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発見!冷えに打ち勝つ食事法
NHK総合テレビ 毎週水曜日・午後8時から放送中 http://www.nhk.or.jp/gatten/ 発見!冷えに打ち勝つ食事法 2008年1月30日放送 今回の番組について 8割以上の女性が悩むという「冷え」。あったかグッズを使ってみても、あったかい料理を食べてみて も、1日中ずっとあったかというわけにはいきません。 そこで、ガッテンが体のあたたまる食事を徹底研究! すると、ある意外な食材が体をポカポカにしてく れることが判明しました。さらに、体があたたまる食材である辛いスパイスをおいしく食べられる方法 も大公開! 「AVA」との違い ガッテンでは過去に冷え対策として「AVA(動静脈吻合=皮下1ミリの動脈と静脈を結ぶバイパスの様な 血管)」を紹介しました。これは「首を温めて体のスイッチを入れることで、手足のAVAが開いて暖か くなる」という方法で、体の熱を手足に振り分けて暖かくするというものでした。 今回ご紹介するのは、体の中にある「発熱装置」を、「食べるだけ」で作動させて暖かくなろうという 方法です。 オープニングクイズ 問題:「辛」という漢字の由来は? 答え:とがった針 問題:とうがらしの味を良くする方法は? 答え:雪の上にばらまく 問題:世界一辛いとうがらし「Bhut Jolokia(ブートゥ・ジョーローキヤ)」の辛みをなくすに は、1リットルのペットボトル何本分の水で薄める必要がある? 答え:およそ1000本 「三つ子で実験 体を暖めるメニューはどれ?」 普段食べるような食べ物で体を暖めることはできるのでしょうか? 体温変化は身長や体重などの体格に 左右されやすいため、身長・体重がほとんど同じ三つ子の兄弟の協力を得て、朝型・昼型・夜型の3つの メニューをそれぞれ食べてもらいました。すると、あるメニューを食べた1人だけが、みるみる体温が上 昇しました。 三つ子のそれぞれのメニュー 三男のヒロシさんの朝型メニュー ジャムトースト ササミのレンジ蒸しとゆで卵の野菜添え ほたて貝柱のミルクスープ 次男のタケシさんの昼型メニュー あさりのパスタ フルーツのカッテージチーズサラダ オレンジジュース 長男のタダシさんの夜型メニュー ごはん 豚肉のチーズ挟みカツ 白菜のサラダ 春雨のスープ 一見ありふれたメニューですが、体の中で熱を発生していることを示す「酸素消費量」の上昇率が、三 つ子の中で1人だけアップしました。一体何が違っていたのでしょうか? 「冷えに悩む主婦のお悩み解決メニュー」 今度は冷えに悩む主婦に協力をお願いして、悩みを解消できるかを実験します。 主婦のAさんは30年来の冷えに悩んでいました。ネックウォーマーやカイロなど、冷え対策グッズをいろ いろと試してみましたが、どれも目立った効果はありませんでした。そこで、ガッテン特製の“体あった かメニュー”を食べてもらうと、冷えが見る見る回復したのです。 Aさんの冷えを解決したメニューの秘密は、栄養素の比率の違いにありました。冷えを解消したメニュー は「たんぱく質」が豊富で、その割合は食事の総カロリー数の40パーセントです。 三つ子が食べたメニューの栄養素の違い 先の実験で三つ子が食べたメニューにも、やはり栄養素の違いがありました。 三男のヒロシさんが食べた朝型メニューは「タンパク質たっぷりメニュー」(700キロカロリー) タンパク質 40%(280キロカロリー)69.0グラム 脂質 15%(105キロカロリー)11.9グラム 糖質 45%(315キロカロリー)77.8グラム 次男のタケシさんが食べた昼型メニューは「糖質たっぷりメニュー」(703キロカロリー) タンパク質 13%(91キロカロリー)22.5グラム 脂質 12%(84キロカロリー)9.9グラム 糖質 75%(525キロカロリー)128.1グラム 長男のタダシさんが食べた夜型メニューは「脂質たっぷりメニュー」(705キロカロリー) タンパク質 15%(105キロカロリー)26.6グラム 脂質 40%(280キロカロリー)30.6グラム 糖質 45%(315キロカロリー)77.0グラム なぜたんぱく質が体を暖めるのか? たんぱく質は本来、体を作るための栄養素であり、エネルギーに変えようとして消化するとき、胃が大 量に消化酵素を出す必要があります。そのとき、胃が激しく運動するエネルギーが熱を発生させます。 また、たんぱく質が分解されたアミノ酸は、余った分を体に貯蔵できません。そこで、肝臓が排泄でき る形に分解する必要があります。この分解反応は「脱アミノ基反応」と呼ばれています。アミノ酸が別 の物質に化学変化するときのエネルギーが熱に変わり、体があたたまると考えられています。 つまり、「胃」と「肝臓」、2つの臓器が発生する熱が、体をあたためていたのです。体を暖める3つ の“発熱装置”のうち、2つは胃と肝臓でした。 ※注意:腎臓病や糖尿病の傾向があるなど、食事のカロリー数が健康に影響を及ぼす可能性が考えられ る方はあらかじめ専門医にご相談下さい。 「スパイスのあったかパワー」 体を暖める3つめの“発熱装置”である「首」のスイッチを押すのは、辛いスパイスです。スパイスは、靴 下の中に入れるなど、体に触れただけで体があたたまることが習慣的に知られています。 しかし、スパイスの力はそれだけではありません。暖めるときに働く“発熱装置”は、なんと冬眠してい る動物とまったく同じものだったのです。 スパイスを食べた後の体温 スパイスを入れた味噌汁を飲んだ被験者の体温を、首、手先、足先の3カ所で、0.1度単位で計りました。 体温の変化を見ると、何も入れない味噌汁を食べた後も、唐辛子入りの味噌汁を食べた後も、一時的に (食後30分)体温が上がりました。しかし、これは暖かいものを食べたことで血流が良くなった効果 で、30分後には体温は元に戻ってしまいます。 スパイスの力が発揮されるのはその後。スパイスを入れたみそ汁では、暖かいものを食べた効果が消え た30分後も体温の上昇が続き、1時間30分後まで続きました。 これは、スパイスが体の中の発熱装置「褐色脂肪細胞」のスイッチを入れたからです。この細胞は首の 周辺に多く存在するため、首の温度が上がり、それに引きずられるようにして指先の温度も上がるので す。 褐色脂肪細胞について 褐色脂肪細胞とは、熱を作り出す脂肪細胞です。普通の脂肪細胞(白色脂肪細胞)よりもミトコンドリ アの含有量が多く、黒っぽい色になっていることから「褐色」脂肪細胞と呼ばれています。 ヒトでは新生児に最も多く、成長するにつれ徐々に減っていくことが知られています。成人が持ってい る量については個人差がありますが、寒冷地に住む人の方が多い、という研究結果もあります。 「激辛料理をマイルドにする魔法の液体とは!?」 スパイスが首の発熱装置のスイッチを入れて暖めてくれることがわかりました。そこで、辛いものが苦 手な人でもおいしく食べられる方法を探りました。 コショウたっぷりのガッテン特製激辛スープを用意して、東京都内の高校生に飲んでもらうと、あまり の辛さにみんなびっくり! しかし、ある液体を加えて再び飲んでもらうと、「辛くなくておいしい」と いう感想に変わりました。 激辛スープをマイルドにしたのは「酢」です。「辛い」という刺激の他に「酸っぱい」という刺激も同 時に与えることで、全体がなだらかな刺激となり、辛さがマイルドになるのではないかと考えられてい ます。 実習コーナー ホットバンバンジー(2人分) バンバンジーのタレ 材料 砂糖 小さじ2 しょうゆ 大さじ2 酢 小さじ2 ごま油 小さじ1 ネギ(みじん切り) 大さじ2 しょうが(みじん切り) 大さじ3分の2 ゴマペースト 大さじ2 ラー油 大さじ1 作り方 . 材料をすべて混ぜてできあがり。 バンバンジー具材 材料 鶏むね肉(皮をとってミリの薄切りにする) 1枚 白菜(2センチ幅のそぎきり) 1枚(80グラム) チンゲン菜(5センチの長さに切る) 1株 にんじん(4センチの短冊薄切り) 40グラム 水 400ミリリットル 作り方 . 中華鍋に水を入れて白菜とチンゲン菜の芯の固い部分と人参をいれて沸騰させる。 2. 沸騰したら鶏むね肉を入れる。 3. 1分たったらチンゲン菜の葉の部分を入れてさっと30秒ほどかき混ぜる。 4. お皿に盛り棒々鶏ダレをかけてできあがり。 ホタテ しょうがソース炒め(2人分) 材料 ホタテの貝柱(縦に3つに切る) 6個(170グラム) 片栗粉 小さじ2 えのき 2分の1パック(50グラム) 細ネギ(5センチ幅に切る) 60グラム サラダ油 大さじ2 合わせ調味料 塩 小さじ3分の1 砂糖 小さじ1 しょうゆ 大さじ1 オイスターソース 小さじ1 水 大さじ3 しょうが(すりおろしたもの) 40グラム(10グラムとっておく) 片栗粉 小さじ1 ごま油 小さじ1 一味 適量 作り方 . ホタテに片栗粉をまぶす。 ※肉汁がでないようにするため 2. フライパンを強火にしサラダ油をなじませたら弱火にし、[1]のホタテを入れる。 3. 中火にしてネギ、えのきをホタテの上に乗せる。 4. 香が出てきたら混ぜ合わせ、なじんだら合わせ調味料を入れてよく混ぜる。 5. お皿に盛り付けお皿の周りにしょうが、一味をかけてできあがり。 Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved. 許可なく転載することを禁じます。