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名古屋市立大学の教養教育(PDF 181.2 KB)
名古屋市立大学の教養教育 理事(教育担当)伊藤 恭彦 名古屋市立大学では、未来を切り開く知を育成する、特色のある教養教育課程を設置し ています。大学の特色をいかした、テーマを持ったプログラムを十分に理解し、積極的に 教養教育に取組んで、知の力を大きく育ててください。 ◇ 教養教育の目的 〈人間としての総合的な知の力を育成する〉 大学の教育は「教養教育」と「専門教育」の二つから構成されています。 「教養教育」では、 人間としての総合的な知の力を育成します。 「専門教育」で学ぶ職業人としての知とあわせ て、複雑な現代社会を生き抜き、人類の未来を構築するのに必要な知を育ててください。 ◇ テーマのある教養教育プログラム 〈持続可能な共生社会を築くための知〉 教養教育では、大学が目標に掲げる「持続可能な共生社会」「健康と福祉の向上」「次世代 育成支援」 「地球環境の保全と社会環境の整備発展」の実現に寄与する科目を多様な専門分 野から学習します。将来の世代の利益を損なわないような社会の発展や、健康で文化的な 生存の確立、環境の保全、整備などについて学びます。 ◇ 未来を切り開く課題を学ぶ 〈課題を学ぶ関連科目群〉 教養教育科目は課題別に「課題を学ぶ関連科目群」に編成してあります。一覧表(p.13) を参照しながら、各自の問題関心に従って積極的に学習してください。 ◇ 大学特色科目 〈全学部・研究科を結集した教養教育体制〉 本学では、総合大学の利点をいかし、全学部、研究科が結集して教養教育に取り組んでい ます。学生は自学部の教員ばかりでなく、他学部の教員からも学問の最先端の知を学ぶこ とができます。特に「大学特色科目」は、名古屋市立大学の教育、研究の特色をよく示す 科目です。 ◇ 実務家による講義科目 〈実社会の中で構築された知を学ぶ〉 教養教育科目では、企業人、弁護士、弁理士、編集者、行政経験者(名古屋市役所 OB の特 任教授)、 名古屋市環境科学調査センターの方などの実務経験者が現場の知を語る講義科目 を設置しています。複雑な現代社会を生き抜くため、実社会の中で構築された知を学習し てください。 ◇ 特色ある英語教育 〈英語教育を専門にする外国人教師によるコミュニケーション英語〉 英語の力は近年ますます社会から求められています。本学では、高校までの英語教育に加 えて、 「聞く」 「話す」力を育成して英語による実践的なコミュニケーション力を高めるた め、英語教育を専門とする外国人教師による「コミュニケーション英語」を全学生対象に 実施しています。 ◇ 日本語コミュニケーション力を高める 〈日本語を「書く」「話す」能力を向上させて発信力を高める〉 大学生にとって、日本語を正しく書き、わかりやすく話す技法を学んで、日本語の発信力、 プレゼンテーション力を高めていくことは重要な課題です。日本語のしくみと文章表現、 話し方の技法などを学び、日本語によるコミュニケーション力を高めてください。 ◇ 未修外国語の海外短期語学研修 〈短期集中的に外国語を学ぶ〉 「中国短期語学研修」 「フランス短期語学研修」では、中国、フランスの大学に 2 週間程度 滞在し、集中的に外国語を学習するとともに、現地の学生と交流し、その地の文化、社会 を学習する科目です。 ◇ 理数系の基礎学力を向上させる 〈基礎科目とリメディアル教育科目〉 物理、化学、生物、数学・統計学などの理数系科目は、積み上げ科目になっているので、 基礎学力の確立が重要な課題になります。教養教育では、これらの学力が必要になる学部 学生のための「基礎科目」を設置し、あわせて高校での未履修科目を補うため「リメディ アル教育科目」を設置しています。 ◇ 教室だけでなく学外へ出て学ぶ 〈実地の調査、体験を重視する社会連携教育科目、実習科目を配置〉 教養教育では、教室で学ぶだけでなく、山村、田畑・里山、東山動植物園、名古屋港水族 館、名古屋市博物館など、学外に出て、実地の調査、研究、実習を行なう科目を設置して います。また、 「医薬看連携地域参加型学習」は、これらの三学部の学生が医療人の基本的 な技能、地域のニーズ、チームワーク力などについて学ぶもので、地域参加型の学習科目 になっています。また、 「ボランティア科目」を設置し、ボランティア活動を単位認定して います。 ◇ 教育の質保証 〈教育課程の改革や授業技法の向上に取組んで教育の質を向上させる〉 名古屋市立大学では、よりよいカリキュラム(教育課程)の構築を目指して継続的な改革 を行ない、また、すぐれた授業技法を有する教員のノウハウを全学で共有すべく「研究授 業」を実施するなど、教育の質保証に力を入れています。