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第2回 新産業分科会 議事要旨

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第2回 新産業分科会 議事要旨
第2回
新産業分科会
議事要旨
1.日時
平成 25 年 12 月 26 日(木)
14:00-16:00
2.場所
中央合同庁舎4号館
全省庁共用 1214 特別会議室
12 階
3.議題
(1)開会
(2)構成員からのプレゼンテーションと意見交換
① 坂村構成員
② 野原構成員
③ 今井構成員代理
④ 藤沢構成員
⑤ 森川構成員
(3)閉会
4.議事概要
(1)開会
○事務局より開会宣言
○徳田座長よりあいさつ
・ ビッグデータに限らず、ICTを活用して新しい産業やサービスを創生していく上
で、アメリカ等に比べるとなかなか我が国はうまくいっていない部分があるた
め、ぜひ本分科会でその点を踏まえて議論したい。
・ ビッグデータ、パーソナルデータ、オープンデータの各々の扱いについて、デ
ータセントリックな見方をするとやや危険であるため、ホリスティックにいろ
いろな角度から見ていく必要がある。過去の事例を踏まえて、新しい枠組みの
サービスや新産業のトライアルなど、本分科会の構成員の皆様の様々な知見で
議論していただければと思う。
(2)構成員からのプレゼンテーションと意見交換
① 坂村構成員
○坂村構成員より資料1について説明。
〔意見交換〕
・ 先日のIT総合戦略本部において、パーソナルデータの検討会の中間報告があり、
今後の方針が採択された。データの匿名化に対しては汎用かつ完璧なものはな
く、ある範囲では匿名化をする一方で、個人が特定されて不利益に結びつくよ
うなことを防ぐために、何らかの罰則などを法的にかける必要がある。これら
の考えでパーソナルデータを使えるようにする方向で来年6月ごろまでに法
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律の大綱をつくり、再来年の通常国会に出そうというところまできている。
・ 最初から個人情報を漏らしたら罰則ということをやるのはなかなか難しいの
ではないか。どうやっても個人情報は漏れてしまうことはある。そのため、後
からその決着をつけるような方向で法律をつくるべきではないか。
・ ビッグデータの使用による問題に対して、そのクレームを受け付けて、どうい
うことかをきちんと事後判断するような組織をつくることが必要ではないか。
・ アメリカでは匿名データの交換が始まっており、日本のデータが蓄積されてし
まい、日本のデータがアメリカを経由して戻ってくるということも将来的には
起こり得る。制度の枠組みについて、海外との競争があるということをもう少
し明確に意識したほうが、良いのではないか。
② 野原構成員
○野原構成員より資料2について説明。
〔意見交換〕
・ 3ページに書いてあることをやろうとするとき、アメリカの場合は、やっては
いけないことだけが法律に書いているため、みんなは思いついたことをどんど
んやる。匿名データの売買取次ぎ事業などもできている。しかし、日本の場合
は、やっていいことを法律で決めている。それでは時間がかかってしまう。事
後に良いか悪いかを判断すべきではないか。
・ アメリカの場合にもトラブルは起きているが、裁判で決着できるようになって
いる。
・ Xプライズの件に関連して、日本でも賞金として政府から億単位の税金を出す
ことができるのか。
・ 以前にもXプライズくらいのスケールで検討されていたという資料があった
が、途中で止まってしまった。やる気があれば、解決策は見つかるのではない
か。
・ 基本的に日本のベンチャーの育成環境は貧弱だと思うため、様々な手を打って
育成する必要がある。アワード型は重要だが、それをやれば解決するのかとい
うとそうではないため、Jリーグ方式の体系づくりは必要だと思う。
③ 今井構成員代理
○今井構成員代理より資料3について説明。
〔意見交換〕
・ データの本源は個人にあると思うが、データの所有者が企業であり、どこかで
活用するということになると、個人には何ら利益がない。
・ 企業サイドはたまたまITが成長したことによって集まったデータがあり、それ
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を活用すれば金になるということで議論が盛り上がっているが、それらのデー
タの本源は個人。その個人から様々なクレームが出ているのが現状。最終的に
個人にフィードバックできるような新しいサービスが必要。特にヘルスケア、
健康関係、医療関係のところは非常に重要な意味を持つ。
・ アンケート調査を信じるのではなく、行動観察調査というものによって、人に
言いたくない心理や行動のくせを発見し、その中から真実を見出すことをやっ
ている。言葉で表現できないものは、ビジュアル投影法という分析を行なって
いる。まだ定性分析だが、定量化できるように検証している。そうしないと生
活者に密着した新しいビジネスが見えてこないというのが現状。
④ 藤沢構成員
○藤沢構成員より資料4について説明。
〔意見交換〕
・ 新しいものをやろうというアイデアを持っていても、彼らが組織を作るにはマ
ネジメントをやる人があまりにも足りないのが現状。そういう意味では、イノ
ベーティブでなく、きちんと仕組みをつくることに徹してきた経営人材も非常
に重要。
⑤ 森川構成員
○森川構成員より資料5について説明。
〔意見交換〕
・ 7ページのパーソナルヘルストラッキングのシステムについて、アメリカでは
かなり多くの人が持つようになったが、日本ではこの種のものはあまり人気に
なっていないというのが現状。それはアメリカと日本で医療等に関する社会制
度の根本的違いによって、自分のヘルスケアに対するマインドセットが全く異
なるからである。
・ ビッグデータなどを活用してものを考えていくときには、そこの背景にある社
会制度まで踏み込んだ議論をしていかないと、テクノロジーだけあっても普及
はしていかないのではないか。
・ 医療をはじめとしたプライバシーに関わるデータの公開という面について、ア
メリカは様々な事例でプライバシーをオープンにするという人がたくさんい
るが、日本はアメリカに比べたら少ないのではないか。データを集める際には、
その違いがデータの信憑性にあらわれてくる。個人の名前を出しているのであ
れば信用できるということ。ただし、国民性や文化の違いがあるため、日本で
はなかなか難しいのではないか。
・ ペイ・フォー・リポーティング(P4R)という制度があり、これはリポートし
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てくれたら金、すなわちインセンティブを出すというもの。欧州では結構出さ
れている。このような制度的なデータを出させる仕組みを考えていくのであれ
ば、日本でもできるのではないか。
〔全体を通しての意見交換〕
・ ビッグデータ、オープンデータ、パーソナルデータでトラブルが起こった時に
どうするのかということについて、ある程度政府としての考え方を出しておか
なければならない。例えば、データに関する特別な裁判所や調停機関などの解
決する場をつくって安心を与えることが必要。
・ カンボジアでは金融をはじめルールの整備がほとんどないため、今、日本の中
小企業がカンボジアに結構行っている。反面、大企業はルールがないとコンプ
ライアンスの関係上、カンボジアでの事業に抑制的。このように、特区につい
ても大企業が活動しやすくなるようなしくみを考えるべきではないか。
・ 穴を開けていくのは中小企業と考えられるのではないか。
・ イノベーションは数を打たないと当たらないと思う。特区はいいのだが、特区
の中で1、2個のプロジェクトが動いたところではだめ。何百、何千あるいは
何万という数の芽をとりあえず出していくような仕組みを政府全体でつくって
いかなければいけないのではないか。
(3)閉会
○遠藤政府CIOよりあいさつ
・ 山本大臣が9月にアメリカのシリコンバレーを訪問した際、向こうのITベンチ
ャーの方々と話をして、あの雰囲気を日本に作りたいと考えている。そこで、
日本の若手IT経営者に何人か来てもらって意見交換することを始めている。
・ ベンチャーが起業しやすくなることや、次の段階へ進もうとしている人たちの
サポートなど、ベンチャーを後押しするものを本分科会から出していきたい。
○徳田座長より閉会のあいさつ
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