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理科役立ち公式 光に関係する色々な理科の現象
理科役立ち公式 光に関係する色々な理科の現象 光に関係する色々な理科の現象を考えてみましょう。 皆さんは、光の性質に直進・反射・屈折の3つの性質があることを知っていますね。この性質に関係する色々な 現象を考えて見ましょう。 虹のでき方 雨上がりにきれいな「虹」を見たことがあると思います。アーチ型になっていて、外から、赤、橙、黄、緑、青、 紺、紫の7色の虹が見えます。どうしてこんな色の虹になるのでしょう。 雨が降った後は、空気中に水滴が粒となって浮いています。その粒に光があたると屈折されます。ところが「太 陽の光」は、白い光のように見えますが、それは色々な色の光が混じったものなのです。これらの色のついた光は、 波長が短いもの(青い光)から、波長が長いもの(赤い光)まで色々あります。波長が短いものほど、物質の中を 進むとき、散乱されやすくなり、水に入るときも屈折率は大きくなります。すると図のように左から入ってきた太 陽の光は、水の粒により 屈折⇒反射⇒屈折 され、屈折の時に、色のついた光が分離していきます。 実際の見える仕組み ① 青い光ほど屈折されやすいので、一つの水滴に当たった光は、図1のように曲がります。 ② 空中に浮いているたくさんの水滴が図1のように光を色々な方向に屈折させるのですが、見ている人の目に 入るのは図2のようになるため、高いところの水滴は「赤」、低いところの水滴は「青」の光が入ることになり ます。このことで「虹」は外側から内側に、赤、橙、黄、緑、青、紺、紫の色に並ぶのです。 図1 屈折小 太陽の光 水滴 青い光 屈折大 赤い光 太陽の光 図2 赤い光 青い光 このことから、 「朝虹は雨」ということわざが、正しいこともわかります。つまり、朝は太陽が東から昇ってきま す。その光が太陽と反対の西の方の水滴にあたって虹を作るのです。 つまり、西のほうには水滴を含む大気があるということであり、時間がたてば雨が降るのです。 レンズの公式 凸レンズの作図の問題は、光の問題の中で非常に多く出題されています。 この中には、レンズの公式を知っているだけで簡単に解けるものが多数あります。レンズの公式そのものは、高 校での学習内容ですが、理屈は中学でも十分わかります。そのため、この公式を使えるようになっておきましょう。 (この説明は中3用) P レンズの公式 R b 1 1 1 a b f B A O a F f ' Q (証明) 凸レンズの左の矢印の先端から出た光の、軸に平行に進む光は、焦点をとおるように屈折します。また、レンズ の中心を通る光はまっすぐ進みます。 この2つの光は、レンズの右側で交わり、逆さの実像を作ります。 物体の長さを できた実像の大きさを 凸レンズから物体までの距離を a ' 凸レンズから像までの距離を b 焦点距離を f とします。 すると、 ' PAO ∽ QBO より、 : a : b …① が成り立ちます。 ROF よって、 ∽ QBF より、 : ' f : b f a : b f : b f bf ab f ab af bf af ab 両辺を ab でわって 1 1 1 a b f …② が成り立つ。 顕微鏡の仕組み 顕微鏡は、対物レンズで拡大された倒立の実像を、接眼レンズでさらに正立の虚像として拡大して見る仕組み になっています。そのため、見える像は、上下左右が逆になり、大きさは2つのレンズの倍率の積になります。 接眼レンズ 対物レンズ 焦点 虚像 焦点 実像 実物 蜃気楼・逃げ水 真夏の炎天下、遠くの道路の上にキラキラ輝く水溜りのようなものを見たことがある人は多いと思います。とこ ろが、近づいてみても「水溜り」は無く、また遠くのほうに「水溜り」が見えるのです。この現象を「逃げ水」と も言います。これと同じ現象は、砂漠の「蜃気楼」であったりします。この「逃げ水」の現象は、光の全反射によ って引き起こされます。地面に近い空気は、熱せられて膨張し、上の冷たい空気と密度が異なるため、ちょうど水 中から、空気中に光がでるときに「全反射」が起こるように、2つの空気の境目でも「全反射」が起こります。そ のため、空の景色が反射によって地面に見えるため、 「水溜り」があるように思えるのです。 砂漠の「蜃気楼」もこれと似た現象で、光の屈折・反射によって遠くの景色が見えるのです。蜃気楼は日本では、 富山県の魚津市が有名ですね。 眼 冷たい空気 水溜まり 熱い空気 全身を写す鏡 自分の全身を鏡で見たいとき、どのぐらいの長さの鏡があれば言いのでしょうか。近づくと大きく見えて、遠 ざかれば小さく見えるので、見る場所によって長さが違うと思ってしまいますが、実は、場所に関係無く「身長 の半分」の長さの鏡でOKなのです。 B P A 1 2 Q C 上の図のように、鏡の中に自分の全身像が写っているときを考えると、右の図のように2つの三角形は1:2 の相似になります。よって、PQの鏡の長さは全身BCの長さの半分で良いことになります。この説明図では、立 っている場所は決まっていません。つまりどれぐらい離れていてもいつもこの比は成り立つのです。 水中のものの見えかた 水の中を見たときに、浅いところを魚が泳いでいるように見えて手を伸ばすと、実際にはずっと深かったという経 験をした人も居ると思います。これは、光の屈折の現象なのです。空気中から水中に光が進むとき、光が屈折して、 深いほうに折れ曲がります。そのため、深いところの物体が浅く見えるのです。 (図1) 眼 図1 図2 ところが、その反対に、水の中の魚が、陸地の人間を見ると、図2のように屈折によって、人間の体が大きく拡 大されて見えるのです。こういった仕組みを知っていると、「魚つり」の時にも役立ちます。図2のように魚は、陸 地の人間を見ることができるので、人が見つからないだろうと思う離れたところでも、見えてしまうのです。その ため、光が全反射する、境目の所より遠くから、 (図3の安全圏)魚を釣らないと魚は逃げてしまいます。 図3 安全圏 全反射 色について みんなが見ているものは、ほとんどがきれいな色がついています。この色はどうして見えるのか考えてみましょ う。 <太陽の光> 太陽の光のような白色光は、前の虹のところでも話したように、すべての色の光が混ざってできています。その ような「光」が、たとえば、赤いペンキを塗ったものにあたると、「赤いペンキ」は、赤以外のすべての色の光を吸 収してしまい、 「赤い光」だけを反射するため、眼に入る光は赤く感じるのです。つまり色は、物体にあたった時の、 反射光で決まるのです。言いかえれば、物体は、反射する光以外のすべての色の光を吸収しているわけです。 <白と黒> すべての光を吸収してしまった時の色は、反射光が無いために「黒」くみえ、すべての光を反射する時の色は、 「白」く見えるのです。夏は、白い服を着るほうが、光を反射するために涼しくなり、冬は、黒い服を着るほうが、 弱い光でも吸収してくれるため、暖かくなるのもこの性質によるのです。 <絵の具> また、 「絵の具」は、どの色も吸収した残りの光が、色をつけているのです。そのため、絵の具を混ぜていくと、 吸収される光が多くなり、次第に明るさが無くなり、暗くなっていきます。 (この色の混ぜ方を「減色混合」といい ます。)その反対に色のついた光(懐中電灯の前に色セロハンをかざせばできます)をいくつか混ぜると、光の量が 増えてくるため、次第に明るくなってきます。(この色の混ぜ方を「加色混合」といいます。) <点描> 絵の描き方のひとつに「点描」という方法があります。これは、色を塗り重ねるのではなく、色のついた小さな 点を並べていって描く方法です。こうすると、それぞれの色の反射光が重なって、全体として明るい感じが出てき ます。(「加色混合」の方法をうまく使っていますね。) <海の色> 海の色も、色の吸収で説明できます。水は、波長の長い光ほど吸収しやすいのです。波長の長い光は、 「赤」い光 なので、光が水に入っていくにつれ、「青」い光しかのこってきません。そのために、海の水は青く見えるのです。 また、海草の色も深さによって、色が違うのはこのためです。浅いところは、 「赤」い光を吸収する色(反対の色が 緑で、その色を反射するので緑に見える)の海草が多く、深いところは、「青」い光を吸収する色(反対の色が褐色 で、その色を反射するので褐色に見える)の海草が多くなります。 屈折の説明について 光が、空気中から、水面に斜めに入ったときに図のように屈折することは、知っていると思います。では、なぜ 図の向きに屈折するのでしょう。考えて見ましょう。 空気 水 光は、真空中では、30万キロ毎秒という、1秒間で地球を7周半のすごいスピードで進んでいるのですが、水 中などの物質の中では遅くなります。このことを頭に入れて考えると次のような説明がわかりやすいかと思います。 今、運動会の行進の練習で、4列縦隊でまっすぐ行進していると考えてください。その先に砂利道があるとする と、そこでは歩くスピードが遅くなります。 a b c 砂利道 その、砂利道に斜めに行進が進んでくると(a) 、最初に砂利道に入った内側の人は、あまり進めず、外側が回り 込んで進むようになります。(b,c)これが、光が空気中から水中に入るときの屈折の理由になります。