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看護 専門学校 (3年 制 )設 立要望理 由
1.県 立駒 ヶ根高等看護 学校
(以 下駒看 とす る)の 効果
(1)看 護師不足 の解 消
昭和 45年 8月
私 は県立駒 ヶ根 病院 に赴 任 した 当時、
ベ ッ ド数 300床 、入院患者 260名 、医師 0
看護師 40名
ほ とん どが准 看護 学校 卒業 生 とい う状況 であ つた。
もちろん 、全 国的 に看護 師不足 で 、 二人 (に つ ぱち)闘 争 が吹 き荒れ ていた。
昭和
46年 4月
駒 ヶ根病院附属 高等看護 専門学校 が 開校。3年 制 で 、1学 年 40名 で あ つ
た。
この駒看 が創 立 22周 年 を迎 えた 平成
6年 には、駒 ヶ根病院 の看護 師 は 93名 とな り、 う
ち 40名 は駒看 の卒業 生 が 占め るまで にな っ た。
昭和 49年 4月 か ら平成 9年 3月 までの 25年 間に 796名 の 卒業 生 を世 に送 り、そ の 70%
が上伊那 を 中心 とした南信 地 区に就職 して 、地域 医療 を支 え、看護 師不足 を補 つた。 (表
1)
9)上 ・ 下伊那 の高校生 が高看 を志望 して も、経済的負担 もあ りなかなか進 学 で きなか つた
の に、駒看ができて急速 に進 学率 が上がった。 (表
2)
8)(表 1)に 示 した よ うに、駒看 の卒業生 504名 が上 。下伊 那 の病院 に就職 し、結婚 して
子 育 て も して い る。 つ ま り、嫁 問題 、少子化対策 の役割 も果 た してい るので ある。
2.駒 ヶ根看護 大学 の地域 医療 へ の影響
駒 ヶ根市 に県立駒 ヶ根 看護 大学 の設 置 が決 ま り、平成
8年 4月 に開校 した (1学 年 80名 )。
それ と引 き換 えに 、駒看 は 閉校 とな つた。そ の代 わ り、須坂 に高看 が新設 され たのである。
(1)受 験生 は全 国的な ので 、地元 の 高校 か らの進学 は極 めて難 しくなつた。
12)卒 業 して も地元 には残 らない。 臨床志向に乏 しい。
平成 11年 ∼ 14年 まで の
3年 間 に、263名 の卒業生 を出 したが、上伊 那地 区に就職 した
卒業生は 27名 で 、
看護師 としての就 職者 は 16名 にす ぎず、診療所就職者 は 0で あ った。
多 くは県外 に出て しま うので、県民 か ら不満 が 出て、平成 17年 か ら入 学者 の
60%を 長
野県出身者 となるよ うに した。
それで も、第 1回 ∼ 11回 卒業 生 734名 の進路状況 は
長野県内
472名
県外
251名
進学 (大 学院 のみ )
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3.看 護師不足 の波
昭和 40年 代 に全 国的に二人
(に
つぱ ち)闘 争 が吹 き荒れ た。 2人 夜勤 で 、月 8回 限 りと
い う条件 闘争。
。
平成
4年 9月
診療報酬改定が あ り、入 院 医療 に新看 護制度 が 取 り入れ られ た。看護 師数
が 医師法 の定員 よ り多 くなれ ばな るほ ど、入 院費 が上が るよ うにな っ た。そ の結果 、看護
師 の獲得競争 が激 しくなった。
。
平成 18年 に 7:1基 本看護料 を新 た に制 定 し、採 用す る病 院 の入院料 ア ップ を図つた。
患者
7人 に看護 師 1人 の 7:1と は数字 の ごまか しで、実質 は患者 1.5人 に対 し看護 師
1
人 とい う、極 めて贅 沢 な制度で あ る。そ のた め、看護 師 は大都 市 の 大病 院 に集 ま り、地方
は看護師不足 のた め 、医療崩壊 の大 きな原 因 とな った。
4.伊 那市 に県 立看護 専 門学校設 立 を考 える上での条件
ほ)場 所
伊 那 中央病 院 の広 い跡 地
あ るい は 、駒 ヶ根看護 大学 の敷 地 に附属 高等看護学校 を設立 。
鬱)講 師陣
県 立駒 ヶ根看護大学 の 教官
看護 大学 は文科省 の 管轄 で あ り、高看 は厚 労省 の管轄 だか ら、看 護 大学 の 教
官 の利 用 は難 しい と考 える人 もい るが、同 じ県 立で あ りなが ら末端 で縦割 り
行政 の悪弊 を引きず つて はな らな い。
駒看 の時、基礎 医学 、教養学科 はほ とん ど信州 大学 の教授 方 が応援 して 下 さつ
た とい う、良 い前例 が ある。
(3中 央 アル プ ス
(木 曽 山脈 )に トンネル が 開通 して 、本 曽福 島町 か ら伊 那市 まで車で
分。 それ故、木 曽にあ る進 学 コー ス (准 看 を正看 にす るため の
30
2年 制 の学校 )が 老朽化
して建て 替 えの時 期 にあるので 、合併吸収 した らど うか。
に)県 は これ まで、70歳 を過 ぎた看護師 まで数 えて 、看護 師数 は足 りる として きたが、さす
がに最近 にな って 、看護 師不足 を真資1に 考 えるよ うにな った。 この よ うな場合 は数年後
の労働能力 を考 えて、60歳 以下 の看護 師 に限定 しな けれ ば、労働 人 口を考 える上で実際
の役 には立たない。
5.上 ・ 下伊那郡は看護 師養成機 関 の空 白地帯であ る
第 3図 の看護師養成機 関 マ ップに よる と、人 口 40万 の上・ 下伊 那地 区に実質的 な看護養成
機 関 の な い ことが 分 か る。
飯 田市に看護短大が あ るが 、宗教法人 立で他 県 の 宗教 関係者 の子女が 多 く、卒業生 はほ と
ん ど他県に戻 り、飯 田市付近 には残 らな い。駒 ヶ根 市 に看護 大学が あるが、2の 12)に 紹介 し
た よ うな状況 である。
地元 に密 着 した養成機 関は、上伊 那 医師会 が 運営 してい る準看学院 しかない。
6.日 本看護協会 の執行 部や厚 生省 の看護科 は看護 師不足 を どう考 えてい るのか
長年看護 師不足 が問題 とな り、地域 医療 に甚大な不便 をきた してい るの に、対策 の努力 が
さつ ぱ りみ られ な い。 む しろ、大都 市 中心 、大病 院 中心 の 対応 策 しか 考 えて い な い よ うに
み える。
地域 に看 護師志 望者 は大 勢 い る の に、それ へ の 考慮 な しに 、 フ ィ リピンや マ レー シアか ら
の受 け入れ に熱心 な のはいぶか しい 限 りであ る。
この傾 向 を、 ど う考 えた らよいのか。
看護 師 の需要 を抑 えて 、看護 師 の価値観 を高 め、地位 向上 と高 給 を 目指す た めか 、それ と
も医師 の風下に立 ちた くな い とい う、独 立 を願 う心 意気 な のか。
現在 の 医師 た ちは、看護 師 を絶 対必要 な協力者 と考 えて い る し、地域 医療 にお い て は欠 か
す こ とので きない要員 と考 えて い ることは 、ぜひ 、理解 して もらい た い もので ある。
日本看護 協会 の上 層部 に縄 張 り根性 があ るこ とは否 めない。
基本 看護料 で定 め られ て い る、患者 15人 に看護 師 5人
(15:1)の 場合 、看護 師不足 の時
で もあ り、チ ーム 医療 が重要視 され て い る時で もあ るので 、作業療法 士 、精神保健 福祉 士 、
心理 士 をそ の メ ンバ ー 5人 の 中に 1人 で も組 み込む こ とを要求 して も、頑 と して受 け付 けな
い。 これ は、官僚 的 な縄 張 り根性 か 、看護 師 の権 益 を守 ろ うとす る考 えの表 れ の よ うに思
う。
医療 を もつ と円滑 に行 えるよ う、柔軟 に考 えて ほ しい もので あ る。省 益 あ つ て 国益 な しで
は困 るので あ る。
7.看 護師養成 に過剰 とい うことは ない
(1)こ れ まで の看護 師養成 は 、 い わば企 業 内養成で あ つ た。 医師会 、厚 生連 、 日赤、大 学附
属病院、国立病院 とい つた状態 で 、守備範囲内 を賄 える程度 の養成 で あ っ た。
現在 の よ うに、医療 、介護 、福祉 の境 が 曖味 とな り、活動範 囲は拡大す るばか りである。
これ か らは、 自治体 と国がそ の養成 に責任 を持 つ べ きであ る。
9)夜 勤 を嫌 う看護 師 が増 えて 、介護施設 に移 る。 しか し、介護 施設 も深刻 な看護 師不足。
8)今 後、医療 、介護 な ど医療産業 は拡大 の方 向にあ り、景気 にひ どく影響 され ない安定 し
た職場 である とい うこ とで、希望者 も多 い。特 に、最近 30∼ 40代 の 主婦 の希望 が 多 い
(上 伊那 医師会 立 準看学院 の 1/3に 及ぶ )。 余 るほ ど養成 して もよい。 ワー クシェア リン
グで、主婦 と両立で きる職場 になる。
に)病 院 のほ とん どが赤字である。 入院基本料 が安 い こ ともあるが 、大 きな原 因は人件費 の
高騰 にある。特 に 、国公立病 院 の人件費は うな ぎ昇 り。
それ が 、民間病 院 の看護 師募集 ・ 採用 を困難 に してい る。需要が満 た されれ ば 、人件費
も安定す ることになる。
以 上が 、看護 専門学校設 立 を希 う理 由で ある。
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