Comments
Description
Transcript
第10回授業内容 - 京都大学 大学院経済学研究科・経済学部
第1回レポートの講評 同志社女子大学現代社会学部 • アルバイトから学ぶことは多い マーケティング論(10) – 市場の変化 – お客様との対応 接客 サービス – 職場の人間関係 – 新機軸 京都大学大学院経済学研究科 教授 若林靖永 [email protected] http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/ 2003/12/9 Yasunaga Wakabayashi, 2003 • レポートの表現 – わかりやすくて具体的なのがいい – 構成が論理的ではなく流れている感じ 1 「仮説検証」型 第3部 顧客志向の現代的諸類型 10 仮説検証型のマス・マーケティング −セブン-イレブン・ジャパン− 2 Yasunaga Wakabayashi, 2003 • マーケティングは市場創造 – 提案型 – 適応型 • ニーズが顕在化している場合 • ニーズが見えない、潜在的な場合 – マーケター自身のアクションによって、潜在的ニーズの 顕在化を実現する – 仮説検証型のマーケティング Yasunaga Wakabayashi, 2003 3 4 前例なき革新的マーチャンダイジング(1) コンビニエンスストアという新業態 • 弁当・惣菜の商品開発−協同組合方式 – – – – – – • セブン-イレブン・ジャパンの設立 1973年11月 – イトーヨーカ堂と米国サウスランド社の業務提携 • 背景 – 大型店出店に対する地元小売店の反対運動が広がるなかで、 小規模小売店との共存共栄をめざす – チェーン経営によって小規模小売店の低い生産性を克服する 弁当メーカーでの食中毒事件 品質管理の徹底が課題に 日本デリカフーズ協同組合の設立 品質管理担当者による検査 原材料の共同購入 共同開発のための会議 ジャンル別 競争して企画 共同して受け持ち地区で供給 • 日配品の商品開発−分科会方式 – 6分科会 調理麺、漬物、肉、魚、水物、惣菜 – 「小分けそば」「冷やし中華」「天ぷら鍋うどん」「鍋焼うどん」 – リーダーの重要性 大手食品メーカーの参加 • コンビニエンスストア業態 – 朝7時から夜11時(その後24時間営業) – 近くにある – 食べたいもの、欲しいものが揃っている • 焼きたてパン • 業態確立に向けての試行錯誤 – 何を売るべきか 革新的マーチャンダイジング Yasunaga Wakabayashi, 2003 Yasunaga Wakabayashi, 2003 5 – パンが売れない 「おいしくない」「フレッシュでない」「冷たい」「パ サパサしている」 – 鮮度の追求を考えたが、最大手・山崎パンと衝突 「うちはPBは やらない」 – 伊藤忠商事と味の素をパートナーに 冷凍生地 Yasunaga Wakabayashi, 2003 6 1 前例なき革新的マーチャンダイジング(2) 単品管理(1) • アイスクリーム – 全店で店の中央部分に大型ケース 94年4月 – 作りだめするという特殊な在庫管理(大幅見込み生産に長期在庫経 営)からの脱却 – アイスクリーム大手業者との生産・配送・販売の一貫体制の確立に よる高鮮度商品供給の実現 – PBではないが共同開発のための会議 オリジナル商品 • サービス商品 – DPE 映画前売券 宅配便 コピーテレホンカード 電気料金 ガス 料金 保険料金 NHK放送受信料 プリペイドカード 自賠責保険 カタログ販売 電話料金 各種チケット クレジット・通販代金 – 電気料金 東京電力からの要請 セブンの情報システムに対応した 公共料金収納代行システムの構築 • チーム・マーチャンダイジング – 製造・物流・原材料などの関連企業すべてをまとめる – 共同で専門分野の情報と知恵を出す – 新製品開発と機会ロス・廃棄ロスの削減 – セブンによる消費者情報の提供 Yasunaga Wakabayashi, 2003 7 • マーチャンダイジング – 商品調達 商品開発 物流 販売 システムづくり – バイイングとの違い 商品仕入れ業務に限定 • 小規模店での経営課題 – 多品種少量販売におけるオペレーションコストの削減 – 高粗利益・在庫圧縮の実現 • 発注方法 商品管理 – 経験と勘にもとづく – なくなると埋める補充発注 – 単品ごとに数量管理をする 値札 衣料・薬局・書店 単品管理(2) 単品管理(3) • 「単品管理」の思想的背景 • POSシステムの導入 – 単品データが確保できるように その活用が課題 • 単品管理のねらい – 「死に筋商品」を陳列からはずす 売れ残り(廃棄)ロス・値引きロスの 削減 緊急時の商品、サイズ違いの商品に注意 – 売れ筋商品の仕入れを強める 欠品による機会ロスを削減 売れ筋 をみきわめて大胆に発注できるかどうか – 過去の販売実績であって未来の販売予測データではない 仮説を立 案し、意思をもった発注を行い、その検証手段としてPOSデータを活 用する – 発注精度の向上 売れる商品に発注を絞り込み、売れるように陳列し 売り切るマーケティンジング力を高める 9 Yasunaga Wakabayashi, 2003 「売り手市場から買い手市場に変わった」 問屋依存のセレクトバイイングからの脱却 「ピンポイント消費」 消費の多様化は本当か 商品をたくさん置いても意味はない 「売れないのではない。売れる商品を提供できていないのだ。お客の 求める価値のある商品ならもっと売れるはずだ」 – 「売れる商品はすぐに売り切れてしまって、みんなが欲しい商品が十 分にない」 – PBにこだわらずオリジナル商品を開発(メーカーブランド) – 「売れないのは売り切る努力が足りないからだ」 – – – – – Yasunaga Wakabayashi, 2003 10 セブン-イレブンの強さの本質 単品管理(4) • 「単品管理」を担う組織づくり • 3つのユニークなMDイノベーション – 発注による意思決定 • 自動発注 CPFR(Collaborative Planning Forecasting and Replenishment) • 加盟店責任 パートにまかせる – 本部が推奨した商品でも加盟店の発注だから返品は不可(リスク・ マーチャンダイジング) – マニュアルという考え方を否定 作業は標準的な手続きはあっても発 注等の考え方は自分で工夫しようと呼びかける – OFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー) • 加盟店のカウンセリング 本部とのコミュニケーション – 情報システムの高度化 • 本部による加盟店管理手段としてだけではなく、加盟店でのマネジメント、 意思のある発注、仮説検証プロセスを支援することを目的に Yasunaga Wakabayashi, 2003 8 Yasunaga Wakabayashi, 2003 11 – 物流イノベーション 完全買取 ジャストインタイム物流 追加生 産供給体制 高鮮度配送 – 商品開発イノベーション チームMD – 販売力イノベーション 発注精度 販売技術 • 3つのMDイノベーション理念 情報の創造 – 主体性 依存しない・させない対等関係 創造的に立ち向かう 責任を取る自律的精神 – パートナーシップ パワーゲームの抑制 全体合理性の追求 – 消費者志向の徹底による高収益経営 「変化に対応、基本の徹 底−お客さまに聞いてみる」 量的拡大を追求しない 容赦ない 厳しさの持続 Yasunaga Wakabayashi, 2003 12 2