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(NEW)(進化システム競争原理の増殖性と成熟経済の競争政策への応用)
(NEW)(進化システム競争原理の増殖性と成熟経済の競争政策への応用) 自然に生まれた「自然システム」は自然生態系の豊かな自己増殖と進化が実例であり、進 化システムはこの機構をまねたものを言います。進化システムでは同一種間ではお互い殺 しあわず生き残って増殖した方が勝ちの自由平等(対等)競争の絶対性を遵守する時に限 り生命が持つ増殖進化性が作動し、更に異種間では相手をエサとして食い殺す弱肉強食競 争の弱者減少が作動するが、食物連鎖原則によって強者の強食性は弱者の増殖性を上回れ ない原則が作動します。 自然生態系はこの巧妙な仕組みによって繁栄しており、進化シ ステムの資本主義市場経済は同一種の人間の行動である以上、意志意欲で増殖競争する「個 人消費」(企業側から見ると商品の生産販売競争に他ならない)は憲法や自然法を正しく 解釈する同一種間の自由平等(対等)競争の時に限り人間が持つ個人消費の増殖進化性が 作動し発揮され無限の経済成長(進化と増殖性)と財政再建が実現します。 さて「科学技術の進化システム性」はノーベル経済学賞を受賞したソローモデルから「供 給側経済成長理論」へ発展し、「個人消費の進化システム性」は本論の「需要側経済成長 理論」へ発展し、両者が合体するときに最大の経済成長効果を発揮します。科学技術と違 い「個人消費や設備投資の進化システム性」については、他に文献が無く個人消費が進化 システムであることを次の通り詳細に解説します。 つまり「個人消費や設備投資」は「市場経済」で繰り広げる「突然変異を伴った」「商品 増殖競争の一環」であり人間文化の表現と理解すれば誤りがありません。 つまり現在、市場で生き残って進化システム増殖競争を繰広げる商品群は古代から現代 までの間に競争に生き残っている商品なのです。現代でも使われている土器や陶器は縄文 時代に誕生し、米は弥生時代に誕生し、木工製品は古代に誕生し青銅や鉄製品はその後に 誕生し、1760年代以降の産業革命によって、個人消費の突然変異は無数に発生し、鉄 道は1800年代に、内燃機自動車は1800年代終わりに誕生し、飛行機は1900年 初頭に、プラスチックス商品は1900年代に誕生し、更にテレビは1950年代に急速 に発達し、パソコンは1980年代に急速に発達し、太陽光発電は1990年代に発達し、 携帯電話は1995年以降急速に発達し、更にサービス商品については歌舞伎は江戸時代 に誕生し、映画は1900年代に全盛を向かえ、野球やサッカー、歌、アニメ、ゲーム更 に医療、教育、介護福祉、環境保護等の「各種サービス産業の誕生など」時代とともに「内 需の個人消費の種類、質、量」の多様な分化と系統が発生し競争を繰広げながら累積増加 の一途をたどり、この経済的な内需の選択肢つまり「個人消費の種類・質・量の増加」が、 その国の過剰性の文化であり経済成長なのです。つまり産業のサービス化は必然であり、 それに直接課税強化する消費税制は最悪です。 所得が増加する経済環境で国民が環境保 護に関心を持てば自然に環境保護個人消費や設備投資が増えるのです。 資本主義は人間 個人をセンサーとして個人消費増殖性をシステム的に所得増加に結びつけた、過剰性の人 間文化の貨幣経済的表現なのです。 結局個人消費は人間の意志と意欲の化身であり、自 由(無税)に対等競争させれば生き物のように増殖し進化して所得増に変換するのです。 本論を読み進むうちに、経済成長理論の根拠となる自然生態系の食物連鎖の頂点に立つ最 強生物の増殖繁栄は、地球環境に適応する下層生物の増殖繁栄に完全に依存し最終的には 食物連鎖の最下層、陸上では植物相、海洋では植物プランクトンの増殖繁栄が鍵を握って いるメカニズムと全く同様に、膨大な中低所得者層の高消費性向を活用する税制改革によ って個人消費が増進し高所得者層の高所得は支えられるのです。 進化システムとは本人の意志意欲の自己決定性があり、その時代の環境に適応し増殖した 方が勝ちの一見競争に見えない「自由平等(対等)大競争」でありDNAで自己増殖する 生物の増殖と同一であり、憲法の「表現競争の自由」の一種の個人消費、科学技術、民主 主義、市場経済、インターネット等を言い参加の自由が不可欠です。 故に経済を増殖成長させるには大衆の巨大な意志の進化システムを絶対に課税や規制して はならず、経済成長率の高さは個人消費を課税しない税制次第なのです。 故に進化システムは国家が、憲法目的の幸福の追求や国民福祉の向上を自己実現するため の最重要な手段となります。 システム工学で近年確立された進化システムは人間と社会 とを結びつける国家システム(制度法律等)も研究対象にしており「国家の特定分野(科 学技術、個人消費等)の情報単位の種類、質、量」を自由競争の中で自己増殖する大競争 過程を持つものを進化システムと言います。 進化システムは規制しなければ、必ず現状 より大衆の意欲意志で増殖拡大し蓄積するので、無形の個人消費へ参加の自由によって、 預金引き出しや前向き借入金を自由に行って資金を作り抑圧無く実行させれば、有形の資 産や所得貨幣へ等価変換して強力に国民所得増加と自力経済成長を達成できるのです。 大競争を促進するには自然システムと同様、自由平等(対等)競争原則が絶対条件です。 規 制緩和と規制強化の定義を統一すべきです。 (進化システム)は大競争で優劣の決着をつけるので完全自由化の規制緩和が必要。 (非・反進化システム)弱肉強食競争なので平等(対等)競争に役立つ規制強化が必要。 さて「内需の個人消費や設備投資」と「科学技術」の両者が持つ自己増殖性は、システム 工学の「人間の過剰性の本能を活用した進化システムの自己増殖競争」です。 人間は進化システムを蓄積し、常に現状より、より良いものを必要以上に追い求める「過 剰性の本能」を持ち、地球環境に適応し生き残り繁栄してきた特殊な動物なのです。さて 進化システムの個人消費を順調に増加させるには「自己増殖する自然生態系と全く同一の 自由平等(対等)競争条件を保証すると、国民大衆は勝つためのチャンスが増加していると 感じ、心の中の個人消費の注意を引く、興味を抱く情報単位の種類、質、量を増加し、消 費行動の総和を、常に現状より増加累積し、結果として経済成長と所得増を達成できる強 力なシステムなのです。」故に進化システムの自由な消費者心理や自由な科学心を、統制 しようとする全体主義や共産主義では経済も社会も発展しないのです。よって本人の自由 意志で増加できる個人消費は絶対に消費税で課税してはならず、一部エリートが公平、公 正、簡素等の思い込みの理念や目的を掲げて、進化システムの個人消費を規制すると個人 消費が減少し等価変換される国民所得が減少し「合成の誤謬に陥り」良かれと思って構築 した制度や法律から予想外に悪い結果が生じます。 逆に非進化システム(所得、当選、受 験競争等)は正に競争らしい競争だが自己決定性が無く他人の意志に決定を委ねて小競争 するので自己増殖力も無いため、所得再配分を強化する為の課税や規制も全く問題無く、 対等競争が実現するよう課税や規制をすればするほど良い効果が出ます。ゆえに競争の区 分区別を厳格にして、何をどの位規制するのが正しいかを決めるのは市場経済の第一線で 活動している五感の発達した「自由平等(対等)競争」を日常的に行なっている国民大衆の 過半の意志の総和なのです。逆に経済の第一線現場に立たず、前提条件をつけて物を言う 机上のエリートは競争現場を不知のため、現実の競争現場を正しくコントロールする判断 に間違いが多いのです。よって国民大衆の厳格な代議制民主主義が必ず必要になるのです。 つまり自然界の自然システムには「時代時代に適応し生き残りを唯一の目的」として「生 物進化の基本となる自然本来の自由平等(対等)競争ルール」が厳格に存在し、これは人工 進化システムにも必須条件となり「参加の自由」「同一種内の対等で平等な増殖繁殖競争 (内部大競争原理)」「異種間の弱肉強食競争(外部小競争原理)」「競争力均衡化原則 (食物連鎖原則)」「環境内循環原則(廃棄物の自然分解を含む)」「突然変異の競争参加」 のルールを厳守すれば進化システムが作動して市場経済は自動的に豊かに無限に繁栄でき るのです。逆に市場経済において自由平等(対等)競争ルールに反する競争者の所得(食料) 独占を容認する不自然な低累進所得税制と、個人消費の参加の自由を抑圧する消費税制が 経済不況を招いています。さて進化システム原理を満たす4つの条件とは日立デジタル平 凡社の世界百科事典から引用すると *1.遺伝子を要素とするシステムとして遺伝子型が存在する。 遺伝子型は対応する個 体(表現型)を作りだし、表現型は遺伝子型の複製の場になる。 つまり人間の経済社会に置き換えると国家は誠実で正直な国民を要素(部分)とするシステ ム(全体)であり、強制力のある制度や法律は国民大衆の自然な本人の自由意志や意欲の「行 動表現」を制御する、事実上の人間の遺伝子型と全く同様な作用をするのです。 極論す れば国家において国民大衆の自然な本人の意欲や自由意志の「行動表現」を制御する慣習 や文化や宗教や国家目的さえも、ドーキンスの述べるミームとして国民大衆の行動を制御 する遺伝子型として作用するのです。よって同一問題が発生しても、異なったミームの遺 伝子型を持つ国家国民別に反応は異なってくるのです。 したがって国家が経済成長や社 会進化を果たすには、何が進化システムであるかを見分けた上、国民の自由意志や意欲に 基づく行動を制御する拡大された遺伝子として作用する制度や法律等の中核に、自然シス テムと全く同一の根源的な概念である自由平等(対等)競争というルールを進化システムへ 導入する必要があるのです。「自然科学の分野ではあらゆる要素が自由平等競争で構築さ れているが」「社会科学の分野では本人の意志と意欲と行動表現は、慣習や文化や制度法 律で制御されがちなので自然状態に近づけるため、本人の意志意欲と行動の自由平等(対 等)競争原則を特別に注入する必要があるのです。」結局「経済成長は買物意欲という消費 者心理に左右されるので自由平等(対等)競争厳守の税制でなければならないのです。」特 に成熟経済に達した個人消費行動は本人の自由(無税)意志と意欲を完全に認めないと増加 しない性質があり、税法に自由平等(対等)競争原則を導入すると所得再配分効果も加わり、 個人消費は強力に増殖を開始し、等価変換で創出される国民所得が大幅増加できるのです。 *2.遺伝子型のシステム構造は変異する機会がある。 それは遺伝子型と表現型の形質の変異を引き起こす。 成熟経済に達した市場経済は自然と同じく「常無しの、定めの無い無常の世界であり」常 に一ヶ所に止まれず、進化しようとする流動性があるので、其の時代の理念や目的は、其 の時代に存在する国民が個別に設定すべきであり「自由平等(対等)競争ルールと生き残り 目的」以外の公平、公正、簡素など固定的理念観念は個人消費を規制抑圧停滞させるだけ なのです。 課税しなければ変化する経済環境に適応し、その時代の、より良い個人消費 という表現型に変異が生じ遺伝子型(従来の個人消費)との競争に表現型が積極的に参加し、 その時代の経済地球環境に適応増殖する全ての表現型(より良い消費)が競争で生残り、 次世代の遺伝子型として強力に増殖普及するのです。 *3.表現型の間に資源獲得競争が存在する。 競争は「優劣の結果」をもたらす。 それは遺伝子型の間の「自己複製頻度の競争」に他ならない。 *4.生態系を支える外部資源が存在する。 経済活動のため国家外からの原材料の輸入や地球資源からの自国採掘に相当する。 自力経済成長にとって最重要なのは貿易体制における「輸入であって輸出ではない」。 つまり「外部資源を活用し」「自己複製という構造を持ち」「より良いものへ変異しなが ら(過剰性の文化)」 「変異も競争へ参入しつつ結果として増殖普及しないものが淘汰され、 環境に適応し増殖普及するものが生き残り進化する」という4つの機構を持つ自己増殖シ ステムで、自由平等(対等)競争条件を備えるものが進化システムです。個人消費も進化シ ステムであり、自由平等(対等)競争条件を厳守すると「自己複製という増殖性」が強まり 自己決定性ならびに変異の容認性と市場経済における競争による優劣の決定機構を持ち、 個人消費増殖の無形の意欲から前向きの借入金等を通じ有形の所得貨幣へ等価変換し資金 を創出増殖する手法が資本主義なのです。進化システムはシステムがそれ自身を作り出す ことから自己組織システム(組織論)、自己創出システム(生物系)等と言われ現代では その活用が急速に進んでいます。さて人工システム(法律制度など)開発上のシステム作 成の指導的原理は以下の5点であります。 1.初期目的の達成度 2.社会的受容性(分かりやすさと利便性) 3.環境変化への適応性 4.機能性能の拡張性と柔軟性 5.経済性と信頼性 そこで国家はシステム的存在であるので膨大な数の国民へ適用する拡大した遺伝子として 作用するシステム(法律、制度等)を作り上げる場合、上記の5点の「システム作成の指 導原理一点一点」について「条件を満たしているか」を常時チェックし、予測してから実 行し、実行後はこれを評価し反省し、再度改善し実行し直さなければなりません。(これは 経営学でいう計画・実行・評価の無限サイクル)これが膨大な数の国民をシステム的に統治 せざるを得ない国家が為すべき最も重要な作業なのです。国民全てが生き残る、国民が望 む国家遺伝子を作りあげなければ国家は進化成長しないのです。 ゆえに自由平等(対等) 競争原則に反する制度や法律や思想は、結局進化成長しないため、数十年、数百年後には 必ず淘汰される運命になってしまうのです。 (進化システム例) <―――――> (非進化システム例) 1. 個人消費・設備投資 1. 所得(国民所得) 2.市場経済 2.計画経済 3.大衆主導の民主主義国家 3.真の全体主義・真の共産主義 4.事実に基づいた科学技術 4.事実と遊離した理念・観念・迷信 5.インターネット 5.管理主体がある商用情報システム 進化システムの作動メカニズム以下の通りであり、真理は単純で機能的なのです。 1.進化システムは生き残り目的以外の目的(理念や観念など)を持たず進化の「過程つ まりルール」だけを持つ。 故に人により作られたシステムにもかかわらず特定の個人や 組織と言えども自由平等競争以外の理念で制御してはいけない構造を持つ。 2.進化は、より良く環境に適応するために変異が起こり、変異が競争に参入し「結果」 として進化増殖競争が起こる。つまり「普及増殖するものが」すべて良しなのです。また 変異とは「試行錯誤を行って学習し改善するという」意味が含まれています。 3.外部環境、内部状態の変化に対してシステム全体として柔軟に適応して頑健。 つまり国民大衆という要素(部分)が自由平等(対等)競争原則で組み上げられ、経済地球環 境へ柔軟に変異適応している結果、そのような全体システム(国家)は頑健である。 4.システムの一部が競争による淘汰圧力からはずれたとき、爆発的に増殖する。 つまり進化システムの市場経済はバブル発生の可能性があり、反対目標設定の要あり。 5.分化と系統が発生する。 人間は生き残りのために過剰性の文化を創出している。 つまり進化システムは必ず増殖成長進化し、分化や系統が発生するので、人間の個性や文 化の多様性が発揮されるシステムである。 したがって増殖成長進化しない場合は、その 進化システムのどこかの自由平等競争に欠陥があると認識して差し支えない。 市場経済では「主として倒産等の擬似死のルールを持つ民間企業同士の弱肉強食競争」 (組織同士の外部小競争)と「国などの擬似死のルールを持たない独占組織の内部の自由 平等(対等)増殖繁殖競争」(構成員個人による内部大競争)の2種類の重要な競争方式が 存在するのです。外部(小)競争方式を包含した内部(大)競争方式が主たる競争方式として、 その国家経済に定着しているときに、その国の市場経済は最も進化繁栄するのです。 いづれも競争とは現実の経済環境に適応接近しようとするための手段がその本質なのです。 そして人工システムは「進化システムであるときに限ってシステムとして強力に進化する 特徴」を有しているのであり、実例と歴史が雄弁に物語っています。 ムは時間が掛かっても必ず非進化システムに勝利してゆくのです。 そして進化システ さて進化システムに おけるキィーワードは「競争」であります。本書は「協同」という概念は「競争」という 概念の正反対であるゆえに広義において進化システムにおける競争概念の一部と判断して います。国家の最高の目標は「国民全員の幸福の追求」という不可能と思われる生き残り 目的への挑戦であり、これを達成するためには自然システムでの人間が持つ二つの本能つ まり共同体への帰属本能から生ずる利他的な共同体意識と、本人自身(個体)の生存本能か ら生ずる利己的な競争意識の同時存在こそが、これを達成するための重要な手段なのであ ります。つまり人間は「競争意識・利己的意識・営利精神」と「協同意識・利他的意識・ ボランティア精神」を本能的に同時に持っており、本書では密接不可分なものとして理解 する調和のとれた競争を提案しているのであります。そして国民大衆は「消費者」(需要) であると同時に「労働者」(供給)であり「個人消費を通じて国家運営の費用の負担者」 であると共に「国家政策の受益者」であるという二面性を持ち、この場面場面により正反 対の均衡の取れた常識ある経済行動をする存在として把握しています。よって国民大衆が 組織運営する膨大な数の町内会や自治会では、年会費収入の20倍の借金をすることなど 無いのに、エリートには常に非常識性があり彼らは理屈をつけて膨大な借金をする国家運 営をしてしまうのです。真珠湾攻撃一年も前に、ヨーロッパ大陸を支配下においた、世界 最強のナチスが孤立無援の英国を昭和15年8月、世界最強の空軍2500機で攻めてさ え、わずか35-40キロのドーバー海峡を乗り越えられなかった事実を軽視して使用可 能の零戦350機で当時国力10倍のアメリカに戦いを挑んだ、日本の国家エリートの非 常識性は、現在も全く変わらないのです。 進化システムは元手不用の自立的な自己拡大システムであり「人間が作る人工進化システ ムの本質」は人間がより良い生活をするための、個人や集団としての進化能力や増殖能力 を十分に発揮させ活用し手足となるようなシステム(遺伝子としての法律や制度など)を 構築するのが目的であるから、自然人である人間のより進化し、より幸福になろうとする 内在する強い本能を引き出す心理や意識的、無意識的な感情、嗜好、本性、特質、相互作 用など人間集団内の自然で有機的な自由平等(対等)競争を導入したシステムでなければ効 率の良い遺伝子型の法律や制度などは作り得ないのです。 目次へ戻る (人間の本性から生ずる経済の過剰性と、その過剰性の重要性) そこで何故日本では普通に努力している山一証券、拓銀から始まって青木建設、マイカル、 新潟鉄工所等の一流企業、一流銀行、一流保険会社が次々と際限なく会社更生法等を適用 申請し、会社消滅等の道を歩んでいくのでしょうか。 また何故ちまたの誠実に努力して いる多くの中小企業や商店街が経済不況に塗炭の苦しみを味わっているのでありましょう か。 「知って行なわざれば、知らざるに同じ。」なのです。 さてこの真の原因は 現代経済学では殆ど強調されておりませんが「日本国内の経済の過剰性が急速に縮小しつ つある結果の表れ」なのです。 それでは「経済の過剰性」とは何なのでしょうか。実はこれは現代経済学では与件として 研究対象から外されている人間の持つ生物学的、人間行動学的、心理学的特徴から生じて いるのです。地球上に生息する何百万種の動物・植物の内、唯一人間だけが持っているの が、この過剰性の本能・特性なのです。地球上に生活する人間以外の全生物は、その生物 本来の本能に基づく行動、食性は固定化されており、過剰性は、殆ど皆無なのです。 「経済の過剰性」とは個人消費の拡大を通じて人間のみが持つ「単に物理的に生存する為 に必要なもの、以上のものを次々に過剰に欲求する性質・特性・本能」を言います。 人類は「個人消費」にカネを支払って過剰性に彩られた「衣」を身にまとい、過剰性の「食」 に舌鼓を打ち、過剰性の「住」に居を構えて協同して生活し、その個人消費の原資となる 「所得」を稼得するために現在より、より良い過剰性を競争しながら「生産」し、そして 次の所得を得るためそれを「消費」して生活する地球上唯一の社会的生物なのです。 従って戦前の正しいと思っていた「欲しがりません勝つまでは」の標語は経済的には最悪 だったのです。 つまり人間が持つ過剰性の本能が無限の経済成長の根源になるのです。 つまり人間社会では他の動物と全く異なり「個人消費こそが所得の源泉」なのです。 従って個人消費額が減少すると、給料切り下げ、リストラが生じるのは当然なのです。だ からこそ個人消費は規制してはならず「個人消費は自己拡大する性質を持つ進化システム」 であり、生産力はそれを裏打ちする「自己拡大する性質を持つ科学技術が進化システム」 であり、その「両者がシンクロナイズして合体した自己拡大する市場経済進化システム」 を形作るであり、原則を遵守すれば経済成長は時代時代に適応し無限に続くのです。 この経済原理を理解しなければ、経済成長原理は全く理解できないのです。 したがって人類は一日たりとも、過剰性無しには幸福に生存できない生物なのです。 例えば人間以外どの動物がカネを支払って野球の試合を見に行くでしょう。 人間以外どの動物がカネを支払ってディズニーランドへ行きたがるでしょうか。 したがって株式市場の発展や金融の発展、年金、高度医療、社会福祉の発展などは究極の 経済の過剰性であり、「個人消費の拡大を通じてのみ達成される」のです。 人間は常にこれらを欲求として強く追い求める特性、性質があるのです。 このように生存する為に必要以上の欲求をすることが経済の維持発展を支えているのであ り、経済の過剰性という他の生物には無い人間文化の特異性そのものであり、「進化シス テムである個人消費の増大こそがこの人間文化の本質である経済の過剰性を根本的に支え る根源」なのです。 それなのに「個人消費を減退させると経済の過剰性が急速に縮小し」結果として個人消費 が増加しない以上設備投資が不活発になり、更に土地価格の下落、株式市場の不振が発生 し先行き不安の国民が更に消費を手控えるという悪循環が始まり、預金ばかりが増加して も、個人消費が増加しない以上、設備投資をする貸出先が無いので資金ばかりがダブつき 更に不況による業績不振から既存の貸付債権も不良債権化し、結果的に金利で経営を成り 立たせる銀行は経営が成り立たなくなり、預金者に金利も支払えず、自分自身も経営危機 に陥っているのが金融不安なのです。 個人消費の減退は金融不安や資産価値の下落と極 めて大きな相関関係があるのです。 しかるに何故日本では進化システムである個人消 費が本来の進化発展を開始せず、停滞し後退し不況を発生しているかは、ひとえに「個人 消費に課税という規制を加え、個人消費の増加を抑圧している消費税」による総需要抑制 効果と間接税比率を高め結果として直接税比率を低下させて国家を通じた所得配分が低所 得者から低所得者への所得配分という消費の増加に結びつかないシステムに固定化されて しまった事によるのです。 消費税の個人消費抑制効果については、巻頭の四表で掲載の通り間接税主導国家において、 選択の余地の無いくらいに全ての消費に対する課税の度合いが高ければ高いほどその国家 の失業率は高く、国民一人当たりの所得が低いことでも実証出来ますし、私が多くの消費 者懇談会に出席し、日本全体の個人消費の70%以上を支配し、一円二円の価格差で買い 物に勝負をかける日本の主力消費者である主婦の実感を調査した経験では、商品には消費 税がついている以上、出来るだけ無駄なく買い物し、買い物を節約すると回答した人が8 0-90%に達していたのです。つまり「これらの事実」が消費税の個人消費の抑制効果 の証拠なのです。 逆に商品コストの中に法人 税分や従業員分の源泉所得税が含まれているから買い物を節約する等という意見は聞いた ことも無いし、またトヨタ自動車は巨額の利益を出して法人税を商品コストの中に算入し ているのでトヨタの車は買わない等という意見も聞いたことがありません。 消費税も法人税も源泉所得税もあらゆる税金は消費者から見て企業の生産する商品のコス トに算入されているのは全く変わらないのに、これを意識させず個人消費の拡大を抑圧せ ず巧妙に税収を上げるのが法人税、所得税等の直接税なのです。 したがって消費税だけが消費者が負担している税金ではないのです。 同時に人間に人件費を支払っている企業は、法人税を一円も支払っていなくても、従業員 を通じて、その生活費を国に代わって(大不況であれば国は失業保険金や生活保護費を支 払わなければならない)支払っている上に従業員の所得税、住民税を負担しているのであ りかつ、法人税を莫大に支払う高収益企業の原価を安く引き下げ当該高収益企業の多額の 法人税を支払うのに貢献しているのです。 赤字企業はけしからんからという理念観念で現状を良く分析もせず、すぐに外形標準課税 等を持ち出す誤った資本主義的道徳観は考え直さなければなりません。 目次へ戻る (個人消費の70%以上の決定権を女性が持つ、世界で特異な社会慣行を持つ日本におけ る消費税制は、総需要抑制政策として作用し大きな弊害をもたらす。) さて女性が個人消費市場の70%以上を支配している国は世界で日本以外では私の知る限 り1-2国しかなく、この特異な社会慣行はアメリカやヨーロッパ諸国などの白人社会に も存在せず、もちろんイスラム教圏にもない特異な社会慣行であり、よって日本では個人 消費を規制する間接税の副作用が極端に表れる国家なのです。 現代経済学では余り強調 されていませんが、男性と異なる脳の構造を持つ女性に受け入れられる生理的、心理的に 抵抗感のない税制にしないと日本では本質的に経済の悪循環は断ち切れず、経済の良循環 は決して達成しないのです。 個人消費の回復こそ「経済の良循環」の唯一絶対無二の方法なのですから。 つまり本来人間は時代時代に合わせ、環境環境に合わせて適応するために無常(常無し) であり、生き残りたい幸福になりたいとする欲求は無限なのであり、個人消費は時間と共 に進化システムにより少しずつ増加するのが人間の本質なのです。 経済の過剰性はファッション、言論の自由、金融の発展、年金、社会福祉などあらゆる場 面に表れ、その根源は人間のDNAに刻み込まれた人間の文化そのものであり、これを支 えているのが経済的には「個人消費の拡大」が起点になり消費を所得に変換して実現され る「個人所得の増大」なのであります。 したがつて国民所得を増大させるには、その原資となる自己拡大が可能な進化システムで ある個人消費を抑圧・規制してはならないのです。 成熟経済段階に達した経済状態になると労働生産性が機械化により極端に上がり、少人数 でも基本物資の全生産は可能になり大幅に人間が余り、そこに生産とシンクロナイズした 増加する個人消費が存在すると余った人間が歌手として、野球選手として、アニメ製作者 として、サッカー選手として消費を吸引する存在として活躍の場が与えられ新産業が創出 されるのです。 もし個人消費の増加を意図的に抑圧・規制すると余った人間を吸収するゆとりのある需要 が無く、結果として新産業が創出されず人間の活躍の場が狭まれ大量の失業が発生するの です。如何に個人消費の進化システムによる自然の増加が必要かお分かり頂けたと思って います。 目次へ戻る (理念観念を重要と考える国会議員の後進性と、国民へ決定を任せる先進性) さて日本では理念観念に凝り固まった政党などに支配され、国民の幸福のために満足な行 動が出来ない独立性のない国会議員という752人の少数のエリートで決定した政策など に対しては、一億二千五百万人の国民の大部分は愛着や愛国心など持てないのです。国民 の70-80%の反対を押し切り無理矢理に政党の理念観念で国会議員を拘束し束縛し成 立させた個人消費規制税制などは競争社会に生きる現実の国民環境には全く適応しなかっ た結果が現在の大規模な経済不況をもたらしているのです。情報公開が十分行われている 環境において日本人の経済的愛国心を明確に発揮させるには大多数の国民自身(出来れば 2/3以上の)が望む経済政策を一人一人の国会議員が独立性を持って良心と良識によっ て、国民の大多数の意志を良く確認しながら政策を立案し国会議員の単純表決で議決し実 行すれば、それだけで現場で常に競争(必要なときは協同。以下同じ)しながら生活して いる感性鋭い国民大衆の主体性つまり成功も失敗も自分自身の責任体制が確立されること になり、自分自身の経済に悪影響のあるものは遠慮会釈無く淘汰し、自分自身の経済に良 い影響のあるものは遠慮なく選択し経済の流れはスムースになり「経済は良循環を回復し」 日本人も経済的愛国心を発揮できるのです。 国などの外部淘汰の働かない倒産の危険の 無い組織の幹部は「弱い理念や観念しか持ってはならず機関決定の正しい内部競争ルール の遵守意志が重要となります。」さもないと危険な理念観念が淘汰されず、いつまでも生 き残るからであります。 念に変われるのです。 しかし国家指導者の弱い理念は、国民の支持よってのみ強い理 これと全く正反対に民間企業経営者は常に外部競争に曝されてお り、その経営者の理念観念ですら常に外部競争で淘汰され倒産が発生し不誠実な理念観念 は自然にこの世から消滅するので民間経営者は強い理念観念を持とうと一向に差し支えな いのであります。理念観念の持ち方さえ民間経営者と国会議員では全く異なるのです。 そして国家は大多数の国民が望まない政策を強行すると、どんなに努力しても「望んだ結 果は得られず、停滞と後退が開始されるのです。」 しかし国民にまかせるとバラマキ政治になり、国家財政は破綻すると言う意見があります が、それは全くの間違いなのです。真に国民と国会議員の一人一人が責任を持って、政治 を担当するようになると、国家の運営費である税の負担と国家政策の受益が同一の国民自 身が担っている事実を、良く自覚するようになり、国家財政に対する目は現状より、はる かに厳しくなり、全ては国民の目線で行われるようになり、普通の人の家計の財布と同じ ように国家財政は改善されるのです。 そして国会議員は国民の為に効率を考えながら真の努力をするようになるのです。つまり 国家財政を税を負担してもいないエリートに任せる所に自分自身痛みを感じることなく理 念観念を持ちだして他人のカネを使用しているから破綻するのです。そして絶対に間違っ てはならないのが、国家の全税目の全税収は消費者である国民が負担しているという現実 です。人間世界には人間しか存在しない以上、選挙権は人間しか無く、そして実質的に全 ての税は人間が負担するのであり、企業や組織が負担する税などこの世には存在しないの です。消費税だけが消費者が負担している税ではないのです。学者の学説にごまかされて はならないのです。現実は全く異なるのです。消費税以外に法人税も勤労者の所得税も社 会保険料もありとあらゆる税金や負担金は企業が生産し販売している商品・サービス原価 の中へ算入され、消費者が全額負担しているのです。 つまり国民は全て消費者で ありますので、商品の購入を通じて、実は企業の法人税も勤労者の所得税も巧妙に全額負 担させていたのであって、消費税システムという景気を悪化させ個人消費を減退させ経済 のアポドーシス(自滅)招く恐れのある無用の長物である消費税を特別に並列して創設す る必然性は全く無かったのです。 したがって全ての税金が、全商品の商品コストに算入されて国庫へ回収される性質がある 以上、どのような理論を振りかざしても個人消費の増進無くしては税収の増加は望めず、 財政再建は果たせないのです。法人税による法律上の建前の納税者は企業であっても、企 業はお札の輪転機を持っているわけでもなく、天からお金が降って来るわけでもなく、そ れ以外の儲けがあるわけでもなく、全ては商品を消費者に購入して貰い原価を負担して貰 う以外納税することなど出来ないのです。 だから「カネは天下の回りものなのです。」 成熟経済になれば尚更個人消費の増加力は弱くなるのであるから、少しでも個人消費の抑 制効果のある税制は取ってはならないのです。 それでは同じ個人消費に納税を依存している法人税は何故滞納が少なく、消費税はケタ外 れに滞納が多いのでしょうか。それは法人税の仕組みが人間の特性に巧妙に合致した税制 で人間社会に心理的、生理的にも適応しており、それに比して消費税は単細胞な税制であ り、心理も感情も持つ人間の複雑な特性に適応出来ない結果に過ぎないのです。 したがって消費税は結果として企業経営という主として男性社会でも事実として心理的、 生理的に適応していない税制なのであり、経済の良循環を阻んでいるのです。 なお付け加えれば何故「国税庁統計年報書」や「経済企画庁 経済要覧」の「租税負担率」 が国民所得で割って算出しているかというと、正に租税というものは全て直接間接、対象 納税者の如何を問わず人間である国民一人一人の個人消費を通じて形成される国民所得が 実質的に負担していることを明確に表しているのであります。 日本人は目に見える問題を改善するずば抜けた能力を発揮しますが、逆に日本人の最大の 欠点は「目に見えない真実を見抜く追究能力が乏しい国民性」と「大勢に流されやすい国 民性」を強く感じています。 このために常に日本人は正確な問題点の把握が出来ないために決定的に大きく判断を誤る 時があるのです。たとえ目に見えない問題でも事実かどうか常に疑い、徹底して真実を追 究する態度を失ってはならないのです。