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学習指導要領 改訂のポイント (小学校 音楽)

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学習指導要領 改訂のポイント (小学校 音楽)
学習指導要領
(小学校
改訂のポイント
音楽)
平成20年7月
義 務 教 育 課
教科名等
1
音楽
移行期間中における学習指導及び留意事項
(1) 標準授業時数の変更はあるのか。
現行と平成23年度以降の新課程の標準授業時数は同じであり、移行期間中においても、
現行と同じである。
(2) 追加及び適用される内容は、どんな内容か。
ア
全部又は一部について新学習指導要領によることができる。
イ
歌唱共通教材について
新学習指導要領では、改正教育基本法等を踏まえ、日本のよき音楽文化を世代を超え
て歌い継ぐようにするため、歌唱共通教材について現行と同じ楽曲を示すとともに、そ
の取扱いについて〔第1学年及び第2学年〕〔第3学年及び第4学年〕では各学年4曲
中3曲を含めて扱うことから4曲すべてを扱うこと、〔第5学年及び第6学年〕では4
曲中2曲を含めて扱うことから4曲中3曲を含めて扱うことへと充実を図っている。
告示された特例では、この新学習指導要領における歌唱共通教材の取扱いを移行期間
の平成21年度から実施する。
(3) 円滑な移行に向け留意することは何か。
(解説P.5-6)
ア 〔共通事項〕について(解説P.5)
音楽活動と切り離された形での知識の習得を図ったり、技能の習得に力点を置きすぎ
た指導を行ったりすることなく、表現及び鑑賞の各活動において、子どもの聴き取る力、
感じ取る力を各活動を通して十分に育成し、音楽活動を通して音符、休符、記号や音楽
にかかわる用語を子どもが必要性(有用性)を感じ取れるような指導が求められること。
イ 「音楽づくり」について(解説P.5-6)
音遊びや即興的表現を音楽づくりの重要な面として位置づけるとともに、「音楽の仕
組み」を手がかりとして音を音楽へと構成していく指導内容を明示し、指導方法に結び
つくように示している。この「音楽づくり」の指導方法の工夫改善が大切である。
ウ
鑑賞の活動の充実について(解説P.6)
今回の改訂では、部分を聴いて感じる力よりも、部分と部分とのかかわり合い、楽曲
全体を鑑賞する能力を育成することを重視している。子どもにとって受け身の活動とな
りがちであった鑑賞の活動を能動的なものとするために、言語活動を取り入れた指導方
- 1 -
法の工夫改善が求められること。
(4)「解説」の記述について工夫されていることは何か。
小学校においては、専科に限らず、学級担任も授業を行っている現状をふまえ、用語に
ついては必ず定義したり 、〔第1学年及び第2学年〕で記述した事柄であっても 、〔第3
学年及び第4学年〕〔第5学年及び第6学年〕において同じように繰り返し記述したりす
るなど、できるだけわかりやすい記述に努めた。
なお、現行の「リズム遊び」や「ふし遊び」といった用語は、今回の改訂で削除してい
る。これは、意味として様々な定見があり、定義を明確にできないために行った措置であ
り、これに係る従来の実践を否定するものではない。
2
改訂の基本方針及び要点について
(1) 平成20年1月の中教審の答申における改善の基本方針のポイントは何か。
(解説P.3-4)
ア〔共通事項〕について
・表現領域、鑑賞領域に加え、〔共通事項〕を新たに設けた。
・〔共通事項〕は、表現及び鑑賞に関する能力を育成する上で共通して必要となる内容
であり、表現と鑑賞の活動の支えとなる内容として示した。
また、これは、今回の改訂の基本的な考え方である「思考力・判断力・表現力等の育
成」にもかかわっている。(総則 参照)
イ「音楽づくり」について
・現行の表現領域の内容を「歌唱」、「器楽」、「音楽づくり」の三分野に再構成した。
・創作活動として、小、中・高等学校間の連続性を図るために明示した。
※小学校 …「音楽づくり」
中・高等学校 …「創作」
ウ「鑑賞」について
・中教審答申の「教育内容に関する改善事項」における「言語活動の充実」ともかかわ
る。また、「根拠をもって自分なりに批評することのできるような力の育成」もねら
いとしている。
エ
我が国や郷土の伝統音楽の指導の一層の充実
・歌唱共通教材の取扱いの充実
※移行措置 参照
・現行で〔第5学年及び第6学年〕で位置付けられている我が国の音楽を〔第3学年及
び第4学年〕にも新たに位置づけて取り扱う。
・「和楽器」の導入
オ
協同する喜びを感じる指導の重視
※ 解説P.67-68 参照
・このことは、各学年の「A 表現 (1)エ (2)エ」において具体的に反映されている。
- 2 -
(2)「目標」に変更はあるか。
(解説P.5)
現行と新小学校学習指導要領における目標は同じであり、このことは、基本理念は変わ
らないことを意味している。
(3)「思いや意図をもって」とあるが、「思い」と「意図」の違いは何か。 (解説P.3)
「思い」と「意図」の違いは、根拠の明確性にある。
すなわち 、「思い」とは 、「こんな音楽にしたいな」といった音楽をつくることに対す
る(少し漠然としたところもある)考えや願いのことである。また「意図」とは、見通し
を持ちながら「こんな理由で、こんな音楽にしよう」といったように根拠を必要とするも
のである。
〔第1学年及び第2学年〕では「思いをもって」、〔第3学年及び第4学年〕〔第5学年
及び第6学年〕では、「思いや意図をもって」とし、スパイラルに力を育んでいくことを
目指している。
(4)「鑑賞領域の各学年の内容に、感じ取ったことを言葉などで表す活動を位置づけた」
とあるが、このことについて留意すべきことは何か。
(解説P.6)
言語活動は、あくまでも手段(学習方法)であり、言語活動そのものが目的ではない。
すなわち、「どんなところからそう感じるのか」などについて言葉で表し、児童相互が
そのことについてやりとりすることにより、曲や演奏の楽しさに気が付いたり、楽曲の特
徴や演奏のよさに気が付いたり理解したりする能力を高めようとするものであり、ややも
すると受動的になりがちな鑑賞の活動を、児童の能動的で創造的な鑑賞活動になることを
ねらっている。
3
目標及び内容について
(1)「目標」のそれぞれの部分の「意味するところ」において、大きく変更したところ
はあるか。
(解説P.7-8)
今回の改訂では、教科の目標については変更していない。
ただ、「表現及び鑑賞の活動を通して」における「活動を通して」の意味するところを
現行と大きく変更している。
(現行)
「活動を通して」とは、指導しようとする内容を単なる知識として理解させようと
- 3 -
したり、技能の機械的な訓練のみとらわれたりすることなく、音楽を伸び伸びと表現
したり、音楽を聴いて心を引かれたりするなど、児童一人一人が感性を豊かに働かせ
ながら、 楽しい音楽活動を展開していくことの重要性を述べたものである。
(新)
「活動を通して」とは、指導しようとする内容を単なる知識として理解させようと
たり、技能の機械的な訓練のみを行ったりすることではなく、児童が思いや意図をも
って音楽を表現したり、想像力を働かせながら音楽を聴いたりするなど、児童一人一
人が感性を豊かに働かせながら主体的に活動に取り組む態度を大事にし、楽しい音楽
活動を展開していくことの重要性を述べたものである。
これは、「活動すること」と「学習すること」との一体化を図ろうとするものであると
ともに、各学年の指導内容ともより結びつくように変更したものである。
(2) 「各学年の目標」において、変更されたところはどんなところか。 (解説P.11-12)
ア
「目標」(1) について
〔第1学年及び第2学年〕では、(現行)「楽しい音楽活動を通して」から(新)「楽
しく音楽にかかわり」に変更している。これは 、〔第3学年及び第4学年 〕〔第5学年
及び第6学年〕の記述に合わせた形で変更した。また、「楽しい音楽活動を通して」に
は、「活動を事前に用意しておく」と受け取られがちであり、子どものより能動的なか
かわりを期するため変更した。
イ
「目標」(2) について
・例えば、〔第1学年及び第2学年〕では、(現行)「リズムに重点を置いた活動を通し
て、基礎的な表現の能力を育て、音楽表現の楽しさに気づくようにする 。」が 、「基
礎的な表現の能力を育て、音楽表現の楽しさに気づくようにする。」と変更している。
現行の「リズムに重点を置いた活動を通して」が省かれているが、これは、〔共通事
項〕に含まれている内容であることから、重複を避けるため変更した。
ウ
「目標」(3) について
・例えば、〔第1学年及び第2学年〕では、(現行)「音楽の楽しさを感じ取って聴き、
様々な音楽に親しむようにする」から(新)「様々な音楽に親しむようにし、基礎的な
鑑賞の能力を育て、音楽を味わって聴くようにする」と変更している。これは、「親
しむこと」が鑑賞の最終の目標ではなく、鑑賞の活動を通して基礎的な鑑賞の能力を
育てるための指導内容と結びつけるために行ったものである。なお、「様々な音楽に
親しむ」とは、鑑賞の活動を通して、様々な音楽に出会うようにすることである。
(3) 「内容」の表記の仕方が変わったのはどうしてか。
小学校と中学校、いずれの学習指導要領においても、「内容」の表記については、現行中
- 4 -
学校学習指導要領の表記の仕方に合わせ、「∼を通して、次の事項を指導する」という表記
にしたため。
(4) 「音楽づくり」とは何か。
(解説P.16)
児童が自らの感性や創造性を発揮しながら自分にとって価値のある音や音楽をつくるこ
と。今回の改訂では、現行にある「音楽をつくって表現できるようにする」から「音楽を
つくること」そのものに限定しており、歌唱及び器楽の活動において音楽をつくる過程を
大切にしたい。
(5) 「即興的に表現する」上で、留意すべきことは何か。
(解説P.16
P.43)
「即興的に表現する」とは、ただ直感的に自由に表現したり、あらかじめ楽譜になどに
示されているとおりに表現したりするのではなく、その場で直観的に選択したり判断した
りして表現することである。「直観的」とは、「全体を見通して」という意味合いをもつ。
すなわち、児童が、音楽の全体を見通して、これまでの音楽経験を生かして、音楽の約
束事を決めて表現を工夫したり、様々な音楽表現から発想を得て表現の工夫に生かしたり
する活動が大切である。選択肢がありすぎると選べないし、「何をやってもいい」では、
「何もできないこと」になりがちであることに留意したい。
(6)「歌唱」おいて、
「声」から「歌い方」に変更したのはなぜか。 (解説P.38
P.55)
〔第3学年及び第4学年〕では、(現行)「呼吸及び発音の仕方に気をつけて、自然で無
理のない声で歌うこと」から(新)「呼吸及び発音の仕方に気をつけて、自然で無理のない
歌い方で歌うこと」に変更し、〔第5学年及び第6学年〕では、(現行)「呼吸及び発音の
仕方を工夫して、豊かな響きのある、自然で無理のない声で歌うこと」から(新)「呼吸及
び発音の仕方を工夫して、自然で無理のない、響きのある歌い方で歌うこと」に変更して
いる。
合唱曲などの西洋音楽の技法によってつくられた楽曲を歌う際には、頭声的な発声で従
来行われてきているが、教材によってはその楽曲の音楽的な特徴から頭声的な発声では不
自然な場合もあり、歌唱の表現の幅を広げるという意味からも「歌い方」に変更した。
指導にあたっては、児童が自分の歌声の特徴を感じ取りながら歌うことができるように
配慮するとともに、歌声づくりだけを目的とした訓練的な指導にならないように配慮しな
ければならない。なお、いわゆる地声は、歌声ではないことにも留意すること。
4
指導計画の作成と内容の取扱い
(1)〔共通事項〕を指導する上で留意することは何か。
- 5 -
(解説P.67)
各学年で〔共通事項〕として示した事項では表現及び鑑賞の各活動を通して指導するこ
とが重要である。また、この〔共通事項〕の事項をもって「表現」と「鑑賞」とを結びつ
ける指導計画の作成も考えられる(「表現」と「鑑賞」の関連づけ)。
特に、イに示している「音符、休符、記号や音楽にかかわる用語」については、児童の
実態に即して、繰り返し取り扱うことにより、6年間を通じて理解できるようにすること
が大切である。
(2) 国歌「君が代」について、「歌えるよう」と文言を加えたのはなぜか。
(解説P.68)
(現行 )「国歌『君が代』は、いずれの学年においても指導すること」から(新 )「国
歌『君が代』は、いずれの学年においても歌えるよう指導すること」と変更している。こ
れは、現行の「解説」においても 、「歌えるように 」「歌える」という記述があり、そう
した記述とより整合性を持たせるため、文言として加えた。
(3) 低学年における留意事項として加えられた事項は何か。
(解説P.69)
(現行)「低学年においては、生活科などとの関連を図り、指導の効果を高めるように
すること」から(新)「低学年においては、生活科などとの関連を積極的に図り、指導の
効果を高めるようにすること。特に第1学年においては、幼稚園教育における表現に関す
る内容などを考慮すること」とし、中教審答申にある「体験活動の充実」をもふまえ、幼
稚園教育との関連について追加している。
(4) 道徳教育とどのように関連を図ることが大切か。
(解説P.69-70)
「音楽科の年間指導計画の作成などに際して、道徳教育の全体計画との関連、指導の内
容及び時期等に配慮し、両者が相互に効果を高め合うようにすることが大切である」とあ
る。「両者が相互に効果を高め合うようにすること」とは、ある楽曲を取り扱う場合、音
楽科としてねらうことと「道徳」としてねらうことを一定整理した上で、音楽科の指導計
画に位置づけることにより、音楽科での取扱いと「道徳」での取扱いが相互に効果を高め
合うことを意味している。
(5)「体を動かす活動」と「身体表現」とは異なるのか。
(解説P.71)
「体を動かすこと自体をねらいとするのでなく、音楽を感じ取る趣旨を踏まえた体験活
動であること」に留意することが大切であり、いわゆる「身体表現」を指すものではない。
従来、「表現」の活動において、「身体表現」が「歌唱」「器楽」と同列で扱われるよう
な実践が多く見られたことへの反省として、「体を動かす活動」という言葉を示し、その
取扱いについて明示した。
- 6 -
(6)「適宜、移動ド唱法を用いること」における「適宜」とは、どういう意味か。
(解説P.72)
「相対的な音程感覚を育てるために、適宜、移動ド唱法を用いること」の中の「適宜」
とは 、「適切に、適所で」という意味をもつ 。「移動ド」は、相対的な音程感覚を育てる
ために有効であり、原則として「移動ド」を用いて指導するものの、例えば、器楽にかか
る指導の場面では、「固定ド唱法」を用いる場合もあり、児童の実態を十分に考慮しなが
ら、学習のねらいなどに即して適切に用いて指導することが重要である。
(7)「音楽づくり」について留意することは何か。
ア
(解説P.74)
記譜の指導に当たっては、つくった音楽を「視覚的にとらえたり、その音楽を再現し
たりする手がかり」となるように記譜の仕方を工夫すること(絵譜やグラフィックによ
るものなど)。(解説P.91)
イ
「音楽づくり」の活動において、調性のあるものに限定すると子どもの発想が制約さ
れ、児童にとって難しい場合もあり、「ウ」の事項を加えている。(解説P.75)
(8) その他の事項において留意することは何か。
ア
変声期前後の児童の指導について(新設)
(解説P.72)
その時期や変化には個人差があることを指導するとともに、児童が安心して歌えるよ
うに配慮しながら歌唱指導を進めていくことが大切である。
このことは、
〔第3学年及び第4学年〕
〔第5学年及び第6学年〕における「A 表現」
(1)ウ とも関連している。
イ 「A 表現」(2) における楽器の取扱いについて
(解説P.73)
・アでは、打楽器として、
「木琴、鉄琴、和楽器、諸外国に伝わる様々な楽器を含めて、
演奏の効果、学校や児童の実態を考慮して選択すること」とある。また、イ∼エにお
いても、「学校や児童の実態を考慮して」とあり、現行の「児童の実態」に加えて、
「学校」が加えられていることに留意。
〔第1学年及び第2学年〕
身近な楽器として、様々な打楽器、オルガン、ハーモニカなどの中から
〔第3学年及び第4学年〕
旋律楽器として、既習の楽器を含めて、リコーダーや鍵盤楽器などの中から
〔第5学年及び第6学年〕
旋律楽器として、既習の楽器を含めて、電子楽器、和楽器、諸外国に伝わる楽器な
どの中から
ウ 〔共通事項〕のイの「音符、休符、記号や音楽にかかわる用語」について(解説P.76)
- 7 -
・「単にその名称やその意味を知ることだけでなく」とあるのは、表現及び鑑賞の活動
に「用いる」ことの重要性を意味している。
・現行の30種類から36種類へと6種類増やしている。
・配当学年は示していない。音楽活動を通して、その都度スパイラルに指導することに
より、使える知識として身に付けることが大切。
《用語一覧》
(1) 「目標」関連
ア
音楽を愛好する心情を育てる
生涯を通して音楽を愛好し、生活の中に音楽を生かしたり音楽文化に親しんだりする態
度を、音楽の学習活動を通してはぐくむということ。
イ
音楽に対する感性
音楽的な刺激に対する反応、すなわち、音楽的感受性ととらえることができる。この音
楽的感受性とは、音楽の様々な特性に対する感受性を意味している。
ウ
音楽的感受性
音楽の様々な特性に対する感受性を意味している。具体的には、音楽を感覚的に受容し
て得られるリズム感、旋律感、和声感、強弱感、速度感、音色感などであり、表現及び鑑
賞の活動の根底にかかわるものであり、美しいものや崇高なものに感動する心を育てるの
に欠かせないものである。そして、多様な美しさをもった様々な音や音楽を尊重する心に
もつながるものである。(解説P.8)
エ
音楽活動の基礎的な能力
生涯にわたり児童が楽しく音楽とかかわっていくことができるよう、小学校の段階では
ぐくんでおきたい表現及び鑑賞の活動に必要となる音楽的な能力。
オ
基礎的な表現の能力
歌唱、器楽、音楽づくりの活動を通してはぐくまれるものであり、聴唱や聴奏の能力、
音楽を形づくっている要素に対する感受性と思いをもった表現、そしてそれらに支えられ
た表現の技能などを指している。
カ
基礎的な鑑賞の能力
音楽を聴いて、音楽を形づくっている要素のかかわり合いや、それによって醸し出され
る楽曲の気分を感じ取る能力のこと。
(2)「各学年の目標及び内容」関連
ア
模唱(解説P.22-23)
教師や友達が歌うのを聴いてまねて歌うことを指している。教師の階名唱に続いて、児
童が階名で模唱することで、正しい音程感覚を身に付けるようにすることが期待される。
イ
楽曲の気分(解説P.23)
第2章第2節2の〔共通事項〕で説明した「曲想」のうち、低学年の児童が感じ取りや
すい「気分」を取り上げたもの。
- 8 -
ウ
声(解説P.27-28)
歌声だけでなく、ささやき声やため息のように息を使った音、擬声語や擬態語なども含
む。
エ
身の回りの音(解説P.27-28)
自然や生活の中で耳にする音、身近な楽器や身の回りの物で出せる音。
オ
音遊び(解説P.27-28)
友達とかかわりながら、音楽的な約束事を決めて、それに基づいて楽しく活動し、音で
表現していくこと。
カ
音楽的な約束事(解説P.28)
音の素材や音楽を特徴付けている要素などをあらかじめ決めておき、活動に取り組みや
すくするもの。
キ
音を音楽にしていく(解説P.28)
音楽の仕組みを手がかりとして、それぞれの音を関連付けて楽しみながら一つのまとま
りを形づくるようにしていくこと。
ク
簡単な音楽(解説P.28)
児童がそれまでに身に付けている力を使って十分演奏できるような音楽という意味。
ケ
副次的な旋律(解説P.39)
主な旋律の流れに合わせた別の旋律であり、音の高さやリズムが違う旋律のこと。
コ
楽曲の構造に気を付けて聴く(解説P.46)
特に音楽の仕組みの働きに着目して、音楽を特徴付けている要素と音楽の仕組みのかか
わり合い、すなわち楽曲の構造に気を付けて聴くこと。
(3)〔共通事項〕関連
ア
音楽を特徴付けている要素(解説P.17-18)
・低学年では、音色、リズム、速度、旋律、強弱、拍の流れやフレーズ
・中学年では、低学年で示したものに加え、音の重なり、音階や調
・高学年では、中学年までに示したものに加え、和声の響き
イ
音楽の仕組み(解説P.17-18)
・低学年では、反復、問いと答え
・中学年では、低学年で示したものに加え、変化
・高学年では、中学年までに示したものに加え、音楽の縦と横の関係
※「音楽を特徴付けている要素」
「音楽の仕組み」は、特定の音楽にかかわるものではなく、
世界の様々な国の音楽に共通に含まれるものであることを前提とする。
ウ
音楽を形づくっている要素(解説P.17-18)
「音楽を特徴付けている要素」及び「音楽の仕組み」に加え、歌詞、歌い方や楽器の演
奏の仕方、演奏形態など、音楽というものを形づくっている要素を含むもの。
エ
楽曲の構造(解説P.18)
楽曲で使われている「音楽を特徴付けている要素」や「音楽の仕組み」の選択や組合せ、
- 9 -
かかわり合い方のこと。これにより、楽曲は独特なものとなっている。
オ
曲想(解説P.18)
その楽曲に固有な気分や雰囲気、味わい、表情を醸し出しているもの。
※一つ一つの楽曲のもつ独特な曲想を味わい、曲想に合った表現を工夫したり、曲想を
味わって聴いたりする活動は音楽の学習において重要な活動である。
カ
音色(解説P.33)
声や楽器などから出すことができる様々な音の表情を指す。
※読み方は、「おんしょく」「ねいろ」どちらでもよい。
キ
強弱(解説P.33)
音の大きさ、音量のような絶対的な数値で表されるものでなく、楽曲の各部分で相対的
に感じられるもの。音色とかかわって、力強い音、優しい音などの音の質感によって強弱
が表されることもある。
ク
拍の流れ(解説P.33)
音楽の拍が一定の時間的間隔をもって刻まれたり、間隔に伸び縮みが生じたりすること
を指す。
ケ
フレーズ(解説P.33)
音楽の流れの中で、自然に区切られるひとまとまりを指す。
コ
反復(解説P.33)
リズムや旋律などが連続して繰り返される反復、音楽のいくつかの場所で合間をおいて
繰り返される反復、A-B-Aの三部形式に見られる再現による反復などがある。
サ
問いと答え(解説P.33-34)
ある音やフレーズ、旋律に対して、一方の音やフレーズ、旋律が互いに呼応する関係に
あるものを指す(クエスチョン&アンサー)。
シ
音の重なり(解説P.48-49)
複数の高さの音が同時に鳴り響くことによって生まれる縦の関係。
ス
音階(解説P.48-49)
ある音楽で用いられる基本的な音をおよそ1オクタープ内で高さの順に並べたもの。
セ
調(解説P.49)
主に長調と短調の2種類に代表されるものである。小学校段階では、中学年においては
ハ長調を、高学年においてはハ長調及びイ短調を取り扱うこととしている。
ソ
変化(解説P.49)
音楽を特徴付けている要素及び音楽の仕組みのかかわり合いが変わることによって起こ
るもの。
タ
和声の響き(解説P.65)
調のある音楽での「音の重なりとその響き」。
チ
音楽の縦と横の関係(解説P.65-66)
音の重なり方を縦、音楽における時間的な流れを横と考え、その縦と横の織りなす関係
を指している(テクスチャー)。
- 10 -
(4)その他
ア
拍節的でないリズム(解説P.75)
一定した拍や拍子感がないリズムのこと。
イ
我が国の音楽に使われている音階(解説P.75)
例えば、わらべうたや民謡などに見られる音階のこと。
ウ
調性にとらわれない音階(解説P.75)
長調や短調以外の音階のことで、諸外国の様々な音階や半音音階など。
- 11 -
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