ミャンマー少数民族支援（パッケージ）（PDF）

ミャンマー少数民族支援
我が国は、最近のミャンマーにおける少数民族勢力との和平プロセス等、国
民和解の進捗を高く評価。他方、未だ一部の地域では和平に向けたプロセスが
継続している上に、多くの少数民族地域で、地域開発に向けた多大な課題が残
されていると認識。本年４月に公表した対ミャンマー経済協力方針において、
少数民族支援や地域開発を含む国民の生活の向上、人材育成や制度整備、持続
的経済成長のためのインフラ等整備について、幅広い支援を行うこととしてい
る。これに基づき、我が国は、地域開発と平和の定着を促進し、ミャンマーの
安定と持続的発展に貢献するため、少数民族地域に対する支援を積極的に実施
していく方針である。
１
実施中の案件
現在、少数民族地域に対しては、少数民族地域の主要産業である農業分野で
の支援を中心に、各州の課題・ニーズに応じて支援を実施。
＜農業分野＞
（１）シャン州北部における麻薬代替作物の普及、流通等支援を通じた農村開
発支援（技術協力）
（2013 年 4 月～2018 年 3 月）
（05～11 年のプロジェク
トの後継）。
（２）カレン州等における淡水魚の小規模養殖普及による住民の生計向上事業
（技術協力）（2009 年 6 月～2013 年 6 月）
（３）南シャン州での循環型農業による生産、流通支援事業（ＮＰＯ地球市民
の会との連携による技術協力）（2012 年 4 月～2015 年 4 月）
（４）
チン州での高付加価値の植物（薬用植物等）の栽培技術普及（高知県牧野記
念財団との連携による技術協力）（2011 年 1 月～2013 年 12 月）
＜洪水被害復興・防災＞
（５）カレン州、ラカイン州等を含む洪水被害地の復興と防災のための建設機
材・農業機械の供与（無償資金協力）
（2012 年 3 月 21 日 E/N 署名）16 億
円
＜人道支援＞
（６）カレン、ラカイン、シャン、カチン、チン等 6 州・地域における食糧支
援（ＷＦＰとの連携による無償資金協力）（2012 年 4 月 18 日 E/N 署名）
8.14 億円
（７）国内避難民支援（UNHCR への通常拠出金イヤマーク）2 億円
＜保健＞
（８）シャン州コーカン自治地域における母子保健状況改善支援（栄養補助食
の配給・母親の能力向上支援等）
（日本ＮＧＯ連携無償資金協力、アムダ
社会開発機構）
＜周辺国でのミャンマー少数民族への支援＞
（９）タイ側難民キャンプ９カ所への防火施設設置や防災教育支援（草の根無
償資金協力）約 980 万円
（１０）タイ側難民キャンプ内の職業訓練施設の建設支援（草の根無償資金
協力）約 1,400 万円
２ 今後の実施を検討中の案件
今後は、住民が和平の配当を実感することにより、地域開発と平和の定着を
促進し、和平プロセスの進捗を支援するため、和平プロセスが進展しているカ
レン州をモデルとして事業を行い、成功事例を各州に広めていく。各州の課題・
ニーズ、人道支援にも引き続き対応。
＜地域開発＞
（１）少数民族支援のための南東部地域総合開発計画支援
・難民の帰還・再定住計画支援のための、カレン州、モン州における開発計
画策定支援
・カレン州のサブ・タウンシップにおける先行プロジェクトの実施（道路整
備、コミュニティ・インフラ整備、生計向上支援）
（２）ラカイン州・カレン州における道路建設支援
（３）カレン州避難民帰還道路上の橋梁建設支援
（４）全国の地方開発・貧困削減支援
・ミャンマー全国の各地方のニーズに応じた地域開発（カレン州、モン州で
は上記（１）の開発計画に基づいた事業、他の州・地域では、各地方のニー
ズに応じたインフラ整備等の地域開発）支援を検討。
３ 笹川陽平日本財団会長に対する「ミャンマー少数民族福祉向上大使」の委
嘱と同財団との連携
シャン州、ラカイン州等において教育、保健、農業分野での支援。
(了)