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青森県農業農村整備設計VEの手引き 351KB

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青森県農業農村整備設計VEの手引き 351KB
青森県農業農村整備設計VEの手引き
平成21年4月
青森県農村整備課
目
1
2
次
はじめに
1−1
背景
・・・・・・・・・・・1
1−2
公共事業におけるVE
・・・・・・・・・・・1
1−3
VEの5原則
・・・・・・・・・・・1
設計VEの概要
2−1
設計VEの定義
・・・・・・・・・・・3
2−2
設計VEの特徴
・・・・・・・・・・・3
3. 設計VEガイドライン
3−1
設計VEの基本原則
・・・・・・・・・・・4
3−2
対象業務
・・・・・・・・・・・4
3−3
VEチーム
・・・・・・・・・・・4
3−4
設計VEの実施手順
・・・・・・・・・・・5
3−5
設計VEを実施するための人材と体制
・・・・・・・・・・・5
3−6
設計VEの事務の流れ
・・・・・・・・・・・6
4. 設計VEの実施例
4−1
設計VEチームにおける事前準備
・・・・・・・・・・・7
4−2
第一段階:機能定義
・・・・・・・・・・・7
4−2−1
情報収集
・・・・・・・・・・・7
4−2−2
機能の定義
・・・・・・・・・・・8
4−2−3
機能の整理
・・・・・・・・・・・9
4−3
第二段階:機能評価
・・・・・・・・・・・9
4−3−1
機能別現行コスト分析
・・・・・・・・・・・9
4−3−2
機能の評価
・・・・・・・・・・ 10
4−3−3
対象分野の選定の手順
・・・・・・・・・・ 11
4−4
第三段階:代替案の作成
・・・・・・・・・・ 12
4−4−1
アイデア発想
・・・・・・・・・・ 12
4−4−2
概略評価
・・・・・・・・・・ 13
4−4−3
具体化
・・・・・・・・・・ 13
4−4−4
詳細評価
・・・・・・・・・・ 15
4−5
代替案の提案
・・・・・・・・・・ 17
4−6
VE審査
・・・・・・・・・・ 18
検討シート参考様式集
・・・・・・・・・・ 19
<参考>特記仕様書の記載例
・・・・・・・・・・ 34
1
はじめに
1−1
背景
本県では、税収不足による財源不足が年々拡大しており、公共事業予算の確保においても
厳しい状況にある。
一方県では、農林水産業を守ることは、地域の環境を守り、かけがえのない地域資源を将
来に引き継ぐことを可能とするとの考えのもと、農林水産業の生産基盤や農山漁村の生活環
境などの整備を行う公共事業を「環境公共」と位置づけて推進している。
このような中、公共事業の実施にあたっては、従来の基準や評価による手法から、個別の
機能に応じた効率的かつトータルコストが経済的な整備手法が求められている。
よって、今後の社会資本整備は、住民や利用者のニーズに合い、必要な機能を有しながら
最小のライフサイクルコストで維持できる最適な計画をすることが必要である。
Value Engineering(以下「VE」という。)は、価値(機能・品質とコスト)を最適化
するための手法である。つまり、対象物の持つ価値を機能・品質とコストの両面で総合的に
優れたものになるよう追求するVEは、発注者責任を果たすという観点からも、国民の満足
度向上につながる効率的かつ効果的な社会資本整備に資する有効な一手法と言える。
1−2
公共事業におけるVE
VEの特徴は、対象とする製品やサービスの機能を徹底的に解明することにより、これま
でと同じ機能やサービスを別な手段で実現することにより、必要な機能を確保しながらコス
ト縮減を追及するところにある。ここで言う機能とは、表面的なものではなく、目に見えな
い「働き」、「ものの本質」である。
VEは、「ものの本質」を捉えて、住民や利用者のニーズに対してコスト縮減と機能向上
を両立しながら最適な調達を実現することであり、発注者自らが徹底した目的意識と柔軟な
発想により、より良いものをより低コストで作ろうとする行為である。
公共事業におけるVEでは、公共事業に求められる本来の機能(目的)を抽出し、改善価
値のある機能を発見し、新たな改善提案を創造することにより、住民や利用者の満足度向上、
つまり、必要な品質を確保しつつよりコストパフォーマンスの高い施設整備の追求に繋がる
ことが期待できる。
また、受注者にとっては、各社が有する技術力やノウハウを活かすVE検討を実施するこ
とにより、地域特性やニーズに対応した技術提案、工事原価の抑制検討、そして、こうした
VE検討を通した新たな知見の習得により、組織的な技術力向上が図られる。
1−3
VEの5原則
VEの原則には、以下に示す5つの原則がある。これまでの比較設計などもある程度考慮
されているが、下記に示す(2)機能本位の原則と(5)価値向上の原則がこれまでの考え
方との相違点であると言える。
(1)使用者優先の原則
使用者の立場に立って対象物を考える。
(2)機能本位の原則
− 1 −
使用者が要求する対象物の「機能」を明確にする。
(3)創造による変更の原則
アイデアの発想を行い、もっと良いものや方法を見つけ出すことにより改善する。
(4)チーム・デザインの原則
各分野の優れた技術者を終結する。
(5)価値向上の原則
上記四つの原則を統合し、コストと機能の2つの面から価値の向上を目指す。
使用者優先の原則
チーム・デザインの原則
創造による変更の原則
・過去からの具現化(知識)
機能本位の原則
・未来からの具現化(発想)
価値向上の原則
目的物の機能を低下させずにコストを縮減する、
又は同等のコストで機能を向上させる
機能(Function)
コスト(Cost)
価値(Value)=
価値(V)を向上させる4つのパターン
機
能(F)
→
↑
↑
↑
コスト(C)
↓
→
↓
↑
図−1
VEの5原則
− 2 −
2
設計VEの概要
2−1
設計VEの定義
設計VEとは、ライフサイクルコストを考慮した経済性を追求しつつ、住民や利用者のニ
ーズに対し必要な機能を確実に達成することを目的とし、設計段階において施設の機能を検
討・分析し、最適な機能の確保を目指す取り組みである。
2−2
設計VEの特徴
設計段階において原設計図面を見ながら改善のためのアイデアを考えることもできるが、
それでは原設計案にとらわれてアイデア発想の範囲が限定されがちになる。
よって、改善によって大きな成果を得るためには、原設計案にとらわれない自由な発想が
望まれる。そのため、要求される機能を明確にし、原設計案を離れて、必要な機能を果たし
得るアイデアを発想することが必要である。それを実現する最適な手法が設計VEである。
事業の上流にある設計段階でVEを実施することは、設計条件が曖昧であったり、対象物
のコストが詳細に算出できないなど、VE検討をどのように取り組んだらいいのかが分かり
にくい面がある。
しかし、上流段階でのVEは、見直しの自由度が高いため、要求仕様に対する機能・品質
及び維持管理費も含めたコストとのバランスを考慮した設計の最適化を図ることが容易な段
階であるとも言える。
また、設計段階でVEを取り組むことにより、発注者に限らず、関係者(受注者等)に対
しても、施工及び維持管理への設計意図の伝達や組織的かつ個人的な技術力向上にも繋がる
ことが期待できる。
設計(基本、詳細)
積 算
設計VE
大
入 札
契
入札時VE
コスト縮減効果
図−2
小
公共工事におけるVEの実施段階
− 3 −
約
施 工
契約後VE
3
設計VEガイドライン
3−1
設計VEの基本原則
設計VEは、既往の基本計画、通常の設計業務の成果(原設計)を否定するものではなく、
より良い設計を目指すため、さらに改善の余地があることを前提として、設計者以外による
見直しを通して、より価値の高い解決策を見出そうとする取り組みである。
設計VEの実施にあたっての基本原則を以下に示す。
(1)設計VEは、原設計案を否定するものではなく、より良い設計を目指すための取り組
みである。
(2)設計者以外の複数のメンバーで構成する検討チーム(以下「VEチーム」という。)
を組織し、設計者とは違った視点から原設計案以上の価値向上を目指すものである。
(3)対象を「モノ本位」で捉えるのではなく、対象の本質を求められる機能とそれにかか
るコストをつかむための機能的なアプローチを行い、機能の確保・向上とともに、機能
をより経済的に達成するための取り組みである。
3−2 対象業務
設計VEの対象業務は、業務の規模や重要度を考慮し、設計VEの効果が大きい概略や基
本設計段階の業務を中心に、当該年度に発注する業務からコスト縮減効果を見いだす可能性
が高いと認めるものを抽出するものとし、当該業務を発注する地域県民局地域農林水産部長
(以下「発注公所の長」という。)が必要と認めたものとする。
3−3
VEチーム
設計VEを実施するにあたり、当該業務を発注する地域県民局地域農林水産部(以下「発
注公所」という。)にVEチームを設置する。
チーム形態は、発注者職員のみで行う「インハウス」、発注者職員にコンサルタントを加
えた「インハウス+コンサルタント」、複数のコンサルタントによる「コンサルタント」な
どの選択肢があり、実施段階及び検討内容などを踏まえた体制とする。
VEチームの構成員数は、6∼8人を標準とするが、業務内容に応じて決定するものとし、
その選定等の取扱いは、次のとおりとする。
(1)VEチームの構成員は、発注公所の長が任命する。発注公所の長は必要に応じ、発注
公所の職員以外の者にも、その要請を行うことができるものとする。
(2)設計VEの総括を行うため、VEチームのリーダー(以下「VEリーダー」とう。)
を置く。VEリーダーは、発注公所の長が任命する。
(3)発注公所の長が必要と認めた場合には、構成員に外部の人材を活用することができる。
この場合の構成員は、公募により選定するものとする。
(4)客観的な提案を行うため、VEチームの編成においては業務の直接の担当者を加えな
いなどその独立性を確保する。
3−4
設計VEの実施手順
設計段階においてより大きな改善成果を得るためには、原設計案にとらわれない自由な発
− 4 −
想が望まれ、そのために要求される機能を明確にし、原設計案を離れて、必要な機能を果た
し得るアイデアを発想することが必要である。
このため、設計VEでは、表−1に示す実施手順に基づき検討を進める。
表−1
実施手順
<第一段階>
機能定義
設計VEの実施手順
実施項目
概
要
①VE対象の情報収集
対象物の関連情報(要求事項、構成要素、制約
条件・問題点、コスト等)を収集・整理する。
②機能の定義
収集した情報を元に、VE対象の構成要素の持
っている機能を明確にする。
③機能の整理
定義された機能を機能系統図として、機能を体
系的に整理する。
<第二段階>
④機能別現行コスト分析
機能評価
機能定義で整理した機能分野別に現行コストを
算出する。
⑤機能の評価
機能分野毎の価値を判断するため、目標コスト
を設定した後、機能分野毎に重要度比率を設定
し、機能評価値を算出する。
⑥対象機能分野の選定
改善効率を高める上で、全ての機能を検討対象
とすることが困難な場合、改善効率の高い機能
分野を選定し、優先順位を設定する。
<第三段階>
⑦アイデア発想
機能評価で設定した各検討対象分野に対して、
代替案作成
検討の視野を広げるために、可能な限り自由な
アイデア発想を行う。
⑧概略評価
作成したアイデアを技術的可能性、経済的可能
性という観点から、個々のアイデア毎に概略評
価を行い、アイデアを絞り込む。
⑨代替案の作成
採用された各アイデアがもつ利点・欠点を明ら
かにしつつ、アイデアを機能別代替案として組
み合わせるとともに、全体機能を実現する総合
代替案にまとめてゆく。
⑩詳細評価
具体化された複数の総合代替案を比較して、最
終的な総合代替案を選択するために詳細な評価
を実施する。
<第四段階>
VE審査
3−5
⑪提案のとりまとめ
検討した結果をとりまとめる。
⑫VE審査
発注者は、VE提案書を基に、採用可否、さら
なる改善検討の必要性等について審査する。
設計VEを実施するための人材と体制
設計VEの実施にあたっては、どのような体制で実施するかが、その後の検討結果にも影
響するので、検討スケジュールや検討予算の有無などの制約条件を考慮しながら、現実的に
対応が可能となる実施体制とすることが重要である。
設計VEの体制は、画一的なものではなく、検討の内容や段階に応じて柔軟にメンバーを
選択し構成すべきである。必要とされる人材の参考例を以下に示す。
− 5 −
表−2
検討プロセス時に必要とされる人材(例)
実施段階
必要とされる人材(例)
機 能 定義
・対象物に求められる機能(要求仕様)を理解
関係者(例)
・発注者
している人材
機 能 分析
・検討対象となる原設計を詳細に理解している
人材
代替案作成
・発注者
・原設計コンサルタント
・様々な観点からアイデアを提供してくれる人
材
・発注者
・原設計コンサルタント
・原設計以外のコンサルタント
・学識経験者
・施工技術者
・その他の技術者
V E 審査
・最終的な決定を下す人材
・発注者
全
・VEの検討プロセスを理解し、VE検討作業
・建設VE関連資格取得者
体
を支援する人材
3−6
・発注者にあっては、VE中堅
技術者研修受講者が望ましい
設計VEの事務の流れ
設計VEを実施する際の、発注者と原設計受注者とVEチームに係る標準的な事務の流れ
を図−3に示す。
発注者
VEチーム
業務発注
VEチームの設置
原設計受注者
受注
VEリーダーと打合せ
業務実施
設計打合せ
設計打合せ
原設計受領
原設計作成
原案説明
設計VE実施
採否の検討
提案
指示など
情報提供
修正など
図−3
設計VEの事務の流れ
− 6 −
4
設計VEの実施例
4−1
設計VEの事前準備
VEリーダーは、VEチームによる設計VEの実施に先立ち、発注公所の担当者とスケジ
ュール、課題等について事前に協議し、VE検討に必要な資料の作成を依頼する。
発注公所の担当者は、業務の受託者が設計仕様に基づいて原設計案を作成した段階で、原
設計者の協力を得て、設計VE検討に必要な設計条件、図面等を整理した「VE検討資料」
を作成し、VE検討の2週間前までに、VEリーダーに提出するものとする。
4−2
第一段階:機能の定義
4−2−1
情報収集
VEは選定された業務について、「基本的な問題は何か?」「どんな機能上の要求がある
か?」など、対象の本質を理解し問題を把握することから始まる。
VEチームは、当該対象構造物の目的、背景、制約条件、仕様、技術上の問題点、コスト
等の情報を収集し、設計内容を詳細に把握する。
(1)情報収集の目的
ア
対象業務に精通する。(業務内容に関する特有情報を収集、整理する。)
イ
チームメンバーが共通の情報を持つ。
(2)収集すべき情報
対象業務に精通するため、以下の情報を収集、整理する。なお、要求条件の抽出にお
いては、当該対象物の目的、計画位置における自然特性や社会特性、対象物や施工に関
する技術特性を整理し、要求条件を明確にすることが重要である。
ア
要求条件に関する情報
イ
構成要素に関する情報
ウ
技術・制約条件、問題点に関する情報
エ
コストに関する情報
表−3
VE対象の情報収集の整理例(道路改良工事)
【要求条件に関する情報】
【構成要素に関する情報】
・第3種第2級 設計速度V=50km/h
・H15年度センサス 3,300台/12h
・最大縦断勾配7%
・片勾配7%、R=150m
・歩道幅員W=3.5m
・地元要望強い
・○○川計画流量Q=500m3/s
【技術・制約条件・問題点に関する情報】
【コストに関する情報】
・開通予定年はH21
・土工
・H19年度までにNo.50まで工事
・No.0∼No.30までは用地買収完了
・法面工 152百万円(5.0%)
・擁壁工 580百万円(18.9%)
・自然保護法(国立公園)
・埋蔵文化財調査必要
・排水工 240百万円(7.7%)
・用地補償費 山林 250円/㎡
312百万円(10.2%)
・宅地 9,800円/㎡
− 7 −
4−2−2
機能の定義
「もの」には、必ず何らかの働きや目的、すなわち「機能」がある。何の機能もなければ、
その目的が存在する意味はない。
VEは、その機能を一つずつ定義し、ものの原点から見直すことで思考を広げる。
(1)機能の定義の目的
ア
機能を明確にする。(対象の存在の本質を明確にする。)
イ
機能を評価する。(機能本位に問題を捉える。)
ウ
アイデアを出しやすくする。(問題を抽象化しアイデアを出しやすくする。)
エ
代替案を評価する。(明確にした機能と制約条件を代替案の評価基準とする。)
(2)機能の定義の方法
名詞と動詞で「∼を∼する。」と簡潔に表現する。
・対象の果たすべき機能が一つひとつ明らかにできる。
・誰でも容易に機能を理解できる。
・対象を抽象化してとらえることができ、発想の転換や拡大がしやすくなる。
(3)機能の定義の手順
ア
対象テーマを構成要素毎に分割する。
(例:道路改良工事の場合、土工、法面工、擁壁工等の工種ごと)
イ
構成要素毎に機能を定義する。
(例:土工の場合、土を掘る、土を盛る、作業空間を確保する等)
ウ
基本機能と2次機能に分類する。
・基本機能は、その機能を取り去ったらその対象の存在価値が無くなる機能をいう。
・二次機能は、基本機能以外の全ての機能をいう。
・基本機能と2次機能は相対的なものであり、対象の範囲により異なる。
(例:「桁を支える」は、橋梁下部工では基本機能、橋梁工では2次機能)
表―4
構成要素
①土工
機能の定義の整理例(道路改良工事)
コスト
312
機能の定義
基本
-1
道をつくる
○
-2
土を動かす
○
2次
:
②法面工
152
-9
作業空間を確保する
-1
斜面の安定を図る
-2
雨水を流す
○
○
○
:
③擁壁工
580
-7
景観を創造する
○
-1
土砂崩落を防止する
○
-2
道路幅員を確保する
○
:
-10
用地買収を抑制する
− 8 −
○
4−2−3
機能の整理
定義された機能には、目的としての機能と手段としての機能がある。対象を「もの」とし
てではなく「機能」と言う概念の集合として客観的に捉えるためには、これらの機能の相互
関係(独立、従属、上位下位)を系統立てて見る必要がある。
(1)機能の整理の目的
ア
対象業務の果たすべき機能を明確にする。
イ
機能分野を明らかにする。(どの機能分野で以降の検討を進めるか。)
ウ
設計の考え方を理解する。(機能系統図で設計の考え方を一覧で示す。)
エ
設計の定義の適切さを確認する。(機能表現、機能追加)
(2)機能の整理の方法と手順
機能を「目的」と「手段」の関係で整理する。
ア
機能をワークショップで用いるカード(付箋紙など)に書き出す。
イ
機能を関連づける。(整理した機能が何のための機能か追及し、上位の機能と関連
づける。)
ウ
機能系統図を作成し確認する。(定義された個々の機能が全て機能系統に位置づけ
られたら、機能系統図を作成し、論理的に正しいか確認する。)
F6
相互に関連
F3
F1
機能分野
F7
の深い機能
のまとまり
F4
F0
基本機能
F2
F5
F8
機能レベル0
機能レベル1
機能レベル2
重要機能
図-4
4−3
機能系統図(例)
第二段階:機能評価
4−3−1
機能別現行コスト分析
機能の定義、機能の整理を通して対象が「もの」から「機能」に置き換わったら、次にコ
ストに関して「もの」に対するコストから「機能」に対するコストに視点を変える必要があ
る。
(1)機能別現行コスト分析の目的
機能別現行コスト分析は、対象物の貢献度比率を設定することにより、必要とする機
能別の現行コストを明確にするために実施する。
(2)機能別現行コスト分析の手順
− 9 −
ア
検討する機能を設定する。(表−5のF1∼)
イ
構成要素に対する機能分野別の貢献度比率を設定する。
ウ
構成要素別現行コストを明確化する。
エ
機能分野別現行コストを算出する。
表−5 機能別現行コスト分析の整理例
機能分野別現行コスト(C)
現行コスト
構成要素
F1
F2
F3
・・・
構成率
大型車両を通す
防災対策強化
環境保全
・・・
(%)
40%
20%
126
62
(百万円)
土工
312
法面工
152
擁壁工
580
・
・
・
・
合計
3,057
70%
30%
106
46
5.0
30%
70%
174
406
・
・
・
・
1,381
1,028
269
・・・
45.2
33.6
8.8
・・・
580×0.3
構成率(%)
10.2
18.9
100.0
注1:機能分野別現行コスト(C)の算定において、上段は「貢献度比率」、下段は「機能別現行
コスト」
注2:構成率は、現行コストの合計額に対する率
4−3−2
機能の評価
機能の評価では、その機能を達成するためにいくらのコストをかけるべきか、すなわちコ
スト目標を設定する。
(1)機能の評価の目的
ア
機能分野ごとの価値の程度を評価するための基準を設定する。
イ
特定の機能を達成するために費やすコスト目標を設定する。
F(機能:機能評価値)=V(価値)×C(コスト)
(2)機能の評価の方法
機能の評価の方法には、以下の3手法がある。本手引きでは、比較的短い時間で機能
の評価ができる等の特徴を有する「機能の重要度による評価」について示す。
ア
実績価値標準による評価
イ
アイデア想定による評価
ウ
機能の重要度による評価:FD法、DARE法、AHP法(階層分析法)など
(詳細は、「新・VEの基本(産能大学出版)」参照のこと。)
(3)機能の評価の手順
「機能の重要度比較による評価」は、対象物に投資可能なコスト(目標コスト)を決
− 10 −
め、使用者の立場にたって各機能分野の重要度を比較・評価し、その比率をもとにコス
トを配分し、機能評価値(F)を求めようとする方法である。
ア
対象テーマの目標コストを設定する。
目標コストは、価値改善の努力目標として設定するものである。なお、やみくもに
設定するのではなく、現実的に達成し得るレベルの目標を設定する必要がある。
イ
各機能分野の重要度比率(ウェイト値)を設定する。
対象物に対して要求される機能は複数あり、その重要度も異なっている。したがっ
て、機能分野全体の重要度を100として、対象物の機能分野ごとに重要度を評価し、
設定する。
機能分野の重要度比率の設定は、基本的にVEチームのメンバーの総意をもって決
定するものとし、設定に際しては、対象物に求められる機能を具現化する上で、どの
程度重要であるか、過去の同種・類似事例を参考としつつ、協議して比率を設定する。
ウ
各機能分野の機能評価値(F)を算出する。
対象物の目標コストを機能分野ごとに重要度比率の割合で配分し、その値を個々の
機能分野の機能評価値とする。
表−6
機能分野
F1
大型車を通す
F2
防災対策強化
機能の評価(DARE法)の整理例
相対比較値
絶対比較値
ウェイト値
機能評価値
R
K
W
(K/ΣK)
F
4.50
39.1
1,173
3.00
26.1
783
1.00
8.7
261
2.00
17.4
522
1.00
8.7
261
100.0%
目標コスト
3.00×1.5
1.5
3.0
F3
環境保全
0.5
F4
□□□□
2.0
F5
○○○
最下段を1とする
合
計
※注1
11.50
3,000
注1:相対比較値(R)は、上段の機能分野が下段の機能分野に比べて何倍重要かを設定する。
上表では、F1がF2に比べ1.5倍重要としている。
注2:絶対比較値(K)は、機能分野の最下段を1とし、表の矢印のように順次上段に向けてKに
Rを乗じて一段上のKとし、全てを計算する。
注3:機能評価値(F)は、目標コスト(表では3,000)にウェイト値を掛けた値で、目標コスト
に対する機能分野の評価コストとなる。
4−3−3
対象分野の選定の手順
機能の評価の次は、これから改善活動を効率的に進めていくために、どの機能分野に改善
のための投資努力をしていくのか、その優先順位を決める。
(1)対象分野の選定の目的
改善効果のほとんどない機能分野について改善のための投資(改善努力)をしても効
− 11 −
率が悪いため、最小のインプットで最大のアウトプットを得ることが目的である。
ア
価値の低い機能分野を選定する。
イ
価値改善への動機を得る。
(2)対象分野の選定の手順
ア
機能分野の「価値の程度(F/C)」を評価する。
機能分野別現行コスト(C)及び機能評価値(F)との比率(F/C)を算出し、
価値の程度を評価する。
価値の程度(比率)が小さいほど現行方法の価値が低く、価値向上への努力が必要
な機能といえる。
イ
機能分野のコスト低減余地(C−F)を評価する。
機能分野別現行コスト(C)及び機能評価値(F)との差額(C−F)を算出し、
評価する。
コスト低減余地が大きいほど、現行方法を改善する必要性が高い。
ウ
価値改善の優先順位を決定する。
機能分野ごとに現行方法の価値の程度(F/C)とコスト低減余地(C−F)につ
いて比較した結果、価値の程度が小さくコスト低減余地の大きい機能分野では改善の
必要性が高い分野といえる。このような観点から、価値の改善の高い機能分野の優先
順位を決定する。
表−7 対象分野の選定の整理例
(F/C)
コスト低減
余地
(C―F)
優先順位
1,381
0.85
208
②
783
1,028
0.76
245
①
261
269
0.97
8
③
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
3,000
3,057
価値の程度
(F)
機能分野別
現行コスト
(C)
1,173
F2 防災対策強化
F3 環境保全
機能分野
機能評価値
F1 大型車両を通す
計
4−4
57
第三段階:代替案の作成
4−4−1
アイデア発想
創造とは、過去の経験や知識を解体、結合して新しい効果を実現する効用を実現すること
である。ある機能、目的を果たす手段が一つしかないと言うことはあり得ない。あらゆる角
度から発想し、最も価値ある設計とその達成手段の手がかりを求めるのが次の段階である。
(1)アイデアの発想の目的
アイデア発想の目的は、実現可能な具体案を作成するのではなく、機能本位に具体案
のヒントになりうるアイデアを多数発想することにある。特に、過去の経験や知識を活
かすとともに、情報収集を積極的に行うことにより数多くのアイデアを得るように努め
ることが重要である。
− 12 −
(2)アイデアの発想の方法
ア
機能本位の発想
抽象化された機能をキーワードとして発想することによりアイデアの拡大が図れ、
抜本的な改善につながる可能性が大きい。 設定した対象機能に対し「機能を果た
す」という観点からアイデアを発想する。あくまで、アイデアの発想はもの本位では
なく、機能本位に行うことが重要である。
イ
アイデア発想法:ブレーンストーミング法
何人かの人が集まり、集団の効果を生かしてアイデアの連鎖反応を起こし、自由奔
放にアイデアを発想する方法である。
【アイデア発想における4つの規則】
①批判厳禁、②自由奔放、③量を求む、④他人のアイデアの改善・結合歓迎
4−4−2
概略評価
アイデア発想で出されたアイデアについて、技術性と経済性から概略評価を行う。
・そのコストはいくらか?
・それは必要な機能を確実に果たすか?
(1)概略評価の目的
技術的・経済的可能性を追求し、具体化するアイデアを選択する。
(2)概略評価の方法
ア
技術的可能性評価
創造されたアイデアの技術的な可能性を検討、評価する。
・機能の制約条件(必要条件)を満足できる可能性があるか。
・現状の技術で実現できる可能性があるか。
イ
経済的可能性評価
創造されたアイデアが設定したコスト目標(機能評価値)の達成に貢献できる可能
性があるかを検討、評価する。
○ 良
い:目標達成の可能性が高い
× 悪
い:目標達成の可能性がほとんどない
△ 要検討:現在の情報では判断できない
※要検討の場合は、新たに情報収集し可能性の有無を明らかにする。
表−8
アイデア
F2
アイデア発想・概略評価の整理例
概略評価
技術性
アイデア
経済性
災害を防止する
概略評価
技術性
経済性
切土高を低くする
○
○
補強土にする
○
○
トンネルにする
○
×
擁壁にする
○
×
ルートを変更する
○
○
植生する
○
○
幅員を縮小する
○
×
緩勾配法面にする
△
×
− 13 −
4−4−3
具体化
選定したアイデアを組み合わせ、実現可能な代替案に育て上げて行かなくてはならない。
設計VEを中途半端に終わらせないために、チームにとって最も苦しく重要な段階である。
(1)具体化の目的
アイデアを組み合わせて具体化し、価値向上の期待できる代替案を作成する。
(2)具体化の手順
ア
アイデアの組み合わせ
機能分野ごとに概略評価で選定したアイデアをワークショップで用いるカード(付
箋紙など)に書き出しグループに分類し、アイデアを組み合わせてある程度具体的な
内容の略図にする。
有効なアイデアは、基本アイデア提案書シートに図面を描いたりコストを計算した
りしながら技術と経済性から検証する。
具体化
幅員の見直し
4.歩道の位置 を変
○○○○
8.歩道幅を変える
える
(図)
(図)
擁壁タイプ
の見直し
9.タイプを変える
の見直し
(図)
10.○○○○○○
17.線形を変える
12.○○○○○○
(図)
(図)
(図)
12.○○○○○○
(図)
図−5
具体化(アイデアの分類)の整理例
図−6
基本アイデア提案書の整理例
− 14 −
イ
利点・欠点分析
・アイデアが組み合わされた具体案に対して、その案が実施された時のことを想定し、
その利点と欠点を列挙する。
・利点は、その案のセールスポイントとなる。
・利点よりも欠点を落とすことなく列挙することが大切である。欠点を見過ごして進
むと、実施段階で後戻りすることになる。
ウ
欠点の克服
・利点欠点分析で出された欠点について、欠点克服のアイデアを出す。
・必要に応じて、情報収集、コスト見積りなどを行う。
・出されたアイデアの欠点が克服された場合、そのアイデアは採用できる。
エ
洗練化
・欠点克服で得られたアイデアと情報収集で得られたアイデアを、最初の案に加えて
新しい略図を描く。
・洗練化の段階でまだ十分に価値の向上が認められなければ、さらに具体化のサイク
ルを回さなければならない。
オ
機能別代替案の総合化
・各機能別に得られた代替案を組み合わせ、いくつかの総合案(代替案)を作成する。
表−9
VE提案項目一覧の整理例
コストダウン
№
分類
タイトル
内容
提案の組み合わせ
備考
効果予測
(単位:百万円)
1
補強土壁にする
補強土壁工
-8
2
大型ブロック積
大型ブロック積
8
歩道の位置を変え
組立歩道+擁壁高変更
る
(H=7m→H3m)
3
仮土留と擁壁を一
4
体化
:
35
:
:
計
経済性評価
4−4−4
○
59
アンカー付自立擁壁工
:
○
○
○
-8
8
59
35
④
③
①
②
詳細評価
具体化され提案しようとする複数の代替案に対して、技術性と経済性について詳細に評価
を行い、提案の優先順位を決める。
(1)詳細評価の目的
ア
複数の代替案の中から価値の向上が期待できる案を選択する。
イ
選択する代替案は間違いなく価値が向上する内容であることを保証する。
(2)詳細評価の方法
− 15 −
ア
技術性の評価
対象テーマに要求される機能、安全性、環境への配慮、法的な規制条件等求められ
る必要条件に対し、個々の代替案が確実にそれらの要求事項を満たすことができるか
どうか検証及び妥当性について評価する。
イ
経済性の評価
各代替案のコストを見積り、経済性を評価する。
ウ
総合評価
技術性及び経済性の評価結果をもとに個々の代替案を比較評価し、VEチームとし
ての代替案を決定する。
表−10
詳細評価の整理例
品質評価明細
代替案
機能
1
機能
2
機能
3
機能
4
機能
5
品質
総合点
(F)
原設計
評価点
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
代替案Ⅰ
評価点
1.10
1.05
1.00
1.10
1.00
1.08
代替案Ⅱ
評価点
1.05
1.00
0.95
1.10
0.95
1.04
下記①の算定
による。
下記品質評価
基準による。
コスト
総合点
(C)
1,000
1.00
900
1.11
800
1.25
下記②の算定
による。
価値の
程度
(F/C)
1.00
1.19
1.30
下記③の算定
による。
◎品質評価基準
評価基準
得点
原案より達成度が高い
1.1
↑
原案と同等レベルの達成度である
1.0
↓
原案より達成度が低い
0.9
◎品質評価の内訳比率(使用者優先で比率を決定する。
)
機能分野
比率
改善に着手した機能分野1
品質評価の内訳比率
30
〃
分野2
30
〃
分野3
5
〃
分野4
30
〃
分野5
5
◎代替案Ⅱの場合の算定例
①品質総合点 : (1.05×30+1.00×30+0.95×5+1.10×30+0.95×5)/100=1.04
②コスト総合点: 1,000/800=1.25
③価値の程度 : 1.25/(1/1.04)=1.30
− 16 −
備考
4−5
代替案の提案
VE活動に限らず全ての改善活動は、提案が実施されなければ意味がない。改善案が一刻
も早く実施されるように、提案書としてまとめ、関係者に働きかけなければならない。
(1)提案の目的
ア
成果を現実のものにするための働きかけをする。
イ
VEの有効性を認識させ、VEの定着、活性化への動機を与える。
(2)提案の留意点等
ア
代替案は、少なくとも次の2通りにまとめるのがよい。
(ア)
現実案:直ちに実行可能な案
(イ)
最も価値向上が見込まれる案(この案は、実施にあたり詳細テストなどを要し、
直ちに実施できないこともある。)
イ
事実に基づく内容を述べる。
ウ
価値の側面から検討する必要性を訴える。
エ
変更への抵抗を和らげる。
オ
熱意ある態度で説得する。
カ
相手を意識し、謙虚な態度に努める。
キ
提案を受ける人の立場にたって、具体的・簡潔にまとめる。
ク
変更実施に対して十分な裏付けを整えておく。
表−11
4−6
VE提案の整理例
VE審査
発注公所の担当者は、VEチームが作成したVE提案書の採用の可否、さらなる改善検討
の必要性等について審査し、業務の受託者と協議の上VE提案を設計に反映させる。VE提
案書を蓄積し、今後の設計検討に反映させる。
− 17 −
<参考文献>
1)国土技術総合政策研究所
建設マネジメント技術研究室:「設計VEガイドライン(案)
(平成16年10月)
− 18 −
検討シート参考様式集
− 19 −
VE対象の情報収集シート:参考となる図面(平面図、断面図等)は別途添付する。
【要求条件に関する情報】
【構成要素に関する情報等】
【技術・制約条件・問題点に関する情報】
【コストに関する情報】
− 20 −
機能の定義シート
構成要素
コスト
機能の定義
基本
2次
構成要素
− 21 −
コスト
機能の定義
基本
2次
機能の整理シート
【機能構成図】
− 22 −
機能別現行コスト分析シート
上段:貢献度比率の設定
下段:機能別現行コスト
機能分野
構成要素
コスト
(百万円)
F1
F2
F3
F4
F5
A
B
C
D
E
F
G
H
合計
構成率
− 23 −
F6
F7
F8
合計
構成率
機能の評価(DARE法)シート
機能分野
相対比較値
R
絶対比較値
K
ウェイト値
W
機能評価値
F
F1
F2
F3
F4
F5
F6
F7
F8
上段が下段の何倍重要か
合計
最下段を1
目標コスト
100.0%
− 24 −
対象機能分野の選定シート
機能分野
機能評価値
F値
現行コスト
C値
F1
F2
F3
F4
F5
F6
F7
F8
計
− 25 −
価値の程度
V=F/C
コスト低減余地
S=C−F
優先順位
備考
アイデア発想・概略評価シート
アイデア
概略評価
技術性
経済性
アイデア
− 26 −
概略評価
技術性
経済性
アイデア
概略評価
技術性
経済性
具体化シート(略図)
− 27 −
VE提案項目一覧シート
№
分
類
タイトル
内
コストダウン
効果予測
容
(単位:百万円)
経済性評価
− 28 −
提案の組み合わせ
備
考
基本アイデア提案書シート
◆提案の特徴
番号
タイトル
できるだけスケッチを描いてください!
(絵にならない場合は言葉で説明)
構成
要素
基本
機能
◆概略評価(指数評価)
項
提案
原案
提案
◆コメント(採用上の留意点等)
原案コスト
提案コスト
削減コスト
− 29 −
機能別代替案の作成シート
対 象 機 能
アイデアの組み合わせ
(機能別代替案)
利点
欠点
− 30 −
欠点克服のアイデア
評価
○採用、×不採用
総合代替案の作成シート
アイデアの組み合わせ
(総合代替案)
利点
欠点
− 31 −
欠点克服のアイデア
評価
○採用、×不採用
詳細評価シート
機能分野
品質評価の内訳比率
比率
評価基準
得点
1
原案より達成度が高い
1.1
2
↑
3
原案と同等レベルの達成度である
4
↓
5
原案より達成度が低い
1.0
0.9
※使用者優先で比率を決定する。
品質評価明細
代替案
機能1
原設計
評価点
代替案Ⅰ
評価点
代替案Ⅱ
評価点
代替案Ⅲ
評価点
機能2
機能3
機能4
機能5
− 32 −
品質総合点
(F)
コスト総合点
(C)
価値の程度
(F/C)
備
考
VE提案シート
最善案名
副次案名
組み合わせ
原案コスト
節約金額
提案
代替案コスト
機能性
− 33 −
<参考>特記仕様書の記載例
設計VEの対象とする業務委託の設計業務特記仕様書は、下記を参考として設計VEに関する
事項を記載するものとする。
第6章
その他
(設計VE対象業務)
本設計業務は、下記のとおり設計VEを実施するので、受注者はその実施に協力す
ること。
1 設計VEは、調査職員が別に定めるVEチームが実施する。
2 設計VEの実施時期は、本設計業務の原案がまとまった段階とする。詳細スケジュ
ールは、調査職員が別に指示する。
3
受注者は、設計VE検討の2週間前までに設計原案に関する資料を提出すること。
提出資料は、調査職員と協議するものとする。
4 受注者は、VEチームの求めに応じ、設計内容の説明や関連する技術、コスト情報
の提供などを行うこと。
5 調査職員と協議の上VE提案を採用した場合は、原設計案を修正するものとする。
なお、受注者がVE提案を不採択とする場合は、技術的な検討に基づく合理的か
つ客観性のある理由を提出すること。
6 上記3から5は、契約書第9条第2項に規定した調査職員の権限であり、業務の契
約時に設定した配置人員及び日数に大幅な変更が生じない限り、原則として業務
経費を変更しないものとする。
ただし、調査職員が認めたときは、甲乙協議することができる。
− 34 −
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