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発表資料
A 会場(孔雀)
14:20~14:45
自己修復性防食コーティングの開発
広島大学
大学院工学研究院 物質化学工学部門
准教授 矢吹 彰広
● 従来技術・競合技術との比較
これまで,自己修復皮膜としてクロメート化成処理が広く用いられてきたが,環境規
制のためにその使用が制限され,代替処理の確立が急務となっている。
● プレゼン技術の特徴
・環境を考慮した金属材料の高機能化表面処理
・ナノ材料を用いたコーティング技術
・自己修復性防食コーディングの評価技術
● 想定される用途
・自動車用鋼板の塗装
・家電製品の表面塗装
・化学装置の材料表面保護
43
材料・表面処理
● プレゼン技術の概要
金属材料の腐食を防止する方法にコーティング処理があり,欠陥が生じた場合に新た
な防食皮膜が自然に形成する自己修復性が有効である。各種の高分子材料,
ナノ粒子,
pH 感受性有機補修剤,微粒子コンポジットポリマーの特性を利用した自己修復性防
食コーティングについて述べる。
2012/8/1
自己修復性防食コーティングの開発
自己修復性防食コ ティングの開発
広島大学 大学院 工学研究院
矢吹彰広
矢吹
彰広
1
各分野における自己修復材料
●ステンレス鋼,チタンは表面に不動態
皮膜を形成する自己修復耐食金属である。
保護性さび層を 成する耐候性鋼も自
保護性さび層を形成する耐候性鋼も自己
修復耐食金属である。
●アルミ電解コンデンサの電解液と接して
いるため誘電体酸化皮膜は,電圧印加に
る
誘電体酸化皮膜 ,電 印
より常に修復される。
http://www.kyoei-ind.co.jpより
http://www.kyoei
ind.co.jpより
http://www.sdk.co.jp/aa/newsより
●コンクリートの内部に未水和セメントを
●
クリ ト 内部に未水和セメ トを
残存させることで,クラック発生後に浸透
する水と反応を起こし クラックを修復する
する水と反応を起こし,クラックを修復する。
2
http://www.ktr.mlit.go.jpより
2
欧米における自己修復研究
●米国においては,国防総省が自己修復構
造材料を21世紀の防衛に必要な材料とし,
空
空軍や海軍で戦闘機用燃料タンク自己修復
海
戦 機 燃料タ
自 修復
材料の開発を推進,NASAでは宇宙ステーシ
ョン 太陽電池パネル スペースシャトル用
ョン,太陽電池パネル,スペースシャトル用
自己修復材料の研究を推進している。
©NASA
●ヨーロッパにおいては,オランダのデルフト
工科大学が中心になり,大規模の自己修復
材料 究プ ジ ク を推進
材料研究プロジェクトを推進している。材料
る 材料
寿命延長,信頼性向上などの環境や生活者
の利便性を視点としている。
の利便性を視点としている
©e-architect
3
材料の損傷解析
エロージョン(材料の機械的損傷)
・キャビテーション・エロージョンの潜伏期間の推定法
キャビテ シ ン エロ ジ ンの潜伏期間の推定法
・エロージョンに及ぼすインヒビターの影響
・セラミック材料のキャビテーション・エロージョン
・固体粒子衝突エロージョンにおける臨界衝突速度
・セラミック材料,高分子のスラリーエロージョン
セラミック材料 高分子のスラリ エロ ジョン
コロージョン(液流動下での腐食)
・高温高圧液流動下(ボイラ)における腐食
高温高圧液流動 (ボイ )における腐食
・銅合金,アルミ合金のエロージョン‐コロージョン
・流動シミュレーションによる材料劣化評価
・製塩環境における銅合金の流れ誘起腐食
材料の表面処理・高機能化
材料の表面処理
高機能化
自己修復コーティング
・アルミ合金の防食ポリマーコーティング(自己修復)
・亜鉛のフルオロカ ボン表面処理
・亜鉛のフルオロカーボン表面処理
・アルミ合金のナノコンポジットコーティング
・マグネシウムのナノ粒子と修復剤によるコーティング
・アルミ合金の導電性コーティングによる防食
・アルミ合金の吸水性高分子自己修復コ ティング
・アルミ合金の吸水性高分子自己修復コーティング
・鉄鋼材料のナノファイバー自己修復コーティング
陽極酸化(高硬度・高耐食)
・有機溶媒中でのアルミニウムの陽極酸化
・有機溶媒中でのマグネシウムの陽極酸化
プリンテッドエレクトロニクス
・銅ナノ粒子の導電性ペースト処理技術
・銅錯体におる銅配線技術
インヒビター(腐食抑制剤)
・アルミニウムのフルオロカーボンインヒビター
アルミ ウムのフルオロカ ボンインヒビタ
・鉄鋼材料のホスホン酸インヒビター(液流動化)
4
予防
バリアコーティング
グ
表面処理
診断,解析
超音波探傷
腐食・劣化解析
修理 修復
修理,修復
再コーティング,設計変更
自己修復性コ ティング
自己修復性コーティング
5
金属
欠陥が生じても…
自然と修復する
6
表皮
血管
真皮
「血液中に血小板があること」
→ 修復剤に何を使うか
皮下組織
「血管の構造」
→ 修
修復剤をどのようにコー
剤
ティング中に入れるか
かさぶた
「血液が出ること」
液が出る と」
→ 傷が入ったときにどうやっ
て修復剤を溶出させるか
7
修復剤は?
修復剤の
修
入れ方
修復開始を
どうする?
どんな
修復形態?
8
構造と
担持方法
単層
多層
多孔質
混合
粒子担持
カプセル封入
pHの上昇
電位の変化
水や空気の接触
太陽光,UV
酸化型
(無機膜)
吸着型
(有機膜)
遮断型
修復開始
修復形態
9
マグネシウムの特徴
・ 軽い (比重:1.75(Mg) , 2.70(Al) , 7.86(Fe))
利点
・ 金属光沢
欠点
・ 耐食性に劣る
表面処理法
従来法
化成処理,陽極酸化 etc
(化成処理)
方法
クロム系
リン酸マンガン系
電解液
クロム , フッ素化合物含有
リン酸 , マンガン,フッ素化合物含有
有害
有
有
環境対応型皮膜プロセス
10
カゼイン(ミルクプロテイン)
チタニア粒子
カゼイン
pH4
p
pH5
p
pH7 p
p
pH10 p
pH12
pH 上昇
pHの変化によってミセルの
凝集と分散が生じる
チタニア構造膜にカゼインを担持させた自己修復
チタ
ア構造膜にカゼインを担持させた自己修復
膜を作製する。カゼイン溶液のpHの影響を調べる。
11
試験片
AZ31 (Mg 96.3%,Al 2.8%,Zn 0.81%)
チタニア粒子
(ディップ法)
濃度
チタニア粒子(270 nm))
1 wt%
引き上げ速度
10 mm/sec
焼成 (空気中)
120 ℃, 30 min
粒子
カゼイン ((液中で担持))
pHcid調整
濃度
1 wt%
12→10
pH
12→7
12→5
12→4
浸漬時間
4h
12
自己修復性試験
スクラッチ付与
交流インピーダンス測定
ポテンシォスタット
0.9 mm /s
10 g
周波数応答
解析装置
0.0005 M 食塩水
(35 ℃,空気飽和)
試験片によりスクラッチ部
の面積が違う
測定時間 48 hr
規格化
腐食抵抗比
各時間の腐食抵抗
浸漬直後の腐食抵抗
13
4
腐食試験液:0.0005 M NaCl
チタ ア膜+カゼイン (pH5)
チタニア膜+カゼイン
( H5)
腐食
食抵抗比
比 R/R0 / -
3
2
pH7
pH10
1
pH4
0
0
10
20
30
時間 / h
40
50
14
3 μm
スクラッチ直後
3 μm
3 μm
4時間浸漬後
48時間浸漬後
15
カゼイン
2+
−
アノード反応 Mg → Mg + 2e
pH
上昇
凝集
分散
1
−
−
O
+
H
O
+
2
e
→
2
OH
カソード反応
2
2
2
チタニア粒子
カゼイン
pH上昇
マグネシウム合金
グネシウム合金
16
・アルミニウム
・ステンレス鋼
利点・・・軽量 熱伝導性
コスト
スト
・銅
防食ポリマーコート
・チタン
(海水環境下)
多管式熱交換器
従来技術
バリアコート
バリア
バリアコート
ト
プライマー
アルミニウム合金
高耐食化(自己修復)
単層化(熱伝導性↑)
(コスト↓)
アルミニウム合金
17
バリア性
自己修復性
自己修復
修復
金属粒子
or
金属酸化物粒子
粒子を添加した場合
粒子を添加した場合の
効果を調べる
ポリマー中に微粒子を混合したコンポジット材を
材料表面にコ トして自己修復性の検討をする
材料表面にコートして自己修復性の検討をする
18
試験条件
基材
:アルミニウム合金 A5083
ポリマー :ビニルエステル樹脂 (膜厚約50 μm)
添加粒子 :ニッケル粒子, チタニア粒子, シリカ粒子 (添加量 0-10vol%)
試験時間 :48時間
試験および評価方法
コーティング
Al合金
スクラッチ付与
腐食抵抗の測定
ポテンショスタット
導線
自然乾燥
FRA
塗料
粒子
埋込樹脂
人工海水
(30 ℃,pH8.2,空気飽和)
試験片によりスクラッチ部の面積が異なる
腐食抵抗比
各時間の腐食抵抗
浸漬直後の腐食抵抗
19
腐食
食抵抗比
比 R/R0 / -
10
腐食液:人工海水(空気飽和,30℃)
粒子添加量:3 vol%
膜厚:約50 μm
8
樹脂+チタニア粒子
6
樹脂+ニッケル粒子
4
2
樹脂のみ
基材
0
0
10
20
30
浸漬時間 / h
40
50
20
埋込樹脂
皮膜
塗膜
基材
20 μm
100 μm
21
21
3+
+ 3e
−
アノード反応
Al → Al
カソ ド反応
カソード反応
O2 + 2 H 2O + 4e − → 4OH −
O2
低pH
高pH
OH-
修復
pH上昇
22
広島大学産学・地域連携センター
国際・産学連携部門
TEL 082-424-4302
FAX 082-424-6189
E-mail : [email protected]
@
jp
広島大学大学院工学研究院
物質化学工学部門 矢吹彰広
TEL 082-424-7852
E-mail : [email protected]
23
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