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2014年9月号(410号) - 公益社団法人認知症の人と家族の会

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2014年9月号(410号) - 公益社団法人認知症の人と家族の会
「ぽ〜れぽ〜れ」通巻410号●2014年9月25日発行(第3種郵便物認可)
会員
さ
ん
からの
お便り
ぽ〜れぽ〜れ7月号
「安心して入所できる施設を」を読んで
夫婦の時間が
訪れることを願って
広島県・Iさん 男
現在認知症と診断され8年がたつ 60 歳の
妻を介護しながらの日々です。小規模多機
能型施設を利用しながら、ケアマネジャー
をはじめスタッフの皆さんの援助を受け、
在宅で介護をしながら日々暮らしていまし
た。
そうしている内に、昨年はじめ妻は家の
中で転倒し、頸椎、脊髄を損傷し、全く立
つことができなくなり、寝たきりの状態に
なってしまいましたが、今も引き続いて、
スタッフの皆さんに助けてもらいながら同
じ施設を利用しています。
Kさんにおかれましても、ご苦労が多々
おありのことと思いますが、介護サービス
にも昨今たくさんのメニューが用意されて
います。こうしたサービスを利用しながら、
少しでもご夫婦の時間を作られてはいかが
でしょう。以前、通院していた病院の医師
からは次の内容の手紙をいただきました。
「デイサービスやショートステイをお願い
しながら自分自身の時間を少しでも見つけ
て下さいね」と。
どうかKさんご夫婦におかれましても、
日常生活の中にゆっくりとした夫婦の時間
が訪れることを願っています。
6
ホームから涙して
帰ってきます
宮城県・Tさん 69 歳 女
いつもぽ〜れぽ〜れを拝読させて頂き、
勇気やら元気を奮い立たせています。不本
意ながら、95 歳になったばかりの義母を
ホームでのお世話をお願いしたのですが、
週2回の面会の度に義母に申し訳なく涙し
て帰ってきます。夜中に目が覚めて私の名
前を呼んでいるとの事を聞いたりすると、
いてもたってもいられない気持ちになるの
ですが、皆さんはどういう体験をしてい
らっしゃるのでしょうか?
食べることに全力投球
鹿児島県・Tさん 74 歳 女
夫が認知症と診断されてこの7月で丸 16
年になります。当時、CT検査上は萎縮は
あまり見られませんとの事でした。5 年程
前に要介護5になり、現在は施設に入所し
ています。
自宅から車で片道 25 分くらいの施設に、
私に特別の用事がない限り、昼食介助に
通っています。本人の今の状態は、立つこ
ともお話することも出来ませんが、食事だ
けはしっかり咀嚼して食べています。その
食べている姿は自分で出来るただひとつの
ことに全力投球しているようで、とてもす
てきに思えます。
愛おしい…
沖縄県・Tさん 60 歳 女
夫が鏡に向かって毎日話をしています。
たくさんの人がまわりにいるのに。さみし
いやら…おかしいやら…。
愛おしいなんて、いい言葉ですね。
「ぽ〜れぽ〜れ」通巻410号●2014年9月25日発行(第3種郵便物認可)
家族問題に悩まされて
愛知県・Aさん 50 歳 女
介護の責任問題など、いろいろとテレビ、
新聞などで取り上げられています。家族問
題がとても大変なことを親族は理解してい
るのかと、いろいろと問題が起きてくると
思い知らされます。
私は嫁です。一番介護をしているのに、
立場は最悪です。勝手な時は身内、ある時
は嫁でも他人扱い。人として 81 歳の姑の世
話をしているのに、当たり前と片付けられ、
身内が 1 番知らん顔。お金の時だけはしっ
かりと集まる。親に対する向き合いがまっ
たくないように思えます。嫁はいつも悪者
扱いに疲れました。
仲間のおかげ
デイサービス 初めて見送り 茶をすする 父さんごめん ほろ苦き味
今は支援する側で相談を受けています。
一人一人が生きてきた道程が異なるよう
に、困りごとも多種多様です。ご本人とあ
るいは介護者と困りごとを共有し一緒に悩
み、考えを巡らす日々です。そして、自分
の生き方さえも問われているような思いに
なります。そんな時は相手の笑顔に救われ
ます。その時々の一瞬の笑顔を共有できる
ことが支援する側の喜びになり、次へのエ
ネルギーが湧いてくるようです。
トイレにも 洗濯干し場も さがし来て
母さん居たよと 犬をなぐさめ
大分県・Hさん 66 歳 女
山形県在住菅原由紀子さん(68 歳)
が短歌集『
「介護短歌百首」~夫と
わたし~』を出版されましたのでそ
の中から3 首をご紹介します。
突然死 だったらいかに 悲しかろ
スローグッバイ できる幸せ
笑顔がエネルギーの源
認知症になった母ではあるが、介護をして
8年。考えもしなかった人生が待っていた。
二人で車で出かける時、必ず「鍵はかけ
たか」と注意してくれる。これは私の心に
鍵をかけたかと言われているように思う。
この言葉で必ず安全運転ができる。常日頃
のいろんな場面でもアッと思う事がある。
96 歳になった今、私が次男という事すら忘
れていることが多いのに、心の中では親と
子という絆が切れていないと思う。こんな
日々が送れるのも「家族の会」に入って仲
間の助けがあったからだ。こんな思いを共
有できる仲間をもっと増やしたいと思う。
滋賀県・Kさん 69 歳 男
リタイア後の私の人生を母が変えてくれ
た。いつまでたっても、母の傘は大きい。
お便りお待ちしています!
〒 602-8143 京都市上京区堀川通丸太町下ル
京都社会福祉会館内〈
「家族の会」編集委員会宛〉
FAX.075-811-8188 E メール [email protected]
7
「ぽ〜れぽ〜れ」通巻410号●2014年9月25日発行(第3種郵便物認可)
133 支部だよりにみる
北
から
今回は
佐賀県
「若年性認知症・ウチの場合〜病院から介護施設〜」
唐津市 I・S
●介護施設(宅老所)への入所
南
から
佐賀県支部版
(2014年7月号)
自宅介護の方ばかりで、夫、妻を献身的に
1 年半の入院生活から、ようやく介護施
介護されている姿に心が熱くなります。以
設(宅老所)へ移ることが出来ました。少
前 TV で見た方が、数年後に症状が進まれ
人数の施設でスタッフのかかわりも厚く、
ている姿は、やはり夫と重なります。それ
アットホームな雰囲気に私も安堵しまし
でも自宅で共に過ごしているのを見ると落
た。
ち込みます。一人ひとり症状や環境が異な
一番嬉しかったのは個室だったこと。二
人で音楽を聴き、思い出の写真を飾ること
るのだから、比較してはいけないとわかっ
ていても……。
が出来ます。しかし、1年半の入院は、施
設での暮らしに大きく影響しました。ス
●素直に受け取れない言葉たち
タッフと私が最も苦闘したのは排泄でし
発症後6年で宅老所に入所させてしまっ
た。看護と介護の違いを思い知らされた重
た自責の念が、毎日彼に会いに行く暮らし
要課題です。施設では本人の尊厳を大事
にさせているのだと思います。彼の入院
にしてくれて、昼間はトイレでの排泄です。
中、ある日看護師さんが、
「連れて帰った
既にコミュニケーションが取れない夫なの
ら?」と言い、私は驚いて「とても家では
で、時間と夫の動きを見てトイレ誘導し、
看られません」と言うしかありませんでし
お腹のマッサージをしてくれます。もちろ
た。
「冗談、冗談」と笑われました。私に
ん病院と施設を比べることは無理です。役
はジョークも受け入れる余裕がなかったの
割が違うのですから。夫も症状の重さから
です。毎日面会に来る私がうっとうしかっ
入院せざるを得なかったし、結果、穏やか
たのかもしれません。
になりました。でも受け入れてくれる施設
夫は 68 歳になりました。発症から 10 年
が少なかったのが現実です。若年性認知症
の歳月は夫を大きく変えました。私には3
で歩ける、というだけで断られました。
年前に 60 年間連れ添った夫を亡くした姉
がいます。姉は言います。
「姿の見えんご
●若年性認知症の受入れ
確かに介護の大変さを思うと受け入れる
側でも考えるのは当然のことです。それで
とらすだけで良かと思わなね」私はこの言
葉を素直に聞けませんでした。
も夫の施設の隣のグループホーム(同じ経
あまりに変貌してしまった夫は、かつて
営者)には若年性認知症の方が 2 人も入所
の夫ではないと反発しました。かつての夫
しています。2 人とも夫より若く、介護も
の姿とのギャップに現実の夫を認められな
大変そうです。スタッフ一同助け合いなが
かった。それでもたった一人の家族である
ら見守っている姿に、私も嬉しく思ってい
私は、彼を守る生き方を続けています。時
ます。
は人の心も変えます。今は夫が私の生きる
最近 TV で若年性認知症の方たちのド
キュメンタリーをよく見ます。ほとんどが
8
となってんね、どんなに淋しいか…。生き
支えになっていることに気づきます。
「ぽ〜れぽ〜れ」通巻410号●2014年9月25日発行(第3種郵便物認可)
田部井理事の
介護給付費分科会レポート ❸
[8月7日、27 日の分科会]
●要介護認定が受けられなくなる?
介護サービスを申請する窓口で「明らかに
要介護1以上と判断された場合」に要介護認
定につなぐ、
「窓口担当者は専門職でなくと
もよい」との制度改正のガイドライン(案)
が示されました。これでは、認定審査会でも
判断が難しい初期の認知症の人が専門的な
サービスを受けられなくなってしまう恐れが
あります。8 月の分科会では、この問題を中
心に発言しました。まず、7日の審査会で「ぜ
ひ取り消してほしい」と要望しましたが、回
答は「秋口には報告する」にとどまりました。
そこで、
「この問題は、制度の根幹にかかわ
る重大な課題であり、介護保険部会か給付費
分科会で議論すべきである」と改めて回答を
聞いて
国民の声を
危惧・
「要支援」の市町村事業への移行
認知症の方が要支援認定だと
困っています……
介護保険の要介護認定結果で、認知症やターミ
ナルの方に「要支援」が出た時には本人・家族・
ケアマネジャーは困ることになります。毎日見守り
が必要で、緊急対応が予測され「要支援」の単位
数では十分にサービス提供ができません。利用で
きるサービスは、週 3 回の訪問介護、週 2 回の通所
介護と限定されています。医療系サービスには「要
支援」では利用できないサービスや、事前に医師
の意見を必要とするサービスもあり、手続きに時間
を要します。
認知症の方は、以前と違って、生活がし難くなっ
ているのに本人も家族も気が付かず、こんなものだ
と思っている場合や、気付いても、何かの間違い
だと思い込もうとしています。ケアマネジャーはす
ぐに生活が困難になるのがわかっていますので、区
10
求めましたが、やはり、議論するとの回答は
得られませんでした。まだ、決定したわけで
はありませんので、引き続き、取り消してく
れるよう求めていきます。
●老人保健施設は 3 ヵ月で出なければいけな
い?
また 7 日には、老人保健施設は 3 ヵ月で出
なければいけないという決まりがあるのか、
と質問しました。厚生労働省からは、
「3 ヵ月
で見直しはするが、出なければいけない決ま
りはない。長くいることに伴うデメリットも
ない」との回答でした。老人保健施設協会の
委員からも、同様の内容の回答がありました。
他の委員の「現実にはたらいまわしが行われ
ている」との指摘に対しては、老健協会の委
員から「あることは認める。なくすよう努力
したい」との回答がありました。情報がお役
に立てば幸いです。
連載
地域包括支援センター職員 2
恒岡知津江
分変更の手続きを行います。そうすると、元々付き
合いが苦手な方は続いて調査を受けるのを嫌がり、
家族が遠方の場合、再度、認定調査への同席を求
められて困られます。区分変更を行うには医師の理
解も必要で、面談で話し合えれば良いですが、忙
しい医師には電話やファックスとなる場合もありま
す。医師と共通認識を持つのが容易でない場合も
あります。
医師が、認知症生活自立度を認知症と判断する
「Ⅱ」の「日常生活に支障をきたすような症状・行動・
意思の疎通の困難さが多少見られても、誰かが注
意していれば自立できる」と、チェックしていても、
審査結果が「要支援」になります。
「誰かが注意し
ていれば」とは、日常生活的見守りが必要という意
味ですが、
「自立できる」に重点が置かれた「自立」
の解釈が文字通りになされています。家事や金銭
管理などにミスが目立つ、留守番が出来なくなった
方は、生活支援が無いと不安で混乱してしまいま
す。認定審査会によって審査結果が違うのではな
く、この場合は「要介護」認定で統一していただ
きたいとお願いしたいものです。
「ぽ〜れぽ〜れ」通巻410号●2014年9月25日発行(第3種郵便物認可)
県・市から「『家族の会』の方とお会いしたい」
秋田県
支部
県長寿社会課課長より「県としてオレンジプランに
沿った施策を進めているが、
『家族の会』の皆さんのお
考えをお聞きしたい」と連絡があり、6月23日に佐藤
敦子代表と世話人5名が県庁に出向きました。用意した
本音でお付き合いできたリフレッシュ旅行
新潟県
支部
「何よりも夫の嬉しそうな笑顔をたくさん見られた
のが一番のお土産です」
「夜の更けるのも忘れて語り
合い、ともすればマイナス気味になる気持ちを又前向
きにすることが出来ました」
「電車の中での楽しいお
岡山県
支部
つどいの話題は福祉110番
6月12日、津山市認知症の人と家族の会「おあしす
の会」の総会が、尾崎善規支部副代表等の来賓を迎え
開催されました。総会後の「つどい」は、尾崎副代表
のハーモニカ伴奏に合わせ「ふるさと」などを歌い、
家族の願いでサポーター養成講座開催
大分県
支部
認知症の夫の介護体験から多くの人に認知症を理解
してもらいたいという会員の長野八重子さんの願いで
民生委員、稙田地域包括支援センターが中心になり地
区の公民館でサポーター養成講座が開催されました。
国際交流委員会発
ノルウェーの巻
「ケアでつながる地球家族」
■パワフルなノルウェーの認知症支援団体
今 月 は ADI 機 関 誌 の 記 事 よ り、 ノ ル ウ ェ ー 保 健 協 会
(Norwegian Health Association NHA)を紹介します。
NHA は、ノルウェーで唯一の認知症とその介護者支援を
行なっているボランティア団体です。今年5月のアルツハイ
マー病協会国際会議で ADI への加盟を承認されました。設立は
1910年、認知症の課題には1990年から取り組んでいます。
ノルウェー全土にある150の認知症関連団体とその他の保健に
関する400の団体によって構成され、機関誌の発行部数は3万
2000、社会的に大きな影響力があります。現在は、政府に対
資料を基に、認知症本人の苦しみや悩み、家族の苦悩、
社会や周囲の理解不足、そして、介護者同士で悩みや
苦しみを共有し、支え合っている「家族の会」の存在
意義などを話しました。秋田市からも「認知症ケアパ
ス作成委員会」委員の要請があり承諾しました。行政
との話し合いが今後につながることが期待されます。
しゃべり、ホテルの部屋での介護の話、笑いが止まら
ない宴会。心が休まる時を過ごせました」
7月5・6日のリフレッシュ旅行参加者の声です。
そして、
「本音でお付き合いができる『家族の会』
の良さがギュッと詰まった旅行でした」と金子裕美子
代表が旅行の総括をしています。
会場の緊張をほぐし話し合いが始められました。
話題の中心は、一人暮らしの方や介護者からの SOS
に即対応の「福祉110 番」を望む声でした。
「介護の問題には、まだまだ行政側には見えない苦
労がある。現状をもっと知ってほしい」と廣本美智子
会長は話しています。
長野さんは介護体験を発表するにあたり「稙田のつ
どい」でリハーサルを行い講座に臨みました。
講座後、地域の人がご主人の手を引いて連れてきて
くれたり、
「何でも加勢するわ~」
「畑も加勢するよ~」
などと声がかかるようになり、認知症の人をみんなで
見守る地域のつながりが深まったようです。
して「認知症の人が日常的に活動できる
機会と場を制度化すること」と「本人や
介護者を認知症施策の策定メンバーに入
れること」を要求して活動中です。
昨年、NHA の認知症に対する取組みがノルウェー国営放送
の長時間募金番組のテーマに選ばれ、€10ミリオン(13億
7000万円)の寄付金を得ました。これによって NHA の各
団体は、認知症カフェ、音楽、運動、回想療法など250もの
プログラムとそれらの活動を支援する「活動仲間(Activity
Friends)
」というボランティア育成コースをスタートさせまし
た。また、寄付金の一部は認知症研究にも助成する予定です。
民間ボランティア団体でありながら、大きな社会的影響力
を持つ NHA の動向に、今後も注目していきたいと思います。
(国際交流委員 鷲巣典代)
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「ぽ〜れぽ〜れ」通巻410号●2014年9月25日発行(第3種郵便物認可)
例年にもまして暑い夏、みなさんはいかがお過ごしでし
たか? 今年は台風も多く記録的豪雨も経験しました。東北
は夏祭りの季節で、弘前ではねぷたが始まりました。
人出でごった返す8月2日土曜日の昼、高齢化社会
を考える会が弘前で開催されました。地域の先生、
介護スタッフ、家族会のみなさんの約 70 名でびっ
しりの会場で、日本認知症学会会長・大阪市立大
〜老いをめぐる私の想い〜
学教授の森啓先生に、認知症は国民病─医療スタッ
フ総動員で連携─のお話をしていただきました。
認知症の原因について分かり易く話していただいた
後、最先端の DIAN 研究のお話をしていただき、参
加した方々からは感動と勇気をいただいたと嬉しい
感想を伺いました。
この研究は米国のセントルイスのワシントン大学のモ
リス教授によって行われている研究で、米国の家族性アル
ツハイマー病患者さんたちの協力を得て、発症予防薬の臨床治
験を目的としています。予防薬とは、Aß に対するモノクローナル
抗体や BACE1 阻害薬というAß 生成を抑制する薬剤群で、2年の投
与を行なった後、効果がなければ別の薬剤を翌2年間投与を繰り返
すという徹底した臨床治験です。認知症を発症する前に子供たちを救
いたいという家族の崇高な願いに基づいて、家族と研究者が協力し合っ
て進行しています。私どもも日本でも開始したいと希望し、ワシントン
大学の DIAN 研究グループと準備を進めてきました。昨年、6月に視察
を行い、治験第1例目と2例目の患者さんにもお話を伺いました。実際
の手順を参考にして、
「家族の会」のみなさんにもご協力いただき、日本
での開始に備えてきました。お陰様で本年度、国からのご支援をいただ
きDIAN-Japanとして正式に発足し、現在着々と準備を進めています。
みなさんもよくご存知の前田夫妻や、ものわすれ外来の患者さんから
は、いつも治す薬を早く作ってくださいとの要望を伺っています。私ど
もとワシントン大学の先生方も動機は同じで、根本的治療薬の開発のた
め日々努力する毎日です。
今年の 11 月2日に青森市で「家族の会」の全国研究集会が開催されま
す。先日、
「家族の会」の方々との打ち合わせ会を行いました。青森の「家
族の会」と私どもが歩んで来たこの5年間をご紹介するとともに、今後
の様々な取り組みも発信したいとみなさん燃えています。晩秋の青森で、
みなさまと熱い思いを共有したいと願っています。ぜひ、みなさまにご
参加いただくよう青森県の「家族の会」一同お願い申し上げます。
リレーエッセー
Relay Essay
月には青森へ
東海林幹夫 (しょうじ みきお)「弘家前族大の学会神」経青内森科県教支授部顧問
11
12
[11月 2 日青森市で開催される第 30 回全国研究集会の講演者]
「ぽ〜れぽ〜れ」通巻410号●2014年9月25日発行(第3種郵便物認可)
今月の本人
萩原笑子さん(79歳・京都府支部)
会員になって 1 年足らずの新会員さんです。2 年
前にアルツハイマー型認知症と診断されました。素
敵な笑顔で毎日を過ごしていらっしゃいます。
(編集委員 鈴木和代)
笑子さん(右)とご主人の孝一さん(84 歳)
現在の暮らし
格的なコーラスグループに所属していましたが、
現在は孝一さんと二人暮らしで、家事は笑子さ
いかと不安になり、8月に自ら退会しました。コー
んが中心に行なっています。生活の中で一番困っ
ラスはこれからも続けたいので、認知症でも活動
ているのは、20 歳の時以来飲んでいる糖尿病の
ができるコーラスグループを探しています。
物忘れなどのことでメンバーに迷惑をかけていな
薬が多く、管理が難しいことです。さらに認知症
音楽愛好家の笑子さんのために、孝一さんが情
の薬も増えて、すべてを間違えずに確実に服用す
報を探し求め、3 月から3ヵ月間「音楽療法」を
ることには神経を使います。ご主人の管理のもと、
受けました。休止期間が3ヵ月あるのですが、と
薬をきちんと飲めるように工夫しています。
ても良かったので、継続していきたいと思ってい
要介護 1でデイサービスは週に1回午後の3時
ます。
間だけ利用しています。今は終日利用できるデイ
を探しています。日課の
散歩は、天候や気候が良
天気の良い日は近所を散歩
今の気持ち 夫・孝一さん
い日に出かけます。孝一
地元のつどいと、月に1回のオレンジサロンには
さんと一緒に、ナップザッ
必ず顔を出して、認知症の仲間との交流を続けて
クを背負って1時間ほどの
います。卓球が好きで週1回クラブで楽しんでいま
コースを決めていて、買い
したが、事情があり辞めました。自分の楽しみが
物がてら、近くの神社仏
少しずつ減ってしまって残念です。今のような状
閣や疎水を歩きます。歩
況でも卓球やコーラスを楽しめる仲間が欲しいで
きながら計算問題を出し
す。
「これからどうなるんかなあ…」と不安になる
合って、
「脳トレ」を実践
事がありますが、できるだけ今の状態を維持して、
しています。
1日でも長く今の生活が続けられることを願ってい
ます。
「家族の会」を通じて、病院では教えてもら
音楽を続けたい
えなかった病気のことや生活の情報などを知るこ
長く保母さんをしていました。音楽を愛し、ピ
とができ、入会して良かったと思っています。
アノを今でも時々弾きます。病気になる前から本
交流の場
宮城◉10月2日㈭ ・16日㈭ 午前10:30
〜午後3:00/翼のつどい→泉社会福祉セ
ンター
埼 玉 ◉10月22日 ㈬ 午 前11:00〜 午 後
1:00/若年のつどい・大宮(北区)→大
砂土ふれあいの里
富山◉10月4日㈯ 午 後1:30〜3:30/て
るてるぼうずの会→サンフォルテ
岐 阜 ◉10月19日 ㈰ 午 前11:00〜 午 後
3:30/各務原市のつどい→ニッケかか
み野苑
14
◦10月26日㈰ 午 前11:00〜 午 後2:00/
岐阜市のつどい→アルト介護センター長
良
愛知◉10月11日㈯ 午後1:30〜4:00/元
気かい→東海市「しあわせ村」
滋賀◉10月8日㈬ 午前10:00〜午後2:00
/ピアカウンセリング→成人病センター
職員会館
鳥取◉10月25㈯ 午前11:00〜午後3:00
/東部にっこりの会→鳥取市・コトリ舎
広島◉10月4日㈯ 午前11:00〜午後3:30
/陽溜まりの会東部→福山すこやかセン
ター
◦10月11日 ㈯ 午 前11:00〜 午 後3:30/
陽溜まりの会広島→中区地域福祉セン
ター
◦10月18日 ㈯ 午 前11:00〜 午 後3:30/
陽溜まりの会北部→三次市十日市コミュ
ニティセンター
◦10月25日㈯ 午 前11:00〜 午 後3:30/
陽溜まりの会西部→廿日市市あいプラザ
福岡◉10月1日㈬ 午前10:30〜/あまや
どりの会→大堀公園 雨天時 : 福岡市市
民福祉プラザ
熊本◉10月4日㈯ 午後1:00〜3:00/若
年期認知症のつどい→県認知症コールセ
ンター
大分◉10月4日㈯ 午後1:30〜3:30/若
年性認知症のつどい→県社会福祉介護研
詳細は各支部まで
修センター
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