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3PARユーティリティストレージと VMware vSphereの統合

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3PARユーティリティストレージと VMware vSphereの統合
3PARユーティリティストレージと
VMware vSphereの統合
HP 3PARストレージシステムによるVMware vSphere環境の
最適化、簡素化、コスト削減
テクニカルホワイトペーパー
目次
エグゼクティブサマリー ..................................................................................................................................2
はじめに .....................................................................................................................................................2
概要...........................................................................................................................................................2
仮想マシン密度の向上 ..................................................................................................................................3
パフォーマンスと信頼性機能.......................................................................................................................4
キューデプススロットリング .........................................................................................................................5
SCSI予約によるメタデータのロッキング .........................................................................................................5
vSphere Storage API - Array Integration(VAAI)............................................................................................6
ストレージI/Oコントロール..........................................................................................................................7
vSphere Storage API – Storage Awareness(VASA) ......................................................................................7
VMFSとRDMの比較 ..................................................................................................................................8
コスト削減 ...................................................................................................................................................8
仮想ボリューム:シンとシックの違い .............................................................................................................8
仮想ディスクフォーマットオプション ...............................................................................................................9
HP 3PAR Thin Conversion SoftwareとHP 3PAR Thin Persistence Software ....................................................... 10
管理効率の改善.........................................................................................................................................12
HP 3PAR Management Software Plug-In for VMware vCenter....................................................................... 12
HP 3PAR Recovery Manager Software for VMware vSphere ........................................................................ 13
HP 3PAR Replication Adapter Software for VMware vCenter SRM ................................................................ 14
HP 3PAR Dynamic Optimization SoftwareとVMware vSphere ...................................................................... 14
Boot from SAN環境................................................................................................................................15
結論.........................................................................................................................................................16
付録:Q&A ................................................................................................................................................17
詳細情報 ..................................................................................................................................................19
エグゼクティブサマリー
本書では、仮想マシン(VM)密度の向上、管理の簡素化、仮想化されたサーバー環境での大幅なコスト削減の実
現などの、HP 3PARユーティリティストレージとともにVMware vSphereを配備する利点について説明します。また、
VMware vSphereとHP 3PARユーティリティストレージの統合ソリューションに関するベストプラクティスについても
説明します。
対象読者:本書は、HP 3PARストレージシステムを利用してVMware仮想化環境を設計または実装するソリュー
ション設計者およびシステムインテグレーターを対象としています。
はじめに
VMware社のサーバー仮想化は、多数のサーバーを統合して、データセンターのコスト削減と柔軟性の向上を実
現するための強力な環境を提供します。HP 3PARユーティリティストレージは、仮想サーバー環境固有のニーズに
適合するように設計された、高度に仮想化されたストレージプラットフォームであり、理想的な形でVMware
vSphere配備を強化します。
本書では、VMware vSphereによるサーバー仮想化環境においてHP 3PARストレージシステムを使用する利点と
ともに、ベストプラクティスについて説明します。
概要
適切なストレージプラットフォームをベースとしてサーバー仮想化を導入することで、統合、管理効率、コスト削減を
改善できます。その結果、サーバー仮想化によってデータセンターが変革されるだけでなく、データセンターに関連
する業務も変革されます。ただし、これらの変革による成果は、動的で統合されているという仮想化サーバー環境
の特徴に適応できるよう、パフォーマンス、可用性、柔軟性を備えたエンタープライズストレージを使用しているか
どうかに依存します。
HP 3PARユーティリティストレージは、最も要求の厳しい動的IT環境の経済的要件と運用要件にも完全に対応し、
データセンターの変革に必要なSANのパフォーマンス、スケーラビリティ、可用性を提供して、コンバージドインフラ
ストラクチャをサポートするために構築されました。HP 3PARユーティリティストレージは、連携して動作する次世代
のティア1ストレージであり、HPコンバージドインフラストラクチャの一部分として、仮想データセンターとクラウドコン
ピューティング環境に要求される100%のアジリティ(俊敏性)と効率を提供します。これは、業界でも独自のスト
レージ連携、安全なマルチテナント、ビルトインシンプロ処理機能、自律管理、ストレージ階層化機能を提供する革
新的なシステムアーキテクチャーによって実現します。
VMware vSphereとHP 3PARユーティリティストレージを組み合わせることにより、リソース全体の利用率、プロビ
ジョニングのアジリティ、管理効率、資本コストと運用コストの両方を改善する強力な仮想データセンターソリュー
ションが実現されます。
HP 3PARユーティリティストレージは、次のように独自の方法でVMware vSphere配備の柔軟性と投資収益率
(ROI)を強化します。
仮想マシン(VM)密度の向上:独自のHP 3PARアーキテクチャーがすべてのドライブにわたり幅広くボリュームを
ストライプ化して、最大のI/Oスループットと最小のレイテンシを実現し、サーバーメモリのボトルネックと従来のスト
レージ制約を軽減します。アレイパフォーマンスの向上により、VMベースのアプリケーションパフォーマンスを改善
できるだけでなく、HP 3PARストレージシステムの優れた信頼性およびVMwareのvSphere Storage API - Array
Integration(VAAI)の高度なサポートと組み合わせることで、VM密度を高めることができます。これにより、物理
サーバー上の仮想マシン密度を倍化し、物理サーバーに従来のストレージプラットフォームの2倍の仮想マシンを
搭載できます。
2
簡素化されたストレージ管理:HP 3PARユーティリティストレージにより、ストレージ管理時間が最大90%短縮され
ます。HP 3PAR Autonomic Groupsなどの高速プロビジョニング、自律的負荷分散、ソフトウェア管理製品により、
繰り返しの多いストレージ管理作業が自動化されます。HP 3PAR Dynamic Optimization Softwareのような自律
的ストレージ階層化ツールにより、管理者はサーバー運用を中断せずにストレージの割り当てを調整できます。ス
トレージ連携機能により、データと作業負荷を簡単かつ柔軟にストレージアレイ間で中断なく移動することができま
す。
VMware vCenter Serverとの統合:HP 3PAR Management Software Plug-In for VMware vCenterにより、管
理者はvSphereコンソールからHP 3PARストレージボリュームを監視できます。HP 3PAR Recovery Manager
Software for VMware vSphere は、HP 3PAR Virtual Copy Softwareを使用して、VMおよびアプリケーションに対
応した、ある時点の瞬間的なディスクベーススナップショットを作成するので、VMware管理者による仮想マシン
ディスク(VMDK)全体、個別VM、または個別ファイルのリカバリプロセスが簡素化されます。
簡素化されたディザスターリカバリ:HP 3PAR Replication Adapter Software for VMware vCenter SRMは、HP
3PAR Remote Copy Softwareに基づく、VMware vSphere環境用の簡単で信頼性の高い複製とディザスターリカ
バリを提供します。
費用対効果の高いHP 3PAR Thin Provisioning Softwareによる広範なVMware vSphere配備:HP
3PARユーティリティストレージでは、Fast RAID 5およびRAID6(別名「RAIDマルチパリティ」または「RAID MP」)およ
びHP 3PAR Thin Provisioning Softwareが提供する費用対効果の高い使用可能容量を利用することで、VMware
vSphere環境での柔軟性が向上し、物理ストレージ容量のニーズを縮小できます。Thin Provisioningにより最初か
ら容量を多めに割り当てておくことで、データ書き込み専用に実際の物理容量を少しずつ購入することができます。
その結果、従来のストレージプラットフォームに比べ、購入容量を50%以上削減できます(保証付き 1)。
HP 3PARによるVMwareエンドユーザーコンピューティングイニシアチブのサポート:HP 3PARユーティリティス
トレージは、VMware ViewとVMware View Composerの配備のために、ストレージおよび仮想デスクトップ両方
の高速なプロビジョニングを可能にします。この2つのソリューションを連携させることで、起動イメージとユーザー
データ用のストレージ効率を改善し、エンタープライズエンドユーザーコンピューティグ配備に要求されるパフォー
マンス、スケーラビリティ、高可用性を実現します。
仮想マシン密度の向上
コスト削減を推進するには、仮想サーバー環境で作業負荷を統合することが鍵になります。物理サーバー当たり
の仮想マシンの数、すなわち「VM密度」は、統合成功率の代表的な指標であり、高性能と信頼性の証です。HP
3PARユーティリティストレージ、ワイドストライピング、ミックスワークロードのサポート、VMware Adaptive Queue
Depth ThrottlingアルゴリズムとStorage APIとの統合により、従来のストレージアレイを使用したVMware配備に比
べ、サーバー1台当たりのVM密度を2倍以上に改善するために必要なパフォーマンスが実現されます。
VMware ESX/ESXiサーバーには、それぞれが独自のI/Oパターンを持つさまざまなVMを搭載できます。ほとんど
の場合、I/Oはランダムです。ランダムなI/Oとは、アクセスパターンが予測可能な場合より、サーバーにとってスト
レージキャッシングによる利点が少ないことを意味します。そのため、ディスクアクセス要求が増えます。したがって、
パフォーマンスは、LUNを構成するドライブの台数(IOPS密度)に左右されます。ワイドストライピングにより、HP
3PARストレージシステム内のすべてのドライブ全体に中サイズのボリュームが均一に分散されます。その結果、
キャッシング効率が最低であっても、優れたI/Oパフォーマンスが得られます。
ファイルや同様のデータ用にストレージを使用することに加えて、VMware ESXは、現在の仮想化されていない
サーバーと比較してより高速なディスクとのページングやスワッピングなど、積極的なメモリ管理手法を実装してい
ます。そのため、VMware社は、高性能ストレージにスワップファイルを配置することを推奨しています。通常、ESX
配備では、サーバーにインストールできるメモリの量により、1台の物理サーバーに配置できる仮想マシンの数が
制限されます。HP 3PARのお客様の場合、HP 3PARストレージシステムではスワップファイルのパフォーマンスが
改善されているため、従来はサーバーメモリによって制限されていた物理サーバー当たりのVMの数が2倍から4
倍に増やせます。さらにパフォーマンスを改善するには、コストとパフォーマンス両方を最適化する自律的階層化
用に3PARストレージシステムとHP 3PAR Adaptive Optimization Software とともにSSDデバイスを利用できます。
1
Get Thin Guarantee:http://www.hp.com/storage/getthin
3
HP 3PARアレイの信頼性向上は、冗長ハードウェア、高速RAID再構築機能、RAID分離などのアーキテクチャー機
能とHP 3PAR Persistent CacheなどのHP 3PAR InForm Operating System Software機能によるものです。これら
の回復力に関する機能を組み合わせることで、サービス障害が最小限に抑えられ、仮想化されたサーバー環境に
おける統合性が向上し、大きなリスクを防止できます。
以下の各項で、VMware環境でのパフォーマンスと信頼性の向上に寄与するHP 3PARユーティリティストレージ機
能の概要を説明し、ESXおよびHP 3PARストレージシステムでパフォーマンスを最大化するための多くのベストプラ
クティスを説明します。
パフォーマンスと信頼性機能
すでに述べたように、HP 3PARアーキテクチャーにはVMware vSphere配備のパフォーマンスと信頼性を改善する
多くの機能が含まれています。
ワイドストライピングにより、各仮想ボリュームがアレイのすべてのドライブと他のリソース全体に分散されます。こ
れは、 HP 3PAR Thin Provisioning Softwareを使用するボリュームを含むVMware Virtual Machine File System
(VMFS)ボリュームとRaw Device Mapping(RDM)ボリュームの両方に適用されます。ワイドストライピングにより、
小さいボリュームでも多数のドライブで処理できるため、容量利用率が上昇しているときでも一定レベルのパフォー
マンスが得られます。
コントローラーのメッシュ-アクティブクラスター化により、常にすべてのLUNがすべてのアレイリソースを使用できる
ことが保証され、ホストはすべてのLUNに対称型のアクティブ-アクティブアクセスが可能になります。コントローラー
に優先ドライブがあり、アレイ内の「外部」ドライブへのアクセスが困難であった従来のアレイと異なり、HP 3PARア
レイでは、高性能のメッシュ-アクティブバックプレーンにより、アレイに接続するためにどのコントローラーノードが
使用されるかにかかわらず、各LUNはアレイ内のすべてのリソースに一様に高性能アクセスできます。
ヒント
ESX/ESXiサーバーは、デフォルトの「Fixed(固定)」から「Round Robin(ラ
ウンドロビン)」マルチパスに変更することで、メッシュ-アクティブ設計の利
点を最大限活用します。
適応キャッシュは、パフォーマンスを改善するためにキャッシングを調整し
て、読み取り/書き込みキャッシュレベルを動的、自律的に負荷分散しま
す。このとき、ポリシーやスケジュールを手動で設定したり変更したりする
必要はありません。
ミックスワークロードのサポートにより、単一のHP 3PARアレイをめぐる競合なしに、異なる種類のアプリケーション
(トランザクションベースとスループットを重要視する作業負荷の両方を含む)を実行できます。ミックスワークロード
のサポートは、同じアレイがクラスター全体にわたり多様なアプリケーションをサポートする必要がある、統合され
た仮想化環境では特に重要です。
パーシステントキャッシュは、高性能、メッシュ-アクティブバックプレーンを使用して迅速にライトバックキャッシュを
システム内の他のノードに再度ミラー化することで、ノード障害時の回復力を保証します。ノード障害の場合、パー
システントキャッシュにより、HP 3PARアレイはデータ損失のリスクなしに性能を維持できるライトバックキャッシング
を継続的に活用できます。この機能により、「常時オン」のアプリケーションおよび仮想サーバー環境において、従
来のアレイと「ライトスルー」モードに関連する大幅なパフォーマンスの低下なしに、予期せぬコントローラー障害を
正常に処理することができます。
4
RAID分離により、ドライブシャーシ全体(最大40台のドライブ)が失われた場合でも、データアクセスを維持できま
す。従来のRAIDでは、1台または2台(RAID 6の場合)のドライブの障害時にのみ、データアクセスの継続が保証さ
れているにすぎません。
キューデプススロットリング
HP 3PARストレージシステムの各ポートには、ホストバスアダプター(HBA)のモデルに依存する有限のキューデプ
スがあります。ポートに接続される各サーバーがそのポートのキューを共有します。キューが一杯になったポートに
ホストがI/O要求を送信すると、ホストはHP 3PARアレイから「キューが一杯」SCSI応答を受信します。最大キュー
に達したHP 3PARアレイのポートに送信されるI/Oコマンドは、「キューが一杯」SCSI応答を超えて処理されること
はありません。
この応答に対するESXホストのデフォルトの反応は、この応答を有効なコマンドとして認識し、そのポートに要求を
送信し続けるというものでした。これでは、I/O応答がないためにVMが応答しなくなり、ESXサーバーがクラッシュ
する可能性があります。ESX 3.5 Update 4以降では、適応キューデプススロットリングアルゴリズムが含まれ、こ
のアルゴリズムでVMkernel I/OスタックのLUNキューデプスが調整されます。このアルゴリズムは、ストレージアレ
イが「キューが一杯」SCSIステータスを返してI/O輻輳を示すとアクティブになります。VMkernelは、輻輳が検出さ
れるとLUNキューデプススロットリングを行い、輻輳状態が収まるとキューデプスを少しずつ元に戻します。
適応キューデプススロットリングがない場合、I/Oキューが一杯になったVMに起因するリスクを減らすために、管
理者は物理サーバー当たりのVMの数を強制的に制限する必要があります。また、輻輳の検出時に手動でVMの
数を調整する必要があります。これはプロアクティブな対応ではなく、時間がかかる上にエラーが起きやすいプロ
セスです。輻輳制御を自動化することで、管理者は手動で輻輳を制御する必要がなく、自信をもって物理サーバー
当たりのVM数を増やすことができます。
詳しくは、VMwareの応用キューデプススロットリングアルゴリズムを有効にする方法に関するVMwareナレッジ
ベースエントリー(http://kb.vmware.com/kb/1008113)を参照してください。VMwareの応用キューデプスス
ロットリングアルゴリズムを有効にできない場合は、『HP 3PAR VMware ESXImplementation Guide』にESXホスト
でキューデプスの調整やスロットリングを行うための詳細が記載されています。このドキュメントにアクセスするに
は、http://www.hp.com/go/3PARに進み、[3PAR Software]の下にある[HP 3PAR InForm Operating System
Software]製品のページに移動し、[Manuals]をクリックしてください。
ヒント
VMware応用キューデプスアルゴリズムまたはターゲットスロットリングで
は、1個の2Gbポートには最大16台のESXホスト、4Gbまたは8Gbポート
には最大32台のホストを接続する必要があります。応用アルゴリズムを
有効にしている場合でも、パフォーマンスの観点から、各ESXサーバー上
でホストされるVMの数に注意することが重要です。
この値を超えていないことを確認するために、システムで(System
Reporterまたはstatvlun -ni -rw -host <ESXホスト> コマンドを
使用して)[Qlen]の値を監視できます。
SCSI予約によるメタデータのロッキング
複数のESXホストが共有ストレージにアクセスしているとき、ESXによるメタデータ更新の際には排他的アクセスが
保証される必要があります。ロッキングは、複数のホストが同時にメタデータに書き込むことによるデータ破壊を防
止するために必要です。メタデータの更新が必要な操作の例は、VMの電源オン/オフ、VMFSデータストアの追加
/削除、新しいVMの作成、VMware vMotionの使用、VMFSデータストアの拡張です。
5
vSphere 4.1以前では、SCSI予約を使用してこのロッキングが実行されていました。SCSI予約(LUN上のロック)は、
メタデータが更新される前に行われ、他の操作が続行できるようにメタデータ更新操作が完了した後で解除されま
す。このシステムでは、一度に多くの予約を行うと、ホストが予約を行えなかった場合、別のホストがすでにLUNを
ロックしているため、I/O障害が発生します。別のホストとの競合のためにホストが予約を行えない場合、このホス
トは成功するまでランダムな周期で再試行します。再試行の失敗が多すぎると、操作は失敗します。
SCSI予約では、予約の競合を引き起こして競合を長引かせるような操作の数を制限し、同時に試行される予約を
できるだけ少なくするのが最善です。たとえば、複数のVMの電源を同時にオン/オフすることや、VMware
vMotionの複数のインスタンスを並列して実行することはお勧めしません。
vSphere 4.1以降では、vSphere Storage API - Array Integration(VAAI)により、大幅に低いパフォーマンスコスト
でハードウェアに対するこのロッキングを実行できます。
vSphere Storage API - Array Integration(VAAI)
vSphere Storage APIは、vSphereがストレージリソースを利用して、お客様のIT環境に要求される効率、制御、簡
単なカスタマイズを提供するための1組のテクノロジーとインターフェイスです。vSphere Storage API - Array
Integration(VAAI)は、これらのテクノロジーの1つです。APIは、効率的なアレイベースの操作を利用してパフォー
マンスとスケーラビリティを改善するために、VAAIイニシアチブの下で導入されました。
HPは、vSphere 4.1で導入されたvSphereコマンドを使用して強化されたパフォーマンス、アジリティ、スケーラビリ
ティを提供するために、HP 3PAR Management Software Plug-In for VMware VAAIを開発しました。SCSI(T10)
規格の初期サポートは、ブロックレベルコマンドの使用を通じてvSphere 4.1に導入されました。これらの標準コマ
ンドは、Hardware Assisted Locking、Fast Copy、Block Zeroingを有効にした標準のVMwareプラグインによって
有効になりました。
vSphere 5.0は、プラグインをインストールする必要がなく、より進歩したストレージアレイの機能をvSphereが直接
利用できる、強化されたT10規格をサポートします。HP 3PAR InForm OSバージョン2.3.1はネイティブT10をサ
ポートしていないので、3PAR VAAIプラグインをインストールする必要があります。ただし、InForm OSバージョン
3.1.1以降ではネイティブT10サポートが含まれているので、vSphere 5.0内の強化されたVAAI機能を利用するた
めにプラグインは不要です。
VAAIで有効になる一部の重要なハードウェアコマンドを以下に示します。
Hardware Assisted Locking(ハードウェア支援ロッキング)は、高速できめ細かいロッキングメカニズムで
SCSI予約競合を解消します。ATS(「Atomic Test and Set」)コマンドは、一回の操作でメタデータのブロックが予想
通りであることを確認し(テスト)、それから更新されたブロックで置き換えます(設定)。このコマンドを使用すると、
ESXサーバーは前の項で説明したようにLUN全体をロックする代わりに、同じLUN上の他のVMが正常に動作を続
行できるように単一のVMに関連するLUNの一部をロックすることができます。HP 3PARユーティリティストレージア
レイでATSを実装する場合、HP 3PAR ASICを使用してさらにパフォーマンスを改善できます。ATSとHP 3PAR
ASICの組み合わせにより、LUN当たりのVM密度を増やし、vSphere配備のスケーラビリティを改善することができ
ます。
Fast Copy(高速コピー)は、XCOPYコマンドを使用してストレージアレイ内で大きいデータ移動操作を直接実行
することで、VMクローンやStorage vMotionのような日常的な操作のパフォーマンスを改善します。各ブロックがホ
ストへ往復する必要をなくすことで、これらの操作に必要な時間が大幅に短縮され、ストレージネットワークトラ
フィックが最小限に抑えられます。HP 3PAR Thin Persistence Softwareと組み合わせると、HP 3PAR ASICに内蔵
されているアレイのゼロデータ検出機能により、ゼロのブロックは書き込まれなくなるため、ドライブI/Oとストレー
ジ容量も減らすことができます。
6
Block Zeroing(ブロックのゼロ化)は、標準のSCSIコマンドWRITE_SAMEを使用して、大きいブロックレベルの
ゼロの書き込み動作をホストからストレージアレイにオフロードします。ブロックのゼロ化により、Eager Zeroed
Thick(EZT)仮想ディスクを割り当てたり拡大したりするとき、またはEZTでない仮想ディスク上のブロックに初めてア
クセスするとき、ホストのパフォーマンスと効率が向上します。内蔵ゼロデータ検出機能およびEZT仮想ディスクと
組み合わせると、ストレージアレイの帯域幅、ディスクI/Oの帯域幅、ディスク消費量が最小限に抑えられます。
EZT仮想ディスクの初期化が分単位から秒単位になり、高速VM生成と高速実行時パフォーマンス間のトレードオ
フが解消されます。
Space Reclamation(スペース再利用)はvSphere 5.0の新機能であり、標準のT10コマンドUNMAPを使用して、
シンプロビジョニングされたボリュームのスペースを再利用します。UNMAPコマンドを使用すると、vSphereは、た
とえばVMの削除からvSphereによって解放されたストレージのブロック割り当てを解除し、ストレージアレイのリ
ソースプールに返すために、ストレージ管理者が関与せずに自動的にコマンドをストレージアレイに発行することが
できます。vSphere 5.0とUNMAP以前では、ストレージ管理者がLUNに関連付けられたストレージを手動で再利用
するまで、スペースはシンプロビジョニングされたLUNに割り当てられたままになります。
この拡張機能により、必要な物理ストレージが最小限に抑えられるので、HP 3PARのシンプロビジョニングされた
ボリュームの効率が向上します。必要な物理ストレージを最小限に抑えると、インストールされているストレージ容
量の使用効率が向上し、関連する電力コストと冷却コストが低下するので、ROIが向上します。
ヒント
従来のソリューションをESXi 5.0/VMFS5にアップグレードした場合は、
vmkfstools -y 60% <データストア>を使用して、シンプロビジョニ
ングされたボリュームのスペースの再利用を手動で開始できます。
ストレージI/Oコントロール
vSphere 4.1に追加されたストレージI/Oコントロール(SIOC)は、高優先順位仮想マシンのストレージパフォーマン
スを保護する機能です。これは、高いストレージI/Oレイテンシ(デフォルトでは30m秒を超える応答時間)を検出す
ることで実行されます。過剰なレイテンシが検出されると、SIOCは、優先順位の低いVMが共有のI/O帯域幅以上
を取得しないように、(管理者が定義したストレージI/O帯域幅の共有に基づいて)優先順位の低いVMのホスト側
キューデプスのスロットリングを行います。HP 3PARユーティリティストレージをSIOCと統合することで、I/O輻輳の
影響が最小限に抑えられます。そのため、HP 3PARアレイに物理サーバーを接続する場合、物理サーバー当たり
のVMの数を増やし、より高性能のアプリケーションを追加することができます。
vSphere Storage API – Storage Awareness(VASA)
vSphere Storage API - Storage Awareness (VASA)は、VMware vCenter ServerがストレージアレイLUNとその
データストアの機能を検出するために、vSphere 5.0で導入された新しい1組のAPIです。アレイのデータストアの構
成と機能を確認できるので、HP 3PARユーティリティストレージによるvSphere管理が簡素化されます。RAIDレベル、
シンまたはシックプロビジョニングされたデバイスタイプ(SSD、ファイバー チャネル、またはNearline)、複製状態な
ど、機能の状況を標準のvCenterディスク管理インターフェイスから確認できます。そのため、vSphere管理者は、
必要に応じて仮想マシン配置用の適切なディスクを選択することができます。VASAにより、適正なSLAを保証する
ために、以前のように各LUNのストレージ機能を詳細に記載した複雑なスプレッドシートを維持する必要がなくなり
ます。
vSphere 5.0で導入されたストレージプロファイルという概念により、ベースVASA機能が拡張されます。これらのプ
ロファイルをLUNの機能とあわせて利用し、どのLUNがVMのニーズに適合するかを判断します。vSphere 5.0は、
この情報を使用して、仮想マシンのニーズ(RAIDレベルなど)に対応しながら、LUN間で移行して負荷分散できま
す。また、このプロファイルにより、vSphereは、VMと使用可能なデータストアのニーズに基づいて自動的に配置決
定できるので、管理の負担がさらに減ります。
7
VMFSとRDMの比較
VMware Virtual Machine File System(VMFS)は、仮想化されたサーバー環境用にVMware社によって設計され、
最適化され、クラスター化された階層型ファイルシステムです。これは、VMが使用する仮想ディスク用のコンテ
ナーです。VMFSは、複数のESXサーバーが同時に共有ストレージにアクセスできるようにすることで、リソース利
用率を改善します。VM用の分散型ロッキングが提供されるので、すべてのVMがStorage Area Network(SAN)
で安全に動作できます。さらに、VMFSにより、ユーザーは、最適化されたアーキテクチャーを使用して、VM対物理
サーバー密度を高めることができます。VMは、VMFSデータストアでは仮想マシンディスク(VMDK)として表現され
ます。
Raw Device Mapping(RDM)は、VMFSの代替方式です。RDMにより、VMのrawストレージボリュームへの直接
I/Oアクセスが可能になります。RDMは、複数のVM間に共有ストレージ(たとえば、クラスター内のデータまたは
クォーラムディスク)を提供するために使用できます。
コスト削減
今日のIT管理者は、データの爆発的増加の結果としてストレージコストが高騰する可能性、さらにサーバー仮想化
などのテクノロジーによって生じる新しいストレージパフォーマンス課題に直面しています。HP PARの超並列アー
キテクチ ャー は、独自の 方法 でそのようなパ フォーマンス 課題に対応 します。HP 3PAR Thin Provisioning
Software、HP 3PAR Thin Conversion Software、HP 3PAR Thin Persistence Softwareを含むHP 3PARのシンテク
ノロジーにより、組織は50%も少ない容量、エネルギー、設置面積でストレージニーズを満たすことができます。
仮想ボリューム:シンとシックの違い
一般に、複数のVMで使用するために、「大きい」LUNをVMFSデータストアとして構成する必要があります。大きい
LUNにより、新しいVMが作成されるたびにストレージ管理者が新しいストレージをプロビジョニングする必要がなく
なり、VMware vSphereユーザーに対する柔軟性を最高に高めることができます。また、大きいLUNにより、VMFS
のI/Oに影響するESXサーバー上の新しいLUNの再スキャンが最小限に抑えられます。ESXサーバーに提示され
るLUNは、多数の物理ドライブ全体にわたりストライプ化する必要があります。
超並列アーキテクチャーを採用したP 3PARストレージシステムは、ESXサーバーにはLUNとして提示される仮想ボ
リュームの背後で同じタイプのすべての使用可能ドライブを使用します。作業負荷はすべての内部リソース全体
(ノード、ドライブ、ポートなど)に自動的に分散され、高度なアプリケーションサービスレベルおよび予測可能なパ
フォーマンスレベル(高いIOPSと低いレイテンシ)を実現します。幅広く自律的な作業負荷の分散により、ストレージ
管理者はアレイ上の使用可能なドライブを確認したり、または最適なLUNのレイアウトを検討したりすることに時間
を費やす必要がありません。HP 3PARストレージシステム上に仮想ボリュームを作成するのには、1分とかかりま
せん。HP 3PAR InForm Management Consoleで数回クリックするか、コマンドラインインターフェイスから単純なコ
マンドを使用するだけです。
従来のアレイでは、一般にストレージ管理者はVMFSボリューム用に500GB~2TBのLUNを作成します。1TBの
LUNが平均的です。これは、VMware vSphereのパフォーマンス要件を満たすために十分な容量のLUNを作成す
ることと、LUNの未使用スペースを浪費しないことの間の許容できるトレードオフのように見えます。しかし、HP
3PAR Thin Provisioning Softwareにより、このトレードオフが完全に解消されます。
HP 3PAR Thin Provisioning Softwareを使用すると、実際に物理容量を専用に割り当てることなく、VMFSボリュー
ムの存続期間にわたってVMFSボリュームに必要な論理容量を割り当てることができます。物理容量は必要に応じ
てシームレスに割り当てられ、vSphereがシンプロビジョニングされた仮想ボリュームに書き込むときのみ消費され
ます。ESXホストに提示されるLUNには無駄な容量がありません。図1と図2では、同じ2TBの物理ストレージでも、
シンプロビジョニングにより2倍以上のサーバーをホストできることを示しています。
8
図1 従来のプロビジョニング
図2 シンプロビジョニング
このため、HP 3PAR Thin Provisioning Softwareを使用すると、従来のアレイに比べ、ストレージ利用率が大幅に
向上します。シンプロビジョニングされたLUNと従来の「シック」プロビジョニングされたLUNのストレージ利用率の
違いのほか、この状況でHP 3PARアーキテクチャーがもたらす利点は、どちらのLUNタイプでも同様にシステム内
のすべてのドライブに対するワイドストライピングを利用できることです。多くの従来のシンプロビジョニング方法と
異なり、HP 3PAR Thin Provisioning Softwareでは、システムに別のプールドライブを生成したり、使用したりする
必要がありません。
仮想ディスクフォーマットオプション
VMを作成するとき、VMDKファイルに使用できる多くのオプションがありますが、そのすべてが「シン対応」である
(HP 3PAR Thin Provisioning Softwareと互換性がある)わけではありません。デフォルトでは、VMware vSphere
は、Lazy Zeroed Thickオプションを使用してVMを作成します。これはシン対応です。このオプションでは、新しい
VMが作成されるとき、VMDKのサイズ全体がただちにゼロ化されません。書き込まれていない領域からの読み取
りを要求されるとゼロを返しますが、実際にゼロをディスクに書き込むわけではありません。
パフォーマンスが重要な環境の場合、VMware社は、「Eager Zeroed Thick」(EZT)仮想ディスクの使用を推奨して
います。また、EZTディスクは、VMware Fault Tolerance(FT)でサポートされる唯一のディスクフォーマットです。
EZTディスクはオーバーヘッドは最小 2ですが、作成時にVMDKの容量全体にわたりゼロを書き込む必要がありま
す。したがって、このVMDKフォーマットでは作成時にボリュームがゼロ化されるとき、すべての物理ストレージが割
り当てられるため、従来のシンプロビジョニングされたLUNのすべての利点が失われます。ただし、次の項で説明
するように、HP 3PAR Thin Persistence Softwareを使用すると、Eager Zeroed Thick VMDKを使用しても、この
VMDKオプションによってもたらされるパフォーマンス上の利点を犠牲にせずに、シンプロビジョニングの利点を維
持できます。
2
VMworld 2009 session TA2942: vSphere 4.0 Performance Best Practices
9
HP 3PAR Thin Conversion SoftwareとHP 3PAR Thin Persistence Software
理想をいえば、すべてのストレージがHP 3PAR Thin Provisioning Softwareを使用して容量を制限した状態で開始
できるのが最善です。ただし、効率を改善するのに遅すぎるということはありません。そのため、HP 3PARストレー
ジプラットフォームは、HP 3PAR Thin Conversion Softwareで既存のボリュームを「シン化」する機能、HP 3PAR
Thin Persistence Softwareでシンを維持する機能を提供します。 HP独自の3PAR Thin Built Inテクノロジーは、HP
3PAR ASICに内蔵されたハードウェア機能です。この機能により、パフォーマンスに影響を与えずにHP 3PARアレ
イ上の従来の「シック」ボリュームをより効率的な「シン」ボリュームに変換するための、効率的なシリコンベースの
ゼロデータ検出メカニズムを提供します。
このハードウェア機能は、スペースを再利用するためのソフトウェアベースの仮想化マッピングエンジンであるHP
3PAR自身の「Thin Engine(シンエンジン)」を利用しています。「シンエンジン」は、HP 3PARアレイに既存のボ
リューム内の割り当て済みだが未使用のスペースを削除する機能を提供します。
図3 HP 3PAR Thin Persistence Softwareを使用したボリュームの「シン化」
VMware Storage vMotionまたは任意の標準データ移行ユーティリティとともに、HP 3PAR Thin Conversion
Softwareは、HP 3PAR ASICのゼロデータ検出機能を使用してボリューム内の未使用(すなわちゼロデータ)ス
ペースを識別して、「シック」ボリュームを「シン」ボリュームに変換します。変換はHP 3PAR Thin Engineの仮想化
マッピング機能に依存し、ボリュームの未使用スペースを保存する必要がなくなります。このプロセスを通じて、
ユーザーは、他のストレージアレイ上の「シック」ボリュームからHP 3PARユーティリティストレージ上の「シン」ボ
リュームに移行して、HP 3PAR Thin Provisioning Softwareの利点を得ることができます。
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最初からシンであったボリューム(またはHP 3PAR Thin Conversion Softwareで「シン化」されたボリューム)の場
合 、 次 の 課 題 は シ ン を 維 持 す る こ と で す 。 こ こ で HP 3PAR Thin Persistence Software を 使 用 し ま す 。 Thin
Conversionと同様、Thin Persistenceは、Thin Built InおよびHP 3PAR Thin Engineを使用して、中断なくHP 3PARス
トレージボリューム内の削除されたデータに関連する未使用スペースを再利用します(図4)。
図4 HP 3PAR Thin Persistenceを使用したシンの維持
プロセスは、(必要に応じて)HP 3PAR Thin Persistence Softwareの使用開始とともに始まり、次に標準のファイル
システムツール(Microsoft® Windows®のsdeleteまたはLinuxのdd)を使用して、VMのファイルシステム内の削
除されたスペース全体にわたりゼロを書き込みます。ゼロはHP 3PAR ASICによって自律的に検出され、ゼロデー
タが消費していたディスク容量が解放され、シンプロビジョニングされたボリュームに返されます。したがって、VM
内のファイルが削除されるとき、Thin Persistenceは基本ボリュームがシンのままであることを保証します。
Thin Persistenceの別の利点は、VMを削除するときに発揮されます。HP 3PAR Management Software Plug- In
for VMware VAAIまたはT10のサポートにより、(使用中のvSphere/VMFSのバージョンに応じて)WRITE_SAME
コマンドまたはUNMAPコマンドを使用できます。これらのコマンドは、割り当て済みストレージをLUNに割り当てら
れたままにするのではなく、解放してアレイに返すことができます。古いVMwareソリューションでは、VMDKにゼロ
を書き込み、HP 3PARゼロデータ検出がストレージを解放することで同様の利点を得ることができます。ただし、
vSphere 5.0およびHP 3PAR Management Software Plug-In for VMware VAAIまたはHP 3PAR InForm OS
version 3.1.1以上では、このスペース再利用が自律的に実行されます。
また、Thin Persistenceは、完全にフォーマットされた新しいボリュームが作成されるときにはゼロしか書き込まれて
いないため、物理ストレージからボリューム全体が割り当てられないことを保証します。この状況は、Eager Zeroed
Thick VMDKフォーマットで発生します。このVMDKフォーマットは、VMが使用される前であっても、最初にアレイ上
のVMDKファイル全体をゼロ化し、VMDKファイルのサイズ全体を消費するからです。
HP 3PAR Thin Persistence SoftwareとHP 3PAR ASICの内蔵ゼロデータ検出機能により、ESXホストがVMDKファ
イルにゼロを書き込むとき、ASICによってゼロデータがインライン検出され、シンプロビジョニングされたボリューム
ではVMDK用にスペースが割り当てられません。それらのアレイ上でこの機能を提供しないアレイと比較すると、
Eager Zeroed Thick VMDKにより、シンプロビジョニングされたボリュームには初期化時にゼロが書き込まれるた
め、シンプロビジョニングされたボリュームの利点が失われます。
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管理効率の改善
仮想サーバー環境によりサーバーの管理効率が向上します。しかし、柔軟性のない古いストレージを使用していた
のでは、この節減も通常は失われてしまいます。HP 3PARユーティリティストレージには、VMware管理者を支援す
る多くの製品と機能が含まれています。HP 3PAR Autonomic Groupsは、仮想化環境でのストレージ運用時間を
減らす高速プロビジョニングを可能にするHP 3PAR InForm Operating System Softwareの機能です。HP 3PAR
Management Software Plug-In for VMware vCenterは、HP 3PAR固有の情報をvCenterに統合してVMware管理
者によるストレージリソース監視を強化します。
HP 3PAR Management Software Plug-In for VMware vCenter
HP 3PAR Management Software Plug-In for VMware vCenterは、VMとデータストアが使用するHP 3PAR仮想ボ
リュームを簡単に識別できるvSphere管理コンソールプラグインです。VMおよび関連付けられたストレージリソース
の統合ビューが提供されます。vSphere管理コンソールの[3PAR]タブ経由で、ボリュームタイプ(Thick or Thin
Provisioned Virtual Volume (TPVV))、デバイスタイプ(FCディスク、NLディスク、またはSSD)、RAIDレベルなどの
プロパティが表示されます。
HP 3PAR Management Software Plug-In for VMware vCenterにより、VMware管理者はシステムを一元的に管
理できます(図5)。スペース消費を識別したり、ボリュームとデータストアのマッピングを決定したりするために、シ
ステムにログインする必要はありません。この情報は、容量使用率や他のデータと同様、プラグイン経由で簡単に
確認できます。
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図5 HP 3PARプラグイン経由の仮想ボリュームマッピング情報の表示
vSphere 5.0以降、HP 3PAR Management Software Plug-In for VMware vCenterには、vSphereが3PAR LUNに
関する詳しい情報(デバイスタイプ、RAIDレベルなど)をvSphereディスク管理インターフェイスに直接表示できる
VASAプラグインも含まれています。この情報を使用すると、ストレージが仮想マシンのニーズに適合することを保
証するストレージプロファイルを定義できます。
HP 3PAR Recovery Manager Software for VMware vSphere
HP 3PAR Recovery Manager Software for VMware vSphereを使用すると、VMとデータストアの保護と高速リカ
バリが可能です(図6)。仮想コピー管理機能があり、管理者はvSphere管理コンソール経由でLUNレベルのVMと
データストアのスナップショットを作成することができます。HP 3PAR Recovery Manager Software は、アレイベー
スのスペース効率に優れた高速のVM対応スナップショットを提供します。このプラグインは、アレイベースのスナッ
プショットのような柔軟性ときめ細かさに欠ける、低速で複雑な従来のエージェントベースのバックアップ方式に関
連する問題を解決します。
HP 3PAR Recovery Manager Softwareなら、何百もの仮想コピーを作成できます。保存する仮想コピーの数と各
仮想コピーの保存期間を簡単に指定できます。仮想コピーを作成した後でこのプラグインを使用すると、VMFSレイ
ヤー、VMレイヤー、または個別ファイルレベルでの柔軟できめ細かい復元が可能です。
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HP 3PAR Management Software Plug-In for VMware vCenterまたはHP 3PAR Recovery Manager Software for
VMware vSphereについて詳しくは、http://www.hp.com/go/3PARを参照してください。
図6 vSphere管理コンソールの中から表示したVMの仮想コピー
HP 3PAR Replication Adapter Software for VMware vCenter SRM
VMware vCenter Site Recovery Manager(SRM)は、VMware vCenter Serverを使用する環境に、アレイベース
の複製のエンドツーエンドの管理、仮想マシンフェイルオーバー、自動化されたディザスターリカバリ管理を提供し
ます。HP 3PAR Replication Adapter Software for VMware vCenter SRMは、VMware vCenter Site Recovery
Manager(SRM)とHP 3PAR Remote Copy Software間の統合を実現するために設計されました。
HP 3PAR Dynamic Optimization SoftwareとVMware vSphere
HP 3PAR Dynamic Optimization Softwareは、システムを中断せずにHP 3PARストレージシステム上のボリュー
ムをオンラインで変更するソフトウェア製品です。ストレージ管理者は、システムが継続的にサービスを提供してい
るどのホストにも影響を与えずに、異なるドライブタイプ(ファイバーチャネル、Nearline、SSD)間でボリュームを移
動し、RAIDレベル(RAID 1、RAID 5、またはRAID 6/RAID MP)間の変換を行い、新しいドライブの追加に伴うボ
リュームのバランス調整を行うことができます。
VMware vSphere環境では、HP 3PAR Dynamic Optimization Softwareを使用すると、VMの実行内容に影響を
与えずに、実行中のVMを異なるドライブ階層間で移動することができます。同様に、アレイに新しいドライブが追
加されるとき、ESXサーバーレベルの中断なしに、ESXが使用しているLUNを新しいドライブ間でストライプ化するこ
とができます。
VMware vMotionも同様の機能を提供していますが、ホスティングレイヤーレベルです。HP 3PAR Dynamic
Optimization Softwareは、ストレージレイヤーレベルで動作して、アプリケーションレベルのオーバーヘッドを回避
します。したがって、HP 3PAR Dynamic Optimization Softwareを使用してデータサービスレベルを最適化し、
VMware vMotionを使用して複数ホスト間のCPU利用率を最適化することができます。
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Boot from SAN環境
Boot from SAN環境(図7)では、各ESXサーバーのオペレーティングシステムは、サーバーの内蔵ディスクでなく、
アレイ上のボリュームにインストールされます。この状況では、管理者は、起動イメージ用に使用するESXサーバー
ごとに個別の仮想ボリュームを作成する必要があります。「Boot from SAN」方式は、VMware vSphere環境に多く
の利点をもたらします。たとえば、HP 3PAR Virtual Copy Softwareを使用すると、ESXをアップグレードするときに
起動イメージのスナップショットを作成し、ロールバック機能を有効にすることができます。ユーザーは、ESXサー
バーのHBAをそれぞれのESXバージョンを含んでいる異なるLUNに向けるだけで、簡単に異なるESXバージョン間
で切り替えることができます。さらに、新しいサーバーを起動LUNに向けるだけで、簡単にESXサーバーを交換でき
ます。
注 : サ ー バ ー を Boot from SAN 用 に 設 定 す る 方 法 に つ い て は 、 http://h18000.www1.hp.com/storage/
networking/bootsan.htmlを参照してください。
図7 「Boot from SAN」構成
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結論
ITのスプロール化によって柔軟性が失われ、コストが上昇することを防ぐには、事業拡大につながる革新性を促進
し、戦略的構想を推進するために、自由にリソースを操作から解放して移動できるようにインフラストラクチャを集
中させることが重要です。この戦略の基本的な要素が、仮想データセンターおよびクラウドデータセンター固有の
ニーズに対応するストレージインフラストラクチャの配備です。今日の要求を処理するだけでなく、将来のデータセ
ンターの変革の基礎となる基本的な柔軟性を備えたストレージインフラストラクチャが求められます。あらゆる将来
の問題に確実に対応できるデータセンターを構築する方法は実際のところありませんが、インフラストラクチャの効
率を最大化し、急速に変化するビジネスの要求に対応するために必要なアジリティを組み込むために、今すぐ実
行できる対策は確かに存在します。
VMware vSphere環境にHP 3PARユーティリティストレージを配備すると、従来のストレージプラットフォームに関連
する管理、プロビジョニング、監視の負担を軽減することができます。従来のSANストレージでは、仮想化された
サーバー環境のパフォーマンスとアジリティのニーズに対応することは困難ですが、HP 3PARユーティリティスト
レージは、比類のないパフォーマンスを生み出す超並列性および優れた回復力を生み出す高可用性機能を使用
して、サーバーの仮想化によってストレージに課される多大な要求に余裕を持って対応できるので、お客様は自信
を持って統合を実施できます。
最新バージョンのVMware vSphereのサポートとvSphere Storage APIとの統合により、vSphere環境でのパ
フォーマンス、アジリティ、スケーラビリティが強化され、HP 3PAR Thin Provisioning Softwareにより、割り当てら
れるときではなく、実際にデータが書き込まれるときのみ物理ストレージが消費されるようにできます。HP 3PAR
Dynamic Optimization Softwareを使用すると、VMware vSphereを中断せずにストレージパフォーマンスを調
整することができ、新しい自律的なスペースの再利用の機能を促進します。これらを含むさまざまな独自の利点
により、HP 3PARユーティリティストレージは、「Instant-on Enterprise」のニーズに適合するために、コンバージドイ
ンフラストラクチャの一部分として、VMware vSphereで仮想化されたサーバー環境の構築と拡張用の理想的な
基盤となります。
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付録:Q&A
ここでは、HP 3PARストレージシステムをVMware vSphereに統合する際の一般的な質問と回答を示します。
Q:ESXデータストアにはThin Provisioned Virtual Volume(TPVV)を使用する必要がありますか。
A:シンプロビジョニングは、ただちにボリュームが一杯にならない場合に有効です。ボリュームが短時間で一杯に
なる場合には、シンプロビジョニングの利点は得られません。VMwareスナップショットが作成されてもクリーンアッ
プされない場合、シンプロビジョニングの利点は失われます。ESXホストから見ると、シンプロビジョニングされた
LUNと従来の「シック」プロビジョニングされたLUNには違いがありません。
Q:Thin Provisioned Virtual Volume(TPVV)の使用には、オーバーヘッドが伴いますか。
A: TPVVの追加オーバーヘッドは、従来のボリュームと比較しても無視できるレベルです。
Q:シンプロビジョニングされた2TBの仮想ボリューム(TPVV)を使用すると、vSphereにはどのように見えますか。
A:vSphereには2TBのLUNが使用できるように見えます。VAAIやT10を使用しないと、ボリュームがシンプロビジョ
ニングされた仮想ボリュームなのか、従来の仮想ボリュームなのか、vSphereには判断できません。InForm OS
2.3.1でvSphere 4またはvSphere 5.0を使用する場合は、VAAIプラグインをインストールすることをお勧めします。
InForm OS 3.1.1以上でvSphere 5.0を使用する場合、プラグインは不要です。
Q:どのサイズの仮想ボリューム(VV)を作成する必要がありますか。
A:VVはアレイ内のドライブ全体にわたり幅広くストライプ化されるので、HP 3PARストレージシステムにとってボ
リュームサイズは重要ではありません。HP 3PAR Thin Provisioning Softwareを使用する場合、実際のストレージ
容量は書き込みのときのみ消費されます。ただし、2TBのVVであれば500GBのVVより多くのVMを収容できます。
ESX 4.1以降ではメタデータのロックを実行する方法が改善されているので、自由なサイズのVVを作成することが
できます。ESX 4.0以前の場合、SCSI予約の影響を最小限に抑え、環境を十分に均衡の取れた状態に維持するに
は、(シンプロビジョニングまたは「シック」プロビジョニングされた)500GBのボリュームを作成するのが最善です。
Q:単一の仮想ボリューム(VV)には、いくつのVMを配置できますか。
A:一概には言えません。すべての状況に適用できる答えはありません。サーバーハードウェア、CPUの数、メモリの
量、VMのタイプ、VMで動作するアプリケーションなど、さまざまな要因によってLUNに配置できるVMが決まります。
Q:HP 3PARストレージシステムでは、どのようなパスポリシー(固定、MRU、ラウンドロビン)を使用する必要があり
ますか。
A:ESX 3.5では、デフォルトのポリシー(固定)を使用してください。ESX 4.0以降では、デフォルトのポリシーをラウ
ンドロビンパスポリシーに変更してください。それには、各ESX 4.0ホストのサービスコンソールにログインし、次の
コマンドラインを実行します。
esxcli nmp satp setdefaultpsp --satp VMW_SATP_DEFAULT_AA --psp VMW_PSP_RR
vSphere 5の場合は、各ホストで[Datastores]ビューまたは[Devices]ビューから[Manage Paths]ダイアログボックス
を使用して、またはコマンドラインからパス選択アルゴリズムを変更することができます。
esxcli storage nmp satp set --satp=VMW_SATP_DEFAULT_AA --defaultpsp=VMW_PSP_RR
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Q:VMwareはシンVMをサポートしています。どのシンプロビジョニングを使用する必要がありますか。VMware、
HP 3PAR、またはその両方ですか。
A:VMwareシンプロビジョニングは、VMFSレベルのVMのみに適用されます。VMFSの使用率を最大化するため
に、VMを過剰に割り当てることができます。ストレージコストを減らし、ストレージ利用率を最大化するには、HP
3PAR Thin Provisioning Softwareを使用して、ストレージコストを最小限に抑えて大きいVMFSボリュームをプロビ
ジョニングします。VMwareシンプロビジョニングを使用しても、追加のストレージ節減は実現されません。VMware
シンプロビジョニングは、(アレイで実行されるHP 3PAR Thin Provisioning Softwareと異なり)ソフトウェアレイヤー
で実行されるため、ESXホストで一部のCPUサイクルを消費します。VMwareレベルとアレイレベルの両方でシンプ
ロビジョニングを管理できるなら、HP 3PAR Thin Provisioning SoftwareボリュームにVMwareシンVMを配置しても
まったく問題はありません。
Q:VAAIのUNMAPプリミティブは、どの組み合わせでもサポートされていますか。
A:いいえ。UNMAPは、InForm OS 3.1.1と vSphere 5.0以前ではサポートされていません。
Q:VAAIプラグインは、どのような場合にインストールする必要がありますか。
A:
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•
VAAIは、HP 3PAR InForm OS 2.3.1 MU1以前ではサポートされていません。
•
vSphere 4.1ではVAAI1.1プラグインが必要です。
•
HP 3PAR InForm OS 2.31でvSphere 5.0を実行するときは、3PAR VAAI 2.2プラグインが必要です。
•
HP 3PAR InForm OS 3.1.1以上でvSphere 5.0を使用するときは、すべてのVAAIプリミティブがネイティブに
サポートされているため、プラグインは不要です。
詳細情報
www.hp.com/go/VMwareおよびwww.hp.com/go/3PARを参照してください。
http://h20219.www2.hp.com/ActiveAnswers/us/en/solutions/technical_tools_feedback.html に ご 意 見 、 ご
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4AA3-4023ENW、2011年5月作成、2011年8月更新、改訂1
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