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第2章 機構及び定員の改正

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第2章 機構及び定員の改正
第8節
商務流通グループ ···········································································329
商務・流通政策 ····················································································329
1.物流効率化政策 ··················································································329
2.流通政策 ························································································330
3.
「大規模小売店舗立地法」 ·········································································330
4.中心市街地活性化の推進 ··········································································331
5.取引信用行政 ····················································································332
6.商品先物行政 ····················································································332
消費経済政策 ······················································································333
1.消費者取引の適正化 ··············································································334
2.製品安全行政の積極的な推進 ······································································336
国際博覧会事業 ····················································································338
1.サラゴサ国際博覧会事業参加 ······································································338
2.上海国際博覧会事業参加 ··········································································338
第8節 商務流通グループ
業界が連携し、官民挙げての「国際物流競争力パートナー
シップ」を構築し、同年 12 月に 2015 年までにASEAN
商務・流通政策
域内の物流コスト及びリードタイムの半減を目標とする
1.物流効率化政策
「国際物流競争力強化のための行動計画」を策定した。
(1) 概要
また、2007 年5月に策定された「アジア・ゲートウェ
我が国企業の国際競争力を確保するためには、経済構造
イ構想」のうち、国際物流機能の強化に向けた国内での改
改革を推進するとともに、高度かつ全体効率的な流通・物
革を実施すべく「貿易手続改革プログラム」が決定され、
流システムを構築していくことが急務である。このため、
国内制度の改革を通じた国際物流の円滑化に取り組んだ。
情報化、標準化、効率化の推進等による流通・物流活動の
(イ) 日中韓の流通・物流における共同報告書の策定
基盤整備を早急に行う必要がある。
国の流通・物流分野における産業構造や業界・行政の動
我が国流通業では、ITを活用した効率的なSCMを構
向について、中国(商務部)、韓国(産業資源部)、日本(経
築する機運が高まりつつあるが、SCMを構成する関係者
済産業省、国土交通省)の3カ国共同で、「日中韓の流通
が多種多様、業種や業態の境目が曖昧等の理由により、流
及び物流に関する共同報告書」
(初版)を 2006 年5月に策
通業界全体の効率化が進まない状況である。このため、流
定・公表した。
通システムの情報化・標準化等の対応策を早急に講じてい
く必要がある。
(4) 環境負荷の低減に資する流通・物流の効率化
また、近年の東アジア地域における経済交流の拡大等、
(ア) 環境調和型ロジスティクスの推進
我が国の物流をめぐる情勢も大きく変化しており、これら
京都議定書の目標達成に向けて、運輸部門ではより一層
の変化に対応した迅速かつ適確な物流施策の推進が求め
の環境負荷低減が急務とされており、多くの企業が環境負
られている。このため、関係者の連携・協働による広範な
荷の定量化を推進し、環境負荷低減の取組を実施すること
施策の推進の拠り所として、今後推進すべき物流施策の基
が望まれる。このため、ロジスティクス分野で特に重要な
本的方向性等を定めた「総合物流施策大綱(2005-2009)」
環境負荷指標と考えられる二酸化炭素排出量の算定に必
を 2005 年 11 月 15 日に閣議決定し、同大綱を中心に施策
要となるデータの把握方法を明確化、算定手法を精緻化す
を実施しているところである。
るための検討を行った。また二酸化炭素排出量と同様に代
表的な環境負荷指標である包装資材の消費量に関する定
(2) 流通システムの情報化・標準化
量的データの把握現況や算定方法について、標準的な考え
(ア) 流通効率化のための情報システム基盤の整備・標準化
方を考察した。
ITを駆使して製造・卸・小売に至る一気通貫のSCM
(イ) グリーン物流パートナーシップ会議の開催
の効率化を図るために、国際標準化の動きも視野に入れつ
2005 年7月に京都議定書が発行されたことを受け、現
つ、インターネットEDI、商品情報共有システムといっ
状の政策のままでは運輸部門の二酸化炭素排出量につい
た情報システム基盤の整備・標準化を行った。
て「2010 年度に 1990 年度比 15.1%増に抑制する」という
(イ) 流通・物流における電子タグの実導入・普及推進
目標達成が難しい状況にあった。
電子タグの普及促進を目的に業界毎(航空機、医療、日
このため、2004 年 12 月に荷主企業と物流事業者が協働
配品、出版、住宅)のサプライチェーン全体で実証実験を
して物流分野における二酸化炭素排出量等の環境負荷低
行い、実導入に向けた事業可能性の検証を行った。
減の取組を促進するために、「グリーン物流パートナーシ
ップ会議」(国土交通省、経済産業省、産業界が主催)を
(3) アジアでの国際物流の効率化
創設した。
(ア) 国際物流競争力パートナーシップ会議
また 2005 年度から荷主企業と物流事業者の連携による
国際物流に関する多岐にわたる課題を総合的・機動的に
環境負荷低減に資する事業のうち新規性・先駆性に優れた
解決すべく、2006 年8月に経済産業省、国土交通省、産
事業を「グリーン物流パートナーシップモデル事業」に認
329
定し、支援を行った。さらに、認定された事業のうち、功
会・企業ポイント研究会を開催。各研究会において、検討
績が特に優良と認められた事業に対して、グリーン物流パ
を進め、2007 年8月に各報告書をとりまとめた「新流通
ートナーシップ会議において経済産業大臣表彰、国土交通
ビジョン」を刊行した。
大臣表彰を実施した。
(ウ) 流通業務総合効率化法に基づく支援措置
3.「大規模小売店舗立地法」
物流部門における輸配送の共同化やITの活用等、流通
(1) 概要
業務の効率化による二酸化炭素排出量の削減及び効率化
「大規模小売店舗立地法」は、大規模小売店舗の設置者
に伴うコスト削減による中小企業を含む企業の競争力強
に対し、周辺地域の住民や自治体の意見等を踏まえ、当該
化を目的として、主務大臣による認定を受けた流通業務効
大規模小売店舗と周辺の生活環境との調和に配慮を求め
率化計画を実施する事業者に対して支援措置を講じた。
る手続等を定めた法律である。
2.流通政策
(2) 適切な運用の確保
(1) 概要
「大規模小売店舗立地法」の運用は、都道府県及び政令
人口減少や高齢化を背景に国内市場の小売業販売額は
指定都市が担っているが、経済産業省としても、同法を所
減少傾向にある。また、モノ消費からサービス消費へと、
管する立場から、適切な運用を確保するため、次の施策を
消費の質も変化している。こうした中、旧来の業態間での
実施した。
競争のみならず、ネット通販との競合やグローバル競争も
(ア) 「大規模小売店舗立地法」の運用や解釈について、
激化している。このような状況を踏まえ高効率化、高付加
印刷物やホームページにより情報提供を行った。
価値化を目指すことが喫緊の課題である。また、流通業が
(イ) 経済産業省及び各経済産業局に「大規模小売店舗立
地球温暖化対策等をはじめとする、社会的責任を果たすこ
地法相談窓口」を設置し、都道府県・政令都市・大規模
とも求められている。
小売店舗設置者等からの問い合わせに常時対応した。
(ウ) 毎年、地域ごとに「都道府県等連絡会議」を開催し、
(2) 国際展開
「大規模小売店舗立地法」の届出に関して、具体的事例
国内の小売業販売額が縮小する中、小売業の生産性向上
の研究等を通じて、都道府県及び政令都市間の情報交換
には、グローバル展開を加速し、成長市場の活力を取り込
等を実施した。
むことが不可欠であることから、2007 年 10 月より「小売
業の国際展開に関する研究会」を立ち上げ中国・インド・
ベトナム・インドネシア・タイ・フィリピンの6カ国を対
(3) これまでの届出状況
2000 年6月の「大規模小売店舗立地法」施行後、2008
象に情報の収集と分析を行った。
年3月までに、計 5,013 件、
(1月あたり平均で約 53 件)
また、電子流通業の活発なイノベーションと健全な発展
の新設の届出があった(参照表:大規模小売店舗の届出状
を目的として、2007 年 11 月から「電子流通研究会」を立
況)。
ち上げ議論を行い、その取りまとめにおいて、「アジア電
子流通圏」を定義し、その構築に向けた政策群を「アジア
(4) 大規模小売店舗を設置するものが配慮すべき事項に
電子流通圏構想」として提唱した。
関する指針」
(大規模小売店舗立地法第4条の指針)の
再改定
(3) 新流通ビジョン
2005 年 12 月に産業構造審議会流通部会・中小企業政策
小売業を取り巻く環境が急激に変化する中で、目指す方
審議会経営支援分科会商業部会合同会議において中間報
向性・取り組むべき課題を検討するため、また、対消費者
告としてりまとめられた「コンパクトでにぎわいあふれる
ビジネスにおける新たな販売促進策である企業ポイント
まちづくりを目指して」の指摘を踏まえ、2006~2007 年
につき、その健全な発展をはかるため、新流通産業研究
に開催された同会議において、大規模小売店舗立地法第4
330
条の指針で規定すべき事項について検討を行い、第 16 回
その後、新指針は同年2月1日に告示され、7月 31 日に
会議(2007 年1月 19 日)にて指針再改定案を取りまとめ
施行された。
た。
表:大規模小売店舗の届出状況
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
4月
27
45
56
63
49
61
65
-
5月
29
39
60
39
42
53
48
6月
23
31
55
60
67
49
48
61
7月
9
32
49
58
60
78
52
79
8月
15
37
38
66
60
51
69
63
9月
9
32
41
53
58
96
51
49
10月 11月 12月
16
26
33
35
43
44
45
48
77
73
52
69
59
53
69
35
51
66
49
60
66
72
60
66
1月
17
33
46
58
56
45
62
47
2月
26
48
78
91
60
73
67
57
3月
19
59
77
90
94
92
92
84
合計
193
450
638
786
738
727
730
751
4.中心市街地活性化の推進
事業を行う者、地権者など多様な民間主体によって組織さ
(1) 概要
れる中心市街地活性化協議会が法制化された。
(ウ) 支援措置の拡充(認定基本計画への深堀り支援)
中心市街地は様々な都市機能が集積する「街の顔」であ
り、地域経済の発展に重要な役割を果たしている。しかし
市街地の整備改善と商業の活性化に対する支援措置が
ながら、モータリゼーションの進展等による大規模店舗の
拡充され、例えば戦略的中心市街地商業等活性化支援事業
郊外立地等により空洞化が進んでいる。このような背景の
の拡充、中心市街地内に大型店舗を立地する際の大店立地
もと 1998 年度に中心市街地活性化法(以下、中活法)が
法の手続きの簡素化などが特例として加えられるととも
成立し対策を講じてきたが、中活法制定後も、中心市街地
に、都市機能の集積促進、まちなか居住の推進等に対する
の商店街等は依然として厳しい状況にさらされ、中心市街
支援措置が講じられた。
地の空洞化の危機に直面している。このような状況を踏ま
改正中心市街地活性化法のポイント
え、「コンパクトでにぎわいあふれるまちづくり」をコン
中心市街地活性化本部の設置
(本部長:内閣総理大臣、構成員:全ての閣僚)
平成18年8月22日
セプトとして、第 164 回通常国会において中心市街地活性
基本方針の案の作成
※閣議決定(平成18年9月8日)
化法が抜本的に改正された(2006 年8月 22 日施行)。同
認定基本計画への支援措置
法に基づき、地域の創意工夫を活かしつつ、「都市機能の
基 本 方 針
増進」と「経済活力の向上」を柱とし、政府として総合的、
市街地の整備改善
(基本方針に基づき
市町村が作成)
基 本 計 画
一体的な対策を講じている。
都市福利施設の整備
まちなか居住の推進
(基本計画へ
の意見)
(2) 改正中心市街地活性化法について
(事業の実
施者等で
組織)
※内閣総理
大臣認定
中心市街地活性化協議会
(ア) 「選択と集中」の強化
商業の活性化等
公共交通機関の利便増進
※大店立地法の特例により、中心市街地における空き店舗への大型小売店舗出店時
の規制が緩和された。
新たに、政府として中心市街地活性化に関する施策を総
合的かつ効果的に推進するため、内閣に中心市街地活性化
本部が設置された。また、市町村が作成した中心市街地活
(3) 推進の状況
性化基本計画について、内閣総理大臣による認定制度が創
2006 年8月 22 日の改正中活法施行前は、旧中活法に基
設され、認定された基本計画に基づく事業に対して、各省
づき各種支援を行ってきたが、改正中活法施行後は、選択
庁が連携して、重点的に支援することとした。
と集中の考え方のもと、認定を受けた基本計画に基づく事
(イ) 民間主導による多様な主体の参加
業に対して重点的な支援が行われることとなった。基本計
まちづくりには多様な関係者の参画が必要との観点か
画の認定については、第1弾として 2007 年2月に富山市
ら、商工会議所、まちづくり会社、基本計画に記載された
及び青森市の中心市街地活性化基本計画が内閣総理大臣
331
に認定された以降、これまでに 32 市街地(2008 年3月末
また、2007 年3月 30 日にクレジット会社2社に対し、
現在)が認定された。認定された地域に対しては、各省庁
個人情報の保護に関する法律(以下「法」)第 34 条第1項
が連携し支援を行うこととしており、経済産業省としても
の規定に基づき、法違反状態を是正し法違反行為の再発を
商業等活性化事業等に対し重点的に支援を行っている。
防止するよう勧告を行った。認定した違反行為は、個人デ
また、中心市街地活性化協議会も 99 地域(2008 年3月
ータの「安全管理措置義務違反」、
「従業者の監督義務違反」、
末現在)で設立されるなど、改正中活法活用による中心市
「利用目的による制限違反」、
「適正な取得義務違反」、
「取
街地活性化に対する取組が活発化してきている。
得に際しての利用目的の通知義務違反」及び「第三者提供
経済産業省では、中心市街地活性化基本計画に基づく事
の制限違反」である。
業や中心市街地活性化協議会に対する支援に加え、まちづ
くりのリーダーとなる人材の育成、まちづくりに意欲的に
(2) クレジット産業の動向について
取り組む地域に対して専門家の派遣、シンポジウムやワー
販売信用供与額(商品の販売、サービスの提供に当たっ
クショップ、各種調査等を通じて中心市街地活性化の取組
ての与信額)は年々増加しており、2006 年は約 45 兆円、
を支援した。
前年比 4.5%増となっている。特にクレジットカードショ
さらに、空洞化が進展している中心商店街区域を再生す
ッピングがここ数年に渡り堅調な伸びを示している。
る方策と、公的支援策の方向性を検討する「中心商店街再
生研究会」を立ち上げ、不動産の所有と利用の分離手法を
(3) 前払式特定取引業の動向について
活かしたまちづくり会社の活動による再生手法を研究した。
(ア) 冠婚葬祭互助会の動向
1973 年に 347 社あった事業者数は、1986 年に 415 社と
5.取引信用行政
ピークを迎えた後減少し、2008 年3月末現在 308 社とな
商品の販売・役務の提供に伴って信用を供与する取引を
った。一方、前受金残高は 1973 年以降一貫して増加して
行政対象としている。具体的には、割賦販売法による販売
きており、2008 年3月末現在2兆 2024 億円となった。
信用に関する取引秩序の維持及び消費者保護、その他信用
(イ) 友の会の動向
を供与して行う取引に関する施策を講じている。
1973 年に 178 社あった事業者数は、1985 年に 356 社と
ピークを迎えた後減少し、2008 年3月末現在 156 社であ
(1) クレジット取引の適正化に向けた取組
り、前受金残高は 2008 年3月末現在 4820 億円と横ばい傾
(ア) クレジット取引の適正化に向けた検討
向にある。
2007 年2月より、「産業構造審議会割賦販売分科会基本
問題小委員会」において、(A)悪質商法を助長する不適正与
(4) リース産業の動向について
信の排除(B)過剰与信の防止(C)既払金返還ルールの導入
リースは、中小企業の設備投資や情報化投資において重
(D)個別クレジット業者への登録制の導入(E)クレジット
要な役割を担っている。民間設備投資に占めるリース設備
カード情報の保護(F)法の適用範囲の拡大等について計
投資額割合(リース比率)は、2006 年度は 8.82%、2007
11 回の審議を行い、同年 12 月 10 日に報告書を取りまと
年度は 7.81%で推移した。
めた。本報告書の内容を踏まえ、割賦販売法改正案を 2008
年3月に第 169 回国会に提出し、成立(2008 年6月 18 日
6.商品先物行政
公布)したところ。
(1) 商品先物取引について
(イ) 消費者トラブル等への対応
(ア) 商品先物取引の状況
大手外国語教室の役務提供停止に伴い、クレジット利用
(A) 商品取引所の動向
者の保護を図るため、2007 年 10 月に関係団体に対し、
「株
2007 年度においては、9月に、中部大阪商品取引
式会社ノヴァに係るクレジット利用者の保護措置につい
所が新しい取引売買システムを稼働(手振りを廃止)。
て」の要請文書を発出した。
後述の「工業品先物市場の競争力強化に関する研究会
332
報告書」に沿って、1月に東京工業品取引所が、取引
2007 年度においては、2006 年度に改正を行った商品取
時間をこれまでの 15:30 から 17:30 に2時間延長した。
引所法及び証券取引法等の一部を改正する法律が、2007
また、全商品にロスカット制度(損失額が事前に定め
年9月 30 日にともに施行された。
た限度額に達した場合に、決済注文が発注され取引を
終了させる制度)を導入した。
(2) 商品投資事業について
(B) 取引量の動向
商品ファンドは、顧客から資金を集めて商品先物取引等
2007 年度の市場における売買約定数量を示す出来
の商品投資を行い、それにより得られる収益を顧客に分配
高は、71,070 千枚、また、取引金額は 148 兆円とな
するものである。
り、2006 年度よりそれぞれ減少した。
商品投資に係る事業の規制に関する法律は、顧客に商品
(C) 上場
ファンドの販売を行う「商品投資販売業者」及びファンド
2007 年度の新規上場商品はなかったが、東京工業
資金の運用を行う「商品投資顧問業者」の2種類の業者に
品取引所において、金ミニ取引を導入した。
ついて、それぞれ開業規制及び行為規制を設けていた。
(D)委託者数の推移
しかしながら、1997 年をピークに、商品ファンドの設
商品先物取引を行う委託者数は、2005 年度まで 10
定本数及び設定金額ともに年々減少傾向にあった。このた
万人超で推移していたが、2006 年度は 99,551 人と 10
め、現行制度を見直し、商品投資販売業に関する規制を廃
万人を割り込み、2007 年度も 96,012 人と減少した。
止して、当該規制を金融商品取引法に移管し、一本化した。
(イ) 産業構造審議会商品取引所分科会等の開催
また、商品ファンドの健全な発展の観点から、商品投資
2007 年3月 14 日に、産業構造審議会商品取引所分科会
顧問業者に関し、許可条件である資本金要件の緩和、プロ
(分科会長 尾崎安央 早稲田大学大学院法務研究科教授)
とみなされる個人との商品投資顧問契約の締結の解禁及
を開催した。当分科会においては、商品取引所法の 2004
び支配関係を有するブローカーを通じた売買指示の解禁
年改正及び 2006 年改正についての報告ののち、意見交換
といった制度改正を行った。
を行い、2007 年 12 月に「今後の商品先物市場のありかた
について(中間整理)」を取りまとめた。この内容は、同
(3) 海外商品先物取引等について
じく 12 月に公表された「金融・資本市場競争力強化プラ
海外商品取引業者には悪質な業者が多く、投資家被害が
ン」に盛り込まれた。その後、2008 年3月 26 日には、主
絶えなかったため、1982 年に「海外商品市場における先
務大臣より、「内外の環境変化に対応した商品市場に係る
物取引の受託等に関する法律」を制定した。投資家の保護
制度の在り方いかん。」との諮問がなされ、同分科会にお
を図るため、海外の商品市場を政令指定しており、2007
いて同諮問に関する審議が開始された。
年度における政令指定は8カ国の 39 商品市場であった。
加えて、工業品先物市場の競争力強化に関する研究会(研
これらの市場での先物取引に係る契約について、業者に対
究会長 尾崎安央 早稲田大学大学院法務研究科教授)を開催
して書面交付の義務付け等の行為規制を行っている。
し、2007 年6月に報告書を取りまとめた。また 2008 年2月
2007 年度においては、海外商品取引業者6社に対して
よりクリアリング機能の強化に関する研究会を開始した。
行政処分を行った。
(ウ) 立入検査等の実施
なお、海外商品先物オプション取引及びロコ・ロンドン
2007 年度には、商品取引員 17 社に対して商品取引所法
まがい取引等に係るトラブルが急増したことから、2007
に基づく立入検査が実施され、同法違反による処分は、受
年6月 20 日に「特定商取引法」の施行令を改正し、これ
託業務の停止が 11 件、改善命令が4件であった。2007 年
らの取引を指定役務に追加し、2007 年7月 15 日から施行
度の商品取引員の許可件数は0件、合併認可件数は2件、
している。
新設分割認可0件、吸収分割認可5件、事業譲渡認可3件
消費経済政策
であった。
(エ) 商品取引所法の施行
経済産業省の消費経済政策は、消費者の安心・安全を確
333
保すること等により、消費者市場の健全な発展に寄与する
2007 年3月 12 日から、産業構造審議会消費経済部
ことを主な政策目標としている。こうした目標を実現する
会特定商取引小委員会において、特定商取引法の見直
ため、経済産業省では消費者取引に関する「特定商取引に
しに向けた検討が開始され、同年 12 月に報告書がと
関する法律」
(以下、
「特定商取引法」と略す。)、及び製品
りまとめられた。本報告書を踏まえ、改正法案の作成
安全に関する諸法令(製品安全4法)を所管しており、2007
作業が行われ、2008 年3月に国会に提出され、同年
年度はこれらの法令の活用等を次のとおり行った。
6月成立したところ。(※なお、法案は割賦販売法改
正案との束ね法案となっている。)
1.消費者取引の適正化
改正法案(特定商取引法部分)のポイントは以下の
(1) 「特定商取引法」のルール整備
とおりである。
「特定商取引法」
(旧「訪問販売法」)は、訪問販売、通
●規制の抜け穴の解消
信販売、連鎖販売取引等、消費者取引の中でトラブルを生
ⅰ
規制の後追いから脱却するため、現行の指定商
じやすい特定の取引類型を対象として、[1]事業者の不適
品・指定役務制を廃止し、別法で消費者被害の是正
正な勧誘・取引を取り締まるための「行政規制」と、[2]
等ができるものを除き、原則すべての商品・役務を
トラブルの防止・解決のための「民事ルール」(クーリン
扱う訪問販売取引等を規制対象とする。
グ・オフ等)を定める法律である。日常生活に直結した取
ⅱ
引のリスクを予防・低減するという身近で重要な役割を担
その上で、クーリング・オフになじまない商品・
役務等は、該当規制から除外する。
っており、消費者トラブルの実態に合わせて、機動的に見
●訪問販売規制の強化
直しを行っている。最近の見直しとしては、以下の2点を
ⅰ
挙げることができる。
訪問販売業者に、契約を締結しない旨の意思を示
した消費者に対しては、当該契約の勧誘をすること
[1]特定商取引法の政令改正(2007 年7月施行)
を禁止する。
近年、消費者トラブルが増加したことを受け、特定
ⅱ
訪問販売によって通常必要とされる量を著しく
商取引法の規制対象に、ⅰ.みそ、しょうゆなどの調
超える商品等を購入する契約を結んだ場合、契約後
味料、ⅱ.占いに伴う祈祷等のサービス、ⅲ.いわゆ
1年間は契約の解除等を可能とする(消費者にその
るロコ・ロンドン取引や海外先物オプション取引等を
契約を結ぶ特別の事情があったときは例外)。
追加するとともに、通信販売、電話勧誘販売に関する
●インターネット取引等の規制の強化
行政処分等の権限を都道府県知事に移譲する政令の
ⅰ
改正を行った。
返品の可否・条件を広告に表示していない場合は、
8日間、送料消費者負担での返品(契約の解除)を
[2]生命保険の付保問題への対応(2006 年 12 月施行)
可能とする。
訪問販売契約を行うに、契約書面に消費者を被保険
ⅱ
消費者があらかじめ承諾しない限り、迷惑広告メ
者とする生命保険の付保に同意する旨の記載がわか
ールの送信を禁止する。
りにくい形で記載されているために、消費者が認識の
●消費者団体訴訟制度の導入
ないままに生命保険契約に加入させられてしまうケ
不特定多数の消費者が受ける可能性のある被害の未
ースが発生した。これに対し、特定商取引法の省令を
然防止・拡大防止のため、消費者契約法に基づき実施さ
改正、生命保険契約の同意に関する事項を記載した契
れている、消費者団体訴訟制度を特定商取引法にも導入
約書面やクレジット書面に署名をさせる際は、ⅰ.生
する。
(※なお、消費者団体訴訟制度の導入については、
命保険契約等に関する事項を8ポイント以上の赤字
消費者契約法、景品表示法改正案との束ね法案となって
で赤枠内に記載し、ⅱ.当該事項について特に署名及
いる。)
び捺印欄を設ける、という措置を講じている書面を用
●その他
いることを義務づけた。
[3]特定商取引法の見直し
334
ⅰ
違反事業者に対する罰則を強化する。
ⅱ
訪問販売協会による自主規制の強化を図る。
ない役務に関する相談等を言う。
(2) 「特定商取引法」執行状況及び消費者相談
4.「その他」とは、経済産業省の所管する法令又は
2007 年度において、
「特定商取引法」に基づき経済産業
物資に直接該当しない相談を言う。
省が行政処分を行った件数は、指示が6件、業務停止命令
が 34 件であった。2007 年度の都道府県における処分件数
(3) 消費者に対する情報提供
は、140 件となっており、両者を併せて 180 件と過去最高
悪質商法による消費者トラブルの未然防止のためには、
の件数となった(参照表:特定商取引法の執行状況)。
関係法制度の整備や執行強化とともに、消費者自身が自衛
2007 年度における経済産業省の消費者相談処理件数は
のための知識を深めることが重要である。このため、消費
16,788 件で、相談の種類は、
「特定商取引法関係」が 8,436
者トラブルの多い若年層及び消費者被害の深刻な高齢者
件と全体の半数近くを占めている。
層を主たる対象として、パンフレットやビデオ等の媒体に
契約関係の相談を取引類型別に分けてみると訪問販売
よる情報提供を行っていたが、2006 年度はさらに幅広い
(2,433 件)が最も多く、次いで特定継続的役務提供
年齢層に対して働きかけることができるよう、インターネ
(2,103 件)、通信販売(1,569 件)、連鎖販売取引(1,086
ットを利用した情報提供としてウェブサイト「消費生活安
件)、電話勧誘販売(947 件)、割賦販売(621 件)、先物取
心ガイド」を構築し、2007 年2月に公開した。内容とし
引関係(570 件)、前払割賦 (359 件)、業務提供誘引販売
ては、特定商取引法の執行状況や法解釈、消費者相談事例
取引(298 件)であった。
の解説等の掲載、消費者トラブル事例をタイプ別に紹介し
また、契約関係の相談を取引類型別に分け前年度と相談
たパンフレットや動画コンテンツ、全国の消費者相談窓口
件数を比較すると特定継続的役務提供(105.0%増)が最
等の紹介を行っている。2007 年度においては、当ポータ
も増えており、次いで連鎖販売取引(53.2%増)となった。
ルサイトを活用することによって情報提供をすすめてい
表:消費者相談処理件数
契約関係
割賦販売
前払割賦
訪問販売
通信販売
電話勧誘販売
連鎖販売取引等
特定継続的
役務提供
業務提供誘引
販売取引
先物取引関係
契約その他
製品関係
品質性能
安全性
サービス
表示
規格
計量・価格
個人情報関係
その他
計
2006 年度
件数(構成比)
10,648 (65.8)
753 (4.7)
415 (2.5)
2,452 (16.6)
1,675 (12.6)
843 (6.3)
709 (5.0)
1,026 (5.5)
2007 年度
件数(構成比)
11,398 (67.9)
621
(3.7)
359
(2.1)
2,433 (14.5)
1,569
(9.3)
947
(5.6)
1.086
(6.5)
2,103 (12.5)
346
(2.1)
298
(1.8)
830
1,599
1,572
342
243
725
169
23
70
116
3,842
16,178
-
(14.6)
(7.7)
(1.5)
(0.7)
( 3.4)
( 1.6)
( 0.1)
( 0.4)
-
(23.8)
( 100)
570
1,412
1,684
360
291
792
154
19
68
104
3,602
16,788
(3.4)
(8.4)
(10.0)
(2.1)
(1.7)
( 4.7)
( 0.9)
( 0.1)
( 0.4)
(0.6)
(21.5)
( 100)
(注)1.件数は確報値である。
2.「前払割賦」は、前払式割賦販売及び前払式特定
取引に関する相談を指す。
3.「契約その他」とは、主に特定商取引法に該当し
335
る。
さらに、消費者教育の担い手の強化及び機会の拡充を図
るため、消費者トラブルの解決に直接携わることの多い各
地の消費生活センターの相談員等を対象に、消費者啓発活
動を行うにあたって必要なスキルや知識について、実際に
消費者啓発活動を行う方々に指導をする消費者啓発リー
ダーを育成するための研修を実施。地域における消費者啓
発活動の充実を図っている。
表:特定商取法引法の執行状況
行政処分
経済産業省
指示
業務停止命令
都道府県
1999
年度
2000
年度
2001
年度
2002
年度
2003
年度
2004
年度
2005
年度
2006
年度
7
5
5
0
2
4
0
0
0
4
20
13
12
1
7
25
9
7
2
16
26
7
7
0
19
40
16
6
10
24
80
35
13
22
45
84
30
5
25
54
2007
年度
180
40
6
34
140
また、製品安全4法に基づく届出事業者による法令遵守
2.製品安全行政の積極的な推進
(1) 適正な製品安全4法の執行
状況を確認するため、問題発生等の随時の立入検査とは別
経済産業省は、製品安全4法(消費生活用製品安全法、
に、予防的・計画的に立入検査を実施している。
ガス事業法、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化
計画的立入検査は、原則として、経済産業大臣の指示に
に関する法律、電気用品安全法)の規制対象製品について
基づき、独立行政法人製品評価技術基盤機構(以下、「機
法律上の義務が遵守されていることを確認し、技術基準が
構」と略す。)が行っている。
遵守されていない等の問題のある事態を把握した場合に
2007 年度には 289 の届出事業者に対して計画的立入検
は、直ちに当該事実を指摘して是正させ、必要な場合には
査を実施した。また、販売事業者に関しては都道府県が立
法律上の処分等を行うこととしている。また、事故情報や
入検査を行っており、2007 年度は 5,844 件実施した。
技術革新を踏まえて、事故の未然防止のために必要な場合
これらの結果、違反が見出されたものについては、一部
には、規制対象製品の追加や技術基準の策定を行うことと
処理中のものを除き、経済産業省がこれらの製品の事業者
している。
に対して指導を行い、必要な措置をとるよう求め、その後、
(ア) 技術基準の追加、見直し
適切に改善の措置がとられたことを確認した。
リチウムイオン蓄電池の事故が多発している現状を踏
まえ、電気用品安全法を改正し(2007 年 11 月 21 日公布)、
(2) 適正な「家庭用品品質表示法」の執行
新たに蓄電池を規制対象製品に加え、リチウムイオン蓄電
(ア) 試買テストや立入検査等による対応
池の技術基準の改正予定である。
経済産業省は、家庭用品品質表示法の対象品目について、
また、人的被害を含む事故等が発生したことを踏まえて、
市場に流通している製品を買い上げ、その製品が適切な表
シュレッダー及び電気ストーブについて、電気用品安全法
示がされているかどうかを確認する試買テストを実施し
に基づく技術基準の改正を行った(2007 年8月 17 日公布)。
ている。
さらに、ガス燃焼機器による一酸化炭素中毒事故防止対策
2007 年度は 51 点について試買テストを実施した。
の一環として、一酸化炭素濃度規制の強化等のガス事業法
また、立入検査については、経済産業大臣の指示に基づ
と液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する
き都道府県が行っている。
法律の技術基準を改正した(2008 年1月 28 日公布)。
2007 年度には 4,731 点の製品に対して立入検査を実施
(イ) 試買テストや立入検査等による対応
した。
経済産業省は、製品安全4法の規制対象品目について、
これらの結果、違反が見出されたものについては、一部
市場に流通している製品を買い上げ、その製品が技術基準
処理中のものを除き、経済産業省がこれらの製品の事業者
に適合しているかどうか、また必要な表示等が行われてい
に対して注意を行うとともに、必要な措置をとるよう求め、
るかどうかを確認する試買テストを実施している。
その後、適切に改善の措置がとられたことを確認した。
2007 年度は 125 品目 470 機種について試買テストを実
(イ) その他
施した。
事業者からの自主的な報告、第三者からの申出、都道府
336
県による小売業者への立入検査結果等によって、家庭用品
よる事故を防止するための制度である。製造・輸入事業者
品質表示法違反の疑いが生じたときには、経済産業省は、
は、製品を安全に使用することができる目安となる期間
事実関係について調査を行う。調査の結果、違反の事実が
(設計標準使用期間)や法定の点検期間等を製品に表示し、
判明した場合には、当該事業者に対して改善を求め、必要
法定の点検期間の前に製品の所有者に対して点検通知を
な場合には、法令に基づく指示を行うこととしている。
し、要請に応じて点検を行う。製品または製品が付属して
2007 年度は5事業者(カシミヤ混用率表示不適正)に
いる建物の販売事業者等は、製品等の引き渡しの際に重要
対し家庭用品品質表示法第4条の規定に基づき、該当製品
事項を説明する。また、製品等の関連事業者(不動産取引
について、法に基づく表示を行うよう指示を行った。
仲介、設置、修理、ガス・電気・石油供給等の事業者)は、
製品の所有者に対して製品の保守に関する情報の提供に
(3) 消費生活用製品安全法に基づく製品事故情報の収
努める。製品の所有者(賃貸業者を含む)は、点検通知を
集・公表制度
受けるために、製品等の購入時に販売事業者等の協力を得
消費生活用製品により、死亡事故、重傷病事故、後遺障
て、所在情報等を同梱の所有者票等により製品の製造・輸
害事故、一酸化炭素中毒事故や火災といった重大製品事故
入事業者に登録(設置場所等が変わったときは変更登録)
が発生した場合、事故製品の製造・輸入事業者は、事故発
し、さらに、法定の点検期間に点検を受ける等、製品の保
生を知った日から 10 日以内に経済産業省に報告すること
守に努める。
を義務づけた改正消費生活用製品安全法が 2007 年5月に
また、経年劣化による重大事故発生率は高くないものの、
施行された。
事故件数が多い製品5品目について、消費者等に長期使用
報告された重大製品事故は、事故製品がガス機器・石油
時の注意喚起を促すため、経年劣化に係る注意喚起のため
機器の場合には、メーカー名、型式名を含め、迅速に公表
の表示をする「長期使用製品安全表示制度」を設けた。
し、製品起因でないことが明らかなものを除き、最終的に
(2009 年4月1日施行)
事業者名、型式名を含め公表している。
2007 年度においては、1,190 件の重大製品事故の報告が
(5) 製品安全に係る普及・啓発活動
寄せられた。内訳は、ガス機器 189 件、石油機器 163 件、
電気製品 597 件、その他製品 241 件であった。重大製品事
(ア) 製品安全総点検週間
我が国に製品安全文化を醸成、定着していくため、事業
故を契機にリコールを行ったものは、37 製品であった。
者から消費者までを含めた社会全体における製品安全へ
また、製品事故判定第三者委員会を同年度中に計6回開
の正しい理解を深め、適切な役割分担の在り方を明確にし、
催し、製品事故に該当するか否かの判断や、経済産業省が
その普及啓蒙を目的として、2006 年度から 11 月に製品安
行った公表等の妥当性について審議した。
全総点検週間を定め、製品を安全に正しく使用する上で注
意すべき事項等について注意喚起のための周知活動を集
(4) 長期使用製品安全点検・表示制度の創設
中的に実施してきた。
2007 年2月の小型ガス湯沸器に係る死亡事故等、製品
2007 年度は 11 月 19 日から1週間を製品安全総点検週
の経年劣化が主因となる重大事故の発生を受け、2007 年
間と定め、初日にあたる 19 日に東京において、製品安全
11 月に消費生活用製品安全法を改正し、消費者自身によ
総点検セミナーを開催したほか、各地方経済産業局におい
る保守が難しく、長期間の使用に伴い生ずる劣化(経年劣
ても管内の地方公共団体等と協力しつつ、ポスター・パネ
化)による重大事故の発生のおそれが高いものについて、
ル展をはじめとする啓発活動を開催した。
経年劣化による製品事故を未然に防止するため、消費者に
また、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)
よる点検その他の保守を適切に支援する制度「長期使用製
においても、大阪、東京にて、セミナ-を開催した。
品安全点検制度」を創設した。(2009 年4月1日施行)
(イ) 製品安全点検日
本制度は、特定保守製品として指定された品目に関し、
各関係者が適切にそれぞれの役割を果たして経年劣化に
製品を正しく安全に使用するための啓発活動として、毎
月第二火曜日を「製品安全点検日」として製品安全に関す
337
る啓発活動として、製品安全点検日セミナーを開催してい
2.上海国際博覧会事業参加
る。
上海国際博覧会は、「より良い都市、より良い生活」を
(ウ) 製品安全対策優良企業経済産業大臣表彰
テーマに、国際博覧会条約に基づく登録博として、2010
2007 年度より、製品安全に対して積極的に取り組んで
年5月1日~10 月 31 日の期間で、中華人民共和国上海市
いると認められる企業を大臣表彰する制度を開始した。こ
において開催される中国初の国際博覧会である。会期中
の制度は、製品安全に対する意識の向上と製品安全文化の
7,000 万人以上の入場者数を見込み、過去最大規模の大阪
定着を図り、持続的に製品安全が確保されるような安全・
万博を上回ると予想されている。
安心な社会を作ることを目的としている。
同博覧会については 2006 年3月中国政府から日本政府
第1回は金賞受賞企業として3社が選出され、経済産業
へ参加招請する書簡が接到し、2006 年 10 月に日本貿易振
大臣より表彰を受けた。
興機構を参加機関として正式参加する旨の閣議了解を行
い、参加表明を行った。
(6) 製品安全分野における国際協力の推進
2007 年度に具体的に行った業務は以下の通りである。
2007 年4月に、中国国家質量監督検験検疫総局(AQ
[1]2006 年度に設置した「国際博覧会に関する有識者懇談
SIQ)との間で、製品安全に係る情報交換、コンサルテ
会」の下の2つの部会(「情報収集・日中協力に関する部
ーションを通じた問題解決、人的交流を含む「製品安全、
会」、「日本の出展内容に関する部会」)において、日本の
認証・標準化活動に係る協力に関する覚書」を締結した。
出展に関する基本計画コンセプトの策定に着手しており、
2007 年7月に基本計画コンセプトを策定した。
国際博覧会事業
[2]本コンセプトを踏まえ、2007 年 11 月に上海国際博覧
1.サラゴサ国際博覧会事業参加
会日本館計画委員会及びその下部組織として基本計画策
定専門委員会を設置し、2008 年2月に 2010 年上海国際博
サラゴサ国際博覧会は、国際的に高い評価を受けて成功
覧会日本館出展基本計画を策定した。
裡に終了した 2005 年日本国際博覧会(愛・地球博)の次
に実施された。「水と持続可能な開発」をテーマとして、
2008 年6月 14 日~9月 14 日の 93 日間に亘り、スペイン
国アラゴン州サラゴサ市で開催された国際博覧会である。
我が国としては、本博覧会への参加は、愛・地球博の理
念・成果を継承・発展させることや、水に関する地球規模
の課題解決に貢献することなどの観点から、非常に意義の
あるものとして考えられ、これに積極的に対応した。
我が国としては、2006 年 10 月 20 日、経済産業省を幹
事省、国土交通省と環境省を副幹事省、独立行政法人日本
貿易振興機構を参加機関として正式参加する旨の閣議了
解を行い、参加表明を行っており、2007 年度は以下の業
務を遂行した。
2005 年度に策定した基本構想を踏まえ、サラゴサ国際
博覧会日本政府出展基本計画を策定した。7月には政府代
表が任命され、参加契約の調印式が行われた。
パビリオン区画の引渡しを受けて日本館展示に着手す
るなど、開幕に向けた準備を本格化させた。
338
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