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環境報告書 2013

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環境報告書 2013
ブリヂストングループ
環境報告書
2013
̶ 持 続 可能 な 社 会 の 実 現を目指して ̶
お問い合わせ先
環境戦略企画部
東京都小平市小川東町 3 丁目1番地1号 〒187-8531
TEL:042-342-6963 FA X:042-342-6719
ブリヂストングループの環境への取り組みについて、
より詳しく知りたい方は、ウェブサイトをご覧ください。
http://www.bridgestone.co.jp/csr/eco
認定番号 K0301090
A-(1)-060001
報 告 にあたって
環境宣言
編集 方 針
報告対 象 期間
ブ リヂ ストングル ープ は、25 カ 国 に 180 以 上 の 生 産・
ブリヂストンは 2000 年 に 初 めて 環 境 報 告 書 を 発 行し、
本報告書では、原則として 2012 年度(2012 年 1月1日∼
開 発 拠 点を持ち、150 を 超 える国 々で 事 業 活 動を展 開し、
環 境 活 動 に 関 する 情 報 開 示を 進 めて まいりました。2007
2012 年 12 月 31日)の活動を対 象としていますが、一 部 の
14 万人を 超 える従 業 員を抱 えています。様 々なバックグラ
活動内容については、2013 年 4 月までのものも含みます。
ウンド で日々 活 動してい る従 業 員 全 員 が、軸がぶ れない 環
年以 降
※1
はブリヂストングル ープとして、各地 域の活動内容
を、毎 年 報 告 書 として まとめ、開 示して い ま す。本 報 告 書 で
ブリヂストングループ
環境報告書
境 活 動 を 実 践 するため の よりどころとして、グル ープ 共 通
は、グ ロ ーバ ルで の 様 々 なステ ー クホ ル ダー の 皆 様 にブリ
報告対 象 範囲
の「環 境 宣 言」を掲げ ています。
「 環 境 宣 言」では、
「 未 来 のす
ヂストングループの考え方や活動をわかりやすくお伝えする
本報告書では、株 式会社ブリヂストンの国内外 の子会社・
べ ての 子ど もたち が『安 心』して 暮 らして いくため に…」と
2013
目的で、掲載内 容 をより重 要なものに絞り、日本 語と英 語 ※2
関 連 会 社を 含めたブリヂ ストングル ープの取り組 み を 報 告
いう変 わらな い 思い をミッションとし、持 続 可 能 な 社 会 の
̶ 持 続 可 能 な 社 会 の 実 現 を目 指して ̶
で 発 行して いま す。また、ブリヂ ストングル ープ で は、日 本、
していま す。対 象を 区 別 するため、文 中 で「ブリヂ ストン」は
実 現 を目指 すこと、ステ ー クホ ル ダーと 連 携して 誠 実 に 取
アメリカ、ヨーロッパ、中 国 など各地 域 にお いてそれぞ れ 環
株 式 会 社ブリヂストンを、
「 ブリヂストングル ープ」は国内 外
り組むこと、を宣 言しています。
境 報 告 書 の 発 行 や Web サイトにお ける詳 細 情 報 の 開 示を
の子会社・関連 会社を含めたグループを示しています。
「環 境 宣 言」はグル ープ 全 体 で の 浸 透 を 図 るため に、18
行 い、各地 域 のステ ー クホ ル ダー の 皆 様 のニーズ に合 わ せ
たコミュニケーションに取り組 んでいます。
の 言 語 で 作 成し、各 事 業 所 に ポ スター を 掲 示して い ま す。
参 考にしたガイドライン
ま た、e - ラ ーニ ン グ や 各 種 研 修、環 境 イントラネット な ど
※1 2007 年「社 会・環 境 報 告 書」として発 行。2009 年「CSR レポート」と
GRI(Global Reporting Initiative) 3.1
様 々な 教 育の 機 会を 通じて、従 業 員自らが 環 境 宣 言と業 務
して 発 行。2010 年 以 降「CSR レ ポート」
「 環 境 報 告 書」を そ れぞ れ 発 行し、
環 境 省「環 境 報告ガイドライン(2012 年版)」
の 関 わりに気づ き、実 際 の 環 境 活 動を推 進 することを支 援
「環境報告書」ではより詳細な環境活動に関する情報を開示。
しています。
※2 英語版の発行は 2013 年 7 月頃を予定
発行日
重要性(マテリアリティ)の考え方
ブリヂストングループ環境宣言
2013 年 4 月 26 日
ブリヂストングル ープの 事 業 活動において重 要性(マテリ
アリティ)の 高 い 環 境 分 野 の 課 題 は、
「 生 物 多様 性」
「資 源 の
次回発行日
持 続 可能 な 利 用」
「 気候 変 動」であると考えています。これら
2014 年 5 月予定
目次
報告にあたって
1
環境宣言
2
トップコミットメント
3-4
環境長期目標
5-6
7-10
特集
の課 題にグル ープ一 体となって取り組む ために、2011 年に
ブリヂストンが 考える持 続 可能 な 社 会
環 境 宣 言 をリファインし、活 動 の方 向 性を 明 確にしました。
『100 %サステナブルマテリアル
さらに、具体的な活動を推 進するために、2012 年に 2050
コンセプトタイヤ』
年を見据えた「環 境長 期目標」を策 定しました。
重要性
(マテリアリティ)と環境報告書の関係
ステークホル ダー の関 心・期 待
環 境・サステナビリティに関する有 識
者、専 門 家 からブリヂ ストングル ープ
に直 接いただいたご意 見(個別ヒアリ
ング、CSR ステークホルダーダイアロ
※3
グ、W-BRIDGE アドバイザリーボー
ドなど)
SRI や環境に関する格付け・評価機関
からの評価
環境関連 NPOや研究機関の調査報告書
国際条約や会議の動向
ブリヂストングル ープへ の 影 響
ステークホル ダー の
関 心・期 待
事業機会の創出(顧客価値、社会価値)
事 業リスクの 低 減(事 業 継 続 性、法 規
制、
ブランド)
ステークホルダーからの評価の獲得、
ブランド価値向上
重 要 性の高い課 題
環 境 報 告 書 2013
( 本冊 子 ) で 報 告
ブリヂストン の環境 Web サイト、
ブリヂストングループの各地 域・
各社の Web サイト・
環境報告書 等で開示
環 境 宣 言、環 境 長 期目標
特に重 要な活 動内容、K PI ※4 を環 境 報 告 書 で報 告
※3 ブリヂストンと早 稲田大学が産学民連携で進める研究プロジェクト
※4 Key Performance Indicator:重要業績評価指標
1
ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
活動ハイライト
環境報告書 2013 の位置付け
自然と共生する
11-14
資源を大切に使う
15 -18
CO 2 を減らす
19 -22
環境マネジメント
23 -26
環境に関する情報開示一覧
27-28
ブリヂストングル ープへ の
影響
ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
2
トップコミットメント
トップコミットメント
2050 年を見据えた
「 環 境 長 期 目 標 」の 達 成 に 向 け 、
「生物 多様 性ノーネットロス」については、生物 多様 性 へ の
循環させる技 術や 仕組みつくり、再生可能 資 源の拡 充・多様
「影響の最小化」と「貢献の最大化」という 2 つの側面で活動を
化など包括的な施 策に戦略的に取り組んでいます。2012 年
推進しています。影響の最小化については、大気や水域への排
は、持続可能な原材料で構成した「100%サステナブルマテリ
出管理など環境影響を低減する取り組みが、自然共生の側面
アルコンセプトタイヤ」をパリモーターショー 2012 に参考出
からも重要であることをグループ内に周知することで、現場の
品するなど、さまざまな技術開発の成果を挙げています。
従業員一人ひとりが高い意識を持って活動しています。貢献の
最大化については、タイヤの原材料として欠かせない天然ゴム
の生産性を向上させると同時に生態系保全にも貢献するため
着 実 に 活 動 を 進 めて いきます
株 式会 社ブリヂストン
代 表取 締役 CEO
低 炭 素社 会の実 現に向けた活 動を
着実に進めています
の農園支 援や、当社グループの 各事 業 所において地 域 社 会と
2050 年に地球上の温室効果ガスを半減、というグローバ
協調して行っている生態系保全などの活動があります。
ル目標に対し、グローバ ルに事 業 展 開する当 社グル ープとし
「100%サステナブルマテリアル 化」については、限りある
ても先 進 国、新 興 国を含めたグル ープ全 体 で、CO 2 排 出 量 削
資源を有効かつ持続的に活用していくことが重要であると考
減に貢 献していきます。タイヤのライフサイクルにおける CO 2
えています。その認 識のもと、原材料使 用量の削減、資 源を 排出量の割合が最も大きいのは製品使用時であり、全体の
ブリヂストングループ 環境長期目標
世界最 大のタイヤ会 社・ゴム会 社として、
「事 業と環 境の両立」を実 践
2012 年 6月、ブラジルのリオデジャネイロにおいて、国連持
環 境 長 期目標 の中で 最 終 的なゴールとしているのは、当社
約 9 割を占めていま す。当 社グル ープ で は、モ ノづ くりで の
です。
当社グループは、
サプライチェーンの上流の原材料内製拠
CO 2 排 出 量 削 減 だ け で なく、お 客 様 が 使 用してい る際 の タ
点から下流の小売チャネル・サービス拠点網までを保有し(縦
イヤの 転 がり抵 抗 を 減らすことによる CO 2 排出量削減へ の
の広がり)
、
グローバルに研究開発拠点、
生産拠点、
販売拠点を
貢 献も重 要 だと考えていま す。この 考 えをもとに、2050 年
保 有して い ま す(横 の 広 がり)。当 社グル ープの 強 みで あ る、
※4
続可能な開発会議(リオ+20)が開催され、持続可能な発展と
グル ープの 事 業と商品ライフサイクル 全 体 で、地 球の自浄能
にお けるあ る べき 姿からバックキャスティング
し、2020
「縦と横の広がり」
を深化させ、
「技術イノベーション」
と
「ビジネ
いう世界共通の目標のために、グリーンエコノミー、つまり経済
力や扶養 力とバランスし、持続 可能な社会の実現に貢献する
年 の 中 期 目 標 を 策 定して おり、グル ープ 横 断 的に 組 織した
スモデルイノベーション」
を推進し、
革新的な技術や商品・サー
と環境を両立させていくことの必要性が確認されました。
事 業 運 営を可能とすることです。そ のために取り組むべきこ
「カーボンマネジメント体制」を活用した CO2 排出量削減に取
2012 年は、ブリヂストングループにおいても、2050 年を
ととして、
「 生物多様 性ノーネットロス ※1」
「 100%サステナブ
り組 んでいます。2012 年 の 実 績としては、2005 年対比、モ
見据えた環境長期目標の達成に向かって進んでいきます。
見据えた「環境長 期目標」を策定し、目標達 成に向け具体的な
ルマテリアル ※2 化」
「 温 室 効 果 ガス 排 出削 減に関するグ ロー
ノづくりで売上高あたり約18%削減、タイヤの転がり抵抗は
活 動 を 具 体 的 に 進 め るため に、環 境 長 期 目 標 からバック
約 7%低減し、着実に成果を挙げています。
キャスティングした 2020 年 の中期目標を、中期経営計画に
※4 将来のあるべき社会の姿を想 定し、そこから現在を振り返ることで、目標
落とし込 み、毎 年見 直しをか け な がら、進 捗 を 管 理してい き
達 成のために必要となる行動を考え実施する手法。
ま す。すでに CO 2 排 出 量 削 減に関する取り組みは、この 仕 組
※3
取り組みを進めていくための節目の年でした。策定にあたって
バル目標
は、国連環境計画(UNEP)が提唱する、経済成長と環境影響を
つの目標を掲げています。
への貢献 (CO 2 排出量 50%以 上削減 )」という 3
切り離す、
「デカップリング」(P5-6 参照 ) という考え方を基盤
※1 ノーネットロスとは、事業活動が与える生物多様 性への影 響を最小化しなが
に置いています。当社グル ープの 事 業は、現 在、売 上高の 8 割
ら、生物多様性の復元などの貢献活動を行うことによって、生態系全体での損失を
以上がタイヤをはじめとする自動車関連商品・サービスです。
相殺するという考え方です。
※2 当社グループは、
「化石資源などのように、消費を続けるといずれ枯渇すること
世界の自動車保有台 数の増加が見込まれる中、世界最 大のタ
が予想される資源以外のもの」
をサステナブルマテリアルと位置付けています。
イヤ会 社・ゴム会 社として、事 業 の成 長を目指しながら、環境
2008 年7月に行われたG8 北海道 洞爺湖サミットにおいて、
2050
※3 現段階では、
影 響を現在よりも減らしていくという考えのもと、
「事業と環
境の両立」に向けたさまざまな活動に着手しています。
3
2050 年を見 据えた環 境 長 期目標と
それを実 現するための中期目標
ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
年までに世界全体の温室効果ガス排出量を少なくとも 50%削減すると G8 が合
技 術イノベーションと
ビジネスモデルイノベーションで
環 境においても「断トツ」を目指します
ビスを生み出すことで、事業と環境の両立を図り、2050 年を
みで成 果を出しており、その 他の目標についても同様に進め
ていきます。また、このような目標と活動実績を積極的に開示
し、社 外 の 方 からご 意 見を い た だくことで、さらなる改 善 を
図ってまいります。一人ひとりを支える企業として、ブリヂスト
意し、同年にエネルギー安全保障と気候 変動に関する主要経済国会 合 ( 先進国+
2050 年を見据えた環境長期目標は、現状の活動の延長線
ングループ 14 万人で「断トツ」の環境活動を実践し、持続可能
中国、インドなどの新興国 ) で共有された目標をグローバル目標としています。
上で達成できるものではなく、
新たな視点での取り組みが必要
な社会の実現を目指します。
ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
4
環境長期目標
環 境 長 期目 標
2050 年を見据えて、具体的な目標を設 定し、
グループ全体で活動を進めています
持 続 可能 な 社 会 の 実 現を目指し、2050 年 を 見 据 え た 環 境 長 期目標と環 境 長 期目標 を 達 成 するため の 中 期目標 や取り組
2050 年の世界
み 姿 勢を 策 定しています。人 口 増 加 や ライフスタイル の 高 度化 に伴う需 要 の 拡 大、資 源 消 費 の 限 界や 気候 変 動という大 きな
問 題 に 直 面 する可 能 性 が 指 摘 さ れて い る中、ブリヂ ストングル ープ は、世 界 最 大 の タイヤ 会 社・ゴム 会 社として、一人ひとり
の もつ 様 々 な ニーズ に 応 えな がらも、地 球の自浄 能 力・扶 養 力と バランスした事 業 運 営に 取り組 み、持 続 可能 な 社 会 の 実 現
に貢 献します。
2012 年活動ハイライト
主要な活動
P.11-14
生物 多様 性へ の 影 響 の 低 減
天 然ゴムの 生 産 性 向 上に関 する 研 究 、支 援
● 地域の生態系保全活動の推進
● 生 産 拠 点にお ける環 境 影 響 の 最 小化 の
活 動 推 進
●
生物 多様 性へ の貢 献の 拡 大
2050 年以降 長期目標
生物多様性ノーネットロス ※1
(貢 献 量>影 響)
※1 ノー ネット ロ スとは、事 業 活 動 が 与える 生 物 多 様 性 へ の 影 響
を 最 小 化しな がら、生 物 多 様 性 の 復 元 等 の 貢 献 活 動 を 行 うことに
天 然ゴムの 生 産 性向上
支援
よって、生 態 系 全 体 で の 損 失を 相 殺 するという考 え 方 で す。
野 生 生物の 生 息 地 保 全
活動
持 続 可 能 な
社 会 の 実 現
2012 年活動ハイライト
主要な活動
P.15-18
資源生産性(売上高 / 原材料使用量)の
10 0 %サステナブルマテリアルコン セプト
タイヤの 発 表
● ウォー ターマネジメント の 活 動 推 進
●
継続的な向上
天 然ゴム 資 源の 拡 充・
多様 化を図るグ アユール
資 源 生 産 性の向上に
寄 与するリトレッドタイヤ
2050 年以降 長期目標
100%サステナブルマテリアル 化 ※2
ブリヂストングループ
環境宣言
※2 当 社 グル ープ は、
「 化 石 資 源 な ど の ように、消 費 を 続 ける と い
資源の循環利用や再生可能資源の利用拡大に
ず れ 枯 渇 すること が 予 想 さ れる資 源 以 外 の も の」を サス テ ナブル
寄与する技術やビジネスモデルの開発
マテリアルと位 置付けています。
モノづくりの過程における水使用量の
未 来 の すべ ての
子ど もたちが
『 安 心 』して
削減や循環利用の拡大
暮らして いく
ために…
2012 年活動ハイライト
2020 年目標
P.19-22
モノづくりにおける CO 2 排出量 35%削減
モノづくりにおける CO 2 排出量:17.9% 削 減
( 2 0 0 5 年 対 比 、売 上 高 当 たり)
● タイヤの 転 がり抵 抗 : 7. 0 % 低 減
( 2 0 0 5 年 対 比 )
●
(2005 年対比、売上高当たり)
タイヤの転がり抵抗を 25%低減しモノづくりで
排出される以上の CO 2 削減に貢献
事 業 所における
自然エネルギー の 活用
低 燃 費タイヤの
開 発と販 売
(2005 年対比)
2050 年以降 長期目標
P.2
グローバル目標 ※3 への貢献
(CO 2 排出量 50% 以 上削減)
※3 現 段 階では、2008 年 7 月に行われた G8 北 海 道 洞爺 湖サミット
において、2050 年までに世界全体の温室効果ガス排出量を少なくと
も 50%削減すると G8 が合意し、同年にエネルギー安全保障と気候変
動に関する主要経済国会 合 ( 先進国+中国、インドなどの新興国 ) で共
有された目標をグローバル目標としています。
人口:90 億人
持続可能な社会を目指すためには「デカップリング」が重要
(2011年:70 億人)※4
自動車保有台数:23 億台
2 つの“ デカップリング ”
「環境長 期目標」の策定にあたっては、
「 デカッ
プリング」の考え方を基盤としています。世界
地球の人口
の人口増 加と新興国の 経 済 発 展により、世界
世界の経済活動(GDP)
何もしない場合の
資源消費と環境影響
資源消費
地球の自浄能力・
扶養力を超過
資源消費を抑えつつ経済成長
(デカップリング)
全体の自動車保有台 数が増加していくことが
予 測 さ れて いま す。そ の 結 果、必 然 的 に 資 源
消 費 が増 大し、環 境 負荷 が増えていくと考え
られますが、やが ては地 球の自浄能 力・扶 養
力を 超 えてしまい、地 球 温暖 化や 資 源枯 渇に
(2010 年:9 億台)※5
CO2 排出量:570 億トン
(2008 年:280億トン)※6
※4 出典:OECD 環境アウトルック 2050 (OECD、2012) 。
※5 出典:自動車部門における CO 2 排出削減 効果 (( 財 ) 日本
エネルギー経 済 研究 所、2010)。
※6 出 典:Energy Technology Perspectives 2010( I E A、 2010)、RITE 世 界 の CO 2・GHG 排 出 見 通し 2011に
ついて (RITE、2011)。
直 面する可能 性 があります。持 続 可能 な 社 会
環境影響を減らしつつ経済成長
(デカップリング)
時間軸
5
ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
源 消 費・環 境 負 荷 増 大 を 容 認 する ので は な
く、両 者 を「切 り 離 す」必 要 が あ りま す。こ の
環境影響
出 典:UNEP(国 連 環 境 計 画)を 参 考にブリヂストンが 作成
を目指 すには、人口増 加・経 済 発 展に伴う資
「切り離し」を指して、UNEP( 国 連 環 境 計 画)
は「デカップリング」と呼んでいます。
ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
6
特集
特集
ブリヂストンが考える持続可能な社会
Interview
ブリヂ ストン が 考 える 持 続 可 能 な 社 会
“ 事 業と環 境の両立 ”をカタチにした
量 産できる資 源循環 技 術の
「100%サステナブルマテリアル
開発を目指す
コンセプトタイヤ」
100%
サステナブルマテリアル
コンセプトタイヤ
2012 年 9 月、ブリヂストンはパリモーターショーにおいて、
持 続 可能な原材料だけで作られたタイヤ「100% サステナブルマテリアルコンセプトタイヤ」を発 表しました。
石田 では、具体的に今回のタイヤがどのように資源循環
林 ブリヂ ストン で は、従 来 から「環 境 宣 言」の 中 で、持 続
を具現化しているのか、教えてください。
可能な社 会の実現をめざし、
「 自然と共生する」
「資 源を大
切に使う」
「CO 2 を 減らす」という 3 つの 環 境 活動の方向
小 澤 世 界 の自 動 車 保 有台 数 は、2050 年 に 向 け 現 在 の
性を掲げ てきました。そして、2012 年 4 月には、これらを
およそ 2 倍 の 20 億 台以 上 ※2 に増えていくとされており、
具 現 化していくために、2050 年 を見 据えた「環 境 長 期目
タイヤを作るためには、どうしてもリサイクル=資源循環を
標」を 定めました。このうち、
「 資 源を 大 切に使う」のゴール
実 現しな け れ ば なりません。一方 で、タイヤは半 分 程 度 が
※1
」の 達 成
高分子の有機 物でできているという製品特性上、これまで
に向けて、当 社 が 考えるアプ ローチを目に見 える形にした
完 全なリサイクルが 難しいとされてきました。なぜ なら、リ
ものが今回のコンセプトタイヤです。
サイクルする と い うプ ロ セ ス に お いて は、高 分 子 の 鎖 を
としてい る「100% サステ ナブルマテリアル 化
切った上で、またつなぐということが必要になり、そのため
環 境 長 期目標の 3 つの柱のひとつ、
「 資 源循環」の取り組みに対しての
小 澤 私 た ち が 考 える「サ ス テ ナ ブ ル マ テリアル」と は、
1つの答えといえる、このコンセプトタイヤとその背景にある考え方について、
東 北 大学大学院の石田秀 輝 教 授と、
ブリヂストンの 従 業 員が 対 談しました。
ナビゲーター
石田 秀輝 氏
東 北 大学大学院
環 境 科 学 研究 科 教 授
には、熱や圧 力など多量のエネルギーを使 用することにな
(1)継 続 供 給 が 可能 な資 源 から 得られる、
( 2)事 業として
るからで す。こう考 え たときに、太 陽 の 光 のエ ネル ギ ーを
長 期的に成 立する、
( 3)ライフサイクル 全 体 で 環 境 負荷 が
効 率 的に使って、有 機 物 を 合 成してい る 植 物 の 力を 使う、
極 力 小さい、の 3 つ の 条 件を 満 たした 原材料であり、そ の
つまり植物の 光 合成というプロセスを上手に取り込めば、
考えに沿った製 品づくりが「100% サステナブルマテリア
より大きな 意 味 で の 資 源 循 環 が 理 論 的には可能になりま
ル 化」になります。ですから、今 回 発 表したコンセプトタイ
す。た だ、タイヤの 需 要が 拡 大していく中で、単に植 物を 使
ヤは、単に「新型タイヤができました」ということではなく、
うだけでは、将 来 の天 然ゴムの 供給不足を加速することに
「2050 年を見据えた環 境 長 期目標 からバックキャストし
なり、事 業 面・供 給 面 も 含 めた 持 続 可 能 性 の 観 点 から は
た 資 源循環に対 するまったく新しい 考え方、そして持 続 可
十 分で は ありません。このことから、天 然ゴムの 供 給 源を
能 な 社 会をつくるための 新しい 事 業 のあり方を提 示した」
多様 化、拡 充 する技 術 開発にも取り組み 始めました。
大きな意味合いを持つものとなります。
今回のコンセプトタイヤは、天然ゴムの供給源としては現
在、事 実 上唯一 のものであるパラゴムノキに代わる新 資 源
ブリヂストン 環 境 戦 略企画部
環 境 戦 略企画ユニット
林 暁子
として「グアユール」という植物を活用しています。
「グアユー
チャレンジング ですが、事 業と環 境を両 立するという意 味
ル」は、アメリカやメキシコなどの乾燥地帯が原産の低木で、
合いがそこに含まれているとなると、相当な度 胸がいるこ
その幹に天然ゴムを含んでいます。これに加え、ゴムの強 度
とです。技 術開発はいつ頃から取り組み始めたのですか?
を高めるために必要なカーボンブラックの原料として植物
資 源を使いこなす技 術や、合成ゴムの主要原料をバイオエ
ブリヂストン タイヤ材料 研究開発 第 1 本部
兼 中央 研究 所 フェロー(部 長)
小澤 洋一
石 田 2050 年という長 期 の目標 設 定をすること自体 が
小澤 資 源 循 環に関 する 技 術 の 模 索 は 古くから 行ってき
タノールから得 る技 術などを活用しています。また、タイヤ
ました が、現 在の 動きにつながる予 備 調 査は10 年 ほど 前
の強 度を保つために必要な「補強繊 維」には、独自に開発し
にスタートしています。背景には、原材料コストの高騰や供
た新しいセルロース(天然資源)繊維を使用しました。
給の不安定化、あるいはそれにつながりうる構造的変化が
バックキャスト の思 想 から生まれ た、
とんでもなく素 晴らしい
チャレンジ で す ね
見え始めたことがありました。また、タイヤに使 用している
石 田 光 合 成 を 活 用するという考え 方 はとても面 白いで
石 油 由 来 の 合成ゴムと天 然ゴムの互 換 性を高めるだけで
すね。これまでのタイヤが石油という地下資源に頼ったもの
は、現在主 力の天 然ゴム資源であるパラゴムノキの農園拡
とすれば、今回発表された新しいタイヤは地上資源で作る、
大 が 前 提となり、パラゴムノキ栽 培 の 9 割以 上を占める東
言ってみれば、太 陽が 育んだタイヤ。これはもう、従 来 の タ
南アジアへの一極 集中につながります。生物多様 性保全の
イヤの概念を超えたものですね。
観 点や 供 給 安 定化 のために、生 産 地 域 の 一 極 集 中 を 緩 和
この タイヤは、私 たちの思いや
決 意 を 皆 さんにお 伝 えする
する可能 性を 探り、多様 化 を 図りたいという意 識 が、現 在
の取り組みにつながっています。
シン ボ ルな んで す
※1 サス テ ナブルマテリアルとは、
「 化 石 資 源 な どの ように、消 費 を 続 けるとい
ずれ枯 渇することが 予 想される資 源 以 外 の もの」と位 置付けています。
※2 出 典;自 動 車 部 門 に お ける CO 2 排 出 削 減 効 果((財)日 本 エ ネ ル ギ ー 経 済
研 究 所、2010)
7
パリモーターショー
での 発 表
※所属と肩書きは、対 談時点(2012 年 11月)のものです。
ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
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特集
小澤 これが実現できたのは、当社グループが、川上の原材
料 製 造から川下の販 売まで、垂直 統合型の組 織をもってい
非空気入りタイヤ
(エアフリーコンセプト)
ブリヂストンが考える持続可能な社会
れのミッションを見事に果 たしました。加えて、今回のプロ
考えていきたいと思います。当社にはそういう責任がある
ジェクトは、環 境・技 術・広 報など異 なる業 務を担 当する
と考えています。
たからだと思います。タイヤというのは、想像 以 上に多種多
スタッフが力を合わせ成し遂げたもので、海外のスタッフを
様 な 部 材 で 作られています。そ の 多くについて、当 社 が 将
含め、グローバルで多くの従業員が携わっています。
石 田 そうですね、ぜ ひ そういうことを対外 的にも発 信し
ていっていただけると、世の中はワクワクすると思います。
来を見 据 えて以 前から地 道に 取り組 んで きた 技 術 開 発 の
集大成として作り上げたのが、今回発表したコンセプトタイ
石 田 ブリヂ ストンの DNA としてそういった チャレンジ
ヤです。今 後、技 術を実 用化していくためには、たとえばグ
精神があるというのは大 変素晴らしいことですね。
今後のチャレンジが楽しみです。
アユールなら一 般 農 家の方々に 栽 培してもらえるよう、農
業という事 業として成立するところまで生 産性を高めるた
石田 何らか の 定 量 的 なも のさしを 作って、こうした 取り
林 事 業と環 境の両 立を目指していく中で、当社 が 考える
めの育 種改 良に力を入れなければなりませんし、これまで
組 み の 進 捗 や 達 成 度 が見 えるように な ると、消 費 者 にも
環 境 活動、持 続 可能な資 源というものをお客さまと一 緒に
同様にサプライヤーの方々との緊密な協力関係も欠かせま
ブリヂ ストンの 取り組 みが 理 解しやすくなりま す ね。タイ
せん。その意味では、今後ますますパートナーの方々との一
ヤ事 業 の 環 境へ の負荷や貢 献 度をきちんと測ることが で
体的な取り組み強化が必要になってくると考えています。
きれば、これまでとは違う新しい評 価 軸が できるかもしれ
ません。
小澤 サステナブルマテリアルを 考えるときに、環 境 側 面
だけで なく、新しい 資 源・素 材産 業 分 野 の 発 展など、社 会
的、経 済 的 側 面 を 考 えることも 重 要 で あ ると 思って い ま
す。現 状、日 本 で は、乗 用 車 用 タイヤ は、業 界 自主 基 準 とし
グアユール
「100%サステナブルマテリアル化」を見据えて
サステナブルというあり方は、
「 地 球のことを考えたモノづくり」
「 人のことを考えたモ
ノづくり」のたった 2 つ の 要 素からできています。環 境の話になると、忘れられてしまい
が ちですが、企 業 の 存 在 価 値は人を豊 かにすることに尽きます。製 品は 地 球のために作
るのではなく、人のために作るのです。今回ブリヂストンが 打ち出した「100% サステナ
ナビゲーター
ブルマテリアル 化」という目標は、従 来 の商品としての 機能を維 持し人のニーズに応 える
て、燃 費性能とウェットグリップ性能(濡れた路面での止ま
石田 秀 輝 氏
一方 で、資 源の 持 続 性という循環 型社 会づくりにも貢 献する稀有 な事例です。2050 年
東 北 大 学 大 学 院 環 境 科 学 研 究 科 教 授
りやすさ)で評 価されていますが、理 想としては、性 能のみ
に向けて、この発 想で環 境 戦略を推し進めていただきたいと思います。
な らず、環 境 や 社 会 へ の 貢 献 度 を 含 め た " サ ス テ ナ ビ リ
ティ指 標 " のような形で社 会に情 報 発 信ができると良いの
石 田 今 後 の タイヤ づくりに お いて、
「 再 生可 能 資 源 の 拡
インタビューを終えて
かもしれません。
1953 年生まれ。
( 株)IN A X(現 L I X IL)を 経て 20 0 4 年 より現 職。モノづくりのパラダイムシフトに向けて国 内
外で 多くの 発 信 を 続 けて い る。20 0 4 年からは、自 然 のすご さを 賢く活 かす 新しい モノづくり「ネ イチャー・テ
クノロジー」を提 唱。また、社 会 人の 環 境 人材 育成や、子どもたちの 環 境 教 育にも 積 極 的に 取り組 んでい る。
充・多様 化」以 外 の取り組みはどのように推 進していきま
すか。
石田 先ほど出てきたグアユールが自生しているのは熱帯
雨林でなく、北米大陸南部から中米にかけての新興地 域と
林 「原材料 の 使 用量 削 減」と「資 源の 循 環・効 率 的 活 用」
のことで すが、グ アユール の 生 産 が 事 業 化 さ れて、雇 用も
の 2 つの 側面からの取り組みを推 進していきます。原材料
生み出せるということになれば、素晴らしいですね。
チャレンジしたくなるのがブリヂストンです
2050 年に向けて、
使 用量を減らす取り組みの代 表 例としては、ハーフウェイト
タイヤが あります。タイヤ 性 能をこれまでと同 等以 上に確
目標が 高いほど、
DNA としてのチャレンジ精神
もっと世の中をワクワクさせてください
保しつつ、原材料 の 使 用量を半 分程 度にまで 減らすべく技
術 開 発 を 行って いま す。また、
「 ランフラットテクノロジー
石田 このような 取り組みを推 進していくことは大 変な努
採 用タイヤ」は、パ ンクしても 一定 の 距 離 を 所 定 の 速 度 で
力がいることだと思いますが、どのように進 めているので
安 全に走行できるため、スペアタイヤが不 要になります。そ
すか。
の 分 の 資 源を削減 できますし、スペアタイヤの重 量 分だけ
9
車両が軽量化し、燃費向上にも貢献します。
小澤 ブリヂストンという会社は、昔からチャレンジ精神が
資 源の 効 率 的 活用という観 点 からは、摩 耗したタイヤの
旺 盛なんです。特に目標が 高ければ 高いほど燃える体質が
トレッド(接地面)を削り取り、新しいトレッドを貼り直すこ
あります。1940 年代 の 合成ゴムの 製 造 研 究、1960 年代
とで、再び使 用できるようにする「リトレッドタイヤ」が挙げ
の 初の国 産 合成ゴム技 術 の 確 立、ス パイクタイヤによる粉
られます。現在は、トラック・バス用タイヤや航 空機用タイ
じん問題をうけてのスタッドレスタイヤの開 発、F1参 戦 時
ヤ等でリトレッド事業を展開しています。
など、常に挑戦を繰り返して課題を乗り越えてきました。今
また、非空 気入りタイヤ(エアフリーコンセプト)は、空 気
回のコンセプトタイヤの 具 現 化は、経 験 が浅くチャレンジ
の代わりに特殊なスポークを張り巡らせた新たなタイヤ環
精 神 旺 盛 な 若いメンバーと、経 験を積 んだメンバーとを交
境 技 術です。空 気によって形 状を保っているわけではない
えたチーム組みが機能した良い例です。
「 100%」を謳うと
のでパンクの心 配が ないだけでなく、スポークに再生利 用
いうことは、1%も欠けてはいけないということ。各 部 材に
可能 な 樹脂を使うことで、リサイクルが 可能になっており、
おける個々の研究開発が結果を出すことを問われるのです
早期実用化を目指しています。
から、各チームの責任は重 大です。今回、各チームがそれぞ
ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
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活動ハイライト
自然と共生する
ブリヂストングループの事業活動と生物多様性の関連性
自然と共生する
「生 物 多様 性 ノーネットロス」という環 境 長 期目標 に向 け、事 業 活 動と 生 物 多様 性 の 関 わりの
定 量 的 な 把 握 を 進 めて い ま す。生 物 多 様 性 に 関 する「影 響 の 最 小 化」と「貢 献 の 最 大 化」の 活 動
ブリヂストングループは、持 続 可能な社 会の実 現を目指し、
「 自然と共 生する」活 動においては、
を 進 め ると同 時 に、2 011 年 より製 品ライフ サイクル に お ける生 態 系 へ の 影 響 調 査 を 開 始して
2010 年に COP10(生物 多様 性 条 約第 10 回締 結国会 議)で採 択された「愛 知目標」のビジョンに則り、
います。
2050 年を見 据えた環 境 長 期目標として「生物 多様 性ノーネットロス」を掲げています。
ブリヂストングループの事業活動と
生物多様性の関係性
事 業 活 動と生物 多様 性の関係 性を把 握し、
優 先して取り組むべき領 域を特定した上で、活 動を進めていきます。
エネルギー資源
エネルギー資源
石 油、ガス、石 炭 など
石 油、ガス、石 炭 など
石油資源
貢献
大 気、水 域へ の 排 出
● CO 2 排 出
●
●
合 成ゴム、カーボンブラック
目 標
影響
鉱物資源
工場緑地の質向上
地 域 の 生 態 系保 全
● 教 育・研 究 活 動
●
亜 鉛、鉄、シリカなど
バイオ資源
環境長期目標
生 産
エ ネルギー資源
天 然ゴム
生物多様性ノーネットロス
(貢献量>影響)
石 油、ガス、石 炭 など
水資源
影響
影響
原材料調達
生 息 地の喪 失
大 気、水 域への 排出
● CO 2 排出
●
考え方
輸送・販 売
●
●
大 気、水 域への 排出
CO 2 排出
●
貢献
教育
活動
植樹
大気
CO 2
排出
貢献
エ ネルギー資源
● 天 然ゴムの 生 産 性向上
支 援
● 再生可能資源の拡充・多様化
● お取引先様 への環 境配 慮
要請
ガソリン、軽 油 など
リサイクル
・
廃棄
貢献
使用(走行)
影響
● お客 様の自動車
使 用時の CO 2 削減
(低 燃 費タイヤなど)
エネルギー資源
森林
整備
生態系
保全
研究
排水
土地利用
影響
土地
改変
●
●
地域社会
と の 関 わり
大 気、水 域への 排出
CO 2 排出
貢献
※ノーネットロスとは、事 業 活 動が 与える生物 多様 性 へ の 影 響 を 最小化しながら、生物 多様 性の 復 元 等 の貢 献 活 動を行
●
3 R による廃 棄 低 減
うことによって、生 態 系 全 体での 損 失を相殺 するという考え方 です。
影響
●
建 設 時の土 地改 変
貢献
●
●
地 域の 生 態 系保 全 活動
教 育・研究 活動
貢献
生物多様性ノーネットロスの考え方
※企 業と生物 多様 性イニシアティブ(JBIB)の
● 生 息 地としての工場
緑 地
「企 業と生物 多様 性の関 係 性マップ ®」を 参 考に作成しました。
ブリヂストングル ープは「自然と共 生する」持 続 可能 な 社 会を実現するために、生物 多様
性に関する取り組み 姿 勢 のもと、長 期目標として自然 生 態 系 へ の「ノーネットロス」を掲げ
Column
ています。
「 ノーネットロス」とは、生物 多様 性 へ の 影 響を 最小化しながら、その 後に残る影
響 を 他 の 生物 多様 性の 復 元 等 を行う貢 献 活 動によって 補い、生 態 系 全 体 で の 損 失を相 殺
するという考え方 です。ブリヂストングル ープは事 業 活動 全 体 ( 商品・サービス、モノづく
り、社 会貢 献 ) での 生 態 系に及ぼ す影 響を、それを上回る貢 献 量でカバーし、トータルでゼ
ロ以 上にすることをブリヂストングループのノーネットロスと定義し、事 業 活動 全 体で取り
組みを推 進しています。
商品開発における生物多様性保全への配慮
ブリヂストン で は、商 品 開 発 にお いても「自然 共 生に向
「CSR 調 達 ガイドライン」では、お取引先様と一 緒に進
けた取り組み」の評 価区 分を設 定し、生物 多様 性の 保 全に
めてきた化 学 物 質の管 理や排水・汚 泥・排 気 などの 環 境
寄 与する商品 開 発に 取り組 んで います。具体 的には、鉛フ
へ の 影 響 の 最小化、温 室 効 果 ガスの 削 減 などの施 策に加
リー 化を始めとする環 境 負荷 物 質の 低 減・廃 止や製 造プ
え、お取引先様 の 製 品のライフサイクル 全 般にわたっての
ロセ スにお ける
生物 多様 性 へ の 配 慮もお願いしています。さらに、ブリヂ
VOC(揮 発 性 有 機
「B・フォレスト エコピ アの 森 横 浜 in 道 志」の風 景
化 合 物)使 用 量 の
低 減 などを 進 めて
高減衰ゴム(天 然ゴム + 合成ゴム)
鋼板
被覆ゴム
います。
ストン独自の 化 学 物 質リストを附則として追 加し、有 害 物
質 が 当 社 調 達 品 に 混 入しな い よう、お 取 引 先 様と一 体 と
なった 化 学 物 質 管 理 体 制 の 強 化 を 進 めて い ま す。本 ガイ
ドラインは、日本 語 版に加えて 英 語 版も発 行し、海 外 のお
鉛フリー化 免震用積層ゴム
11 ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
調達における生物多様性への配慮
取引先様にも配慮をお願いしています。
ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
12
活動ハイライト
自然と共生する
活動事例
パラゴムノキ 病害診 断技 術の開 発による
生 産 性低下の 抑 制
原材料調達時の
取り組み
ブリヂストン/NEDO
生産拠点および
周辺での取り組み
日本 / インドネシア
新工場 建 設 地における
生 態 系 復 元 活動
BSAM
アメリカ
生産拠点における
環境負荷の最小化に向けた
活動推進
タイヤの需要増加が見込まれる中、タイヤの原材料として欠かせない天然ゴムの生産量を減らさな
米国で 2014 年に操 業開始 予定の建 設・鉱山車 両
い取り組みが、生物多様性保全の観点からも重要です。主力の天然ゴム資源である「パラゴムノキ」に
用 大 型・超 大 型 ラジ アル タイヤ の 生 産 拠 点とな る、
関しては、現在、インドネシアで根白腐病 ※1 の拡大が深刻化しており、被害を軽減するためには病気の
エイケン工場では、新工場 建 設にあたり、敷地内に在
世界各国、全ての生 産拠 点において、大 気・水 域へ
診断が的確に行われる必要があります。ブリヂストンは、2012 年、NEDO 研究協力事 業 ※2 の成果に
来種 の 植 物 を 植 樹し、生 態 系 の 復 元 に 取り 組 んで
の環境負荷の最小化をめざし、ISO14001の環境マ
より、科学的根拠に基づく「パラゴムノキ」の病害診断の基盤となる技術を確立しました。今後、インド
い ま す。米国南部では、過去150 年間に、様々な生物
ネジメントシステムを基にした当社グループ独自のシ
ネシアや日本国内の大学との連携を強化し、開発を推進するとともに、技術の普及を進めていきます。
にとって 重 要 な 植 物 で あ る ロ ン グ リ ーフパイン の
ステムを導入しています。グローバルに様々な事業を
※1 糸 状 菌 の 一種 であ るパラゴムノキ 根 白 腐 病 菌 (Rigidoporus microporus, ネッタイス ルメタ
生 態 系 が、人 為 的 な 要 因 に より失 わ れてき ました。
展開する中で現地主導で環境保全活動を推進してお
Bridgestone Americas,inc.(BSAM)は、野 生 生 物
り、今 後 も 従 業 員へ の 教 育体 系 の 整 備、活 動 を 定 量
生 息 地 審 議 会(Wildlife Habitat Council)からの 情
化するためのツールを展開することで、更なる環境保
報 提 供 を 受 け な がら、3 万本 という大 規 模 な ロング
全 体 制の 統 制を図り、当社グル ープ全 体での 環 境 負
リーフパインを植樹し、この地を今後、従業員と地域住
荷の低減に取り組んでいきます。
ケ ) が引き起こす病 気。根に感 染し腐 敗させることで枯死に至らしめる。感 染 初期の 発 見が困難。現
状では抜 本 的な 対 策 が なく、発 症した場合、罹 病 部位の 切 除、薬 剤 処 理により対処する。
※2 独 立行政 法 人 新エネルギー・産 業 技 術総合 開 発 機構 (NEDO) による提 案 公募 型の 事 業。発 展
途 上国における技 術 開 発 課 題の解決を目的に技 術 要 素 の 共同 研 究を実 施。
健全木 26.8℃
生産
罹病木 28.7℃
グローバル
民の環境 教育の場
輸送・販売
原材料調達
ブリヂストン
として も 活 用して
いく予定です。
健全木
罹病木
葉表面の温度測定による診断
従業員による
ロングリーフパインの
リサイクル
・
廃棄
ソーシャル・
フォレストリー
社 会 林 業( )の 活 動 支 援
BSKP/ W-BRIDGE
使用
(走行)
植樹の様子
インドネシア
2012 年に、インドネシアの南カリマンタンにお いて、早
稲田大学、P.T. Bridgestone Kalimantan Plantation
(BSKP)、Lambung Mangkurat 大 学(森林 学 部)、公 益 財
団 法 人 国 際 緑 化 推 進 センター(JIFPRO)、Tanah Laut 県
林 業 局 の 共 同プ ロジェクトとして、社 会 林 業(ソーシャル・
フォレストリー)による荒廃地への森林造 成の取り組みを開
小規模
土地利用
天 然ゴム 農 家へ の
技 術提 供による生 産 性向上
BSRE
インドネシア
地域社会
との
関わり
地域社会との
取り組み
ケープ・レオパード基金
保全プログラム支援
BSAF
南アフリカ
EU 地区 環 境ワークショッ
プの 集合写 真
W-BRIDGE プロジェクトを
通じた生物多様 性保全 活動
ブリヂストン
日本
ケープ・レ オパード 基 金 は、西 ケープ 地 域 の 固 有
地球環境保全への貢献を目的とした早 稲田大学と
種 で あ る 山 豹 の 保 全 活 動 を 行 って い る 団 体 で 、
の 産 学 民 連 携 プ ロジェクト「W-BRIDGE」で は、
「企
始しました。本プロジェクトは、ブリヂストンと早 稲田大学と
世界 の天 然ゴム生 産の大半は、東 南アジアの小規模 農 家
子 ど も た ち の 環 境 教 育 に も 取 り 組 ん で い ま す。
業や 生 活 者がともに自然と共 生していく方法を考え
の産学民連携の研究プロジェクト「W-BRIDGE」の支援活動
で行われており、ブリヂストングループもそれらの原料をも
Bridgestone South Africa(P ty)Ltd.( BSA F)
る」ことを テ ーマ に、生 物 多 様 性 の 保 全 に つ な が る
として行われています。荒 廃 地において、多目的 樹 種ととも
とにした天然ゴムを多く使用しています。小規模 農家が育て
は同 基 金 へ の支 援を行っているほか、地 域の小 学 校
様々な研究を支援しています。具体的には、大学の研
に パラゴ ム ノキ を 併 せ て 植 林 することで、コミュニティに
る天 然ゴムは生 産 性 が 低く、品 質や産 出 量にばらつきが あ
を 対 象に行う環 境 活 動 にも協 力しています。2013
究者、民間団 体と連 携したゴム 農園周辺の 生物 多様
とって経済的に価値の高い森林(社会林)となり、長期的に地
り、安定した採 取 量が維持できないという課題があります。
年には、レオパード・カレンダー・コンペティション
性保 全に関する研究・教 育活動、地 域の 生 態 系 の 再
域のコミュニティによる森林 管 理 が 持 続されることが 期待
イ ンド ネ シ ア で ゴ ム 農 園 を 運 営 す る P.T.Bridgestone
を 企 画しています。地 元 の 小 学 生 から西 ケープ地 域
生プロジェクトを通じた自然 再生や 地 域再生のモデ
されます。本プロジェクトにおいて、BSKP は、技 術支 援、農
Sumatra Rubber Estate(BSRE) では、これらの 小規 模
の動 物の 絵を提 供してもらい、優 秀 作品を 2014 年
ル研究などを実施しています。
業 指 導、5,500 本のパラゴムノキの苗木寄付など多岐にわ
ゴム 農 家に対し、自社 農園で培った生 産 性向上 技 術を提 供
のカレンダーに使 用することで生物多様 性保 全の意
たる協力を行っています。
す る こ とで、農 家 の 品
識向上を図ります。
質向上 支 援を行ってい
ます。
パラゴムノキの植林の様子
13 ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
生産性の高い苗木の提供
ケープ・レオパード基金保全プログラム
W-BRIDGE の機能
ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
14
活動ハイライト
資源を大切に使う
モノづくりにおける実績
資源を大切に使う
生産拠点での廃棄物排出量:0.5%削減(2011年対比)
ブリヂ ストングル ープ は 各 生 産 拠 点 に お いて、生 産 工 程 で の 廃 棄 物 の 削 減 や 品 質 管 理 の 徹
底 に よる 不 良 品 発 生 率 の 低 減 に 努 めて い ま す。ま た、発 生した 廃 棄 物 に つ いて も、可 能 な 限り
ブリヂストングル ープは「資 源を大 切に使う」活 動においては、
社 内 外 にお いてリサイクルする方 針で、取り組 んで いま す。2 012 年 の 廃 棄 物 排 出 量 は 28 8 千
2050 年を見 据えた 環 境 長 期目標として「100 %サステナブルマテリアル 化」を掲げ、
トンと、2 011 年 対比 0.5% 削 減 となりました。今 後 も 引き 続 き、廃 棄 物 発 生 量 の 削 減 に 取り組
「資 源 循 環に関する取り組み 姿 勢」に沿って活 動を進めています。
み、循 環 型 社 会 の 構 築に貢 献していきます。
地 球 上の資 源を有 効に活用し、リデュース、リユース、リサイクルを進めることを前 提としながら、
生産拠点における廃棄物排出量
新たに投 入する資 源は、環 境 面、事 業 面、供 給 面のすべてにおいて、
Column
売上高原単位
(t/ 億円 )
12
廃棄物排出量
( 千t)
320
サステナブルであるべきとの 考え 方 で取り組 んでいます。
300
292
289
280
ブリヂストングル ープ では、産 業 廃 棄 物 の 最 終 処 分
288
10.2
9.6
目 標
ゼロ・エミッション活動の推進
9.5
10
量を継 続 的にゼロとすることを「完 全 ゼ ロ・エミッショ
ン ※」と 定 義して いま す。2005 年 にブリヂ ストンの 本
260
環境長期目標
体 工場で、2010 年 に日本 国 内 の グル ープ会 社と中 国
100%サステナブルマテリアル化
にあるタイヤ 4 工場で「完 全ゼロ・エミッション」を達 成
8
240
し、現在も継続しています。
220
※ すべ ての産 業 廃 棄 物につ いて、品目ごとに再 資 源 化 の 委 託 契 約 の
0
0
2010
考え方
廃棄物発生量 ( 千t)
2011
締結を完 了することを 条 件にしています。
2012
売上高原単位 (t/ 億円 )
100%サステナブルマテリアル化の考え方
A
循環活用されている再生資源
B 新規に投入する再生可能資源
資源
使用量
C
非再生資源(枯渇資源)
アクション
1
BAU (Business as usual):
何もしなかった場合
A
需要の増加によって
資源使用量も増加
地球の
自浄能力・
扶養力ライン
B
2
資源を循環させる&効率よく
活用する
・リトレッド技術、
ソリューションサービス
・非空気入りタイヤ
(100%リサイクル可能な資源)
・再生ゴム
A
C
アクション
3
C
現在
・ハーフウェイトタイヤ
・ランフラットテクノロジー採用タイヤ
(スペアタイヤの削減)
・耐久性向上による長寿命化
ブリヂストングル ープ では、水 資 源の 持 続 可能 な 利 用を 促 進 する取り組み を「ウォー ターマネ
ジメント」と位 置付け、水 資 源の 効 率 的 な 利 用や 排 水 管 理 の 徹 底、活 動 進 捗 の 分析と情 報 開 示な
どを推 進しています。タイヤの 生 産 工 程では、主に 冷 却 水や 蒸 気として、淡 水、海 水を 使 用してお
りま す が、利 用 可 能 な 水 資 源として、特 に 淡 水 の 使 用 量 の 削 減 に優 先 的 に 取り 組 んで い ま す。
アクション
A
B
そもそもの原材料使用量を削減
(資源生産性の向上)
生産拠点での水投入量:6.7%削減(2011年対比)
B
2050年以降
BAUケース
100%サステナブル
マテリアル化
再生可能資源の拡充・多様化
(=非再生資源ゼロを目指す技術)
・天然ゴム生産性向上、多様化技術開発
・天然ゴム以外の植物由来資源技術開発
※ブリヂストングル ープ では、サステナブルマテリア
ルとは、
「 化 石 資 源 な どの ように、消 費を 続 けるとい
ず れ枯 渇することが 予 想さ れる資 源 以 外 の も の」と
位置付けています。
2012 年 の水投 入 量(淡水)は 42,477 千㎥ であり、2011 年対比 6.7% の削減となりました。
生産拠点における水投入量
売上高原単位
( 千 m 3/ 億円 )
水投入量
(千 m 3)
50,000
1.6
1.49
45,000
45,536
1.51
42,771
42,477
1.40
40,000
Column
1.5
1.4
ウォーターマネジメント活動の推進
1.3
「ウォーターマネジメント」の具体的な活動として、ス
1.2
ペ イン や イタリア な ど 欧 州 の 7 カ所 の タイヤ 工 場 で、
35,000
30,000
1.1
クーリングタワーの設置による冷却水の 循環 利用や製
造プ ロセスの 改 善 を 通じて、水使 用 量を 削 減していま
0
0
2010
資源循環に関する取り組み姿勢
ブリヂストングループは持続可能な循環型社会を実現するために、商品やモノづくり全
体を通して、原材料、エネルギー、水資源などの限られた資源を効率的に利用しながら、社
水投入量
(千 m 3)
2011
2012
売上高原単位 ( 千 m 3/ 億円 )
※ グラフの 数値は淡水を対 象としています。
海 水を含んだ水投 入 量は、79,753 千㎥(2010 年)、
86,6 41 千㎥(2011 年)、82,14 5 千㎥(2012 年)です。
主要な活動
使 用 済 み タイヤ の 表 面 を 貼 り 換
えて 再 度 使 用 す る「リトレ ッド タ
イヤ」を生 産する工場 ( バンダグ・
リトレッド・ファクトリー )
1
資源生産性 ( 売上高 / 原材料使用量 ) の継続的な向上を目指します。
2
資 源の 循環 利用や再生可能 資 源の利用拡 大に寄 与する技 術やビジネスモデルの開発
水源別の水投入量(2012 年)
上水道・
工業用水
27%
表流水
(河川、
湖等)
50 %
を推 進します。
3
モノづくりの過程において、水使用量の削減や循環利用の拡大に努めます。
地下水
23 %
15 ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
し、排水の 約 8 割をリサイクルする予定 です。2013 年
から、国内 外 の工場における水使 用状 況 の詳 細 調 査を
本 格的に開始しています。
会が必要とする価 値を提 供してまいります。そのために、3R ( リデュース、リユース、リサ
イクル ) に関する技術革新や資源循環に貢献する商品・サービスの開発、提供に努めます。
す。ま た、東 南 アジ ア(ベトナム、タイ)に 新 設 する 2 つ
のタイヤ工場には、
「 排水クローズド化システム」を導入
北 九 州 工場における水の 循環 利 用システム
ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
16
活動ハイライト
資源を大切に使う
活動事例
そもそもの
原材料使用量を削減
アクション
1
2
ランフラットテクノロジー採用タイヤの
普及によるスペアタイヤの削減
ブリヂストン
資源を循環させる
& 効率よく活用する
アクション
グローバル
パンクなどにより空気圧が失われても、所定のスピード
防 振ゴムの軽 量 化が 評 価され、
「平成 24 年度 資 源 循 環 技 術・
システム表 彰」を受 賞
ブリヂストン
日本
使用済み製品の
リサイクル
リトレッド 技 術を応 用した画 期 的な
トラック・バ ス用タイヤ 製 造 技 術を開 発
ブリヂストン
使 用済みタイヤの
100 %リサイクルに向けた取り組み
日本
ブリヂストンは、
2012年、
資源循環と低燃費を高次元で両
BSAM
アメリカ
で一定距離の走行を可能とするランフラットテクノロジー
ブリヂストンは、乗 用車用の軽 量樹脂 製防 振ゴムにつ
立させるトラック・バス用タイヤ製造技術「TRISAVER(ト
採用タイヤは、安全性の向上に加え、ほとんど使用されず
いて、独自の高精度の解析技術、20 年以上にわたる量産
ラ イセ ー バ ー)」の 開 発 に 成 功 し ま し た。こ の 技 術 は、
Bridgestone A mericas, Inc.( B S A M ) は、
に廃棄されるスペアタイヤをなくすことによる原材量使用
実績により蓄 積されたノウハウを活用し、従 来 品対比 約
2007 年に当社が買収したバンダグ社のリトレッド技術
2012 年 4 月 22 日 の Earth Day に 合 わ せ、BSAM
量の削減に貢献します。さらに、車両の軽量化による燃費
20%と大 幅な 軽 量化に成 功しました。これにより、製品
の応 用で、別 々に加 硫さ れ たケース部分とトレッド 部分
が米国内で販 売 するすべてのタイヤを対 象とし、新品
向上などの効果も見込めます。ブリヂストングループは、
自体の省資源化のみならず、車両の軽量化による燃費性
(路面と接するゴム)を、後から貼り合わせることを特徴と
タイヤ を1 本 販 売 するごとに、使 用 済 みタイヤ を1 本
新車装着用に加え、2011年より市販用のラインアップを
能 の 改 善 に も 貢 献 で きる と 考 えて い ま す。本 活 動 は、
しています。当技術を活用することで、コスト削減や燃費
引き取り、有 効 なリサイクルを実 施 するプ ログラムを
拡充することでランフラットテクノロジー採用タイヤの普
2012 年に「平成 24 年度 資 源循環 技 術・システム表彰」
改善等、様々な価値をお客様に提供していくと同時に、資
開 始 することを 発 表しました。プ ロ グ ラム 開 始 時 点
及をさらに進め、2012 年末時点での累計出荷本数は、グ
の「社団法人産業環境管理協会 会長賞」を受賞しました。
源の 有 効活用や CO2 排出量の削減など環 境面でも貢 献
で、米 国 内に 展 開 する約 2,200 の 直 営 店 で は、す で
することが 可能になるも のと
に 98% の 使 用済みタイヤがリサイクルされていまし
考えています。
たが、プログラム開始後1年間で、リサイクル会社など
ローバルで 約 2,800 万本となりました 。
従来品
ランフラットテクノロジー採用タイヤ
の 外部パートナーと連 携し、直 営店 で回 収したすべて
ラ
ランフラットテクノロジー
採 用タイヤのメカニズム
内圧正常時の
形状
サイド補強ゴム
の 使 用済みタイヤを、建 設・土木資材や 燃料 等として
パンク時の
形状
表彰式 の 様 子
リサイクルすることを 達 成しました。また、プ ログラム
「TRISAVER」の 構 造
では、河川や湖などに投棄された使 用済みタイヤにつ
パンク時の
形状
いて、NPO や 地 域 コミュニティが 実 施 する回 収 活 動
の支 援も積 極的に行っています。活動開始から1年間
で、全 米で 80 以 上の回 収 活 動を支 援し、約 25,000
アクション
3
本の使用済みタイヤを回収、リサイクルしました。
再生可能資源の
拡充・多様化
「100%サステナブルマテリアルコンセプトタイヤ」
を
構成する主な材料
100%サステナブルマテリアルコンセプトタイヤを
パリモーターショーに参 考出品
従来
当プ ログラムの目的 は、使 用 済みタイヤの廃 棄
天然ゴム
日本
ブ リ ヂ ストン は、持 続 可 能 な 社 会 の 実 現 に 向 け た タイヤ の 将 来 の 形 として、
「100%サステナブルマテリアルコンセプトタイヤ」をパリモーターショー 2012 に
レーヨン
天然ゴム+
新しい
再生可能
資源に
拡げる
グアユール
乾燥地域で育つ
グアユールで
生産地域多様化
レーヨン +
汎用パルプ
からも
生産可能で
収量大幅増加
アル 化」を達 成 するための当社の高い 材料 技 術の 結晶で、持 続 可能 な原材料で構成
です。シンプルな目的ですが、非常に高度な目標で
て 暮らしていくためには、失 敗 を 恐れず 進 めてい
かなけ れば ならない 取り組みだと考えています。
提 携 先 や、地 域 社 会、研 究 機 関、政 府 機 関、並び に
同 業 他 社などとともに 取り組むことで、使 用 済み
したタイヤ で す。産 学 連 携 の 取り組 み な ど を 効 果 的 に 行 い な がら、
「 天 然 ゴ ム」や
石油由来
「有 機 繊 維」は 新し い 再 生可 能 資 源 に 拡 げ る 取り組 み を 進 め、
「 合 成 ゴ ム」や「カ ー
合成ゴム
バイオ
合成ゴム
バイオ
エタノール
から
ブタジエン
バイオゴム
薬品
バイオ材料から
加硫促進剤・
老化防止剤
植物油脂由来
充填剤
植物油脂から
高補強カーボン
ボ ン」な ど は 枯 渇 資 源 か ら 再 生 可 能 資 源 に 換 える 取り 組 み を 進 め ました。今 後、
研 究 開 発 体 制 の 確 立や 基 盤 技 術 の 開 発、
石油由来
量 産 化 の 検 討 を 進 め、2020 年 を 目 標 に
ゴム薬品
実用化を判断します。
枯渇資源
から
再生可能
資源に
製品のより有効的な利用を実現していきます。
換える
石油・石炭由来
充填剤
17 ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
をゼロにすることで、環境に貢献しようとするもの
す。しかし、未来のすべての子どもたちが、
『 安心』し
新セルロース
繊維
(補強繊維)
参 考出品しました。出品したタイヤは、2050 年に向け「100%サステナブルマテリ
パリモーターショーにおける
発表の様子
ジョン・シェーリン
(Bridgestone Retail Operations, llc. 環 境 責任者)
サステナブルマテリアル
パラゴムノキ由来
ブリヂストン
従業員の声
「100 %サステナブル
マテリアルコンセプトタイヤ」
ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
18
CO 2を減らす
活動ハイライト
CO2を減らす
実 績
モノづくりの過程で排出されるCO 2 排出量:17.9%削減
(2005 年対比、売上高あたり)
ブリヂストングループは、
「 CO 2 を減らす」活 動においては、
車両の燃費に影響するタイヤの転がり抵抗: 7.0%低減
IPCC ※1 等の国際的な 専門機関による予 測 結果をベースに、2050 年を見 据えた環 境 長 期目標として、
(2005 年対比)
「グローバル目標への貢 献 (CO 2 排出量 50% 以 上削減 ) 」を掲げています。
モノづくり過程での CO 2 排出量については、2020 年に売上高あたり 35%削減という目標に対
また、2005 年を基 準 年とした、2020 年の中期目標を定め、
し、2012 年は17.9% 削 減 (2005 年 対比 ) となりました。また、CO 2 排出総 量としても前年対比、
グローバルの 各 拠 点で削減 活 動を進めています。
削 減しています。CO 2 排 出量 の 実 績については、第 三者 機 関のレビュー及び意 見書 の 発 行を行い、
情報の透明性の確保に努めています。
※ 1 気候変動に関する政府間パネル
製 品使 用時での転 がり抵 抗係 数は、2020 年に 25% 低 減という目標に対し、2012 年は 7.0%
低 減 (2005 年 対比 ) しました。安 全 性を確 保しな がら転 がり抵 抗係 数 を 低 減 することは 難 易 度
の 高 い 技 術 を 要しま す が、
「 ナノプ ロ・テック™ ※3 の 開 発」や、そ れを 搭 載した「低 燃 費 タイヤ の グ
ローバ ル展開」により、使 用時の CO 2 排出量削減に貢 献しています。
モノづくりの過程で排出される
売上高あたりの CO₂排出量
※3 ゴム構造をナノレベル単位で解析し、
その分
子構造を自在にコントロールする超微細技術。
タイヤの転がり抵抗係 数
(%)
100
(t/ 億円 )
600
基準年
13.5 % 削減 17.9 % 削減
基準年
5.8 % 低減 7.0% 低減
95
500
35% 削減
25% 低減
90
85
400
ブリヂストンの太陽光発電用接着フィルムを使用した太陽光発電
目標
目標
80
300
75
70
200
65
100
0
目 標
環境長期目標
グローバル目標 への貢献
環境中期目標 ( 目標 年:2020 年、基準年:2005 年 )
※2 現 段 階では、2008 年 7 月に行われた G8 北 海 道 洞 爺 湖サ
ミットにおいて、2050 年までに世界全 体 の 温 室 効 果 ガス排出
量を少なくとも 50%削減すると G8 が合意し、
同年にエネルギー
安 全 保 障と気候 変 動に関する主 要経 済 国 会 合 ( 先 進 国+中国、
インドなど ) で共 有された目標をグローバ ル目標としています。
モノづくりで排出されるCO2
顧客の使用で排出されるCO2
るモノづくりの過程で排出される CO 2 を売上高当たり 35% 削減
モノづく
2 車両の燃費に影響するタイヤの転がり抵抗を 25% 低減し、
CO2 排出量
りで排出される以上の CO 2 削減に貢献
削減量
(顧客の使用)
モノづくりで
排出される
以上の CO 2
削減に貢献
プ では、2020 年 の目標として、タイヤの 転 がり抵 抗係 数の 低 減による CO 2
削減 貢 献 量が、モノづくりの 過程で排出される CO 2 排出量を上回ることを掲
げ、ライフサイクル全体での CO 2 排出量削減に取り組んでいます。
タイヤのライフサイクルの各段階における温室効果ガス(CO₂換算)排出量
原材料 製 造時の
エネルギー 使 用
生 産時の
エネルギー 使 用
(輸 送・販 売)
9.8%
燃料使 用
生産
使用
2.9%
86.4%
流通 0.6%
19 ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
ブリヂストングル ープ 二 酸 化 炭 素 排 出 量 報 告
第三者レビュー意 見書
2005
2011
2012
2020
原材料
生 産
輸 送
廃 棄
約 21% 削減
約14% 削減
約15% 削減
約17% 削減
(年)
※売上高当たりの CO 2 排出量削減率 (2005 年対比 )
廃棄・リサイクル
焼 却時の
CO 2 排出
廃棄・リサイクル 0.3%
生産拠点での CO 2 排出総量: 0.5%削減
売上高原単位:11.9%削減(2005 年対比)
ブリヂストングル ープの 各 生 産 拠 点において、エネルギーの無 駄
生産拠点における CO 2 排出量
を 減らす活 動 や、使 用するエネル ギ ーを CO 2 排 出 量 の 少ないも の
CO 2 排出量
( 千t)
に 転 換 する な どの 活 動 を 進 めて い ま す。2 012 年 の C O 2 排 出 総
4,700
量 は 2005 年 対 比 0.5 % 削 減、2011 年 対 比 1.3 % 削 減、売 上 高
4,600
取り組みます。
流通
廃棄
売上高原単位
(t/ 億円 )
4,603
171
180
4,644
4,582
4,500
160
151
150
4,300
140
4,200
130
4,100
0
0
2005
CO 2 排出量 ( 千t)
35%削減
170
154
4,400
(モノづくり)
2011
2012
売上高原単位 (t/ 億円 )
Column
生産
原材料
2005
2020
※ 廃 棄時の CO 2 は、当社がコントロールできない部分もありま
すが、製品の軽量化やリトレッドの拡大により貢献を図ります。計
算根拠は Web サイトに開示しています。
(走行)
燃料使 用
(年)
削減量
で、CO 2 排出量の削減に大きく貢 献することが可能です。ブリヂストングルー
使用
2020
導入やエネルギーマネジメントの 徹 底により、CO 2 排出量の削減に
大きく、全 体の 約 9 割を占めており、タイヤの転がり抵抗係 数を低 減すること
流通
2012
廃棄
1.9%削 減となりました。今 後もよりエネルギー 効率 の良い設備の
タイヤのライフサイクル 全 体でみると、使 用時 の CO 2 排出量の 割 合が最も
生産
輸送
あ たりの CO 2 排 出 量 は、2005 年 対 比 11.9 % 削 減、2011 年 対 比
タイヤのライフサイクルCO2
原材料調達
2011
CO 2 排出量削減に関する中期目標
流通、製品廃棄にいた
1 全製品を対象としてその原材料調達から生産、
考え方
生産
モノづくりの各段階における CO 2 排出量削減率 (2012 年 )
※2
(CO 2 排出量 50% 以上削減 )
原材料 調 達
2005
原材料
60
∼
0
乗用車用低燃費タイヤ (195/65R15)1本当たりのライフサイク
ル温室効果ガス排出量=243.9kgCO 2e
※廃棄・リサイクル段階の GHG 排出量:排出 = 13.1kgCO 2e,
削減効果 = −12.5kgCO 2e
(出 典:タイヤ の LCCO 2 算 定 ガイドライン Ver. 2.0、日 本 自
動車タイヤ協会)
※モノづくりの過程とは、原材料調達、生 産、流 通、廃棄・リサイク
ルを指します。
タイヤの転がり抵抗の発生要因
タイヤの転がり抵抗構成要素
タイヤの 転 がり抵 抗 は、
「 走 行 時 の タイヤの 変 形」
「 トレッド
スピード
ゴムと 路 面との 接 地 摩 擦」
「 タイヤ の 回 転 に伴う空 気 抵 抗」の
3 つ の 要 因 か ら 発 生 し ま す。こ の 転 が り 抵 抗 に よ る エ ネ ル
3
1
ギ ー ロ スを 抑 制 す る た め に、ブ リ ヂ ストン で は タイヤ の「構
造・形 状 設 計」と「材 料 設 計」の 両 面 から 研 究・開 発 を推 進し
ています。
車両の進行方向
2
1
走行時のタイヤの変形によるエネルギーロス
2
トレッドゴムの路面との接地摩擦によるエネルギーロス
3
タイヤの回転に伴う空気抵抗によるエネルギーロス
ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
20
活動ハイライト
CO 2を減らす
活動事例
多角化部門における取り組み
1 モノづくりの過程における CO 2 排出量削減
米国のタイヤ工場とイタリアの
技 術センターで ISO50001を取得
BSAM
アメリカ
BSEU
イタリア
2012 年 10 月、Bridgestone A mericas, Inc.
新 技 術 センター の 環 境 配 慮 で
“Environmental Achievement of
the Year”を 受 賞
BSAM
CO 2 排出量に関する
第三者機関レビューの推 進
ブリヂストン
グローバル
ブリヂストングループでは、2020 年の CO 2 排出量削
BSAM は、最先端のタイヤ関連技術の研究・開発を行うことを
減目標に関する実 績 の 開 示について、透 明 性、完 全 性、
ステムの国際規格である ISO50001認証をタイヤ工場
目的に、2012 年 4 月に技術センターの新社 屋を 開 所しました。
正確性を確保するために、第三者機関によるレビューを
として世界で初めて取得しました。ウィルソン工場では、
新 社 屋 は、米 国 に お ける建 築 物 の 環 境 配 慮に関する基準である
2010 年 より 継 続 的 に 実 施 して い ま す。レ ビ ュー は、
石油に比べ CO 2 排出が少ない天 然ガスへ の 燃料転 換、
「Leadership in Energy and Environmental Design (LEED)※1」
ISO14064 に基づき、CO 2 排出量のモニタリング、報告
不稼働設備の停止、エネルギーロスの低減、照明器具の
ゴールド認証を取得し、特に CO 2 排出量に関しては、大幅な削減
等に関し、社内のカーボンマネジメントの専門機能と第
省エネ化や効率的な設置など、持続可能な生産活動を目
を見込 んでいます。この取り組みが評価され、英 UKIP Media &
三者機関が実施し、
2013 年 4 月末までに、
生産拠点を中
指した取り組みを継続的に進めています。
Events 社 発 行 の 業 界 誌「Tire Technology International」が 選
心に、
13カ国、
26拠点で行いました。
各拠点における課題
ま た、イタリアに あ る Bridgestone Europe NV/SA
考 す る「Tire Technology International Awards for Innovation
の 洗 い出し、対 策を明 確化
and Excellence 2013」に お い て、"Environmental Achievement
す る と と も に、さ ら な る
内 で 初 めて、ISO50001認 証 を 取 得しました。エ ネ ル
of the Year" を受 賞しました。
CO 2 排 出 量 削 減 に 向 け た
ギー消費の主要因の特定、効果指標の定義、目標設定、従
※1「Leadership in Energy and Environmental
Design (LEED)」は、米 国 の 非 営 利 団 体 U.S.Green
Building Council (USGBC) が 定 め る、建 物 環 境
総合 性 能 評 価指 標です。
取り組みを進めています。
業員への周知、設備関連の技術者の能力向上、省エネに
関する専門チーム結成などに取り組み、エネルギーマネ
ジメントの効率化を図っています。
ブリヂストン
日本
昨今の大型の太陽光発電所普及に伴い、高電圧化による太陽
電 池 モ ジ ュ ー ル の 劣 化 現 象 (PID:Potential Induced
アメリカ
(BSAM)のウィルソン工場が、エネルギーマネジメントシ
(BSEU)の技術センターでは、2012 年 5 月、イタリア国
太陽 光 発電の発電 効率維持に貢 献する
高性能フィルム「EVASKY シリーズ」の発 売
レ イク チ ャ ー ル ズ 工 場(ア メ リ
カ)における現 地 スタッフを 交 え
た 第三者レビュー の 様 子
受 賞トロフィー
Degradation) が発 生するようになり、発電効率の 低下が課題
となっています。ブリヂストンは、ゴム・高分 子技 術をベースに
培ってきた材料技術と成型技術を駆使することで、
太陽電池の発
電効率をほとんど低下させることなく、長期にわたり発電効率の
維持に貢献できる耐 PID 性能を向上させたフィルムを開発しま
した。太陽光発電の発電効率の維持に貢献することで、再生可能
エネルギーの普及に寄与するとともに、高耐久性による省資源に
も貢献できると考えています。
高 性 能 フィルム 開 発 拠 点 で
あ る 化 工 品 技 術 セ ン ター に
設 置の太 陽 光 パネル
2 タイヤの転がり抵抗低減による使用時の CO 2 排出量削減
低 燃 費タイヤの最高グレード
「ECOPIA EP001S」の発 売と
エコプロダクツ大 賞 受 賞
ブリヂストン
日本
タイヤのさらなる低 燃 費 化を目指す
技 術イノベーションの推 進
ブリヂストン
日本
中国で低 燃 費タイヤ「ECOPIA」の
販 売が 100 万本に到達
BSCN
中国
南アフリカで低燃費タイヤの普及活動を推進
BSAF
南アフリカ
Bridgestone South Africa(Pty)Ltd.(BSAF)は、2012 年
2012 年10 月、独 立行政 法 人新エネルギー・産 業 技 術総合 開
普利司通(中国)投 資有限公司(BSCN)は、2010 年 3
11月に DAD(Drink and Drive:飲酒運転)プロジェクトのイベ
ブリヂストンが 2012 年 7 月に発売した低燃費タイヤ
発機構(NEDO)のナノテク・先端部材実用化研究開発の一環と
月に低燃費タイヤ「ECOPIA」を発売しましたが、その後、
ントに参加しました。このイベントは、飲酒運転の危険性の理解
「ECOPIA EP001S」が、エコプロダクツ大 賞 推 進 協議
して、乗用車タイヤ用ゴム材料の各原材料をナノレベルで最適化
中国国内での環境意識の高まりとともに、ECOPIA の販
を促し、子どもたちに交 通 安 全に対 する意 識を高めてもらうた
会が主催する第 9 回エコプロダクツ大賞において、
「エコ
し、従来の乗用車用低燃費タイヤ用ゴム※2 対比でエネルギーロス
売も増 加しました。2012 年は SUV 用の ECOPIA を 発
め、開催しています。イベントでは、子どもたちに「ECOPIA」と通
プロダクツ大賞推進協議会会長賞(優秀賞)
」を受賞しま
を 40%以 上低減、耐摩耗 性能を 25%以 上向上するゴムの技 術
売するなど、より多くの方のニーズに応えるためにライン
常のタイヤの違いを比較できる特製三輪車に試乗してもらい、低
燃費タイヤの性能をわかりやすく伝えました。
した。
「ECOPIA EP001S」は、当社独自の材料技術であ
開発に成功しています。今後、転がり抵抗をさらに低減したタイヤ
アップの拡充を図り、ECOPIA シリーズの累計販売本数
る「ナノプロ・テック TM」と、モータースポーツ用タイヤ開
の開発を目指します。
が100 万本に達しました。BSCN では、今後もさらに多
発 で 培ったグリップ 向 上 技 術を融 合さ せ、新 開 発 のグ
また、2013 年 3 月には、低燃 費と安 全 性を高次 元で両立する
くのお客様に ECOPIA を始めとする低燃 費タイヤを使
マンディ・ローベル (BSAF、広報マネージャー)
リップ向上パタンと組み合わせて
狭幅・大径サイズ「ラージ&ナローコンセプトタイヤ」
の開発に成功
用していただくための普及活動に取り組んでいきます。
このようなイベントを 通じて、低 燃 費 タイヤを 使 用することで、燃 費 が 向
います。相反する性能である低燃
しました。タイヤ幅の狭幅化、タイヤ外径の大径化、使用空気圧の
とが で きると考えています。そして、南 アフリカの 国 全 体 で、今 後、より多く
費性能とウェットグリップ性能を
高内圧化などにより、転がり抵抗の低減とウェットグリップ性能
のお客 様に環 境に配慮したタイヤを選 んでいただくことを期待しています。
とも に「ラ ベリング 制 度」最 高 グ
の向上を実現しています。今後低燃費タイヤ「ECOPIA」ブランド
レードで両立させました。
の新カテゴリーとして次世代自動車への新車装着など、早期実用
従業員の声
上し、そ の 結 果 CO 2 排 出 量 削 減 に 貢 献 で きることをわかりやすく伝 えるこ
化を目指します。
「ECOPIA EP 001S」
21 ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
※2 ブリヂストンの乗 用車用低燃 費タイヤ ECOPIA に搭載しているトレッドゴム。
中国における低 燃 費タイ
ヤの訴求
ECOPIA 特 製
三輪車の試 乗
ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
22
環境マネジメント
SBU・事業所における
環境マネジメント
環 境マネジメント
ブリヂストングル ープの環 境 活動を支える基 盤として、独自のグローバ ル 統 一 環 境マネジメントシステム
工場生産認定システム
ブリヂ ストングル ープ で は、SBU や 事 業 所 にお ける環 境
ブリヂストングル ープ では、工場や 生 産ラインの 新設に際
マネジメントを 強 化するために、
「 仕 組みづくり」
「 人づくり」
して、環 境リスクの 早 期 抽 出、リスクのミニマム化 を目的と
の観点から、様々な施策を展開しています。
し、ISO14001認 証に準じた 独自の工場 生 産 認 定システム
「Total:グル ープ全 体・各ビジネスユニット・各 拠 点の 全 機能、全 従 業 員 が 参加」、
「仕 組みづくり」の 観 点としては、2010 年 より約 20 項目
を導入しています。
「Advanced:積 極 的な情 報開示を行い、常に先 進 的でトップレベルな活動を推 進」という要 素を追 加して
からなる環 境セルフアセスメント(自己体質 診断)を実 施し、
具体的には、環 境 対 策に関する基 本 計画の策 定、建 設時に
事 業 所の環 境マネジメント体質のレベルを I, II, III の 3 段 階
お ける 初 期 環 境レビュー の 実 施、環 境 方 針 の 策 定、法 令 順
で 評 価しています。2012 年 は172 の 生 産 拠 点 で 環 境 セ ル
守、環 境関連 の 教 育 訓練 など、環 境マネジメント体 制の 構築
フアセスメントを実 施しました。変 化を先 取りした環 境 活動
状 況について監 査して認 定するシステムで、工場 の立ち上げ
を実 施できる状 態であるレベル III に向けた課題の抽出と改
状況に合わせた 4 段階で実施しています。
善点を 明 確 化し、各 事 業 所における環 境 活 動 の 体質 強 化に
2012 年 は、4 カ 国 5 拠 点 が 社 内 調 査 を 経 て 認 定 を 受 け
取り組んでいます。
ました。
「TEAMS ( Total
を構築し運 用しています。
Environmental Advanced Management System) 」
TE AMS とは、国際 規格である ISO14 001やそれに準 拠した環 境マネジメントシステム ( 以下 EMS) に、
進化させたブリヂストングル ープ 独自の 仕 組みです。
グローバル統一環境
マネジメントシステム「TEAMS」
グローバル環境マネジメント体制
「人づくり」の 観 点 からは、ブリヂストングル ープ全 体 の 環
ブリヂストングループでは、TEAMS の考え方の下、各戦略
TE AMS の 活 動 を 推 進 するため の 体 制 として、グ ロ ーバ
境 教 育体 制 の 充 実化に向けて、環 境 担 当 者 研 修 を実 施して
的 事 業ユニット(SBU)、各事 業 所において ISO14001に代
ル 本 社 機 能 (GHO) 、グ ロ ーバ ル 環 境 統 括 機 能 (GMP) 、
い ま す。2012 年 には日 本、中 国、タイ、北 米、南 米、EU、イン
表される環境マネジメントシステムを構築、導入し、グループ・
戦 略 的 事 業ユ ニット (SBU) の 3 つ の 機 能 が 中 期 計 画を核
ド で 環 境ワークショップ を開 催し、生 産・物 流 の 93 拠 点よ
グ ロ ーバ ル、SBU、事 業 所 の 3 つ の 階 層 で それぞ れ PDCA
に連 動、連 携しています。GHO より策 定、発 信される全 体 戦
り 計185 名 の 環 境 担 当 者 が 出 席 し ま し た。環 境 ワ ー ク
サイクルを回し、環境活動を推進しています。
略、基 本 方 針を 受 け、GMP が 各 SBU に 対して 活 動 の 方 向
ショップ は 環 境 担 当 者 の 能 力 向 上、及び 地 域 の 連 携 強 化を
国内・海外の生産拠点を有するグループ会社では、2012 年
性を示し、サポート / サービスを提 供しています。
目的とし、現 場演 習や 参加 者間のディスカッションを行いま
12 月現在、165 拠点 ( 取得率 98.2%) ※1で ISO14001認証
グ ロ ーバ ル 環 境 統 括 機 能 (GMP) で あ る 環 境 推 進 本 部
した。2013 年以降も継続して開催を予定しています。
を取得しておりますが、今後もさらに取り組みを強化し、既存
は、経営戦 略により密接した環 境 戦 略 の策 定を推 進する「環
の生産拠点
※2
にお いて ISO14001認 証 の取 得 を 完 了させ
境 戦 略 企 画 部」と、設 定した目 標 の 達 成 に 向 け た 活 動 を 実
る予定 です。また 新たに建 設される生 産 拠 点についても、ブ
行 に 移 す「環 境 推 進 部」とで 構 成 さ れて おり、互 い に 連 携し
リヂストングループ独自の工場 生 産認 定システムによって環
て 活 動 を 推 進 し て い ま す。ま た、ト ッ プ マ ネ ジ メ ン ト レ
境 マネジメントシステム(EMS)の 速やかな 構 築 を 進 めてお
ビュー の 場として、CEO を はじめとする執 行 役 員などが 審
り、順次 ISO14001認証を取得していく計画です。
議 するグル ープ 環 境 委 員 会を 設 置し、グル ープ全 体 の 環 境
国 内にお いては、ブリヂストンの 全 工場と本 社、技 術 セン
活動に関する様々な 意 思 決 定を行っています。また、定 期的
ターを合わせたすべての範囲で EMS を構築し、ISO14001
にグローバ ル環 境 会議を開催するほか、各 SBU 間や拠 点間
全社 統合認証を取得しています。このように製品の開発・設
にお いても定 期 的 に連 絡 会 議 を 開 催 することにより、課 題
計から生 産、流 通など、モノづくり、商品・サービスの 全領域
や 活 動 の方 向 性 の 共 有 など、環 境 活 動 のレベ ルアップ を 常
において環境活動に取り組んでいます。
に図っています。
TEAMS の活動を支える基盤として、グローバ ルで共通の
情報システムの整備、強化を推 進しており、各 SBU の環境 活
動や環境関連データなどは、グループの PDCA サイクルの中
で共有され、改善のために活用されています。
89.2
96.3
7
22
24
工場数
169
181
180
7
98.2
100(%)
80
3
173
165
60
150
90
100
134
40
50
生産認定基準書の
作成
生 産認 定基 準 書を所定の様 式で作成し、認
定項目を明確にする
調査及び生産認定
改善計画書作成
生 産 認 定 基 準 書 と 合 致して い るか どうか
を 調 査し、改 善 計 画・支 援 計 画・改 善 体 制
などを作成する
4 段階で認定
品 質・生 産 管 理・安 全・環 境・防 災 側 面 を
生 産 準 備 から量 産 後まで、最 大 4 段 階で認
定する
海 外工場における環 境 担 当者研 修 の 様 子
社内の環境表彰制度
2012 年 度 の「Bridgestone Group Awards」で は、Bridgestone
Americas, Inc.(BSAM)の「新 技 術 セ ンター に お ける 環 境 配
慮」及びブリヂストンの「低 炭 素イナートガス発 生装 置 開 発」
日本タイヤ事業SBU
環境統括機能
事業所
が 受 賞 し ま し た。ま た、
「 Bridgestone Group Award for
米州事業SBU
環境統括機能
事業所
Environment Excellence」の 予 選となる各 国 や 地 域 で の
欧州事業SBU
環境統括機能
事業所
特殊タイヤ事業SBU
環境統括機能
事業所
アジア・大洋州事業SBU
環境統括機能
事業所
中国タイヤ事業SBU
環境統括機能
事業所
中近東・アフリカタイヤ事業SBU
環境統括機能
事業所
化工品事業SBU
環境統括機能
事業所
環境表彰制度の充実化も図っています。
メキシコの原材料工場での工場 生 産 認 定の 様 子
20
1.1
0
生 産認 定の前 提 条 件を確 認し、各 部門で生
産認定の実施の必要有無を判断する
意 欲を高めることを目的に、2008 年から実 施しています。
● 環 境データ収 集・分析・リスクチェック
カバー率︵%︶
200
96.1
各部門で生産認定の
要否判断
本 表彰制度は、従業員一人ひとりの環境活動に対する関心と
グローバル環境統括機能
戦略的事業ユニット(SBU)
87.6
生 産 量・生 産 方法・使 用材料・適 用規格な
ど生産認定の前提条件・時期を明確にする
E xcellence」を 設 け、模 範 的 な活 動 事例 を 表 彰しています。
ブリヂストングループ ISO14001認証取得 状 況
250(工場)
基本設計書の作成
毎 年 開 催し、
「Bridgestone Group Award for Environment
(GMP : Global Management Platform)
98.2%
生 産認 定が必要と判断されたプロジェクト
について企画を立案する
員を 対 象とした 表 彰 制 度「Bridgestone Group Awards」を
グローバル本社機能
(GHO : Global Head Office)
● GHO の方針の展開 ● 各環境統括機能、
SBU の活動支援
カバー率
生産認定の企画
ブリヂストングル ープ では、グル ープ内の 全 組 織・全従 業
グローバル環境マネジメント体制
● 最上位の環境経営方針を提示 ● マネジメントレビュー
※1 対 象 拠 点の 統 廃合により拠 点 数 が 前年対比 減 少しています。
※2ブリヂストンが 定 義する ISO14 001 認 証 取得対 象の 生 産 拠 点。
工場 生 産認定システム
1
1996
取得済
未取得
2008
2009
2010
2011
2012(年) 0
カバー率
※ ブリヂ ストン が 定 義 する ISO14 001 認 証 取 得 対 象 の 生 産 拠 点の 取 得 状 況。
対 象 拠 点の 統 廃合により拠 点 数 が 前年対比 減 少しています。
23 ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
授 賞 式 の 様 子(BSAM)
ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
24
環境マネジメント
事業活動における環境負荷の全体像(マテリアルバランス)
社外からの評価
ブリヂストングル ープ は、原材 料 調 達 から 製 品 廃 棄にいたるまで、製 品 のライフサイクルを 通じて 環 境 負荷 の 低 減に努 め、
持 続 可能 な 社 会 の 構築を目指しています。
事業活動
i npu t
out put
開 発・設 計
エネルギー
温室効果ガス
燃料
(原油換算)
原材料調達
6,069kl
※1
環境に関する主なランキング・格 付け (2012 年 )
ランキング・格 付け
評価
CDP(ディスクロージャー・スコア)
88 点
DJSI(Dow Jones Sustainability Index)Asia Pacific
選定
第 16 回 日経環 境 経営度調査
25 位 ( 製 造業 )
第 13 回 日経環 境ブランド調査
14 位
第 25 回 日経企業イメージ調査 ( 環 境配慮 企業 )
2 位(ビジネスパーソン)、5 位(個人)
環境に関する主な社外表彰・認証取得実績 (2012 年 )
CO2 排出量
16,131t-CO2
表彰・認証名
対象となる活動
受 賞・認証取得者
商品・サービスに関する評価
廃棄物
主要原材料
「第 14 回グリーン購入大 賞」優秀賞
「エコバリューパック」
ブリヂストン、
ブリヂストンタイヤジャパン㈱
「グッドデザイン賞」
低燃費タイヤ「ECOPIA EP001S」
低燃費タイヤ「ECOPIA」ブランド
モーターサイクル用スポーツラジアルタイヤ
「BAT TL A X HYPERSPORT S20」
ブリヂストン
廃棄物排出量
原材料使用量
288千t
3,900千t
温室効果ガス
CO2排出量
エネルギー
4,582千t-CO2
一次エネルギー総消費量 77,648,032 GJ
燃料※2
(原油換算)
大気への排出
839,208kl
※3
「平成 24 年度 資源循環技術・システム表彰」
社団法人 産業環境管理協会 会長 賞
SOx排出量
電気
(買電)
生 産
5,346,408MWh
499t
「防振ゴム金具の樹脂化による防振ゴムの軽量化」
ブリヂストン
ブリヂストン
モノづくりに関する評価
「平成 24 年度リデュース・リユース・リサイクル推 進 功労者
等表彰」リデュース・リユース・リサイクル推 進協議 会 会長 賞
650t
水域への排出
水投入量
(淡水)
「持続可能な」社会の実現に向けた廃棄 物削減/再資源化活動
ブリヂストン 関工場
山口県「平成 24 年緑のカーテンフォトコンテスト」優秀賞
グリーンカーテン
ブリヂストン 下関工場
平成 24 年度「コージェネ大 賞」 産業用部門「優秀賞」
コ・ジェネレーションシステム導入によるエネルギーの効率利用
㈱エネルギーアドバンス、
ブリヂストン 那須工場
国交省近畿運輸局 「環境にやさしい事業場支局長表彰」
環境活動全般
ブリヂストンリテールジャパン タイヤ館京田辺、長岡京
日本政 策投資銀行 環境格付認定
環境活動全般
旭カーボン㈱
北米の新技術センターにおける環境配慮
BSAM
Summit of Sustainability Award Large Business Category
Bridgestone Americas Research & Technology
BSAM
瀋陽市環境局 企業の環境信用等級(緑色)
環境活動全般
BSCN
排水量
42,477千m3
22,606千m3
エネルギー
温室効果ガス
燃料※4(原油換算)
CO2 排出量※4
23,285kl
61,850t-CO2
物 流・販 売
※1
使 用
「Tire Technology International Awards for
Innovation and Excellence 2013」
"Environmental Achievement of the Year"
社会貢献活動に関する評価
「グッドデザイン賞」
製 品 回 収・リサイクル
WILSON CARES AWARD, "CARES"
Community Awareness Restoration
Environmental Stewardship
環境対応商品の考え方
ブリヂストングル ープ は、環 境 宣 言 で掲げ てい る「3
つの 社 会の実現(自然 共 生社 会、循環 型社 会、低炭 素社
環境対応商品基準
評価分野
評価項目(例)
会)」に沿って、原材料の調達から商品の廃棄・リサイク
ルに至る、ライフサイクル全体で環境に配慮して開発し
自然共生に向けた取り組み
持続可能性に配慮した原材料の使用
化学物質使用量の削減
省資源の推進
軽量化・節水対応・長寿命化・
廃棄物削減
リサイクル
再生資源使用・再使用性・
可分解性 / 解体容易性
地球温暖化防止
CO2 排出量・低燃費 / 省電力
快適性向上
静粛性
安全性向上
ウェットグリップ性能 / 氷上制動
を加えた 6 つの評価区分からなる「環境対応商品基準」
を設 定し、環境負荷低減に貢献する新たな商品・サービ
The construction and continual additions to the
Bridgestone workers and volunteers through the
community to make the Refuge a place for everyone
ブリヂストン
BSAM ウィルソン工場
Wildlife Habitat Recertification
野生生物の生息地保全活動
BSAM ウィルソン工場
エネルギーマネジメント
BSAM ウィルソン工場
WHC Wildlife at Work recertification
野生生物の生息地保全活動
BSAM ウォーレン工場
ISO50001 Certification
エネルギーマネジメント
BSEU 技術センター
eco japan cup 2012「市民が創る環境のまち
" 元気大 賞 "2012」 元気大 賞
新潟県佐渡市トキ舞う加茂湖の水辺再生プロジェクト
佐渡島加茂湖水系再生研究所 ※
eco japan cup 2012 「市民が創る環境のまち
" 元気大 賞 "2012」セブン - イレブン記念財団賞
やんばる国頭の森の水路再生・棚田ビオトープ 整備による
地域活性化プロジェクト
特定非営利活動法人
国頭ツーリズム協会 ※
コミュニケーションに関する評価
取り扱う全ての商品・サービスを対 象とし、これら「3 つ
の 社 会」の実現に貢 献する環 境 性 能に快 適 性と安 全 性
「B・フォレスト エコピアの森」プロジェクト
ISO50001 Certification
た商品・サービ スの 提 供 を 通じ、お 客 様とともに 環 境
負荷低減に取り組んでいます。ブリヂストングループが
「第 16 回環境コミュニケーション大 賞」 環境報告書部門 地球温暖 化対 策報告大 賞(環境大臣賞)
ブリヂストングループ 環境報告書 2012
ブリヂストン
「第 16 回環境コミュニケーション大賞」テレビ環境 CM 部門
優秀賞(地球・人間環境フォーラム理事長 賞)
TAIYA CAFE リトレッド篇
ブリヂストン
ブリヂストングループの節電プロジェクト、ブリヂストン
グループ従業員による「ぐり∼んカーテンコンテスト」
ブリヂストン
eco 検 定アワード 2012 エコユニット部門 優秀賞
受 賞・認証取得 者の社名の略称:BSAM(Bridgestone Americas, Inc.)、BSCN(普利司通 ( 中国 ) 投 資有限公司)、BSEU(Bridgestone Europe NV/SA)
スの開発を行っています。
25 ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
低燃費タイヤ「ECOPIA EP001S」
NOx排出量
水
数値データについて
対象組織:ブリヂストングループ生産拠点
対象期間:2012 年 1月∼12 月
※1 原材料調達と物流・販売については
( 株 ) ブリヂストン 2011年 4 月∼2012 年 3 月
( 行政届出データによる )
※2 自家発電に利用した燃料も含む
※3 大気への排出については ( 株 ) ブリヂストン国内16 工場
※4 廃棄物の輸送分も含む
「第 9 回エコプロダクツ大 賞」 エコプロダクツ部門
エコプロダクツ大 賞推 進協議 会 会長 賞 ( 優秀賞 )
※株 式会社ブリヂストンと早 稲田大学が産学民 連 携で進める研究プロジェクトである「W-BRIDGE」の活動
ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
26
環境に関する情報開示一覧
Web
財務情報と非財務情報の開示
ブリヂストン「環境への取り組み」Web 掲載項目
本報告書では、特に重要性の高い活動内容に絞って報告しています。より詳 細な情 報については、
当社「環 境への取り組み」の Web サイトをご覧ください。
http://www.bridgestone.co.jp/csr/eco/index.html
ブリヂストングループは、グローバルで議論されている非財務
サイトを 制 作して い ま す。財 務 情 報 は 投 資 家 向 け の Web サ
情 報 開示に関する内容を考慮しながら、ステークホルダー の
イトで各種報 告書 等 の 公 開と最 新 情 報の 掲載をしています。
皆 様 のニーズに合わせた情 報 開 示に取り組 んでいます。非 財
また、グ ローバ ルサイトにてグル ープ全 体 の 環 境、CSR 情 報
務 情 報としては、本 環 境 報告書 などの環 境に関する情 報開示
を英 語で開示し、各地 域においてはそれぞれの環 境 報告書や
の 他に、CSR に関する情 報開示として、CSR レポートと Web
サステナビリティレポートを制作しています。
[非財務情報]環境に関する情報
CEO メッセージ
トップコミットメント
資 源を大 切に使う(循環 型社会)
活動ハイライト
そもそもの原材料使 用量を削減する
タイヤの原材料を半分にするハーフウェイトタイヤ
● 資 源を循環させる、
効率よく活用する
省 資 源・廃 棄 さ れる 使 用 済 タイヤ 削 減 に 貢 献 リ
トレッドタイヤ / 100 % 再 生可 能 資 源 を 使 用 非
空 気入りタイヤ ( エアフリーコンセプト )
● 再生可能 資 源の拡 充・多様 化
「100 %サステ ナブルマテリアルコン セプトタイ
ヤ」
の開発 / 新しい再生可能資源に " 拡げる" 技術̶
天 然ゴム供 給 源 の 多様 化 / 天 然ゴム 生 産 性 向 上
の た め の 技 術 開 発 ̶ 天 然 ゴ ム 資 源「パ ラゴ ム ノ
キ」の 病害診 断技 術 / 枯渇資 源から再生可能 資 源
に“ 換 える ”技 術 / バイオ マ ス 由 来 の 合 成 ゴムを
味の素 ( 株 ) と共同開発
●
環 境へ の取り組み の 考え 方
環境宣言
環境長期目標
自然共生社会の実現に向けて
循環型社会の実現に向けて
低炭素社会の実現に向けて
環境対応商品
●
●
●
基 本的な考え方
環 境 対応 商品例
TOPICS「タイヤラベリング制度」
モノづくりにおける取り組み
生産での取り組み
生 産に伴う地 球温暖 化防止 対 策 / 米国のタイヤ工
場とイタリアの技術センターで ISO50001を取得
/ 新 技 術 センターで“Environmental Achievement
of the year”を 受 賞 / CO 2 排 出 量 に 関 する 第 三
者レビューの推進
● 物流での取り組み
物流に伴う地球温暖化防止対策 / 低公害車の導入
/ モ ー ダルシフト の 推 進 / コンテ ナラウンドユー
ス / 往復輸送の拡大 / 輸送距離の短縮 / 車両の
大型化 / 積載方法の改善
● 販売での取り組み
電 気 自動 車・プラグインハイブリッド 車 用 充 電 設
備の設置
●
TEAMS の活動
●
調達での活動
アグロフォレストリーの推 進 ● 生 産での活動
国際指標を取り入れ多角的に環境影響を評価
● 研究・教育・保 全 活動
ブリヂストングループの社 会貢 献 活動
● TOPICS
生物 多様 性 条 約(愛 知目標)とブリヂストングル ー
プの主要な 取り組み
タイヤ事業における環境対応商品・サービス事例
リト レ ッド タイヤ を 活 用し た 新 た な 提 案 型 の ソ
リュー ション ビ ジ ネ ス /「エ コ バ リュー パッ ク」
が 社 外 表 彰 に お いて 受 賞 / 航 空 機 用 タイヤ のリ
トレッド / ランフラットテクノロジー 採 用タイヤ
● タイヤ事業における環境技術開発
リトレッド技術を応用した画期的なトラック・バス
用タイヤ 製 造 技 術を 開 発 / ランフラットタイヤの
軽量化や乗り心 地向上に寄与する技 術 COOLING
FIN / 航空機用タイヤの最新ラジアル構造 RRR
● 多角化部門における環境対応商品・サービス事例
同 硬 度 異 密 度 パ ッド / 省 エ ネ ゴ ム ク ロ ー ラ
「ECO2-TRACK」/ エコスリムボックス / 軽 量樹
脂製防振ゴム
商品・サービスにおける取り組み
モノづくりにおける取り組み
自然と共生する(自然 共生社会)
活動ハイライト
●
多角化部門における環境対応商品・サービス事例
免 震 用 積 層 ゴ ム「H-RB(X0.4R)」/ エ マル ジョン
粘着製品「AH シート」
●
モノづくりにおける取り組み
● 基本的な考え方
研究開発 / 商品開発
● TOPICS
企業と生物多様性イニシアティブ (JBIB) への参加
● 調達での取り組み
パラゴムノキ病害診断技 術の開発による生 産性低
下 の 抑 制 / 社 会 林 業 の 活 動 支 援 / 小規 模 天 然ゴ
ム農家への技術提供による生産性向上 / 天然ゴム
の共同研究推進 / グリーン調達の考え方 / 調達に
おける生物 多様 性 へ の 配 慮 / グリーン 調 達 の 考え
方 / 調達における生物多様性への配慮
● 生産での取り組み
生産における生物多様 性への影響評価試験 / 新工
場建設地における生態系復元活動 / 172 の生産拠
点における「環境セルフアセスメント」
の実施
●
調達での取り組み
再生品の使用促進
● 生産での取り組み
環 境 負荷低 減のための取り組み / 水資 源の 保 全 /
ウォーターマネジメント活 動 の 推 進 / 北 九 州 工場
のクローズド化システム / ゼロ・エミッションの取
り組み / 廃棄物の適正管理 / エコセンターの設置
● 輸送での取り組み
輸出用タイヤの包装材の削減
● 販売での取り組み
環境負荷低減に配慮したタイヤ商品ラベルの導入
● 廃棄での取り組み
栃木工場のサーマルリサイクル設備
● タイヤの 3R
基 本 的 な 考 え 方 / 廃 タイヤ 3 R 推 進 会 議 / リ
デュース(廃タイヤの発生抑制)/ リサイクル
● 多角化事業の 3R
ゴムクローラ類のリサイクル
●
CO 2 を減らす(低炭素社会)
社会貢献における取り組み
活動ハイライト
基本的な考え方
● 日本国内での活動例
B・フォレスト エコピ アの 森 / ブリヂストン び わ
湖 生 命 の 水 プ ロ ジェクト / ブリヂ ストンこどもエ
コ絵画コンクール /W-BRIDGE の活動事例
● アジア、
オセアニアでの活動例
自然 農業教育センター(タイ)/ 荒 廃地の緑化によ
る CO 2 吸収とバイオ 燃 料生 産 の 実 証 的 研 究(イン
ドネシア)/ 売り上げの 一 部 を 環 境 保 護 活 動 へ還
元(マレーシア)/ 工場緑化活動が建設模範企業と
して「企業 林」を受 賞(中国)/ 生物多様 性保護プロ
ジェクト(中国)
● アメリカ、
カナダ、南米での活動例
野 生 生 物 の 生 息 地 保 全(アメリカ)/ 環 境 教 室(ア
メリカ)/ 自治 体のグリーン認証プログラムの立ち
上げ 支援(アメリカ)/ World Beach Day(ベネズ
エラ)/ Water Fostering(カナダ)
● ヨーロッパでの活動例
植樹プログラム(スペイン)
● アフリカでの活動例
ケープ・レオパレード基金 保全プログラム
(南アフリ
カ)/ 動物の交通事故調査・低減プロジェクト
(南ア
フリカ)
●
●
ライフサイクル 全 体で CO 2 削減に取り組む
原材料 / 生産 / 廃棄 / 開発 / 販売 / 節電の取り組み
商品・サービスにおける取り組み
タイヤ事業における環境対応商品・サービス事例
基 本 的 な 考え 方 / 乗 用車用タイヤ / ランフラット
テクノロジー採用タイヤ / トラック・バス用タイヤ
/ その他の環境対応商品事例
● 多角化部門における環 境 対応 商品・サービス事例
太 陽 電 池 用 接 着フィルム EVASKY / 建 築 ガラス
用遮熱フィルム COOLSAFE / 軽量樹脂製防振ゴ
ム / 省エネベルト BEATRON / サイクルメーター
emeters / 同硬度異密度パッド
● タイヤ事業における環境技術開発
ゴム分子の微細構造を制御する技術ナノプロ・テッ
ク / 低 燃 費と安 全 性 を 高 次 元で 両 立 狭 幅・大 径
サイズ「ラージ&ナローコンセプトタイヤ」を開発
● 多角化部門における環境技術開発
軽量樹脂製防振ゴム
● 環境対応商品・サービス普及の取り組み
国内の取り組み / 海外の取り組み
●
環境報告書(本書)
Web
http://www.bridgestone.co.jp/
corporate/library/env_report/
index.html
ブリヂストンホームページ
「 環境への取り組み」
Web
環境スペシャルサイト
「RE ADY for 2050」
http://www.bridgestone.co.jp/
csr/eco/index.html
Web
投資家情報
http://www.bridgestone.co.jp/
ir/index.html
Web
http://www.bridgestone.co.jp/
sc/readyfor2050/
環 境マネジメント
商品・サービスにおける取り組み
環 境へ の取り組み内容
[財務情報]
基本的な考え方
グローバル統一環境マネジメントシステム
「TEAMS」
/ グローバル環境マネジメント体制 / グループ環境委
員会 / 環境責任者会議メッセージ / グローバル環境
情報インフラの整備 / 環境監査
環境教育・啓発
CSR レポート
Web
http://www.bridgestone.co.jp/
csr/report/download/
index.html
基本的な考え方
環境教育体制 / 内部環境監査員の育成
●
Web
アニュアルレポート
グローバルサイト
ブリヂストンホームページ
「CSR」
Web
http://www.bridgestone.co.jp/
csr/index.html
http://www.bridgestone.com/
responsibilities/environment/
http://www.bridgestone.co.jp/
corporate/library/
annual_report/2011.html
Web
事業編
財務編
事業活動における環境負荷の全体像
基本的な考え方
原材料 / 生産 / 流通 / 製品廃棄 / 製品使用時
●
環境負荷低減に向けた取り組み
基本的な考え方
化学物質の適正管理・使用量削減
PRTR 対 象物 質の 適 正管 理 / PCB 含 有物 の 適 正
管 理 / 環 境 負 荷 物 質 の 使 用 量 削 減 / TOP IC S
「JEPIX による環境負荷の統一指標評価試行」
● 調達での取り組み
グリーン 調達の 考え方 / お取引先様と連 携したグ
リーン調達 活動 / 環境 負荷の少ない製品及び生 産
設備の調達・購入促進
● 生産での取り組み
工 場 に お ける 環 境 管 理 体 制 / 工 場 生 産 認 定 シス
テム
● 環境リスク管理
水 資 源 の 保 全 / 大 気 汚 染 防 止 / 臭 気 の 低 減 / 騒
音対 策 / 土壌・地下水汚染防止 / 想定される緊急
事態と対応 訓練 / 環境モニター制度 / 環境リスク
情 報 の デー タベース化 / リスクコミュニケーショ
ン / 環境にかかわる事故や苦情の対応
● 販売での取り組み 販売における取り組み
● オフィスでの取り組み
各事 業 所 の 環 境 マネジメント体 制 / ブリヂストン
各地区での活動
●
●
環境会計
●
ブリヂストングループの概要
会社概要
社
名
本 社 所 在 地
代表取締役 CEO
資
本
金
売
上
高
環境保全コスト ● 環境保全効果 ● 環境効率
従
業
員
数
環 境コミュニケーション
お客様・ビジネスパートナーとともに
基本的な考え方
環 境 報 告 書 等 に よる 情 報 開 示 / 環 境 スペシャル
サイト「RE ADY for 2050」を 開 設 / 第 16 回 環
境コミュニケーション 大 賞 受 賞 / メディアによる
情 報 発 信 / 展 示 やイベントにおけるコミュニケー
ション
生 産 拠 点 数
●
社会とともに
基本的な考え方
インターンシップ / エコ・プロジェクト / W-BRIDGE
/ 環境関連の主な社外評価
● エコ・プロジェクト
事業概要
株式会社ブリヂストン
〒104-8340
東京都中央区京橋一丁目10 番1号
津谷 正明
1,263 億(2012 年 12 月 31日現在)
連結:3 兆 397 億円(2012 年 12 月 31日現在)
単体:9,393 億円(2012 年 12 月 31日現在)
連結:143,448 名(2012 年 12 月 31日現在)
単体:15,409 名(2012 年 12 月 31日現在)
25 カ国 178 拠 点(2012 年 4 月1日現在、ブリヂス
トングループ合計)
世界のタイヤ市場シェア 2011
(売上高ベース)
●
従業員とともに
基本的な考え方
イントラネット・グル ープ 報による環 境 意 識 の 啓
発 / eco 検 定を活用した環境教育 / 環境テキスト
/ 教育・研修 / 環境に関する社内表彰 / 環境月間
●
環 境 活動のあゆみ
東洋ゴム
杭州中策
クムホ
クーパー
正新
ハンコック
横浜ゴム
住友ゴム
ピレリ
コンチネンタル
1.6%
1.8%
1.9%
2.1%
2.3%
3.1%
3.2%
4.0%
4.2%
5.7%
乗 用 車 用、トラック・バ ス 用、建 設・鉱 山 車 両 用、産 業 車 両 用、農 業 機
械 用、航 空 機 用、二 輪 自 動 車 用 の タイヤ・チューブ、タイヤ 関 連 用品、
リトレッド材料・関連技術、自動車整備・補修、タイヤ原材料 他
多角化部門
〈化 工品〉自動車関連部品、ウレタンフォーム 及びその関連 用品、電子
精密部品、工業資材関連用品、建築資材関連用品 他
〈ス ポーツ用 品〉ゴ ルフ ボール・ゴ ルフクラブ、そ の 他 ス ポーツ 関 連
用 品 他
〈自転車〉自転車、自転車関連用品 他
ブリヂストングループの
連結 事業別売上高構成比(2012 年)
ブリヂストン
15.2%
その他
29.4%
タイヤ部門
多角化
16%
その他
22%
ミシュラン
14.6%
グッドイヤー
10.9%
ブリヂストングループの
連結 市場別売上高構成比(2012 年)
タイヤ
84%
日本
23%
欧州
11%
米州
44%
出典:タイヤビジネス誌 -2012 Global Tire Company Rankings
27 ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
ブリヂストングル ープ 環 境 報 告 書 2013
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