定をしております。以上でございま
す。
◆榎本
委員
今までのご答弁によって、堺市が古くから芸術家の発掘や育成に取り組
んでこられたことはよくわかりました。そこで、このような堺市に居住する多くの芸術家、
音楽家、作家、諸団体の方々を登録するアーティストバンクを創設し、空き家、空き店舗
等を利用して街角劇場として市民によるミニコンサート、寄席、演劇を開催し、身近なと
ころで芸術に触れる機会をつくってはいかがでしょうか。街角劇場を開催すれば、商店街
での集客の契機になりますし、地域の人々にとっては、皆さんが集まってきますのでコミ
ュニケーションの広場になります。また、若い芸術家にとっては、自分の芸術の発表の場
ともなります。堺市における音楽家や芸術家の人材育成にもなると思います。堺市のあち
らこちらで文化や芸術の花が咲き、一部の人ではなく、庶民の手に文化芸術を取り戻すこ
とになり、まちおこしにもつながると思いますが、いかがでしょうか。堺市のお考えをお
伺いいたします。
◎石倉
文化担当課長
委員ご指摘のように、文化を享受し、創造する主体はあくまで
市民でございます。市域における芸術家及び文化の担い手の登録窓口を設け、それらの人
材を市民からの要請に基づきまして紹介するという制度は市民を主体とする文化活動の活
性化にとりまして、またボランティアによる社会貢献という点からも有意義であると考え
ております。また、商店街の空き店舗など、市民にとってより身近な場所での芸術鑑賞機
会の創出・提供につきまして、委員お示しのアーティストバンク制度と連携することによ
って一層効果的かつ効率的になるものと考えております。しかしながら、登録制度の創設
にあたりましては、幅広いジャンルごとに技術・技能に関する専門的な審査基準など、多
くの課題が想定されるところでございます。今後、それらの課題解決に向けまして、関係
部局とも連携の上、調査・検討を重ねてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜り
ますよう、よろしくお願いいたします。以上でございます。
◆榎本
委員
前向きなご答弁ありがとうございました。ただ、私の方からは、本日お
伺いいたしました答弁内容から何点か、さらに要望しておきたいことがございます。
まず、堺市として市民の文化活動への支援として、環境の整備に努め、市民が芸術文化
を発表し、鑑賞する機会の提供を行っておりますが、さらに重要なことは、例えば音楽、
演劇、舞踊、絵画等の芸術を練習する場所の提供ではないでしょうか。昨年、視察いたし
ました金沢では古い紡績工場を金沢市が買い取り、市民が24時間、音楽や演劇、絵画の
展示等の多目的に利用できる金沢芸術村を開設しておりました。堺市におきましても、今
後このような芸術や文化専門の練習場を開設していただき、市民への芸術活動への支援を
していただきますよう要望させていただきます。
さらに、次に堺市が古くからの若手の芸術家の発掘や人材育成に取り組んでこられたこ
とは大変評価できますけれども、さらに芸術や文化には国境がなく、また芸術の分野では
海外で勉強したいという方も大勢おられます。そこで、今後国際的な広がりを持った芸術
家を育成するということも大事かと思いますので、それに対する支援策、例えば海外留学
奨学金制度の創設等も要望しておきたいと思います。
以上、いずれにしても歴史と伝統のまち・堺が、今後21世紀の新しい芸術文化の発信
基地として新しい文化芸術をつくり、進化させ、広く発信していけるような文化芸術の振
興政策の推進をお願いいたしまして、私の質問を終わります。以上です。
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