Comments
Description
Transcript
2.特別展・企画展報告
2 海老置物(自在置物) ・ 「鸚鵡と山茶花図」 ・尺時計・ 特別展示会・企画展示会報告 ニホンオオカミ・ニホンカワウソ (1)特別展示会 熊本博物館開館60周年記念 『肥後の博物学・科学技術 ̶細川重賢の本草学 から近代テクノロジーへ̶』 ア 開催主旨 熊本市は平成24年の4月に政令指定都市になり、 その記念すべき年に熊本博物館は開館60周年をむ かえた。そこで、本展覧会では肥後藩の立て直しを 行い、肥後の博物学の祖である細川重賢が関心を 持った本草学・博物学の歴史を振り返った。 重賢は本草学を奨励し、熊本の博物学の基礎を築 (イ)漢方薬・医学 いた人物である。本展覧会では、重賢の興味・関心 薬箪笥・薬研・膏薬の広告・帳場机・帳場格子・ を導入として、江戸時代から明治にかけて生まれて 『医学質験義集 産科発蒙』 ・ 『外科宗伝』 ・ 『薬品手 きた肥後の近世・近代の博物学・科学技術を紹介し 引草(上下) 』 ・ 『楢林家膏薬書』 ・ 『増補 古方薬品 た。 考』 ・ 『薬法密事』 (ウ)農学 イ 期間 4月28日(土)∼6月10日(日) 『農業全書』 ・ 「園芸図説(農事栽培図) 」 ・嘉永元 ウ 会場 特別展示室 年唐箕(墨書入り農具) エ 主催 熊本博物館 (エ)算術 オ 後援 熊本日日新聞・NHK熊本放送局 『算法提要』 ・ 「算術文章問題」 ・算盤(六玉・七 熊本放送・テレビ熊本 玉) 熊本県民テレビ・熊本朝日放送 (オ)天文学・暦 エフエム熊本・熊本シティFM 和製望遠鏡・渾天儀・視実等象儀・ 『視実等象儀 カ 展示構成 詳説』 ・ 『御製暦象考成』 (茂見家資料) ・伊勢暦・ 「西 郷星錦絵」 (ア)肥後博物学の目覚め 細川重賢公所用九曜紋裃・ 『重賢公御年譜』 ・細川 (カ)測量学・地理学 重賢所用籠机・ 「細川重賢筆博物図譜草稿」 ・ 「御薬 地球儀・小方儀・六分儀・大方儀・象限儀・通潤 園図」 ( 『肥藩図鑑』 ) ・ 『本草網目』 ・ヘイサラバサラ・ 橋支保工模型・布田保之助像・舟津橋に関する記録 4 (2)企画展示会 (茂見家資料) ・日本地図 ア 熊本県・米国モンタナ州姉妹提携30周年 政令指定都市くまもと誕生記念 「恐竜展2012 in くまもと」 ∼ The Growth and Behavior of Dinosaurs ∼ (ア)開催趣旨 熊本市が24年の4月に政令指定都市になり、ま た熊本県が米国モンタナ州との姉妹提携30周年に なることを記念して、熊本県・熊本市・モンタナ州 等で実行委員会を立ち上げ、恐竜展を開催した。 この恐竜展ではモンタナ州立大学ロッキー博物館 所蔵で国外不出の世界最大のティラノサウルスの頭 骨化石をはじめ、世界で最も貴重な恐竜化石の数々 の展示等を行い、恐竜研究の第一人者ジャック・ ホーナー博士の恐竜の成長に関する新説を紹介した。 (キ)砲術 万暦年銘砲身・火縄式艦載砲・棒火矢・ 「渡辺流 砲術免許皆伝」 ・九曜紋桜紋象嵌中筒・ 『矢位弾道図 説』 ・四斤大砲(レプリカ) (イ)期間 7月21日(土)∼9月23日(日) (ウ)会場 元理工展示室 (エ)主催 恐竜展2012 in くまもと実行委員会 (オ)後援 在福岡米国領事館・熊本県教育委員会 熊本市教育委員会、九州各県の教育委員 会・県内の市町村及び教育委員会・熊本 県国際協会・熊本日日新聞社 (カ)展示構成 a トリケラトプス 6800万∼ 6500万年前に植物を食べて暮らし キ 関連製作物 ていた恐竜で、長さ約2.7m、幅約1.8mの頭骨 図録 を持ち、体重も9tあったと考えられる最も大 ちらし きい角竜類のひとつ。 100年以上前にはトロサウルスは異なる種類 の角竜類と考えられていたが、ロッキー博物館 の調査によりトロサウルスは成長したトリケラ 5 トプスであることが示された。 れていたが、ロッキー博物館の研究でハイエナ 今回の展示会ではトリケラトプスの幼体から のように死んだ、あるいは他の捕食動物が襲っ 成体までの頭骨の変化を示し、これまで違った たものを食べる腐肉食動物(スカベンジャー) 角竜類に分類されていたものが、成長とともに だったのではないかといういくつかの証拠も示 変化していたトリケラトプスであるという新説 された。 を紹介した。 今回の展示会では世界最大のティラノサウル ス・レックスの頭骨も展示したが、生きていたと きは全長約14m、体重約7tと推定されている。 b ヒパクロサウルス ヒパクロサウルスはトサカのあるカモノハシ e 恐竜を復元する 恐竜である。カモノハシ恐竜はトサカの中の空 洞で音を共鳴させ、幼体は高周波音により近く 今回の展示会では、ロッキー博物館のジャッ にいる親(成体)と、成体は超低周波音により ク・ホーナー博士の学説をもとに、動作や姿が 遠くにいる群れの仲間たちと意思の疎通をして 精巧な実物大のロボットによりいくつかの恐竜 いたものと考えられている。 を復元展示した。 c パキケファロサウルス パキケファロサウルスはほっそりした体系 で、小さな葉のような形をした歯を持つ2足歩 行の植物食恐竜で、成体は全長約4.5m、体重 約180kgになる。 長い間、オオツノヒツジのようにお互いに頭 をぶつけていたと思われてきたが、ロッキー博 物館の研究の結果、成体の頭骨は骨が密につ まっているので、頭突きをすると頭骨に深刻な ダメージを受けることがわかった。現時点では イ 熊本市遺跡発掘速報展 ドーム状の頭は種の認識に使っていた可能性は 熊本市遺跡発掘速報展2012 ̶ヒストリアくまもと̶ あるが、何の役に立っていたか明確にはわかっ (ア)期間 12月14日(金)∼1月14日(日) ていない。 d ティラノサウルス (イ)会場 特別展示室 ティラノサウルス・レックスは北米に生息し (ウ)主催 熊本博物館・熊本市文化振興課 ていた最大の陸上の肉食恐竜。長い間、ティラ (エ)趣旨 平成24年に行った各発掘調査現場から ノサウルスはライオンのように生きた動物を トピックとなるような遺物を展示する。 襲って食べる捕食動物(プレデター)と考えら あわせて、発掘調査現場の写真・解説 6 パネルを掲示する。土日祝祭日には文 (カ)関連行事 化振興課職員が展示品解説を行う。 a 特別講演会 (オ)展示内容 期日 12月15日(土)13時30分∼ 15時 大江遺跡群(中央区大江・九品寺) 演題「発掘速報展ここが見所!!」 新屋敷遺跡(中央区新屋敷) 講師 林田和人氏(熊本市文化振興課) 陳山廃寺(中央区水前寺公園) 参加者 36名 神水遺跡(中央区水前寺) 黒髪町遺跡群(中央区黒髪) 舟底遺跡(田原坂) (北区植木町) 鐙田中尾遺跡(北区植木町) 轟今古閑遺跡(北区植木町) 立石遺跡(北区改寄町) 飛田遺跡群(北区四方寄町) 桑鶴遺跡群(北区和泉町) 小塚遺跡(北区貢町) 発掘速報展 特別講演会(林田和人氏) 竹ノ後・芭蕉遺跡群(北区龍田) 竜田陳内遺跡群(北区龍田) b あつまれ!いせキッズ 下南部遺跡(東区下南部) 期日 12月24日(日)10時30分∼ 14時30分∼ 江津湖遺跡群(東区水源・若葉) 内容 1)土器つくりにチャレンジ 国史跡 池辺寺跡(西区池上町) 2)高松塚の貴人の衣装を着て記念撮影 二本木遺跡群(西区春日) 講師 1)師富国博氏(熊本市文化振興課) 白藤遺跡群(南区鳶町) 清田純一氏(塚原歴史民俗資料館) 護藤遺跡群(南区護藤町) 2)熊本博物館考古学同好会 参加者 1)46名 2)75名 発掘速報展 会場風景1 発掘速報展 いせキッズ(土器作り) 発掘速報展 会場風景2 7 発掘速報展 講演会(檀佳克氏) 発掘速報展 いせキッズ(衣装を着て記念撮影) コーナー展示1 コーナー展示2 「わたしの町の遺跡(6)つつじヶ丘横穴群」 「わたしの町の遺跡(7)国分寺・国分尼寺」 ア 主催 熊本博物館・熊本市文化振興課 ア 主催 熊本博物館・熊本市文化振興課 イ 期間 6月5日(火)∼ 11月25日(日) イ 期間 11月27日(火)∼3月31日(日) ウ 会場 考古常設展示室内 ウ 会場 考古常設展示室内 コーナー展示 国分寺・国分尼寺 コーナー展示 つつじヶ丘横穴群 エ 特別講演会 エ 特別講演会 (ア)演題「つつじヶ丘横穴群」 (ア)演題「肥後国の古代寺院」 a日時 6月30日(土)13時30分∼ 15時 a日時 12月8日(土)13時30分∼ 15時 b会場 熊本博物館研修室 b会場 熊本博物館特別展示室 c講師 美濃口雅朗氏(熊本市文化振興課) c講師 金田一精氏(熊本市文化振興課) d参加者 10名 d参加者 34名 (イ)演題「熊本市内の横穴」 a日時 11月23日(金・祝)13時30分∼ 15時 b会場 熊本博物館研修室 c講師 檀佳克氏(熊本市文化振興課) d参加者 10名 発掘速報展 講演会(金田一精氏) 8 (イ)演題「国分寺・国分尼寺の発掘調査成果につ オ まなぼうさい展 いて」 (ア)開催趣旨 a日時 3月24日(日)13時30分∼ 15時 いつ起こるかわからない地震や洪水などの災害か b会場 熊本博物館研修室 ら身を守るために、普段から災害に対する備えと正 c講師 山下宗親氏(熊本市文化振興課) しい知識をしっかりと持っておくことが大切であり、 d参加者 26名 家族みんなで防災について学べるパネル展やクイズ ラリーなども開催した。 (イ)期間 12月1日(土)∼3月24日(日) (ウ)会場 元理工展示室 (エ)主催 熊本市 危機管理防災室 (オ)展示構成 a パネル展 平成23年3月の東日本大震災や平成24年7月の九州北部豪雨災害の写真パネルのほか、ポスターや作文、 習字の防災作品など約150点を展示。 b クイズラリー等 防災クイズラリーや啓発ビデオの放映とともに防災機器や防災グッズの展示を行った。 c イベント(オープン、東日本大震災の日) はしご車の乗車や起震車で震度7の揺れを体験できるイベントや災害応急車両の展示、各種防災ゲームを 実施した。 9