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公益財団法人香川成人医学研究所 平成26年度事業計画
公益財団法人香川成人医学研究所 平成26年度事業計画 平成26年度は、当法人にとって創立以来36年目に相当する。昨年度は公益財団法人としての 2年目、第1回の立ち入り検査も無事に終り、経営内容の充実化と新しい事業展開に向けての課題 と対策を模索してきた1年間であった。また、当研究所が設立してから35年目に相当する節目の 年でもあり、全職員が一丸となって経営内容の充実に取組んできた1年であった。これらの経験と 実績を基に、当研究所の経営理念に基づき、平成26年度は新たな飛躍への年として位置付けて以 下に列記する事業計画内容を推進していきます 1.経 営 理 念 1)健康診断、診療、運動療法、栄養指導といった健康に関わる4つの部門を総合的に機能した組 織を確立することによって地域の人達の健康増進に寄与します。 2)地域との連携を密にするため、地域が必要とする情報を最大限に発信すると共に、地域との交 流を積極的に行います。 3)栄養指導とメディカルフィットネスを新たな核として、健診と診療を有機的に機能させ、もっ て予防医学の新分野を研究開発します。 2.経営方針 1)人間ドック、特定検診および特定保健指導の実績を年々向上させます。 2)健診結果を有機的に活用して、効率的かつ合理的な診療を行い、早期治療に努めます。また、 他医療機関との連携を図ります。 3)栄養講座、運動療法講座を頻繁に開催すると共に、地域との交流会を通して健康意識の向上に 努めます。 4)職員の技能と知識の向上を図ると共に多能化を着実に行います。 5)当研究所は公益財団法人として、地域に密着した健康増進センターを目指して新しい予防医学 体制を確立することに努めます。 3.事業計画推進の基本方針 1)医師・看護師、検査技師、放射線技師等、専門職の人員不足等の諸課題を踏まえ、健診体制等 のあり方を検討します。また、巡回健診(バス健診)と施設内健診の両体制で運営できるメリッ トを生かし、契約団体・健保組合等への営業を強化すると共に巡回健診の利益率向上についての 具体的な対策を講じます。更に施設内健診ではオプション検査と二次検査(精密検査)を充実さ せ施設の差別化を図ります。 2)例年、健診者が激減する閑散期(1月、2月、3月、4月)対策は当研究所の最大関心事の1 つとして位置づけ、職域健診への営業の強化、閑散期料金を設定した上での人間ドックの実施な 1 どの方策を検討し、受注増加と収入の確保によって年間収入の平準化を図ります。 3)島しょう部等の過疎地域への巡回健診についても、出来るだけ多くの健診機会を確保するため、 各自治体や企業との連携を深めて、きめ細やかな健診を展開していきます。平成25年度の反省 に基づいて、巡回健診の機会を可能な限り増やしていく努力をします。 4)当研究所がこれまでに蓄積した手法を基に、地域・職域における現状分析を実施し、市町村や 医療保険者の保健事業の企画立案を支援することで健康づくりに貢献していきます。 4.平成26年度事業計画 1)事業計画推進のための営業強化を図るため、25年度に引続き、営業部スタッフの充実と具体 的な営業施策を継続・実施します。 2)これまで以上に、自治体、企業等に出向き、営業活動を行うとともに、ホームページを活用し たきめ細やかな営業を展開することで新たな顧客を獲得し、収入の確保を図ります。また、価格 やサービス内容を改善(他の健診機関との差別化)して営業を行います。 3)最新の技術・知識を得るために積極的に各種学会等へ参加するとともに、発表等に携わること で職員の意識を向上させ健診業務の制度管理に生かします。 4)各部門において、外部機関による制度管理調査を受けることにより安定した制度管理を目指し た組織運営に努めます。 5)巡回健診事業では、平成24年2月に新規健診車を導入して2年が経過したが、当初計画 に反して収益面での効果が充分得られていない。巡回健診事業を軌道に乗せることが、安定 した事業運営を行う上で必須であることから、顧客満足度を高める健診の実施ならびに営業 活動をさらに強化し、受診者増を図ります。 6)平成25年度に引続き、健診業務で実施している検査項目ごとの単価を再検討すると共に、 オプション検査項目やセットメニューの内容充実と料金の見直しによって顧客満足度の改 善を図ります。また、料金表については、平成25年度から実施してきた外税表記を徹底し ます。 7)現在の診療業務に関しては、開設以来の努力もあって、外来者の評判はある程度確保でき たと考えられています。しかし、将来の発展のためには抜本的な改革が求められていること も事実であります。そのためには医師の定常的な確保が絶対の条件になっています。診療業 務拡充の上からの医師の確保に向けてあらゆるルートを用いて努力します。診療業務の2診制の実現 に努力します。 8)当研究所のメディカルフィットネス事業は、開設以来5年が経過し、近隣住民等への知名度は確実 にアップしています。目標であった有料会員数も計画通り3年目で400名を突破し、5年目の平成 25年度もその水準を維持してきました。また、1日平均利用人数も、昨年度に引続いて100名を 突破した状態を維持しています。これ以上の会員増は、クレームの対象となり逆効果になる可能性が 大きいことが考えられます。今後、更なるメディカルフィットネス事業を飛躍させるためには、抜本 的な対策が必要であることはこれまでも繰り返し議論してきた内容であります。平成25年度はメデ 2 ィカルフィッネス事業拡充計画元年として新規事業への展開について検討を行ってきましたが、平成 26年度当初から特化型フィットネス・サービス部門の新設を図ります。 当研究所が実施する“特化型フィットネス・サービス”プログラムの内容は、従来から実施されて きた①365日フルサービスの介護事業、②健常者のフイットネス事業、③リハビリ型デイサービス 事業の中で③を対象とするものである。一般的なデイサービスに対して「まだ早い、抵抗がある」と いう、比較的要介護度が低く高齢者の中でも年齢の若い人たちが対象になる。言い換えれば、支援1、 支援2に分類され、年齢的には65歳から85歳くらいの人達である。具体的な業務内容は以下の通 りである。 1)特化型フィットネス・サービスでは、高齢者の“より快適で自立した生活”をサポートするため のシニアフィットネスの要素を取り入れた半日型デイサービスを提供する。 2) 「立つ」 「座る」「着替える」「物を取る」などの日常生活に必要な動作を、有酸素運動系トレーニ ングと筋力系トレーニング、スタジオトレーニングの組み合わせで、専任の運動指導者(インスト ラクター)が運動実践することにより、「最近、体を動かしていない方」や「出来る限り“自分の ことは自分でする生活”を送りたい方」を中心に、明るく生き生きとした暮らしの実現を支援する。 3)1時間~2時間程度の適切な運動実践により、筋肉を鍛えるのではなく、老化などにより使われ なくなってしまった筋肉(不活動筋)や神経を正しくまんべんなく動かすためにフイットネスプロ グラムを提供する。 9)企業・自治体・地域の方々の健康づくりを目的として、メタボリックシンドローム(内臓脂肪 肥満)予防、改善のための啓発活動、メタボ健診に伴った特定保健指導、高齢者向けの健康指導、 企業向けセミナーや健康づくりなど、 地域の方々の運動・食事といった健康をトータル的にサ ポートする事業(健康づくりサポート事業)を推進し、更なる付加価値を高めていきます。平成 26年度は、具体的なパンフレットを作成し、企業・自治体などにダイレクトメールを送付し、 具体的な広報活動を展開してきます。具体的な事業内容として、平成25年度に引続いて以下の 内容を実施します。 (1)トレーニング指導の派遣 健康増進事業 メタボリックシンドローム対策事業 介護予防事業 単発の運動指導 各種イベントの運営・デモンストレーション 公民館・運動会・婦人会・老人会等の催しでの出張講座の開 季刊ニューズレターの発表 (2)健康に関する各種のイベント等への講師派遣 メタボリックシンドローム改善法 運動の重要性と効果 健康維持・増進のための食事内容 3 ロコモティブシンドロームの予防 10)当研究所では、これまでに蓄積された保健指導のノウハウや科学的な根拠を基に、特定保健指 導事業を職域や地域で実施することで糖尿病等、生活習慣病予防への取り組みを推進することに よって特定保健指導部門の一層の拡充を図ります。当研究所が差別化できる部門の1つとして特 に力を入れて地域の人たちの健康維持・増進を図ります。平成26年度は“特定保健指導室”の 強化と共に具体的には以下の内容を実施していきます。 (1)効果的な保健指導の実施 ①各医療保険者の対象者特性を配慮した上で重視するポイントを明確にすると共に、わかり やすく、継続しやすく、効果性の高い保健指導の確立を目指します。 ②個別面接、通信等の多彩な保健指導手段を組み合わせ、効率よく実践できる体制を構築し ていきます。 ③円滑な運営、最新の情報提供に向け、技術等習得のための職員研修を定例化し、指導者の 技術向上を目指します。 (2)適切な保健事業評価の実施 ①医療保険者や対象者に対して満足度や不満等のアンケート調査を日常的に実施し、プロセ ス評価と運営方法の改善を行います。 ②参加率や継続率などの評価(アウトプット評価)、体重減少者の割合やメタボリックシン ドローム改善率などの評価(アウトカム評価)を適切に行い、保健指導プログラムの改善に 生かします。 11)平成25年度に引き続き健康講座の充実を図ります。平成26年度も引続いて、2ヶ月に1回 の割合で定期的な研究所内健康講座を開催すると共に出前健康講座を積極的に開催していきま す。 12)予防医学助成金事業の継続実施 平成26年度も引き続き予防医学助成金事業を継続します。 13)業績集の発行の継続 平成25年度に引続いて、平成26年度も業績集を取りまとめます。具体的には、平成24年 度の人間ドック・健康診断成績と特定保健指導内容を業績集として取りまとめ、関係機関(各市 町村・健康保険組合等)に配布します。 14)研究事業の継続実施 平成25年度に引続き、研究事業を継続実施していきます。 15)学会発表の実施 職員のレベル向上の意味からも、学会発表は、平成26年度も重要課題の1つとして位置づけ て、積極的に奨励していきます。 16)施設拡充に向けた準備 当研究所は新規に開設してから、平成26年度で6年目を迎えます。その間、各部門共に当初の目 標はある程度クリアしてきました。その結果、将来への新たな発展を考えて施設面での拡充が必要に 4 なっています。平成24年度は懸案であった健診バスの新規導入を実施しました。平成25年度は事 務部門、メディカルフィットネス部門、特定保健指導部門を中心にスペースの増強を考えた施設拡充 について検討を実施してきましたが、諸般の事情で施設の拡充計画は難しいことが判明しました。こ の件に関しては、利益の特別積立金制度を創設するとの手段で継続的な課題として継続することにし ます。平成26年度は、事務部門を中心に業務形態のシステム化と労務マネージメントの充実を図り ます。また、日々発生する膨大な情報のディジタル化を前提とした業務の簡素化に向けての実質的な 検討に入ります。 17)施設の維持更新 レベルの高い顧客満足度を維持するためには、職員の個々のレベルアップの一方で組織の維持 管理が重要な課題になることは言うまでもありません。平成26年度は以下の新規医療機器およ び備品の導入・整備を計画しています。 1)ウエルチェックセンター部門 医療機器の更新 ① PACSサーバ(画像サーバ)の更新 :1,200万円 ② 超音波検査装置の更新 : 500万円 ③ パーソナルコンピュータの更新 : 300万円 : 50万円 : 700万円 新規導入 ① OCR読み取りソフトウエア 2)ウエルフィットネス部門 機器の更新 ① フイットネスマシーン10台 新規導入(フイットネス・デイサービス健康空間さかいで) ① 設備開設備品一式 : 800万円 なお、上記の事業計画内容は平成26年3月20日に開催さ第5回定例理事会(第10回定例経 営会議と併設)の席で慎重審議の結果、承認を受けたものである。従って、平成26年度はここに 記載した内容に基づいて日々の業務を遂行することとします。 以上 5