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第1回 都立小中高一貫教育校基本構想検討委員会
第1回 都立小中高一貫教育校基本構想検討委員会 会議要旨 1 日 時 平成25年4月25日(木)午後5時30分から午後7時5分まで 2 場 所 東京都庁第二本庁舎31階 特別会議室21 3 議 事 (1)委員長の選任 (2)都立小中高一貫教育校の設置について (3)意見交換 4 出 席 者 (1)委 員 斎藤尚也委員長、高野敬三副委員長、上野淳委員、遠藤謙委員、成田奈緒子委員、菱村幸彦委 員、野城智也委員、米倉誠一郎委員、新谷珠恵委員、水上幸夫委員、榊原宗敏委員、今城徹委員、 覚張真宏委員、守屋一幸委員、山﨑芳明委員、木戸義夫委員、直原裕委員、谷島明彦委員、金子 一彦委員、岡﨑義隆委員 (2)冒頭挨拶 比留間英人東京都教育委員会教育長 5 比留間教育長冒頭挨拶(要旨) ○ 猪瀬知事は、本年2月、都議会における施政方針の中で、小中高一貫教育校について、受験で 区切られることなく12年間の期間を確保できることや、先取りして新しいことを学べる実質的 な飛び級の仕組みをつくることができること、そして、こうした仕組みは特に理数系の分野で効 果を発揮することが期待できることなどについて述べ、その設置を検討する方針を表明した。 ○ 東京都教育委員会は、この知事の方針を受けて、小学校から高等学校段階までを一体として捉 えた、公立学校としては全国初となる小中高一貫教育校を設置し、新たな教育モデルを全国に発 信することとした。 1/4 ○ 本検討委員会においては、小中高一貫教育校の全体を貫く教育理念や仕組みなどが明確になる よう、それぞれの専門や立場から議論を尽くしていただき、都民が納得できるような学校の基本 的な姿を描いていただきたい。 6 事務局説明 別紙により説明 7 意見交換(発言要旨) (1)これからの社会に求められる人材 ○ グローバル化や科学技術立国、これは誰もが抗することができない我が国の非常に大きな課 題である。 ○ 自分がいた海外の大学にも理系の日本人が何人か来たが、人数がどんどん減ってきて、海外 にいても、日本人の理系に対する意識が減少していることを感じた。 (2)都立小中高一貫教育校設置の基本的な考え方 ○ 戦後教育は、教育の機会均等が重視されたので、優れた能力がある子供をどう育てるかとい う点には少し欠けるところがあった。設置するのであれば、徹底して、世界に通用する英才教 育を行うべきである。 ○ 優れた能力を持った子供の中には、発達障害の診断を受けるような子供もいる。そういう子 供を受け入れる学校が公立の中にあるべきではないか。そういう子供が持っている良い面を伸 ばすことが必要である。 ○ 都立の小中高一貫教育校には発達障害がある子供も入学してくると思う。どんな家庭状況の 子供でも均等に教育を受けられる、そして、特別なニーズを必要とする子供でもその才能を伸 ばしていける機会が与えられるという意味では、その存在意義は高い。 ○ お互いの個性を尊重して、ある科目ができる、できない、それも一つの個性で、それぞれに 世界で1番のことがあることを発見していけるような、そういう意味での我慢ができる学校を 設置することが必要ではないか。 ○ 世界でたたかえる人材と小中高一貫教育との因果関係が浮かばない。 ○ 各委員が思っているものが全然違う。選別して、エリート教育ですごい学校をつくっていく ということと、豊かな個性に配慮して、本来であれば開花すべきものを画一教育の中で駄目に されていることに対して手を差し延べるような教育、思っていることが全く違う。 ○ 各委員が描いている世界とたたかうエリート像が全然違うのではないか。イギリス型のパブ 2/4 リックスクール型で行くのが本当のエリートなのか、それとも、プロフェッショナルスクール で、世界の中で世界の人たちと勉強して、自分を30歳くらいで確立するというのが本当の世 界とたたかえる人材なのかについては、精査したほうがいい。 ○ 日本全国に公立の小中高一貫教育校がなぜないのか。それは、現状が良いからとは誰もが言 わないだろう。たった1校で全ての課題に応えるわけでもない。しかし、設置してみる価値も あるのではないかということが、前提としてあるわけである。いろいろと難しい問題はあるが、 ないことを実施してみようという試みについて、もう少し積極的に意見をいただきたい。 (3)目指す教育 ○ 都立の小中高一貫教育では、12年間の連続した期間ということで、時間的なゆとりもより 確保できるが、生徒たちにじっくり考えさせる、あるいは、様々な体験をさせるなど、学力は もとより、人間形成の面からも計画的・効果的な教育を実現できるのではないか。 ○ 12年間余裕があるところでしっかりしたカリキュラムができるのではないか。 ○ 理論的な思考ができ、自分で問題が定義できて、解き方も工夫していけるような能力が求め られるのではないか。 ○ 論理思考ができる脳をつくることが一番大事で、これができるのが小学校4年生から中学生 にかけてである。この時期に睡眠時間をどんどん短くして、心も不安定な状態にすると、脳が うまく発達しない、だから論理力が落ちる。小中高一貫教育校の最も良い点は、受験が無駄と は言わないが、受験勉強をなくすることで脳をもっとよく発達させられるのではないかという ことである。 ○ 中学校は、どうしても受験ということが目の前にあるから、受験対策的な、子供たちが受け 身な授業になりがちである。もっとグローバル化の中で生きる子供たちを育てるためには、自 ら主体的に考え、判断し、表現する力をつけないといけない。 ○ 教員が誰を中心に教えているかというと、やはり中間層である。そうすると、上の子は伸び ない、下の子はついていけない、そのような現状がある。 ○ 一人一人の資質や才能を見出し、先取り学習を取り入れ伸ばす教育について非常に期待して いる。 (4)今後の主な検討内容 ○ 小中高一貫の制度がないので、どううまく今の制度をくみ取っていくか。学習指導要領の特 例を取り込まなければ意味がないので、学習指導要領の特例をどう小学校まで及ぼすことがで きるかが課題である。 ○ 都立小中高一貫教育校では、語学教育が大事である。 3/4 ○ 重要なことは、優秀な子供、才能に恵まれた子供をどのように集めるかということである。 小学校で選抜するのはなかなか難しい。能力の分化が進むのは、小学校5、6年生あたりから であるから、小学生段階でどのように集められるか。 ○ まず小学校の選抜の段階でどのようなことをするのか、そして、いろいろな段階でどう出し ていくのかという出入りの関係。出すことがあるのか、また、新しく入れるのかについて、よ く検討してほしい。 ○ 特に気にしているのは、小から中へ切り替わるところである。中から高へは意外とスムーズ に行くと思うが、そういう区切りをなくしていくということをどのように検討していくのかに ついて興味を持っている。 ○ 高大連携について、大学と都立唯一の小中高一貫教育校の両者がどのような連携あるいは共 同・協力関係を構築していくかということは、今後の一つの課題である。 ○ 生徒は12年間の一貫教育なのに、教員が短期間で異動するということはあり得ない。教員 の異動については、いろいろと課題がある。 ○ 中学校と高校の教員免許は教科ごとであるのに対し、小学校の教員免許は全科という壁があ るので、子供たちを12年間見ていく中で、この問題をどのようにしていくのか。 (5)その他 ○ 小中一貫や中高一貫のいろいろなメリット・デメリットを精査し、そのメリットを最大に生 かす、課題はきちんとクリアする仕組みを考えた上で実現してほしい。 ○ 学校内での友人関係を含め、生徒を取り巻く環境に長い期間変化がないということで、これ は良い面もあるが、いろいろと課題もある。 ○ 大学に入学してくる学生が均一化してきているように思う。 ○ 東京都全体の教育を見ると、中学校は非常に細っている。その理由としては、中高一貫教育 校が成果を上げていることが、ある意味では、更に中高一貫の傾向を強めているという効果も あること、また、地元の小学校へ通い、中学校へ通い、その先に高校に行くというメインルー ちょう トから考えると、やはり都立高校が凋落してしまったことが考えられる。 4/4 別 紙 都立小中高一貫教育校の設置について 1 これからの社会に求められる人材 (1)社会のニーズ ○ グローバル化が進む中での日本の存在感が低下 ○ 「知識基盤社会」の到来 ⇒ 知識を基盤として、世界と渡り合わなければ取り残される時代 ○ 天然資源が少ない我が国において、科学技術の果たす役割は大きい ○ 科学技術イノベーション政策を推進するためには、優れた人材の絶え間ない育成が 必要 ⇒ 科学技術立国としての使命 (2)現状と課題 ○ グローバルな人材の需要が高まる中、海外勤務を望まない新入社員が増加 ○ 児童・生徒の理数嫌い ○ 優秀な研究者や技術者の退職 平成25年4月25日 教 育 庁 3 一貫教育校の現状 (1)公立小中一貫教育校の現状 全国 東京 111校(平成22年度・小中連携に係る文科省調査による) 28校(平成25年4月現在) ※ 小中一貫・連携教育については、法制度上の定義はないため、「○○学園」、「○○ 小中学校」等、小中学校を一体的に運用しているものを「一貫校設置数」として計上 (2)中高一貫教育校の現状(平成24年度) (単位:校) 公立 私立 国立 合計 中等教育学校 全国 東京 28 6 17 0 4 2 49 8 併設型 全国 東京 74 5 234 5 1 0 309 10 理数を中心として、世界に伍して活躍する人間の育成が求められている 合 全国 102 251 5 358 計 東京 11 5 2 18 ※東京は全国の内数 (3)小中高一貫教育校の現状(東京・平成25年4月現在) (単位:校) 2 都立小中高一貫教育校設置の基本的な考え方 私立 国立 合計 高校まで設置 15 0 15 大学まで設置 34 6 40 合 計 49 6 55 理数を中心に、世界に伍して活躍できる人間を育成するため、児童・生徒一 人一人の潜在能力を最大限に引き出す新たな教育モデルを構築する 都立小中高一貫教育校が目指す教育(案) ○ 科学技術を巡る世界的な競争を担う人間を育成する教育 ○ 思考力、判断力、表現力を鍛え、世界で活躍できる力を育てる教育 ○ 一人一人の資質や才能を見出し、先取り学習を取り入れ伸ばす教育 ○ 小・中・高の区切りにとらわれず、現在の児童・生徒の発達段階を踏まえた 12年間の系統的・継続的な教育 4 今後の主な検討内容及び開催予定(案) 主な検討内容 初等中等教育の現状と課題について 育成すべき生徒像について 学校の設置目的と教育理念について 12年間の系統的な教育課程について 小・中・高の接続の在り方や規模について 高大連携について 中間まとめ(案)について 中間まとめ 公表 パブリックコメントについて 入学者決定の仕組みについて 中途での入学・転学の在り方について 教職員の体制について 報告書(案)について 報告書 公表 開催予定 第2回(5月) 第3回(6月) 第4回(7月) 第5回(8月) 9月 第6回(10月) ~第10回(2月) など 3月