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平成28年行政事業レビュー説明資料 国際協力機構運営費交付金(技術協力)
JICAにおける企業との連携事業
1
1.企業からの提案を受け、JICAが対象案件を選定し、提案企業に委
託して実施する調査事業
①協力準備調査(BOPビジネス*連携促進)
②開発途上国の社会経済開発のための民間技術普及促進事業
③中小企業海外展開支援事業(基礎調査、案件化調査、普及・実
証事業)
*貧困層(BOP: Base of the Pyramid)のニーズを満たすための製品・サービスを提供し、貧困層の市場へ参入するもの。
2.市民参加の協力活動を促進するためのボランティア事業を通じて、
企業の人材育成にも貢献する制度
・民間連携ボランティア
平成28年行政事業レビュー説明資料 国際協力機構運営費交付金(技術協力)
JICAにおける企業との連携事業
2
関連する我が国の政策
ODAが触媒となり、民間連携による開発途上国の課題解決を目指す(開発協力大綱)とと
もに、企業の海外展開による日本の成長を目指す。
開発協力大綱
(平成27年2月
10日閣議決定)
“(中略)民間部門や地方自治体の資源を取り込むとともに,民間部門主導の成長を促進する
ことで開発途上国の経済発展を一層力強くかつ効果的に推進し,またそのことが日本経済の
力強い成長にもつながるよう,官民連携,自治体連携による開発協力を推進する。(中略)
なお,官民連携の推進に当たっては,我が国の開発協力が,民間部門が自らの優れた技術・
ノウハウや豊富な資金を開発途上国の課題解決に役立てつつ,経済活動を拡大するための
触媒としての機能を果たすよう努める。また,開発協力と共に実施される民間投資が相手国
の「質の高い成長」につながるよう,上述の我が国開発協力の重点政策を十分に踏まえ,包
摂性,持続可能性,強靱性,能力構築の促進等を確保するよう留意する。”
(イ 連携の強化 (ア)官民連携,自治体連携より抜粋)
日本再興戦略
–JAPAN is BACK(平成25年6月
14日閣議決定
(平成27年6月
30日改訂))
• 今後5年間で新たに1万社の海外展開を実現
• 重点的に以下を支援
①中堅・中小企業等向け海外展開支援体制の強化
②現地の「海外ワンストップ相談窓口」の創設
③我が国企業の人材の育成とグローバル化の推進 等
• 新たに ODA を活用し、新興国等途上国政府の事業を対象に、我が国中小企業等の優れた
製品を使った技術協力を本格始動
• 我が国企業の人材育成とグローバル化の推進
• 地域活性化/中堅・中小企業・小規模事業者の革新
平成28年行政事業レビュー説明資料 国際協力機構運営費交付金(技術協力)
JICAにおける企業との連携事業
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1.企業からの提案を受け、JICAが選定し、提案企業に委託する調査事業
【1-1 事業概要】上位政策:開発協力大綱、日本再興戦略
協力準備調査(BOPビジネ 開発途上国の社会経済
ス連携促進)
開発のための民間技術
普及促進事業
中小企業海外展開支援事
業(基礎調査/案件化調
査/普及・実証事業)
事業の目的
貧困層(BOP層)の抱える社会的・
経済的な問題解決に資するビジネ
スモデルの開発、事業計画の策定、
及びJICA事業との協働の可能性に
ついて検討・確認を行うもの
日本の民間企業等の製品・技術
やノウハウ、システムに対する途
上国政府関係者の理解を促すこ
とによる、途上国の社会・経済開
発への活用を目指すもの
途上国の開発課題に、中小企業の
有する優れた製品、技術、ノウハウ
等を活かす可能性を検討するもの
対象
日本国登記法人
日本国登記法人
日本国登記の中小企業等
事業経費(上限)
/期間
3年間で 5,000万円
2年間で2,000万円
基礎調査(1年間 850万円)
案件化調査(1年間 3,000/5,000万
円)
普及・実証(3年間で 1億円)
案件選定の流れ
〇募集:説明会及び国内拠点を通じた企業面談
〇選定:公示→企画書提出→審査(有識者による評価を含む)→採択通知
案件選定の視点
①開発課題への貢献可能性
②事業化の可能性
③調査計画の妥当性
①開発課題への貢献可能性
②事業化の可能性
③調査計画の妥当性
①開発課題への貢献可能性
②事業化の可能性
③調査計画の妥当性
④地元経済・地域活性化への貢献
平成28年行政事業レビュー説明資料 国際協力機構運営費交付金(技術協力)
JICAにおける企業との連携事業
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1.企業からの提案を受け、JICAが選定し、提案企業に委託する調査事業
【1-2 具体的な事例】
募集
・年間の公示予定及び制度内容をホームページで案内。
・全国規模での募集説明会/事業紹介セミナー開催(平成27年度:200回超。1万人強参加)。
・BOPビジネスをテーマとした企業シンポジウム開催(メディアとの共催、200名超が参加)。
・製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題をJICAから発信・提示し、応募を勧奨。さらに
年間約2千回、企業と個別相談を実施。
広報
・JICA事業を活用した個別企業による途上国の開発課題解決と海外展開に向けた取組について、
新聞(全国紙・地方紙)、専門誌等に多数(2015年度は約450回)の報道。
BOPビジネス連携促進
民間技術普及促進
中小企業海外展開支援
3,000超の農家の所得向上
患者の身体的負担を軽減
雇用創出と環境改善
ユーグレナ(東京都)
テルモ(東京都)
渦潮電機(愛媛県)
もやしの原材料となる高品質の緑豆生産体制の構築
安価で身体的負担が軽いカテーテル法の普及促進
排気ガスを排出しない電動三輪車
 グラミン銀行と共同で、緑豆の栽培のノウハウを貧
困層の農家に指導し、収穫した緑豆を従来より高
い価格で農民から購入し、国内外に販売。
 虚血性心疾患が死因の上位を占める中南米に
おいて、「経橈骨動脈カテーテル法(TRI法)」を展
開し、適切な医療技術の普及に貢献。
 フィリピン政府がアジア開発銀行の融資により
進める電動三輪車普及事業を総額約36億円で
落札。フィリピンの雇用と環境改善に貢献。
⇒高い応募倍率(3-5倍)に支えられ、開発効果及び企業の海外展開につながる成果が発現しつつある。
平成28年行政事業レビュー説明資料 国際協力機構運営費交付金(技術協力)
JICAにおける企業との連携事業
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1.企業からの提案を受け、JICAが選定し、提案企業に委託する調査事業
【1-3 募集・広報に関するこれまでの取組と応募状況】
BOPビジネス連携促進
(2015年度第1回公示)
応
募
状
況
応
募
企
業
所
在
地
民間技術普及促進
(2015年度第1回公示)
その
他、4
広島、2
その他、7
東京、14
京都、2
神奈
川、4
その他、
89
東京、21
神奈川、
17
大阪、5
大阪、13
福岡、10
応
募
分
野
その他、12
農業・農村
開発、9
その他、15
保健医療、
11
教育、7
保健医療、
6
応募企業所在
地が大都市圏
に偏在
東京、55
兵庫、2
神奈川、
2
大阪、4
兵庫、2
中小企業海外展開支援
(2016年度第1回公示)
農業・農村
開発、4
水資源、防
災、5
その他、
90
愛知、12
環境、エ
ネル
ギー、42
農業・農
村開発、
42
廃棄物
処理、22
農業や保健、
環境等の分野
が中心
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JICAにおける企業との連携事業
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1.企業からの提案を受け、JICAが選定し、提案企業に委託する調査事業
【1-4 更なる改善に向けた取組】
高い応募倍率に支えられ、開発効果・企業の海外展開につながる成果が発現しつつある。
開発途上国の開発課題と企業の有する技術等とのマッチングを一層強化することが求めら
れている。
 募集・広報
課題
改善のポイント
・大都市圏以外の開発協力の担い手
としての企業の発掘
・新輸出大国コンソーシアム等、我が国の政策との連携強化、地銀、経済団体、
ビジネス界との連携強化(特に地方部での取組を強化)
・途上国の抱える多様な開発課題解
決への関心と優れた製品・技術等を
有する開発協力の担い手としての企
業の発掘
・途上国の抱える開発課題について、国・地域・課題別セミナー、JICAホーム
ページ等を通じた発信の更なる強化
・途上国の開発課題解決への貢献に関心を有する企業による現地視察のさら
なる推進
・JICA制度の認知度の向上
(広報)効率的な広報の展開
・新聞、雑誌等へのプレスリリース、記者勉強会等を通じた広報の更なる取
組
・映像も活用したグッドプラクティス事例の発信
平成28年行政事業レビュー説明資料 国際協力機構運営費交付金(技術協力)
JICAにおける企業との連携事業
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2.民間連携ボランティア
【2-1 概要】
JICAボランティア事業の目的
①相手国の社会・経済の発展への寄与
②相手国との友好親善・相互理解の深化
③国際的視野の涵養と経験の社会還元
民間連携ボランティア制度
の趣旨
海外展開に向けて社員を育成したい企業からの要望を踏まえ、当該企業の社員を青年海外協力隊等の
JICAボランティアとして派遣する制度。派遣された社員は、企業で培った経験・能力を活かして、相手国の
社会・経済の発展、友好親善・相互理解の深化に貢献する。加えて、社員を送り出す企業のグローバル人
材の育成やネットワーク構築に寄与するもの。
対象
企業(株式会社、持分会社、中小企業団体)
期間
1年~2年の長期派遣を推奨(1年未満の短期派遣については応相談)
派遣国
企業の要望を踏まえて調整・決定
活動先
公的機関(政府・地方公共団体、公教育機関等)
経費負担
所属先への人件費補てんなし(除く中小企業)
派遣までの
流れ
広報
JICA-WEBサイトにおける制度・活動事例の紹介、ビジネス誌への記事掲載、パンフレット作成・配布、企業
向けセミナー(中小企業海外展開支援セミナー等)における説明・個別相談
募集
 広く企業からの応募を募る(随時応募)
⇒ 関心表明のあった企業との対話の実施
(企業における制度の理解、企業の関心、国・地域の開発課題との整合性等について協議)
⇒ 企業とJICAとの間で連携合意書の締結
案件形成
 具体的派遣に向けた企業との対話を通じて活動先等を絞り込む
(企業の知見を活かし、途上国の開発課題への貢献を実現する、具体的な活動先・活動内容の発掘・
形成、派遣時期・期間等の調整を行う。)
人選
企業からの推薦 ⇒ JICAによる書類・面接・健康の観点での選考
平成28年行政事業レビュー説明資料 国際協力機構運営費交付金(技術協力)
JICAにおける企業との連携事業
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2.民間連携ボランティア
【2-2 具体的事例】
(1)派遣元企業:スポーツ用手袋の生産会社
企業側のニーズ:
(2)派遣元企業:測定会社
企業側のニーズ:
 インドネシアへの工場進出を計画しており、現地の習慣を理解
し、現地スタッフと上手く仕事ができる人材を育成したい。
企業にとって参加した意義:
 タイ工場勤務が予定されており、現地工員に対する部品設計
を指導できる日本人を育成したい。
企業にとって参加した意義:
 現地語の能力、現地での人的ネットワーク、現地の社会・文化へ
の理解、海外で働く上で必要なグローバルな視点の獲得。
 現地語による技術指導の能力向上、派遣前プログラムや現
地で価値観の異なる文化を受容する姿勢の体得。
社員:生産現場の経験を活かした活動
社員:営業現場の経験を活かした活動
イ
ン
ド
ネ
シ
ア
駐
在



職種:観光(派遣期間1年間)
派遣先:インドネシア(ジョグジャカルタ特別州 文化観光局)
活動成果:観光客向け情報ツールの開発、流通チャンネルの開
拓、プロモーションイベントの企画等
途上国派遣先の声: ボランティアの活動のおかげ
で日本語ガイドブックやウェブサイトの開設もでき
た。当地への観光客増への貢献は大きい。
タ
イ
駐
在



職種:工作機械(派遣期間1年間)
派遣先:タイ(サムットサーコン技術高等専門学校)
活動成果:工作機械の操作指導、5S・カイゼンを組み入
れたカリキュラムの作成・実践等
途上国派遣先の声: 経験豊かなボランティアの指導をつ
うじて、問題個所の早期発見のためにも生産現場での5S
の重要性が理解できた。引き続き実践していきたい。
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JICAにおける企業との連携事業
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2.民間連携ボランティア
【2-3 募集・広報に関する取組と応募状況】
(1)募集・広報実績
【①認知度測定】
 2016年3月に実施した「民間連携ボランティア制度に関する広報効果測定調査」より抜粋 (WEB調査、アンケート回答者数702件)
青年海外協力隊
全体の59%が活動内容まで認知している。
(但し、活動の詳細まで認知している回答者は全体の6.6%)
民間連携ボランティア
制度の詳細まで知っていた
2%
制度の概要は知っていた
18%
言葉を聞いたことはあった
32%
全く知らなかった
48%
 帰国時・帰国後のアンケート・ヒアリング結果
派遣先
当初計画が達成された
91%
企 業
制度活用に満足
96%
社 員
参加したことに満足
100%
経営者の声:
彼が現地工場の管理者として着任
した途端、現地工員からのクレーム
が無くなった。現地の人の心情に配
慮した解決策を提案できる日本人管
理者の存在は大きい。
課題:利用者の評価は高いが、
民間連携ボランティア制
度自体の認知度が低い
【②民間連携ボランティアに係る連携合意書締結企業の都道府県別分布】
 連携合意書締結は累計101件(2015年度末時点)となるが、企業所在地を都道府県別に見ると全国20都道府県に留まる。
 さらに、東京・愛知・大阪・神奈川の都市部4県で69件(全体の約68%)を占めている。
連携合意書締結件数
東 京
愛 知
大 阪
神奈川
計
45件
11件
7件
6件
69件
課題:特に、地方の企業に対す
るアプローチが不十分
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2.民間連携ボランティア
【2-3 募集・広報に関する取組と応募状況】
(2)派遣実績と連携合意書締結数
【①連携合意書締結状況と派遣状況】
民間連携ボランティア合意書締結社数及び派遣者/派遣企業社数
(社)
125
(人)
125
101
100
派遣者数
100
78
75
45
50
25
0
合意書
締結社数
(累計)
75
13
4
3
2012
50
12
10
20
19
25
14
18
2013
派遣企業
社数
0
2014
2015 (年度)
課題:連携合意書の締結実績の伸び
に対し、派遣実績が低調(参加
意欲のある企業を具体的派遣
に結び付けられていない)
<重要>
企業との対話を通じて、開発課題と企業
のニーズ、応募者の能力等を適切に調整
することが、途上国派遣先と企業・参加者
双方の高い満足度に繋がっている。
【②企業当たり累計派遣人数の分布】
1社当たりの派遣人数
企業社数
(2015年度末までの累計)
1名
2名
3名
4名
9名
27社
3社
3社
1社
1社
課題:継続的に制度を利用している企
業が限定的
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JICAにおける企業との連携事業
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2.民間連携ボランティア
【2-4 更なる改善に向けた取組】
利用者からは高い評価を得ている制度であるが、実際の派遣人数が大きく増えていない。派遣者
増に向け、さらなる制度の周知を行い、派遣の実現に結び付ける取組の強化が必要。
(1)募集・広報
課題
改善のポイント
① 制度・活動内容に関する認知度の低さ、 連
携合意書締結企業の地域的偏り
事業・制度の一層の理解促進を図るため、
 民間連携ボランティアの途上国における活動実態の理解や企業等による具体的派
遣を促進を目的とした、企業等が参加する現地調査団の派遣
 地方の民間企業への効果的なアプローチとして、経済団体・地方銀行と連携したセミ
ナー等の積極的実施
② 参加企業の裾野拡大(現在は会社法によ
る営利企業が主たる対象)
参加企業の拡大を図るため、
 医療法人・農業法人等を参加対象として拡大
 多様な民間団体との連携の促進
(2)企業との対話
課題
改善のポイント
① 連携合意書の締結に対し、実際の派遣社
(者)数の伸びが低い。
企業が積極的に社員を派遣するようになるため、
 JICAの各拠点における、きめ細かい企業との対話の実施
 地方銀行と連携した企業との対話の実施
② 民間連携ボランティア制度を活用して継続
的に社員を派遣する企業が限定的
企業が継続的に制度を活用するようになるため、
 企業の人事育成計画に民間連携ボランティア制度を組み込み、継続的・効果的に活
用する取組の促進
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