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第1回 今後の跡地利用施策の展開方策に関する検討会 議事要旨

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第1回 今後の跡地利用施策の展開方策に関する検討会 議事要旨
第1回
今後の跡地利用施策の展開方策に関する検討会
議事要旨
【開催日時等】
○ 開催日時:平成20年10月22日(水)16:00~18:00
○ 場
所:日本都市センター7階 705号会議室
○ 出 席 者:荒田座長、高嶺座長代理、上江洲委員、大澤委員、新田委員、平良委員、山内委
員、神山委員、仲村委員
原田統括官、山口専門官、加塚技術部長
【議題】
(1)開会
(2)開催要綱(案)について
(3)委員紹介
(4)座長選出
(5)跡地利用の取組について
(6)意見交換
(7)閉会
【配布資料】
○ 座席表、議事次第
○ 資料 1:検討委員会開催要綱(案)、委員名簿
○ 資料 2:跡地利用施策の現状
【原田統括官挨拶】
○ 跡地利用を検討していく際のテーマとして、跡地における具体の土地利用に係るテーマと土
地利用の円滑な実現へ向けた方策に係るテーマの2つがある。本検討会で検討する対象は主
として後者である。当然、土地利用の円滑な実現に向けた方策は具体に土地利用をどのよう
にしていくかということと密接不可分であることから、完全に切り離して議論することは難
しいので、本検討会の議論の中で具体の土地利用について県又は市町村から説明いただくこ
とになるだろう。基本的には、どのような土地利用を考えていくのかというテーマについて
は地元が中心となって考えていくものだと思う。しかしながら、今回の検討会で想定してい
る返還跡地の大規模性、その県土に占める位置から、沖縄県全体へ大きなインパクトを与え
るだろうことを考えると地元が中心となって描く土地利用の実現を円滑に進めていくこと
は容易ならざることであろうと考えている。具体の土地利用を開始するまでにはまだ間があ
るが、土地利用の円滑な実現へ向けた諸課題、課題への対応方策については、早めに検討し
ておくべきであり、国としても今年度からその取組をスタートさせたところである。地元中
心の検討作業と連携しながら国としても検討を進めていきたい。
【資料説明等】
○ 事務局から配布資料に基づき説明。
○ 平良委員(沖縄県)、山内委員(宜野湾市)及び神山委員(北谷町)からそれぞれの取組み
を説明。
【意見交換】
集中的な跡地の返還によりどのような影響が考えられるか
○ 地価下落の原因として、需給バランスの崩壊、地代保証の消滅という沖縄固有の問題がある
が、どちらも影響は大きい。返還スケジュールの決定に市場が反応し、比較的早く地価下落
がおきる可能性も否定できない。
○ 那覇新都心の場合、仮換地指定をしたときに周辺の地価が下がっている。那覇新都心の具体
的な整備が確実になった時点で周辺から新都心への移動(期待)があったのでないかと思わ
れる。今後返還が予定されている基地の地主及びその周辺の地主にはショックを与えること
が想定される。地価が下落する可能性は極めて高いが、区画整理事業にとっては、地価の下
落よりも、最大 1500ha の返還により、使い道のない土地が大量に発生し、保留地の売り先
がないことの方が問題である。
○ 2030 年以降は人口減少社会に入り、沖縄県内の人口は約7万人しか増えない。那覇新都心
の人口が約2万人であることから、那覇新都心 214ha に対して約3倍の 600ha 程度が住宅地
としての需要であり、その2倍以上の最大 1,500ha が出てくるわけで、開発は徐々にやらな
ければならないが、徐々にやればすべてが解決するということも多分ないと思う。
○ 例えば、住宅地の価格が半分になった場合、倍の土地が使用される可能性はないか。土地が
安くなるということは、逆に土地が使いやすくなることに活路を見出せないか。
○ 地価が低下することで賃借料が安価になるなど、企業の場合ではバランスシートが小さくな
り、生み出すキャッシュフローも少なくなるため、憂慮すべき事態が生じる可能性がある。
そういう事態が直前まで迫っているという危機感を関係者で共有して、なるべく地価が下が
らないようにするにはどうしたらいいのか、キャッシュフローが守られるにはどうしたらい
いのかそういう議論をしていく方がいい。
○ 地価が上昇することが地主やまちづくりにとって良いことなのか。地主にとって土地を売る
気はあまりなく、固定資産税が上がることが地主にとって果たして良いのかどうか疑問。現
在は、地代を安定的にもらっているわけだから、その土地を活用して、安定的に土地から得
られる収入があれば良いのではないか。
○ ある返還跡地の場合は、地主の意見では、安定的に借りてくれるところであれば良いという
ことであった。土地の返還と地価の問題では、地主にとって、安定的に土地による収益を担
保してくれれば、ある程度合意形成は図れると思う。
○ まちづくりを成功させて、沖縄県でいろいろな事業をやりたい、または住宅を立地したいな
ど、そのような人達が増えてくれば、地価も上がる方向に作用すると思う。地価を上げるた
めの施策をやるのではなく、魅力ある空間を示せば、自ずとそれは地価に反映されるという
ように逆に考えた方が良い。
○ 土地区画整理事業では、事業の成否を地価で最終的に判断している。今はなかなか厳しい時
代なので、一般的には、地価が従前地より下がるのであれば、もう事業をやる意味がないと
いう判断となる場合もある。ただし、基地の跡地では、やはり開発しなくてはならないこと
から一般の区画整理事業とはまったく違う判断になると思う。
○ 軍用地返還跡地の特殊性から考えた場合、跡地利用をやらなければいけない。地価を低下さ
せないためではなく、全体的に開発をおこない、跡地利用を進めることが必要である。また、
国道沿道では大きな問題は発生しないが、地理的ポテンシャルの低いところは採算が採れな
いからと言って放っておくことは出来ない。その部分をどうしていくかが課題になる。
○ 地価は下落するという共通認識をもち、下落を止めるためにはどのような跡地利用が必要か
考えていくべきである。
○ 地価の下落に関しては、地権者に対して自覚を促すという意味で必要な情報だと感じている。
地価の下落は織り込み済みだということを、最初から地権者の中でも意識統一させ、それを
踏まえた上で、跡地利用計画を立てることが求められる。
跡地の開発と既成市街地のまちづくりをどのように共存させたらよいか。
○ 那覇新都心の場合、既成市街地の事業計画と跡地事業の効果的なタイアップがなかったよう
に思う。基本的には、税制など制度の問題にもなるが、事業区域が違うということでうまく
権利変換ができなかった。今回は、個々の返還跡地ごとの事業ではなく、広域の視点から、
統一的な事業として権利変換ができないだろうか。
○ 既存市街地の事業計画と跡地の事業のタイアップをする場合に、普天間飛行場跡地のように
周辺に道路も何もない跡地と、那覇新都心のように跡地が道路で仕切られているところで
は、周辺の考え方や地域の一体性の考え方は違ってくる。既成市街地の落ち込みについては、
別の対応が必要と考える。
○ これまでの跡地利用の状況を見ると、既存産業の空洞化の影響が出てきており、跡地と既成
市街地が別々のコンセプトでバラバラにまちづくりを進めると魅力が減退する。さらに、パ
イの奪い合いが生じる可能性もある。従って、既成市街地の方々を巻き込んだ形でのまちづ
くりが、実際には必要になってくる。跡地ごとに特性や状況が違うことから、制度的な問題
も含めて、整理する必要がある。
基地の返還によるメリットをどう活かしていくか。
○ これだけの新しい土地が確保されることは、世界を見渡してもあまり事例はないのではない
か。ところが、各地域で作られている基本的な計画はあまりに総花的であり、どのようなま
ちづくりを考えているのかが見えない。やはり、強いはっきりとしたまちづくりのメッセー
ジやコンセプトを作ることが必要である。それを作ることが出来れば世界の人達の耳目を引
くような、新しいフロンティアを創れるような可能性を感じる。
○ 返還跡地の整備は、沖縄県の将来を左右するものと考えている。嘉手納飛行場以南の返還跡
地利用において、沖縄県の抱えている雇用の問題を解決できるのではないか。県のビジョン
を関係市町村が十分議論をしたうえで共有し、合意のもとにそれぞれの市町村の役割やゾー
ニング等を分担する必要がある。ただし、絵を描くだけではなく、それが市町村として実現
可能な何らかの担保を確保した上で進めていくことが必要である。
○ メリットとしては、本土の基地は地理的に不便なところにあることが多いが、沖縄県の6基
地では、周りが密集市街地である。次に沖縄の自立経済を考えるならば、基地開発を雇用開
発に直接結びつけていくことが必要である。また、宜野湾市の普天間飛行場では、基地があ
ることによって、相当都市計画がゆがんでおり、この際、ゆがみを正し、これから 100 年あ
るいは 500 年もつ都市計画の観点が大事である。それから、9/10 補助は圧倒的に事業がや
りやすく、その制度のあるうちにきちんと開発に取り組むことも大事な視点である。最後に、
都市計画は 100 年の大計とよく言うが、造った道路は、500 年の時空を超えてしまう。基地
の跡地開発では、100 年の時空を超えるために、大きな画地を造ることが求められる。建物
は、どんなに良いものを造っても 100 年持たないが、道路や街路は 100 年の時空をあっとい
う間に超えていくことから、かなり慎重にインフラを造ることが求められる。なるべく公共
用地を先買いして、必要なものについては手当をしながら、地主の土地もなるべくまとめて、
大きな街区を造るべきだと考える。
○ これまで基地があるために、道路の配置やインフラの配置など、様々な制約を受けてきた。
今後、例えば跡地の有効利用ビジョン等を検討する中で、様々な産業の導入を既存産業と競
合しない形で推進していけないだろうか。また、跡地を整序する中では、様々な補助がある
が、そのような制度や仕組みを見直し、活用しながら、さらに必要なものを設けていく必要
もあると考える。
以上
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